交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介

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弁護士特約 使い方やメリット

交通事故の被害にあったときに行う示談交渉は、複雑でむずかしいものです。弁護士に依頼すれば、示談交渉を一任できたりアドバイスを受けられたりできますが、弁護士費用が気になって依頼をためらう人も多いでしょう。

しかし、ご自身が加入する自動車保険などに「弁護士費用特約(弁護士特約)」が付いていれば、弁護士依頼をためらう必要はありません。

弁護士費等特約とは、交通事故の被害にあった場合、弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約のことです。弁護士費用特約を活用することで、弁護士費用の負担を抑えられます。

本記事では、弁護士費用特約の使い方やメリット、実際に使ってみた感想などを紹介します。弁護士費用特約の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

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交通事故の弁護士費用特約とは?

交通事故の弁護士費用特約について、基本的な概要や補償の上限額、特約や使える事故と使えない事故を解説します。

保険会社が弁護士費用を補償する特約

弁護士費用特約とは、弁護士に法律相談した際の相談料や、委任契約を結んだ場合の弁護士費用を保険会社に補償してもらえる特約です。

通常、弁護士に相談したり依頼したりした場合は「法律相談料・着手金・成功報酬・実費や日当などその他の費用」といった弁護士費用がかかります。

しかし、弁護士費用特約を利用できれば、基本的に弁護士費用の自己負担なしで弁護士のサポートが受けられるのです。

自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、基本的に弁護士費用を自己負担せず弁護士のサポートが受けられる

弁護士費用特約は、主に加入する自動車保険(任意保険)のオプションとして付帯していることが多いですが、医療保険や火災保険などにも付帯していることがあります。

また、弁護士費用特約を利用する回数については特に制限はないことが多いです。
契約内容によっては制限が設けられている場合もありますので、保険証書を確認したり、契約している保険会社に問い合わせてみたりするとよいでしょう。

弁護士費用特約は本当に必要?

弁護士費用特約の加入をためらう理由として、「交通事故にあう可能性は低いので、使う機会がなさそう」というものがあげられます。

しかし、交通事故の確率だけを考えて弁護士費用特約の必要性を判断するのは早いです。

というのも、弁護士費用特約は「自動車事故に特化したタイプ」と「日常生活・自動車事故の両方に対応したタイプ」に大きく分けられます。

「自動車事故に特化したタイプ」は自動車事故のみが補償の対象となりますが、「日常生活・自動車事故の両方に対応したタイプ」なら自動車事故以外でも弁護士費用の補償を受けられます。

補償対象の一例

  • 歩行中に自転車にぶつけられてケガをした
  • ひったくりにあった(相手方がわかっている場合)
  • マンションの上階からの水漏れで家財が被害を受けた など

交通事故をはじめ、日常生活で起こりうる事故にあう確率がゼロではない以上、もしものときに備えて、弁護士費用特約を付帯させておくと安心です。

弁護士費用特約の必要性に迷いがある方は『自動車保険に弁護士費用特約は必要?特約を使うと等級は下る?』の記事もあわせてご覧ください。

弁護士費用特約の補償上限目安

保険会社やプランによって異なるものの、弁護士費用特約の補償上限額は基本的に弁護士費用が300万円まで、法律相談料が10万円までといわれています。

弁護士費用特約の補償上限目安

法律相談料10万円まで
弁護士費用※300万円まで

※ 着手金・成功報酬・実費・日当などを含む

上限額が気になるかもしれませんが、弁護士に示談交渉を取りまとめてもらうだけであれば、弁護士費用は300万円以内におさまることが多いでしょう。

なお、契約内容によって異なりますが、弁護士の活動ならADR機関(民間の紛争解決センター)の利用・裁判所への提訴などで必要になった費用も補償対象となる可能性があります。

紛争処理センターとは?

交通事故紛争処理センター利用の流れとメリット・デメリット!示談不成立時の解決法

弁護士費用特約が使える事故と使えない事故

弁護士費用特約が使える事故と使えない事故の例は、主に以下の通りです。

  • 弁護士費用特約が使える事故
    • 事故当事者のどちらかが車両運転中の事故
    • 車両運転中の飛来物との衝突事故
    • 車両運転中の火災や暴発事故
    • 車両運転中の落下事故
  • 弁護士費用特約が使えない事故
    • 被害者に故意または重大な過失がある事故
    • 自然災害や戦争、暴動等による事故
    • 賠償請求相手が親族となる事故

車同士の事故だけでなく、歩行者対自動車、自転車対自動車、歩行者対バイクなどの交通事故に関しても、弁護士費用特約の補償範囲内となることが多いです。

一方、わざと交通事故を起こしたといえるような場合や、著しいスピード違反があった場合、被害者側の落ち度が非常に大きい場合、損害賠償請求の相手が身内である場合などは、弁護士費用特約の補償対象外となることがあります。

弁護士費用特約の対象外となるケースについて詳しく知りたい方は、関連記事『弁護士特約が使えない交通事故とは?特約なしの対処法・あとから加入は可能?』をご覧ください。

事故後に弁護士費用特約に加入した場合も使えない

弁護士費用特約は、交通事故後に加入しても使えない点に注意してください。

弁護士費用特約では、特約の契約前に発生した事故については補償の対象外なのです。

弁護士に相談・依頼したいと思ったが弁護士費用特約に加入していなかったという場合は、以下の点を確認してみてください。

  • 医療保険や火災保険といった保険に弁護士費用特約が付帯されていないか確認する
    ※自動車保険以外の保険に付いている弁護士費用特約でも使えることがある
  • 家族の保険に弁護士費用特約がついていないか確認する
    ※特約の対象範囲は家族・家族以外と幅広い

これらを確認しても使える弁護士費用特約がない場合は、自分で弁護士費用を支払うしかありません。

ポイント

弁護士費用がかかるからといって、弁護士への相談・依頼をあきらめないでください。ひとまず無料相談を実施する弁護士に連絡をして、弁護士依頼で得られるメリットを確認してみましょう。

物損事故やごく軽微な人身事故の場合を除いて、弁護士費用を支払っても弁護士に依頼した方が最終的な回収金が多くなることがほとんどです。

他にも弁護士への依頼にはさまざまなメリットがあるので、『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』もご確認ください。

弁護士費用特約が使えない方も、まずはアトム法律事務所の無料相談を受けられるかお問い合わせください。電話・LINEを使っての相談が可能なので、来所は不要です。

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弁護士費用特約を使うメリット3選とデメリット

交通事故の被害に遭って弁護士費用特約を使うことで得られるメリットは、主に以下の3点です。

  1. 弁護士費用を気にしなくていい
  2. 増額した示談金を丸ごと受け取れる
  3. 負担を大幅軽減し早期解決につながる

メリットについてそれぞれ詳しく解説します。また、弁護士費用特約にある数少ないデメリットもあわせてお伝えします。

(1)弁護士費用による費用倒れを気にしなくていい

軽傷事故や物損事故など示談金が低額になりやすい事故では、弁護士に依頼すると、獲得示談金よりも弁護士費用の方が高額になり赤字が出てしまうことがあります。これを「費用倒れ」といいます。

はじめから費用倒れのリスクが大きいと分かっている場合は、弁護士から受任を断られることもあるでしょう。

しかし、弁護士費用特約を使えれば、費用倒れのリスクを気にしたり弁護士に受任を断られたりすることなく弁護士に相談・依頼ができます。

(2)増額した示談金を丸ごと受け取れる

交通事故の示談交渉で弁護士に依頼すると、示談金の大幅な増額が期待できます。慰謝料が2~3倍程度アップすることも多いです。

しかし、弁護士費用特約を使わず弁護士に依頼した場合は、増額した示談金から弁護士費用が差し引かれます。示談金が増額するとはいえ、大幅アップした示談金を丸ごと受け取れるわけではありません。

一方、弁護士費用特約を使えば、弁護士費用は基本的に0円なので、大幅アップした示談金を丸ごと受け取れるのです。

なお、弁護士に依頼した場合に得られる慰謝料の相場は、以下の計算機から大まかに分かります。

厳密な相場はさまざまな要素を考慮して算出する必要があるため弁護士に問い合わせることをおすすめしますが、目安を知るためのものとしてご活用ください。

計算機が用いている慰謝料の計算方法は『交通事故の慰謝料の計算方法|正しい賠償金額がわかる』の記事で解説しています。

(3)被害者の負担軽減と早期解決につながる

交通事故の被害者になったら、たとえば、次のようなことに対応しなければなりません。

  • 相手方の保険会社とのやりとり・示談交渉
  • 休業損害の申請
  • 労災保険への給付金請求
  • 後遺障害等級認定の申請
  • 治療費打ち切りへの対応
  • 示談交渉 など

普段の生活では行わないものが多く、中には知識がないと対応に苦慮して、自力でやろうと思うと時間がかかりがちです。

また、事故相手が不誠実な態度を取ってきたり、相手方の保険会社の言動が高圧的だったりしてストレスを感じることも珍しくありません。

弁護士費用特約を使えば、費用をかけずに弁護士が対応にあたれるので、示談に至るまでの精神的・時間的な負担を大幅に減らせます。また、示談交渉のプロである弁護士が対応することで、早期の解決が期待できます。

弁護士費用特約の利用にデメリットはある?

弁護士費用特約を使うデメリットは、年間2,000〜3,000円の保険料がかかることを除けば特にありません。

保険料を支払って弁護士費用特約に加入しているのですから、積極的に使うべきです。

ただし、弁護士費用特約の補償上限を超えてしまうケースもあるので念頭に置いておきましょう。

弁護士費用特約の上限額を超えやすいケースは主に以下の通りです。

  • 弁護士を途中で変更した場合
    弁護士費用特約の上限は「交通事故1件あたり」のものです。
    途中で弁護士を変更し、余分に着手金などが発生すると、弁護士費用特約の上限を超える可能性があります。
  • 損害額が非常に大きな事故の場合
    弁護士費用は獲得した賠償金の額によって変わります。
    賠償金が非常に高額になる場合は弁護士費用も高額になり、弁護士費用特約の上限を超える可能性があります。

弁護士費用特約の補償上限額を超えた分の弁護士費用については、被害者の自己負担となるので注意しましょう。

弁護士費用特約の使い方と流れ

弁護士費用特約を使う流れを具体的にイメージしたい方や、弁護士費用特約を使いたいが何からはじめればよいのかわからない方に向けて、弁護士費用特約の使い方を解説します。

弁護士費用特約を使用するための手続きの流れは、以下の通りです。

  1. 特約が使えるか確認
  2. 特約を使う旨を保険会社に連絡
  3. 弁護士を探す
  4. 弁護士を決めたら再び保険会社に連絡

それぞれの手続における具体的な方法や注意点について説明を行います。

(1)特約が使えるか確認|火災保険等も調べる

弁護士費用特約が使えるかは、加入する自動車保険の保険証・保険約款を確認してください。

また、自動車保険以外にも、以下のような保険に付帯されている弁護士費用特約は、交通事故時に使えることがあります。

弁護士費用特約が付帯されうる保険

  • 医療保険
  • 火災保険
  • バイク保険
  • 個人賠償責任保険
  • クレジットカードの保険 など

自動車保険だけでなく、加入するあらゆる保険にも弁護士費用特約が付いていないか、あわせて調べてみることが大切です。

弁護士費用特約は家族も家族以外も利用できる

弁護士費用特約は一般的に、特約の契約者本人(記名被保険者)の配偶者や同居親族といった家族をはじめ、場合によっては家族以外も特約を利用できます。

弁護士費用特約の補償対象者

同居の家族なら基本的に特約を利用できますし、別居でも未婚の子なら特約を利用できる可能性が高いでしょう。また、家族以外でも特約の対象範囲になる可能性もあります。

もっとも、実際に特約を利用できる対象範囲は保険によって違うこともあるので、保険の約款などでご確認ください。詳しくは関連記事『弁護士特約は家族も使える!補償範囲や確認方法、重複加入の必要性も解説』が参考になりますので、あわせてご覧ください。

(2)特約を使う旨を保険会社に連絡

弁護士費用特約を使いたい場合、多くの保険会社は事前に連絡することを条件としています。保険会社から事前承認を得ておかないと、弁護士費用が補償されないなどのトラブルになりかねません。

そのため、まずは加入する保険会社に弁護士費用特約を使いたい旨を連絡しましょう。

保険会社に事前連絡をする際には、弁護士費用特約が使えるケースであるか、あわせて確認するとよいでしょう。

(3)弁護士を探す|弁護士選びのコツを紹介

弁護士費用特約を利用することを保険会社に伝えたら、次に弁護士を探しましょう。

弁護士費用特約を使う場合、保険会社から弁護士を紹介されることがありますが、必ずしもその弁護士に依頼しなければならないわけではありません。

むしろ、自身で弁護士を探して依頼した方が良いケースも多いので、自分でも弁護士を探してみてください。

弁護士費用特約を使う場合の弁護士探しのポイント

弁護士を選ぶときは「交通事故分野に注力しており、解決実績が豊富な弁護士である」かを確認することが重要です。

実績数自体は多くても、交通事故分野以外を得意としている弁護士もいます。必ず「交通事故分野における実績」を確認してください。

法律事務所の公式ホームページには実績や口コミが載っていることが多いので、調べてみましょう。

なお、弁護士費用特約を使えば相談料が基本的に10万円まで補償されます。相談料を気にせず法律相談ができるので、事前に何人かの弁護士に相談してみて話しやすさや相性も確認してみてください。

弁護士選びで参考になる記事

弁護士を選ぶ際は、ぜひアトム法律事務所の弁護士もご検討ください。
アトム法律事務所は無料相談を実施中です。相談のご予約は24時間365日受け付けています。

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(4)弁護士を決めたら再び保険会社に連絡

依頼する弁護士を決めて、弁護士と委任契約を結んだら、再び保険会社に連絡するようにしましょう。

保険会社には、依頼する弁護士の名前・法律事務所名・電話番号などを伝えてください。弁護士との契約内容を記載した書類が弁護士から渡されるので、保険会社にその書類を提出すればよいでしょう。

連絡を怠ると弁護士費用が満額補償されない可能性がありますので、弁護士を決めたら保険会社への連絡を忘れないようにしてください。

あらかじめ弁護士に弁護士費用特約を使う旨を伝えておくと、契約後に弁護士からも保険会社へ連絡してくれるはずなので、スムーズに事が運ぶでしょう。

弁護士費用特約を使っていても弁護士変更は可能?

なお、依頼した弁護士に不満や不安がある場合は、弁護士を変更することもできます。
ただし、弁護士費用特約を引き続き利用したい場合は、保険会社への連絡が必要なので忘れないようにしましょう。

弁護士の変更については、『交通事故の弁護士は変更できる!変更方法と注意点。やる気ないは解約理由になる?』の記事をご一読ください。

お客様の声|弁護士費用特約を使ってみた感想

それではここで、アトム法律事務所のご依頼者様のお声の中から、弁護士費用特約を使ってみた感想を2つピックアップして紹介します。

先生方の交渉のおかげで全て思っていた以上の結果になりました。弁護士特約もありふたんは0円、家から一歩も出なくてよかったのも助かりました。

ご依頼者様のお手紙:むちうちの増額事例

始めは、ご相談をしようかどうが、すごく悩みました。法律事務所にもし、相談し、金銭面や時間面が心配でしたが、弁護士特約費用が使えて負担も、ほとんどかかりませんでした。

ご依頼者様のお手紙:肋骨骨折、頚椎捻挫の増額事例

こんな事故こそ弁護士費用特約を使うべき!

弁護士費用特約に加入しておいてよかったと思えるケースはたくさんあります。
特に下記のような事故こそ、弁護士費用特約を使うべきケースといえるでしょう。

弁護士費用特約を使うべき事故

  • 被害が小さい軽めの事故
  • 相手方が無保険の場合の事故
  • もらい事故といった過失が0%の事故
  • 高級車が損傷した事故

なぜ、弁護士費用特約を特に使うべきなのか、確認していきましょう。

被害が小さい軽めの事故

被害が小さい軽めの事故では、賠償金が低額になりやすいです。獲得する賠償金が低額だと、弁護士費用の方が高額になりやすく、「費用倒れ」が発生する可能性が高くなります。

特に、以下のような事故だと、費用倒れの発生が想定されるでしょう。

  • 治療期間が1ヶ月未満の事故
  • むちうちや打撲などの比較的軽いケガを負った事故

このような比較的軽い事故でも、相手方が相場より低い賠償金を提示してくる、示談交渉が行き詰まるなどのトラブルが発生し、弁護士の介入が必要になる可能性があります。

もし弁護士費用特約に加入していなければ、相場より低い賠償金で合意するか、費用倒れを覚悟で弁護士に依頼するしか選択肢がなくなってしまいます。

弁護士費用特約に加入していれば、費用倒れの心配なく弁護士に依頼できるのです。

関連記事

交通事故の弁護士特約をむちうちのケースで利用すべき3つの理由

相手方が無保険の場合の事故

相手方が無保険の場合、事故相手本人に賠償金を直接請求することになります。

弁護士に依頼しないと、知識が十分でない者同士で交渉を行うことになるため、互いに適切な金額や進め方が分からず、話がまとまらない恐れが大きいでしょう。
また、賠償額が決まっても、相手方が賠償金を支払わない恐れもあります。

以上のような事情から、相手方が無保険の場合には弁護士への依頼を行い、適切に話をまとめてもらったり、賠償金の回収を行ってもらう方がいいでしょう。

もらい事故といった過失が0%の事故

弁護士法第72条で定められている通り、被害者側の過失割合が0%となるもらい事故では、自動車の任意保険による示談代行サービスは使えません。必然的に被害者自身で示談交渉を行うか、弁護士に依頼することになります。

もらい事故の例としては、以下があげられます。

もらい事故の例

  • 正しい方法で停車していたところ、後ろから追突された
  • 信号無視で交差点に進入してきた車と衝突した
  • 対向車がセンターラインを越えて突っ込んできた など

過失が0%なら被害者だけでもスムーズに交渉できそうだと思うかもしれませんが、実際にはもらい事故でもシビアな交渉になることは多いです。

被害者側に過失がないと、被害者についた過失割合分の示談金が減額される「過失相殺」が適用されません。その分、相手方は提示額を低く主張してくるなど、厳しい態度をとることが考えられるのです。

示談交渉の相手は基本的に、相手方が加入する任意保険会社の担当者です。仕事として日々交渉をしているプロを相手に、提示額を十分に増額させるのはむずかしいでしょう。

相場より低い賠償金しか支払ってもらえず、泣き寝入りしないためには、もらい事故でも弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼するのが一番の近道になるのです。

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高級車が損傷した事故

交通事故で車が損傷した場合は、修理費を相手方に請求できます。
それに加えて、車に修理歴や事故歴が残り、売却した場合の評価額が下ってしまう場合は「評価損」という賠償金も請求できます。

特に、高級車の場合は評価損が高額になりやすいためぜひとも回収すべきです。

しかし、評価損は被害者自身による示談交渉では支払ってもらえない可能性が高いです。

よって、弁護士費用特約を使って弁護士に依頼し、示談交渉していくことが大切になるのです。

関連記事

物損事故の示談の流れと示談金相場|交渉時の注意点

交通事故の弁護士費用特約に関するQ&A

最後に、弁護士費用特約に関するよくある質問や疑問にお答えしていきます。

Q.弁護士費用特約の利用は保険会社が嫌がる?

弁護士費用特約を利用すると、保険会社が弁護士費用を負担することになります。
そのため、ケースによっては、保険会社に弁護士費用特約の利用を嫌がられることがあります。

特に、以下のようなケースでは弁護士費用特約の利用を嫌がられる例が散見されます。

特約の利用を嫌がられる例

  • 物損事故や軽微な人身事故
    賠償金の増額幅が少ないため必要性が乏しいと言われることがある。
  • 相手方との間に争いがない事故
    弁護士に依頼してまで交渉する必要性に乏しいと言われることがある。
  • 被害者に過失がある事故
    弁護士費用特約より示談代行サービスの利用を勧められることがある。

しかし、物損事故や軽微な人身事故でも、相手方ともめないとは限りません。
また、争いがなかったとしても、弁護士に依頼するのは賠償金の増額だけが目的ではありません。

弁護士費用特約の利用を嫌がられたとしても、保険料を払っているのですから、遠慮せず利用するとよいでしょう。

保険会社が弁護士特約を嫌がるときの対処法は、『保険会社が弁護士特約を嫌がる3ケース!対処法と特約を使うべき事故』で詳しく解説しています。保険会社とのトラブルを避けるためにも、ぜひ一度ご確認ください。

Q.弁護士費用特約を利用するタイミングは?

弁護士費用特約を利用して弁護士に依頼するタイミングは「病院での初診後」から「示談成立前」までならいつでも大丈夫ですが、早ければ早いほどよいでしょう。

早めに弁護士に依頼した方が、治療中から示談成立までさまざまなサポートを受けられたり、トラブルに対処してもらえたりします。
さらに、賠償金の減額につながるような行動を防ぐアドバイスももらえるでしょう。

関連記事

交通事故で弁護士に相談・依頼するベストタイミングは?

Q.弁護士費用特約がなければ弁護士相談は無意味?

弁護士費用特約がなくても、弁護士に相談する意味は大いにあります。弁護士に相談することで、賠償金増額の可能性や示談交渉の悩みなど、弁護士から様々なアドバイスがもらえます。

多くの弁護士は無料の法律相談を実施しています。無料の機会を十分に活用してください。

アトム法律事務所では、弁護士による無料相談を実施中です。24時間いつでも予約受付中なので、気軽にお問い合わせください。

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弁護士費用特約がない場合は、法律相談の際に費用倒れの可能性について聞いておきましょう。着手金を無料としている弁護士もいます。着手金が無料なら、弁護士費用特約がなくても弁護士に依頼しやすいでしょう。

アトム法律事務所の費用体系は、弁護士費用特約がない場合の着手金は原則0円としています。

Q.示談代行サービスがあれば弁護士費用特約は不要?

示談代行サービスとは、交通事故にあったときの示談交渉を加入する自動車保険の任意保険会社が代わりに行ってくれることです。

「示談代行サービスがあれば保険会社に任せておけばいいので、弁護士費用特約は必要ない」と考える方もいるかもしれません。

しかし、示談代行サービスがあっても弁護士費用特約を付帯させておいた方がよいでしょう。その理由は以下の通りです。

  • 保険会社より、弁護士による示談交渉の方が大幅な賠償金増額を見込める
  • 弁護士に依頼すれば、示談交渉以外のサポートも受けられる
  • もらい事故だと、そもそも示談代行サービスを使えない

たとえ、示談代行サービスが使えたとしても、示談は保険会社に任せっきりにせず、弁護士に相談した方がいいでしょう。

関連記事

示談代行サービスで保険会社に任せっきりでも大丈夫?任せるメリットとデメリット

Q.弁護士費用特約の加入率はどれくらい?

自動車の任意保険にオプションとしてついている弁護士費用特約は、公表されているデータによれば加入率は60%~70%程度になると考えられます。

しかし、弁護士費用特約を付けているのに、特約の存在そのものを忘れて利用しない人も多いようです。家族の弁護士費用特約が使えるのに、気づかない方もいます。

保険会社の方から親切に「弁護士費用特約を使いますか?」と尋ねてくれるケースは少ないでしょう。

せっかく弁護士費用特約分の料金を払っているのですから、使わない手はありません。

交通事故の被害に遭ったのであれば、弁護士費用特約が利用できないかどうかしっかりと確認しましょう。

弁護士費用特約があってもなくても無料相談からスタート

交通事故の被害にあったとき、弁護士費用特約に加入していれば弁護士費用を気にせず弁護士に相談・依頼できることを解説してきました。

万が一のときに、お金の心配をせず弁護士に依頼し、日常生活に早めに復帰出来たり、相手方から受け取る賠償金が増えたりするのは、弁護士費用特約の大きなメリットです。

弁護士費用特約に加入しているのであれば、交通事故にあったときは積極的に利用するとよいでしょう。弁護士費用特約を利用しても保険の等級は下りませんし、弁護士に依頼することでさまざまなメリットを得られます。

もっとも、弁護士費用特約が利用できなくても、弁護士に依頼するメリットを受けた方がよいケースは多くあります。

そのため、弁護士費用特約があってもなくても、交通事故の被害者になったのであれば、弁護士への相談を行いましょう。
弁護士に相談することで、弁護士費用特約がなくても依頼をした方がよいかどうかを判断することができます。

アトム法律事務所は、無料相談の予約を24時間365日いつでも受付中です。相談をご希望の方は、下記フォームより予約をお取りください。

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また、アトム法律事務所では、弁護士費用特約がない方の場合でも、基本的に相談料と着手金が無料です。
無料相談なら相談料を気にせず弁護士と話ができますので、まずは無料相談からはじめてみませんか。
お問い合わせお待ちしております。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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