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学生の交通事故慰謝料金額を計算|相場の金額や計算方法がわかる

更新日:

学生の事故|慰謝料の金額は?

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

学生の交通事故慰謝料は、入通院慰謝料なら通院期間、後遺障害慰謝料なら後遺障害等級をもとに計算します。
これは、被害者が学生であっても学生でなくても同じです。

ただし、加害者側の保険会社は慰謝料が低額になる計算方法を用いるので、示談交渉の際に正しい金額を主張する必要があります。

また、学生だと請求できないと思われがちな休業損害・逸失利益も、実は請求可能です。

この記事では、交通事故にあった学生が請求できる慰謝料・損害賠償金の種類や計算方法について解説しているので、適切な金額を得る参考にしてください。

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1分でわかる学生の慰謝料計算|要点と計算機

この記事では、交通事故にあった学生が請求できる慰謝料の種類や計算方法などについて解説していきますが、その前に簡単に要点を紹介しておきます。

学生の交通事故慰謝料

  • 慰謝料とは?
    慰謝料は損害賠償金に含まれる費目の一部であり、「精神的苦痛」を金銭に換算して補償するものです。
  • 学生が請求できる慰謝料の種類は?
    交通事故慰謝料には入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があり、請求の可否や金額に、学生であるかどうかは関係しません。
  • 慰謝料の計算方法は?
    • 入通院慰謝料:入院期間と通院期間ごとに金額が定められています。
    • 後遺障害慰謝料:後遺障害等級ごとに金額が定められています。
    • 死亡慰謝料:家族内での立場別に金額が定められています。
    • ※ただし、上記は過去の判例をもとにした慰謝料額の計算方法であり、加害者側は別の計算方法や金額基準を用います。
  • 慰謝料の請求手続きは誰がする?
    • 被害者が未成年の学生である場合は、基本的に親権者が法定代理人として慰謝料請求などの手続きをします。法定代理人を立てる際、特別な手続きは必要ありません。
    • 被害者が成人の場合は、被害者自身で慰謝料請求することが可能です。
  • その他のポイント
    • 学生であっても、就職の遅れや内定の取り消し、アルバイトの休業が生じた場合は休業損害を請求できる場合があります。ただし、自己判断でアルバイトを休んだ日などは休業損害の対象外となる可能性が高いです。
    • 休学や留年などが生じた場合は、余分に必要になった学費や教材費、下宿代などを請求できます。
    • 交通事故慰謝料については、無料で相談できる窓口が4種類あります。

以下は、交通事故の慰謝料計算機です。
交通事故被害者が受け取るべき金額である「弁護士基準」の慰謝料相場が簡単にわかるので、使ってみてください。

学生が請求できる慰謝料と計算方法

学生が請求できる交通事故慰謝料は3種類

交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類があります。
それぞれの慰謝料は学生であるかどうかに関係なく請求できます。

各慰謝料を請求できる具体的なケースは、以下の通りです。

交通事故の慰謝料

  • 入通院慰謝料
    交通事故によってケガをし、入院・通院すると請求できる
  • 後遺障害慰謝料
    交通事故によって後遺症が残り、後遺障害等級が認定されると請求できる
  • 死亡慰謝料
    交通事故によって死亡した場合に請求する

慰謝料は「精神的苦痛を補償するもの」ですが、どのような精神的苦痛に対して支払われるのかは慰謝料の種類ごとに異なります。

それぞれの慰謝料が補償する精神的苦痛を順番に見ていきましょう。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

入通院慰謝料が補償するのは、「ケガを負い、入通院したことで生じる精神的な苦痛」です。
たとえば次のような精神的苦痛は、入通院慰謝料によって補償されます。

  • ケガが痛む
  • 交通事故時に怖い思いをした
  • 治療や手術の際に恐怖や苦しみ、不安を感じた
  • 入通院によって時間的・身体的拘束が生じ、不便な思いをした

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料が補償するのは、「後遺障害を負ったことによる精神的な苦痛」です。

具体的には次のような精神的苦痛が、後遺障害慰謝料によって補償されます。

  • 後遺障害が残った悔しさや不安、怒り
  • 将来にわたって感じ続ける不便さや苦痛

後遺障害慰謝料についてひとつ気を付けなければならないのは、「単に後遺症が残っただけでは後遺障害慰謝料は請求できない」ということです。

後遺症に対して「後遺障害等級」が認定されてはじめて、後遺障害慰謝料を請求できるようになるのです。

よって、交通事故によって後遺症が残った場合は、後遺障害等級の認定審査を受けなければなりません。
手続きの方法は『交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状』で解説しているので、読んでみてください。

死亡慰謝料

死亡慰謝料が補償するのは、「事故被害者が死亡したことによる、被害者本人とその遺族の精神的苦痛」です。

被害者本人だけではなく、法律上近親者とされる父母、配偶者、子の精神的苦痛に対しても死亡慰謝料が支払われます。

なお、死亡事故では被害者は亡くなっているので、遺族から選ばれる「相続人」が代わりに慰謝料請求し、被害者分の慰謝料・損害賠償金を相続します。

相続人の選び方や相続の割合などについては、『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』で解説しているので、読んでみてください。

慰謝料は重複して請求できる場合がある

これら3つの慰謝料はどれかひとつしか請求できないわけではなく、重複して請求できる場合もあります。

慰謝料の重複請求

  • 交通事故で入通院し、後遺障害が残った
    入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を請求できる
  • 交通事故で入通院したのち、死亡した
    入通院慰謝料と死亡慰謝料を請求できる

学生の慰謝料|計算方法は3種類ある

学生の慰謝料計算について解説する前に、慰謝料の3つの算定基準を解説しておきます。

すでに解説したとおり、慰謝料とは「精神的苦痛」を金銭に換算したものです。
しかし、精神的苦痛の大きさは目に見えませんし、人によって感じ方もさまざまです。

そんな精神的苦痛を金銭に換算するために定められた基準・ルールが、慰謝料の算定基準です。
ただし、そのルールはひとつに統一されておらず、次の3つが存在します。

  • 自賠責基準:加害者側の自賠責保険が用いる基準
  • 任意保険基準:加害者側の任意保険が用いる基準
  • 弁護士基準:弁護士や裁判所が用いる基準

簡単に言うと、自賠責基準は交通事故被害者に補償される最低限の金額任意保険基準は示談交渉で相手方が提示してくる金額弁護士基準は被害者が受け取るべきもっとも妥当な金額となります。

ただ、「そもそも自賠責保険や任意保険って?」「どうして弁護士基準が妥当だと言えるの?」といった疑問もあるかと思いますので、もう少し詳しく解説します。

自賠責基準|自賠責保険とは?

自賠責基準は「自賠責保険会社が慰謝料を計算する際に用いる算定基準」で、最低限の金額となります。

そもそも自賠責保険とは何なのかについて、簡単にまとめると次の通りです。

  • 自動車に加入が義務付けられている保険
  • 加入自動車が交通事故の加害者となった際、被害者に対して最低限の補償を行う

自賠責保険は、たとえ交通事故の加害者が損害賠償金を支払える状態になくても、被害者が最低限の補償を受けられるようにするためのものです。

よって、そんな自賠責基準で算出される慰謝料は最低限の金額となっています。
なお、自賠責基準による慰謝料の計算方法は、国によって定められています。

任意保険基準|任意保険とは?

任意保険基準とは、「各任意保険会社が独自に設定している算定基準」です。

まず、そもそも任意保険とは何なのかを解説します。

すでに解説した通り、交通事故の慰謝料のうち最低限の金額は加害者側の自賠責保険から支払われます。
しかし、それでは不十分なので、足りない部分を補てんするのが加害者側の任意保険会社なのです。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

自賠責保険からの支払額は国が定めていますが、任意保険からの支払額は示談交渉で決められます。
その示談交渉で加害者側の任意保険会社が提示してくるのが、「任意保険基準」に基づく金額なのです。

なお、任意保険基準の金額は、自賠責保険の支払額も含んだものとなっています。

任意保険基準や任意保険については、次の点に注意してください。

  • 任意保険基準は各社で異なり非公開だが、自賠責基準とそう変わらないことが多い
  • 加害者が任意保険に入っていない場合、示談交渉の相手や自賠責基準を超える金額の支払元は、加害者自身となる

弁護士基準|なぜもっとも妥当だと言える?

弁護士基準とは、弁護士や裁判所が慰謝料計算で用いる算定基準です。
弁護士基準は過去の判例をもとに設定されているので、弁護士基準に基づく金額はもっとも法的正当性が高いと言えます。

弁護士基準の金額は、任意保険基準の2倍~3倍であることも多いです。
よって、示談交渉で加害者側の任意保険会社から提示された金額をそのまま受け入れてしまうと、大幅増額の余地を残してしまうことになります。

必ず弁護士基準の慰謝料額を知ったうえで、提示された金額を受け入れるかどうか、どこまでの増額を目指すべきかを判断するべきです。

示談交渉については『交通事故の示談手順|流れや手続きの基礎知識を解説』で解説しているので、参考にしてみてください。

学生の慰謝料の計算方法とは?

学生の慰謝料は、弁護士基準の場合、簡単に言うと次のように計算されます。

  • 入通院慰謝料は、入院期間と通院期間ごとに金額が定められている
  • 後遺障害慰謝料は、後遺障害等級ごとに金額が定められている
  • 死亡慰謝料は、被害者の家族内での立場ごとに金額が定められている

では、弁護士基準における慰謝料の計算方法を詳しく見ていきましょう。
任意保険基準や自賠責基準は弁護士基準の半分~3分の1程度であることが多いですが、詳しい計算方法を知りたい場合は、以下の関連記事を読んでみてください。

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入通院慰謝料の計算

弁護士基準の入通院慰謝料は、慰謝料算定表を用いて算定していきます。
表には軽傷用と重傷用とがあり、使い分け方は以下の通りです。

  • 軽傷用:むちうちや軽い打撲、挫創などの場合に用いる
  • 重傷用:軽傷に当たらないケガの場合に用いる

まず、軽傷用の表を紹介します。
1ヶ月を30日として表を確認し、端数が生じた場合には日割りで計算を行います。

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

続いて、重傷用の表です。
なお、脳の損傷や内臓の損傷、生命の危険が非常に高く長期間の絶対安静を必要とする傷害などは、慰謝料額が2割程度まで増額されることもあります。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

後遺障害慰謝料の計算

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級に応じて変わります。
弁護士基準における後遺障害慰謝料額は、以下の通りです。

等級 慰謝料金額
1級・要介護2800万円
2級・要介護2370万円
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

たとえばむちうちで後遺症が残った場合、後遺障害等級12級または14級に認定される可能性があります。
後遺障害慰謝料は、12級なら290万円、14級なら110万円です。

後遺障害認定を受ける方法や、どのような後遺症が何級に認定される可能性があるのかは、以下の関連記事で解説しています。

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死亡慰謝料の計算

弁護士基準により算定される死亡慰謝料額は、近親者と被害者本人分とを合わせ、被害者の立場ごとに定められています。

被害者の立場金額
一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
その他の場合2000万円~2500万円

学生の場合は、まだ仕事も結婚もしていない人が大半のため、「その他の場合」に該当し、死亡慰謝料額は2000万円~2500万円となるでしょう。

被害者の近親者として認められるのは、通常、父母、配偶者、子です。
ただ兄弟姉妹など他の親族であっても、父母、配偶者、子と実質的に同じような身分関係があり、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた場合には補償の対象になります。

慰謝料は事情に応じて増額・減額されることもある

弁護士基準における交通事故慰謝料は、ここまで解説してきた方法で算定されます。
しかし、実際には事故の個別的な事情を考慮して、慰謝料が増額・減額されることもあるので、厳密な慰謝料相場は弁護士に相談することがおすすめです。

アトム法律委事務所では、電話やLINEでの無料相談を行っています。
お気軽にご相談ください。

なお、交通事故の慰謝料が増額・減額されるケースについては『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』の中でも解説しているので、読んでみてください。

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慰謝料以外に学生が請求できる費目一覧

慰謝料とは被害者に生じた精神的苦痛を金銭に換算したものであるため、その他の損害は別の費目として請求します。

学生の場合、慰謝料以外に請求できる可能性のある費目は以下の通りです。

  • 治療に関する費用
    治療費用、入院代、入通院のための交通費など
  • 休業損害
    仕事やアルバイトができなくなったことで生じる損害
    ケガをしたことが原因で休学や留年をしたり、就職が遅れたという場合も請求できる可能性がある
  • 逸失利益
    ケガの後遺症により労働能力が低下した、または、死亡して働けなくなったことで減ってしまう、生涯収入に対する補償
  • 物損に関する費用
    バイクや自転車の修理費用など
  • その他
    交通事故により留年・休学したことで余分に必要になった学費、教材代、下宿代など

休業損害や逸失利益は交通事故で減収が生じる場合に請求できるものなので、学生は請求できないと思われがちです。
しかし、休業損害は条件を満たせば学生でも請求できますし、逸失利益は基本的に学生であっても請求できます。

次の章からは、学生の休業損害・逸失利益について詳しく見ていきましょう。

学生でも休業損害は請求できる

アルバイトの休業、就職遅れなどがあれば請求できる

休業損害とは、交通事故によって仕事ができない期間分の減収を補償するものです。

基本的にはすでに社会人として働いている会社員や自営業者、家事労働をしている主婦などに対して支払われるものですが、学生でも以下の場合は請求できます。

  • 交通事故によりアルバイトができない期間が生じ、収入が減った場合
    • 生活費や学費、お小遣い稼ぎのためのアルバイトでも対象となる
  • 交通事故による留年や内定取り消しなどにより就職時期が遅れた場合
    • 仮に就職が1年遅れたとすると、その1年分の収入が得られなくなってしまうので、その補償として休業損害を請求できる

実際に就職が遅れたりアルバイトができなくなったりして休業損害が認められた判例を紹介します。

就職遅れによる休業損害

専門学生(男・事故時18歳、右目失明・外貌醜状等で併合5級)につき、事故がなければ翌々年4月から就労開始予定であったとして、賃セ男性高専短大卒20歳から24歳平均を基礎に、就労開始予定時から症状固定までの約40月分、989万円余を認めた

大阪地判平24. 7. 30 交民45・4・933

アルバイト収入に対する休業損害

高校生(男・固定時22歳、後遺時脳機能障害等7級)につき、事故当時のアルバイト収入及び事故後進学した大学の同級生のアルバイト収入を参考に、月額6万2000円を基礎に、症状固定までの1113日間、229万円余を認めた

福岡地判平28. 4. 25 自保ジ1980・20

学生の休業損害の計算方法

休業損害の計算方法は以下の通りです。

基礎収入日額×休業日数

基礎収入日額の計算方法と休業日数の考え方を詳しく確認していきます。

基礎収入日額の計算方法

アルバイトを休業した場合は、「事故前3ヶ月分の給与÷90日」で基礎収入日額を算出します。

就職が遅れた場合は、内定が決まっているのであれば、内定先で得られたはずの給料から日額を計算してください。
就職先が決まっていなかった場合には、賃金センサスの学歴別の平均賃金を採用して基礎収入日額を算定します。

令和2年であれば、男性は545万9500円、女性は 381万9200円です。

休業日数の考え方

休業日数は、実際に仕事を休んだ日数ではなく、治療のために仕事を休むことが相当であるといえる日数をいいます。
自己判断で休んだ日は休業日数に含まれない可能性があるので注意しましょう。

就職が遅れた場合の休業日数は、基本的にケガがなければ仕事を始めたといえる日から治療終了日・症状固定日までとされます。

症状固定とは、「これ以上治療を続けてもケガの大幅な改善は見込めないと判断されること」、つまり、後遺症が残ったと判断されることです。

症状固定

学生の休業損害請求で必要な書類

休業損害の請求には源泉徴収票と休業損害証明書が必要なので、用意してください。

源泉徴収票事故前の収入を証明するための書類。
アルバイト先に伝えて用意してもらいましょう。
源泉徴収票がない場合は、給与明細など、事故前3か月間の収入がわかる書類を用意してください。
休業損害証明書実際に休業したことを証明するための書類。
加害者側の保険会社から送られてくるので、アルバイト先に記入してもらいましょう。

学生でも逸失利益は請求できる

基本的にどんな学生でも請求可能

逸失利益とは、事故がなければ将来働いて得られていたであろう収入のことを言い、次の2種類があります。

  • 後遺障害逸失利益
    交通事故で残った後遺障害が労働能力に影響することで減ってしまう、生涯収入
  • 死亡逸失利益
    死亡により得られなくなった、将来の収入
逸失利益とは

すでに働いている社会人の場合、後遺障害が労働能力に影響し、異動や転職を余儀なくされたり、出世が難しくなったりして生涯収入が減る可能性があります。
また、死亡してしまった場合は、それ以降の収入が一切得られなくなります。

そうした損害を補償するのが逸失利益なのです。

学生は基本的に交通事故時点では働いていませんが、以下の点で将来の収入に影響が出る可能性があるので、逸失利益を請求できます。

  • 後遺障害の影響で就ける仕事の幅が狭まる
  • 後遺障害の影響で本来の労働能力が発揮できない
  • 死亡してしまったことで、働いて収入を得ること自体ができない

学生の逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益と死亡逸失利益の計算方法は、それぞれ以下の通りです。

後遺障害逸失利益

基礎収入×労働能力喪失率×(労働能力喪失期間の終期までの年数に対応するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応するライプニッツ係数)

死亡逸失利益

基礎収入×(1-生活費控除率)×(労働能力喪失期間の終期までの年数に対応するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応するライプニッツ係数)

高校生以下の学生の場合、基礎収入は原則として賃金センサスの学歴計・男女別全年齢平均の賃金額を基準にします。
被害者が大学在学中の場合や、高校生以下でも大学進学の可能性が高かったと認められるような場合には、大卒者の平均賃金を基準にするケースも多いです。

令和2年の調査における平均賃金は、以下の通りです。

学歴計(男性)545万9500円
学歴計(女性)381万9200円
大卒者(男性) 637万9300円
大卒者(女性)451万800円

逸失利益については下記関連記事でより詳しく解説しています。
ただし、学生の場合、ライプニッツ係数の確認方法が社会人とは異なり複雑です。

よって、逸失利益については弁護士に計算してもらうことをおすすめします。
アトム法律事務所ではLINEや電話による無料相談窓口を設けているので、お気軽にご連絡ください。

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休学・留年したなら学費や下宿代なども請求できる

交通事故によって長期間学校を休んだり留年したりした場合は、次のような費目も加害者側に請求できる可能性があります。

  • 余分に必要になった学費や教材代
  • 余分に必要になった下宿代
  • 休学中の遅れを取り戻すための塾・家庭教師代

実際に、休学や留年によって生じた損害額の請求が認められた判例として、次のものがあります。

事故のため1年間留年した大学生につき、学費97万円余及び1年分のアパート賃借料55万円余を認めた

岡山地判平9.5.29 交民30・3・796

(略)大学生(男・事故時33歳)につき、秋学期の欠席はやむを得ないとし、支払った大学授業料83万円余を認めた

東京地判平22.10.13 交民43・5・1287

ただし、休学や留年による損害額の請求がどの程度認められるかは、加害者側との示談交渉次第です。

加害者側は少しでも慰謝料・損害賠償金を少なくしたいと思っています。
被害者自身による示談交渉では十分な金額を支払ってもらえない可能性が高いので、弁護士に相談することをおすすめします。

学生の交通事故|慰謝料・賠償金の事例2選

大学生|後遺障害で希望する就職が困難になった事例

事故の概要

  • 被害者:21歳男性・大学生
  • 事故状況
    加害車両(普通乗用自動車)が交差点を左折しようとしたところ、同じ車線の左後方から交差点を直進しようとしてきた被害車両(自動二輪車)と衝突。
  • 被害
    右肩甲骨骨折、右肩挫滅創、腕神経叢麻痺
  • 後遺障害等級:4級
  • 裁判所・判決日:大阪地方裁判所・平成17年12月9日

この被害者は、もともとの能力があれば希望する職種に就ける可能性が高かったものの、後遺障害によりその職種に就けなくなりました。

この事故における慰謝料・損害賠償額は以下の通りです。

慰謝料1910万円
休業損害70万8282円
逸失利益8573万3796円
その他費目*を含めた合計額8973万2627円

*過失相殺による減額、既払い金の差し引きあり

補足|過失相殺とは?

過失相殺とは、被害者側の過失割合分、慰謝料や損害賠償金を減額することです。

交通事故は、加害者が100%悪いと言い切れるものばかりではありません。
そのため、加害者と被害者それぞれにどれくらい落ち度があるのかを割合で示す「過失割合」が決められます。

そしてその過失割合は、過失相殺という形で慰謝料・損害賠償金に反映されるのです。

高校生|丁字路での衝突事故の事例

事故の概要

  • 被害者:16歳男性・高校生
  • 事故状況
    交通整理の行われていないT字路交差点で、加害車両(普通乗用車・直進)と被害者(原付自転車・右折)が出会いがしらに衝突。
  • 被害
    • びまん性脳損傷で約7ヶ月間入院し、1年間リハビリのため通院
    • 高次脳機能障害、右同名半盲及び複視の後遺障害が残る
  • 後遺障害等級:4級
  • 裁判所・判決日:東京地方裁判所・平成16年9月22日

この交通事故では、被害者が2人乗りであったことや、右方を十分注視していなかったことなどから、被害者側に7割の過失があるとされました。

慰謝料や損害賠償金額は以下の通りです。

慰謝料350万円
逸失利益9370万5433円
将来介護費1381万8316円
その他費目*を含む合計額4421万6382円

*過失相殺による減額あり

学生でも安心!交通事故慰謝料の無料相談窓口4つ

学生が交通事故にあって慰謝料・損害賠償請求をする際、初めから最後までひとりで対応するのは非常に難しいです。
たとえ親権者が法定代理人として慰謝料請求していくとしても、専門家のアドバイスやサポートを受けながら対応していかなければ、本来受け取るべき十分な金額は得られないでしょう。

そこでここでは、学生でも安心して利用できる、慰謝料の無料相談窓口を4つ紹介します。

  • 日弁連交通事故相談センター
    • 弁護士が公正・中立の立場に立ち、無料で「電話相談・面接相談・和解あっ旋・審査」を行う公益財団法人。
      ※和解あっ旋・審査については実施条件あり。
    • 自動車事故の損害賠償請求に関すること全般を相談できる。
    • 弁護士はあくまでも中立的な立場に立つので、必ずしも被害者側の味方をするとは限らない。
  • 交通事故紛争処理センター
    • 弁護士が無料で自動車事故の損害賠償請求に関する「面接相談・和解あっ旋・審査」を行う。
    • 相談内容は自動車事故の損害賠償請求に関すること。
    • 面接相談は、その後和解あっ旋を行うことを前提としている。
    • 加害者側が特定の保険に入っていない場合などは利用できない。
    • 弁護士はあくまでも中立的な立場に立つので、必ずしも被害者側の味方をするとは限らない。
  • 法テラス
    • 国が母体となって作った独立行政法人。
    • 交通事故については、無料相談と弁護士費用の肩代わり*をしてもらえる。
      *利用条件あり、返済義務あり。
  • 法律事務所(アトム法律事務所の場合)
    • 電話・LINEにて無料相談が可能。
    • 自動車事故のみならず、自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故などの相談・ご依頼も可能。
      ※物損事故は受け付けておりません。
    • ご依頼の場合は、着手金が原則無料。弁護士費用特約を使えば、多くの場合ですべての費用が実質無料になる。
    • 弁護士は中立的な立場ではなく、被害者側の立場に立ってアドバイス・サポートなどを行う。
    • 加害者側との示談交渉のみならず、幅広いサポートが可能。

上記の「法律事務所(アトム弁護士事務所の場合)」にて紹介している弁護士費用特約とは、弁護士費用を保険会社に負担してもらえる特約です。
学生の場合、親の自動車保険に付帯している弁護士費用特約を使えることが多いので、確認してみてください。

弁護士費用特約については、『交通事故の弁護士費用特約とは?』で詳しく解説しています。

弁護士費用特約の対象者

アトム法律事務所では、慰謝料請求に関すること以外にも、通院中の疑問・不安や後遺障害等級認定に関するご相談を受け付けています。
無料相談のみのご利用も可能なので、お気軽にご連絡ください。

満足度90%超え

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点