交通事故の慰謝料事例|いくらもらった?実例から症状別の相場と増額方法を解説
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この記事でわかること
「慰謝料の提示を受けたけど、妥当な金額かわからない。他の人はいくらもらったの?」
「自分の事例では慰謝料をいくらもらえる? このまま示談しても大丈夫?」
慰謝料をいくらもらったのかを知るには、慰謝料の実例を知ることや相場を把握することが有効です。
具体的には、慰謝料の実例は各法律事務所のホームページや判例集からわかります。
また、慰謝料相場は治療期間やケガの程度によりさまざまで、2週間程度で約9万円、1か月程度で約19万円、3か月程度で約53万円となります。
この記事では、軽傷事例から重篤な後遺障害の事例、死亡事故の事例まで、さまざまな交通事故の慰謝料の事例と相場を紹介します。
保険会社から提示された金額と増額後の金額をあわせて記載しているので、示談交渉次第でもらえる金額にどれほど差が出るのかもわかるでしょう。
あわせて、慰謝料の増額を実現させるためのヒントも紹介します。交通事故の慰謝料を請求する段階にいる方は、ぜひこの記事をお役立てください。
目次
交通事故の慰謝料をいくらもらった?【症状別に解説】
まずは、軽傷事例、重傷事例、死亡事例など、さまざまなケースで他の人は交通事故の慰謝料をいくらもらったのか、アトム法律事務所の実例を紹介していきます。
慰謝料とは、交通事故で負った精神的苦痛を緩和するための金銭です。不公平感が出ないよう、その計算方法は軽傷、重傷、死亡事故それぞれである程度決まった計算方法があります。
よって、ご自身のケガの程度に近い事例を参考にすることで、慰謝料の見通しを立てることにつながるのです。
事例(1)軽傷で100万円に増額できた
傷病名 | むちうち |
後遺障害等級 | 非該当 |
当初の提示額 | 61万円 |
最終回収金額* | 100万円(39万円増額) |
示談交渉期間 | 3ヶ月 |
* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。
交通事故でむちうち(頸椎捻挫)を負い、完治した事例です。ご依頼時には慰謝料を含む示談金として61万円が提示されていましたが、アトム法律事務所の弁護士が交渉し、100万円まで増額されました。
上記の事例では、ご依頼者さまは「弁護士費用特約」を利用されたため、ご自身が費用を負担せずに弁護士のサポートを受けられました。
軽傷でなおかつ完治した場合でも、弁護士に依頼することで慰謝料の増額を目指せます。
軽傷の慰謝料事例や増額のポイントについては、『軽傷の交通事故慰謝料はどれくらい?十分にもらう方法と症状別の相場』の記事もあわせてご覧ください。
事例(2)むちうちで309万円に増額できた
傷病名 | むちうち |
後遺障害等級 | 14級9号 |
当初の提示額 | 171万円 |
最終獲得金額* | 309万円(138万円増額) |
示談交渉期間 | 3ヶ月 |
* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。
上記の事例では、アトム法律事務所への相談時にはすでに後遺障害14級9号に認定されていました。加害者側から提示された金額に増額の見込みがあったため、弁護士が交渉を行ったものです。
弁護士による交渉の結果、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益、休業損害の増額に成功し、当初の提示額171万円から309万円への増額が実現できました。
後遺障害が残ったときには、弁護士による交渉で増額できる項目が増えるため、増額幅も大きくなりやすいです。
むちうちの慰謝料の計算方法については、『交通事故の慰謝料相場|むちうちの金額が倍増する計算方法をご紹介』の記事も参考になります。
事例(3)鎖骨の骨折で2,300万円に増額できた
傷病名 | 鎖骨骨折 |
後遺障害等級 | 10級10号 |
当初の提示額 | 621万円 |
最終回収金額* | 2,300万円(1,679万円増額) |
示談交渉期間 | 5ヶ月 |
* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。
バイクで走行中のご依頼者様が、交差点で信号無視のバイクに衝突されて左肩の鎖骨骨折という重傷を負われた事例です。左腕が上がらない後遺症が残ってしまい、後遺障害10級10号に認定されていました。
ご依頼者様ははじめ、示談金額として621万円を提示されていましたが、アトム法律事務所の弁護士が交渉した結果、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料といった主要な損害項目について増額が実現しました。その結果、最終的に2,300万円を獲得できたのです。
なお、被害者ご本人が重傷かつ遠方だったため、LINE相談などで増額見込みをお伝えし、ご依頼いただきました。
骨折の慰謝料相場は事例によってさまざまです。関連記事『交通事故による骨折の慰謝料相場はいくら?骨折部位や後遺症別の賠償金』もあわせてご一読ください。
事例(4)脳挫傷で3,500万円に増額できた
傷病名 | 脳挫傷、くも膜下出血、頭蓋骨骨折 |
後遺障害等級 | 1級1号 |
当初の提示額 | 1,193万円 |
最終回収金額* | 3,500万円(2,307万円増額) |
示談交渉期間 | 11ヶ月 |
* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。
10代の学生の方が交通事故に遭い、1級1号という重い後遺障害に認定された事例です。
被害者の方に先天性の既存障害があったことから、加害者側は将来介護費の支払いを認めていませんでした。しかし、弁護士が間に入った結果、加害者側が将来介護費を認めたのです。こうして、当初の提示額1,193万円から最終的な受取金額3,500万円へと増額できました。
交通事故による脳挫傷の後遺障害等級、慰謝料については『交通事故で脳挫傷を負った|症状や後遺障害等級、慰謝料の相場とは?』の記事をお役立てください。
事例(5)死亡事故で3,200万円に増額できた
当初の提示額 | 2,122万円 |
最終回収金額* | 3,200万円(1,078万円増額) |
解決までの期間 | 11ヶ月 |
* 過失相殺・既往症による減額後の金額であり、アトム相談前に回収済の金額は含まれていません。
軽自動車を運転していた女性が信号無視の大型トラックに衝突され、残念ながら亡くなられた事例です。ご遺族は本件の刑事裁判の結果に不服を感じており、民事裁判において遺族の主張を加害者側に伝えたいというご意向を強くお持ちでした。
最終的に、被害者本人とご遺族の慰謝料を弁護士基準まで増額した上、遅延損害金と弁護士費用を上乗せした和解案が裁判所から提示されました。当初に保険会社から提示していた金額よりも1,000万円以上増額し、和解となったのです。
保険会社から提示された死亡事故の慰謝料は、一見すると高額に見えますが、弁護士や裁判所から見ると低額である可能性が高いのです。
死亡事故の正しい慰謝料相場や、その他に請求できる費目については、『死亡事故の慰謝料相場と賠償金の計算は?示談の流れと注意点』の記事をご覧ください。
もっと自分に近い事例を探したい方へ
アトム法律事務所では解決事例の紹介ページを設けております。
解決事例のページでは、後遺障害等級の有無、受傷部位、被害者の職業などさまざまな切り口から、事例の確認が可能です。
さらに多くの事例を知りたい方は、以下の解決事例のページをご覧ください。
慰謝料の事例集はこちら
自分の場合はどれくらいの慰謝料がもらえる?
「他の人が実際に慰謝料をいくらもらったのか」は自分自身の慰謝料額を知る参考になりますが、厳密な金額はケースにより異なります。
ここでは慰謝料額を左右する3つの要素を解説していきます。
慰謝料額を左右する3つの要素
- 慰謝料の計算方法
- 慰謝料の増額・減額事由
- 過失相殺
自分の場合の慰謝料相場を確かめる参考にしてみてください。
交通事故の慰謝料相場|慰謝料計算機もあり
交通事故の慰謝料の計算方法(算定基準)は3種類あり、どの基準を用いるかによって、慰謝料の金額は大きく変わります。
慰謝料の3つの基準とは、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準のことです。3つの基準の中で、慰謝料がもっとも法的に適正かつ高額になるのは、弁護士基準といえます。
しかし、加害者側の任意保険会社は、弁護士基準より低額な、任意保険基準に基づいた金額を提示してきます。そのため、被害者側は弁護士基準で慰謝料を計算し直し、その金額を主張していく必要があります。
各基準ごとの慰謝料の計算方法を詳しく知りたい方は、『交通事故の慰謝料の計算方法|正しい賠償金額がわかる』の記事をお役立てください。
ここからは、弁護士基準の慰謝料の相場を見ていきましょう。
弁護士基準の入通院慰謝料
弁護士基準では、入通院慰謝料は表を用いて算定します。
表には軽傷・むちうち用と重傷用があるので、順にみていきましょう。
入院期間・通院期間の交わる部分が、入通院慰謝料の金額となります。月数については、暦に関係なく「1月=30日」と考えてください。
ただし、「通院期間が3ヶ月と10日だった」など端数がある場合は、上記の表をもとに別途計算が必要です。
以下の計算機からも慰謝料額の目安がわかるので、ご活用ください。
通院日数の数え方や通院に関する注意点については『交通事故の慰謝料は通院日数が影響する?治療期間で計算が重要』で解説しています。
また、以下には通院期間ごとに慰謝料相場を解説した記事をまとめました。参考としてご覧ください。
通院期間ごとの慰謝料がわかる記事
受傷部位や年齢から相場を知りたい方
弁護士基準の後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、後遺障害に対して認定される「後遺障害等級」に応じて金額相場が設けられており、14級の110万円から1級の2,800万円まで幅広いです。
等級 | 後遺障害慰謝料 |
---|---|
1級(要介護) | 2,800万円 |
2級(要介護) | 2,370万円 |
1級 | 2,800万円 |
2級 | 2,370万円 |
3級 | 1,990万円 |
4級 | 1,670万円 |
5級 | 1,400万円 |
6級 | 1,180万円 |
7級 | 1,000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
弁護士基準の死亡慰謝料
弁護士基準の死亡慰謝料の相場は、被害者が家庭で果たしていた役割に応じ、以下のとおり決まっています。
性別は関係なく、女性が一家の支柱として経済の中心を担っていたなら、死亡慰謝料は2,800万円が相場です。
被害者の立場 | 金額 |
---|---|
一家の支柱 | 2,800万円 |
母親・配偶者 | 2,500万円 |
その他の場合 | 2,000万円~2,500万円 |
上記の金額には、交通事故によって家族を失ったご遺族に対する慰謝料(近親者固有の慰謝料)も含まれています。
慰謝料の金額がおかしいと感じたら
事故相手の保険会社から提示された慰謝料が相場より明らかに低かったり、提示された額の妥当性が分からなかったりするときには、まず弁護士に聞いてみましょう。
示談は一度成立するとほぼやり直しができません。遅くても、示談交渉中に相談してください。
慰謝料が増額・減額される理由
各慰謝料には相場がありますが、実際にはさまざまな事情に応じて慰謝料が相場より増額されたり減額されたりすることがあります。
具体例を挙げるので、該当するものがないか確認してみてください。
慰謝料の増額事由
慰謝料の増額事由には、被害者の精神的苦痛がより大きなものとなった事情が該当します。慰謝料増額の具体的な事由は以下のとおりです。
- 加害者側の不誠実な言動がみられた
- 生死を彷徨った、麻酔なしで手術を受けたなど通常以上の苦痛があった
- 加害者側に飲酒運転、大幅なスピード違反などの重大な過失があった
- 交通事故の影響で流産・中絶した
- 交通事故の影響で婚約が破談になった
- 交通事故の影響で失職・転職した
- 交通事故の影響で留年・内定取り消しとなった
- 死亡事故で被害者の無念がことさらに大きい
交通事故の慰謝料を増額させる方法をもっと具体的に知りたい方は、関連記事『交通事故の慰謝料は増やせる?上乗せの方法をまとめて公開!』をお読みください。
慰謝料の減額事由
慰謝料の減額事由には、精神的苦痛と交通事故の因果関係や、被害者の気質などが考慮される場合に起こり得ます。
- 交通事故前から、今回の受傷に関連する既往症があった
- 被害者が人一倍痛みに敏感であるが故に治療が長引いた
- 被害者が治療に消極的で通院を怠ったために治療が長引いた
被害者の事故前からの既往症によって減額されることを「素因減額」といいます。
職業柄腰痛持ちだった、人一倍心配性な性格だったなど、もともとからの減額事由についての詳細は『素因減額とは?減額されるケースや判断基準がわかる【判例つき】』でご確認ください。
慰謝料の増額・減額事由は上記の他にもさまざまあります。また、増額・減額事由によりどの程度慰謝料額が変動するかはケースによりけりであり、示談交渉に左右される面もあります。
慰謝料の増額・減額事由に心当たりがある場合は、一度弁護士にご相談ください。
過失相殺でどれくらい慰謝料が減るかも確認しよう
過失相殺とは、「自身についた過失割合分、受け取れる慰謝料や損害賠償金が減額されること」です。
交通事故では「過失割合」といって、事故が起きた責任が加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したものが決められます。
例えば被害者側に過失割合が2割あるとされると、慰謝料・賠償金は2割減額されてしまうのです。
交通事故の過失割合のパターンや決め方については、関連記事の解説を参考にしてください。よくある事故のパターンにわけて解説しています。
事例のように慰謝料の増額を実現させる5つのポイント
(1)慰謝料以外の費目を把握しよう|請求漏れを防ぐ
交通事故の被害者は、慰謝料以外にもさまざまな費目を加害者側に請求できます。どのような費目を請求できるのか把握し、請求漏れを防ぐことも大切です。
請求できる主な費目は、以下のとおりです。
費目 | 概要 |
---|---|
入通院慰謝料 | 入通院した精神的苦痛の補償 |
治療関連費 | 応急手当費、診察費など |
休業損害 | 事故で仕事を休んだことによる減収の補償 |
後遺障害慰謝料 | 後遺障害による精神的苦痛の補償 |
後遺障害逸失利益 | 後遺障害による将来的な減収の補償 |
介護費用 | 家族の介護費用や職業介護人にかかる費用 |
死亡慰謝料 | 事故で亡くなった精神的苦痛の補償 |
死亡逸失利益 | 亡くなったため失われた将来的な収入の補償 |
葬儀費用 | 通夜・葬儀代、火葬費など |
加害者側はあえて一部の費目を除外して示談金を計算している可能性があります。
もし、提示された示談金に請求できるはずの費目が含まれていない場合は、被害者側から支払いを求めるようにしましょう。
(2)障害分、死亡分といった表現に注意しよう
相手の保険会社からは「損害賠償額計算書」や「免責証書案」など、各保険会社の書式で金額の提示を受けることになります。
被害者はその記載内容を確認し、納得できるときには示談の意思を伝え、正式な書面の送付を待つ流れです。
この時注意したいのが、障害分や死亡分といった損害賠償金の表し方です。
たとえば、妻と子を持つ父親が交通事故で死亡したとき、その父親の収入が一家を支えていたときには、死亡慰謝料の相場は原則2,800万円です。
2,800万円を下回る金額のときは特に用心し、示談する前に弁護士に相談してください。
なお、このとき相手の保険会社からの提示額に死亡逸失利益が含まれているかどうかも重要です。
死亡逸失利益とは、被害者がこれから働いて稼ぐはずだった収入が失われたことへの賠償金のことで、慰謝料とは別になります。
仮に相手の保険会社から4,000万円が提示されたら、一見すると2,800万円より高額で十分な金額にも思えますが、死亡逸失利益を含んで4,000万円であれば非常に低額な可能性があるでしょう。
被害者の年齢や収入によりますが、働き盛りの死亡逸失利益はもっと高額になることが一般的です。
このように相手の保険会社の提示額を見極めて交渉するためには、交通事故にくわしい弁護士によるチェックが必要といえるのです。
(3)事故直後~症状固定まで適切に治療しよう
交通事故の慰謝料の算定にあたっては、治療の経過も重要になります。事故直後から完治または症状固定と医師に判断されるまで、適切な頻度で治療を続けるようにしましょう。
症状固定とは「これ以上治療を続けても改善が見られないと判断された状態」のことです。詳しくは『症状固定とは?時期や症状固定と言われたらすべき後遺障害認定と示談』の記事をご覧ください。
治療経過に問題がある場合のリスクは以下のとおりです。
事故後すぐに病院で受診しなかった場合
ケガと事故との関連性が証明できず、慰謝料の請求が認められない場合があります。入通院慰謝料は治療期間に応じて金額算定されますが、その治療自体が事故と関係ないと判断されてしまうのです。
完治または症状固定と判断される前に治療を終えた場合
治療期間が本来よりも短くなり、慰謝料減額につながる恐れがあるでしょう。
あるいは、治るはずのケガが治らなかったり、後遺障害にあたらない軽傷であったと判断されたりする可能性があります。
もし相手の保険会社から「治療費の打ち切り」を打診されているときでも、あわてて治療をやめるべきではありません。
まだ治療の効果が感じられることを伝え、治療費支払いの延長を希望しましょう。
関連記事『交通事故の治療費打ち切りを阻止・延長する対応法!治療期間はいつまで?』では、治療費打ち切りへの対応を解説していますので、あわせてお読みください。
通院頻度が多すぎる場合
過剰診療による保険金詐欺を疑われてしまう可能性があります。そうすると、慰謝料はおろか、治療費や休業損害の支払いも拒否される事態になりかねません。
通院頻度は医者の指示を守りましょう。慰謝料の観点から言えば、3日に1回程度の通院でも十分適正な金額請求が可能です。
関連記事『交通事故の被害者は毎日通院した方がいい?通院頻度や期間と慰謝料の関係』も参考になりますので、通院頻度が気になる方はあわせてお読みください。
通院頻度が少なすぎる場合
無理やり通院期間を延ばしている、もしくは漫然とした治療しか受けておらずもう治っているのではと思われ、慰謝料が減ってしまう可能性があります。
あるいは被害者が治療に消極的だったせいで治療が長引いたと勘違いされる可能性もあるでしょう。
勝手に整骨院のみ通院していた場合
現在の損害賠償請求においては、病院での治療と整骨院での治療には扱いに大きな差があります。
整骨院で治療を行ったときも治療費・慰謝料を請求できますが、その場合も必ず病院での治療を続けるようにすること、事前に医師の許可を得ること、相手の保険会社に連絡することなど、慎重な対応が必要です。
(4)万全の対策のうえ後遺障害認定の申請をしよう
交通事故によるケガの治療を続け、症状固定と診断された場合は、残った後遺症について後遺障害認定の申請を行いましょう。
後遺障害認定を受ければ、後遺障害慰謝料・逸失利益の請求ができるようになるので、獲得金額が大幅に増加します。
ただし、後遺障害認定は、申請すれば必ず適切な等級に認定されるとは限りません。本来よりも低い等級に認定されると、その分、慰謝料などの金額は減ってしまいます。
適切な後遺障害等級に認定されるには、提出書類の内容にこだわることが大切です。後遺障害認定の審査は、基本的に提出書類のみを見て行われるからです。
後遺障害認定の手続きには「被害者請求」と「事前認定」の2つの方法がありますが、被害者自身で提出書類を確認・修正できるのは「被害者請求」です。後遺障害認定を申請する際は「被害者請求」を選び、さらに弁護士からのアドバイスを受けることをおすすめします。
後遺障害認定は再審査も受けられる
後遺障害認定の結果に不服がある場合は、「異議申立て」を行うことで再審査を受けることも可能です。
後遺障害を被害者請求で申請する方法や、異議申立てを行う方法については、関連記事で詳しく説明しています。交通事故による後遺症が残った方は、ぜひあわせてご確認ください。
後遺障害等級認定の関連記事
(5)弁護士からアドバイスを受けておこう
慰謝料をはじめとする示談金の金額は、加害者側の任意保険会社と行う示談交渉で決められることが多いです。
示談が一度成立すると、あとから撤回・再交渉することはできません。よって、加害者側が提示した条件を鵜呑みにせず、法的に適切な条件を確認することが大切になります。
被害者自身で法的に適切な条件を判断できない場合は、無料相談を利用し、法律の専門家である弁護士のアドバイスを受けてみましょう。
弁護士に相談すれば、個別の事例を考慮したうえで、以下のようなアドバイスをしてもらえます。
- 適切な慰謝料などの金額はいくらか
- 適切な過失割合はいくらか
- 適切な後遺障害等級は何級か
- 本来請求できる費目を漏らしていないか
- 治療期間中に慰謝料を減額されないため注意することは何か
交通事故の被害者に向け、無料相談を実施している弁護士事務所も多いです。事務所に行かずとも、電話やメールで弁護士のアドバイスを受けられる場合もあるので、示談前に一度利用しておくことをおすすめします。
▼アトム法律事務所は電話・LINEで無料相談を実施しています。無料相談のみの利用でも問題ないので、気軽にご利用ください。
弁護士依頼の検討に役立つ記事
交通事故の慰謝料請求についてよくある質問
次に、交通事故の慰謝料を請求する際によく生じる疑問にお答えしていきます。
Q1.自分の事例の妥当な慰謝料をすぐに知る方法は?
「他の人がいくらもらったかで大体の相場はつかめたけど、自分の事例ではどのくらいの慰謝料が妥当なのかもっと具体的に知りたい」
上記のようにお悩みの場合は、以下の慰謝料計算機をご利用ください。
治療期間や年齢、後遺障害等級などを入力するだけで、簡単に慰謝料の目安がわかります。
なお、計算機で出力されるのは、弁護士基準で計算した金額です。また、過失相殺といった諸事情は考慮されていないのでご了承ください。
もっとくわしく慰謝料額を知りたい方は、無料相談を利用して弁護士に確認することをおすすめします。アトム法律事務所は無料相談の予約を年中無休で受け付けています。
Q2.保険会社にこれ以上の増額は無理と言われたら?
「弁護士基準の相場まで慰謝料を増額させようと交渉したけど、保険会社にこれ以上の金額は出せないと言われてしまった…」
このような事例はよく耳にします。
保険会社にこれ以上の増額は無理と言われても、あきらめるのはまだ早いです。
保険会社がこれ以上の増額は無理と主張するのは、保険会社が支払う金額を減らすための方便であることも少なくありません。実際に、過去の裁判では、保険会社が主張する金額を超える慰謝料が認められてきました。
保険会社に増額を拒否されてしまったら、弁護士に交渉を代理してもらうことをおすすめします。
弁護士が出てくると、保険会社は裁判への発展をおそれ、被害者側の主張を認めることが多いです。また、「弁護士が出てきたらこの金額まで増額を認める」といった社内ルールを設けている保険会社もあります。
弁護士に示談交渉を依頼した場合、相手方の対応がどのように変化するかについては、『交通事故の示談交渉は弁護士に依頼!相手の対応が変わりスムーズに進む』の記事でも紹介しています。あわせてご一読ください。
Q3.交通事故の判例で認められた金額はもらえる?
交通事故の判例で認められた金額が、そのままあなたの慰謝料になるとは限りません。判例もすべて一定の金額ではなく、ケースバイケースです。
ただし、事故の状況が似ている、争点が似ているといった場合には参考になる部分は多いでしょう。
もっとも被害者みずからで膨大な判例を調べることは非常に大変なことです。判例は難解な書き方をしていることも多く、判例の読解には慣れが必要になります。
また、判例を参考にして保険会社へ請求しても、示談交渉の段階から認められることは難しいでしょう。なぜなら保険会社は「裁判になっていない段階」で裁判の水準を認めることがほぼないためです。
弁護士が交渉すれば、裁判も辞さないという姿勢を示すことができ、相手の保険会社の態度が変わる可能性もあります。
交通事故の判例を読んでみたいという方は、いくつかまとめた関連記事を参考にしてみてください。
弁護士は交通事故被害者の強い味方|慰謝料増額も目指せる!
交通事故の損害賠償問題のような法律に関する問題は、「知らない人が損をしてしまう」ことが往々にしてあります。その点、法律の専門家である弁護士は、交通事故の被害者の方の強い味方になり得ます。
弁護士依頼のメリットを再確認するとともに、弁護士にお得に依頼する方法も紹介していきましょう。
弁護士依頼で慰謝料が2倍~3倍になった事例も多い
ここまで解説してきたとおり、弁護士に依頼すれば、慰謝料の大幅な増額が期待できます。
弁護士が介入することで、慰謝料が提示された金額の2倍~3倍に増えることも珍しくありません。加害者側の保険会社が用いる「自賠責基準」「任意保険基準」で計算した金額と、「弁護士基準」で計算した金額には、それほどの差があるのです。
実際にアトム法律事務所に相談して慰謝料が増額された事例における、ご依頼者様の声を紹介します。
この度はありがとうございました。初めての交通事故で、保険会社とのやりとりがわからず、保険会社からの金額も妥当なものかわからなかったので相談しました。結果、4倍もの金額が出て、おどろきました。本当にありがとうございました。
ご依頼者からのお手紙
常に迅速丁寧にご対応いただき感謝しています。想定以上の賠償金を受け取れました。自分一人で対応していたら絶対に不可能な金額だったと思います。この度は本当にありがとうございました。
ご依頼者からのお手紙
思っていた金額の倍以上の示談金を交渉していただき、感謝に耐えません。依頼していなければ、10分の1程度の示談金になったであろうと考えると、依頼して本当によかったと思います。老後資金の助けとして大切に使っていきたいと考えています。本当にありがとうございました。
ご依頼者からのお手紙
示談が成立すると、あとから撤回や再交渉をすることは原則的にできません。「本来ならもっと多い慰謝料を受け取れていたのに…」と後悔しないためにも、弁護士への依頼も検討してみてください。
弁護士費用特約を使えば費用負担なく弁護士に依頼できる
弁護士への依頼を検討するとき気になるのが、弁護士費用がかかることです。
しかし、弁護士費用特約を使えば、基本的に弁護士費用を合計300万円まで、相談料を合計10万円まで、保険会社に負担してもらえます。
最終的な獲得金額がよほど高額にならない限り、弁護士費用が300万円を超えることは珍しいです。つまり、弁護士費用特約を使えば、基本的に費用負担なしで弁護士に依頼できると言えます。
任意保険に加入している本人(記名被保険者)だけではなく、被保険者の配偶者や親族でも弁護士費用特約を使える場合があります。
また、弁護士費用特約を使用したとしても、任意保険のノンフリート等級が下がり、翌年以降の保険料が上がることは基本的にありません。
弁護士費用特約を使える状況ならば、積極的に使って弁護士に示談交渉などを任せるとよいでしょう。弁護士費用特約については、『交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介』の記事で詳しい解説をしています。
無料相談のみの利用もOK!アトムの電話・LINE相談
交通事故の慰謝料についてお悩みの方は、ぜひ交通事故案件の経験豊富なアトム法律事務所にご相談ください。
アトム法律事務所では、電話・LINEによる弁護士への無料相談を受け付けています。
電話相談・LINE相談なら、「自宅からスキマ時間で慰謝料の見積もりを取りたい」「弁護士に直接相談するのはハードルが高い」と思われる方も、気軽にご利用いただけます。
無料相談のみのご利用でも大丈夫です。「相談してみたけど、やっぱり弁護士への依頼はいいかな…」と思われるなら、強引に契約を迫ることはありませんのでご安心ください。
無料相談の予約は24時間365日受け付けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了