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交通事故の被害者請求とは?自賠責保険に自分で請求をする方法

更新日:

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

被害者請求とは、交通事故の被害者が加害者側の自賠責保険会社に対し、損害賠償金を直接支払うよう自分で請求する方法のことです。

被害者請求のやり方を知っておけば、最低限の補償を迅速かつ確実に受けられる可能性が高まります。

特に、示談成立前に損害賠償金を受け取りたい方、被害者側の過失割合が大きい方、加害者が任意保険未加入の方にとって被害者請求のメリットは大きいので、ぜひご覧ください。

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被害者請求とは?基礎知識をご紹介

自賠責保険に被害者が直接、損害賠償請求すること

「被害者請求」とは、交通事故の被害者が、加害者側の自賠責保険に対して直接損害賠償金を請求することです。
被害者請求による損害賠償請求は、一般的な損害賠償請求とは異なるので、どのように違うのか解説していきます。

被害者請求は、一般的な損害賠償請求とどう違う?

交通事故の被害者になった場合、損害賠償金は基本的に、加害者側の自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と任意保険から支払われます。

自賠責保険交通事故被害者に対する最低限の補償を目的に、加入が義務付けられている保険
支払金額には上限がある
任意保険自賠責保険の支払い上限額を超えた部分を補償する保険
加入は任意

自賠責保険からの損害賠償金(保険金)の支払われ方は「加害者請求」または「任意一括対応」が一般的です。

加害者請求の流れ

  1. 加害者が被害者に対して損害賠償金を支払う
  2. 加害者は、支払った分の金額を加害者自身の自賠責保険に請求する

※損害賠償金が自賠責保険の支払い上限額を超える場合、加害者は超過分を自身の任意保険に請求する。加害者が任意保険に入っていなければ、超過分は加害者自身の負担となる。

任意一括対応の流れ

  1. 加害者側の任意保険会社から、損害賠償金が一括で被害者に支払われる
  2. あとから、加害者側の任意保険と自賠責保険との間で清算が行われる

しかし、加害者請求の場合は、加害者に資力がなければそもそも「加害者請求の流れ1」の段階に入れないので、被害者はなかなか自賠責保険分を含めた損害賠償金を受け取れないリスクがあります。

また、加害者請求・任意一括対応ともに、示談成立後でないと支払いを受けられないため、示談が長引くと損害賠償金の受け取りが遅れるというリスクもあります。

このように、加害者請求や任意一括対応にはさまざまな問題点がありますが、そうした問題点に対応できるのが、「被害者請求」なのです。

被害者請求の流れ

  1. 被害者が、加害者側の自賠責保険に直接損害賠償請求をする
  2. 加害者側の自賠責保険から被害者に、損害賠償金が支払われる

※損害賠償金が自賠責保険の支払い上限額を超える場合、被害者は超過分を加害者本人または加害者側の任意保険に請求する

これなら、加害者が任意保険に入っておらず資力がない状態でも、ひとまず自賠責保険分の金額をスムーズに受け取れます。
また、自賠責保険分の金額に限っては示談成立前でも受け取りが可能なので、示談交渉が長引いても安心です。

被害者請求は自動車損害賠償保障法16条で定められている権利のため、「16条請求」と呼ばれることもあります。

第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。

自動車損害賠償保障法第16条第1項

なお、加害者が自賠責保険に未加入の場合や、ひき逃げで加害者が不明の場合など、自賠責保険に損害賠償請求できないケースでは、政府の保障事業の利用を検討してみましょう。

政府保障事業について詳しく知りたい方は、損害保険料率算出機構の該当サイトをご覧ください。

被害者請求と加害者請求のメリット・デメリット

ここまでの内容を踏まえて、被害者請求・加害者請求それぞれのメリット・デメリットをまとめてみます。

被害者請求のメリット・デメリット

メリット加害者が任意保険未加入かつ資力がないケースでも、最低限の補償をスムーズに受けられる
示談成立前に損害賠償金が受け取れる(ただし上限あり)
デメリット被害者側が必要書類の収集や提出といった請求手続きをする必要がある
人身事故の場合しか利用できない

自賠責保険はそもそも人身に関する損害賠償金しか支払わないので、物損事故では被害者請求はできません。この点にはご注意ください。

加害者請求のメリット・デメリット

メリット保険会社に対する手続きは加害者が行うので、被害者には手間がかからない
デメリット加害者が手続きをするので手続きの内容が見えにくく、被害者の事情が反映されるとは限らない

ここまでの話を総括すると、示談成立前に損害賠償金が必要な場合・加害者が任意保険未加入かつ資力がない場合は、被害者請求を利用するメリットが大きいと言えるでしょう。

自賠責保険への被害者請求を拒否される3ケース

自賠責保険に被害者請求をしても、無条件に請求が認められるわけではありません。

以下のようなケースでは請求を拒否されてしまいます。

  1. 加害者が無責(過失割合が0)のケース
  2. 交通事故と損害との因果関係が証明できないケース
  3. 加害者がわざと交通事故を起こしたケース

それぞれについて解説していきます。

加害者が無責(過失割合が0)のケース

自賠責保険は、加害者が支払うべき損害賠償金を肩代わりする保険です。

しかし、加害者の過失割合が0の場合は、そもそも加害者に損害賠償金を支払う責任がありません。よって、自賠責保険が肩代わりすべきお金もないので、被害者請求をしても拒否されてしまいます。

2. 交通事故と損害との因果関係が証明できないケース

被害者請求をする場合、交通事故と損害との因果関係は、被害者が証明しなければなりません。

そのため、車両の損傷が判然としない軽微な事故など、事故と怪我との因果関係が証明できないケースでは、請求が拒否される可能性があります。

3. 加害者がわざと交通事故を起こしたケース

自動車損害賠償保障法14条では、「保険契約者又は被保険者の悪意によつて生じた損害についてのみ、てん補の責めを免れる」と定められています。

この条文は、「わざとでなく事故を起こしたのであれば自賠責保険が加害者の肩代わりをしてあげるけど、わざとなら肩代わりはしてあげないよ、加害者自身で損害賠償金を支払いなさい」という内容です。

そのため、加害者がわざと交通事故を起こした場合は、被害者請求をしても拒否されてしまいます。

補足|後遺障害等級認定にも「被害者請求」がある

ここまで紹介してきたのは、損害賠償請求における「被害者請求」についてです。
ただし、後遺障害等級認定の手続き方法にも「被害者請求」というものがあるので、ここで紹介しておきます。

後遺障害等級認定とは

交通事故によって残った後遺症に対して、「後遺障害等級」を認定してもらう手続きのこと。後遺障害等級が認定されれば、等級に応じた金額の後遺障害慰謝料・逸失利益を請求できる。

後遺障害等級認定の申請手続きには、被害者請求・事前認定の2種類がある。

交通事故で治療をしていると、これ以上治療をしても大幅な改善は見込めない、つまり後遺症が残ったという状態になることがあります。これを「症状固定」といいますが、症状固定に至ると、後遺障害等級の認定審査を受ける必要があるのです。

では、被害者請求と事前認定がそれぞれどのようなものなのか、簡単に解説していきます。

被害者請求とは

被害者請求とは、必要書類をすべて被害者自身が集め、加害者側の自賠責保険会社を介して審査機関に提出する方法です。

被害者請求のメリット・デメリット

メリット追加書類の添付や記載内容のブラッシュアップが可能
よって、適切な審査結果が出る可能性を高められる
デメリット書類集めに手間がかかる
効果的な追加書類・記載内容を把握していないと、メリットを生かしきれない

後遺障害等級は後遺障害慰謝料・逸失利益の金額に影響します。
よって、適切な等級に認定されるための対策を取りやすい被害者請求の方が、事前認定よりもおすすめです。

書類集めや提出書類の精査は弁護士にも依頼できます。

事前認定とは

事前認定とは、加害者側の任意保険会社を介して必要書類を審査機関に提出する手続き方法で、ほとんどの書類は任意保険会社が集めてくれます。

事前認定のメリット・デメリット

メリット書類集めの負担が少ない
デメリット追加書類の添付・記載内容のブラッシュアップができない
よって、適切な審査結果が出ない可能性が、被害者請求よりも高い

後遺障害等級認定については、『後遺障害申請は被害者請求と弁護士依頼が正解』で詳しく解説しているので、後遺症が残った方は是非ご確認ください。

被害者請求でもらえる費目と上限額

被害者請求で請求できるのは人身に関する費目のみ

交通事故で、自賠責保険に被害者請求できるのは、「人身損害」に関する損害賠償金だけです。

交通事故損害賠償の内訳
交通事故損害賠償の内訳

上記のうち、修理費などの物損については、自賠責保険に被害者請求はできず、加害者や任意保険会社に請求していく必要があります。

この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

自動車損害賠償保障法第1条

では、自賠責保険に請求できる損害賠償金のうち、傷害分(治療中に発生する費目)の内訳と、後遺障害分(治療終了後に発生する費目)の内訳、死亡事故の場合の費目を見ていきましょう。

被害者請求できる損害項目(1)傷害分の内訳

傷害により生じた損害として、被害者請求できる損害項目には以下のようなものがあります。

項目内容
治療関係費治療費、通院交通費、看護料、雑費、診断書代など
文書料交通事故証明書や印鑑証明書など被害者請求に必要な文書料
休業損害事故による怪我が原因で、休業したことによる減額分の補償
入通院慰謝料事故による怪我で入通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償

休業損害は、自賠責保険から支払われる分については原則日額6100円です。しかし、加害者本人または加害者側の任意保険会社と行う示談交渉では、実際の日額に近い金額が認められる可能性もあります。
詳しくは『交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある』をご覧ください。

自賠責保険から支払われる慰謝料額については、『自賠責保険から慰謝料はいくらもらえる?』で解説しています。

被害者請求できる損害項目(2)後遺障害分の内訳

残存した後遺症に対して「後遺障害等級」が認定されると、以下の損害項目を被害者請求できます。

項目内容
後遺障害慰謝料後遺障害の残存により、今後強いられる精神的苦痛に対する補償
後遺障害逸失利益後遺障害の残存により、将来得られたはずの収入に対する補償

自賠責保険から支払われる慰謝料額については、『自賠責保険から慰謝料はいくらもらえる?』で解説しています。

被害者請求できる損害項目(3)死亡事故の場合

死亡事故によって生じた損害として、被害者請求できる損害項目には以下のものがあります。

項目内容
死亡慰謝料命を奪われた被害者本人や残された遺族の精神的苦痛に対する補償
死亡逸失利益被害者が生きていれば得られたはずの経済的利益の喪失に対する補償
葬儀費100万円

自賠責保険から支払われる慰謝料額については、『自賠責保険から慰謝料はいくらもらえる?』で解説しています。

自賠責保険からもらえる保険金限度額

自賠責保険はあくまで被害者の損害を最低限補償するための保険なので、被害者請求で自賠責保険からもらえる金額には、以下のような限度額が存在します。

  • 傷害分:120万円
  • 後遺障害分:75万円~4000万円
  • 死亡分:3000万円

上記のうち、後遺障害分の上限額は、「後遺障害等級」に応じて決められています。後遺障害等級は1~14級まであり、数字が小さい程症状が重いです。

等級保険金(共済金)限度額
1級(要介護)4000万円
2級(要介護)3000万円
1級3000万円
2級2590万円
3級2219万円
4級1889万円
5級1574万円
6級1296万円
7級1051万円
8級819万円
9級616万円
10級461万円
11級331万円
12級224万円
13級139万円
14級75万円

被害者請求で得られる自賠責保険の金額を超える分は、加害者側の任意保険会社または加害者本人に対して請求し、不足分を補てんします。

限度額に関して詳しく知りたい方は『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説』の記事をご覧ください。

自賠責保険への請求には「仮渡金制度」もある

自賠責保険にお金を請求する方法には、「仮渡金請求」というものもあります。
仮渡金請求では、「損害の程度に応じて設定されている一定金額」が支払われます。
ケガの場合で5万円~40万円、死亡の場合で290万円です。

仮渡金は損害賠償金の前払いのような形をとるので、仮渡金として受け取った金額は、あとから支払われる損害賠償金からは差引かれます。

被害者請求と仮渡金請求の特徴をまとめると、以下の通りです。

被害者請求

  • 請求のタイミング
    • 示談成立前でも可能。
    • ただし、治療費や休業日数、治療期間などが判明した段階にならないと請求できない。
  • 請求できる金額
    • 実際の治療費や休業日数、治療期間などをもとに、自賠責保険用の計算方法によって決められる。
    • 上限額がある。

仮渡金請求

  • 請求のタイミング
    • 示談成立前でも可能。
    • 治療費や休業日数、治療期間などがすべて判明する前でも問題ない。
  • 請求できる金額
    • ケガの場合で5万円~40万円、死亡の場合で290万円。

詳しくは『交通事故慰謝料はいつ支払われる?支払いを早める方法をご紹介!』内の「2-1. 自賠責保険から受け取る方法」にて解説しています。

被害者請求をした方がいいケースは?

(1)加害者側との示談前に一定の金額を受け取りたい

加害者請求や任意一括対応では、基本的に示談が成立してからでないと損害賠償金を受け取れません。
しかし、被害者請求を行えば、示談成立前であっても自賠責保険の支払い分を受け取れるので、特に以下のケースではメリットが大きいでしょう。

  • 医療費(治療費や診断書代)を立て替えていて、交通事故による出費が膨らんでいるケース
    ※医療費は、加害者側の任意保険会社が治療と並行して、病院に直接支払ってくれることが多い
  • 示談交渉が長期化していて、なかなか損害賠償金を受け取れないケース

(2)被害者側の過失割合が大きい場合

交通事故の過失割合は、被害者側にも付くことがあります。
被害者側に過失割合が付くと「過失相殺」によってその割合分、損害賠償金が減額されてしまいます。

しかし、被害者請求を行えば、自賠責保険の支払い分に適用される過失相殺の減額幅は小さくなるのです。

被害者請求した場合の過失相殺

被害者の過失割合減額割合
(傷害分)
減額割合
(後遺障害・死亡分)
7割以上8割未満2割減額2割減額
8割以上9割未満2割減額3割減額
9割以上10割未満2割減額5割減額

そのため、被害者側の過失が大きい場合には、被害者請求を行った方が最終的な獲得金額が多くなる可能性があります。

(3)加害者が任意保険未加入かつ資力不足

加害者が任意保険に未加入かつ資力不足である場合は、加害者請求による損害賠償金の支払いが行われます。
つまり、示談成立後に加害者本人から損害賠償金を支払ってもらい、その後加害者が、自分の自賠責保険に保険金を請求するのです。

しかし、加害者が資力不足だと、示談交渉で決まった損害賠償金がきちんと支払われなかったり、分割払いで少額ずつしか受け取れなかったりする可能性があります。
このような場合は被害者請求を行うと、ひとまず自賠責保険の支払い分のみ一括で受け取れるので安心です。

被害者請求のやり方を知っておこう

被害者請求の保険金支払いまでの流れ|いつ・どうやって?

被害者請求全般の流れは以下のとおりです。

  1. 加害者の加入する自賠責保険会社を特定する
  2. 特定した自賠責保険会社から請求書などの書式を取り寄せる
  3. 書類を準備し、自賠責保険会社へ請求書などの必要書類を提出する
  4. 自賠責保険会社が書類に不備がないか確認して、調査機関である損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)へ送付する
  5. 自賠責損害調査事務所が、事故の発生状況、自賠責保険の対象となる事故かどうかや因果関係、発生した損害などを公正かつ中立の立場で調査する
  6. 損害保険料率算出機構が自賠責保険会社に調査結果を報告する
  7. 調査結果を踏まえ、自賠責保険会社が支払基準に従って保険金を支払う

加害者が加入する自賠責保険会社は、通常、交通事故証明書から特定できます
交通事故証明書には、警察が確認した事故当事者の車検証と自賠責保険証の内容が記載されているからです。

交通事故証明書の入手方法については『交通事故証明書は何に使う?記載内容は?申請方法を知れば被害者でも入手可能』の記事で確認できます。

まれに交通事故証明書を見ても、加害者側の自賠責保険がわからないことがあります。その場合は弁護士照会などの手段をとる必要があるので、弁護士までお問い合わせください。

被害者請求をするタイミングは?

被害者請求は、請求期限及び上限額に達するまではいつ・何回でも請求できます。自賠責保険に被害者請求ができる期間は3年です。これについてはのちほど詳しく解説します。

なお、後遺障害分については、損害賠償請求によって、後遺障害等級認定の申請がなされたことになります。

保険金の支払い金額に不服がある場合は?

保険金の支払い金額や金額に影響する後遺障害等級など、自賠責保険会社の決定に不服がある場合には、「異議申し立て」という方法により再審査を求めることができます。

ただし、異議申し立てをしても決定が覆る確率は高くないため、異議申し立てを行うべきかどうかは、事前に弁護士などに相談することをお勧めします。

関連記事

後遺障害の異議申し立てを成功させる方法

被害者請求の必要書類及び取得方法

自賠責保険に対する被害者請求の必要書類と取得方法は以下の表のとおりです。

必要書類取得方法
保険金(共済金)・損害賠償額・仮渡金支払請求書自賠責保険から書式を取り寄せ、被害者自身で作成
交通事故証明書自動車安全運転センターから取得
人身事故証明書入手不能理由書
(警察で物損事故扱いの場合)
加害者側に作成を依頼
事故発生状況報告書自賠責保険から書式を取り寄せ、被害者自身で作成
医師の診断書・診療報酬明細書
(死亡の場合は死体検案書)
受診した医療機関すべてから取得
施術証明書・施術費明細書
(整骨院や接骨院に通った場合)
施術を受けた整骨院や接骨院から取得
通院交通費明細書
(タクシー利用の場合は領収書)
自賠責保険から書式を取り寄せ、被害者自身で作成
付添看護自認書
(病院で要付添とされた場合)
自賠責保険から書式を取り寄せ、被害者自身で作成
事業主の休業損害証明書
(給与所得者は源泉徴収票添付)
(自営業者は以下の書類を添付)
・納税証明書
・課税証明書
・確定申告書
勤務先の会社に書式を手渡した上で作成を依頼
後遺障害診断書
(後遺障害認定を申請する場合)
医師に通常の診断書とは異なった書式を手渡して作成を依頼
レントゲン写真等撮影したすべての病院から取得
戸籍謄本
(被害者死亡の場合)
本籍のある市区町村役場で取得
印鑑証明書
(未成年者の場合は以下の書類※)
・住民票
・戸籍抄本
登録した市区町村役場で取得
委任状及び委任者の印鑑証明書
(代理人に請求を依頼する場合)
登録した市区町村役場で取得

※未成年者は原則として親権者または後見人による請求となる。事故発生時は未成年でも請求時に成人している場合は被害者本人が請求する。

被害者請求で支払いを受けられるまでの期間は?

被害者請求の手続き後、自賠責損害調査事務所が行う調査の期間は、1か月以内のケースがほとんどです。この調査を終えて損害額が算定されると、損害賠償金が支払われます。

自賠責損害調査事務所における損害調査所要日数(2018年度)

期間割合
30日以内96.8%
31日~60日1.9%
61日~90日0.7%
91日以上0.6%

参考:「図16 自賠責損害調査事務所における損害調査所要日数<2018年度> 」損害保険料率算出機構 自動車保険の概況 2019年度版

ただし、調査期間が1か月以内という上記の結果は、被害者請求全体の統計になります。後遺障害等級認定を兼ねるケースでは調査過程の中で医療照会が必要になり、調査機関が長引くことがあります。また、死亡事故のケースでも、調査期間が長引く可能性が高いです。

自賠責保険への請求期限は3年

交通事故における自賠責保険に対する被害者請求には、3年という請求期限(時効)が存在するので注意しましょう。

第十六条第一項及び第十七条第一項の規定による請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び保有者を知つた時から三年を経過したときは、時効によつて消滅する。

自動車損害賠償保障法第19条

具体的に請求期限がいつから3年かは、請求区分ごとに以下のようになります。

請求区分請求期限
傷害事故発生日の翌日から3年
後遺障害症状固定日の翌日から3年
死亡死亡した日の翌日から3年

※ひき逃げなどで保有者を知ったのが上記基準日より後の場合、その日から3年

なお、民法改正により、加害者に対する人身分の損害賠償請求権の時効は5年に延長されましたが、被害者請求の時効は延長されてないので注意が必要です。

また、請求期限(時効)が迫っている場合には、時効中断(時効の更新や完成の猶予)させる方法もあるので、弁護士などにご相談ください。

被害者請求を弁護士に頼むメリット3つ

(1)必要書類を自分で集める手間が省ける

交通事故被害者にとって、被害者請求という方法は非常に役立つ反面、必要書類が非常に多く、実際に利用するのは煩雑で手間がかかるのがデメリットです。

そのため、弁護士に被害者請求の手続きを依頼するというのも方法の一つです。

専門家である弁護士に依頼すれば、必要書類を自分で集める手間が省けるだけでなく、書類を素早く収集でき、保険金を迅速に受け取れるメリットもあります。

(2)後遺障害等級認定の可能性が高まる

後遺障害等級認定において被害者請求を選択すれば、適切な後遺障害等級認定にむけた工夫ができます。

もっとも、実際に適切な後遺障害等級認定にむけた工夫を施すには、審査でどのような点が重視されるのか、どのような症状が何級に認定されうるのかといった知識が必要です。

この点、専門家である弁護士に依頼すれば、知識やこれまでの実務経験を踏まえてどのような添付資料が必要か判断でき、適切な後遺障害等級が認定される可能性が高まります

既に後遺障害等級認定の申請をされた方でも、異議申し立てを兼ねた被害者請求という形での弁護士によるサポートを受けられる可能性があります。

(3)被害者請求後の示談交渉での獲得額が多くなる

増額交渉(弁護士あり)
増額交渉(弁護士あり)

被害者請求で自賠責保険分の損害賠償金を受け取ったら、今度は残りの損害賠償金を得るため、加害者側の任意保険会社と示談交渉を行います。

被害者請求で支払われる金額は法令にのっとった方法で計算されるので交渉の余地はありませんが、任意保険から支払われる金額は示談交渉によって左右されます。

ここで注意すべきなのは、以下の2点です。

  • 加害者側の任意保険会社は「任意保険基準」と呼ばれる基準にのっとった、低額な金額を提示してくる
  • 任意保険基準の金額を被害者本人による交渉で十分に増額させられることはほぼない

しかし、弁護士に依頼して示談交渉を代理してもらうと、弁護士や裁判所が用いる「弁護士基準」の金額まで損害賠償金を増額させられる可能性があります。
弁護士基準の金額は過去の判例をもとに設定されており、任意保険基準の2倍~3倍程度高額なことが多いです。

被害者請求の手続きだけであれば行政書士に依頼することも可能ですが、被害者請求後の示談交渉まで対応を依頼できるのは基本的に弁護士だけです。
被害者請求後の示談交渉のことまで見据えるなら、弁護士に相談することをおすすめします。

ご自身のケースで、弁護士基準による損害賠償請求額の相場がいくら位になるかを知りたいという方は、以下の慰謝料計算機をご利用ください。

アトム法律事務所に依頼するメリット

アトム法律事務所の弁護士

被害者請求を弁護士に頼むメリットがわかっても、実際に数多くいる弁護士の中からどの弁護士に依頼すればいいのか分からない部分も多いかと思います。

アトム法律事務所の弁護士に被害者請求を依頼するのは、以下のようなメリットがあります。

  1. 交通事故の知識と経験豊富な弁護士が多数在籍している
  2. 被害者請求については完全成功報酬制
  3. 無料相談対応・初期費用無料

(1)知識と経験豊富な弁護士が多数在籍

弁護士といえども、すべての分野に精通しているわけではなく、事務所によって取り扱いの多い分野とそれほど多くない分野があります。

アトム法律事務所では、長年刑事事件と交通事故に取扱い分野を絞って活動してきた結果、数多くの交通事故案件を取り扱い、その中で知識を深めてきました。

また、保険会社側の弁護士としてキャリアを積み保険会社の情報に詳しい弁護士も在籍しております。

アトムの弁護士が保険会社との示談交渉に介入したことで、保険会社の提示額から最終的な回収額が5.2倍に増額した実績などがあります。

アトム弁護士交渉後、5.2倍増額

アトム法律事務所の実際の解決事例の一部は以下のサイトから確認ができます。

(2)被害者請求の完全成功報酬制

後遺障害等級認定の申請を伴う被害者請求は、望むような等級認定が得られないことも多いのが実情です。

そのため、弁護士費用を支払って、後遺障害等級認定の申請を伴う被害者請求を依頼した方がいいのか判断に困るという声をよく耳にします。

そこで、アトム法律事務所では、後遺障害等級認定された場合にのみ、被害者請求分の弁護士費用を頂く形にしています。(後遺障害等級認定済みであれば、上位等級が認定された場合に被害者請求分の弁護士費用を頂いています。)

(3)無料相談対応・初期費用無料

アトム法律事務所では、被害者請求が可能な人身事故の被害者の方を対象に無料相談を実施しています。

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ご来所頂かなくても、電話・LINE・メールという3種類の方法による無料相談に対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

また、被害者請求の依頼を検討されている方は、当座のお金にお困りの方も多いため、依頼したくても着手金が払えないという声も耳にします。

そのため、アトム法律事務所では、着手金無料で対応しており、成功報酬も回収できた保険金や示談金から頂く形にしております。

なお、ご自分やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、保険金や示談金からも弁護士費用を支払わず、そのまま受け取れる可能性があります。

弁護士費用特約

交通事故で相手方に損害賠償請求するため弁護士に相談・依頼した対価として支払う費用を保険会社が負担してくれる保険の一内容

保険によっても異なりますが、通常、限度額300万円まで弁護士費用を負担してくれます。

弁護士費用特約の補償範囲は広く、メリットが大きいので、交通事故の被害者になった場合には、ご自分やご家族の保険で加入しているか必ず確認しましょう。
詳しくは、『交通事故の弁護士費用相場はいくら?弁護士費用特約を使って負担軽減』をご確認ください。

まとめ

  • 被害者請求とは、交通事故の被害者が加害者側の自賠責保険会社に対し、損害賠償金を直接支払うよう自分で請求する方法
  • 自賠責保険から被害者請求で受け取れる金額には限度がある
  • 必要書類が多く、手間が掛かる被害者請求は弁護士に依頼するメリットが大きい

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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