交通事故の弁護士は変更できる!変更方法と注意点。やる気ないは解約理由になる?

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交通事故の弁護士 変更方法と注意点

交通事故の案件を弁護士に依頼した後でも、弁護士は変更できます。

弁護士に不満や不安を抱いたまま依頼を続けていると、さまざまな手続きや示談成立が遅くなったり、十分な示談金を得られなかったりする恐れがあります。

しかし、単純に弁護士を変更しただけでは問題が解決しないケースもありますし、費用面でデメリットが生じることもあるため、注意が必要です。

この記事では、弁護士を変更すべきケースや、弁護士を変える方法弁護士を変える際の注意点などを解説します。
新しい弁護士に変える時のコツも紹介しているので、交通事故の弁護士を変えたいとお悩みの方は、ぜひご一読ください。

目次

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交通事故で依頼中の弁護士は変更可能

示談成立前なら途中でも弁護士を変更できる

一度委任契約を結び、着手金などを支払った弁護士であっても、途中で自由に変更することができます。

契約書まで交わしある程度サポートをしてもらった弁護士を解除するのは、心理的に抵抗があるかもしれませんが、弁護士の変更に遠慮は不要です。

ただし、1度示談が成立してしまうと原則として示談の撤回・再交渉は不可能なので、この段階で新しい弁護士に依頼しても何もしてもらえない可能性が高いことには注意しましょう。

よって、依頼後に弁護士に対して不満や不安がある場合は、示談が成立する前に弁護士変更を検討してください。

弁護士費用特約を利用中でも弁護士を変更できる

自身が加入する保険の弁護士費用特約を使って弁護士に依頼している場合でも、弁護士の変更は可能です。

弁護士費用特約

ただし、弁護士変更前から弁護士費用特約を使っていた場合、弁護士を変更してもそれまでにかかった弁護士費用はリセットされません。

たとえば、弁護士費用特約の上限が300万円だったケースを想定してみましょう。
変更前の弁護士に対し、すでに50万円の弁護士費用が発生していたとします。
その場合、新しい弁護士に対して使える弁護士費用特約の残額は250万円となるのです。

弁護士を変更することで、弁護士費用が特約の補償上限額を超えてしまう恐れがある点には注意しましょう。

また、保険会社によっては、1事故につき1回までしか着手金が支払われないこともあるので、弁護士費用特約を利用しながら弁護士を変更する場合も注意が必要です。

弁護士費用特約に関する保険約款をよく確認するようにしてください。

注意|法テラスやADRでは弁護士変更が難しい

委任契約を結んだ弁護士を途中で変更することが可能とはいっても、法テラスやADRで依頼した弁護士については変更が難しいことが多くなっています。

法テラスの場合、法テラス側がトラブルの速やかな解決を重視していること、弁護士変更に法テラスの承認が必要であることがあげられるからです。

また、交通事故に関する代表的なADR機関「交通事故紛争処理センター」では、そもそも原則的に弁護士の変更はできないことになっています。

相談担当弁護士は、事案が終了するまで一貫して担当することになっているのです。申立人(被害者)の希望により和解あっ旋の途中で、相談担当弁護士を変更することはできません。

ご利用に当たってご注意いただくこと(交通事故紛争処理センター)

交通事故で弁護士の変更を検討すべきケース

交通事故で弁護士の変更を検討すべきケースとして、以下の5つがあげられます。

  • 弁護士の対応や連絡が遅く、やる気を感じられない
  • 弁護士が頼りない、納得いく示談内容にならない
  • 弁護士と相性が悪くて相談や質問などがしにくい
  • 弁護士と考え方が合わない
  • 弁護士に業務停止処分が下った

それぞれどのような状況かみていきましょう。場合によっては、弁護士の変更以外に取れる手段もあります。

弁護士の対応や連絡が遅く、やる気を感じられない

交通事故の解決を弁護士に依頼した場合、加害者側とのやり取りは弁護士に一任します。
弁護士の対応が遅ければ、加害者側とのやり取りも滞ってしまい、交通事故の解決に時間がかかってしまうことも想定されるでしょう。

また、弁護士からの連絡が遅いと、「交通事故の解決に向けて進んでいるのか」「対応を後回しにされているのではないか」「そもそもやる気がないようにみえる」と不安になってしまうかもしれません。

ただし、以下のような場合、対応の遅さは被害者側の弁護士の責任とはいえません。

  • 後遺障害等級認定を申請して認定結果を待っている
    • 認定結果は平均1ヶ月~3ヶ月程度で出るが、それ以上かかることもある
    • 外部から審査を早く進めるよう働きかけたり、審査の進捗状況を確認したりすることは不可能
  • 加害者側の対応が遅れている
    • 被害者側の弁護士がいくら催促しても、加害者側の対応が遅いこともある

よって、まずは対応が遅い理由を弁護士に確認してみてください。

また、大きな進捗があった場合のみ、被害者に進捗報告をする方針の弁護士もいます。
この場合は、こまめな進捗報告を求めることで連絡頻度が改善することもあります。

弁護士が頼りない、納得いく示談内容にならない

弁護士の知識や経験が不十分で頼りなさを感じるのであれば、弁護士の変更を検討してみましょう。

とくに、弁護士の言っていることが二転三転している場合や、「これくらいまで増額できる」と言っていたのに示談交渉をしてもその金額に遠く及ばない場合は要注意です。

知識や経験が乏しい弁護士に依頼したままだと、各種手続きがスムーズに進みませんし、知識や経験が浅いことを加害者側に見透かされ、示談交渉で不利になることもあります。

「弁護士の知識や経験を疑うのは失礼ではないか」と感じてしまうかもしれませんが、示談成立後に後悔しないようにするためにも、まずは別の弁護士のセカンドオピニオンを受けてみるのがよいでしょう。

弁護士と相性が悪くて相談や質問などがしにくい

弁護士と相性が悪く合わないと感じる場合も、弁護士の変更を検討してみましょう。

もちろん、多少そりが合わなくても実力を信頼していたり、働きぶりに不満がなかったりするのであれば、弁護士を変更しなくても問題ありません。

しかし、以下のような状況であれば、満足できるサポートを得られないおそれがあります。

  • 弁護士に対して言いたいことを言えない
  • 被害者の気持ちや言っていることを理解してもらえない
  • 弁護士と話すとストレスを感じるので、打ち合わせや相談を最小限にしたいと思う

「性格が合わない程度の理由で弁護士を変更するのは失礼ではないか」と悩んでしまう方は少なくありません。
しかし、性格が合わず、十分なコミュニケーションを取れないことは、交通事故の解決に悪影響を及ぼすおそれがあります。

弁護士との相性で悩んでいる方は一度、別の弁護士にも相談してみるとよいでしょう。

弁護士と考えが合わない

示談交渉やトラブル対処に対する考えが被害者と弁護士で異なるケースも、弁護士変更を検討すべきです。

たとえば、被害者と弁護士がそれぞれ以下のように考えていたとしましょう。

考え
被害者解決まで時間がかかってもいいので慰謝料をできるだけ多く受け取りたい
弁護士早く慰謝料を受け取る方が被害者の生活の安定につながるから早く解決すべきだ

弁護士と考えや目指している方向が合わない場合、まずはどのような解決を目指したいか話し合ってみるとよいでしょう。

もしかすると、被害者が目指したい方向を弁護士が誤解しているかもしれません。あるいは、被害者の目指す方向が実務的にみると実現困難な可能性もあります。

話し合っても納得できない場合や、弁護士の考えを押し通されてしまう場合は、弁護士の変更を検討してみることをおすすめします。

弁護士に業務停止処分が下った

弁護士会から業務停止処分を受けた弁護士は、弁護活動を一定期間行えなくなります。

この場合、その弁護士との契約は一旦解除することになりますが、業務停止の期間が終われば再契約が可能です。

しかし、これでは業務停止期間中は各種の対応や手続きが止まってしまうことになります。

交通事故を滞りなく解決させたい場合は、弁護士の変更を検討するとよいでしょう。

交通事故の弁護士を変更する方法

交通事故の弁護士の変更方法は、以下のような流れで行います。

  • セカンドオピニオンを通して変更先の弁護士を決める
  • 依頼中の弁護士に弁護士変更による解約について連絡する
  • 被害者側の保険会社に弁護士を変更する旨を伝える
  • 依頼中の弁護士との間で費用の清算をする
  • 変更先の弁護士に案件を引き継いでもらう

それぞれの手順について、さらにくわしく確認していきましょう。

(1)セカンドオピニオンを受けて変更先の弁護士を決める

まずは、新しい弁護士を決める必要があります。
現在依頼している弁護士とは別の弁護士によるセカンドオピニオンを受けましょう。

セカンドオピニオンでは、次の内容を確認するとよいでしょう。

  • 獲得できる示談金や後遺障害等級
  • 現在の弁護士に感じている不満や疑問点を解決できそうか

弁護士の変更でよりよい結果が得られるかどうかは、事前の法律相談にかかっています。

弁護士の変更は可能であるとはいえ、何度も変更することは望ましくありません。
複数の弁護士の話を聞いたうえで、次の弁護士を選びましょう。
新しい弁護士を選ぶコツはこの記事でものちほど解説します。

▼アトム法律事務所は交通事故案件の解決実績が豊富です。相談料は無料なので、気軽にセカンドオピニオンとしてご利用ください。

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(2)依頼中の弁護士に解約の意思を伝える

新しい弁護士が決まったら、現在依頼している弁護士に解約の意思を伝えましょう。

契約解除の伝え方に決まりはありません。対面や電話などで口頭で伝えるだけでもいいですし、メールや書面でも大丈夫です。

「今後は別の弁護士にお願いすることにしたので、解約したいです」と言えば十分でしょう。

書面なら、宛名・日付・自分の住所と名前・契約解除の旨を記載して押印すれば「解任通知書」の形式になります。

どのような方法で弁護士に契約解除を伝えるにしても、単なる契約解除ではなく、弁護士変更である旨を伝えるようにしてください。

変更後の弁護士へ業務の引継ぎをしてもらう必要があるからです。

(3)被害者側の保険会社に弁護士変更を通知する

弁護士を変更する時は、事前にご自身が加入する被害者側の保険会社に報告しなければなりません。

弁護士変更を報告しなければならない理由は、以下のとおりです。

  • 加害者側から損害賠償請求されている場合
    弁護士の交渉によって、被害者側の保険会社が支払う賠償金が決まるため
  • 弁護士費用特約を利用している場合
    被害者側の保険会社が弁護士費用を支払う相手が変わるため

特に弁護士費用特約を利用している場合、勝手に弁護士を変更すると新しい弁護士では特約が利用できなくなってしまうかもしれません。
必ず、弁護士変更をご自身が加入する保険会社に報告しておくようにしましょう。

また、保険会社によっては、着手金の支払いを1事故につき1回だけに限定していることもあります。

引き続き弁護士費用特約を利用する場合は、着手金に関しても保険会社にあわせて確認しておくべきでしょう。

なお、加害者側の保険会社には、新しい弁護士が直接連絡してくれることが多いので、特段気にする必要はありません。

(4)弁護士費用の清算を行う|着手金無料でも清算の可能性あり

弁護士との契約を解除するときは、基本的にこれまでに生じた弁護士費用の清算が必要になります。

具体的には次のような費用の支払いを求められるでしょう。

清算が必要な弁護士費用(例)

費目内容
相談料弁護士に相談する際にかかる費用。
着手金弁護活動に着手してもらう際にかかる費用。
日当弁護士が事務所外で行う弁護活動の費用。
交通費弁護活動に必要な移動にかかった費用。
通信費郵便物にかかる切手代、配送料などの費用。
収入印紙代税金を納めたことを証明する印紙代の費用。

弁護士に依頼をすることで生じる着手金は原則として解約により帰ってくることはありません。

また、日当や交通費などがすでに発生している場合には、清算の対象となるため、着手金が無料でも清算の必要性が生じる可能性があります。

これまで依頼していた弁護士に確認し、もれなく清算を行いましょう。

なお、弁護士費用特約を利用しているならば、保険会社が弁護士費用の清算を行うことになります。

(5)変更後の弁護士と契約し、案件を引き継いでもらう

これまで依頼していた弁護士との契約が解除されたら、新しい弁護士と契約を結びましょう。

事案の進捗状況や、今までに収集された資料などは、これまで依頼していた弁護士と新しい弁護士との間で引継ぎが行われます。

場合によっては、これまで依頼していた弁護士が作成した引継ぎ書類を依頼人である被害者が預かり、新しい弁護士に渡すというケースもあるでしょう。

弁護士を依頼途中で変更するデメリットと注意点

既に支払った着手金等は戻って来ず費用がかさむ|対処法あり

弁護士を変更する際に、これまで依頼していた弁護士に支払った着手金は戻ってきません。

着手金とは、弁護士が弁護活動に着手する際にかかる費用だからです。

また、これまでの依頼で他にも費用が発生している場合は、着手金が無料であっても、その分について解約時に清算する必要もあります。

新しい弁護士に依頼する際には新たに着手金その他の弁護士費用が生じるため、費用が余分にかさむ点は弁護士変更のデメリットといえるでしょう。

費用負担を軽減して弁護士を変更する方法

弁護士変更により生じる、弁護士費用の負担を軽減する方法を紹介します。

  • 弁護士費用特約を使う
    弁護士費用特約を利用すれば、上限の範囲内で保険会社に弁護士費用を支払ってもらえる。
    つまり、弁護士を変更しても、上限の範囲内なら被害者自身の金銭的負担は増えないことがほとんど。
    ※ 着手金に関しては1事故につき1回までしか支払われないなど保険会社によって対応が異なるため、必ず保険約款を確認する
  • 同一事務所の別の弁護士に変更する
    同一事務所内の別の弁護士への変更であれば、着手金が発生しないこともある。
    ただし、同一事務所内では弁護士変更ができない場合や、同一事務所内での弁護士変更でも着手金が発生する場合もある。

解約金が発生する場合もある|契約内容を確認

契約内容によっては、弁護士との委任契約を解除する際に、解約金が発生するケースがあります。

途中解約時に解約金が発生するかは、委任契約書に記載されています。

弁護士を変更する際は、解約金が発生するかどうか、事前に委任契約書を確認するとよいでしょう。

弁護士を変更したところで解決しないケースもある

以下のようなケースでは、弁護士を変更したところで解決に至らないでしょう。

  • すでに成立した示談をやり直したい
  • 症状固定の時期を変更したい
  • 通院頻度が低いことによる慰謝料減額を防ぎたい

なぜ問題解決が難しいのか、それぞれ順に確認していきましょう。

すでに成立した示談をやり直したい

示談が一度結ばれると、原則的に撤回・再交渉はできません。

基本的に、示談成立時に作成される示談書には、「今後、決まった金額以外の損害賠償請求をしない」といった内容の条項が含まれています。

この条項がある以上、弁護士を変更しても示談をやり直すことはできないのです。

ただし、下記のような事情がある場合は示談をやり直せる可能性があります。

  • 「示談成立時に発覚していなかった損害が発覚した場合は再交渉をする」といった内容を示談書に記載していた
  • 公序良俗に反する形で示談が成立していた
  • 示談成立時に通常予想することができない損害が示談後に発覚した
  • 詐欺・脅迫により示談が成立していた

上記のいずれかに当てはまるにもかかわらず、現在依頼している弁護士に「示談成立後の再交渉はできない」と言われている場合は、弁護士の変更を検討するとよいでしょう。

症状固定の時期を変更したい

症状固定とは、「これ以上治療しても症状の改善が見込めない」と判断された状態のことです。

症状固定とは「これ以上治療しても症状の改善が見込めない」と判断された状態のこと

症状固定になるとどうなるのかについては、『症状固定とは?時期や症状固定と言われたらすべき後遺障害認定と示談』の記事で解説しています。

症状固定の時期は、入通院慰謝料の金額や後遺障害等級の認定率に影響することがあります。
しかし、症状固定のタイミングは原則として医師が医学的観点から判断するものなので、弁護士ではどうにもできないことが多いです。

ただし、保険会社から症状固定を催促されている場合は、弁護士が医学的観点による症状固定となるよう対処することができます。

ポイント

症状固定の時期について加害者側の保険会社から催促されている場合は、弁護士に適切な対処をしてもらうことが重要となります。

加害者側の保険会社は医学的観点ではなく、「入通院慰謝料や治療費を低額にするため」という保険会社側の都合で症状固定を催促してくることがあるのです。

こうした催促には適切に対処し、最後まで治療を続ける必要があります。もし今依頼している弁護士では加害者側からの催促に上手く対応できないと感じるのであれば、弁護士の変更を検討してみてください。

加害者側からの催促に応じてしまうデメリットや催促された場合の対処法は、『交通事故の治療費打ち切りを阻止・延長する対応法!治療期間はいつまで?』の記事でくわしく解説しています。

通院頻度が低いことによる慰謝料減額を防ぎたい

通院頻度が低いと慰謝料の減額につながりやすくなります。
慰謝料が減額される理由は、以下のとおりです。

  • 通院頻度が少ないならば、必ずしも必要な治療ではなかった可能性がある
  • 通院頻度が少ない理由として、被害者が治療に消極的だったことが考えられる
    そのため治療が長引いたのであれば、それは加害者ではなく被害者の責任である
  • あえて通院頻度を低くして治療を長引かせ、慰謝料を増やそうとしている可能性がある

このような通院頻度が低いことによる慰謝料減額は、弁護士に依頼しても対処が難しいです。

ただし、加害者側が主張する慰謝料の減額幅が不当に大きい場合、弁護士による交渉で減額幅を小さくできることがあります。

もっとも、治療頻度の低さに起因する慰謝料減額を完全に阻止することは、たとえ弁護士を変更しても難しいでしょう。

弁護士変更で気になるその他の疑問

Q.事務所は変えずに弁護士だけ変更できる?

法律事務所には複数名の弁護士が所属していることも多いので、事務所は変えずに弁護士だけ変更できるケースもあるでしょう。

事務所内で弁護士の変更が可能か、代表弁護士や事務員などに聞いてみてください。

事務所内で弁護士を変更できれば、新たに一から弁護士を探す手間も省けますし、新たな着手金がかからない可能性もあります。

また、引継ぎも事務所内で行われるので、他事務所との引継ぎに比べると幾分かはスムーズでしょう。

もっとも、事務所によっては事務所内の弁護士変更を認めていなかったり、一方的に弁護士を指名しても要望を受け入れてくれなかったりする可能性も十分にあるので、注意してください。

Q.弁護士変更時にトラブルが生じたらどうする?

交通事故で依頼中の弁護士を変更するために解約を申し出た際、弁護士との間でトラブルが生じることもあるでしょう。

トラブルが生じた場合の対処法は、主に以下の通りです。

  • 弁護士会の市民窓口に相談する
  • 弁護士会に紛議調停を申し立てる
  • 弁護士会に懲戒請求する

※ 参考:日本弁護士連合会「弁護士とトラブルになったら

トラブルになった弁護士が所属する弁護士会に相談してみましょう。

Q.交通事故の裁判中でも弁護士変更は可能?

弁護士との委任契約は、いつでも解除できます。民事裁判中であろうと、弁護士を変更したければ変更可能です。

ただし、交通事故の民事裁判中に弁護士を変更したいと思ったということは、被害者にとって不利な状況になっている可能性があります。

なぜ、裁判の途中で弁護士を変えたいと思ったのか理由を整理してみてください。弁護士を変更しなくても、担当の弁護士ときちんと話し合えば解決することもあるでしょう。

不利な状況でむやみに別の弁護士に変更しても、事態が好転するとは限りません。

弁護士と話し合っても誠実な回答が得られないならば、具体的に弁護士変更を検討しましょう。

また、一般的に弁護士にとっても、途中から事案を担当することの方が負担になると感じるため、はじめから事案を担当するより弁護士費用を高く設定したり、そもそも途中から事案を受けないと決めている場合もあります。

わざわざ新たな弁護士費用を支払ったところで無駄になってしまうかもしれません。

裁判の途中で弁護士を変更するのは、被害者にとっても弁護士にとっても、現実的な選択とは言いにくいです。裁判の途中で弁護士を変更したいと思わないように、裁判をする前に弁護士とよく話し合っておくようにしましょう。

ちなみに先述の通り、示談交渉中であれば弁護士は自由に変更可能です。

今度こそ失敗しない!弁護士を変える時のコツ

交通事故の弁護士を変更するなら、次は満足できる弁護士に依頼できるよう、弁護士選びのコツを確認しておきましょう。

主なポイントは以下の3点です。

  1. ホームページに掲載されている実績を確認する
  2. 事前相談で信頼できる弁護士か確認して入念に打ち合わせをする
  3. 弁護士費用の見積もりを必ず取る

上記3点についてくわしく確認していきましょう。

ホームページに掲載されている実績を確認する

変更後の弁護士を決める際は、まず各法律事務所のホームページで交通事故に関する解決実績を確認しましょう。

弁護士の得意分野には偏りがあることもあるため、ホームページに「交通事故を取り扱っている」と記載されていても、実際には交通事故以外の分野がメインとなっていることがあります。

よって、以下のポイントを確認して交通事故事案を得意とする弁護士なのかを見極めましょう。

解決実績を見るポイント

  • 交通事故事案の解決実績は十分か
  • 慰謝料の増額実績は十分か
  • 実際に相談・依頼した人の評価はどうか
  • 交通事故以外の領域と比べて、交通事故の解決実績は多いか少ないか
    (交通事故以外の領域の方が圧倒的に多いなら、その領域の方が得意な可能性がある)

なお、解決実績は所属弁護士のプロフィールのページに掲載されていることも多いです。

事前相談で信頼できる弁護士か確認して入念に打ち合わせをする

ホームページを確認し、依頼したい弁護士や法律事務所を絞ったら、次は法律相談を利用して実際に依頼する弁護士を決めていきましょう。

法律相談で確認すべき5項目と打ち合わせすべき3項目

法律相談時に確認すべき5つの項目は次の通りです。

確認すべき5項目

  • 親身に相談に乗ってくれるか
  • 弁護士の説明がわかりやすいか
  • 被害者自身も話しやすいと感じるか
  • リスクやデメリットも説明してくれるか
  • 質問に納得できる答えが返ってくるか

「前任の弁護士のどこに不満や疑問を抱いたのか」を明確にしたうえで上記の点を確認すると、よりよい弁護士を見極めやすくなるでしょう。

また、弁護士との性格的な相性が良くても、方針が合わないと後悔しやすくなります。
事前に以下の点についてすり合わせをして、方向性を合わせておくことも重要です。

打ち合わせすべき3項目

  • どのくらいの頻度で連絡がほしいか
  • 解決にあたっての優先順位をどうするか
    (速やかに解決したいのか、慰謝料の増額を目指したいのかなど)
  • 解決にあたって絶対にゆずれないポイントはあるか

弁護士費用の見積もりを必ず取る

弁護士費用は、弁護士ごと、あるいは法律事務所ごとに異なります。

元々依頼していた法律事務所と新しい法律事務所とで、費用体系が異なることもあります。
「同じくらいの金額だろう」と決めつけず、事前に見積もりをとることが大切です。

なお、費用をおさえたい場合は、以下のような法律事務所を選ぶことがおすすめです。
弁護士選びのひとつの基準にしてみてください。

  • 相談料・着手金無料の法律事務所
  • 弁護士費用特約を利用して依頼ができる法律事務所

交通事故の弁護士費用の内訳や相場については、『交通事故の弁護士費用相場はいくら?』の記事をご覧ください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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