交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ【2022年最新】

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最新 交通事故の慰謝料

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の慰謝料とは、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭的な補償のことです。

慰謝料の金額を保険会社の言うままにしていると、最も高額で妥当な慰謝料と比べて3分の1~半分程度の慰謝料しか受け取れない可能性が高まります。

本記事では、交通事故の慰謝料とは何なのか、慰謝料の計算方法や相場など、慰謝料に関する基本的なことを網羅的に解説してきます。さらに、判例や慰謝料の増額事例といった実例も紹介しているので、適正な金額の慰謝料をもらうための方法についてより理解が深まるでしょう。

交通事故の慰謝料とは?

慰謝料は精神的苦痛を慰める損害賠償金

被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われるのが慰謝料です。

交通事故では、具体的に以下のような精神的苦痛を受けることが考えられます。

  • 交通事故に巻き込まれるという怖い思いをした
  • ケガの治療や手術で辛い思いをした
  • 後遺症が残り今後の生活に不安を感じている
  • 加害者に対して許せない気持ちが強い
  • 大切な家族を亡くして悲しくて悔しくてたまらない

慰謝料は、被害者が受けとる金額のすべてだと勘違いされることが多いです。しかし、慰謝料は、交通事故における示談金の一部になります。

交通事故の慰謝料は示談金の一部

被害者が請求できる示談金の主な内訳は、交通事故の事案ごとに異なります。
もっとも、どのような交通事故でも共通して請求できる示談金の主な内訳は、以下の通りです。

示談金の主な内訳

概要
治療費ケガの治療に要した費用
休業損害ケガの治療で休業したことで減収した収入に対する補償(関連記事:交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある
逸失利益後遺障害が残ったことで減収が予想される将来的な収入に対する補償(関連記事:逸失利益の計算方法|計算機や計算例つきでわかりやすく解説
慰謝料精神的苦痛に対して支払われる補償
修理費車両などを修理するのに要した費用

示談金の主な内訳をみると、被害者が請求できるうちのひとつに慰謝料があるとわかります。

関連記事『交通事故の慰謝料は示談金内訳のひとつ』では、交通事故の態様ごとに示談金の内訳を解説しています。示談交渉を始める前に目を通しておくと、示談金のイメージがつかめるでしょう。

交通事故で請求できる慰謝料は3つ

交通事故の被害者が請求できる慰謝料は、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3つです。

  • 入通院慰謝料
    交通事故によるケガの痛みや不安、治療や手術に対する恐怖、入通院しなくてはならない不自由さなどで生じる精神的苦痛に対する補償
  • 後遺障害慰謝料
    交通事故による後遺障害の残存で、将来にわたって不便を強いられたり辛い思いをすることで生じる精神的苦痛に対する補償
  • 死亡慰謝料
    交通事故で死亡した被害者本人および遺族の精神的苦痛に対する補償

ただし、事故のタイプに応じて、請求できる慰謝料と請求できない慰謝料があるので注意しましょう。交通事故は、ケガが完治した事故・後遺障害が残った事故・被害者が亡くなった事故・物損事故の4つのタイプに分けられます。

どのような事故のときに、どの慰謝料をもらえるのか、事故のタイプ別に整理しておきましょう。

事故のタイプ別|被害者がもらえる慰謝料

事故のタイプ被害者がもらえる慰謝料
人身事故
(ケガが完治した)
入通院慰謝料
人身事故
(後遺障害が残った)
入通院慰謝料
後遺障害慰謝料
死亡事故死亡慰謝料
入通院慰謝料※1
物損事故原則、慰謝料なし※2

※1 ケガをして死亡するまでの間に入通院していた場合、入通院の期間に応じた入通院慰謝料も請求可能
※2 物損事故として処理されても、被害者にケガがある場合は慰謝料が認められる可能性がある

どのような慰謝料がもらえるのかを正しく把握しておくことはとても大切です。交通事故の慰謝料の種類については、関連記事『交通事故の慰謝料には種類がある|金額を算定する基準の種類も解説』もお役立てください。

ケガをしているのに物損事故で届け出てしまった方へ

物損事故の場合、基本的に慰謝料は請求できません。
交通事故の慰謝料は身体の損傷により生じた精神的苦痛に対する補償なので、身体の損傷がない物損事故のケースでは慰謝料を請求できません

物損事故と人身事故では、賠償金に大きな差が出る可能性があります。ケガをしているにもかかわらず物損事故として届け出ている場合、早めに人身事故へ切り替えましょう

ただし、実務上は、ケガをしているにもかかわらず物損事故のまま慰謝料を請求できるケースが存在します。もっとも、物損事故のまま進めるには注意すべき点が多いので、弁護士に一度相談しておくことをおすすめします。

人身事故と物損事故の違いという切り口から解説した関連記事『交通事故|人身事故の賠償金相場と計算方法!物損事故との違いは何?』も参考になるでしょう。物損事故から人身事故への切り替えに関しても解説しているので、あわせてご確認ください。

交通事故の慰謝料を適正額でもらう方法

慰謝料の計算には弁護士基準を用いるべき

交通事故の慰謝料を計算する際に用いられる算定基準は、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあります。

弁護士基準を用いて計算することで、慰謝料の金額が最も高くなる

算定基準はそれぞれ異なる金額が設定されているので、3つの算定基準のうち慰謝料の金額が最も高くなるのは弁護士基準で計算したときになります。

弁護士基準

示談交渉で被害者側の弁護士が主張できる算定基準が弁護士基準です。過去の判例をもとに設定された弁護士基準は、裁判基準とも呼ばれています。弁護士基準は、被害者が最も適正で妥当な金額の補償を受け取れる基準です。実務上、弁護士は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という書籍を用いて弁護士基準を確認します。(通称「赤い本」とも呼ばれます。)

自賠責基準や任意保険基準は、相手方の任意保険会社が慰謝料を計算するときに使う基準です。

  • 自賠責基準
    自動車を保有するものが加入を強いられる自賠責保険で用いられる算定基準が自賠責基準です。被害者が、最低限の補償を受け取るための算定基準でしかありません。
  • 任意保険基準
    各保険会社が独自で所有する算定基準が任意保険基準です。示談交渉で加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は任意保険基準に基づいており、その金額は最低限の補償である自賠責基準と同等か少し上乗せした程度といわれています。

加害者側の任意保険会社は、自賠責基準や任意保険基準で計算した慰謝料しか提示してきません。提示された金額を弁護士基準まで増額するように交渉していくことが必要です。

慰謝料計算機で目安を知っておくと安心

慰謝料計算機を使えば、被害者の年齢や事故前の年収などを入力するだけで、簡単に慰謝料の金額がわかります。

慰謝料計算機の算定結果は、弁護士基準によるものです。加害者側の任意保険会社からの提示額が慰謝料計算機での計算結果よりも低い場合は、増額する可能性があります。ただし、あくまで慰謝料計算機でわかる金額は目安であり、過失相殺などで増減する点に注意しましょう。

さらに詳細な慰謝料の計算方法は、関連記事『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』で解説しています。具体的な例も用いて慰謝料を計算しているので、計算の仕方についてよりイメージしやすくなるでしょう。

ご自身のケースに沿った具体的な慰謝料の金額が知りたい場合は、無料相談を使って弁護士に聞いてみましょう。無料なので気軽にお問い合わせください。

交通事故の最も適正な慰謝料の相場と計算方法

入通院慰謝料の相場表と計算|入院・通院した

入通院慰謝料の計算方法は、算定基準によって異なります。
まずはそれぞれの算定基準における計算方法を確認してみましょう。

弁護士基準の計算方法

弁護士基準では、算定表にあてはめて入通院慰謝料を計算します。

弁護士基準の算定表は「軽傷用」と「重傷用」の2種類があります。「軽傷用」の表は事故で負った症状が他覚所見で異常が確認できないむちうちや打撲などである場合に用いるものです。「重傷用」の表はそれ以外の症状の場合に用います。

それぞれの算定表は以下のとおりです。

弁護士基準の慰謝料算定表(軽傷用)

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

弁護士基準の慰謝料算定表(重傷用)

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

算定表の「入院月数」と「通院月数」が交差する箇所の数字が入通院慰謝料の相場です。

たとえば、入院1月・通院3月の治療を行った場合、弁護士基準で計算した入通院慰謝料は軽傷の場合83万円、重傷の場合115万円になります。

なお、月数は暦にかかわらず「1月=30日」です。入通院の日数が30で割り切れない場合は、日割り計算を行います。

弁護士基準による入通院慰謝料の計算方法は複雑なので、不安がある方は『交通事故の慰謝料計算シート』の記事をお役立てください。わかりやすく工夫した慰謝料計算シートを使えば、誰でも簡単に計算の仕組みがわかります。

自賠責基準の計算方法

自賠責基準では、以下の計算式を用いて入通院慰謝料を計算します。

自賠責基準の計算式

日額4,300円×対象日数

対象日数は次のうちいずれか短い方を用いる。

  • 治療期間
  • 実際に治療した日数×2

※2020年3月31日以前に発生した事故の場合、日額は4,200円となる。

たとえば、2020年4月1日以降に発生した事故で、治療期間90日・実際に治療した日数45日の場合、自賠責基準で計算した入通院慰謝料は4,300円×90日=38.7万円になります。

任意保険基準の計算方法

任意保険基準による計算方法は、各保険会社が独自に設定しており、公開されていません。

ここでは、過去にすべての任意保険会社が用いていた「旧任意保険支払基準」による入通院慰謝料の計算方法を紹介します。旧任意保険支払基準を踏襲している保険会社もありますが、あくまで参考としてご覧ください。

旧任意保険支払基準では、以下の算定表を用いて入通院慰謝料を計算します。

旧任意保険支払基準の慰謝料算定表

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

算定表の使い方は弁護士基準と同様です。入院月数と通院月数の交差する箇所が、入通院慰謝料の相場となります。

たとえば、交通事故によって入院1月・通院3月の治療を行った場合、旧任意保険支払基準で計算した入通院慰謝料は60.5万円になります。

ここまで確認してきたとおり、入通院慰謝料は弁護士基準で算定するとき最も高額で、自賠責基準や任意保険基準で算定した金額は不十分といえます。

入通院慰謝料は通院1日あたりいくら?

入通院慰謝料は通院1日から認められます。

交通事故にあって1ヶ月通院した場合、弁護士基準の入通院慰謝料は重傷時で28万円、軽傷時で19万円です。したがって、通院1ヶ月の入通院慰謝料を30日で割れば1日あたりの慰謝料額を求めることができます。

通院1ヶ月の入通院慰謝料を30日で割ると、弁護士基準の場合は1日あたり重傷時で9333円、軽傷時で6333円です。自賠責基準の4300円と比べると、弁護士基準の入通院慰謝料は1.5~2倍ほど高額になることがわかります。

入通院慰謝料の相場

1日あたりの慰謝料
(通院1ヶ月のとき)
自賠責基準4300円
弁護士基準重傷時:9333円
軽傷時:6333円

なお、任意保険基準は各社のルールに基づき非公開とされていますので、ここでは割愛します。

また、一般的に通院よりも入院の方が精神的苦痛は大きいと考えられます。そのため弁護士基準では、入院を含む場合さらに慰謝料額が高額です。

入通院慰謝料は通院のみの場合でももらえる

入通院慰謝料は、入院なし・通院のみの場合でも請求できます。通院のみの場合は、入院をしているケースよりも慰謝料は低くなる傾向です。

ただし、通院のみだと思っていても、骨折後にギプス固定をして自宅療養していたようなケースでは、入院日数として数えられる場合もあります。

関連記事『通院のみなら交通事故慰謝料はいくら?相場と計算方法、増額されるケース』では、入通院慰謝料の相場と計算方法のほか、通院のみで慰謝料請求する場合に注意すべきポイントも解説中です。

通院期間ごとの慰謝料の相場表一覧

通院が1ヶ月~6ヶ月だった場合、最も低額になる自賠責基準と最も高額になる弁護士基準の慰謝料を相場表としてまとめてみました。

慰謝料の相場表|通院1~6ヶ月

通院期間自賠責基準弁護士基準
1ヶ月12.9万円28万円
(19万円)
2ヶ月25.8万円52万円
(36万円)
3ヶ月38.7万円73万円
(53万円)
4ヶ月51.6万円90万円
(67万円)
5ヶ月64.5万円105万円
(79万円)
6ヶ月77.4万円116万円
(89万円)

※ 自賠責基準は2020年4月以降発生の事故とし、ひと月半分以上の通院を想定
※ 弁護士基準の(  )内はむちうち等の軽傷用

慰謝料の相場表をご覧いただくと、弁護士基準の高さが感じられるでしょう。弁護士基準は自賠責基準の約1.5倍~2倍程度の金額となっています。

通院期間ごとに慰謝料の相場を知りたい場合は、下記の関連記事もご参考ください。

なお、慰謝料の相場は、入院の有無や、ケガの程度が重傷か軽傷かによっても異なります。
状況ごとの慰謝料額や、各通院期間ごとの注意点についても、関連記事において詳しく紹介しています。

後遺障害慰謝料の相場表と計算|後遺障害が残った

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級ごとに相場が決まっています。
後遺障害慰謝料の相場表をみてみましょう。

なお、任意保険基準の金額は非公開であるため記載していません。任意保険基準は、自賠責基準の金額と同等か少し上乗せした程度と考えてください。

後遺障害慰謝料の相場表

等級 自賠責基準※弁護士基準
1級・要介護1,650万円
(1,600)
2,800万円
2級・要介護1,203万円
(1,163万円)
2,370万円
1級1,150万円
(1,100万円)
2,800万円
2級998万円
(958万円)
2,370万円
3級861万円
(829万円)
1,990万円
4級737万円
(712万円)
1,670万円
5級618万円
(599万円)
1,400万円
6級512万円
(498万円)
1,180万円
7級419万円
(409万円)
1,000万円
8級331万円
(324万円)
830万円
9級249万円
(245万円)
690万円
10級190万円
(187万円)
550万円
11級136万円
(135万円)
420万円
12級94万円
(93万円)
290万円
13級57万円
(57万円)
180万円
14級32万円
(32万円)
110万円

※ ()の金額は2020年3月31日以前におきた事故の場合に適用

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が認定されないと請求できません。後遺障害等級は障害が残った部位や程度に応じて14段階で分けられており、審査を経て等級が認定される仕組みです。

後遺障害慰謝料の金額は原則として、会社員や主婦といった被害者の社会的な属性や家庭内での役割によって変わるものではありません。

後遺障害のなかで最も認定件数の多い等級は、後遺障害14級です。後遺障害14級の慰謝料相場は、自賠責基準の場合だと32万円のところ、弁護士基準の場合だと110万円となります。

後遺障害14級の慰謝料相場

14級の慰謝料
自賠責基準32万円
弁護士基準110万円

自賠責基準と比べて、弁護士基準のほうが1.5~3倍ほど慰謝料が高額です。

後遺障害14級は後遺障害等級の中では最も程度が軽い等級なので、他の後遺障害等級で認定を受けているなら、慰謝料の相場はさらに高額になります。

後遺症が残って後遺障害認定されるかもしれない方、後遺障害等級認定の申請を検討されている方は、関連記事『後遺障害等級の一覧表|症状別の等級と認定基準』にてどのような後遺症なら後遺障害等級に認定される可能性があるのか確認してみましょう。

また、関連記事『交通事故の慰謝料相場|症状別の相場金額を網羅』では、交通事故で負ったケガの症状別に慰謝料の相場を紹介しています。ご自身の症状で慰謝料額がどのくらいになるかがわかるので、あわせてご覧ください。

後遺障害慰謝料は後遺障害認定が必須

後遺障害慰謝料の金額はどの基準を用いて計算するかによっても大きく異なりますが、同じ基準でも後遺障害等級が何級かで金額が大幅に変わります。そのため、適切な等級を獲得することが大切です。

後遺障害等級認定の審査を受けるためには、弁護士によるサポートを受けることをおすすめします。関連記事『交通事故の後遺障害認定|認定の確率を上げるポイントと手続きを解説』をご覧ください。

むちうちは完治から重度の後遺症まで程度がさまざま

交通事故の慰謝料は、ケガの内容、治療に要した時間、事故の状況などに応じて金額が変わります。

たとえば、交通事故でむちうちになったケースを考えてみましょう。むちうちは軽度であれば通院のみで完治しますが、重度の場合は後遺症が残る可能性も十分考えられます。後遺症が残った場合には、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料ももらえるので、受けとる慰謝料額はさらに増えるのです。

交通事故でむちうちになった方は、『交通事故の慰謝料相場|むちうちの金額が倍増する計算方法』の記事もご一読ください。むちうちの慰謝料を正しく受け取るためのポイントを紹介しています。

死亡慰謝料の相場表と計算|死亡した

死亡慰謝料は、死亡した本人と遺族に対しても支払われるという点が特徴といえます。
死亡慰謝料の対象となる遺族は、原則以下の通りです。

  • 父母(養父母を含む)
  • 配偶者
  • 子(養子、認知した子及び胎児を含む)

兄弟姉妹や内縁の妻などは基本的に死亡慰謝料の対象にはなりません。しかし、兄弟姉妹や内縁の妻などでも、死亡慰謝料の対象となる遺族と同じくらい被害者と近しい関係にあり、悲しみも深いと認められれば、死亡慰謝料が支払われる可能性があります。

死亡慰謝料の相場表をみてみましょう。

なお、任意保険基準の金額は非公開であるため記載していません。任意保険基準は、自賠責基準の金額と同等か少し上乗せした程度と考えてください。

死亡慰謝料の相場表

自賠責基準※弁護士基準
被害者400万円一家の支柱:2800万円
母親、配偶者:2500万円
独身・子供:2000~2500万円
慰謝料請求権者が1名550万円
(750万円)
慰謝料請求権者が2名650万円
(850万円)
慰謝料請求権者が3名以上750万円
(950万円)

※ 2020年3月31日以前におきた事故の場合に適用
※ ()の金額は被扶養者の場合の金額

自賠責基準では、死亡した被害者本人と遺族の慰謝料を合計したものが死亡慰謝料となります。任意保険基準と弁護士基準は、死亡した被害者本人の家庭内での立場に応じて決まった金額が死亡慰謝料となります。

自賠責保険会社から支払われる死亡慰謝料は、死亡した被害者に対する金額と遺族の人数や扶養者の有無に応じた金額が加算される仕組みです。しかし、遺族3人以上・扶養者ありという最も多く加算されるケースでも1350万円にしかならず、弁護士基準の金額には及びません。

弁護士基準における「一家の支柱」とは、死亡した被害者に扶養家族が3人いる4人家族を想定した金額になっているので、扶養家族が4人以上いる場合は人数に応じて金額が増やされることがあります。

また、事故それぞれの背景に応じて増額する可能性も十分あるので、加害者側の態度や運転の悪質性に応じた増額交渉をするべきです。さらに詳しく知りたい方は関連記事『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』をお役立てください。

交通事故の慰謝料は増額したり減額したりする

慰謝料が増額するケース

基準よりも慰謝料が増額する可能性があるケースは、加害者の事情で増額するケースと被害者側の事情で増額するケースの2つに分かれます。

加害者に事情があって増額するケース

  • 加害者の態度が不誠実
  • 加害者に故意もしくは重過失が認められる
    (無免許運転・飲酒運転・信号無視・著しいスピード違反など)

被害者に事情があって増額するケース

  • 仕事や子育てのためやむを得ず入通院期間を短縮した
  • 交通事故のケガで退職・留年した
  • 生死の間をさまよった
  • 麻酔ができない手術をした
  • 何度も手術した
  • 死にも比肩する後遺障害が残った
  • 交通事故により流産・中絶した
  • 死亡事故により遺族が精神疾患を患った

自分の場合も増額するのではないかと思う方や、十分に増額できるよう加害者側に交渉したいという方は、一度弁護士に相談しましょう。

関連記事では、慰謝料の増額事例を紹介しています。相手方の任意保険会社から提案される金額よりも多くもらい、適正な結果を得たい方は必見です。

慰謝料が減額するケース

基準よりも慰謝料が減額する可能性があるのは、次のような場合です。

  • 医師の許可なく整骨院に通院していた
  • 通院の頻度が月10回未満だった
  • 被害者にも過失割合がついた
  • 被害者がケガの治療に消極的だった
  • 被害者が元々持っていた持病によりケガが悪化する素養があった(素因減額)

しかし、事情次第では減額を免れることもあれば、交渉次第で少しの減額で済む場合もあります。
上記の条件に該当するからといって諦めてしまうのではなく、弁護士に相談してみることをおすすめします。

また、上記の条件以外にも慰謝料が減額されてしまう条件はありますので、ここで挙げた条件に当てはまらない方も、一度弁護士に確認してみると安心できます。

関連記事では、慰謝料を多くもらうために被害者が避けるべき行動を紹介しています。減額を避けるために気を付けたいポイントになるので、あわせてお読みください。

交通事故の慰謝料を受け取る時期

慰謝料は原則示談後に受けとる

交通事故の慰謝料は、原則示談成立から2週間程度後になって支払われます。示談交渉を通して示談金額を決めていきますが、この示談金の一部に慰謝料も含まれているのです。

関連記事『交通事故の慰謝料はいつ支払われる?』では示談成立までの流れとあわせて、慰謝料を受け取る流れを解説しています。

示談前でも慰謝料を受け取る方法

慰謝料は示談後に受けとるのが原則ですが、加害者側の自賠責保険会社に対して被害者請求をすることで、示談前に受けとることができます

ただし、支払金額に上限があることに注意しましょう。たとえば、傷害部分に関しては120万円となるため、全額を受け取れるわけではありません。

被害者請求に関心のある方は、関連記事『交通事故の被害者請求とは?自分で請求する方法』をお読みください。

交通事故の慰謝料を実例で知りたい

交通事故の慰謝料を判例から紐解く

実際に慰謝料が増額された過去の判例をいくつか紹介します。

判例

被害者(女性)が事故によって神経症状や大腿部の著しい醜状痕の後遺障害を負った事故。
加害者は治療費を全額支払うと述べたにもかかわらず、被害者の父親が示談書に押印しなかったことを理由に治療費の支払いを拒否したため、被害者は治療費の立て替えを余儀なくされた。このような事情が考慮され、入通院慰謝料550万円、後遺障害慰謝料350万円が認められた。
(東京地方裁判所 平成6年1月25日判決)

判例

被害者(有職の主婦、死亡時53歳)が居眠り運転による追突で死亡した事故。
被害者が死に至る態様が極めて凄惨で残酷であることや、加害者の居眠り運転により一方的に追突したという事実が考慮され、本人に対する慰謝料2700万円、子2人に対する慰謝料各200万円、母に対する慰謝料100万円の合計3200万円が認められた。
(名古屋地方裁判所 平成19年7月31日判決)

弁護士基準だと主婦の場合は通常、2500万円程度が死亡慰謝料の相場になりますが、判例では事情が考慮された金額になっています。

判例

被害者(単身者の会社員男性、事故当時18歳、死亡時24歳)が事故により1級の後遺障害を負い、治療の甲斐なく死亡した例。
被害者が植物状態の末に死亡した無念さはもちろんのこと、介護など遺族の苦労も大きかったことが考慮され、本人に対する慰謝料2800万円、母に対する慰謝料200万円の合計3000万円が認められた。
(東京地方裁判所 平成12年3月31日判決)

弁護士基準だと単身の男性の場合は通常、2000万円~2500万円程度が死亡慰謝料の相場になりますが、判例では事情が考慮された金額になっています。

他にも、事情に合わせて臨機応変に慰謝料は増額することがあります。交通事故の慰謝料の事例をもっと知りたい方には、関連記事『交通事故の慰謝料事例|いくらもらった?適正相場と増額の事例集』もおすすめです。

また、関連記事『交通事故の慰謝料相場|怪我・事故状況・被害者の属性別にわかる金額』では、交通事故の状況やケガの症状などにわけて、慰謝料の相場を紹介しています。ご自身の状況に似たケースにおける慰謝料額を知りたい方は、あわせてご一読ください。

弁護士介入で実現した増額実績3選

アトム法律事務所の弁護士が介入したことで実現した増額実績を紹介します。

150万円から364万円への増額事例

傷病名足指骨折
後遺障害の内容足の小指を欠損
後遺障害等級14級8号

ご依頼者様は、加害者側の任意保険会社の提示金額に納得がいかず、アトム法律事務所の相談サービスをご利用されました。お話を聞いた結果増額の余地があると考えられたため、弁護士が改めて弁護士基準で賠償金を計算しなおし、加害者側の任意保険会社に増額を要求しました。

2400万円の獲得事例

傷病名左足裂傷・左脛骨開放骨折・左腓骨骨折・左踵陥没
後遺障害の内容左足関節の機能障害(10級11号)、左足親指の機能障害(12級12号)、左足底部のしびれ(14級9号)
後遺障害等級併合9級

ご依頼者様は、事故後2年近い間、加害者側の任意保険会社から提示額がない状況にあり、アトム法律事務所の相談サービスをご利用されました。弁護士が弁護士基準で示談金を計算したうえで示談交渉をし、2400万円の獲得となったのです。

621万円から2300万円への増額事例

傷病名鎖骨骨折
後遺障害の内容左肩の可動域制限
後遺障害等級10級10号

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まとめ

交通事故の慰謝料について、網羅的に解説してきました。
ポイントをまとめると、次のようになります。

  • 交通事故の慰謝料には入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料がある
  • 慰謝料の金額は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準のうちいずれかの基準で計算されることになる
  • 慰謝料の金額が最も低額になるのが自賠責基準で、最も高額になるのが弁護士基準
  • 慰謝料がどの程度、増額したり減額したりするかは示談交渉次第

交通事故の慰謝料は、それぞれの事故の事情に合わせて柔軟に変わります。
基本的な情報を調べるだけではわからないこともたくさんあるため、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。

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