交通事故の慰謝料を多く貰うためにNGな行動22選

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慰謝料を多くもらうためにNG行動22選

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で慰謝料を多く貰うには、してはいけないNGな行動・見逃してはいけない増額事由を理解しておく必要があります。

理解しておくべきポイントは、法律・保険・医療とあらゆる分野に点在しています。
それらを把握しておかなければ、慰謝料を増やすどころか、うっかり慰謝料減額となる行動をしてしまいかねません。

この記事は、交通事故の慰謝料の相場を知りたい方、慰謝料を増やす方法についてお知りになりたい方、慰謝料を減らしてしまう行動について知りたい方、実際に示談交渉中の方に向けて、交通事故発生から時系列順にポイントをまとめています。

目次

慰謝料を多く貰うため【交通事故発生時】にしてはいけないこと

事故発生時に望ましくない対応をしてしまうと、慰謝料を多く貰うことができなくなる可能性があります。

もし望ましくない対応をしてしまっていても、あとからカバーできる場合があるので確認していきましょう。

(1)交通事故現場で示談してはいけない

事故現場で、交通事故相手が「おおごとにしたくないから、今示談してしまわないか」と言ってくることがあります。

ですが、これに応えてはなりません。
あとから新たな損害が発覚したり、示談内容に誤りがあることがわかったりしても、追加の賠償請求や再交渉ができなくなってしまうからです。

示談とは

当事者間の争いについて、話し合いで解決し、これ以上争わないとする最終的な合意。

交通事故の場合は「加害者は被害者に●万円支払うので、その交通事故についてそれ以上金銭を請求しない」という形の示談が行われることが多い。

例えば、交通事故現場で示談して10万円受け取ったものの、その後10万円以上の治療費や自動車の修理代がかかってしまったとします。
被害者としては当然、足りないぶんを加害者に請求したいところです。

ですが、既に示談してしまっているので「既に支払った10万円のほかには支払わない」と加害者から突っぱねられてしまうでしょう。

示談とは争いを終了させるための最終的な段階です。
交通事故現場でまだ自身の受けた損害を計算できていない時点で示談をすると、十分な慰謝料が受け取れないことがあるのです。

ただし、脅しによって無理やり示談させられたなど特殊な事情がある場合は、すでに成立した示談の内容を撤回し、再交渉ができる可能性があります。
詳しくは『示談成立後、撤回や再請求は可能?』をご確認ください。

(2)交通事故現場に警察を呼ばない

交通事故が発生した場合、道路交通法により運転手らには警察に届け出る義務があります。
これに違反すると「交通事故証明書」が発行されず、慰謝料が貰えない可能性が出てきます。

第七十二条 交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者~は、直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

道路交通法 第72条1項

交通事故証明書とは、交通事故の発生を証明する書類です。
よって、これがなければ「その事故が発生したという証拠がない」として、慰謝料が支払われないことがあるのです。

もしもその場で警察に行かなかったとしても、後日出来るだけ早いうちに事故発生現場の最寄りの警察署に届け出れば、交通事故証明書が発行されるでしょう。

しかし、事故から日が経っていると、事故の痕跡を見つけたり、交通事故により怪我をしたと証明したりすることが難しくなる可能性があります。
他にも、後日の届け出では相手方の連絡先・住所・氏名が必要となるなど、さまざまな手間がかかります。

怪我人が出る交通事故で警察への届け出をしなかった場合、懲役刑・罰金刑になることもあるので、出来るだけその場で警察を呼ぶようにしましょう。

(3)交通事故後、すぐ病院に行かない

交通事故発生後は、特に体が痛くないと思っていても念のため整形外科などの病院にかかるべきです。
後から痛みが出てきて病院へ行っても、事故から時間が経っていると怪我と交通事故との因果関係を証明できず、治療費や慰謝料が請求できない可能性があるからです。

事故から少し時間が経ってから体が痛み始める、ということは、交通事故ではよくあります。

事故現場では大変興奮し、一時的に体の不調を感じにくくなっているからです。
また、怪我の種類によっては、時間が経ってから痛みが出てくるものもあります。

事故発生直後の身体の状態を医師に確認してもらい、診断書や画像に記録しておくことは非常に重要なので、たとえ自覚症状がなくても、まずは病院で検査を受けるべきでしょう。(関連記事:交通事故で痛くないのに通院しても良い理由と不正請求を疑われない対処法

(4)怪我をしているのに物損事故にしてはいけない

警察に届出をした場合、物損事故か人身事故のどちらかで処理をすることとなります。

このとき、怪我をしているのであれば人身事故として処理してもらうべきです。
怪我の治療費や慰謝料は、原則として人身事故の場合でなければ請求できないからです。

物損事故損害が物のみの交通事故
人身事故損害が人体にも及んでいる交通事故

たとえ怪我をしていても、物損事故として処理していると、「この事故は物損事故で、人体の怪我は生じていないため、治療費や慰謝料などは支払いません」と相手方に言われてしまう可能性があります。

特に軽い怪我だけだった交通事故では、加害者側から物損事故として処理するよう頼まれることがあります。警察からも、人身事故の処理手続きの大変さから、物損事故としての処理をすすめられるかもしれません。
しかし、損害賠償金の観点から、少しでも怪我をしているのであれば、人身事故として届け出るようにしましょう。

人身事故と物損事故における損害賠償金の違いについて詳しくは、『交通事故|人身事故の賠償金相場と計算方法!物損事故との違いは何?』をご覧ください。

物損事故から人身事故への切り替えは可能

もしもすでに物損事故として届け出てしまっていても、後日警察に診断書を提出することで人身事故への切り替えを行うことができます。

ただし、加害者と一緒の出頭を求められることがある、事故から日が経つと診断書受け取りを拒否されることがあるなど、被害者の方にとってはハードルが上がってしまいます。

もしも後日に人身事故へ切り替えることを考えているのならば、弁護士などに依頼して協力を仰ぐのもよいでしょう。

(5)交通事故で損害を受けた自動車をすぐに修理してはいけない

交通事故後、相手方の保険会社に無断ですぐに車を修理してしまうのは避けるべきです。

加害者側の保険会社に修理費の見積もりを共有してから修理しないと、「その修理費は本当に必要だったのか」「修理方法は適切だったのか」と疑われ、修理費の一部が支払われなくなる可能性があるからです。

ですので、修理費の見積もりを受けた時点で相手方保険会社に連絡し、金額が適正かどうかを確認するとよいでしょう。

また修理工場の担当者には、出来るだけ事故態様を詳細に伝えるべきです。フレームの歪みなど、外部から発見するのが困難な損傷を見つけ出す手がかりになるためです。

慰謝料を多く貰うため【治療中】にしてはいけないこと

ここからは交通事故後に病院へ行き、その後治療を続ける際にしてはいけないポイントをまとめていきます。

怪我の治療中の行動は、慰謝料の金額に大きくかかわってくるので注意が必要です。

(6)交通事故後、最初に整骨院に行ってはいけない

交通事故後、できるだけすぐに病院に行くべきという話がありましたが、初診は整骨院(接骨院)ではなく、整形外科など通常の病院で受けるべきです。

整骨院では診断書・MRI画像などが手に入りません。
その結果、治療費や慰謝料の請求時に怪我の程度を証明できず、十分な金額を得られない可能性があるのです。

また、整骨院は病院ではないので、整骨院通院に対する費用や慰謝料が認められない可能性もあります。

通院のために仕事などを休んでも、原則そのぶんの収入などは補償されますので、整骨院の方が通いやすかったとしても、病院に行きましょう。

なお、整骨院には絶対に通院してはいけないわけではありません。
ただし、病院への通院も継続する、医師の許可を得て通うなどの対策が必要となります。詳しくは次に解説しますが、あわせて以下の関連記事もご確認ください。

(7)交通事故後、無断で整骨院に通院してはいけない

交通事故による怪我で整骨院に通院する、というのはよく聞く話ですが、医師の了解をとったうえで通院するのがベターです。

整骨院へは健康維持のために通院する人もいるので、交通事故による怪我の治療のためだったと証明するには、医師にも整骨院通院を知ってもらっておく必要があるのです。

医師の了解を得ずに整骨院のみに通院していた場合、被害者本人としては6ヶ月整骨院で治療を受けたつもりでいても、相手方保険会社からは「病院には数回しか行っていない」と主張され、慰謝料などが減額されることがあります。

そのような事態を避けるため、担当医師に「整骨院で施術をしてもらってもいいか」と確認すると安全でしょう。

(8)交通事故の怪我の治療で健康保険を利用しない

治療費を一旦被害者側で立て替える場合は、健康保険を利用しましょう
そうすることで、以下のメリットが得られます。

  1. 自己負担額が生じたとき、被害者の負担額が減る
  2. あとから治療費の立替払いをしてもらうとき、被害者の負担額が減る
  3. 相手が自賠責保険にしか加入していないとき、支払い上限に達しにくくなる

3点目について解説しておくと、加害者が自賠責保険にしか入っていない場合、自賠責保険の上限額を超える金額分は支払われない可能性があります。
そのため、健康保険を使って自賠責保険の上限額に達しにくくしておくことが大切なのです。

なお、自賠責保険の支払い上限額は、後遺障害に関する費目や死亡事故に関する費目についても定められています。

各費目の上限額や、上限額を超えてしまった場合の対処法については『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?自賠責保険の限度額』をご覧ください。

交通事故の治療で健康保険は使えない、は嘘

自由診療の方がより高額の治療費を請求できることから、健康保険が使えると積極的に言わない医療機関もあります。しかし、実際には使えるので活用していきましょう。

健康保険の利用方法や、利用すべきケースについては『「交通事故で健康保険は使えない」は誤解!利用手続きやメリットを解説』の記事で確認可能です。

なお、勤務中や通勤中の交通事故に関しては、労災保険の利用が優先されます。

(9)加害者の見舞の際、金銭に関する話をしてはいけない

治療中、交通事故の加害者がお見舞いに来る場合がありますが、損害賠償に関する話題は避けましょう。
自らの過失を認める発言をしたり、金銭に関する話をしたりすると、後の示談交渉でその発言を持ち出され、交渉が不利になる可能性があるからです。

面会した時に相手方から謝罪を受けると、つい損害賠償に関する話をしてしまいがちですが、治療が終了し、損害額が確定するまでは過失や金銭面の話はしない方が賢明です。

なお、謝罪・反省の意を示すのは事故加害者として当然の姿勢ですが、被害者側は無理に会う必要はありません。
会いたくない場合には見舞いを断りましょう。

(10)交通事故の相手から過度な見舞金を受け取ってはいけない

見舞金とは、交通事故の加害者から被害者に対して、謝罪や誠意を示すために支払われる金銭です。
これを受け取ってしまうと、あとになって「あれば示談金・慰謝料として渡したものだ」と言われてトラブルになる可能性があるので、安易に受け取るのは危険です。

見舞金自体は社会的な行為としてよくあることですが、受け取る場合は、金額が社会一般的に許容される金額であるかどうか、示談金に含む意図があるのかなどを確認すると、後々のトラブルを避けることができるかもしれません。

見舞金を受け取るべきか迷った場合には、弁護士にご相談ください。

(11)保険会社に言われるがままに治療を打ち切ってはいけない

治療のために通院を行っていると、相手方の保険会社から「そろそろ治療を打ち切りにしましょう」と言われることがあります。
しかし、これに従い、まだ必要な治療をやめてしまうと、治療費・慰謝料が十分に受け取れなくなるので注意してください。

治療の打ち切りとは、怪我を治すために必要な治療を終了するということです。
すなわち、保険会社からすればこれ以上は治療費や慰謝料を支払わない、という意思表示でもあります。

まだ治療を続けるべき怪我について治療を打ち切ってしまうと、治るはずの怪我が治らないという事態にも陥りかねません。

いつ治療を終了するかについては、担当医師と当事者であるあなたとで適切な判断を下すべきです。

治療の打ち切りを言い渡された時の対処法は?

対策としては、担当医師に診断書や意見書を提出してもらったり、弁護士に交渉してもらったりするなどの方法があります。

保険会社が打診してくる時期の目安として、むちうちなどですと3ヶ月・骨折などですと6ヶ月頃ほどであると言われています。
平均的な治療期間が終わるころに治療打ち切りを打診されることが多いので、以下の記事を参考に、対策を確認しておくと良いでしょう。

(12)交通事故の怪我で必要のない過剰・高額な治療を行ってはいけない

交通事故の治療費は多くの場合、相手方保険会社が医療機関に支払います。
相手が支払ってくれるならと、個室に入院するなど高額な診療を受けたくなるかもしれませんが、過剰に高額な費用は加害者側に請求できないので注意しましょう。

入院中の部屋に関していえば、大部屋の使用が原則とされています。
個室の使用は、医師の指示があった・症状が重篤・空き室がなかったなど、特別な事情がある場合に限られます。

それらの事情がなかった場合、必要・相当でない部分の治療費は被害者自身の負担となる可能性があるため注意が必要です。

以下のような理由による個室の使用においては、個室使用料が認められなかった事例があります。

  • 幼い子供が面会に来ることを考慮した
  • 仕事の関係上、部屋で携帯電話を使う必要があった
  • 当初は個室が妥当だったが、当時既に症状が相当回復していた
  • 被害者が視覚障がい者だった
  • 被害者が選挙立候補者だった
  • 被害者が精神的に不安定だった(※5割のみ認める)

慰謝料を多く貰うため【後遺障害申請】でしてはいけないこと

怪我の治療を十分行ったとしても、痛みや痺れ・変形などの後遺障害(後遺症)が残ってしまう場合があります。
後遺障害が残ると、その重さなどに応じて慰謝料・逸失利益などが支払われ、示談金が大きく増額します。

ただし、後遺障害に対する慰謝料・逸失利益を貰うためには、「損害保険料率算出機構」に書類等を提出し、調査ののち等級の認定をうける必要があります。
認定の結果は慰謝料・逸失利益の金額を大きく左右するので、正当な等級の認定を受けるためにしてはいけないことを確認していきましょう。

(13)保険会社に言われるがままに症状固定にしてはいけない

後遺障害等級認定の申請は、「症状固定」という診断を受けた後に行います。
症状固定のタイミングについて保険会社が打診してくることがありますが、不適切なタイミングで症状固定をすると、後遺障害等級認定に不利になる可能性があるので注意が必要です。

症状固定とは

これ以上通常の治療を行っても、症状がよくも悪くもならない状態

目安として、多くの後遺障害が認定されるには6ヶ月以上の入通院期間が必要であると言われています。

よって、基本的には入通院期間6ヶ月未満で、保険会社に言われるがまま症状固定してしまうと、適切な後遺障害等級の認定が受けられず、慰謝料が手に入らない可能性があるのです。

また、症状固定以後の期間に対しては、治療費や休業損害も原則支払われない点に注意しましょう。

治療終了の時期と同じく、症状固定時期に関しても医師と被害者本人で相談して決めることが重要です。

(14)後遺障害診断書の作成を医師に任せてはいけない

後遺障害診断書は、後遺障害の等級認定の申請で必要な書類です。

この診断書は医師に作成してもらいますが、後遺障害診断書は「治らなかった症状」を記録する特殊な診断書であり、通常の医師の業務とは異なるので、作成を医師に丸投げすることは望ましくありません。

また、後遺障害の等級認定には、厚生労働省の定める独自の基準があります。
よって、後遺障害診断書は「後遺障害がその基準を満たしている」と明確に伝わる書き方をしなければなりませんが、医師がその基準に精通しているとは限りません。

必要な記載、添付画像、検査内容などについては、交通事故に詳しい弁護士に相談するとよいでしょう。

(15)事前認定で後遺障害等級を申請してもらってはいけない

後遺障害等級認定の申請方法には「事前認定」と「被害者請求」の2種類がありますが、より適切な認定結果を得るには、被害者請求による申請が重要です。
被害者請求ならすべての提出書類を被害者自身で用意でき、認定結果を左右する書類の質や種類を吟味できるからです。

被害者請求被害者自身で全ての書類を用意する
事前認定相手方保険会社にほぼ全ての書類を用意してもらう
後遺障害申請の手続き:被害者請求
後遺障害申請の手続き:事前認定の流れ

「事前認定」を選ぶと、後遺障害診断書以外の書類は全て相手方の任意保険会社が準備してくれるため、手続きが楽に済みます。

しかし、被害者自身は提出書類に関与できないため、書類の記載内容や種類を確認できません。
よって、必要最低限の書類しか提出してもらえなかったり、改善の余地がある記載内容のまま書類を提出されてしまったりするリスクがあります。
これでは、適切な等級が認定される確率は上がりません。

よって、万全を期すならば自ら提出書類を用意する「被害者請求」の方法をとるとよいでしょう。ですが、多くの必要書類を用意するのは大変ですし、以下の点について被害者自身で判断するのは難しいものです。

  • どんな記載内容なら良いのか
  • 必要最低限の書類に加えてどんな書類を添付すれば効果的なのか

よって、後遺障害等級認定の申請は、弁護士に一任して被害者請求をしてもらうことがベストです。
これなら書類集めの負担も減りますし、書類の質・種類を吟味できるという被害者請求の利点を最大限に生かせます。

具体的な方法や必要書類などをお知りになりたいときは、以下の記事をご参照ください。

慰謝料を多く貰うため【示談交渉】でしてはいけないこと

治療が終了、または後遺障害等級の認定結果が定まったタイミングで、相手方保険会社から示談金の提示があり、その後示談交渉が開始されます。

示談交渉は慰謝料・損害賠償金を大きく左右するフェーズなので、しっかりと注意点をおさえておくことが大切です。

(16)示談書にすぐサインしてはいけない

交通事故の示談交渉では、多くの人が相手方保険会社から提示された示談書にそのままサインしてしまいます。
しかし、相手方の任意保険会社は、慰謝料が低額になるような計算方法を用いているため、鵜呑みにするのは危険です。

一度示談書に署名・捺印をすると、原則として再交渉・追加の賠償請求はできないので、サインをする前に、本当に提示された金額に増額の余地はないのか、請求漏れはないかきちんと確認することが重要です。

交通事故の態様にもよりますが、弁護士が介入することで提示額の2倍、3倍の示談金を受け取れることも珍しくはありません。
無料相談できる法律事務所も多いので、まずは弁護士に相談して金額が妥当かどうか確認してみましょう。

増額の余地は計算機でも確認できる

相手方保険会社の提示額に増額の余地があるのかは、以下の「慰謝料計算機」からも確認できます。
慰謝料や逸失利益については、この計算機からも確認してみてください。

ただし、実際の適正額は、事故の個別的な事情を反映し、この計算機の結果以上もしくは以下になることがあります。
より厳密な適正額を知りたい場合は、弁護士までお問い合わせください。

慰謝料計算の仕組みについては『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』で解説しています。

(17)自身の職業や収入の特殊性を考慮しない

交通事故の休業損害・逸失利益は、被害者自身の収入に基づいて計算されます。
もし被害者の職業や属性が、交通事故による怪我・後遺障害の影響を特に大きく受けるものであれば、以下のような配慮がなされる可能性があります。

  • 顔の傷については、男性よりも女性の方が慰謝料増額に繋がりやすい
  • 手先を使う仕事について、手先の震えなどの後遺障害があると逸失利益が増えやすい
  • 現在は無職だが、将来的に就職する可能性が高ければ、休業損害が認められうる

しかし、上記のような特集な事情があったとしても、被害者側から主張をしなければ相手方がそれを積極的に考慮してくれるとは限りません。

また、その特殊性が考慮される費目も様々なので、まずは弁護士に相談し、被害者が抱える事情に配慮するよう、相手方に交渉してもらうと良いでしょう。

休業損害・逸失利益の計算方法については、以下の関連記事をご覧ください。
休業損害については、以下の記事内に計算機も載せています。

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慰謝料を多く貰うために見逃してはいけない【特殊事情】

以下に述べるのは、被害者の受け取れる慰謝料が増額する可能性のある事情(増額事由)です。事情やもともとの事故態様により、増額幅は十万~数百万と大きくなっています。

しかし、たとえ増額に繋がる事情があっても、相手方が進んでそれを考慮してくれるとは限りません。
被害者自身でもどのような増額事由があるのか知って、示談交渉を有利に進めていきましょう。

(18)交通事故加害者に故意・重過失はなかったか?

交通事故の加害者に、わざと事故を引き起こした(故意)、本来注意すべきことを漫然と看過した(重過失)などの事情があった場合、その悪質性から慰謝料が増額することがあります。

具体的な事例は以下の通りです。

  • 無免許運転
  • ひき逃げ
  • 酒酔い運転
  • 居眠り運転
  • 無灯火運転
  • 煽り運転
  • 著しいスピード違反
  • 赤信号に従う意思がまったくなかった
  • 薬物の影響を受けた状態での運転

(19)加害者の交通事故後の態度は不誠実ではなかったか?

交通事故後の加害者に著しく不誠実と言えるような態度がある場合も、慰謝料が増額する可能性があります。

加害者の態度により、被害者側の精神的苦痛がいっそう増すと考えられるためです。
加害者に以下のような態度が見られる場合は、慰謝料の増額交渉をしましょう。

  • 事故後逃走、黙秘を続ける
  • 被害者に謝罪をしない
  • 約束を反故にする
  • 取り調べ段階で虚偽の供述をする
  • 危険な運転の証拠を隠蔽する
  • 過度の過失相殺の主張をする

(20)交通事故による特殊な支障は無かったか?

交通事故が発生したことにより、被害者やその近親者に特殊な影響があったと言える場合も、慰謝料の増額理由となることがあります。

具体的には、以下のような事情が該当します。

いずれも、交通事故が原因となって発生したと言えるような場合に限るので注意が必要です。

  • 被害者の親族が精神疾患に罹患した
  • 退職、退学を余儀なくされた
  • 中絶、離婚に至った

さらに被害者が死亡した事故の場合、結婚したばかりだった・子供がいたなどの事情があれば、被害者および遺族の無念さはよりいっそう大きなものであると判断され、慰謝料が増額することもあります。

(21)交通事故の治療中、自宅療養期間はなかったか?

通常、入院・通院したことに関する慰謝料は入通院期間に応じて支払われます。

ですが、病院のベッドが空いておらず待機していた期間、ギプスなどを固定して自宅で安静にしていた期間などは、実際には入通院していなくても入通院期間に含めることがあります。

また、病院の指示により、自宅で超音波治療器を使っていた期間についても、一部が通院期間と認められたことがあるので、確認が必要です。

実際の入院・通院をしていたとは言えないけれども「治療に専念していた」と言えるような期間がある場合は、それらを入通院期間に含められる可能性があるので、気になる場合は弁護士にお問い合わせください。

(22)交通事故による入院・通院期間を短くした事情はなかったか?

家族や仕事の事情から、やむを得ず入院・通院を短く切り上げたと言えるような場合も慰謝料の計算のうえで考慮されることがあります。

具体的には、被害者が幼児を家に残している母親である場合や、被害者にしかできないような仕事上の要請があった場合などが該当します。

なお、慰謝料を上乗せする方法については『交通事故の慰謝料は増やせる?上乗せの方法をまとめて公開!』も合わせてご確認ください。

結局交通事故で慰謝料を多く貰うための一番の方法は?

交通事故の慰謝料を増やすポイントを多く述べてきましたが、慰謝料を増やす方法として一番いいのは弁護士に相談・依頼してしまうことです。

慰謝料を増やすポイントは医療や保険など異なる分野にまたがっており、被害者の方がそれを常に意識して行動をとるのは難しいのが現実です。

ですが、交通事故を専門としている弁護士であれば、交通事故後の各フェースにおける、慰謝料を多く貰うためのポイントを把握しています。

さらに、弁護士に依頼することで、保険会社の担当者や病院の医師への対応・各種の申請に関する手続きなどを一任することもできます。

特に示談交渉は、被害者にとって大きな負担となることが多いです。
相手方保険会社の担当者はできるだけ示談金を減らそうとしてくるので、なかなか被害者側の主張が通らず、ストレスと感じたり疲れたりするのです。

よって、手続きを弁護士に一任してしまい、被害者ご自身は治療に専念するというのが慰謝料を多く貰うために一番簡単かつ効果的な方法となります。

交通事故の慰謝料を多く貰うために、弁護士に相談を

相手方保険会社が提示してくる慰謝料の金額は、被害者の方が受けた精神的苦痛に対して非常に低額であることが多いです。

治療費や休業損害など、実費の部分を減額することはできないため、慰謝料を減らすことで示談金の総額をおさえようとするのです。

この記事で述べたポイントを実践したり、弁護士に依頼したりすれば、相手方保険会社の思惑により減額された慰謝料を適正な金額に近づけられる可能性が高まります。

あなたの受けた損害に対する適正な慰謝料の金額を知っていただくためにも、まずはお気軽にご相談ください。

アトム法律事務所では、24時間365日電話相談の予約受付を行っております。

示談金が提示されたタイミングですと、より具体的な見積もりが行えます。
重傷で通院期間が長引きそうなお怪我の場合は、ぜひ、通院中に注意すべき点について、お問い合わせください。

交通事故にあってしまったので、とりあえずLINEでメッセージを送っておき、必要になったら連絡する、などのご活用方法も可能です。

弁護士費用特約を知っていますか?

慰謝料を増やす方法として弁護士に依頼するのがいいとわかっても、弁護士費用が気になるという方も多いでしょう。

ご加入の任意保険に弁護士費用特約が付いていれば、上限はあるものの、弁護士費用を自己負担することなく弁護士に依頼することができます。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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