後遺障害申請の被害者請求の流れや必要書類は?弁護士に依頼すべき理由
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被害者請求とは、申請者がすべての必要書類を用意したうえで、加害者側の自賠責保険を介して後遺障害の申請をする方法です。
後遺障害申請には事前認定という方法もありますが、被害者請求のほうが審査対策がしやすく、良い結果が期待できます。
すべての書類を用意しなければならない点や、審査対策のために知識が必要な点はデメリットですが、弁護士に依頼することでデメリットは解消できます。
本記事では、被害者請求の流れ、必要書類の内容、デメリットを解消しつつメリットを最大限に生かす方法などを解説していきます。

目次
後遺障害認定における被害者請求とは?
後遺障害認定とは、交通事故で残った後遺症に対して「後遺障害等級」が認定されることです。
後遺障害認定を受けると、後遺障害慰謝料や逸失利益といった、示談金の中でも特に高額になりやすい費目を請求できるようになります。
この後遺障害認定を受けるための申請方法の1つが、被害者請求です。
被害者請求とはどのような申請方法なのか詳しく解説するとともに、もう1つの申請方法である事前認定との違いを見ていきましょう。
自賠責保険を介しての申請方法のこと
後遺障害認定では、必要書類を審査機関に提出して審査を受ける必要があります。
この時、必要書類のすべてを申請者側で用意し、加害者側の自賠責保険会社を通して審査機関に提出する方法が被害者請求です。

事前認定での申請との違い
後遺障害申請の方法にはもう1つ、事前認定というものがあります。
事前認定の場合、申請者は後遺障害診断書のみを用意し、加害者側の任意保険会社に提出します。
すると、任意保険会社の方で残りの書類を用意して審査機関に提出してくれるのです。

被害者請求と事前認定の違いをまとめると、次の通りです。
被害者請求と事前認定の違い
| 被害者請求 | 事前認定 | |
|---|---|---|
| 誰が準備するか | 被害者 | ほぼ加害者の任意保険会社 |
| どこに提出するか | 加害者の自賠責保険会社 | 加害者の任意保険会社 |
重要
一見すると、事前認定のほうが手間がかからず良いと思われがちです。
しかし、納得のいく認定結果を得られる可能性と、それによる慰謝料・賠償金額への影響を考えると、結果的に被害者請求のほうがメリットが大きいケースも多いです。
手間の点だけを見て事前認定を選択するのはおすすめしません。詳しくは、次の章をご確認ください。
関連記事
・後遺障害の事前認定とは?被害者請求との違いや切り替えるべきケースも解説
被害者請求で後遺障害申請するメリット
被害者請求での後遺障害申請には、受け取れる慰謝料に関連するメリットがあります。
主なメリット2点と、それがどう慰謝料に関連するのかを解説していきます。
審査対策がしやすい
被害者請求ではすべての書類を申請者側で用意するため、審査対策がしやすくなっています。これが、被害者請求のメリットの1つ目です。
後遺障害認定は、基本的に書類審査となります。
そのため、例えば必要に応じて「日常生活報告書」のような追加書類を添付したり、提出書類の内容を確認し、審査に効果的になるようブラッシュアップしたりといった対策が非常に重要です。
被害者請求なら、申請者がすべての書類に関与できるため、出来上がった書類の内容を確認して修正したり、追加書類を添付したりできます。
これにより、症状の存在や程度が正確に審査機関に伝わりやすくなり、適切な認定を受けられる可能性が高まるでしょう。
後遺障害認定で何級に認定されるかは、後遺障害慰謝料の金額に大きく影響します。
例えばむちうちでは後遺障害12級または14級に認定される可能性がありますが、どちらに認定されるかで慰謝料は180万円も変わるのです。
むちうちの後遺障害等級と慰謝料相場
| 12級 | 290万円 |
| 14級 | 110万円 |
※弁護士基準の場合
一方、もし事前認定を選択すれば、被害者は後遺障害診断書にしか関与できません。
その他の書類は加害者側の任意保険会社が用意するため、必要最低限の質・種類の書類で審査を受けることになりがちです。
そのため、低い等級に認定されて慰謝料が低額になったり、そもそも後遺障害認定されず、後遺障害慰謝料を請求できなくなったりする可能性があります。
後遺障害に関する慰謝料の一部を早くもらえる
被害者請求で後遺障害等級が認定されると、示談成立前でも結果通知と同時期に、自賠責保険分の後遺障害慰謝料・逸失利益が支払われます。
交通事故では、慰謝料や損害賠償金は基本的に、加害者側の任意保険と自賠責保険から支払われます。
通常はすべてまとめて示談成立後に、任意保険から支払われます。しかし、被害者請求をすれば、自賠責分のみ先にもらえるのです。

自賠責保険から支払われる後遺障害慰謝料は、以下の通りです。
被害者請求で受け取れる後遺障害慰謝料
| 等級 | 慰謝料 |
|---|---|
| 1級・要介護 | 1,650(1,600) |
| 2級・要介護 | 1,203(1,163) |
| 1級 | 1,150(1,100) |
| 2級 | 998(958) |
| 3級 | 861(829) |
| 4級 | 737(712) |
| 5級 | 618(599) |
| 6級 | 512(498) |
| 7級 | 419(409) |
| 8級 | 331(324) |
| 9級 | 249(245) |
| 10級 | 190(187) |
| 11級 | 136(135) |
| 12級 | 94(93) |
| 13級 | 57(57) |
| 14級 | 32(32) |
単位:万円
()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
上記に加えて、後遺障害逸失利益も、自賠責保険の上限額の範囲内で支払われます。
重要
後遺障害慰謝料や逸失利益の一部を早くもらえると、以下のメリットが生まれます。
- 早くまとまったお金が必要な場合に安心
- 早く示談金を得るために不利な条件で示談せざるを得ないという事態も防げる
ただし、自賠責保険分の金額はあくまでも最低限のものです。これだけでは足りないので、残りは示談交渉時に任意保険会社に請求することになります。
自賠責保険分の金額がいくらか知りたい方は、『自賠責保険の補償内容や慰謝料計算は?任意保険からも両方もらえる?』の記事をご覧ください。
被害者請求で後遺障害申請するデメリット
被害者請求にはデメリットもありますが、デメリットを解消する対処法もあります。詳しく見ていきましょう。
必要書類の準備に手間がかかる
被害者請求では申請者側ですべての書類を用意しなければなりません。
本記事内でのちほど紹介する通り、被害者請求で必要となる書類の種類は多く、入手先や作成者もさまざまです。各所からの取り寄せ・作成依頼などをしなければなりません。
ただし、手間がかかったとしても適切な等級を獲得することは非常に重要です。
また、弁護士に依頼すればほとんどの書類の用意は一任できるため、こうした手間は省けます。
十分な審査対策には知識が必要
「審査対策がしやすい」という被害者請求のメリットを効果的に生かすには、後遺障害認定に関する知識が必要です。
後遺障害認定の対策は、ただ受けた検査の結果を全て添付すれば良いというものではありません。
また、提出書類のブラッシュアップをしようにも、どのような内容が効果的なのか把握していなければ効果的な対策はできません。
以下の点を踏まえて、しっかりと戦略的に書類を作りこむ必要があるのです。
- 自分の後遺症は後遺障害何級に該当するものなのか
- そのことを審査機関に認めてもらうにはどのようなアプローチが必要なのか
- 実際に過去にはどういう認定事例があるのか
このデメリットも、弁護士に依頼することで解消できます。
交通事故事案を担当する弁護士は後遺障害認定のサポートもすることが多く、専門知識や過去の事例に精通しているからです。
被害者請求で後遺障害申請する方法
実際に被害者請求をするにはどうすれば良いのか、流れや必要書類の点から解説します。
被害者請求による申請手続きの流れは、以下のとおりです。
症状固定の診断を受ける
必要書類を用意する
必要書類を自賠責保険会社に提出する
結果の通知・慰謝料などの振り込みがされる
それぞれのフェーズについて解説します。
(1)症状固定の診断を受ける
症状固定とは、これ以上治療しても症状の改善が見込めないと判断された状態のことです。
後遺障害認定は、医師から症状固定の診断を受けてから申請しましょう。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 基本的には、治療期間6カ月未満で症状固定となると後遺障害認定されにくい
- 自己判断で治療をやめたり、治療期間中に空白期間があったりすると、後遺障害認定されにくい
症状固定のタイミングについては『症状固定とは?時期や症状固定と言われたらすべき後遺障害認定と示談』の記事で詳しく知ることが可能です。
(2)必要書類を用意する
被害者請求では、すべての必要書類を申請者側で用意します。
必要書類の種類や取り寄せ方、作成のポイントについては本記事内でのちほど紹介するので、参考にしながら進めてみてください。
なお、弁護士に依頼すれば、書類の取り寄せや内容チェックなどを任せられます。
不備がないことはもちろん、認定対策がしっかり施された書類を用意できるでしょう。
(3)必要書類を自賠責保険会社に提出する
必要書類をすべて用意できたら、加害者側の自賠責保険会社に提出しましょう。
提出後、必要書類は自賠責保険会社から審査機関である損害保険料率算出機構に渡り、後遺障害認定の審査が行われます。
審査機関から、審査に必要な書類や画像データ、レントゲン写真などの追加提出を求められた場合は、適正な後遺障害等級認定を受けるためにも協力しましょう。
なお、加害者側の自賠責保険会社名は「交通事故証明書」に記載されています。
加害者側の任意保険会社に依頼すれば交通事故証明書を手配してもらえますが、自身で取り寄せたい場合は『交通事故証明書とは?後日取得の期限やもらい方、コピーの可否を解説』の記事にてご確認ください。
(4)結果の通知・慰謝料などの振り込みがされる
後遺障害認定の審査が終わると加害者側の自賠責保険会社を介して結果が通知されます。
そして、ほぼ同時に自賠責保険分の後遺障害慰謝料・逸失利益が振り込まれるでしょう。
結果に納得できない時は再審査などが可能
後遺障害申請をしたものの非該当と認定されてしまったり、認定された等級が低かったりして納得がいかない場合、以下のような方法で認定結果を争うことができます。
- 後遺障害の異議申立て
- 自賠責保険・共済紛争処理機構への申請
- 民事裁判
各方法の詳しい内容や流れについては『後遺障害の異議申し立てを成功させる方法と流れ!失敗や納得できない結果への対策』の記事をご覧ください。
被害者請求での必要書類|入手方法と作成ポイント
被害者請求での必要書類は、大きく「加害者側の自賠責保険から取り寄せられるもの」「別途取り寄せるべきもの」に分けられます。
(1)自賠責保険から取り寄せる請求セットに含まれるもの
| 書類 | 作成者 |
|---|---|
| 支払請求書 | 被害者 |
| 事故発生状況報告書 | 被害者 |
| 人身事故証明書入手不能理由書 ※物損事故として届け出ている場合 | 原則加害者 |
| 診断書 | 担当医 |
| 後遺障害診断書 | 担当医 |
| 診療報酬明細書 | 医療機関 |
| 通院交通費明細書 | 被害者 |
| 施術証明書・施術費明細書 ※整骨院に通った場合 | 医療機関 |
| 委任状 ※申請を弁護士など第三者に任せる場合 | 委任者 |
| 看護料領収書・付添看護自認書 ※看護・介護が生じた場合 | 看護・付添人 |
| 休業損害証明書 ※事故が理由で休業した日がある場合 | 勤務先 |
第三者に作成してもらう書類は、相手に書式を渡して必要事項を記入してもらいましょう。
後遺障害診断書は、どの自賠責保険でも同じ書式が使われます。
請求セットが届くより前に担当医に作成を頼んでおきたい場合は、インターネット上でダウンロードするとよいでしょう。以下に書式を用意したので、ご活用ください。
(2)その他の必要書類
| 書類 | 作成者 |
|---|---|
| 交通事故証明書 | 自動車運転安全センター |
| 被害者(請求者)の印鑑証明書 | 市町村 |
| 委任者の印鑑証明書 ※申請を弁護士など第三者に任せる場合 | 市町村 |
| 住民票または戸籍抄本 ※申請者が未成年の場合や主婦として休業損害を請求する場合 | 市町村 |
| 後遺症を詳しく伝える追加資料 ※必要に応じて | 医療機関 |
| 自動車検査証 標識交付証明書または軽自動車届出済証 ※原動機付自転車または軽自動車(二輪)、車検対象車でない場合 | 加害者 写しも可 |
| 確定申告書や所得証明書 ※治療のため休業した日がある場合 | 被害者・勤務先 確定申告書は写しも可 |
書類を作成する際のポイント
被害者請求の書類作成では、以下の点を審査機関に伝えることを意識しましょう。
- 症状が確かに残存していること
- 症状の部位や程度
- 症状の継続性・一貫性
- 日常生活や仕事への影響
上記のような内容を、医学的・客観的に証明するには、特に後遺障害診断書や各種検査結果が重要です。場合によっては日常生活報告書などの追加書類も必要になるでしょう。
後遺障害診断書は医師に作成してもらうものですが、医師が後遺障害認定に精通しているとは限りません。
任せきりにしていると、「医学的には問題ないが、後遺障害認定の観点から見ると改善の余地がある書類」になってしまうおそれがあります。
そのため、後遺障害認定に精通している弁護士のチェックも受けることがポイントです。
どのように症状の残存や程度、継続性などを伝えるべきかは、具体的な症状によっても異なります。専門知識のある弁護士にぜひご相談ください。
▼効果的な審査対策をするためには、弁護士への依頼がベストです。弁護士費用特約があれば弁護士費用の自己負担なし。

被害者請求にかかる期間と申請期限
被害者請求による後遺障害認定の審査期間は、1ヶ月~2ヶ月が目安です。
また、申請には期限があり、被害者請求の場合は症状固定の翌日から3年間とされています。
それぞれについて詳しく解説します。
被害者請求にかかる期間は1~2カ月程度
被害者請求による後遺障害認定の審査期間は1ヶ月~2ヶ月程度となることが多いです。
申請が審査機関で受付されてから調査が完了し、認定結果が出るまでの期間については、損害保険料率算出機構による統計データが公表されています。
自賠責損害調査事務所における後遺障害事案の損害調査所要日数
| 期間 | 割合 |
|---|---|
| 30日以内 | 73.8% |
| 31日~60日 | 13.7% |
| 61日~90日 | 6.7% |
| 91日以上 | 5.8% |
参考:損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況」より
表にまとめた統計結果から、およそ85%の事案では、2ヶ月以内に調査が完了することがわかります。
ただし、重い後遺障害や神経系統・精神に関する後遺障害は、調査期間が長くなる傾向があります。
特に、高次脳機能障害は自賠責損害調査事務所の上部機関で詳しく調査する事案であり、先の統計結果には含まれていません。
高次脳機能で後遺障害認定を受けるためには特有の対策が必要です。
交通事故で高次脳機能障害を負った場合は、関連記事『交通事故で記憶障害に|記憶喪失・性格が変わる・言語障害も高次脳機能障害?』も合わせてご確認ください。
事前認定だと期間が長く感じることも
後遺障害認定の審査にかかる期間は、被害者請求だから、事前認定だからといった理由で長くなったり短くなったりはしません。
ただし、事前認定の場合は「審査結果が遅いと思っていたら、実はまだ加害者側の任意保険会社が審査機関に書類を出していなかった」というケースがあります。
加害者側の任意保険会社の仕事は事前認定の対応だけではないため、担当者が忙しいと書類の準備・提出が後回しにされることがあるのです。
この点からも、被害者請求での後遺障害認定がおすすめです。
被害者請求の期限は3年
自賠責保険への被害者請求の期限は、症状固定の翌日から3年です。3年経過すると請求権を失い、被害者請求ができません。
なお、事故の発生日が2010年3月31日以前の場合はさらに短く、症状固定の翌日から2年で時効となります。
被害者請求を検討している場合は、上記の期間内に手続きを行いましょう。期限を超えてしまいそうな場合は、自賠責保険会社に時効中断申請書を提出すれば時効期間を中断できます。
被害者請求について弁護士に依頼すべき理由
被害者請求を選ぶなら、弁護士への依頼も検討することが重要です。
資料収集の手間がかかるというデメリットを解消しつつ、以下のようなメリットを得られます。
- 後遺障害診断書などの必要書類の内容が適切かどうかチェックしてもらえる
- 被害者請求のために必要な検査を受けているかどうか確認してもらえる
- 必要な書類の収集や作成を任せることができる
- 後遺障害等級認定後の示談交渉も行ってもらえる
(1)後遺障害診断書などの書類内容を確認してもらえる
弁護士は後遺障害認定や過去の認定事例について熟知しているため、弁護士に依頼すれば「書類の内容は適切か」「どのような書類を追加で添付すべきか」などがわかります。
すでに解説した通り、後遺障害認定の必要書類には医師に作成してもらうものが多くありますが、医師が後遺障害認定に精通しているとは限りません。
例えば医師に書いてもらった後遺障害診断書は、医学的には問題ない内容でも、後遺障害認定では不十分だったり、不利に働いてしまったりすることがあるのです。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
後遺障害診断書の例
- 自覚症状欄が症状の記載のみ
「その自覚症状により、日常生活や仕事にどのような支障が出ているのか」まで追加で書かなければ説得力がないとして審査でプラスに働きにくい - 今後の見通しが「予後不明」「緩解」
良くなりつつあり将来的には完治の可能性もある、などと判断されてしまい、後遺障害認定されなくなるおそれがある
弁護士であれば、後遺障害認定の観点からどのような記載内容が適切なのかを判断し、修正の提案ができます。
その結果、被害者ご自身で被害者請求をするよりも高い等級に認定され、高額な後遺障害慰謝料・逸失利益を得られる可能性が高まるのです。
(2)後遺障害認定のために必要な検査もわかる
弁護士に依頼して被害者請求対策をすれば、後遺障害認定の審査で効果的な検査もわかります。
後遺障害認定は基本的に書類審査なので、後遺症の症状や程度を客観的・医学的に示す検査結果が必要です。
医師が治療の観点から「検査までしなくても診察で十分わかる」「そこまで細かく検査する必要はない」と判断して実施しなかった検査であっても、後遺障害認定においては必要なことがあるのです。
弁護士に相談すれば、そうした「後遺障害認定の観点で必要な検査」もわかります。必要な検査は個々人の症状の種類・程度によっても異なるので、一度相談してみることをおすすめします。
(3)書類の用意も一任できて時間・手間を削減できる
弁護士に被害者請求を依頼すれば、被害者ご自身で大量の必要書類の収集・作成や、関係者への作成依頼をする必要がなくなります。
後遺障害認定の書類準備は、ご自身に後遺障害が残った状態で行わなければなりません。症状固定の診断を受け、日常生活や仕事に復帰するタイミングでもあり、さまざまな書類の用意は負担になりがちです。
弁護士に書類の用意を依頼すれば、書類の用意の手間が省けると同時に、ここまで解説してきたような専門的な審査対策もできます。ぜひ弁護士にご相談ください。
(4)後遺障害認定後の示談交渉も安心
弁護士に依頼すれば、後遺障害認定後の示談交渉も任せることができ、適切な金額で示談できる可能性が高まります。
後遺障害認定の後は、加害者側との示談交渉が行われるでしょう。
示談交渉がうまくいかなければ、たとえ適切な後遺障害等級に認定されていても、後遺障害慰謝料・逸失利益は低額になります。
交渉相手となる加害者側の任意保険会社は、日々プロとして示談交渉を行う手強い相手です。
しかし、弁護士を立てていれば交渉力や「裁判に発展させたくない」という相手方の心理により交渉が優位に進みやすくなり、相場の金額で示談できる可能性が高くなるでしょう。
交通事故で弁護士に依頼するメリットは示談金増額の獲得以外にもあるので、『交通事故を弁護士に依頼するメリット9選と必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』の記事も合わせてお読みいただくことをおすすめします。
アトム法律事務所による示談金の増額実績をご覧ください:交通事故で慰謝料はいくらもらった?事例や相場から増額のポイントまで解説

被害者請求を弁護士に依頼する際のポイント
被害者請求を弁護士に依頼するとさまざまなメリットがありますが、メリットを最大化させるには弁護士選びが重要です。
また、弁護士費用がネックとなり依頼をためらう方も多いですが、実は弁護士費用の負担を大幅に減らす方法もあります。
これらについて詳しく見ていきましょう。
後遺障害認定対策でおすすめな依頼のタイミング
後遺障害認定を見据えて弁護士に依頼する場合、お勧めのタイミングは治療開始後です。遅くとも、症状固定の診断を受けた段階での依頼が望ましいでしょう。
後遺障害認定には、通院頻度や通院期間、通院内容なども影響することがあります。そのため、早い段階から弁護士に依頼しておくことでより念入りな対策ができるようになるのです。
また、遅くとも症状固定の診断を受けた段階で弁護士に依頼すれば、スムーズな申請準備が可能です。
ただし、以下のようなケースで後遺障害認定のサポート依頼を受けることもあります。
- 一度後遺障害認定を受けたが、納得いかず異議申し立てをしたい
- 一度後遺障害認定を受けたが、結果が適切かわからず異議申し立てすべきか迷っている
- 途中まで事前認定で加害者側の任意保険会社に任せていたが、申請準備が遅く不安になり、被害者請求に切り替えたい
そのため、後遺障害認定や被害者請求についてお困りごとなどが生じた時点で、いつでもご相談ください。
後遺障害認定の被害者請求を任せる弁護士の選び方
後遺障害認定の被害者請求を任せる弁護士は、以下の点に着目して選びましょう。
- 交通事故事案・後遺障害認定のサポート実績は豊富か
- 話しやすさや信頼性は感じるか
- 示談金増額の実績は豊富か
弁護士といっても得意分野はさまざまなので、まずは交通事故事案、中でも後遺障害認定のサポート実績は豊富かを確認しましょう。
この点は、法律事務所の公式HPや依頼前の法律相談時に確認できます。
次に、話しやすさや信頼性も大切です。依頼後は二人三脚で進んでいくことになるため、不安なことや気になることがあれば遠慮なく相談できる関係性の構築が必要となります。
そして、弁護士に後遺障害認定の依頼をした場合は、そのまま示談交渉も依頼することが多いです。示談交渉についても実績があるか、公式HPや法律相談で確認してみましょう。
弁護士費用の負担を大幅に減らす方法
弁護士に依頼すると多くのメリットを得られますが、「弁護士費用がかかる」といったデメリットも発生します。
しかし、ご加入の保険に弁護士費用特約がついている場合は、弁護士費用を自身の保険会社に負担してもらえるため、費用負担減らすことができるのです。
負担してもらえる範囲には上限があるものの、弁護士費用が上限内に収まることは珍しくありません。

自身や家族の自動車保険、火災保険、クレジットカードなどに弁護士費用特約が付帯されていれば、利用できる可能性が高いので確認してみてください。
弁護士費用特約についてさらに詳しくは、関連記事『交通事故の弁護士特約とは?使い方・使ってみた感想やデメリットはあるかを解説』
弁護士費用特約がなくても弁護士への依頼はメリットが大きい
弁護士費用特約が使えなくても、以下の点から、たとえ弁護士費用を差し引いても、弁護士を立てなかった場合より高額な慰謝料・賠償金を得られるケースは多いです。
- 適切な後遺障害等級に認定される可能性が高まる
- 加害者側の低い提示額を大幅に増額させられる可能性がある
弁護士費用がどれくらいかかるかは、依頼前の法律相談でも確認可能です。
アトム法律事務所では無料相談を実施しています。ぜひお気軽にご相談ください。

弁護士が後遺障害認定をサポートした事例3選
ここからは、実際にアトム法律事務所が受任した、後遺障害に関する弁護士の解決事例を紹介していきます。
(1)右足踵骨折などで後遺障害14級を獲得した事例
事例の概要
| 傷病名 | 右足踵骨折、首の痛み |
| 後遺障害等級 | 14級 |
| 示談金 | 295万円 |
こちらの事例は、被害者の方からLINE無料相談で「事前認定と被害者請求のどちらを選ぶべきか」「どのように申請すればいいのか」といった悩みを弁護士にご相談いただいたことが、受任のきっかけになったものです。
ご依頼いただいたあとは、弁護士が被害者請求による後遺障害認定の申請を進め、14級に認定されました。
最終的に、弁護活動の開始から4か月で、示談金295万円獲得となりました。
(2)むちうちなどで後遺障害14級を獲得した事例
事例の概要
| 傷病名 | 頚椎捻挫、腰の打撲 |
| 後遺障害等級 | 14級 |
| 示談金 | 356万円 |
こちらの事例は、後遺障害等級に認定されていない状態で、示談金として当初62万円が提示されていたものです。適正な金額はいくらなのか弁護士にご相談いただき、受任することとなりました。
弁護士が詳しく事故後の状況を調査したところ、後遺障害等級に認定される見込みが十分あることがわかりました。弁護士が後遺障害認定の申請にあたって適切なサポートを行い、14級に認定されたものです。
結果として示談金は356万円となり、当初提示されていた金額の約5.7倍となりました。
(3)弁護士による再申請で後遺障害12級を獲得した事例
事例の概要
| 傷病名 | 肩腱断裂、むちうち |
| 後遺障害等級 | 併合12級 |
| 示談金 | 1090万円 |
こちらの事例では、当初に後遺障害認定の申請をされた際は、自賠責保険会社から「症状固定は時期尚早である」との見解を伝えられていました。後遺障害診断書に、手術で可動域が改善する可能性が示唆されていたためです。
しかし、被害者の方は手術を受ける意向はありませんでした。弁護士が「手術を受けるか否かは個人の自己決定の問題である」といった内容の意見書を添えて再申請を行ったところ、無事に受け付けられ、併合12級に認定されました。
その結果、最終的に1000万円を超える示談金を獲得することも叶ったのです。
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被害者請求のポイントや不安点、ご自身の後遺症が認定されうる後遺障害等級などについて、交通事故案件の経験が豊富な弁護士に無料で相談することが可能です。
まずはお気軽に電話やLINEからご連絡ください。
相談予約は24時間365日受け付けています。


高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
