交通事故・刑事事件に加えて借金問題・労働問題の対応を本格化しています。

交通事故示談のテクニック|示談交渉で苦労しないための交渉術とは

更新日:

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の示談交渉は、「合意」ですべてが解決します。
しかしその「合意」にいたるまで、長い道のりをたどることも珍しくありません。

被害者は、早期に納得のいく示談・解決を望むのであれば、示談交渉のテクニックや知識を身につけるしかありません。

当記事では、弁護士の示談交渉のテクニックや、被害者の示談交渉をサポートするヒントをご紹介しています。

これから示談交渉をされる方にとって、まずは保険会社の提示金額を鵜呑みにしないことうかつに示談書にサインしないこと、このふたつは、巧妙な保険会社に勝つための大前提ともいえるでしょう。

保険会社の提示額は適正な金額より
はるかに低い可能性があります!

示談金2097件増額実績 無料相談21121件相談実績
2020年5月31日時点の累計

保険会社の提示額は適正な金額より
はるかに低い可能性があります!

相談料0円

着手金0円

完全成功報酬

被害者が自分で示談交渉をする場合と開始時期

被害者側の過失がゼロの場合、被害者はご自分で示談交渉をする必要があります。

弁護士などの代理人に示談交渉を依頼することは法律上認められています。
示談交渉であれこれ勉強をする余裕のない方は、最初から弁護士に依頼した方がいいでしょう。

示談交渉は、傷害事故の場合、治療後(完治後)に始まります。
また、後遺症が残った場合は、後遺障害等級認定後に始まります。

そのため、ご自分で交渉をおこなう場合、治療後すぐに保険会社と対等に戦える準備ができてなくてはいけません。

死亡事故であった場合は、死亡後すぐに示談交渉が始まりますので、精神的にも余裕のない方がほとんどでしょう。
もちろん、気持ちが落ち着かれてから交渉を始めるぶんには問題ありません。

しかし、示談金を加害者側に請求できる権利は、5年(物的損害は3年)の消滅時効にかかります。
あまり悠長にかまえていては、権利を行使できなくなるため注意が必要です。
示談交渉から示談金確定までには、相当の時間を要することもあるからです。

示談交渉のテクニックとは?知識がカギ

示談の意味や流れ・示談金の計算方法を知る

示談とは何なのか。
示談交渉をする被害者は、まずはそのことを知っておかなければいけません。

示談とは、当事者同士の話し合いをいいます。
法律上は「和解契約」のことをいい、当事者の合意のみで和解は成立します。

示談が成立すれば、あとからやり直しはできません。
示談金が確定するまでには、実際にかかってくる治療費のほか、過失割合なども影響することを知っておく必要があります。
被害者だからといって、過失が低く見積もられるとは限りませんし、過失割合の確定にも交渉が必要になります。

被害者に過失があればつねに※過失相殺されるとも限りませんが、過失責任自体をまぬがれることはできませんので、内容を十分に知っておく必要があるでしょう。

※過失割合分を被害者の賠償金から差し引き、受取金額を減額させること

民法第七百二十二条
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

民法722条2項(e-Gov)

交通事故の示談金にはさまざまな項目があります。

その内容や※計算方法を知っておくことは、ご自分で示談交渉をするうえで非常に重要です。
正しい知識も誤った知識も、すべて「示談書」に反映されます。
被害者のもつ「知識」は、示談交渉のテクニックのうちもっとも重要といえるでしょう。

※示談金の計算方法とは?

交通事故(人身事故)の示談金のうち、治療費や交通費など実費請求できるもの以外は、計算基準により金額が変わります。
たとえば慰謝料などですが、自賠責保険の支払い基準で計算される「自賠責基準」・任意保険が計算する「任意保険基準」・示談交渉で弁護士が使ったり裁判で使われたりする「裁判基準」(弁護士基準ともいいます)があります。
裁判基準で計算された示談金はもっとも高額になります。

ご自分で保険会社と交渉をおこなう際は、「裁判基準」を知り、任意保険基準で計算された示談金を上まわるためのテクニックが必要になるでしょう。

保険会社のテクニックにも冷静に対応

加害者側が相手の任意保険である場合、保険の担当者が被害者に直接交渉してきます。
示談金が確定するのは交渉が終わってからですが、示談交渉中においては、保険会社の心理を読み取る力も必要です。

被害者の治療が長引いてしまうと、そのぶん保険会社は多くの治療費を支払わなければいけません。
そのため保険会社は、できるだけ治療を早期に終わらせるよう、治療費打ち切りの打診をしてくることもあります。

そういった交渉には乗らないようにしましょう。
まずは医師へ相談することが必要です。

また、保険会社に主導権を握られないためには、保険会社の弱点をつくことも重要です。
ただし、感情的になってはいけません。
示談には双方の「譲歩」も必要になってくるため、ご自分の主張だけが認められると勘違いするのもよくありません。

保険会社がいやがる方法とは

保険会社がおそれていることとは何なのでしょうか?
実は答えはシンプルです。

  1. 被害者側に弁護士がついての示談交渉
  2. 被害者側に裁判を起こされること

おおきく上記にまとめることができるかと思います。

まず1ですが、被害者の示談交渉の代理人が弁護士である場合、被害者が請求できる賠償金はすべて裁判基準(弁護士基準)で計算されます。

保険会社にとってもっとも都合がいいのは、保険会社が示談交渉の主導権を握り、保険会社の基準で計算された示談金で被害者と合意することです。
また、任意保険だからといって、任意保険の基準で最初から交渉してくるとも限りません。
最低限の自賠責基準で交渉をしてくる担当者もいますので、被害者は合意しないよう注意しましょう。

2の裁判への移行もほぼ1と同様です。

裁判になっても、結局は裁判基準で損害金が計算されます。
つまり保険会社の支払い金額が増額することをいいますが、裁判になれば時間と費用が発生するため、保険会社はいやがります。

被害者がご自分で交渉を続ける場合は、示談金の請求額を明確にしておくことが必要でしょう。
ご自分で計算した請求額が明確でない場合、対抗できる材料がないのも同然だからです。

示談成立のために知っておきたいこと

示談書作成の注意点

示談は形式を問わないため、口頭でも成立します。

しかしだからといって、示談内容を示談書などにしておかなければ、証拠が作成されません。
のちのトラブルにつながらないためにも、示談が成立したら示談書を取り交わしましょう。

示談書作成の注意点とは、まずは事実を明確にすることです。
示談書の項目はいくつかありますが、もっとも重要なのは示談の内容や条件面の記載です。
示談は、成立してしまえば当事者一方の希望で取り消しや変更ができません。

被害者にとって不利な内容になっていないかどうか、最終的に弁護士などに相談し、確認しておくと安心でしょう。

また、示談で解決したというためには、肝心な示談金の支払いがなされていなければ意味がありません。
加害者側が保険会社であればそう心配ないですが(ただし、対人賠償保険が無制限でない場合は注意が必要)、賠償資力のない加害者個人の場合、支払方法にも留意しておく必要があります。

示談金は、分割して支払ってもらうことも可能です。

加害者側がどうしても示談で解決したい場合とは?

加害者の事故態様によっては、刑事事件がからむこともあります。
示談交渉は民事的な交渉、つまり当事者同士の交渉をいいますが、加害者は場合によって刑事責任を負うこともあります。

刑事裁判をおこなうかどうかは検察官が決めることですが、加害者が起訴されてしまうかどうかの判断は、示談とも関係があるのです。

被害者と加害者のあいだで示談が成立しているかどうかで、起訴・不起訴におおきな影響があることを知っておいてもいいでしょう。
早期の示談成立は、加害者にとっても重要なことですので、これら背景を知っておけば示談がスムーズにいくことも考えられます。

それらをふまえ、賠償金(示談金)の請求額を確定させましょう。
しかしその場合であっても、正当な金額で主張することが大切です。

ポイントは、裁判基準で計算された高額な基準かつ、譲歩も視野に入れたトラブルを避けるための対応といえます。

被害者側から無茶な主張をしても、紛争がこじれるだけですので注意しましょう。

示談書より強力な公正証書の作成

示談書の内容をより確実にしたい場合、公正証書にするという方法もあります。

公正証書は、示談書のような一般的な文書よりも強い法的効力があります。
公正証書は、一定の要件を備えれば、その内容にもとづいて強制執行をおこなうことが可能になるのです。

公正証書の作成は、公証人がいる公証役場でおこなう必要があり、当事者双方が出向かなければなりません。
また費用も発生するため、作成を検討しているのであれば、公証役場に問い合わせておいたほうがいいでしょう。

弁護士の交渉テクニック

示談金の内容・範囲を明確にする

弁護士が示談交渉をおこなう場合、活用する知識は膨大になりますが、ここではその一部をご紹介します。

まずは損害の範囲を把握することです。

傷害事故の場合、治療費や入院・通院したことに対しての慰謝料などをはじめ、仕事を休んだことに対する休業の補償、後遺症が残った場合の慰謝料などがあげられます。

また、そのほかにも家事代行のため家政婦をやとった場合の費用や、障害が残ったことにより自宅を改造した場合などの費用、子供の保育費などが認められることもあります。

何をどれだけ請求できるかの把握は、示談金を確定させるために欠かせません。

また、加害者側の代理人が保険会社であっても、被害者が有利になるような損害金をすべて計上してくれるわけではありません。

被害者が損害を受けた内容は、被害者にしか請求できないことを忘れないでください。
被害者が損害を受けた項目や妥当な金額は、弁護士であれば熟知しています。

金額提示は最初は大きく・相手の立場も考慮して

保険会社と示談交渉をおこなう場合、双方で示談案が取り交わされます。

弁護士は裁判基準(弁護士基準)、保険会社は任意保険基準(もしくは自賠責基準)で交渉をおこないますが、両者は利害関係にあり対立しています。

弁護士の交渉テクニックとしては、まずはできる限り高額な算定で保険会社に金額提示することです。
保険会社としては裁判基準自体にはあらがえないものの、自分の会社の損失を抑えることにも注力しています。
そのため、弁護士の提示金額にすぐに納得することはないでしょう。

ここから早期に示談金を確定させていくわけですが、示談交渉で忘れてはならないポイントとして、「冷静に対応すること・譲歩すること」があげられます。
たとえば被害者個人で交渉する場合、どうしても満額で請求しようとしたり、保険会社の対応に苛立ちを覚えたりすることがあります。
そのような態度で臨んでは、早期解決は難しいでしょう。

弁護士は、「大体これくらいの金額まで歩み寄れば交渉は成立するだろう」といった目安についてもある程度わかっているため、上手に歩み寄っていきます。

弁護士は、数々の裁判例や示談交渉のテクニックについて、誰よりもわかっている人物です。
被害者は示談交渉を始める前に、弁護士に相談だけでもしてみるといいでしょう。

示談テクニックまとめ

  • 示談交渉は冷静におこなうのが鉄則
  • 示談交渉には示談金の項目・計算基準の把握が重要
  • 早期解決には加害者側の背景を読み取ることも重要
  • 示談交渉の場では「正当な金額」で主張することが大前提
  • 示談交渉に必要なものはとにかく「知識」
  • 示談テクニックを熟知し示談経験が豊富なのは弁護士である

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

あわせて読みたい記事

全ての記事を見る