交通事故の示談とは?示談の内容と交渉の流れ|注意すべきポイントは?

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交通事故の示談注意点

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

示談とは、話し合いで賠償問題を解決する手続きのことです。
交通事故の被害者は、加害者側との示談で損害賠償金を決めていくことになるでしょう。

交通事故の示談の相手は、多くの場合、「示談交渉のプロ」である加害者側の任意保険会社の担当者です。

示談交渉に慣れていない被害者では、思うように話し合いを進められないことも多いでしょう。
被害者にとって著しく不利な条件で示談成立となってしまうことも珍しくありません。

この記事では、交通事故の示談について網羅的に解説しています。
交通事故の示談が不本意な結果に終わってしまうことを避けるためにも、ぜひこの記事を読んで交渉に備えてください。

交通事故の示談とは?

示談とは、民事上の争いごとを当事者同士が裁判外で話し合い、合意することで解決を目指す手続きのことを言います。

示談は民法695条で定められた「和解契約」にあたります。

交通事故の示談では、示談金の金額、示談金の支払い時期、過失割合などを決めることになるでしょう。

交通事故の賠償問題は、示談で解決を目指すことになることが多いです。

示談がもつ基本的な意味について解説していきましょう。

示談とは話し合いで賠償問題を解決すること

先述のとおり、示談とは、民事上の争いごとを当事者同士が裁判外で話し合い、合意することで事件を解決する手続きのことです。

つまり、交通事故における示談とは、「交通事故で生じた賠償問題を当事者同士の話し合いで解決すること」と言えるでしょう。

民事上の賠償問題は、民事裁判を経て、和解勧告を受けたり判決を受けたりすることで解決を目指すことができます。
しかし、民事裁判は手続きが複雑で、解決までに長い時間がかかることが予想されます。

交通事故の賠償問題は、民事裁判を行わずとも、示談によって早期解決できることが多いです。

示談で早期解決を目指せる背景としては、交通事故は過去の判例が豊富に蓄積されていること、自賠責保険による被害者への最低限の保護や、任意保険会社の対応が充実していることがあげられます。

また、示談は事故の当事者が合意していればどのような内容でも成立させることができます。
よって、示談は自由度が高い解決方法とも言えるでしょう。

示談が成立したら法的な効力が生じる

示談は、民法695条に規定された和解契約の一種です。

和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。

民法695条

示談で決まった内容は法的な効力をもちます。
示談が一度成立すると、後から内容をくつがえすことは基本的にできません

よって、示談で交通事故の解決を目指す際は、安易に合意せず、内容をしっかり吟味する必要があるのです。

交通事故の示談で話し合われる主な内容

交通事故の示談で話し合われる主な内容として、示談金の金額、費目、支払い方法、条件・時期や、過失割合などがあげられます。

先述のとおり、交通事故の当事者同士が納得しているなら、示談の内容は自由に決められます。
その一方で、示談が一度成立すると原則的に撤回や再交渉はできません。よって、話し合いの際は慎重に内容を確認する必要があるのです。

この章では、示談で話し合われる主な内容の中から、とくに重要な「示談金」と「過失割合」について解説します。

交通事故の示談金の費目や金額

交通事故の被害者は、精神的苦痛のほか、さまざまな財産的損害を受けることになります。

被害者が受けた損害については、加害者側に損害賠償金を請求することが可能です。
なお、示談で決められた損害賠償金は、「示談金」と呼ばれることもあります。

交通事故の示談金の主な費目を確認してみましょう。

交通事故の示談金の主な費目

  • ケガを負ったことによる損害
    • 入通院慰謝料
    • 治療費
    • 付添看護費
    • 入院雑費
    • 通院交通費
    • 器具・装具費
    • 休業損害 など
  • 後遺障害を負ったことによる損害※
    • 後遺障害慰謝料
    • 後遺障害逸失利益 など
  • 亡くなったことによる損害
    • 死亡慰謝料
    • 死亡逸失利益
    • 葬儀費用 など
  • 物が壊れたことによる損害
    • 車両の修理費 など

※後遺障害とは、交通事故で残った後遺症のうち、定められた等級に認定された症状のこと。

上記のように、交通事故で受け取れる示談金の費目は多岐にわたります。
示談をする際は、示談金の費目に漏れがないか、計算方法は適切かを確認することが重要です。

ここからは、示談金のうち、とくに重要な「慰謝料」「治療費」「休業損害」「逸失利益」について、詳しく解説していきます。

示談金についてより詳しく知りたい方は、『交通事故の示談金』の記事をご確認ください。
示談金そのものの意味や内訳について、網羅的に解説しています。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故によって生じた精神的な苦痛に対する補償のことです。

慰謝料は「交通事故にあったとき受け取れるすべてのお金」と誤って理解されることがありますが、実際には示談金の一部になります。

交通事故の慰謝料は示談金の一部

交通事故の慰謝料には、「入通院慰謝料(傷害慰謝料)」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類があります。

  • 入通院慰謝料
    交通事故によってケガを負った精神的苦痛に対する補償。
    入通院の期間に応じて金額が決まることが多い。
  • 後遺障害慰謝料
    交通事故によって後遺障害を負った精神的苦痛に対する補償。
    後遺障害の等級によって金額が決まることが多い。
  • 死亡慰謝料
    交通事故によって亡くなった精神的苦痛に対する補償。
    被害者の家庭内における立場によって金額が決まることが多い。

なお、慰謝料は上記のうちどれか1種類しか請求できないというものではありません。
たとえば、被害者が一定期間の入通院をしたあと亡くなった場合は、「入通院慰謝料」と「死亡慰謝料」の両方を請求できます。

交通事故の慰謝料についてさらに詳しく知りたい方は『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

治療費

治療費とは、具体的には応急手当費、診察料、投薬料、手術料などを指します。

交通事故によって負ったケガの治療費は、交通事故と関係がある部分については実費全額を請求できます。

ただし、整骨院での治療や温泉療法などは、交通事故との関係が争いになりやすいので注意が必要です。

また、交通事故の治療費は、加害者側の任意保険会社が病院に直接支払ってくれることが多いでしょう。

示談を行う際には、治療費は支払い済みとなっているため、治療費について深く話し合われないケースもあります。

ただし、場合によっては、被害者自身で治療費を立て替え、示談において加害者側に請求することもあるでしょう。

交通事故における治療費について詳しく知りたい方は、『交通事故の治療費は誰が支払う?』の記事をご覧ください。

休業損害

交通事故でケガを負うと、仕事を休まざるを得なくなり、収入が減ってしまうことがあります。

交通事故によるケガの影響で減った収入は、「休業損害」として加害者側に請求できます。

休業損害は、会社員や自営業の方だけではなく、主婦や一部の無職の方も請求可能です。

休業損害の計算方法については、関連記事『交通事故の休業損害は職業別に計算方法がある』で詳しく解説しています。
休業損害の見込額がわかる自動計算機もありますので、ぜひご確認ください。

逸失利益

交通事故で被害者が亡くなったり、後遺障害を負ったりした場合、本来得られたはずの収入が将来にわたって減ってしまうことが想定されます。

逸失利益とは本来の労働能力で得られたはずの収入のこと

交通事故の影響で将来にわたって減ってしまう収入は、「逸失利益」として加害者側に請求することができます。

逸失利益は示談金の中でとくに高額になりやすい費目のひとつです。
示談で逸失利益について話し合う際は、金額や計算方法をよく吟味する必要があるでしょう。

逸失利益の計算方法を詳しく知りたい方は、『逸失利益の計算方法|計算機や計算例つきでわかりやすく解説』の記事をご覧ください。

交通事故の過失割合

過失割合とは、交通事故が発生した責任が当事者双方にどのくらいあったのかを示した割合のことです。
多くの交通事故では、被害者にも過失割合がつくことになるでしょう。

過失割合は、示談金の金額に大きく影響します。

たとえば、過失割合9対1(加害者:被害者=9:1)の場合であれば、被害者が被った損害のうち90%を加害者が賠償し、残りの10%は被害者自身が負担することになります。
さらに、被害者も加害者が被った損害のうち10%を賠償しなければなりません。

過失割合に納得できないまま示談に応じてしまうと、示談金が必要以上に減額されてしまいかねません。
示談において、過失割合について安易に合意するのは避けたほうがよいでしょう。

過失割合がどのように決まるかについては、関連記事『交通事故の過失割合とは?決め方と示談のコツ』で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

交通事故の発生から示談成立までの流れ

交通事故の発生から示談成立までの流れは、以下のようになります。

交通事故の流れ
  1. 事故直後の対応をとる
  2. 治療を受ける
  3. 症状固定または完治の診断を受ける
  4. 後遺障害の等級認定を受ける
  5. 示談交渉をはじめる
  6. 示談成立(示談書の取り交わし)

交通事故の示談は、損害が確定してから開始することになります。
事故現場ですぐに示談するのではなく、どんなに早くても治療が終了してから示談することになるので、注意しておきましょう。

ここからは、上記の流れにそって、具体的にすべき対応や注意点を解説していきます。

なお、関連記事『交通事故の発生から解決までの流れ』では、交通事故の解決までの流れをコンパクトにまとめて解説しています。
あわせてご覧いただければ、交通事故の流れについて理解が深まるでしょう。

(1)事故直後の対応をとる

交通事故が起こったら、負傷者の救護と現場の安全確保、警察への通報を必ず行いましょう。
これらは道路交通法72条で定められた義務です。

また、事故状況の記録、事故の加害者との情報交換、保険会社への連絡も忘れずに行うようにしましょう。

(2)治療を受ける

交通事故でケガを負ったら、必ずすぐに病院で治療を受けましょう。
ケガがない場合や、ごく軽症の場合でも、念のため受診しておくことが大切です。

交通事故の発生から受診まで時間が空くと、ケガと交通事故との因果関係を疑われる可能性があります。
その結果、示談交渉で不利になってしまう確率が上がってしまうのです。

交通事故の治療に関する疑問をまとめた記事『交通事故の治療の流れ|整骨院と整形外科のどちらに通うのが正解?』もおすすめです。あわせてご確認ください。

(3)症状固定または完治の診断を受ける

ケガの治療を続けると、医師から症状固定または完治の診断を受けることになります。

完治とは、症状が回復して事故前の状態まで戻った状態です。
完治すれば損害額が確定するので、示談をはじめられます。

一方、症状固定とは、このまま治療を続けても症状が改善しなくなった状態のことを言います。
症状固定となれば、残った症状が後遺障害に認定されることで損害額が確定し、示談をはじめることができます。

症状固定について詳しく知りたい場合は、関連記事『症状固定とは?診断の目安時期』の記事をご確認ください。

(4)後遺障害の等級認定を受ける

医師から症状固定と判断された場合は、後遺障害認定の申請を行いましょう。

後遺障害等級に認定されれば、示談金の後遺障害に関する費目を請求できるようになります。

後遺障害は後遺症が残った部位や程度に応じて、1級~14級の等級で分けられています。
どの等級に認定されるかで受け取れる示談金の金額が変わるので、後遺障害認定は非常に重要なポイントです。

後遺障害認定に関しては、『交通事故の後遺障害認定|認定の確率を上げるポイント』の記事で詳しく解説しています。

(5)示談交渉をはじめる

医師から完治と判断されるか、後遺障害認定の結果が出たら、示談交渉をはじめましょう。

示談交渉は、通常は加害者側の任意保険会社から示談案の提示を受けることではじまります。

加害者側が提示した示談案に納得すれば、示談書の取り交わしに進みます。
示談案に納得できない場合は、被害者から再示談案を提示して交渉しましょう。
被害者側と加害者側がそれぞれが譲歩し、双方が示談内容に納得すれば、示談書の取り交わしに進みましょう。

後ほど解説しますが、加害者側の任意保険会社が提示する示談金は、被害者が本来受け取れる金額よりも大幅に低いことが多いです。

示談金は弁護士を立てることで増額できる可能性が高いので、示談する前に各弁護士事務所の無料相談を利用して、弁護士のアドバイスを聞くことをおすすめします。

(6)示談成立(示談書の取り交わし)

示談交渉で取り決めた内容に当事者双方が合意したら、「示談書」を取り交わすことで示談成立となります。

なお、加害者側の任意保険会社と示談交渉している場合は、示談書の代わりに「免責証書」が送られてくることが多いです。
示談書と免責証書の効果にはほとんど違いがないので、示談書の代わりに免責証書を取り交わしても大丈夫です。

送られてきた示談書・免責証書の内容を確認し、問題がなければ署名・捺印のうえ、保険会社保管分を返送しましょう。

加害者側の任意保険会社に示談書・免責証書が到着してから数日後に、示談金から既払金を差し引いた金額が振り込まれます。

加害者側からの支払いが終われば、民事上の賠償問題は解決されたという扱いになります。

関連記事『交通事故の示談書の書き方|記載すべき重要7項目』では、示談書について詳しく解説していますので、気になった方はあわせてご確認ください。

交通事故の示談における注意点

ここからは、交通事故の示談で注意すべきポイントについて解説します。
示談を円滑に進めるためにも、どのような点に気をつければよいか確認しておきましょう。

また、交通事故の示談では何らかのトラブルが発生することも少なくありません。
関連記事『交通事故の示談交渉トラブル8つと解決方法』を読んで対処する準備をしておくとよいでしょう。

示談金の相場をあらかじめ確認しておく

交通事故の示談をするにあたっては、示談金の相場をあらかじめ確認しておきましょう。

加害者側の任意保険会社が提示する示談金は、適正な金額ではないことがほとんどです。
示談金の相場を知らなければ、相場より大幅に低い金額で示談してしまう可能性があります。

交通事故の示談金は、以下の3つの算定基準のいずれかを用いて計算されます。
3つの算定基準のうち、もっとも高額かつ法的に適正な金額を算定できるのは弁護士基準(裁判基準)です。

交通事故の示談金の算定基準

  • 自賠責基準
    自賠責保険会社が用いる基準。
    交通事故の被害者に補償される最低限の金額が計算される。
  • 任意保険基準
    任意保険会社が用いる基準。
    保険会社ごとに独自に定められており、公開されていない。
    任意保険基準で計算すると、自賠責基準とほぼ同額~やや高額になる。
  • 弁護士基準(裁判基準)
    弁護士や裁判所が用いる基準。
    過去の判例をもとに定められている。
    法的に適正であり、被害者が受け取るべき本来の金額と言える。
慰謝料相場の3基準比較

加害者側の任意保険会社は、示談金を任意保険基準で計算していることがほとんどです。
任意保険基準で計算された示談金は、弁護士基準で計算し直すと、2倍~3倍の金額に増額されることも多いのです。

下記の計算機を使えば、示談金のうち慰謝料と逸失利益について、弁護士基準で計算した金額がわかります。
示談に入る前に確認しておき、相場より低い金額で合意してしまうことを防ぎましょう。

交通事故の示談金の相場を詳しく知りたい場合は、『交通事故の示談金相場は?』の記事をお役立てください。

加害者側の提示額が相場より低い場合の対処法

加害者側の任意保険会社が提示した示談金が相場より低い場合、増額交渉を行いましょう。

しかし、被害者自身で増額交渉を行っても、加害者側の任意保険会社が認めてくれることはほとんどありません。

加害者側の任意保険会社は、できるだけ支払う金額を減らそうとしてきます。
保険会社の担当者は示談交渉の経験が豊富であるため、「この金額が上限である」と断ったり、専門用語を多用してはぐらかしたりするのです。

なかなか示談金の増額が叶わない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

被害者が弁護士を立てれば、加害者側の任意保険会社は態度を軟化させることが多いでしょう。

これは、弁護士の請求を拒否すれば、裁判に発展することがあるためです。
裁判になれば、示談よりも多くの時間がかかるうえ、示談交渉で請求された金額より高い損害賠償金の支払い義務を課される可能性があります。
よって、裁判に発展するならば、示談交渉で増額に応じた方がよいと判断されるのです。

一度締結した示談は基本的に撤回できない

先述のとおり、示談による合意には法的な拘束力が生じます。
示談後にやり直しや撤回をすることは、原則的に認められません

示談が一度成立すると、あとから示談金に不満を覚えても、追加の請求はできないのです。

示談を締結する際は、内容を慎重に検討するようにしましょう。
被害者自身では判断に迷うなら、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

なお、詐欺や脅迫などによって結ばれた示談や、被害者の無知に付け込んだ非常識な内容での示談は、やり直しや撤回をできる可能性があります。

どのような場合に示談の撤回が認められるかについて知りたい方は、関連記事『示談成立後、撤回や再請求は可能?』をお読みください。

焦って当事者同士だけで示談を締結しない

交通事故が起こったとき、事故現場で当事者同士で示談することは避けましょう。

示談は口頭による合意でも成立し、あとから撤回できなくなります。
事故現場で焦って示談をすると、損害が確定したあとに妥当な示談金を請求できなくなってしまうのです。

示談は、交通事故で生じた損害がすべて確定してから行いましょう。
交通事故で生じた損害が確定し、示談をはじめるタイミングは、以下のとおりです。

示談をはじめるタイミング※

人身事故
(後遺障害なし)
医師に完治と判断されてから
人身事故
(後遺障害あり)
後遺障害認定の結果が出てから
死亡事故四十九日などの法要が終わってから
物損事故修理費用などの見積もりが終わってから

※人身事故で物損も発生している場合は、物損部分のみに先に示談してもよい。

関連記事『交通事故の示談はその場でしてはいけない』では、その場で示談をすることで賠償金に与える影響を説明していますので、ぜひあわせてお読みください。

損害賠償の請求権には消滅時効がある

交通事故の損害賠償を請求する権利には、以下のとおり消滅時効があります。

損害賠償請求権の消滅時効※

損害時効期間
人身に関する
(後遺障害による損害以外)
事故発生日の翌日から5年
人身に関する損害
(後遺障害による損害)
症状固定日の翌日から5年
人身に関する損害
(死亡による損害)
死亡した日の翌日から5年
物的な損害事故発生日の翌日から3年
加害者不明の損害事故発生日の翌日から20年※※

※2017年4月1日以降に発生した事故の場合。
※※2017年3月31日以前に発生した事故にも適用される可能性がある。
また、途中で加害者が判明した場合は、判明した日の翌日を起算日とし、物損部分は3年、人身部分は5年で時効となる。

なお、保険会社に対する保険金の請求は、上記の表にかかわらず起算日から3年で時効が完成します。

時効が完成してしまうと、加害者側は示談に応じる法的義務がなくなるので、あらかじめ注意しておきましょう。

消滅時効の時期が差し迫っている場合は、すぐに弁護士などの専門家にご相談ください。
法的な手続きによって時効の完成を阻止することができる可能性があります。

示談の期限・時効をもっと知りたい方は、関連記事『交通事故示談は期限(時効)までに成立を!期限の長さや時効の延長方法を解説』もご覧ください。

交通事故の示談を弁護士に相談するメリット3選

交通事故に関する賠償問題を弁護士に依頼するメリットは多くあります。
この章では、数あるメリットの中でも示談に関するものを厳選して3つ紹介します。

本記事で紹介した以外のメリットも知りたい方は、関連記事『交通事故を弁護士に依頼するメリット』もご覧ください。

(1)手続きをすべて任せられる

交通事故の示談交渉の相手は、多くの場合で加害者側の任意保険会社の担当者になります。

加害者側の任意保険会社の担当者は、示談交渉の実務に精通しています。
被害者自身で示談交渉を行うと、加害者側の主張に適切に対処できなかったり、高圧的な態度を取られてストレスを感じたりする場面が多くなるでしょう。

交通事故の示談を弁護士に依頼すれば、被害者の心理的負担は大きく減ります。

面倒な示談交渉の手続きを弁護士に任せられるので、被害者は社会復帰に集中できるようになるのです。

また、示談交渉の相手が弁護士である場合、加害者側の対応が変わる可能性も高いです。
その結果、被害者側の主張を受け入れてもらいやすくなるでしょう。

示談交渉を弁護士が行うことによって加害者側がどのように対応を変えるのか、関連記事『交通事故では弁護士に示談交渉を依頼すると相手の対応が変わる』では具体的に説明しています。

(2)示談金の増額が期待できる

先述のとおり、交通事故の示談金を計算する基準は複数あります。

加害者側の任意保険会社は、任意保険基準で計算した示談金を提示してくるでしょう。
この金額は、弁護士基準で計算し直せば、2倍~3倍に増額されることが期待できます。

しかし、被害者自身で増額交渉をしても、加害者側の任意保険会社が認めることはほとんどありません。さまざまな理由をつけて反論されてしまうでしょう。

これに対し、弁護士が示談交渉をすれば、弁護士基準で計算した示談金を認めてもらえる可能性が上がります。

弁護士が示談交渉を行えば、加害者側の任意保険会社は裁判を恐れて態度を軟化させます。
一部の保険会社では、「弁護士を立てられたら増額を認める」といったルールを設けていることもあるのです。

弁護士の介入で示談金の増額が期待できる

ここで、アトム法律事務所が実際に受任した事例から、弁護士に依頼することで示談金が増額したものを厳選してご紹介します。

事例(1)むちうちで後遺障害なし

傷病名頸椎捻挫
後遺障害等級非該当
当初の提示額41万円
最終的な回収額159万円
(118万円の増額)

事例(2)骨折で後遺障害12級

傷病名左足関節骨折
後遺障害等級12級13号
当初の提示額347万円
最終的な回収額750万円
(403万円の増額)

事例(3)脳挫傷で後遺障害7級

傷病名脳挫傷、頭蓋骨骨折など
後遺障害等級併合7級
当初の提示額3,537万円
最終的な回収額7,350万円
(3,813万円の増額)

(3)示談金を早めに受け取れる

交通事故の示談金は、示談成立後に支払われます。
よって、示談交渉が長引くと、示談金の受け取りが遅くなってしまいます。

被害者自身で示談交渉を行うと、示談成立まで時間がかかることが少なくありません。

示談交渉が長引く原因はさまざまですが、示談金や過失割合の妥当な相場がわからないケース、加害者側の主張のどの部分が不当か判断できないケースがとくに多いと言えるでしょう。

交通事故に精通した弁護士ならば、示談金や過失割合の妥当な相場を熟知しています。
また、加害者側の主張の不当な部分もただちに指摘し、反論することができるでしょう。

弁護士に依頼すれば、交渉を効率的に行うことで、スムーズな示談成立と示談金受け取りを目指せるのです。

示談金を早く受け取りたいため、不本意な条件でも示談してしまう方は少なくありません。
被害者側の主張を最大限に通しつつ、早期の示談金受け取りを目指すのであれば、弁護士に依頼するとよいでしょう。

デメリットの「弁護士費用がかかる」は解消可能

弁護士に依頼することのデメリットとして、弁護士費用がかかることがあげられます。

しかし、弁護士費用は「弁護士費用特約」を使うことで実質無料にできるのです。

弁護士費用特約とは、保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約のことです。
弁護士費用特約を使えば、弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社が負担してくれます。

弁護士費用が合計300万円を超えることは、示談金が数千万円にならない限りほぼありません。
よって、弁護士費用特約を使えば、弁護士費用が実質無料になると言えるのです。

弁護士費用特約とは保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約のこと

弁護士に依頼しようか迷っている方は、まずご自身の保険契約状況を確認してみましょう。

弁護士費用特約は、自動車保険、火災保険、クレジットカードなどに付帯されていることがあります。
また、被害者自身の保険だけではなく、被害者の家族が加入している保険に付帯されている場合も、利用できることが多いです。

多くの場合、弁護士費用特約を使っても、保険料が上がることはありません。
弁護士費用特約が使えるのであれば、積極的に利用することをおすすめします。

弁護士費用特約のメリットや使い方については、『交通事故の弁護士費用特約とは?加入の必要性を説く|使い方とメリット&デメリット』の記事をご確認ください。

弁護士費用以外のデメリットは?

「弁護士に依頼するデメリットは、弁護士費用以外にもあるのでは?」と思われる方もいらっしゃると思います。

たとえば、「時間と手間がかかるのでは」「大げさだと思われるのでは」といった不安をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、デメリットだと思われている事柄が、実は思い過ごしであることは多いです。

弁護士依頼のデメリットが気になる方は、『交通事故を弁護士に相談するデメリットと解決策|デメリットはほぼなし?』の記事をご確認ください。

まとめ

  • 示談とは、当事者同士の話し合いで賠償問題を解決すること。
  • 示談では、主に示談金や過失割合について話し合われる。
  • 示談交渉は、一般的に治療や後遺障害認定が終わったあとに開始され、示談書を交わして示談金が振り込まれることで終了する。
  • 加害者側が提示する示談金は、本来の相場よりも大幅に低額であることが多い。
  • 弁護士に示談交渉を依頼すれば、示談金の増額などのメリットが得られる。

ある日いきなり交通事故の被害者になってしまい、示談について不安や悩みを抱えている方は少なくありません。

アトム法律事務所では、交通事故の被害者の方に向けて電話・LINEによる無料相談を実施しています。

交通事故の示談でわからないことがあれば、法律の専門家である弁護士にご相談ください。
交通事故の実務に精通した弁護士が、適切なアドバイスをさせていただきます。

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