交通事故弁護士の選び方で本当に重要な厳選3点|ランキングの過信は要注意
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
交通事故で相手方と争いになったとき、代理人として弁護士に交渉や手続きを一任することができます。しかし、満足なサポートや結果が得られるかどうかは、弁護士の選び方次第な面もあるでしょう。
この記事では、弁護士の選び方として重要な点に加え、「重視すべきと思われがちだが実はそこまでこだわらなくて良い点」についても解説しています。
本当に重要なポイントをおさえた弁護士選びをするために、ぜひチェックしてみてください。
目次
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弁護士の選び方で本当にこだわるべき3ポイント
交通事故における弁護士の選び方で大切なのは、以下の点を確認することです。
- 交通事故事案の実績・医学的知識は豊富か
- 実際にやり取りしてみて印象は良いか
- 費用倒れのリスクはないか
なぜ上記3点をチェックする必要があるのか、詳しく解説していきます。
なお、弁護士を選ぶ際には、弁護士選びで失敗してしまったケースを参考にするのもおすすめです。
実際に弁護士に依頼してみて初めて「こんな点にも注意すれば良かった」と気づくことがあります。
事前によくある失敗例を見ておけば、そうした後悔も防げます。
弁護士選びのよくある失敗例:交通事故で弁護士依頼は後悔する?失敗談と対策
交通事故の解決実績・医学的知識の豊富な弁護士か
交通事故における弁護士の探し方として、まず重要なのは「交通事故事案の実績・医学的知識の豊富な弁護士か」ということです。
この点を重視すべき理由は次の通りです。
- 交通事故事案を受け付けていても、実績豊富とは限らない
- 後遺障害申請や示談交渉では、ケガに関する医学的知識も必要
それぞれについて詳しく解説します。
交通事故事案を受け付けていても、実績豊富とは限らない
弁護士と言っても得意な分野はさまざまです。
よって、たとえ交通事故事案を受け付けていると言っても、実際には刑事事件や離婚問題など別ジャンルの事案の方が得意なケースがあるのです。
交通事故事案の実績が乏しい弁護士を立てた場合、たとえば以下のような問題が生じる可能性があります。
- 各種手続きに手間取り、弁護士を立てたのにスムーズに事が進んでいかない
- 交通事故事案に不慣れであることを示談交渉相手に悟られ、交渉時に足元を見られる
よって、弁護士を選ぶ際には「交通事故事案を受け付けているか」だけでなく、「交通事故事案の実績」まで確認することが重要です。
後遺障害申請や示談交渉では医学的知識が必要
交通事故で弁護士に依頼できる内容としては後遺障害申請や示談交渉がありますが、これらについてはそれぞれ、以下の点から医学的知識が必要です。
- 後遺障害申請
- 後遺症の症状や程度を正確に把握したうえで、審査機関にどう後遺症について伝えるべきか考える必要がある
- 示談交渉
- 事故とケガとの関連性や、後遺障害がどの程度仕事に影響を及ぼすのかなどを根拠を持って主張する必要がある
弁護士自身がケガや後遺障害について医学的な知識を持っていないと、専門の審査機関や加害者側の保険会社を納得させられる主張ができません。
その結果、弁護士を立てたのに後遺障害認定の対策が不十分になってしまったり、示談交渉時に医学的知識さえあれば通ったはずの主張が通らなかったりするおそれがあるのです。
弁護士の選び方をおさえれば、示談の早期成立と示談金増額が期待できます。
その理由は『人身事故は弁護士に任せて時短と増額』でご確認ください。
実際にやり取りしてみて印象や相性は良さそうか
弁護士を立てる際、通常はいきなり契約を結ぶのではなく、事前に法律相談にて弁護士とやり取りをします。
この際、弁護士の印象やご自身との相性も確認してみてください。
どんなに実績豊富な弁護士でも、相性が悪いとご自身の希望や疑問を伝えにくかったり、弁護士の言動に違和感や不信感を持ってしまったりするおそれがあるからです。
ただし、ただなんとなく法律相談をするだけでは「感じが良かった」「優しかった」など表面的な印象しか残らない可能性があります。
よって、以下の点を意識して法律相談をすることが重要です。
- 事前に自分の望む弁護士像を考えておく
- 何でも相談しやすいか、話は分かりやすいか確認する
理想の弁護士像を想像しにくい場合は、以下のような点について考えてみてください。
- 多少無理があってもひとまずご自身の望む方針でチャレンジしてくれる弁護士が良いか
- 「その希望は少し無理がある」など実際のところをはっきり言って別の方針を提示してくれる弁護士が良いか
- 進捗報告はどれくらいの頻度でしてほしいか
※進捗報告の頻度については事前に弁護士とすり合わせておくこともできます
費用倒れのリスクはないか
費用倒れとは、「弁護士費用を支払った結果、手元に残った示談金額がかえって少なくなってしまった」という状態のことです。
たとえば弁護士を立てることで示談金が20万円アップしても、弁護士費用が24万円だと結局4万円の赤字が出てしまいます。
こうしたことが起こらないよう、費用倒れのリスクがないか事前に確認することも重要です。
費用倒れのリスクは、法律相談の際に確認できます。
法律事務所側としても費用倒れになる事案の受任は避けたいところなので、もし費用倒れのリスクがあれば、その旨をきちんと教えてもらえるでしょう。
弁護士費用の相場や内訳は『交通事故の弁護士費用相場はいくら?』で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
なお、費用倒れを回避する方法としては、以下のものがあります。
- 自身の保険に弁護士費用特約がついていれば、使う
- 弁護士費用を保険会社に負担してもらえるので、費用倒れの心配がなくなる
- 詳しくはこちら:交通事故の弁護士費用特約|使い方や補償対象になる家族、加入のメリットもわかる
- 弁護士費用特約がない・使えない場合は、相談料・着手金無料の事務所を選ぶ
- 弁護士費用特約が使えないケース:弁護士費用特約が使えない交通事故とは?
特に弁護士費用特約を使う場合は、費用倒れのリスクはほぼ0と言えるので、安心して弁護士に相談・依頼ができます。
なお、『交通事故を弁護士に相談するデメリットと解決策|デメリットはほぼなし?』では弁護士に相談・依頼するデメリットとして思い浮かべられがちな点について解説しています。
弁護士を立てるとこんなデメリットがあるのではないか、と思っていたことが実は勘違いだったという場合も多いので、ぜひ読んでみてください。
弁護士の選び方で必ずしもこだわる必要のないポイント
法律事務所の立地|遠隔でのやり取りで十分な場合もある
弁護士を選ぶ際、自宅から出向ける場所にある事務所が良いのではないかと思う人もいます。
たしかに、実際に弁護士と会って密にやり取りをしたい場合は近くに事務所がある方が良いでしょう。
しかし、交通事故事案では電話やメールなど遠隔でのやりとりで十分な場合も多いです。
よって、無理に近場で弁護士を探したり、良い弁護士がいたけれど事務所が遠いからとあきらめたりする必要はありません。
もちろん、場合によっては直接弁護士と会った方が良いケースもあるので、遠方の弁護士に依頼する場合は一度その旨を相談してみてください。
遠隔でのやり取りがメインだった体験談
(略)地方の田舎住まいの自分でも快く請け負って下さり、安心して治療に専念する事が出来ました。(略)当初の泣き寝入りしそうだった金額の10倍以上で終える事が出来、あの時相談してみて良かったと感謝の気持ちでいっぱいです。最低限の費用と、ほぼLINEでのやり取りで完結してしまった事にも驚きを隠せません。(略)
アトム法律事務所のご依頼者様のお手紙
今回、初めて弁護士依頼をさせていただきました。遠方で電話やメール、郵送といったやりとりでしたが、いつも対応は速く誠意が感じられて良かったと思っています。質問メール等にも夜分でもすぐ返事をいただき、安心しておまかせできました。(略)
アトム法律事務所のご依頼者様のお手紙
弁護士ランキング|信用し過ぎない
どの弁護士を選べばいいかわからないと迷った時、ネット上にある「弁護士ランキング」のようなものを参考にしたいと思う場合もあるでしょう。
しかし、弁護士ランキングは次の点から信用し過ぎないようにしてください。
- 弁護士ランキングは誰がどのように集計して評価した結果なのか、客観性に欠けるようなものも多い
- 弁護士の対応や印象といった感想は主観的なものにすぎない
交通事故といってもその類型や被害内容はさまざまで、弁護士に依頼する内容も人によって違います。
ご自身の事案に適した弁護士なのか、ご自身と相性の良い弁護士なのかは実際にやり取りをしてみて判断しなければわかりません。
弁護士ランキングはあくまでも参考程度に留めて、最終的な判断はご自身でくだすことが重要です。
保険会社からの紹介|依頼するかは慎重に検討すべき
弁護士費用特約を使うことをご自身の保険会社に伝えた場合、保険会社側から「弊社から弁護士を紹介しましょうか」と言われることがあります。
弁護士選びの手間が省けるのでありがたい申し出ですが、以下の理由から、紹介を受け入れるかどうかは慎重に判断しましょう。
- 保険会社が紹介する弁護士は、交通事故被害者の案件に特化しているわけではない
- 弁護士の熱意が低い可能性がある
- 被害者が使える自身の保険について、積極的にアドバイスしてもらえない可能性がある
- 示談交渉開始前のサポートはしてもらえないことがある
保険会社が紹介するのはその保険会社の顧問弁護士であることが多いです。
よって、弁護士と保険会社との関係性や、弁護士への報酬体系などの点から、親身になって熱心に対応してくれるとは限らないのです。
自分で選んだ弁護士への依頼でも基本的に弁護士費用特約は使えるので、紹介された弁護士以外の弁護士に依頼したい場合には、その旨を保険会社に伝えましょう。
こちらもチェック
保険会社から紹介された弁護士に依頼しなくてもよい理由を紹介しています。▶交通事故で保険会社から弁護士を紹介されたらどうする?
ポイントをおさえた弁護士を見つける方法
弁護士を探す手段はインターネット以外にもある
ここまで解説してきたようなポイントをおさえた弁護士を探す際は、以下のような手段を使ってみましょう。
- インターネットで探す
- 知人に紹介してもらう
- 自治体や弁護士会の相談会に行ってみる
なお、弁護士に相談したり介入してもらったりできる窓口には、以下のものもあります。
- 交通事故紛争処理センター
- 日弁連交通事故相談センター
- 法テラス
ただし、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターの場合、弁護士はあくまでも中立的な立場で介入するため、被害者側の味方というわけではありません。後遺障害認定のサポートもしてもらえません。
法テラスの場合は利用に際して収入などの条件がありますし、法テラス経由で弁護士を紹介してもらう場合、被害者側に弁護士の選択権はありません。
この点が個人的に弁護士に相談・依頼する場合とは違うのでご注意ください。
弁護士に相談できる窓口は、『【交通事故の無料相談】電話でできる相談窓口一覧|サポートが手厚い窓口は?』で詳しく解説しています。
場合によっては司法書士を視野に入れるのも良い
交通事故の示談交渉や調停・裁判は、「認定司法書士」にも依頼できます。
認定司法書士への依頼費用は弁護士への費用よりも安く抑えられますが、以下の点には注意しましょう。
- 訴額140万円までの示談交渉、調停・裁判業務しか扱えない
- 後遺障害認定など、示談・調停・裁判以外のサポートは頼めない
加害者側に請求したい示談金が140万円以下で、示談交渉のみを依頼したいという場合は認定司法書士への相談・依頼を検討してみても良いでしょう。
関連記事『交通事故は弁護士か司法書士のどちらに相談?示談交渉を依頼する決め手』では、弁護士と司法書士の違いを詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
複数の弁護士に事前相談してみることが重要
納得いく弁護士を選ぶために、依頼前の法律相談は複数ヶ所にしてみることをおすすめします。
それぞれの弁護士の強みや、依頼した場合に期待できる獲得示談金額、費用体系、話してみた印象などを総合して、どの弁護士に依頼するか決めましょう。
弁護士選びでよくあるお困りごとと解決法
(1)複数の弁護士に事前相談するだけで費用がかさむ
本格的な依頼前に法律相談で複数の弁護士とコンタクトを取ってみることは重要です。
しかし、法律相談にも費用がかかることは多く、相場としては30分で5,000円程度とされます。
契約する前の時点で費用がかさんでしまって困るという場合は、以下の方法で相談料を抑えてみてください。
- 弁護士費用特約を使う
- 相談無料の法律事務所を選ぶ
まず、ご自身の保険に弁護士費用特約が付いていれば、相談料を保険会社に負担してもらえます。
上限額は保険会社やプランによって異なる場合がありますが、10万円であることが多いです。
保険会社に弁護士費用特約を使うことを伝えたうえで、法律相談を申し込んでください。
ご自身の保険に弁護士費用特約がない場合でも、相談料無料の事務所を利用すれば費用を抑えられます。
ただし、無料相談には回数や時間の制限があることがほとんどです。事前に制限を確認し、効率よく話ができるよう聞きたいことなどをまとめておきましょう。
参考になる記事
- 法律相談で聞くべき質問:交通事故の弁護士面談で必要な準備と聞くべき内容
- 依頼できる内容はタイミングによっても違う:交通事故で弁護士に相談・依頼するタイミングはいつ?
(2)弁護士選びに割ける時間が少ない
複数の弁護士に相談する時間がないという場合は、LINEやメールでの相談も活用していきましょう。
電話や対面での相談ではその都度まとまった時間を取らなければなりませんが、LINEやメールなら相談内容の送信も弁護士からの返信の確認も、隙間時間におこなえます。
1度相談のメッセージを書いておけば、あとは複数の事務所に同じ文章を送るだけで良いので、時間がなくても何人かの弁護士に相談し、返信内容を比較したうえで自分に合った弁護士を選べます。
ただし、すべての事務所がLINEやメールでの相談を受け付けているわけではないので、事前に確認してください。
(3)よさそうな弁護士が何人かいて決められない
よさそうな弁護士が何人かいて決められないという場合は、弁護士を立てるメリットや理想の弁護士像を改めて洗い出し、どの点をもっとも重視するのか優先順位をつけてみましょう。
たとえば弁護士を立てるメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 示談金額の大幅増額が見込める
- 事例を確認したい:交通事故の慰謝料事例
- 示談交渉にて相手方の態度が軟化する
- 示談の早期成立により示談金を早く受け取れる
- 解決までの日数:交通事故の解決までの日数は何日?
- 示談交渉の精神的ストレスが減る
- 実際の示談交渉の様子:交通事故の体験談8選
他のメリットも確認▶交通事故を弁護士に依頼するメリット8選
もっとも重視したいメリットはどれなのか、それについてもっとも良い結果を出してくれそうな弁護士は誰なのかを考えて、弁護士を選ぶと良いでしょう。
ポイントを押さえたら実際に弁護士探しを始めよう
弁護士選びから依頼までの流れ3ステップ
弁護士への依頼は、次の流れでおこないます。
- 弁護士を探す
- 弁護士との法律相談で、状況や現在のお困りごと、弁護士費用や獲得が見込める示談金額などについて話す
- この弁護士に依頼したいと思えば委任契約を結ぶ
既に解説しましたが、弁護士への依頼(委任契約)の前には法律相談が必要です。
法律相談の時点では、まだ委任契約は成立していません。
他の弁護士にも話を聞いてみたい、依頼までは進む必要がなさそう、などと思えば、相談のみで終了しても良いのです。
なお、事故の相手方も同様に弁護士を立ててくることがあります。その場合は加害者側の弁護士から受任通知が届くので、その旨を自身の弁護士にお伝えください。
あわせて読みたい関連記事
交通事故で加害者側の弁護士から受任通知が届く理由と対応方法を紹介
万が一弁護士選びに失敗したら?
弁護士は、途中で変更することも可能です。
途中で変更すると余分に費用や手間がかかるため、変更は慎重に検討すべきです。
一方、費用や手間がかかっても弁護士を変更した方が良いケースもあるので、以下の記事を参考にしてみてください。
交通事故の無料電話・LINE相談はこちらから
アトム法律事務所では、交通に関して電話・LINEでの無料相談を受け付けています。
弁護士費用特約の利用も可能ですし、弁護士費用特約が使えない場合には相談料・着手金が無料です。
もちろん、無料相談のみのご利用も可能なので、お気軽にご相談ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了