交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある|いつもらえる?相場はいくら?

更新日:

職業別 交通事故の休業損害

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で負傷し仕事や家事を休まざるを得なかった方は、ご自分の受け取れる休業損害(休業補償)の見込み額をご確認ください。

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年収

万円

休業日数


・主婦の方は、「事故前の年収」の欄に「264」(2021年発生の交通事故の場合)と入力してください。
・本計算機は、個別事情を考慮せず、一般的な計算方法に基づいて計算しており、会社役員・自営業・学生・無職・失業者の方は計算方法が異なります。
・正確な慰謝料額を知りたい重傷の被害者やご家族の方は、当事務所の電話無料相談サービス(0120-434-911)をご利用ください。

交通事故で通院することになって仕事を休んだ場合、休業によって生じる減収は「休業損害」として、加害者側の保険会社に請求可能です。
会社員や自営業の方はもちろん、主婦や学生、一部の無職の方も休業損害はもらえます。

休業損害は基本的に、事故前の収入から計算されます
しかし、職業によって具体的な計算方法は違いますし、休業損害について示談交渉でもめることもあるので、この記事を通してポイントをおさえていきましょう。

どのくらいの休業損害がもらえるのか今すぐ知りたい方は、冒頭にある「休業損害計算機」を使って適正な金額を確認してみてください。

休業損害とは?基本の計算方法を紹介

そもそも休業損害とは何なのかといったことや、基本の計算方法について解説していきます。

休業損害とは減少した収入に対する補償

休業損害とは「交通事故のケガが原因で仕事ができなかったために減少した収入に対する補償」のことで、加害者側の自賠責保険や任意保険に対して請求します。

休業損害の金額は、職業・収入・休業日数などによって異なるので注意が必要です。実際の収入がないような主婦の方でも、交通事故のケガが原因で家事ができなかったのであれば請求できます。

休業損害とはのケガが原因で仕事ができなかったために減少した収入に対する補償のこと

休業損害の計算方法

休業損害の金額は、以下のように計算されます。

休業損害の計算方法

  • 基礎収入(日額)×休業日数

基礎収入とは、交通事故発生前の交通事故被害者の収入を日割りにした金額です。
収入形態により計算方法が異なるので、詳しくはのちほど説明していきます。

休業日数は、事故により仕事を休まざるを得なくなった日数のことであり、入院期間や実際に通院した日数とされることが多いです。
有給休暇を所得した日も休業日数として認められます。

ただし、治療のために必要な通院であったと言えなければ休業損害の対象とはなりません。
また、自己判断で欠勤して家で休んだ場合も、休業損害の対象とならない可能性があるので、注意してください。

職業別に休業損害の計算方法を解説

休業損害はすでに解説した通り、「基礎収入(日額)×休業日数」で計算されます。
しかし、以下のような職業ごとに基礎収入の計算方法が異なるので注意が必要です。

  • 給与所得者(サラリーマン・アルバイト等)
  • 会社役員
  • 自営業
  • 家事従事者(専業主婦・兼業主婦)
  • 学生
  • 無職・失業者

職業・属性に分けて、休業損害の計算方法を詳しく解説していきます。

給与所得者(サラリーマン・アルバイト等)の休業損害

サラリーマンやアルバイトなどの給与所得者の場合は、原則として「現実の収入額から算出された収入額」が基礎収入となります。
現実の収入額から算出された基礎収入額とは、事故前3ヶ月分の給与額を稼働日数(出勤日数)で割ることで求められます。

{事故前3ヶ月分の給与額÷稼働日数(出勤日数)}×休業日数

給与所得者の場合は、以上のような計算式で休業損害を計算するのが一般的です。

ただし、アルバイトの方の場合、1年間程度は同じアルバイト先で勤めていないと休業損害が認められづらいという注意点があります。

休業損害が認められる場合は、アルバイトの方もサラリーマンと同様の計算式で算出されることが多いです。

サラリーマンの場合は、休業に伴う賞与の減少や昇給遅延による損失を証明できれば、それらも損害の対象とできます。

給与所得者の休業損害計算方法

(1)サラリーマン
 現実の収入額から算出された基礎収入額×休業日数

(2)アルバイト*
 現実の収入額から算出された基礎収入額×休業日数

*目安として1年は同じアルバイト先に勤めていないと休業損害が認められづらい

事故によるケガが原因で退職した場合や、治療のために欠勤、遅刻、早退などを行ったことを理由に解雇された場合には、退職や解雇後も、治療が終了するまでの収入減について休業損害の対象となることがあります。

産休中の扱いはどうなる?

産休中の場合には、産休中に給与が支払われているなら休業損害の対象とはなりません。
産休中に給与の支払いがない場合には、専業主婦と同様に女性労働者の全年齢平均賃金から基礎収入の計算を行います。

産休を取得した翌年に事故にあった場合には、産休前の年収額をもとに基礎収入を計算するので、源泉徴収票といった年収が判断できる資料が必要となるでしょう。

労災保険を利用する場合の注意点

勤務中や通勤中に事故にあった場合には、労災保険の対象となるため、休業補償給付の対象となります。

休業補償給付は休業損害を補てんするために支払われるため、休業損害を請求する際には、支給額分を減額してください。
ただし、休業特別支給金については減額の対象外です。

※労災保険から支払われる休業補償について知りたい方は『交通事故の休業で補償される休業補償と休業損害の違いや計算方法』をご参考になさってください。

休業損害に関するお悩みは弁護士に相談ください

以下のような不安をお抱えの方は、ぜひ交通事故案件の経験豊富なアトム法律事務所にご相談ください。

  • 「勤務先に休業損害証明書を書いてほしいけど、何をどう書くよう伝えればいいのかよくわからない」
  • 「そもそも、勤務先の人が休業損害証明を書いてくれない」
  • 「まだ1年もバイトを続けていないけど、休業損害はもらえるのだろうか」

アトム法律事務所までご相談いただければ、適切な休業損害を受け取るためのアドバイスができる可能性があります。

会社役員の休業損害

会社役員については、原則として「事故発生前の役員報酬の金額」が基礎収入となります。
ただし、利益配当に該当する部分は除かれるので、労務の対価に相当する金額を基礎収入としてください。

会社役員の休業損害計算方法

役員報酬額から算出された基礎収入×休業日数

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交通事故の慰謝料・会社役員編|休業損害の計算方法は?役員報酬に要注意!

自営業の休業損害

自営業者の場合、確定申告をしているのであれば「事故前年の確定申告書に記載の所得金額÷365(日)」を基礎収入額として計算するのが一般的です。

「まだ事業を始めたばかり」などの理由で確定申告をしていないため申告所得額がわからない場合は、預金通帳の入金状況や伝票などを用いて所得を立証することになります。

節税などのために実際の所得を少なく申告している場合(過少申告)、これも預金通帳の入金状況や伝票などを用いて実際の所得を立証することになります。
あるいは、修正申告を行い、その金額に基づいて休業損害を請求することもあります。

しかし、そのような証拠を集めたとしても、保険会社が休業損害の支払いを認めてくれない可能性があります。

その場合は、休業損害の支払いを認めてもらうよう裁判で主張する必要があります。
ただし、裁判をしたからと言って必ず休業損害が認められるわけではない点にご注意ください。

自営業の休業損害計算方法

(1)確定申告をしている自営業者
 基礎収入額(事故前年の確定申告書に記載の所得金額÷365(日))×休業日数 

 青色申告の所得金額:前年度の確定申告所得額+青色申告控除額
 白色申告の所得金額:前年度の確定申告所得額+専従者控除額

(2)確定申告をしていない自営業者
 預金通帳の入金状況などから算出した日額の所得×休業日数

(3)過少申告をしていた自営業者
 賃金センサスに基づき算出された日額の所得×休業日数
  または
 立証した実際の所得×休業日数 など

また、休業期間中に自分自身の代わりに仕事を行ってもらう人を雇用し、事故発生前と所得額に大きな変化がない場合には、雇用することにより発生した費用が損害額といえるでしょう。

交通事故後も事業を継続した場合には、交通事故前後の収入を比較し、収入減少が交通事故の影響によるという因果関係の証明ができた範囲で休業損害が認められます。

この他にも、休業中に将来の事業継続に必要となることから支払った家賃や従業員の給与などの固定経費も、損害の対象になる可能性があります。

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交通事故の慰謝料・個人事業主編|休業損害の計算方法は?休業日数や経費の考え方も

家事従事者(専業主婦・兼業主婦)の休業損害

専業主婦・兼業主婦どちらの場合でも休業損害はもらえます。

専業主婦の場合は、賃金センサスから計算される「事故が発生した年の女性労働者の全年齢平均賃金額を日割りした金額」が基礎収入となるのです。

実際に、専業主婦に賃金センサスにより計算された金額を基礎収入とすることが認められた以下の裁判例があります。

(略)主婦としてその家事労働全般を担っていたことが認められる。(略)休業損害を算定する上での基礎収入額は,平成13年賃金センサス女性学歴計全年齢の352万2400円とすることが相当である。

東京地判平成26年4月15日

この計算方法は、専業主夫の場合であっても変わりません。
専業主夫は男性の全年齢平均賃金額から基礎収入を計算できるとすると、仕事内容は変わらないのに性別により金額が大きく異なるので、不公平といえるためです。

賃金センサスから判断される具体的な年収額は以下のようになります。

年度年収額
2019約388万円
2020約382万円
2021約386万円

2021年に事故にあった場合の基礎収入は386万÷365日=1万575円となります。
おおよそ、1万円が基礎収入の金額となるでしょう。

パートや会社勤めなどで働いている兼業主婦の場合は、現実の収入額が女性労働者の全年齢平均賃金額よりも高い場合は、現実の収入額ベースで休業損害を計算します。

現実の収入額が女性労働者の全年齢平均賃金額よりも低い場合は、専業主婦のときと同様に、事故が発生した年の賃金センサスから休業損害を計算します。

主婦の休業損害計算方法

(1)専業主婦
 女性労働者の全年齢平均賃金額から算出された基礎収入額×休業日数

(2)兼業主婦(現実の収入額が女性労働者の全年齢平均賃金額よりも高い)
 現実の収入額から算出された基礎収入額×休業日数

(3)兼業主婦(現実の収入額が女性労働者の全年齢平均賃金額よりも低い)
 女性労働者の全年齢平均給与額から算出された基礎収入額×休業日数

損害額は逓減方式と呼ばれる計算方法で算出される場合があります。

たとえば、治療期間の経過により痛みが和らぎ、徐々に家事が可能となるでしょう。
そのため、治療期間中に労働能力が回復していくことから、回復状況に応じて損害額が減少していくように計算すべきでしょう。

このような考え方による計算方法を逓減方式というのです。

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主婦(主夫)が正当な慰謝料相場を受け取る方法|交通事故の慰謝料計算

学生の休業損害

学生の場合でも休業損害をもらえるケースがあります。

アルバイトをしていれば休業損害が認められ得ることは前節で解説しました。

しかし、アルバイトをしている学生、アルバイトをしていない学生に関わらず、交通事故のケガが原因で就職が遅れた場合は、その期間分の休業損害も加害者側の保険会社に請求することが可能です。
また、もし留年してしまった場合は、授業料なども請求できます。

内定を受けている場合は「職業ごとの賃金センサスまたは就職内定先の給与推定額」に基づいて休業損害が算出されます。

実際に以下の裁判例では、IBMの就職内定を取り消された学生に955万322円の休業損害が認められています。

(略)原告は、本件事故当時IBMに就職が内定しており、本件事故に遭わなかったならば、平成一〇年三月末に修士課程を修了し、同年四月一日にIBMの技術開発部門の職員として就職していたはずであるのに、本件事故のため、就職内定が取り消され、その後、症状固定日の平成一二年一〇月七日までは就業できなかったこと、この間、予定どおりIBMに就職し就業していたならば、少なくとも次のとおりの給与を得られたはずであることが認められる。
(略)したがって、原告は、(略)上記の合計金九五五万〇三二二円の休業損害を被ったものと認められる。

名古屋地判平成14年9月20日

内定を受けていることを立証するためには、内定通知書などを用意すると良いでしょう。

また、内定を受けていない場合は、通常は賃金センサスに基づいて休業損害が算出されます。

以下の裁判例では、交通事故が原因で留年せざるをえなくなった結果、大卒女子労働者の平均所得一年分(平成2年時点で275万100円)が休業損害として認められています。

(略)原告は、右一年間の留年を余儀なくされたことによつて、就労開始が一年間遅延したということができるところ、平成二年賃金センサス第一巻第一表産業計・企業規模計・新大卒女子労働者(二〇歳ー二四歳)の年収額は、金二七五万〇一〇〇円であるから、以上によると、原告は、本件事故によつて右一年間分の収入喪失の損害を被つたと認めるのが相当である。

神戸地判平成7年2月22日

ただ、被害者自身が交渉をしても、加害者側はこのような主張を容易には認めてくれません。
「実際に収入があったわけではないので休業損害は発生しない」と加害者側から返されるでしょう。

しかし、弁護士に依頼すれば、裁判で認められた過去があることを理由に「就職遅れに対する休業損害」を交渉段階で請求することが可能です。

それでも加害者側が休業損害の支払いを承諾しない場合は、裁判を提起して休業損害の支払いを求めることになります。

就職が遅れた学生の休業損害計算方法

(1)内定を受けている学生
 賃金センサスまたは就職内定先の給与推定額に基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が計算される

(2)内定を受けていない学生
 賃金センサスに基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が計算される

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学生の交通事故|慰謝料の計算方法や相場を解説

無職・失業者の休業損害

事故発生時点で就労していない無職・失業者の場合であっても、休業損害をもらえるケースがあります。

失業中であっても就労の意思があり、事故前後に内定を受けていた場合は「職業ごとの賃金センサスや就職予定先の給与推定額」に基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が計算されます。

仮に事故前後に内定を受けていなかったとしても、就労の蓋然性があれば「賃金センサスまたは失業前の収入額」に基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が請求可能です。
なお、「就労の蓋然性」は応募先企業とのメールのやり取り、面接に行っていた頻度などから判断されます。

実際に以下の裁判例では、内定を受けてはいないものの、就労の蓋然性があるとみなされて71万9,479円の休業損害が認められています。

もっとも、原告の年齢や前記のとおり原告が江戸川区職員の採用選考に応募し、稼働意欲を有していたことに照らすと、平成一一年四月以降、症状固定時期までの五か月間については、就業の蓋然性を認めることができる。(略)したがって、本件事故による原告の休業損害は、下記計算式のとおり、七一万九四七九円となる。 (計算式)3,453,500÷12×5×0.5=719,479

東京地判平成23年2月3日判決

無職の方の場合も学生と同様に、弁護士に依頼すれば休業損害をもらえる可能性が高まります。

  • 「求職中に事故に遭ってしまったため、当面の生計を立てるためにも休業損害を受け取りたい」
  • 「まだ内定をもらっていないものの、前職の給与額○○万円に基づいて休業損害を算出したい」

などの要望をお持ちの事故被害者の方は、ぜひ弁護士までご相談ください。

無職・失業者の休業損害計算方法

(1)労働意欲があり就労の蓋然性もあり、事故の直前・直後に内定を受けていた
 賃金センサスまたは就職予定先の給与推定額に基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が計算される

(2)労働意欲があり就労の蓋然性もあるが、事故の直前・直後に内定を受けていない
 賃金センサスまたは失業前の収入額に基づき、就職が遅れた期間分の休業損害が計算される

(3)労働意欲が乏しく就労の蓋然性もない
 休業損害を認めてもらうことは困難

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無職でも交通事故の慰謝料は請求できる|休業損害や逸失利益の計算方法

休業損害の請求方法と支払い時期

休業損害を請求するには休業損害証明書が必要になってきます。休業損害証明書の書き方や、休業損害はいつ支払われるのかといった疑問に迫ります。

休業損害の請求方法|休業損害証明書を作成してもらう

休業損害証明書とは、欠勤した日、有給休暇を消化した日、事故前3ヶ月間の月例給与、所定勤務時間などを記載する書類で、勤め先に書いてもらいます
休業前の収入は手取り額だけではなく、本給・各種手当などの付加給・社会保険料・所得税などを含めた税込額の記入が必要です。

以下が休業損害証明書のテンプレートです。
任意保険会社によって細部が異なる場合がありますが、基本的な記載内容は同じです。

休業損害証明書のテンプレート

休業損害証明書

休業損害証明書を勤め先に書いてもらったら、加害者側の任意保険会社に提出しましょう。

専業主婦や自営業者なら休業損害証明書は不要

専業主婦や自営業者の場合は勤め先が無いので、休業損害証明書を作成する必要はありません。
その代わり、専業主婦の場合は家族分の記載がある住民票、自営業者の場合は確定申告書の控えを加害者側の任意保険会社に提出します。

休業損害の支払い時期は請求から1~2週間後

休業損害は、休業損害証明書を毎月提出すれば、その月分の金額をその都度受け取れます。
具体的な支払タイミングは、休業損害証明書の提出からおよそ1週間~2週間後となることが多いです。

ただし、専業主婦のように実際には減収が生じていない場合は、示談交渉の際にまとめて請求することもあります。

ここまでのまとめ

  • 休業損害証明書の書き方は?
    被害者自身ではなく、被害者の勤め先の人に控除前の税込額、欠勤日数などを書いてもらう
  • 休業損害はいつもらえる?
    加害者側の保険会社に休業損害証明書を提出後、およそ1週間~2週間程度でもらえる

休業損害の請求で注意すべき点

休業損害はいつまでもらえるのかや、休業損害以外に請求すべき示談金などについて解説します。

休業損害がもらえるのは就労不能期間まで

休業損害をもらえるのは、「就労不能期間」までです。
就労不能期間とは、交通事故によるケガのために休業の必要性・相当性が認められる期間のことです。

就労不能期間は最長で治癒または症状固定まで、つまり治療が終わるまでとされますが、個別事情によって異なるので明確な基準は存在しません。
たとえば、比較的軽傷のむちうちだと、就労不能期間は長くても交通事故から90日程度までと判断される可能性が高いです。

医師の診断書に働くことがむずかしい旨の記載がないと、就労不能とはいえないと判断されて休業損害をもらえない可能性があるので、注意してください。

休業損害以外に請求できる内容を知っておこう

休業損害を請求する際には、休業損害以外にも請求できる内容を把握しておきましょう。

交通事故で請求できる可能性のある損害賠償請求の内容は、積極損害、消極損害、慰謝料という分類が可能です。

積極損害、消極損害、慰謝料の具体的な項目は次の通りです。

積極損害といえる損害

  • 治療費用
  • 入通院の交通費
  • 入院中に発生した雑費
  • 入通院の付添費
  • 修理代
  • 葬儀代

積極損害とは、事故により実際にお金を払うことで生じた損害のことです。

消極損害といえる損害

  • 休業損害
  • 逸失利益(後遺障害により事故後の収入が減少するといえる場合)

消極損害とは、事故がなければ得られていた利益が得られなかったことで生じた損害のことです。休業損害は消極損害に含まれます。

慰謝料の内容

  • 入通院慰謝料(入院や通院の期間から計算)
  • 後遺障害慰謝料(認定された後遺障害等級により金額が異なる)
  • 死亡慰謝料(被害者が死亡した場合に発生)
    関連記事:『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法

慰謝料とは、事故により生じた精神的苦痛という損害を金銭的に評価したものです。

上記の合計額を加害者との間で決定し、交通事故について被害者にも過失がある場合には過失割合分を減額することになります。

過失割合を誰がどのように決めるかについては『交通事故の過失割合は誰が決める?過失割合が決定するまでの流れは?』で確認してください。

休業損害の請求で弁護士ができること

休業損害を請求するにあたって、なぜ弁護士に依頼した方がいいのか解説します。

休業損害の金額が増額する

そもそも、休業損害の金額を計算する基準には、以下の3つの基準のいずれかが用いられます。

  • 自賠責基準
    自賠責保険に対して休業損害の支払いを求めた場合に、自賠責保険が支払う金額を計算する方法を定めた基準
  • 任意保険基準
    任意保険会社が休業損害の金額を計算する際に利用する保険会社独自の基準
  • 弁護士基準(裁判基準)
    裁判により休業損害の支払いを求めた場合に、裁判所が休業損害の金額を決定する際に利用する計算基準
    弁護士が休業損害の請求を行う場合にも利用されるため、弁護士基準と呼ばれる

3つの基準のうち、被害者が本来得られるはずの金額相場は弁護士基準で計算された金額です。
本記事内で解説している職業別の計算方法は、弁護士基準にもとづいています。

しかし、休業損害の支払いを求めると、加害者側の保険会社は相場よりも低い金額を提案してくるのが通常です。被害者だけで対応していると保険会社は相場より低い金額が計算される自賠責基準や任意保険基準しか採用しないのです。

ちなみに、自賠責基準では休業損害を以下のように計算します。

自賠責基準に基づく休業損害の計算

1日6,100円(基礎収入)×休業日数
2020年3月31日以前に発生した事故の場合は1日5,700円として計算
基礎収入が1日6,100円以上であることを明らかにすれば1日19,000円を上限に増額可能

もっとも、自賠責保険における休業損害は治療費や入通院慰謝料などの傷害により生じる損害の一種と扱われており、傷害により生じる損害は120万円が支払いの上限となります。
そのため、治療費や入通院慰謝料が高額となり、休業損害と合計して120万円を超えた場合、十分な補償が受けられなくなるのです。

任意保険基準は自賠責基準のような上限は基本的にないものの、任意保険会社が提示する金額は1日6100円で計算した場合と同額程度になるでしょう。

相場の金額を手にするためには、弁護士基準にもとづいて相場の金額を計算し直し、保険会社に対して増額するよう求めることになります。しかし、保険会社の担当者は、簡単に増額には応じません。

弁護士に依頼すれば、弁護士基準にもとづいて計算された休業損害額の支払いを請求してくれます。法律の専門家からの請求であれば、任意保険会社が譲歩してくれる可能性が高いので、休業損害の増額が期待できるでしょう。

法律の専門家である弁護士が請求すると任意保険会社が増額を認めてくれる可能性が高まる

また、休業損害の他にも入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、逸失利益などの損害に関しても、弁護士による増額交渉が有効です。弁護士基準の相場が簡単にわかる自動計算ツール・慰謝料計算機を使ってみませんか。

弁護士に依頼するメリットについて詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選|弁護士は何をしてくれる?』の記事をご覧ください。

一方的な休業損害の打ち切りに対応できる

交通事故のケガによる休業が長引いてくると、保険会社から「もう仕事ができる状況にあるのではないか?」と疑われて治療費や休業損害の打ち切りが打診されることがあります。

保険会社の打ち切りは一方的な打診に過ぎないことも多いです。本当にお身体が辛く働けない状況なのであれば、休業の必要性があることをきちんと保険会社に伝えてください。休業の必要性が認められれば、治療や休業をつづけられます。

医師に相談して休業の必要性が記載された診断書を作成してもらい、保険会社に提出してみることも有効です。

ただし、診断書を手に入れてもご自身だけで対応にあたると休業の必要性がうまく保険会社に伝わらないことも多いです。保険会社から一方的に打ち切りを打診されている場合は、弁護士に対応を依頼することも検討してみましょう。

弁護士であれば、休業の必要性を明確に説明することができるので、休業損害を認めてもらえる可能性が高まります。

保険会社から打ち切りを打診された場合の対処法について詳しくは、関連記事『交通事故の治療費打ち切りとは?延長交渉や治療の続け方を解説』でも解説していますので、あわせてご確認ください。

無料相談で休業損害の増額見込みを聞いてみよう

弁護士に依頼した場合、弁護士基準の休業損害が支払われる可能性が高まることがおわかりになったでしょうか。

特に専業主婦の方は「6,100円×休業日数」で計算された休業損害額を加害者側の保険会社から提示されることが多いです。しかし、弁護士に示談交渉を依頼すれば、専業主婦でも相場に近いより高額な金額で休業損害が支払われる見込みがあります。

サラリーマン・アルバイト・会社役員・自営業・学生・無職などの方も、「相手から提示された休業損害額は妥当な金額なのだろうか」と疑問に感じた場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士に相談すれば、休業損害はもちろん、慰謝料や逸失利益なども増額可能かどうかアドバイスがもらえるでしょう。

弁護士に相談するか迷っている場合は、記事冒頭にある休業損害計算機を使って休業損害の妥当な金額を確認してみてください。保険会社の提示額よりも計算結果が高い場合、弁護士にご依頼いただくことで増額する可能性がアップします。

また、保険会社から治療打ち切りを打診されたために、休業損害も打ち切られそうで困るという方も、弁護士に相談してみましょう。
弁護士が休業の必要性を保険会社に説明し、打ち切りの延長を交渉してくれます。

弁護士に休業損害の増額見込みを聞いてみたいと思ったら、アトム法律事務所の無料法律相談をご活用ください。
無料法律相談の予約は24時間いつでも受付中です。気軽にお問い合わせください。

法律相談は電話・LINE・メールに対応しています。「外出せずに交通事故の相談をしたい」という方でも安心してご相談いただけます。

事案によっては、事務所への訪問無しで交渉の依頼から示談金振込まで完了する場合もあります。

無料なので気軽にご利用いただけます。休業損害のお悩みなどをお抱えの方はぜひアトム法律事務所までご相談ください。

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