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交通事故の慰謝料は通院1日いくら?8600円の真実と通院6ヶ月の相場

更新日:

通院1日いくら 交通事故の慰謝料

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で通院すると、その日数・期間に対して入通院慰謝料が支払われます。
入通院慰謝料は1日いくらなのかについて、8600円だという話を聞いた方もいらっしゃるようですが、これは誤解であることをまずはお伝えします。

通院の期間にもよりますが、保険会社との示談交渉に弁護士が介入すれば8600円以上の慰謝料が得られるケースがあります

慰謝料額について正しい知識がないと、本来もらえるはずの金額がもらえないリスクがあります。この記事を通して、正しい慰謝料の計算方法、十分な慰謝料額を得るポイントをおさえていきましょう。

入通院慰謝料

交通事故により入院・通院する中で生じる精神的苦痛に対する補償。
交通事故の慰謝料には他に、後遺障害慰謝料・死亡慰謝料がある。

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通院1日あたりの慰謝料はいくら?計算方法と通院6ヶ月の相場一覧

慰謝料が通院1日4300円は最低限度|計算方法は3つある

通院1日の慰謝料がいくらになるのかを解説する前に、慰謝料の算定基準は3種類あり、それぞれの基準ごとで計算方法・金額が異なることを紹介しておきます。

慰謝料算定の3基準
  • 自賠責基準
    交通事故被害者に補償される最低限の金額を算定する基準
  • 任意保険基準
    相手方任意保険会社が慰謝料を算定するときに用いる基準
  • 弁護士基準
    弁護士や裁判所が慰謝料を算定するときに用いる基準

この3基準の中で最も慰謝料が高額になるのが弁護士基準による算定です。

自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準それぞれの慰謝料計算方法についてみていきます。

自賠責基準の入通院慰謝料計算方法

自賠責基準における入通院慰謝料には日額が定められているので、慰謝料の対象となる日数がどのくらいかで金額が決まります。

計算式

4300円(※) × 対象日数

「対象日数」は、次のうち短い方を採用する。

  • 治療期間
  • 実際に治療した日数×2

治療期間とは、一番最初に病院を受診した日~治療終了までの期間をさす。

※2020年3月31日以前発生の事故では4200円

ただし、自賠責保険が負担する損害賠償の上限は、入通院慰謝料を含む傷害分に関しては120万円となっているます。そのため、120万円を超える部分については、任意保険会社に請求しなければなりません。

自賠責保険の上限額は、後遺障害分・死亡分についても定められているので、詳しくは『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説』の記事をご覧ください。

任意保険基準の入通院慰謝料計算方法

任意保険基準における入通院慰謝料は、通院と入院の期間から金額を割り出します。期間ごとに慰謝料の金額があらかじめ決められているので、それをまとめた算定表を見て慰謝料額を確認するのです。

もっとも、任意保険基準の算定表は各社で異なり非公開となっています。そのため、ここではかつて保険会社が統一で使っていた旧任意保険支払基準を目安として見ていきましょう。

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

表の見方

  • たて列を通院期間、よこ列を入院期間とする
  • 通院と入院がある場合は、該当する月が交差する箇所をみる
  • 月は「ひと月あたり30日」とする(暦のことではない)

たとえば、通院1ヶ月の場合なら算定表から12.6万円の慰謝料がもらえることがわかります。入院1ヶ月の通院6ヶ月の場合なら、83.2万円です。

このように、算定表をみるだけで通院期間と入院期間ごとの慰謝料の金額を知ることができます。

なお、入院期間や通院期間を月数に換算したとき、1月と5日のように端数がでることがあります。この場合は、端数日数が該当する月数とその前の月数の差額を日割り計算し、端数日数分の金額を算定します。

実際の計算例を見てみましょう。

例|通院35日の場合(1月と5日)

5日が該当する月数は2月なので、2月の25.2万円から1月の12.6万円を差し引いて端数日数で割ります。
(25.2万円-12.6万円)×5/30日=2.1万円

したがって、1月の12.6万円と5日の2.1万円を合計して通院35日の慰謝料の金額がわかります。
【合計】14.7万円=12.6万円+2.1万円

弁護士基準の入通院慰謝料計算方法

弁護士基準における入通院慰謝料は、通院と入院の期間から金額を割り出します。期間ごとに慰謝料の金額があらかじめ決められているので、それをまとめた算定表を見て慰謝料額を確認するのです。

表をみて金額を確認するという点では旧任意保険基準と同じですが、各月数ごとに定められた金額は弁護士基準の方が高くなっているので、紹介します。

なお、弁護士基準の慰謝料算定表には軽傷用と重傷用の2種類があり、ケガの状況に合わせて使い分けます。

弁護士基準|入通院慰謝料の算定表(軽傷)

軽傷用の表は、むちうち、打撲、すり傷などのケガで用います。

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

弁護士基準|入通院慰謝料の算定表(重傷)

軽傷用の表を用いるケースに該当しない場合は、重傷用の表を使います。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表の見方

  • たて列を通院期間、よこ列を入院期間とする
  • 通院と入院がある場合は、該当する月が交差する箇所をみる
  • 月は「ひと月あたり30日」とする(暦のことではない)
  • 入院待機の期間、ギプス固定等による自宅療養の期間は入院期間とすることがある

たとえば、むちうちで入院なし・通院2ヶ月の場合なら、軽傷用の算定表から36万円の慰謝料がもらえることがわかります。骨折で入院1ヶ月・通院6ヶ月の場合なら、重傷用の算定表を用いるので149万円です。

なお、入院期間や通院期間を月数に換算したとき、1月と5日のように端数がでることがあります。この場合は、端数日数が該当する月数とその前の月数の差額を日割り計算し、端数日数分の金額を算定します。

実際の計算例を見てみましょう。

例|通院35日の重傷の場合(1月と5日)

5日が該当する月数は2月なので、重傷用の算定表より2月の52万円から1月の28万円を差し引いて端数日数で割ります。
(52万円-28万円)×5/30日=4万円

したがって、1月の28万円と5日の4万円を合計して通院35日の慰謝料の金額がわかります。
【合計】32万円=28万円+4万円

交通事故の慰謝料計算方法をさらに詳しく知りたい方は、『交通事故の慰謝料計算方法を解説|慰謝料計算機で金額シミュレーション』や『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』もあわせてご確認ください。

1日だけ通院した場合でも慰謝料はもらえる?

1日だけの通院でも慰謝料はもらえます。
例えば、交通事故後に念のため病院で診察を受けた場合でも、慰謝料はもらえるのです。

自賠責基準では、通院が1日だけの場合、慰謝料は4300円です。
交通事故発生日が2020年3月31日以前の場合は4200円となります。

弁護士基準で計算したときの相場は、通院が1日だけの時、慰謝料は重傷時で9333円、軽傷時で6333円となります。
自賠責基準よりも、弁護士基準で算定する慰謝料額の方が高いです。

もっとも、請求するべきお金は慰謝料だけではありません。慰謝料の他にも、通院交通費・検査費・治療費などの請求が可能です。
最終的に獲得するトータルの金額は、慰謝料だけではないことを覚えておいてください。

通院6ヶ月までの慰謝料相場一覧|1日あたりの金額に換算も

3基準ごとの入通院慰謝料の計算方法がわかったところで、通院1ヶ月~6ヶ月の場合の慰謝料を一覧表でまとめました。比較しながら一気に見ることができるので、弁護士基準の高さが感じられると思います。

3基準比較|通院1~6ヶ月の慰謝料相場一覧

通院期間自賠責任意保険弁護士
1ヶ月12.912.628
(19)
2ヶ月25.825.252
(36)
3ヶ月38.737.873
(53)
4ヶ月51.647.990
(67)
5ヶ月64.556.7105
(79)
6ヶ月77.464.3116
(89)

※慰謝料の単位:万円
※自賠責基準は2020年4月以降発生の事故とし、ひと月半分以上の通院を想定
※任意保険基準は旧任意保険支払基準から作成
※弁護士基準の(  )内はむちうち等の軽傷用

ではここで、通院期間で割り出した入通院慰謝料を日額に換算してみたいと思います。自賠責基準については1日4300円(4200円)と繰り返し紹介していますが、3基準をそれぞれ日額に換算しなおすことで金額差についてさらにイメージしやすくなります。

自賠責基準はひと月のうち半分以上の通院だったとして計算し、任意保険基準と弁護士基準はひと月30日で割って日額を出していきます。

通院1ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準12.9万円、任意保険12.6万円、弁護士基準28万円(19万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準4200円
弁護士基準9333円(6333円)

通院2ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準25.8万円、任意保険25.2万円、弁護士基準52万円(36万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準4200円
弁護士基準8666円(6000円)

通院3ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準38.7万円、任意保険37.8万円、弁護士基準73万円(53万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準4200円
弁護士基準8111円(5888円)

通院4ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準51.6万円、任意保険47.9万円、弁護士基準90万円(67万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準3991円
弁護士基準7500円(5583円)

通院5ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準64.5万円、任意保険56.7万円、弁護士基準105万円(79万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準3780円
弁護士基準7000円(5266円)

通院6ヶ月の慰謝料を日額に換算
自賠責基準77.4万円、任意保険64.3万円、弁護士基準116万円(89万円)を日額に換算します。

自賠責基準4300円
任意保険基準3572円
弁護士基準6444円(4944円)

弁護士基準は通院期間が長くなればなるほど日額が低くなっていきますが、それでも自賠責基準や任意保険基準に比べると高い金額が設定されていることがわかります。

入通院期間ごとや症状ごとの慰謝料相場額をさらに詳しく知りたい方は『交通事故の慰謝料相場|事故別にわかるリアルな金額』の記事で確認可能です。

相手方からの提示額が少ないなら弁護士に相談を

ここまでお読みいただき、保険会社から提示を受けた慰謝料の金額が少ないと感じた方は弁護士に一度、相談することをおすすめします。

保険会社は自賠責基準あるいは任意保険基準に基づく計算でしか慰謝料等の損害額を提示してきません。適正な金額の慰謝料を手にするには、弁護士基準による算定が実現されるように弁護士が交渉していく必要があります。

弁護士が介入することでどのくらいの増額が見込めるのか、まずは無料相談を通して弁護士に目安を聞いてみてください。

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【疑問】自賠基準は慰謝料1日8600円になるのでは?

「自賠責基準でも慰謝料が1日8600円になるのではないか?」という質問をご相談者様から頂くことがしばしばあります。
これは、自賠責基準における入通院慰謝料の対象日数のうち、「実際に治療した日数×2」を用いた式が誤解を招いたのではないかと思われます。

すでに解説したように、自賠責基準で日額4300円にかける対象日数は、以下のうち少ない方です。

  • 治療期間
  • 実際に治療した日数×2

後者の「実際に治療した日数×2」の式が採用されると、「実際に治療した日数」にかけるべき「×2」の部分が4300円の方にかかったように見えてしまい、日額が8600円になるという話が広まってしまったのではないでしょうか。(4200円が適用される事故では8400円となります。)

確かに上記のように考えると、実通院日数1日あたり8600円であるかのように見えますが、2倍をかけるのは日額に対してではなく、あくまで実際に通院した日数に対してだということをおさえておきましょう。
また、通院頻度が2日に1日以上、つまり月の半分以上通院している場合は、そもそも「通院期間」を入通院慰謝料の計算に用いることになるので、1日8600円という考え方は全くの不正解であると言えます。

慰謝料で大切な3つの「いつ」を解説!

入通院慰謝料はいつ受け取れる?

入通院慰謝料は、基本的に示談交渉が終わって示談を締結した後に受け取る流れとなります。示談の成立から振り込まれるまで、順調に行けば大体2週間程度となるケースが多いようです。

詳しい流れとしては、保険会社との間で示談の方向性が決まったら、示談内容を記した示談書が送られてきます。その示談書にサイン・押印して返送すると、保険会社側で内部的な支払いの手続きが行われ、手続き終了後、示談金が振り込まれます。

入通院の慰謝料はいつからいつまでが対象?

入通院慰謝料は、事故日~完治日または症状固定日までの期間が対象です。

症状固定後も痛みが続くために通院をつづけたという場合、原則として症状固定日より後に通院した日数は入通院慰謝料の対象とはならないので気を付けましょう。

もっとも、後遺障害等級に認定された場合は、症状固定日後にも精神的苦痛が生じるでしょう。こうした症状固定以降の、「後遺障害が残ったことで生じる精神的苦痛」に対しては、後遺障害慰謝料を請求できます。

入通院慰謝料の対象期間

ケガのみの場合事故日~完治日
後遺障害が残った場合事故日~症状固定日

後遺障害慰謝料については本記事中「むちうち等の痛みが残るなら後遺障害慰謝料等を請求する」で解説していますので、つづけてご覧ください。

なお、症状固定後の期間に対しては、原則として治療費や休業損害も支払われなくなります。休業損害について詳しくは、『交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある』をご覧ください。

慰謝料請求はいつまで可能?時効はある?

交通事故において、慰謝料等の損害賠償を請求する権利には時効が設けられています。2020年4月1日以降に発生した事故では原則として5年です。

ただし、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料では、時効の起算点が異なるので紹介します。

2020年4月1日以降発生の事故で適用される時効

入通院慰謝料事故日から5年
後遺障害慰謝料症状固定日から5年

もともとの時効は3年でしたが、民法改正により5年に引き伸ばされました。
ただし、以下の点については注意してください。

注意ポイント

  • 以下の場合に関する時効は3年のままである
    • 被害者側の自賠責保険に対する保険金請求
    • 被害者自身の人身傷害保険への保険金請求
    • 物損に関する損害賠償請求
    • 2020年3月31日以前に発生した交通事故の損害賠償請求

むちうち等の痛みが残るなら後遺障害慰謝料等を請求する

後遺障害認定で別途、慰謝料等の請求が可能に

交通事故で負ったケガで懸命に治療をつづけても、首にむちうちの症状が残った、手足にしびれが残った、骨折した後に足が変形した等、後遺症が残ることがあります。

このように治療をつづけてもケガが完治しなかった場合、症状固定日以降の精神的苦痛に対する補償として、後遺障害慰謝料を請求していくことになります。

ただし、後遺障害慰謝料を請求するには単に後遺症が残っているだけでは不十分で、「後遺障害等級」が認定されていなければなりません。

後遺障害等級は障害の重さごとに1級~14級に分かれており、等級によって慰謝料の金額が異なります。

後遺障害慰謝料の算定表|等級別の金額

等級 自賠責弁護士
要介護
1級
1,650
(1,600)
2,800
要介護
2級
1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998
(958)
2,370
3級861
(829)
1,990
4級737
(712)
1,670
5級618
(599)
1,400
6級512
(498)
1,180
7級419
(409)
1,000
8級331
(324)
830
9級249
(245)
690
10級190
(187)
550
11級136
(135)
420
12級94
(93)
290
13級57
(57)
180
14級32
(32)
110

※慰謝料の単位:万円
※( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

たとえばむちうちで後遺障害14級に認定された場合、自賠責基準では32万円、弁護士基準では110万円の後遺障害慰謝料を請求することができるのです。

むちうちについては、請求できる費目全般や該当しうる等級について解説した記事『交通事故で多いむちうちの症状と慰謝料計算方法』がありますので、ぜひご確認ください。

後遺障害等級があれば、逸失利益も請求できる

後遺障害等級が認定されれば、合わせて「逸失利益」も請求できるようになります。
逸失利益とは、交通事故にあわなければ将来的に得られたであろう収入に対する補償です。(症状固定日までの収入に対する補償としては休業損害があります。)

逸失利益は、後遺障害等級別に定められた「労働能力喪失率」、事故前の収入などを考慮して計算されます。
詳しくは、『逸失利益の計算|後遺障害14級や12級の逸失利益はいくら?』をご覧ください。

後遺障害等級は被害者請求で申請する

後遺障害慰謝料を得るためには、後遺障害等級が認定されることが前提条件となっています。後遺障害等級の認定申請をしても、必ずしも等級が認められるわけではない点には要注意です。

残ってしまった症状に見合う等級が認定されるには、審査機関に提出する書類を通し、後遺障害が残存していること・症状の種類や程度を自ら積極的に立証する必要があります。

後遺障害等級の申請方法には以下の2通りのパターンがりますが、適切な等級認定を受けるためには被害者請求の方がおすすめです。

  1. 事前認定:加害者側の任意保険会社が後遺障害申請を行う
  2. 被害者請求:被害者自ら後遺障害申請を行う

それぞれの申請方法の簡単な概要と、なぜ被害者請求の方がおすすめなのかを解説していきます。

事前認定とは

事前認定では加害者側の任意保険会社が後遺障害申請のすべてを行ってくれます。後遺障害の審査に必要な資料や書類などをご自身で集める必要がないので、手間なくすすめることができます。

ただし、加害者側の任意保険会社は申請に必要な最低限のことしかしてくれません。適正な等級が認定されるように積極的な対策をしてくれることはないと思っておいた方がいいでしょう。

被害者請求とは

一方、被害者請求は被害者自ら後遺障害申請を行います。後遺障害の審査に必要な資料や書類などをすべてご自身で集める必要があるので手間がかかります。

しかし、等級認定に有利となる追加書類を添付したり、提出書類の記載内容をブラッシュアップさせたりと万全の対策をしたうえで申請にのぞむことができます。

後遺障害等級の審査は基本的に、書類のみを見て行われます。
書類に不備があったり十分な資料が提出されていなかったりすれば、症状に見合わない等級が認定れる可能性が高いです。

よって、万全の状態にそろえた資料・書類を提出できる被害者請求の方が、おすすめなのです。

後遺障害の申請について詳しくはこちらの記事『交通事故の後遺障害申請の流れ|認定までの期間、手続き、必要書類』をご覧ください。

交通事故の慰謝料を十分に受け取るための3ポイント

(1)通院・治療に関して注意したいこと

交通事故における慰謝料の請求では、ケガが交通事故によるものだという因果関係を証明する必要があります。
ケガと交通事故の因果関係を証明するためには、通院・治療に関して以下の点に注意してください。

  • 診断書は医師に作成を依頼する
  • 継続的な通院をつづける
  • ケガの治療を途中でやめない

それぞれ細かく解説していきます。

診断書は医師に作成を依頼する

交通事故の怪我の治療で整骨院や接骨院に行かれることもあるかと思いますが、診断書は必ず医師免許を持った医師に作成を依頼するようにしてください。
慰謝料の算定に用いられる診断書を発行できるのは病院の医師のみだからです。

診断書は、ケガと交通事故との因果関係を証明するための重要な書類となります。
医師に対して痛みやしびれなどの自覚症状を細かく伝え、診断書にもれなく記載してもらいましょう。

余計なこと、無駄なこと、と思ったとしても、気になった症状は医師にすべて伝えておくことが大切です。

通院先の注意点

交通事故による整骨院・接骨院通院は、治療費や入通院慰謝料の対象外となる可能性があります。整骨院や接骨院へは、医師から許可をもらったうえで、病院への通院も継続しながら通いましょう。

なお、交通事故でケガを負ったら、最初は整形外科など病院の医師に診察してもらうことが重要です。
事故直後のケガの状況を正確に把握・記録しておくことは、慰謝料請求の際に重要だからです。

関連記事:交通事故の治療を整骨院で受けても慰謝料はもらえる|慰謝料の計算と注意点

継続的な通院をつづける

仕事の都合や家庭の事情で通院がおろそかになってしまうという方も多いのですが、ケガの症状に見合った通院頻度で治療を継続するようにしてください。

継続的な通院をつづけないと、治療の必要性がないのではないかと疑問視され、入通院慰謝料の請求が認められない可能性が高くなります。

入通院慰謝料は原則として入通院期間を基準に算定します。しかし、あまりにも通院頻度が低いと、慰謝料の対象期間に含まれないことがあります。

かといって、必要以上に通院をすればいいという意味ではありません。過剰診療を行った場合もまた、慰謝料が認められにくくなったり、治療費の打ち切りなどの問題が生じたりする可能性があるからです。
通院は原則として医師の指示通り、適切な頻度で継続しましょう。

もしまだ治療が必要なのに、相手方保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合は、以下の記事を参考に対処してみてください。

正当な理由があって通院頻度が少ない場合は?

通院の頻度や通院日数はケガの症状によります。例えば、交通事故で骨折をしてしまった場合、ギプス固定をした状態で自宅療養をするケースもあるでしょう。そうなると、通院日数自体はそう多くならない可能性があります。

骨折を治すために適切な対応をとっているにもかかわらず、相手方の保険会社から「通院日数が少ないから慰謝料を減らします」といわれているなら、弁護士へ相談してみてください。
通院日数が少ないことには正当な理由があることを主張し、少ない通院日数でも不利益が生じないよう対応してもらえます。

関連記事『通院でもらえる慰謝料はどのくらい?慰謝料の計算方法と通院時のよくある疑問』では、適切な慰謝料額と通院日数のポイントを解説しています。通院にまつわるよくある疑問もまとめていますので、併せてご覧ください。

ケガの治療を途中でやめない

ケガの治療は途中でやめたりせず、医師が完治または症状固定を判断するまでつづけるようにしてください。

入通院慰謝料の対象期間は、事故日~完治日または症状固定日です。自己判断で通院をやめてしまうとその時点で治療の必要なしとみなされてしまい、慰謝料が低く見積もられたり、治療費の打ち切りにつながったりします。

比較的軽めの症状だと通院がめんどうに感じることもあるかもしれませんが、医師の判断が出るまではきちんと治療をつづけてください。

(2)慰謝料が増額/減額されるケースを知る

ここまで解説してきた交通事故の慰謝料の算定方法は、あくまでも基準にすぎません。交通事故の慰謝料は、公平性を保つために一定の基準を用いて算定されているからです。

しかし、これらの基準は、起こりうる交通事故の状況やケガの状態などすべてに対応しているわけではありません。個別の状況を鑑みて、慰謝料が増額されたり、減額されたりするケースがあることを知っておく必要があります。

慰謝料の増額ケース

慰謝料が増額されるケースとしては、以下のものがあります。

  • 加害者側に故意や重過失がみられる
    交通事故が起きた原因として、加害者側の故意や重過失がある場合、慰謝料の増額事由として扱われることがあります。

    具体的には、加害者側の飲酒・著しい速度違反・無免許運転・ひき逃げ・信号無視・居眠り運転等が故意や重過失に当たります。
  • 加害者側の事故後の対応が不誠実
    交通事故が起きた後の加害者側の対応が不誠実な場合、慰謝料の増額事由として扱われることがあります。

    具体的には、事故後に被害者に対して暴言を吐いた、事故の捜査で事実の隠蔽・嘘の供述・証拠隠滅などをした、被害者遺族に一切謝罪せず反省の色を見せなかった等が該当します。
  • 被害者側のケガの部位・程度が大き
    交通事故で受けたケガの部位や程度がことさらに重大であると判断される場合、慰謝料の増額事由として扱われることがあります。

    具体的には、生死が危ぶまれる状態がつづいた、麻酔なしでの手術等極度の苦痛を受けた、手術を繰り返す必要があった等が当たります。

交通事故では、上に挙げた事由以外にも増額事由として扱われるものが多くあります。
少しでも心当たりがある場合は、弁護士に尋ねることがおすすめです。
なお、増額事由については以下の関連記事でも紹介しているので、確認してみてください。

慰謝料の減額ケース

慰謝料が増額されるケースがあるのであれば、減額されるケースもあります。具体的に挙げられるのは、以下の3点です。

  • 素因減額
    被害者が事故にあう前から持っていた素因(精神的傾向・既往歴・身体的な特徴)によって交通事故の被害が拡大した場合は、慰謝料が減額される可能性があります。

    具体的には、ヘルニアを患っていたため治療が長期におよんだ、うつ病のために外出がしにくく通常よりも治療が長引いた等があげられます。
  • 損益相殺
    交通事故の被害者が損害の補てんとして金銭的な利益を得たことが明らかな場合、減額される可能性があります。

    具体的には、自賠責保険からすでに損害賠償を受領した、労災保険から休業補償給付金や療養補償給付等を受けた、健康保険の傷病手当金や国民健康保険の高額療養費還付金の支給を受けた等の場合があげられます。
  • 過失相殺
    交通事故発生の責任が被害者側にもあるとして過失割合が付くと、その割合分、慰謝料・損害賠償金が減額されます。これが過失相殺です。

    たとえば過失割合が8対2(加害者8:被害者2)であった場合、損害賠償の全体から被害者の過失割合の2割分が減額されることになります。
    過失相殺による減額をおさえる方法は、『過失相殺とは|慰謝料が減額される!減額をおさえる方法3つも紹介』で解説しています。

(3)示談交渉を弁護士に依頼してみる

示談交渉を弁護士に依頼してみようかなと思っても、弁護士費用もかかるゆえに弁護士に依頼するまで踏み切れないという方もいらっしゃるでしょう。

そこで、示談交渉を弁護士に依頼するべき理由をいくつか紹介したいと思います。

弁護士に依頼すべき理由

  • 漏れなく損害賠償を請求できる
  • 示談交渉のストレスが軽減する
  • 後遺障害の知識が豊富で等級認定につながりやすい
  • 弁護士基準の金額が適用される

それぞれの理由を詳しくみていきます。

漏れなく損害賠償を請求できる

交通事故の被害で受け取れるものは慰謝料だけではありません。

交通事故の損害賠償で請求できる項目としては、治療費や休業に関する補償、通院交通費、慰謝料等があげられます。慰謝料だけでも入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料といった種類があります。

交通事故にあうのがはじめてという方は、当然、交通事故の示談交渉もはじめてということになるでしょう。何もわからない状態で保険会社と交渉に入ってしまうと、本来得られたはずの項目のお金が得られない可能性が高まります。保険会社は親切丁寧に「この項目の請求が漏れていますよ」等と教えてくれることはないでしょう。

弁護士があなたに代わって示談交渉をおこなえば、どのような項目が請求することができるのか判断し、漏れなく請求することが可能です。

示談交渉のストレスが軽減する

保険会社の担当者は会社員なので、基本的に平日の日中稼働しているでしょう。仕事中で忙しいときでも、家事で手が離せないときでも、何度も連絡がきてストレスを感じるという方が多いようです。

また、聞きなれない専門用語を電話口で言われ、よく理解できないまま話を進められて不安になったり、高圧的な態度をとられたりと、ご自身のみでの示談交渉はさまざまなストレスを受けることが考えられます。

示談交渉を弁護士に一任してしまえば、このようなストレスから解放され、仕事や家事に集中したり、治療に専念することができます。

後遺障害の知識が豊富で等級認定につながりやすい

交通事故の案件を専門的にあつかう弁護士は、示談交渉の経験が豊富なのはもちろん、交通事故によるケガや後遺障害に関する知識も豊富です。

適切な通院の仕方や医師とのかかわり方についてアドバイスが得られます。このような知識は適切な交通事故の慰謝料を得るために欠かせません。

とくに後遺障害慰謝料に関しては金額も大きいので、後遺障害等級の認定は非常に重要なポイントとなります。後遺障害の専門知識を有した弁護士であれば、後遺障害診断書の書き方、被害者請求による後遺障害の申請方法等に精通しており、認定の可能性を高めることができるでしょう。

弁護士基準の金額が適用される

交通事故の示談交渉をご自身のみで行うと、保険会社が言うままの金額で示談してしまいかねません。弁護士基準が最も適正な金額となるはずなのに、相当低い金額であってもそれがあたかも妥当であるかのように保険会社は提示してきます。

弁護士基準の適用は、弁護士の介入によって実現することができます。「弁護士基準の金額にしてほしい」とご自身だけで主張したところで、保険会社は聞き入れてくれる可能性は極めて低いでしょう。

弁護士基準の適正な金額の慰謝料を得るために、ぜひ弁護士にご依頼いただきたいと思います。

弁護士費用特約・無料相談で弁護士費用の不安も軽減

アトム法律事務所では、24時間365日年中無休で相談予約を受け付け中です。相談料は無料です。交通事故案件の経験豊富なアトムの弁護士が、お困りの内容に応じて丁寧に対応いたします。
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弁護士費用が不安だという方は、ご自身が加入されている任意保険に弁護士費用特約が付帯されているか一度ご確認ください。弁護士費用特約が付いていれば、300万円を上限として保険会社が弁護士費用を支払ってくれます。

弁護士費用特約を利用しても保険の等級に影響はありません。弁護士費用特約を使えば、弁護士費用を気にすることなく弁護士にご依頼いただけます。

まとめ

  • 通院に対する慰謝料は自賠責基準/任意保険基準/弁護士基準でそれぞれ計算方法が違う
  • 自賠責基準では1日あたり4300円の慰謝料が決められているが、弁護士基準ではそれ以上の慰謝料が得られる
  • 痛みが残る等の後遺障害が認められる場合、後遺障害慰謝料が請求できる
  • 適切な入通院慰謝料を得るには、適切な頻度の通院を継続することが大切
  • 示談交渉を弁護士に依頼すると、慰謝料の増額だけでなく様々なメリットがある

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点