交通事故の診断書の提出先や期限・もらい方と警察などに提出しないデメリット

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診断書を出さないと慰謝料が減る?

交通事故でケガをしたらすぐに病院を受診し、医師に診断書を作成してもらって、警察や保険会社、勤務先に提出します。診断書の費用は1通3,000円~5,000円程度で、相手方に請求できる場合もあります。

診断書は、人身事故によるケガを証明し、適切な賠償金(治療費や慰謝料など)を受け取るための重要書類です。診断書を提出しないと因果関係を疑われ、本来の補償を受けられないリスクが生じます。

警察への診断書の提出期限は、事故後10日以内が目安です。警察に診断書を提出すると、物損事故から人身事故に切り替わり、過失割合等の証拠となる実況見分調書を作成してもらえます。

この記事では、交通事故の診断書の提出方法、提出期限、提出しないとどうなるかなどを解説します。

事故後の対応に迷っている方や、どこにいつ診断書を出せばいいのか不安な方は、ぜひ参考にしてください。

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交通事故の診断書とはなにか

交通事故の診断書は、交通事故によってケガをしたことや、そのケガの症状の程度を証明する重要な証拠となるものです。

警察で人身事故の切り替えをしたり、保険会社や勤務先に提出する際に必要となります。

診断書は、医師が作成します。ケガの状態を診察した医師が、診察時の判断結果を記載します。交通事故の診断書の主な記載内容は、以下のとおりです。

交通事故の診断書の主な内容

  • 被害者の基本情報
    氏名、生年月日、性別、住所など
  • ケガの診断内容
    診断名、症状の経過、治療の内容、今後の見通しなど
  • 病院の情報
    病院名、住所、電話番号など
  • 医師の署名

必要となる記載内容は、診断書を提出する場面ごとに異なります。

交通事故の診断書の提出先ごとの提出期限・記載内容

交通事故の診断書には、主に警察提出用・保険会社提出用・後遺障害認定用・勤務先提出用の4つがあります。

それぞれの目的や提出の期限・タイミングは以下の通りです。

診断書主な目的提出の期限・タイミング
警察提出用人身事故の届出のため事故後10日以内が目安
保険会社提出用保険金・賠償金請求のため請求時
後遺障害認定用後遺障害認定のため後遺障害申請時
勤務先提出用休業の申し出のため就業規則による

診断書を提出すべき期限や、記載すべき内容などについて、個別に紹介します。

警察に提出する診断書

交通事故でケガをして人身事故の届出をする場合、警察に診断書を提出する必要があります。

警察提出用の診断書の記載内容(例)は、以下のとおりです。

【警察提出用の診断書の記載】

  • 交通事故によるケガであること
  • 傷病名(むちうち、打撲、骨折など)
  • 全治までの日数(加療を要する期間)

警察提出用の診断書の期限

警察への診断書の提出について、法律上具体的な期限はありませんが、事故後10日以内が望ましいといえます。

事故から時間がたって受診し、診断書を提出しても、「事故後に別の要因で負ったケガではないか」と疑われ、人身事故としての届出を受け入れてもらえない可能性があるからです。

なお、一度物損事故として処理された事故であっても、あとから診断書を提出し受理されれば、人身事故に切り替えてもらえます。

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警察提出用の診断書(書式)の入手方法

警察提出用の診断書は、通常、病院所定の書式で作成されるため、被害者側で用紙を用意する必要はありません。

受診した病院で「交通事故のケガについて、警察に提出する診断書を作成してほしい」と伝えれば作成してもらえます。

警察提出用の診断書の提出方法

提出先は、事故を取り扱った警察署の交通課です。交番ではなく警察署に提出します。

どの警察署が担当かわからない場合は、事故当日に対応した警察官から渡された連絡先か、交通事故証明書に記載された取扱警察署を確認してください。

提出は被害者本人が持参するのが原則ですが、ケガで動けない場合などは家族が代わりに持参できることもあります。担当者が不在だと手続きが進まないため、事前に電話で来署の日時を伝えておくとスムーズです。

必要なものは警察署によって異なる場合があるため、事前に電話で確認しておくと確実です。

警察署に行くときの持ち物(例)

  • 診断書(原本)
  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 印鑑
  • 車検証(車両の事故の場合)

保険会社に提出する診断書

交通事故でケガをして治療費や慰謝料などの保険金・損害賠償金を請求する際も、診断書が必要です。

保険会社提出用の診断書の記載内容(例)は、以下のとおりです。

【保険会社提出用の診断書の記載】

  • 傷病名(受傷部位)
  • 治療開始日・治癒または治癒見込み日
  • 治療内容・経過
  • 今後の見通し
  • 検査所見
  • 既往症・既存障害
  • 治療期間・通院回数
自賠責診断書(表面)
自賠責診断書(表面)

保険会社提出用の診断書の期限

診断書の提出タイミングは賠償請求時ですが、「被害者請求」には3年の時効があります。
診断書の提出を含め、被害者請求の申請は以下の表の起算日から3年以内に行いましょう。

被害者請求の時効起算点

傷害分の費目事故翌日
後遺障害分の費目症状固定の翌日
死亡事故の費目死亡日の翌日

※症状固定とは、これ以上治療を続けても、症状の回復が期待できない状態。

一括対応なら診断書の提出は不要

保険会社が一括対応している場合、診断書の提出は不要です。

一括対応とは、保険会社が直接、病院に治療費を支払ってくれるサービスのことです。加害者側の任意保険によるものを「任意一括対応」、被害者側の人身傷害保険によるものを「人傷一括対応」といいます。

保険会社が一括対応してくれる場合、保険会社からくる同意書にサインすれば、保険会社が直接、病院から診断書を取得し治療費を支払ってくれます。

治療費支払いの流れ(任意一括対応)

しかし、保険会社が一括対応をしてくれない場合は、自分で診断書を取得して、保険会社に提出しないといけません。

一括対応してくれない場合(例)

  • 人身事故かどうか(事故でケガをしたかどうか)自体が争いになっている
  • 治療期間の長さが問題になっている
  • 被害者側の過失割合のほうが大きい

保険会社提出用の診断書(書式)の入手方法

保険会社提出用の診断書(書式)は、インターネット上で入手可能です。保険会社のサイトからダウンロードすることができます。

よく分からない場合は、保険会社に問い合わせて、送付してもらうなどの対応も考えられます。

自賠責保険に被害者請求をする場合は、自賠責保険用の診断書書式を用います。

なお、健康保険を利用していた場合には、病院から自賠責保険会社指定の書式の診断書の作成を拒否されることがあります。その場合は例外的に自賠責保険会社指定の書式のものでなくても被害者請求をすることは可能です。

自賠責保険の請求手続きや自賠責保険の書式の診断書(自賠責診断書)について、詳しくは『自賠責保険|被害者請求と加害者請求の違いは?必要書類は自賠責診断書?』をご覧ください。

保険会社提出用の診断書の提出方法

通常、原本を郵送で提出します。保険会社に依頼すると、送付用の封筒をもらえる場合があります。

後遺障害認定で提出する診断書

後遺障害認定で提出する診断書は、「後遺障害診断書」と呼ばれます。

提出先は、加害者側の任意保険または自賠責保険です。後遺障害診断書を始めとする申請書類一式を提出すると、後遺障害認定の審査を受けられます。

後遺障害認定の審査では、後遺障害の有無および等級(1級~14級)が決まります。

後遺障害診断書の記載内容(例)は、以下のとおりです。

【後遺障害診断書の記載内容】

  • 傷病名
  • 事故日、症状固定日、治療期間や治療日数
  • 後遺障害がある体の部位、内容
  • 自覚症状(痛み、痺れなど)
  • 検査結果(XP・CT・MRI、腱反射・筋肉・筋力などの神経学的所見、関節可動域測定など)
  • 見通し(寛解の見込みなしなど)
後遺障害診断書のテンプレート

効果的な記載で提出する必要がある

交通事故でケガの後遺症が残った場合、後遺障害の認定を受けられないと、後遺症の賠償金(後遺障害慰謝料・逸失利益)を請求できません。

後遺障害診断書は、後遺障害認定の審査で特に重視されます。

そのため、後遺障害の状態が良く伝わるように、効果的な記載の診断書を提出する必要があります。

しかし、すべての医師が「後遺障害認定の対策に適した診断書の書き方」に精通しているとは限りません。診断書を受け取ったら、被害者側でも内容を確認し、必要があれば医師に修正をお願いしましょう。

後遺障害慰謝料は、1つ等級が違うだけで70万円~430万円の差が生じます。後遺障害診断書の質をはじめ、万全の対策をすることが重要です。

後遺障害診断書の作成にあたって不安がある方は、提出前に弁護士にご相談ください。アトム法律事務所では、交通事故被害者の方の無料相談を受け付けています。

後遺障害診断書について詳しくは、『後遺障害診断書の書き方や書式のもらい方は?自覚症状の伝え方や認定のポイント』をご覧ください。

後遺障害認定用の診断書の提出期限

提出のタイミングは、後遺障害申請時です。

後遺障害認定の申請は、症状固定(これ以上治療を続けても症状の回復が期待できない状態)を迎えたタイミングで行います。

症状固定のタイミング

後遺障害認定用の診断書(書式)の入手方法

後遺障害認定用の診断書(書式)は、保険会社から取り寄せます。

交通事故の後遺障害診断書の作成に慣れている病院では、病院がすでに書式を保有している場合もあります。

後遺障害認定用の診断書の提出方法

後遺障害等級認定の審査を受けるための手続きには、「被害者請求」と「事前認定」の2種類の方法があります。

どちらを選ぶかで、診断書の提出先が異なります。

【被害者請求】

被害者請求の流れ
  • 提出先:加害者側の自賠責保険
  • メリット
    • 任意保険会社との示談成立前に、自賠責保険金を受け取れる
    • 認定に有利な補足資料を提出できる
  • デメリット
    • 申請書類の準備や提出は被害者側がみずから行うため、手間がかかる

【事前認定】

事前認定の流れ
  • 提出先:加害者側の任意保険会社
  • メリット
    • 手間がかからない(基本、後遺障害診断書を任意保険会社に提出するだけ)
  • デメリット
    • 任意保険会社は被害者側の代理人ではなく、形式的な対応。認定基準のポイントは教えてくれない
    • 認定に有利な補足資料は提出できない
    • 任意保険会社との示談が成立しないと、自賠責保険金も受け取れない

被害者請求で後遺障害申請をする流れや必要書類は『後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由を解説』をご覧ください。

勤務先に提出する診断書

各勤務先の就業規則にもよりますが、交通事故にあったら、欠勤の申請にあたり、勤務先にも診断書を提出しないといけない場合があります。

長期療養が必要な場合や、パイロットなど健康状態が業務に大きく影響する職業に就いている場合には、休職の申請時だけでなく、復職時にも診断書の提出が必要なケースもあります。

なお、通勤中や業務中の事故であれば労災保険を利用できますが、その申請にあたっても診断書の提出を求められることがあります。

勤務先に提出する診断書の記載内容(例)は、以下のとおりです。

【勤務先に提出する診断書の記載内容】

  • 氏名、生年月日、性別などの患者情報
  • 傷病名
  • 症状や病状
  • 療養期間や就労の可否
  • 就業上の配慮事項(業務制限、時短勤務の必要性など)
  • 診断年月日、医療機関名、医師名

勤務先用の診断書の提出期限

勤務先用の診断書の提出期限や提出方法は、勤務先の就業規則や会社からの指示によって異なります。

交通事故によるケガでの欠勤、休職を申請する場合は、会社へ早期に連絡したうえで、指定された期限までに診断書を提出しましょう。

勤務先用の診断書(書式)の入手方法

「勤務先用の診断書書式」は、法律で統一された全国共通の様式があるわけではありません。

勤務先が用意した指定書式がある場合は、その書式を使って医師に作成してもらいます。指定書式がない場合は、医療機関の一般的な診断書を提出するケースもあります。

交通事故で提出する診断書のもらい方|どこで・何日で・いくら?

交通事故で診断書が必要になった場合、「コピーでもよいのか?」「診断書はどこで作ってもらい、どれくらい時間がかかるのか?」「診断書の作成費用は加害者側に請求できるのか?」といった疑問が生じがちです。

ここでは、こういった交通事故で提出する診断書のもらい方を解説します。

コピーではなく診断書原本の提出が原則

診断書は、原則として原本の提出が必要です。コピーでは受け付けてもらえないことがほとんどのため、注意しましょう。
なお、後から内容を確認できるよう、提出前にコピーをとっておくと安心です。

なお、勤務先の会社に診断書を提出するときは、コピーの提出でも認められる場合があります。事前に会社の担当者に確認してみてください。

診断書の作成は医師に依頼|整骨院の注意点

交通事故で提出する診断書は、病院の医師に作成してもらいます。整骨院(接骨院)は医療機関ではない(医師がいない)ため、診断書の作成はできません。

診断書作成時には、以下の点について医師に伝えておくとよいでしょう。

  • 診断書の提出先や目的
  • 自覚症状

たとえば、交通事故によるケガで多いむちうちは、客観的に症状の程度がわからないことが多いです。
毎回の診察において自覚症状を適切に伝えておけば、被害者にとって不利益となる内容が記載されることを避けられます。

なお、診断書は医師ならだれにでも書いてもらえるわけではありません。医師法20条で、医師であっても自ら診察をしないで診断書を交付することが禁止されているからです。

診断書作成にかかる期間

診断書の作成にかかる期間は、診断書の種類や病院によって異なり、以下の通りです。

  • 警察に提出する診断書
    「ケガをしたことの証明」が主な内容になるので、作成にそれほど時間がかからないことが多いです。即日発行されることもあるでしょう。
  • 保険会社提出用の診断書
    治療状況を記載する通常の診断書については、月ごとに発行してもらうケースが多いです。または、最終通院日までの治療期間について、まとめて発行してもらう方法も考えられます。
  • 後遺障害認定用の後遺障害診断書
    ケガや後遺障害の治療経過、症状などについて詳細な情報を記載するため、作成に2週間~3週間程度かかることになります。
    大きな病院などでは、医師の出勤日の関係から、1か月程度かかってしまうこともあります。
  • 勤務先提出用の診断書
    就労制限の内容について、医師と相談する必要はありますが、ケガによる仕事への支障を勤務先に早期に伝える必要があるため、早期に発行してもらえるケースは多いでしょう。

警察提出用の診断書は事故直後の初診時に、後遺障害診断書は医師から症状固定の診断を受けた時に作成を依頼しておくとよいです。

診断書の作成費用は加害者側に請求できる場合・できない場合

診断書の作成費用は受診する病院によって異なりますが、3,000円~5,000円程度が一般的な相場です。

診断書を自己負担で作成した場合、後の示談交渉で相手方に請求できる場合があります。診断書を自己負担で作成してもらったときは、忘れずに領収証をもらって保管しておくようにしましょう。

診断書費用負担
警察提出用原則自己負担
保険会社提出用原則保険会社負担
後遺障害診断書後遺障害に該当:原則保険会社負担
後遺障害非該当:原則自己負担
勤務先提出用原則自己負担

診断書の作成費用が加害者側の負担になるかどうかは、その診断書が賠償請求に必要だったといえるかによって判断されます。

保険会社提出用の診断書は賠償請求に直結するため、保険会社が負担するのが一般的です。一方、後遺障害が認定されなかった場合の後遺障害診断書のように、結果的に賠償金の増額につながらなかった費用は、自己負担になることがあります。

警察提出用や勤務先提出用の診断書も、原則、自己負担です。

判断に迷う場合は、領収証を保管したうえで弁護士にご確認ください。

交通事故の診断書を提出しないとどうなる?

診断書を提出しないことは、被害者にとって慰謝料や賠償金額が減るなどデメリットしかありません。

事故の相手方から「診断書を提出しないでほしい」「提出した診断書を取り下げてほしい」と依頼されても、安易に応じないことをおすすめします。

診断書を提出しないデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

人身事故としての捜査・書類作成がされない

交通事故の診断書を警察に提出しないと、物損事故として処理され、人身事故としての捜査・書類作成がされません。

人身事故として事故が処理されれば、当事者立会いのもと事故現場を捜査する「実況見分」が実施され、実況見分調書にまとめられます。

この実況見分調書は事故時の状況を証明する書類として、示談交渉で用いられることもあるものです。

もし実況見分調書がなければ、事故時の状況について加害者側と揉めた際、加害者側の主張が通ってしまう可能性があります。

すると、被害者側に実際よりも多くの過失があることになり、慰謝料・賠償金が過剰に減額されてしまうおそれがあるのです。

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人身事故としての保険金・賠償請求に支障が出る

保険会社に診断書を提出しなかった場合、「本当に事故でケガをしたのか」「どのようなケガをしたのか」が明らかにならず、保険金や賠償金の支払いに支障が出るリスクがあります。

物損事故として届け出た状態でも、加害者側の任意保険会社がケガの存在を認めれば、人身関連の費目も請求できることがあります。しかし、人身事故として警察に処理されている場合よりも減額されるリスクがあるでしょう。

ただし、相手方の保険会社が治療費を病院に負担(任意一括払い)している場合、相手方の保険会社は直接病院から診断書を取り寄せます。
この場合、被害者が自分で相手方の保険会社に診断書を提出せずとも問題なく補償が受け取れるので、特段気にする必要はないでしょう。

なお、加害者側の自賠責保険会社に、自賠責分の賠償金を直接賠償請求をする「被害者請求」では、診断書が提出書類の1つとなっています。そのため、診断書がなければそもそも手続きができません。

後遺障害認定を受けられない

後遺障害診断書を提出しない場合、後遺障害等級の審査を受けられません。

後遺障害等級の審査を受けず、後遺障害等級認定がされなかった場合、「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」といった損害賠償金の費目について支払いを受けられなくなります。

後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、損害賠償金の中でも高額になりやすい費目です。
後遺障害診断書を提出しなければ、損害賠償金が本来受け取れるはずの金額よりも大きく減ってしまう可能性があるのです。

休業損害を請求できない

勤め先から診断書の提出を求められているのに提出しなかった場合、「交通事故による休業」として扱ってもらえず不利益を被る可能性があります。

たとえば、加害者側に休業損害を請求したい場合は、勤め先に「交通事故による休業が何日あったか」などを示す休業損害証明書を作成してもらう必要があります。

しかし、提出すべき診断書を提出していない場合、こうした書類の作成も対応してもらえない可能性があるでしょう。

また、労災保険金を受け取れないリスクも考えられます。

交通事故の診断書に関するよくある質問

ここでは、交通事故の診断書に関してよくある以下の質問にお答えします。

Q.追突事故で軽傷でも診断書は提出すべき?

軽傷でもケガをしているなら、人身事故として届け出るために診断書が必要です。

追突事故で多いむちうちは、日がたってから悪化してくることも多いです。その他のケガも、だんだんと悪化してくる可能性があるので、軽傷であっても病院で診察を受け、診断書を出してもらい、警察に提出しましょう。

Q.物損事故として処理された後でも、警察に診断書を提出すべき?

物損事故として処理された後でも、ケガが発覚したなら診断書を提出し、人身事故に切り替えましょう。

物損事故として処理されたままでは、治療費や慰謝料をきちんと請求できない可能性があるからです。

Q.整骨院の施術証明書は診断書の代わりになる?

なりません。

整骨院では柔道整復師による「施術証明書」を作成してもらえますが、医師による書類ではないため、診断書の代わりとして警察や相手方の保険会社に提出することはできないのです。

Q.途中で転院した場合、どちらの医師に診断書を頼む?

基本的には、最後に担当してもらっていた医師に診断書を頼みましょう。

転院前の治療経過などについても診断書に記載してもらえるよう、転院時には前の医師に紹介状などを書いてもらっておくと安心です。

また、転院する際の診断書には「継続」「転医」の箇所に〇をつけてもらう必要があります。

「治ゆ」や「中止」の箇所に〇をつけられると、転院後の治療費の支払いが受けられなくなるリスクがあるからです。

Q.全治日数が変わったら、警察に出した診断書も修正すべき?

全治日数が変わっても、警察に提出した診断書の修正や再提出は不要です。

なお、警察に提出する診断書の全治日数は、人身事故加害者の刑事処分や違反点数(免許停止・取消の行政処分)の判断において考慮されるため、実際の治療日数よりも控えめに記載されていることが多いです。

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交通事故の解決は診断書の提出から始まる

交通事故の解決までの道のりは、まずは診断書の提出から始まります。

交通事故に遭ったら、可能な限り早く、病院を受診しましょう。そして、医師に対して、交通事故に遭ってケガをしたことや、あらわれた症状などを正確に伝え、適切な診断をしてもらうことが大切です。

交通事故でケガをした場合、警察への人身事故の届出、保険会社への請求、勤務先への証明など様々な場面で、診断書の提出が必要になります。

診断書を提出しないと、事故によるケガを医学的・客観的に証明できず、適切な補償を受けられないリスクが生じます。

そのため、交通事故後は、適切なタイミングで適切な提出先に、診断書を出すことが重要です。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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