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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
飲酒運転による交通事故で被害にあわれた方、死亡事故のご遺族になってしまった方は、やり場のない怒りに苦しまれていることでしょう。
飲酒運転は、極めて悪質な犯罪です。
2007年の道路交通法改正により、厳罰化されてからも、あとを絶たないのが現実です。
加害者が刑事罰に処されても、被害者やご遺族のお怒り・悲しみが癒えることはないでしょう。
当記事では、飲酒運転の被害にあわれた方に向け、事故後の流れや裁判例、慰謝料請求についてやさしく解説していきます。
被害者やご遺族がしかるべく権利を主張できるよう、ぜひ最後までお読みください。
目次
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飲酒運転は、正式には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」に分別されています。
呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上検出されると、酒気帯び運転とされます。
さらに、0.25mgのアルコールが検出されると、減点される点数や行政処分の内容が変わってきます。
酒気帯び運転の刑事罰
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
道路交通法第117条の2第2号
三 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第一項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
酒酔い運転は、呼気のアルコール濃度にかかわらず、飲酒によって正常な運転がでいないと判断された状態をいいます。
酒酔い運転の刑事罰
次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
道路交通法117条の2第1号
二 第六十五条(酒気帯び運転等の禁止)第二項の規定に違反した者(当該違反により当該車両等の提供を受けた者が酒に酔つた状態で当該車両等を運転した場合に限る。)
以下は、事故態様や事故後の行動の悪質さが考慮され、飲酒運転の被害者に認められた慰謝料請求例です。
17歳・男子・高校生
加害者側は、無免許の飲酒運転でした。
加害者は信号無視をし、青信号に従って横断歩道を自転車で横断中の被害者に衝突したにもかかわらず、ケガの救護をしませんでした。
そればかりか被害者に対し、「危ないやないか」などと怒鳴りつけ、被害者の体を揺すったうえに投げつけ、被害者は死亡しました。
このような悪質極まりない態度が考慮され、慰謝料3900万円(本人3000万円、両親各300万円、妹300万円)が認められた事例です。
大阪地裁判決 平成18.2.16 交民39巻1号205頁
3歳および1歳・女児
高速道路の渋滞により、停止中の被害者車両に加害者トラックが追突して炎上しました。
加害者は常習的飲酒運転をしており、被害者の女児2名が、両親の面前で焼死した痛ましい事故です。
被害者それぞれにつき、3400万円の慰謝料が認められました。
東京地裁判決 平成15.7.24 判時1838号40頁
37歳・男
加害者が無免許飲酒運転中に、居眠りをしたことで起こった事故です。
加害者は、センターオーバーしたが被害者救護にあたらず、さらには運転者について虚偽の供述をおこない、同乗者にも口裏合わせを求めていました。
同事故で被害者の長男も死亡し、被害者の妻と2人の娘も重傷を負いました。
本人2500万円、妻300万円、子3人各200万円、父母各100万円、計3600万円の慰謝料を認められた裁判例です。
さいたま地裁判決 平成19.11.30 交民40巻6号1558頁
交通事故が起こったら、まずは警察に届け出ます。
死亡事故の場合、事故の当事者は警察の供述調書の作成に協力することになるでしょう。
被害者側の運転者がすでに死亡しており、他の被害関係者がいれば、その方が対応することになります。
飲酒運転の加害者が起訴された場合、まもなく刑事裁判が始まります。
刑事裁判の判決が出れば、加害者の量刑は確定しますが、あくまで刑事事件が終わったということのみです。
被害者側の遺族は別に、民事の分野で損害賠償請求をおこなうのが通常でしょう。
交通事故の損害賠償請求は、通常双方の保険会社に連絡後、示談交渉の場でおこないます。
示談交渉は、基本的に当事者もしくは保険会社同士の話し合いでおこなわれ、死亡事故の場合、四十九日が終わったあたりで始まることが多いです。
被害者の損害賠償請求先は、加害者加入の任意保険会社もしくは加害者本人となります。
加害者の悪質な飲酒運転で大切な命を奪われた被害者遺族にとって、示談交渉は気の重い作業となるでしょう。
しかし、被害者側が気を付けなければならないのは、人身事故の損害賠償を請求できる権利は、5年の時効により消滅してしまうことです。
死亡事故の慰謝料請求は、弁護士に代理してもらうと安心かつスムーズです。
ご心配な弁護士費用については、自動車保険などに付帯されている弁護士費用特約を利用するといいでしょう。(弁護士費用特約という名称は保険会社により異なります。)
交通事故の時効については、『交通事故の示談に期限はある?|被害者が知っておくべき時効の中身』を参考にしてください。
交通事故で、双方に認められる過失の程度を過失割合といいます。
また、正式に決まった過失割合は、のちに受け取る慰謝料額に直結します。
被害者の過失が40%、加害者の過失が60%、損害額が1000万円だったとすると、被害者の受け取ることのできる金額は600万円になります。
飲酒運転の被害事故にあわれた被害者の過失割合は、修正要素という作業により、有利になる場合がほとんどです。
その理由は、酒気帯び運転や酒酔い運転などは「著しい過失」・「重過失」とされ、そのぶん加害者側の過失分が加算されるからです。
修正要素とは、基本の過失割合から加算や減算をおこなうための要素をいいます。
加害者に重過失がある場合は、加害者側に5%~20%の加算、酒気帯び運転の場合は「著しい過失」とされ、5%~10%程度加算されることになるでしょう。
過失割合で問題になるのは、決定までの交渉です。
被害者は、安易に加害者側が主張する過失割合に納得してはいけません。
死亡事故といえど、加害者側の保険会社が、被害者にとって納得のいく損害額を算定してくれるわけではありません。
過失割合の決定、ひいては慰謝料請求額に関しては、弁護士であればもっとも高額な基準で請求することが可能です。
また、過失割合は非常に複雑であるため、マニュアル通りに修正要素を加減し、シンプルに確定するようなものでもありません。
飲酒運転などの複雑な事案は特に、弁護士に一度は相談しましょう。
過失割合については、こちらの関連記事『交通事故の過失割合|決定の流れ』でさらに詳しく解説しています。
弁護士基準での死亡慰謝料の相場をみてみましょう。
弁護士を介さず、加害者側の保険会社に算定を任せてしまうと、低額になるため注意が必要です。
弁護士基準は、裁判でも用いられる慰謝料などの算定基準です。
保険会社が低額提示してきた場合は、交渉をおこなう余地があるでしょう。
死亡逸失利益とは、被害者が生きていれば得られていたであろう利益です。
つまりは労働などによって、今後得られていたであろう収入を算定したものになります。
死亡逸失利益の算定方法は以下です。
基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
専業主婦などの家事従事者についても、死亡逸失利益は認められます。
収入を得ていないからといって泣き寝入りすることのないよう、請求をおこないましょう。
生活費控除率とは、将来得られていたであろう収入から、生活費に相当する額を差し引くための数値をいいます。
原則として、以下の割合で控除されます。
男性の場合・・・50%
女性の場合・・・30%
一家の支柱(被扶養家族1名の場合)・・・40%
一家の支柱(被扶養家族2名以上の場合)・・・30%
ライプニッツ係数とは、将来分を前倒しで受け取ることのできる逸失利益から、その期間の利息を差し引くために用いる数値をいいます。
将来受け取ることのできる金額をすべて先に受け取るとなると、本来よりも多くの利益を得ていると考えられるためです。
ライプニッツ係数は、就労可能年数に応じて定められており、基本的には死亡時から67歳まで就労可能であるとしています。
また、就労可能始期は18歳とされています。
死亡慰謝料や死亡逸失利益については『交通事故の慰謝料計算機』で簡単に計算することができます。
葬儀費用の額は、高額な弁護士基準では原則150万円となっています。
この金額を下回る場合は、実際に支出した額となります。
裁判例では、170万円あまりを認めた例もあり、一概に150万円が上限であるとは言い切れません。
また、弁護士基準を用いず、自賠責基準で算定された葬儀費用は100万円です(2020年3月31日以前に起きた事故については原則60万円)。
実際に支出した金額と差がある場合には、適正な金額で請求することを検討しましょう。
これまでみてきたように、飲酒運転の死亡事故では、多額の賠償金を請求していくことになります。
しかし、肝心な請求者たる本人はすでに死亡しているため、実際の請求者は被害者の相続人になります。
相続人は、基本的には配偶者や子供、父母などです。
また請求できる死亡慰謝料には、近親者固有の慰謝料も含まれており、遺族は亡くなった方の分と、ご自身の取り分を請求する権利があります。
交通事故の遺産分割、請求可能な相続人については、『交通事故の慰謝料|遺産分割できる相続人は?相続分はどれくらい?』で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
英語:TOEIC925点
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