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交通事故の示談金相場は?計算方法や増額のコツ、示談交渉の注意点を解説

更新日:

交通事故の示談金相場

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

この記事を読んでいる方の中には、これから示談金の提示を受ける方も、すでに示談金の提示を受けた方もいるでしょう。

  • 加害者側がこれから提示する交通事故の示談金は、どれくらいの金額なら適切だと思いますか?
  • 加害者側の任意保険会社からすでに提示された金額は、適切だと思っていますか?

その答えを知るためにも、まずはこちらの計算機で示談金相場を確認してみてください。

加害者側の任意保険会社から提示を受けた金額がこの計算機よりも低額であったのなら、もっと示談金を増額できる可能性が高いです。

また、交通事故の示談金にはこの計算機で計算できる項目以外にも請求できる項目があります。

そこでこの記事では、交通事故における示談金の相場、内訳、計算方法、示談交渉での注意点、示談金増額のコツについて解説していきます。

示談交渉に備えて、ぜひご確認ください。

目次

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交通事故の示談金相場|軽傷から重傷までの解決事例集

事故内容ごとの示談金額事例を紹介します。示談金の相場観をつかむためにも、解決事例を確認することは大切です。

示談金 72万円|頸椎捻挫・後遺障害等級認定なし

被害者は、信号のない交差点で出合い頭に衝突して事故が発生しました。
過失割合は2:8です。
相手方とのやり取りがわずらわしいとのことで、アトム法律事務所の弁護士と契約されました。弁護士による丁寧な交渉の結果、最終的には727,946円にて示談しました。

示談金 241万円|両腕のしびれ|後遺障害14級

片側2車線道路の右車線を走行中、左車線からウインカーを出さずに入ってきた車両と衝突しました。
過失割合は2:8です。
ご相談のきっかけは、逸失利益の金額に疑問を持たれたことでした。
アトム法律事務所の弁護士が、提示額を確認させていただき、増額の余地があることをお伝えしました。それから、正式にご契約となりました。
ご依頼から2週間で解決し、最終的には約241万円の示談金となりました。弁護士が介入したことで、約136万円の増額を実現できました。

示談金 290万円|右ひざ靭帯損傷 | 後遺障害 14級

被害者は通学途中、自転車で走行中に商業施設から出てきた車両と衝突しました。ケガは、右膝靭帯損傷、左脚打撲のケガと診断されました。後遺障害14級の等級認定を受けていらっしゃいました。
お電話のみでそのまま正式に契約となり、当初の提案額144万円から145万円も増額されました。最終的には、290万円の示談金となり、被害者や被害者のご家族にもご納得いただけました。

示談金 1,150万円|腰椎圧迫骨折・左肩腱板断裂など| 後遺障害併合10級

幹線道路の交差点で、自転車同士の事故が起こりました。
事故直後に、相手は現場から逃走したひき逃げ事案でした。被害者には既往症があり、リハビリや手術は困難な状況となっていました。相手方から示談内容を提示されましたが、その内容は納得のいくものではありませんでした。また、後遺障害等級認定の申請についても不明点があり、アトム法律事務所の弁護士にご相談をいただきました。
後遺障害等級認定のサポートを行い、後遺障害等級は併合10級と認定を受けました。当初、相手方から提示を受けた金額から約620万円増額され、1,150万円の示談金獲得となったのです。
この案件は、もともとの既往症が原因となり、事故の被害者が亡くなられてしまいました。しかし、弁護士と法定相続人の方とも連携し、示談締結まで進めることとなりました。

示談金 6,800万円|高次脳機能障害など | 後遺障害6級

信号のない交差点を優先道路からバイクで侵入した被害者と、一旦停止義務のある他道路から侵入してきた車両と衝突事故が起こりました。被害者はそのまま意識を失い、入院・手術となりました。症状としては、大腿骨骨折・外傷性硬膜下血腫で、高次脳機能障害・視力障害やふくらはぎの腫れ、左手のしびれが見られました。

今後の生活に不安を感じたご家族からの相談を受け、後遺障害6級認定済の状態で正式に弁護士との契約となりました。ねばり強い交渉をすすめ、当初の先方提示額を上回る6,800万円にて示談が成立しました。

交通事故の示談金で請求できる内訳は?

示談金とは、交通事故の被害者に対して加害者から支払われるお金を総称したものです。

ここからは、交通事故の被害者が請求できる示談金の内訳を見ていきましょう。
交通事故の示談金は、大きく「積極損害」「消極損害」「慰謝料」に分けられます。

示談金の内訳(1)積極損害

積極損害とは、実際に「支出として生じた損害」のことをいいます。
支出として生じた損害をわかりやすくいうと、領収書として金額を証明できる損害のことです。

  • 治療費
  • 入院雑費
  • 通院にかかった交通費
  • 付き添い看護費
  • 介護費
  • 診断書などの作成費

積極損害に当たる示談金項目は、上記のようなものになります。
では、それぞれについてさらに詳しく見ていきましょう。

治療費

治療費とは、交通事故のケガを治すために必要になる費用のことです。

治療費は、通院と並行して加害者側の任意保険会社が直接病院に支払ってくれることが多いです。

加害者側の任意保険会社が直接病院に支払ってくれる場合、治療費は示談交渉よりも前に支払われていることになります。そのため、示談交渉後は、示談金から治療費を差し引いた金額が支払われることになります。

ただし、加害者が任意保険に入っていない場合には、被害者が治療費を一旦立て替えておくことになります。

また、加害者が任意保険に入っていても、任意保険会社の方針によっては立て替えが必要になることもあります。

関連記事

交通事故の治療費の支払方法について

入院雑費

入院雑費とは、入院の際に必要になる包帯やガーゼなどの費用、電話代のことを言います。

通院にかかった交通費

通院のためにかかった交通費も、積極損害として示談金に含まれます。

ただし、タクシーについては「タクシーを利用する必要性」が認められなければ、代金を支払ってもらえないこともありますので注意してください。

付き添い看護費

付き添い看護費は、被害者が入院や通院をする際、医師の判断により付き添い看護が必要だと認めれば請求できます。

介護費

交通事故による治療期間中、被害者が身動きをとれない状態である場合は、介護が必要になります。その時の介護費用は、加害者側に請求できます。

また、後遺障害が残り将来にわたって介護が必要となった場合には、その分の費用も示談金に含めることができます。

診断書などの作成費

交通事故にあうと、示談金請求のために診断書が必要になります。また、後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定のため後遺障害診断書も必要になります。

この金額も、示談金として加害者側に支払ってもらうことができます。

示談金の内訳(2)消極損害

消極損害とは、交通事故にあわなければ得られていたはずの利益のことをいいます。

  • 休業損害
  • 後遺障害逸失利益
  • 死亡逸失利益

消極損害に分類される項目は、上記のようになっています。

休業損害

休業損害とは、交通事故で仕事を休んだことで得られなかった収入に対する補償のことを言います。有給休暇を使った日も、休業損害の対象となります。

また、専業主婦やアルバイトをしていた学生の場合も、休業損害を請求することができます。

その他、無職の方でも近々就職して働き、収入を得ていた可能性が高いと判断されれば、休業損害を請求することができます。

関連記事

交通事故の休業損害について

後遺障害逸失利益

逸失利益とは

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことで得られなくなった将来の収入に対する補償のことです。

後遺障害が残ると、仕事に支障が出て退職・異動せざるをえなかったり、出世に影響が出たりします。

その結果、事故にあわなかった場合に比べて生涯年収が下がってしまう可能性があります。そうした損害に対する補償が、後遺障害逸失利益なのです。

事故時に被害者が子どもや学生だった場合でも、事故によって職業選択の幅が狭まるなどの影響が考えられるため、後遺障害逸失利益を請求することができます。

死亡逸失利益

死亡逸失利益とは、交通事故により被害者が亡くなられたことで得られなくなった将来の収入・利益のことを言います。

死亡逸失利益の場合も後遺障害逸失利益と同様、子どもや学生の方が被害者である場合も請求できます。

示談金の内訳(3)慰謝料

慰謝料とは、交通事故による精神的苦痛に対する補償のことを言います。これは、身体が傷つくことに関連して生じる精神的苦痛を対象としています。

そのため、愛車が壊れた、ペットが傷ついたなど、被害者自身の身体が損傷した以外を理由として生じた精神的苦痛については、慰謝料の対象になりません。
慰謝料は、交通事故の示談金に含まれる項目の一つです。

交通事故の慰謝料

交通事故の慰謝料は、3つあります。

  • 入通院慰謝料(傷害慰謝料)
  • 後遺障害慰謝料
  • 死亡慰謝料

それぞれの慰謝料について、詳しくご説明していきます。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)

入通院慰謝料とは、交通事故による入通院で生じる精神的苦痛に対する補償のことです。

交通事故にあいケガをして入通院が必要になると、できる行動に制限が出たり、時間的制約が生じたりします。

また、治療の過程で辛い思いをすることもあります。入通院慰謝料とは、そうした治療の過程で辛い思いをしたという精神的苦痛に対する補償のことを言うのです。したがって、ケガなしの場合、入通院慰謝料を請求することはできません。

入通院慰謝料は、「傷害慰謝料」と呼ばれることもあります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、交通事故により後遺障害が残ったことで、今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償のことを言います。

交通事故にあい後遺障害が残ると、仕事に支障が出て悔しい思いをしたり、周囲の目が気になって辛い思いをしたり、日常生活の中でもどかしい思いをしたりすることが考えられます。

そうした精神的苦痛に対する補償が、後遺障害慰謝料なのです。

ただし、後遺障害慰謝料は単に後遺症が残っただけでは請求することができません。後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺症に対して、後遺障害等級認定がなされる必要があります。同様に、後遺障害逸失利益についても、後遺障害等級認定を受けることで請求が可能です。

死亡慰謝料

死亡慰謝料とは、交通事故によって亡くなった被害者ご本人とそのご遺族の精神的苦痛に対する補償のことを言います。

入通院慰謝料や後遺障害慰謝料は、基本的に被害者ご本人のみに対して支払われます。しかし死亡慰謝料には、あらかじめご遺族の方に対する金額も含まれています。

なお、ここでいうご遺族とは、配偶者・子(養子含む)・親(養父母含む)のことを指します。

兄弟姉妹や内縁の妻などに対する死亡慰謝料は、上記のご遺族と同じくらい被害者と近しい関係にあり、その悲しみも同じくらい深いと判断されると認められます。

交通事故の慰謝料に関する基本情報については、関連記事『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』でまとめて解説していますので、あわせてお読みください。

ケガなしの物損事故の示談金内訳

ケガなしの場合は、慰謝料の請求は原則できません。
これまでに物損事故の慰謝料が認められた判例もありますが、慰謝料が認められるケースは例外的なものと考えておきましょう。

物損事故の場合は、あくまで物の被害に対する損害賠償請求にとどまります。

物損事故の損害賠償項目

修理費用、代車両、評価損、買い替え費用、休車損害

示談金の計算方法は?積極損害・消極損害の場合

つづいて、示談金の計算方法について見ていきましょう。項目ごとの計算方法を理解すれば、ご自分でも示談金額を計算できるようになります。

まずは、積極損害・消極損害の計算方法です。

積極損害の計算方法

治療費

交通事故の治療費は、基本的に実費全てを請求することができます。ただし、通院期間が長期化した場合や通院頻度が低い場合は、治療費を全額は支払ってもらえない可能性があるので注意してください。

入院雑費

入院雑費は基本的に日額1500円として、入院した日数分支払われます。

通院にかかった交通費

交通費も治療費と同様、基本的に実費が支払われます。

公共交通機関を利用する場合は、交通費が明らかなので領収書は必要ありません。自家用車を利用する場合は、家からの距離をもとに金額を算出することになります。
タクシーの場合は、領収書を保管しておくようにしてください。

付き添い看護費

ご家族が付き添い看護をする場合、入院であれば1日あたり6500円、通院であれば1日あたり3300円を加害者側に請求できます。

また、ご家族ではなく職業看護人に付き添い看護してもらった場合は、そのためにかかった費用を加害者側に請求することができます。

ご家族がお仕事を休んで入院の付き添い看護していた場合には、ご家族の1日あたりの給与が6500円以下であれば6500円を加害者側に請求できます。

それ以上であれば、ご家族の1日あたりの給与を加害者側に請求できます。ただしこれは、「 職業介護人を雇った場合の1日あたりの金額」を上限とします。

介護費

介護費用は、ご家族が介護をする場合には1日8000円として計算されます。職業介護人が介護をする場合には、実費を計算して請求することになります。

診断書などの作成費

通常の診断書の費用は3000円程度、後遺障害診断書の費用は5000円~10000円程度です。ただし、病院によって正確な費用は変わりますのでご注意ください。

消極損害の計算方法

後遺障害逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益は、次の式で計算されます。

収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数

労働能力喪失率とは、後遺障害によってどれくらいの労働力が失われたかを割合で表したものです。これは、後遺障害等級ごとに目安が決まっていて、次のようになっています。

等級労働能力喪失率
1100%
2100%
3100%
492%
579%
667%
756%
845%
935%
1027%
1120%
1214%
139%
145%

ライプニッツ係数は、後遺障害逸失利益を預金したり運用したりすることで生じる利益を差し引くための数値のことを言います。

ライプニッツ係数は、基本的に症状固定時〜67歳までの年数に応じたものを用います。

死亡逸失利益の計算方法

死亡逸失利益の計算式は、次のようになります。

死亡逸失利益=年収×(1‐生活費控除率)×死亡により就労できなくなった年数に対するライプニッツ係数

生活費控除率とは、交通事故により被害者が死亡しなければ得られていたであろう将来の収入から、被害者ご本人が消費したであろう金額を差し引くためのものです。

生活費控除率は、次のようになっています。

一家の支柱
(扶養家族1人)
40%
一家の支柱
(扶養家族2人以上)
40%
女性30%
男性50%

慰謝料・休業損害の示談金計算方法は?

つづいて、慰謝料・休業損害の計算方法です。
慰謝料・休業損害には3つの金額基準があり、金額基準ごとにそれぞれ計算方法があります。

慰謝料・休業損害には3つの金額基準がある

ここからは、示談金のうち慰謝料・休業損害の計算方法・相場について紹介します。

交通事故の示談金を算定する際、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」という3つの金額基準のいずれかが用いられます。3つの金額基準の中で、最も高額で妥当な金額が得られるのは弁護士基準です。

慰謝料金額相場の3基準比較

自賠責基準とは

自賠責基準とは、加害者側自賠責保険から支払われる賠償金額の基準です。

自賠責保険は交通事故の被害者に対し、最低限の補償を行う役割を担っています。

そのため、自賠責基準の金額は「被害者が受け取れる最低限の金額」ということができます。

自賠責基準の計算方法・金額基準は国によって決められているため、保険会社によって金額が違うということはありません。

また、実際の支払いの際には、加害者側の任意保険会社が自賠責保険の支払分もまとめて一括で支払うことがほとんどです。

任意保険基準とは

任意保険基準とは、加害者側の任意保険会社が計算する賠償金の金額基準のことを指します。

簡単に言うと、示談交渉のときに加害者側の任意保険会社が提示してくる金額ということになります。

任意保険基準での計算方法・金額基準は、各保険会社ごとに異なり非公開です。そのため、ここでご紹介することができません。

ただし、目安としては自賠責保険基準と同等か、少し上乗せした程度であることが多いので、自賠責保険基準の金額を参考にしてみてください。

弁護士基準(裁判基準)とは

弁護士基準とは、弁護士が交通事故の賠償金を計算する際に用いる金額基準のことを言います。

この金額は、過去の判例をもとに決められています。そのため、3基準の中では最も高額で、最も妥当な金額ということができます。

この金額基準は「弁護士基準」と言うだけあって、弁護士が主張しなければ加害者側に受け入れられない可能性が高いです。

入通院慰謝料の計算方法

自賠責基準の場合

入通院慰謝料は、自賠責基準の場合次のような計算式で求められます。

日額×入通院日数
※入通院日数は、次のうち少ない方を採用

  1. 入院日数+通院期間
  2. 入院日数+実通院日数×2

日額は、2020年3月31日までに起きた事故なのか2020年4月1日以降に起きた事故なのかによって変わりますのでご注意ください。

2020/3/31まで4200円
2020/4/1以降4300円

弁護士基準の場合

弁護士基準では、入院日数と通院期間の合計である治療日数をもとに「入通院慰謝料算定表」という表を用いて、入通院慰謝料の金額が算定されます。

入通院慰謝料算定表には、軽傷の場合に用いるものと重傷の場合に用いるものの2種類があります。それぞれ次のようになっています。

軽傷の場合

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

重傷用

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表は、入院日数と通院期間が交わる部分を見ます。
入院7日、通院3ヶ月というように端数が出る場合は、次のように計算します。

《軽症で入院7日、通院3ヶ月の場合》
入院0ヶ月、通院3ヶ月の慰謝料は53万円。
入院1ヶ月、通院3ヶ月の慰謝料は83万円。
したがって、入院7日、通院3ヶ月の慰謝料は次のようになる。
53万円+{(83万円−53万円)÷30日×7日}=60万円

後遺障害慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級ごとに決められています。自賠責基準の場合は、次のようになっています。

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護1,650
(1,600)
2,800
2級・要介護1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998 (958)2,370
3級861 (829)1,990
4級737 (712)1,670
5級618 (599)1,400
6級512 (498)1,180
7級419 (409)1,000
8級331 (324)830
9級249 (245)690
10級190 (187)550
11級136 (135)420
12級94 (93)290
13級57 (57)180
14級32 (32)110

※単位:万円
※()内は2020年3月31日以前の事故に対するもの

交通事故の症状別の慰謝料相場についてくわしく知りたい方は『【症状別】交通事故慰謝料相場』をご覧ください。

また、後遺障害等級ごとの認定基準は『後遺障害等級の一覧表|認定基準と認定の流れ』にて確認可能です。

死亡慰謝料の計算方法

自賠責基準の場合

自賠責基準の場合、死亡慰謝料は被害者ご本人分とご遺族分それぞれについて金額が決まっています。

本人分350万円
(2020年4月1日以降の事故であれば400万円)
請求者1名の場合550万円
請求者2名の場合650万円
請求者3名以上の場合750万円

被害者に被扶養者がいるときは、上記+200万円となります。

弁護士基準の場合

弁護士基準の場合、死亡慰謝料の金額は次のようになっています。

一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
その他2000万~2500万円

弁護士基準の場合は、上記の金額にあらかじめご遺族分の金額も含まれています。

ただし一家の支柱については、扶養家族を3人程度と想定した金額になっています。そのため、扶養家族が多い場合は金額が増える場合があります。

休業損害の計算方法

自賠責基準の場合

自賠責基準では、休業損害は次のように計算されます。

日額×休業日数

日額は、2020年3月31日までに起きた事故なのか2020年4月1日以降に起きた事故なのかによって変わります。

2020/3/31まで5700円
2020/4/1以降6100円

専業主婦(主夫)でも同様に日額は5700円または6100円で計算されます。

日額が5700円または6100円だと、実際の1日あたりの収入よりも少ないという方もいるでしょう。

そのような場合、不足分は資料により立証できれば19000円を限度に請求することができます。

弁護士基準の場合

弁護士基準の場合、休業損害は次のように計算します。

日額×休業日数

日額は、被害者の職業によって変わります。

サラリーマン事故前3ヶ月の収入÷3ヶ月間の実労働日数
自営業者事故前年の所得÷1年間の実労働日数
主婦女性の全年齢平均賃金(約1万円)

自営業の方は、確定申告で申告している所得を計算で用いることになります。

実際の年収よりも低めに申告している場合や、確定申告をしていない場合には、帳簿など所得を証明できる資料が必要です。

ただしそうした資料があっても、どの程度実際の所得に近い金額での計算が認められるかは加害者側との示談交渉次第となります。

また、休業損害は学生や無職の方でも受け取れる場合があります。

以上のように、交通事故慰謝料の計算はご自身でおこなうことが可能です。
個別に知りたい場合は、弁護士へ直接示談金の計算を依頼することができます。

ケガ・損害ごとの示談金はどのくらい?

示談金計算のシミュレーション

示談金の相場がどのくらいになるのか、ケガごとに分けてみていく前に「慰謝料計算機」の紹介です。
示談金の金額を計算するには、治療にかかった期間や、後遺障害等級、年齢や年収といった被害者個別の状況が必要になってきます。

ご自身のケースではどのくらいになるのかシミュレーションしたい方は、こちらの計算機を先にお使いください。

これからご紹介する損害内容は一例であり、計算結果も目安にすぎません。
交通事故ごとに請求すべき損害が異なることを予めご了承ください

ケース(1)追突事故によるむちうちでしびれ・腰痛

被害者は30歳の会社員。自動車乗車中に交差点で信号待ちをしていたところ、後ろから別の自動車に追突された。治療は通院6ヶ月(180日)、通院日数80日、治療費60万円、通院交通費3万円がかかった。ケガは完治せず、強い痺れ・腰痛が残った。症状固定を迎えて後遺障害14級認定となった。

このケースでは、被害者に以下のような損害が発生しています。
いずれも、弁護士基準での計算となります。

  • 治療費:60万円(実費)
  • 通院交通費:3万円(実費)
  • 入通院慰謝料:89万円
  • 休業損害
    休業損害は1日あたり13,000円
    20日間仕事を休んだので13,000円×20=26万円
  • 後遺障害慰謝料(14級)
    後遺障害14級は弁護士基準:110万円
  • 後遺障害逸失利益:100万円
    事故前の年収は400万円。
    後遺障害14級の労働能力喪失率は5%
    むちうちの労働能力喪失期間は5年が目安
    400 ×0.05 ×4.58 = 100

治療費、通院交通費、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の合計は388万円です。

このほか、車両の修理費や後遺障害診断書などの文書作成費用も請求できます。
似たような交通事故であっても、請求すべき損害は違います。

ケース(2)歩いていて自動車に追突された死亡事故

歩道を歩いていた主婦(47歳)が自動車にひかれて亡くなった。被害者は病院に運ばれて懸命の治療を受けたが、1ヶ月も生死の境をさまよい、亡くなってしまった。被害者は専業主婦をしており、夫・子との3人家族であった。

このケースでは、次のような損害が考えられます。

  • 治療費:30万円
  • 入院付き添い看護費:6,500円×30日=19万5,000円
  • 入院雑費:1,500円×30日=4万5,000円
  • 入通院慰謝料:弁護士基準による入院1ヶ月:28万円
  • 死亡慰謝料:母親・配偶者につき:2,500万円
  • 死亡逸失利益:4,041万円
    賃金センサスより主婦年収:約388万円
    生活費控除率:30%
    労働能力喪失期間のライプニッツ係数:14.88
  • 葬儀費用:150万円

治療費、入院付き添い看護費、入院雑費、入通院慰謝料、死亡慰謝料、死亡逸失利益、葬儀費用の合計は6,773万円です。

長い間生死の境をさまうことは、被害者、遺族に多大な精神的苦痛をもたらしています。このような事情は慰謝料の増額につながる可能性もあります。

死亡事故という重大な事故では、加害者側との交渉そのものが、遺族の方を苦しめます。金額の面だけでなく、精神的な負担を少しでも和らげることができるよう、弁護士一同、努めてまいります。

上記のような事例以外にも、怪我の程度や症状ごとの慰謝料相場額について詳しく知りたい方は『交通事故の慰謝料相場|事故別にわかるリアルな金額』の記事を確認してください。

交通事故の示談金交渉の注意点3つ

交通事故の示談金は、示談交渉によってその金額が決められます。
そこでここからは、示談交渉の際に気を付けなければならないポイントを3つご紹介します。

(1)損害賠償請求権には時効がある

交通事故の示談金額を決める示談交渉そのものには時効はありません。しかし、被害者側が加害者側に賠償請求できる期間には時効があるので、注意しなくてはなりません。

交通事故で加害者側に損害賠償金の請求ができる期間は、次の通りです。

人身事故
(後遺障害なし)
事故発生日~3年間
人身事故
(後遺障害あり)
完治または症状固定日(※)~3年間
死亡事故死亡日~3年間
加害者不明事故日~20年間
(加害者が判明したらその日~3年間)

※症状固定とは、ケガがこれ以上治療しても大幅な改善は見込めないと判断されること

2020年3月31日までは上記の時効が適用されます。しかし、2020年4月1日の時点で時効が成立していないものについては、民法改正により「3年」となっている部分が「5年」になりますのでご注意ください。

交通事故の示談交渉をするときは、この時効が成立するまでに示談を成立させる必要があります。

(2)加害者側が提示する示談金額を鵜呑みにするのは危険

示談金額は、交通事故の被害状況や被害者に及ぼした影響などを考慮して示談交渉という話し合いで決めていき、示談金額にお互いが納得すると合意に至ります。とはいえ、加害者側の任意保険会社が一方的に示談金額を提示してくるのが一般的でしょう。

ただし、加害者側の任意保険会社が提示する金額は、弁護士基準の金額に比べて3分の1~半分程度でしかないことが多いです。

任意保険基準でも何千万円~何億円という金額になってくると、金額そのものが大きいこともあり、十分な金額だと思って示談を受け入れてしまう被害者がいます。

しかし、交通事故の賠償金として考えた時には、決して十分な金額とは言えないことが多いです。示談金の相場がどのくらいかわからず、任意保険会社が提示してきた金額を鵜呑みにして、安易に合意してしまうのは非常に危険です。一度でも、合意してしまうと、原則として示談成立後に示談の内容を変更することはできません。

加害者側の任意保険会社から示談金額を提示された際には、示談をすぐに受け入れるのではなく、弁護士基準での金額を確認してみることをおすすめします。

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(3)過失割合が示談金額を左右する

交通事故の示談金においては、「過失割合」についても注意しておかなくてはなりません。

過失割合とは、交通事故が起きた原因が加害者と被害者それぞれにどれだけあるかを割合で示したもので、事故当時の状況をもとに算出されます。

多くの事故の場合、過失割合は被害者にもつきます。過失割合がつくと、その過失分受け取れる示談金が減額されてしまうので注意が必要です。

たとえば被害者側に過失割合が2割あるとされると、受け取れる示談金は2割減ってしまうのです。

加害者側の任意保険会社は、客観的な資料を確認することなく、加害者に有利な情報のみをもとに過失割合を導き出していることがあります。

そのため、示談金額だけではなく過失割合についても、提示されたものを鵜呑みにするのではなく、一度弁護士に相談することをおすすめします。

示談金増額のコツは弁護士に相談すること

加害者側の任意保険会社から提示された金額を増額させたり、被害者に不利な過失割合を訂正させたりするためのコツは、弁護士に相談することです。

そこでここでは、弁護士に相談すべき理由や費用の心配なく弁護士に相談する方法を解説していきます。

示談金増額のために弁護士が必要な理由3つ

交通事故の示談金をより多く獲得するために弁護士に相談・依頼をすべき理由は、次の3つです。

  1. 適切な示談金額を計算してもらえる
  2. 被害者側の主張が通りやすくなる
  3. 粘り強い交渉が可能になる

(1)適切な示談金額を計算してもらえる

弁護士に示談金に関する相談・依頼をすることで、正しい示談金額を計算してもらえます。
正しい示談金額とは、過去の判例をもとにした裁判基準での金額ですが、実際には交通事故の個別的な内容に応じてさらに慰謝料の増額や減額が生じます。

弁護士基準での金額を計算するだけなら、この記事で紹介した示談金計算機を使えば簡単にできます。しかし、示談金の細かい増額・減額については弁護士でないと判断できません。

示談金のなかには治療費・交通費などの実費が認められる損害費目がありますが、実費を超えた金額を請求することはできません。つまり、増額の余地がない費目にこだわっていては、示談金増額は達成できないのです。

一方、慰謝料など弁護士でないと判断できない損害費目にこそ、示談金増額のチャンスがあります。本当に正しい示談金額を知るためには、交通事故案件に精通した弁護士という法律の専門家に相談することが必要なのです。

(2)被害者側の主張が通りやすくなる

示談交渉では、被害者自身がいくら正しい主張をしても、加害者側の任意保険会社に受け入れられにくい傾向にあります。

示談交渉の経験は基本的に被害者よりも加害者側の任意保険会社の方が上であるため、交渉の主導権を握られてしまう傾向にあるのです。

特に弁護士基準の金額は、「弁護士基準」と呼ばれるだけあって弁護士が主張しないと聞き入れてもらいにくいのが現実です。

弁護士を立てずに示談交渉を行った場合、加害者側の任意保険会社の提示額に近い金額になってしまう傾向にあるため、より多くの示談金を獲得するためには弁護士の力を借りることが必要です。

(3)粘り強い交渉が可能になる

より多くの示談金を獲得するためには、粘り強く交渉を続けることが必要な場合もあります。しかし、粘り強い交渉は被害者にとって負担になることも事実です。

示談交渉は、電話やFAXにて複数回行われることがほとんどです。示談交渉を仕事や家事の合間に対応しなければならないこと、なかなか思うように連絡がとれずに交渉が進まなくてストレスになりやすいこと、任意保険会社の担当者の言動で不快な思いをする場面もあることなどが負担の理由です。

こうしたことから、初めは納得いくまで粘り強く交渉しようと思っていても、示談交渉が辛くなって被害者本人のみでの対応が難しくなることが考えられます。

弁護士に示談交渉を依頼すれば、被害者自身がこのような苦しみを感じることはありませんし、弁護士はプロとして粘り強く交渉を進めていくことができるため、結果としてより多くの示談金を受け取れる可能性が高まるでしょう。

また、弁護士に依頼すると、示談のやり取りをはじめ、示談書の作成といった示談交渉全般の面倒から解放されます。示談交渉をとおして相手方と合意が得られない場合は裁判に発展することが予想されますが、弁護士がついていれば裁判になっても安心です。

示談交渉を弁護士に相談するなら早めがおすすめ

交通事故の示談交渉は、交通事故で被った損害額が確定した段階で本格的にはじまることが多いです。交通事故でケガをした場合だと、ケガが完治した時期または後遺障害等級が認定された時期から示談交渉がはじまるでしょう。(死亡事故の場合だと一般的に、四十九日の法要が終わったあたりで示談交渉がはじまります。)

示談交渉を弁護士に依頼したいと検討しはじめるのも、示談交渉がはじまる頃が多いのではないでしょうか。しかし、示談交渉がはじまる前でも弁護士に依頼することができます。弁護士に依頼するタイミングに決まりはありません

損害額が確定する前の治療段階でも、治療費や休業損害の打ち切りなどの問題が多々みられます。弁護士が早い段階でついていれば、打ち切りといった交通事故の示談にまつわる悩みすべてのサポートをお願いできます。したがって、示談交渉を弁護士に相談するなら早めをおすすめしたいです。

弁護士への相談・依頼のタイミングが早いほど、弁護士が取れる対応の選択肢が広がります。つまり、弁護士の選択肢が広がることは、示談金増額の可能性アップにもつながるのです。

遅くとも、示談成立前には一度、弁護士に相談することをおすすめします。相手方から提示される示談金が適切な金額か確認せず、示談に合意するのだけは避けてほしいためです。示談成立前に弁護士に依頼すれば、増額の可能性を高めることができます。

弁護士費用が不安な方も安心できる相談方法

弁護士に相談・依頼するにあたって心配なのが、費用でしょう。

実は、弁護士費用特約という特約を使うと、被害者ご自身が加入している保険会社に弁護士費用を負担してもらうことができます。保険等級に影響はないので、弁護士費用特約を使うことで保険料が上がる懸念はいりません。

また、アトム法律事務所では電話やLINEでの無料相談も受け付けています。弁護士費用特約に加入していない方、忙しくて弁護士事務所での相談が難しい方、弁護士相談は敷居が高いと感じている方にも、お気軽にご利用いただけます。

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まとめ

適切な金額を獲得するためには、示談交渉を弁護士に代理してもらうことが重要です。弁護士費用特約や無料弁護士相談を利用すると、費用を抑えることができます。
まずは気軽に、悩みや疑問をお聞かせください。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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