軽傷の交通事故慰謝料の相場は?捻挫やすり傷などケガ別の金額と請求のポイント
交通事故で軽傷を負った場合、慰謝料相場は治療期間が2週間程度なら約9万円、1か月程度なら約19万円、3か月程度なら約53万円です。
ただし、必ずしも上記の水準の慰謝料額が得られるとは限りません。
そこでこの記事では、交通事故で軽傷を負った場合の「慰謝料相場」「慰謝料が増額・減額されるケース」「慰謝料減額を防ぐための注意点」などを解説していきます。
ぜひご確認ください。
目次
軽傷の慰謝料相場は?捻挫やすり傷など症状別に紹介
軽傷の場合に請求できる慰謝料は、入通院期間や入通院日数によって計算される「入通院慰謝料」です。
軽傷における入通院慰謝料の相場は、捻挫・打撲(通院1ヶ月程度)で19万円程度、すり傷(通院2週間程度)で9万円程度、むちうち(通院3ヶ月程度)で53万円程度です。
ただし、これは過去の判例をもとにした「弁護士基準」に沿って計算した金額です。
加害者側はより低い金額を提示してくるので、最低限これだけの金額は補償されるという「自賠責基準」に沿った金額と一緒に詳しく見ていきましょう。
※自賠責基準は、実通院日数に応じて金額が変動します。ここでは3日に1回ペースで通院した場合を想定します。
- こちらの記事では、事故状況や被害者の属性など別の観点から慰謝料相場を確認できます。:交通事故の慰謝料相場|怪我・事故状況・被害者の属性別にわかる
捻挫や打撲の慰謝料相場|通院1か月ほど
捻挫や打撲の場合、平均的な通院日数は1か月程度といわれています。
捻挫で1か月通院した場合、入通院慰謝料の相場は弁護士基準で19万円程度、自賠責基準で8.5万円程度が目安です。
- 自賠責基準:8.5万円程度
- 弁護士基準:19万円程度
弁護士基準では、基本的に実通院日数ではなく通院期間で入通院慰謝料を計算します。よって、実通院日数が何日であっても通院期間が2週間なら、入通院慰謝料は基本的に19万円です。
一方、自賠責基準の金額は通院頻度が2日に1日未満であれば実通院日数が多いほど高額になり、通院頻度が2日に1日以上になるとそこからは変わりません。通院2週間で2日に1日以上通院した場合、自賠責基準における金額は約13万円です。
打撲の慰謝料については、関連記事『交通事故で打撲した場合の慰謝料は?』でも解説しているのでご確認ください。
すり傷の慰謝料相場|通院2週間ほど
すり傷の場合、平均的な通院日数は2週間程度といわれています。
通院2週間の場合、入通院慰謝料の相場は弁護士基準で9万円程度、自賠責基準では3.5万円程度です。
- 自賠責基準:3.5万円程度
- 弁護士基準:9万円程度
なお、2日に1日以上の頻度で通院した場合の自賠責基準の金額は約6万円です。
むちうちの慰謝料相場|通院3か月ほど
むちうちの場合、平均的な通院日数は3か月程度といわれています。
通院3か月の場合、入通院慰謝料の相場は弁護士基準では53万円程度、自賠責基準では26万円程度と考えられます。
- 自賠責基準:26万円程度
- 弁護士基準:53万円程度
2日に1日以上の頻度で通院した場合の自賠責基準の金額は約40万円です。
むちうちについては、関連記事『交通事故によるむちうちの症状・治療期間・後遺症』でも解説しているのでご確認ください。
軽傷で痛みやしびれが後遺障害として残った時の慰謝料
交通事故でケガをした場合、軽傷であっても後遺症が残ることがあります。特に軽傷で多い後遺症は、痛みやしびれです。
こうした後遺症が「後遺障害」として認定されれば、後遺障害等級に応じた後遺障害慰謝料を請求できます。
痛みやしびれといった症状で認定されうる後遺障害等級は12級または14級で、各等級の慰謝料額は次のとおりです。
算定基準 | 12級 | 14級 |
---|---|---|
自賠責基準 | 94万円 | 32万円 |
弁護士基準 | 290万円 | 110万円 |
後遺障害認定を受けられる軽傷の後遺症とはどの程度?
捻挫やむちうちなどによる後遺症で後遺障害認定を受けるには、原則として通院が6か月以上である必要があります。
6か月以上治療を受けても痛みやしびれがひかず、以下の条件に当てはまる場合は、後遺障害認定を受けられる可能性があるため手続きをしましょう。
- 後遺症残存をレントゲン写真やMRI画像などで証明できる
- 画像では後遺症残存を証明できないが後遺症が残っていると推定できる
ただし、特に後者については被害者自身では判断が難しいことも多いです。
後遺障害認定されないと決めつけてしまうと、後遺障害慰謝料を受け取り逃してしまう可能性があります。軽傷で後遺症が残った場合は、一度弁護士にご相談ください。
軽傷の慰謝料は相場より増減することもある
交通事故の慰謝料は、実際にはさまざまな事情を考慮して増額・減額されることも多いです。
特に軽傷の場合はもともと慰謝料額が低い傾向にあるため、「増額できるなら増額したいし、なるべく減額はしたくない」という気持ちが強い人も多いでしょう。
そこでここでは、交通事故の慰謝料が増額・減額される具体的なケースを解説していきます。
ただし、実際に増額・減額されるか、どの程度金額が変わるかについて明確な決まりはありません。心あたりがある場合は一度弁護士にご相談ください。
軽傷の慰謝料が相場より増額されるケース
以下のような場合は慰謝料が相場より増額される可能性があります。
- 加害者側に重大な過失や故意があった場合
- 加害者が証拠隠滅を図った、証言を二転三転させたなど誠実さに欠ける行動をした場合
- 治療の過程で繰り返し手術をした、麻酔の出来ない状態での手術を余儀なくされた、合併症のリスクがあったなどことさらに大きな精神的苦痛を受けた場合
- やむを得ない事情で治療期間を短縮させた場合
上記のような場合、被害者側の精神的苦痛が通常よりも大きいなどの理由から慰謝料が増額されることがあります。
ただし、上記を理由に示談交渉時に慰謝料増額を求めても、加害者側がすんなりと受け入れてくれるとは考えにくいです。類似する状況で慰謝料増額が認められた判例などを提示して増額を求める必要があります。
加害者の態度が不誠実だった場合の対処法については、関連記事『交通事故加害者に誠意がない時、慰謝料増額は可能?不誠実で許せない時の対処法』で詳しく解説しています。合わせてご確認ください。
軽傷の慰謝料が相場より減額されるケース
以下のような場合は慰謝料が相場より減額される可能性があります。
- 被害者側にも過失割合がついた
- 今回のケガの状態に影響するような既存症があった(身体的素因減額)
- 被害者が治療に消極的だった、人一倍痛みを感じやすく治療が長引いたなどの事情が認められる(心因的素因減額)
過失割合とは、交通事故が起きた責任が加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したものです。
被害者側にも過失割合が付くと、その割合分、受け取れる慰謝料や賠償金が減額されます。これを「過失相殺」といいます。
過失割合については関連記事『過失相殺をわかりやすく解説!計算方法や交通事故判例の具体例も紹介』にて具体例付きで解説しています。
素因減額に関しては関連記事『素因減額とは?減額されるケースや判断基準がわかる【判例つき】』をご覧ください。
交通事故の慰謝料は、ほかにも事故発生〜示談開始までの間の行動を理由に減額されることもあります。
こうした減額を防ぐ方法は次の章で解説するので、続けてご確認ください。
軽傷で慰謝料を十分もらうポイント|慰謝料減額を回避しよう
交通事故で軽傷を負った場合、十分な慰謝料を得るには「事故発生〜示談開始」までの間に慰謝料減額の口実となる行為をしないことも非常に重要です。
具体的な注意点は以下のとおりです。
- 警察には人身事故として届け出る
- 必ず病院で診察を受ける|整骨院は病院のあと
- 適切な通院頻度を守る|少なすぎも多すぎもNG
- 治療費打ち切りで安易に治療を終えない
それぞれについて詳しく解説します。
(1)警察には人身事故として届け出る
たとえ軽傷であっても、ケガをしているのに物損事故として届け出ていると、加害者側から「ケガなどはなかったはずだ」と言われて慰謝料や治療費などを請求できない可能性があります。
また、事故現場に関する捜査資料「実況見分調書」が作成されないため、示談交渉時に正確な事故状況がわからない可能性があります。
この場合、被害者側の過失割合が不当に高くなり、必要以上に慰謝料・賠償金が減額されるおそれがあるのです。
そもそも警察に事故を報告することは道路交通法上の義務です。
事故後に警察に連絡することは大前提として、少しでもケガをしているなら物損事故ではなく人身事故として届け出るようにしましょう。
- 警察に連絡しないと発生する問題
- 道路交通法違反として3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性がある
- 慰謝料や保険金の請求に必要な「交通事故証明書」が発行されない
すでに物損事故として届け出てしまった場合は?
すでに物損事故として届け出てしまっている場合でも、病院で作成してもらった診断書を警察に提出すれば、人身事故に切り替えられます。
関連記事『物損から人身への切り替え方法と手続き期限!切り替えるべき理由もわかる』では、人身事故に切り替える方法や、人身事故と物損事故の違いについて解説しています。
保険会社にも忘れず連絡しておく
事故現場での対応がひと段落したら、ご自身が加入する任意保険会社にも忘れずに連絡してください。保険会社への連絡を忘れてしまうと、補償を十分に受け取れなくなってしまうリスクが発生します。
事故後にすべき保険会社への連絡の流れについて詳しくは、関連記事『交通事故の保険会社への対応の流れ』をご確認ください。加害者側の任意保険会社とのやりとりについても知ることができます。
(2)必ず病院で診察を受ける|整骨院は病院のあと
軽傷だからと病院に行かずに自力で治した場合、入通院慰謝料は請求できません。
「交通事故にあったけどすり傷ですんだ」「とくに痛みや異常は感じられない」といった場合でも、すぐに病院で診察を受けることをおすすめします。
また、あとから痛みが出てきても、初診の段階で交通事故からしばらく経っていると、交通事故とケガとの因果関係が判断しづらくなります。
その結果、慰謝料が減額されたりもらえなかったりする可能性があるので、軽傷であっても必ずすぐに病院で診察を受けてください。
あとから痛みが出てきた場合の対処法は、関連記事『交通事故で後から痛みが…対処法と因果関係の立証方法は?判例も紹介』で解説しています。
整骨院へは医師の許可を得てから通院する
むちうちや打撲といった軽傷の場合、整形外科ではなく整骨院で治療したい方も多いです。
交通事故によるケガで整骨院に通いたい場合には、必ず次の2点をおさえてください。
- 整形外科など病院の医師に許可をもらったうえで整骨院へ行く
- 整骨院への通院と並行して病院への通院も続ける
病院と違い、整骨院での治療は有効性や必要性を疑われやすいです。よって、整骨院への通院だけでは治療費や入通院慰謝料などが減額されたり、請求できなかったりするリスクがあるのです。
整骨院に通う場合の注意点は『交通事故で整骨院に通院する際の注意点|整形外科との違いは?』でより詳しく解説しているので、整骨院に行く前に確認するようにしてください。
(3)適切な通院頻度を守る|少なすぎも多すぎもNG
交通事故によるケガを治療する際は、医師の指示を尊重しつつ、3日に1回程度を目安に通院するようにしましょう。
通院頻度が少なすぎる場合、慰謝料が減額されてしまうリスクがあります。加害者側に「治療の必要がないのに無理やり治療期間を延ばしている」「被害者が治療に消極的だったせいで治療期間が長くなった」と思われてしまうからです。
また、通院頻度は多すぎてもいけません。正当な理由もなく毎日のように通院していると、「過剰診療で保険金を不正に請求しようとしている」と疑われてしまうでしょう。
慰謝料は通院頻度に応じて増えるわけではありません。適切な通院頻度を守ることで、慰謝料減額の事由を作らないように心がけましょう。
「でも、交通事故にあったら毎日通院して慰謝料を増やした方がいいって聞いたことがある…」という場合は、『交通事故の被害者は毎日通院した方がいい?通院頻度や期間と慰謝料の関係』を読んでみてください。
無理に毎日通院すべきでない理由がわかります。
(4)治療費打ち切りで安易に治療を終えない
交通事故によるケガの治療を続けていると、加害者側の任意保険会社から「そろそろケガが治っていると思うので、治療費の支払いを打ち切ります」と言われることがあります。
軽傷の場合、打撲なら事故から1か月、むちうちなら事故から3か月程度を目安に、治療費打ち切りの打診があることが多いでしょう。
治療費の打ち切りを打診された場合でも、治療を続ける必要性があるのならば、安易に受け入れないことが大切です。治療費打ち切りとともに治療をやめると、入通院慰謝料がその分低額になるだけではなく、治療費や休業損害なども以降は支払われなくなるためです。
もし、治療費打ち切りの打診を受けたなら、医師に治療を続けるべきか確認してください。治療を続ける必要があるのならば、その旨を任意保険会社に伝えて交渉しましょう。
交渉したにも関わらず治療費を打ち切られてしまった場合は、治療費を被害者自身で立て替えて治療を続け、示談交渉の際に請求することがおすすめです。治療費を立て替える際は、健康保険を利用しても大丈夫です。
治療費打ち切りを受けた際の対応については、関連記事『交通事故の治療費打ち切りを阻止・延長する対応法!』をご確認ください。
軽傷の慰謝料額は個々で違う|計算方法と計算機で確認
交通事故における軽傷の慰謝料相場を紹介しましたが、厳密な慰謝料相場は個々のケースに合わせて計算しなければわからないものです。
そこで次は、軽傷の慰謝料の計算方法と、慰謝料が相場よりも増額されるケース、減額されるケースを解説します。
軽傷の入通院慰謝料・後遺障害慰謝料の計算方法
まずは入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の計算方法です。
交通事故の慰謝料には、以下の3つの金額基準があります。ここでは弁護士基準と自賠責基準の計算方法を見ていきましょう。
算定 | 概要 |
---|---|
自賠責基準 | 被害者に補償される最低限の金額。計算方法は自賠責法に基づく。 |
任意保険基準 | 加害者側の任意保険会社が提示してくる金額。各社で異なり非公開。 |
弁護士基準 | 過去の判例に基づく法的正当性の高い金額。 |
なお、任意保険基準は自賠責基準に近い水準であることが多いとお考えください。
軽傷の入通院慰謝料の計算方法
入通院慰謝料は、弁護士基準では算定表を、自賠責基準では計算式をもとに計算します。
まず、弁護士基準では以下の算定表をもとに入通院慰謝料を計算します。
「入院月数」と「通院月数」が交差する箇所が入通院慰謝料の相場です。月数は暦にかかわらず「1月=30日」とし、入通院日数が30で割り切れない場合は日割計算を行います。
モデルケースで弁護士基準の入通院慰謝料を確認してみましょう。
モデルケース
- 治療期間:14日
- 実際に治療した日数:4日(通院のみ)
- 入通院慰謝料の金額:190,000円÷30日×14日=88,666円
なお、骨折など重傷の場合は別の「重傷用の算定表」を用いるため、同じ入通院期間でも慰謝料額が変わります。
続いて、自賠責基準における計算方法は次のとおりです。
日額4,300円×対象日数 ※
対象日数は、次のうちいずれか短い方を採用する。
- 治療期間
- 実際に治療した日数×2
※2020年3月31日までに発生した交通事故の場合、日額4,200円。
モデルケースで自賠責基準の入通院慰謝料を確認してみましょう。
モデルケース
- 治療期間:14日
- 実際に治療した日数:4日(通院のみ)
- 入通院慰謝料の金額:4,300円×対象日数(4日×2)=34,400円
軽傷の後遺障害慰謝料の計算方法
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級に応じて決まっています。
等級 | 自賠責 | 弁護士 |
---|---|---|
1級・要介護 | 1,650 (1,600) | 2,800 |
2級・要介護 | 1,203 (1,163) | 2,370 |
1級 | 1,150 (1,100) | 2,800 |
2級 | 998(958) | 2,370 |
3級 | 861(829) | 1,990 |
4級 | 737(712) | 1,670 |
5級 | 618(599) | 1,400 |
6級 | 512(498) | 1,180 |
7級 | 419(409) | 1,000 |
8級 | 331(324) | 830 |
9級 | 249(245) | 690 |
10級 | 190(187) | 550 |
11級 | 136(135) | 420 |
12級 | 94(93) | 290 |
13級 | 57(57) | 180 |
14級 | 32(32) | 110 |
単位:万円
()内は2020年3月31日以前に発生した事故に対するもの
たとえば、むちうちの後遺症が残った場合は後遺障害12級や14級に認定される可能性があります。その場合、自賠責基準と弁護士基準では、後遺障害慰謝料の金額は数十万円から百数十万円も異なるのです。
軽傷は完治することも多いですが、痛みやしびれでも後遺障害等級に認定されることはあります。ごく軽い後遺症だから後遺障害認定されないだろうと決めつけず、気になる点があれば一度弁護士に相談してみましょう。
- 後遺障害認定の成功率を上げるコツ:交通事故の後遺障害とは?認定されたらどうなる?認定の仕組みと認定率の上げ方
- 自分の後遺症は何級に該当?:【後遺障害等級表】認定される後遺症・症状の一覧と等級認定の仕組み
その他の賠償金|治療費・休業損害など
交通事故により軽傷を負った場合には、状況に応じて慰謝料の他にも次のような賠償金を請求できます。
- 治療関係費
治療の過程で生じた費用。診察費、手術費、付添看護費など。
費用が補償される治療の範囲・期間を知っておこう:交通事故被害者の治療費は誰が支払う? - 休業損害
交通事故の影響で仕事を休んだ日の収入の補償。
専業主婦や一部の学生、一部の無職者も請求可能:交通事故の休業損害|計算方法や休業日の数え方、いつもらえるかを解説 - 後遺障害逸失利益
後遺障害が残ったことで失った将来的な収入の補償。
高額になるほど揉めやすいため適正額の把握は重要:交通事故の逸失利益とは?計算方法を解説!早見表・計算機で相場も確認 - その他
車の修理費、通院交通費など、損害に応じた費目。
慰謝料と同じくらい、慰謝料以外の賠償金も正しく計算して請求することが大切です。
慰謝料を含めた賠償金がどのくらいであれば妥当なのか知りたい場合は、弁護士にご相談ください。法的な観点や交通事故実務の経験から、個別の事案にそった金額を導き出すことが可能です。
損害賠償請求の各費目については、『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事でも簡単に計算方法を解説しています。
自動計算機ならすぐに自分の慰謝料相場がわかる
自身のケースに即した慰謝料の金額を確認したい場合は、以下の計算機がおすすめです。
入通院開始日や治療終了日、通院頻度などを入力すると、弁護士基準の金額が計算されます。
ただし、すでに解説したように、軽傷の慰謝料は事情に応じて柔軟に増額・減額されることもあります。より厳密な相場を知りたい場合は弁護士に相談してみることがおすすめです。
交通事故による軽傷の慰謝料でよくある疑問
交通事故で軽症を負った場合に生じやすい、以下の疑問についてお答えしていきます。
- 交通事故で「軽傷」とはどの程度を指す?
- 軽傷の交通事故慰謝料は最低いくらもらえる?
交通事故で「軽傷」とはどの程度を指す?
どの程度を軽傷というかは人によって異なるところですが、入通院慰謝料の計算においては基本的に、「他覚所見(レントゲンやMRIなど)で異常が確認できない」ケガを軽傷とします。
例えば車にひかれて足を捻挫したり、事故でむちうちを負って首などの組織を傷めたりしても、骨に異常は生じておらず他覚所見では問題を確認できないことも多いです。
こうした場合は、軽傷に分類されます。
一方、骨折したり脳が損傷を受けたりすれば、レントゲン写真やMRI画像に異常が写ります。こうした場合は重傷として扱われるのです。
軽傷の交通事故慰謝料は最低いくらもらえる?
交通事故被害者に補償される最低限の金額基準「自賠責基準」では、入通院慰謝料は1日あたり4,300円とされます。これに基づけば軽傷の交通事故慰謝料は最低でも4,300円にはなると言えるでしょう。
ただし、これはあくまでも最低限の金額であり、過去の判例から考えれば決して十分とはいえません。
なお、自賠責基準では4,300円に「通院期間」または「実通院日数×2」のうち少ない方をかけます。必ずしも通院日数や実通院日数に日額をかければよいわけではないので注意してください。
軽傷でも弁護士に相談すべき4つのケース
「軽傷の場合、弁護士に依頼したら逆に損をしてしまいそう」と考える被害者の方は少なくありません。たしかに軽傷の場合は重傷より慰謝料・示談金が低くなりやすく、弁護士費用のほうが高くなってしまう「費用倒れ」のリスクがあります。
しかし、軽傷でも弁護士に相談した方がお得なケースも多いです。軽傷でも弁護士に相談するメリットが大きいケースを見ていきましょう。
(1)弁護士費用特約を使える|弁護士費用の自己負担なし
弁護士費用特約を使うと、弁護士費用を自身が加入する保険会社に負担してもらえます。
軽傷であっても、費用倒れの心配なく弁護士に示談交渉や様々な手続きを任せられるのです。
被害者自身あるいは被害者の保険会社による示談代行サービスによる示談交渉よりも、弁護士なら大幅な示談金増額を目指せます。
また、自力で示談交渉をするより、弁護士に任せておけば交渉のストレスからも解放されます。
弁護士費用特約を使って自己負担なしで弁護士に示談交渉を任せられるのはメリットが大きいでしょう。
なお、弁護士費用特約を使っても、基本的に翌年以降の保険料は上がりませんし、保険会社に紹介された弁護士以外にも依頼することが可能です。
弁護士費用特約はご家族の保険に付帯しているものでも使えることがあります。詳しくは『交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介』をご確認ください。
(2)通院を長期間継続している|軽傷でも慰謝料について揉めやすくなる
軽傷でも半年ほどの長期間にわたって通院を継続した場合、弁護士基準で計算した入通院慰謝料は約90万円になります。
この場合、軽傷であっても慰謝料は高額になるため、加害者側は少しでも金額を少なくしようと厳しい態度で交渉に臨んでくるでしょう。
もし先述の弁護士費用特約が使えなくても、半年程度通院していれば費用倒れのリスクは低くなります。
弁護士に依頼した場合の費用や、弁護士を立てることで獲得が見込める示談金額は事前の法律相談時にも確認できます。そこで費用倒れのリスクもわかるため、一度弁護士に相談してみることをおすすめします。
(3)後遺症が残った|適切な後遺障害等級を得て慰謝料アップ
交通事故によって後遺症が残った場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
とくに軽傷による後遺症は、レントゲンやMRI画像といった他覚的所見で異常が見られないことも多く、後遺障害等級を獲得するためには相応の工夫や戦略が必要です。
後遺障害等級が獲得できるかどうか、何級に認定されるかは、受け取れる慰謝料・賠償金額を大きく左右します。適切な後遺障害等級を得て、慰謝料の増額を目指すためにも、交通事故に精通した弁護士のサポートを受けるとよいでしょう。
後遺障害等級認定の申請方法や弁護士の必要性については、『後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由』で詳しく解説しています。
(4)保険会社からの提示額が低い|弁護士なら増額が見込める
加害者側の任意保険会社から慰謝料や示談金の提示を受け、金額が低いのではないかと思った場合も、弁護士にご相談ください。
加害者側の任意保険会社が提示する慰謝料や賠償金の金額は、基本的に相場よりも低くなっています。そのため、適切な金額を得るためには増額交渉が必要です。
しかし、被害者自身が増額を求めても十分に増額してもらえないことがほとんどです。
一方、弁護士が増額を交渉すると、任意保険会社の姿勢も軟化し、被害者側の主張が受け入れられる可能性が高まります。その理由は以下のとおりです。
- 弁護士であれば法的に根拠のある主張ができるから
- 弁護士が出てくれば任意保険会社は裁判への発展を懸念し、被害者側の主張を呑んで交渉を終わらせようとするから
増額交渉でお困りの場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。
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(2)経験豊富な弁護士が多数在籍|軽傷の増額実績あり
アトム法律事務所には交通事故案件を強みとする弁護士が多数在籍しています。
もちろん、軽傷事案についても多くの増額実績を有しています。
ここでは、実績の一部をご紹介します。
傷病名 | 頸部ヘルニア |
後遺障害等級 | 12級13号 |
示談結果 | 256万円から678万円に増額 |
傷病名 | むちうち |
後遺障害等級 | 併合14級 |
示談結果 | 285万円獲得 |
傷病名 | 腰部打撲・頸椎捻挫 |
後遺障害等級 | なし |
示談結果 | 111万円獲得 |
交通事故の慰謝料の事例をもっと知りたい方は、関連記事『交通事故の慰謝料事例|いくらもらった?実例から症状別の相場と増額方法を解説』をお役立てください。
(3)ご依頼者様満足度90%以上|口コミもご紹介
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以下に、ご依頼者様からいただいた口コミをご紹介します。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了