後遺障害等級が認定されるには?後遺症との違いや認定の仕組みを解説
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交通事故における後遺障害とは、十分に治療をしても完治せずに残った後遺症のうち、「後遺障害等級」の認定を受けたものです。この等級を認めてもらう手続きを、一般に後遺障害認定(後遺障害等級認定)と呼びます。
後遺障害認定されると、後遺症部分の賠償として後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できます。一方、後遺障害認定を受けられなければ、後遺症に対する賠償は原則として認められません。

後遺障害認定されるには、(1)等級の認定基準を満たすこと(2)症状を医学的に証明できること(3)申請書類から症状が読み取れることの3つが必要です。審査は原則として書類のみで行われるため、通院の仕方や後遺障害診断書の記載内容が結果を左右します。
この記事では、後遺障害認定されるための条件と申請の流れ、認定を受けるためのポイント、後遺障害認定されたらすべきことを解説します。
後遺症に関する損害賠償を適切に受け取るためにも、交通事故で後遺症が残った被害者の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
交通事故の後遺障害とは?交通事故の後遺症との違い
交通事故の「後遺障害」は、日常的に使われる「後遺症」とは意味が異なります。まずは後遺障害認定の意味と、認定によって何が変わるのかを整理します。
後遺障害認定の意味|後遺症がすべて認定されるわけではない
後遺障害認定とは、交通事故で治療を続けても残った後遺症について、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所が「後遺障害等級に該当する」と認めることです。
後遺症と後遺障害の違い
- 後遺症
交通事故で負ったケガのうち、十分に治療をしても完治せず残った症状 - 後遺障害
後遺症のうち、損害保険料率算出機構によって後遺障害認定された(後遺障害等級が認定された)もの
「後遺症=後遺障害」ではない点に注意してください。医師から「後遺症が残った」と言われても、後遺障害認定がなされるとは限りません。
後遺障害等級は1級~14級|等級ごとに認定基準がある
後遺障害等級は、介護を要する後遺障害(別表第一の1級・2級)と、その他の後遺障害(別表第二の1級~14級)に分かれています。数字が小さいほど重い後遺障害とされ、等級ごとに認定基準が「後遺障害等級表」で定められています。
以下に後遺障害等級表を掲載します。必要に応じて表を開閉してご確認ください。
後遺障害等級表(要介護)
| 等級 | 症状 | 保険金額 |
|---|---|---|
| 1級 | 1号 2号 | 4,000万円 |
| 2級 |
1号 2号 | 3,000万円 |
後遺障害等級表(要介護でない)
| 等級 | 症状 | 保険金額 |
|---|---|---|
| 1級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 | 3,000万円 |
| 2級 |
1号 2号 3号 4号 | 2,590万円 |
| 3級 |
1号 2号 3号 4号 5号 | 2,219万円 |
| 4級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 | 1,889万円 |
| 5級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 | 1,574万円 |
| 6級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 | 1,296万円 |
| 7級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 | 1,051万円 |
| 8級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 | 819万円 |
| 9級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 15号 16号 17号 | 616万円 |
| 10級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 | 461万円 |
| 11級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 | 331万円 |
| 12級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 12号 13号 14号 | 224万円 |
| 13級 | 1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 10号 11号 | 139万円 |
| 14級 |
1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 9号 | 75万円 |
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後遺障害認定されたら請求できる慰謝料・損害賠償金
交通事故の後遺症が後遺障害認定されたら、「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」を請求できるようになります。後遺障害認定を受けられなければ、これらの請求は原則として認められません。
ただし、後遺障害認定を受けられなかった場合でも、入通院慰謝料や治療費、休業損害などは請求できます。
後遺障害なし(非該当)の場合にもらえる慰謝料の相場は『後遺障害なしの交通事故慰謝料の相場|非該当で示談金増額を狙うには?』で解説しています。
後遺障害認定で請求できる費目
- 後遺障害慰謝料
交通事故により後遺障害を負ったことで生じる精神的苦痛に対する補償。金額は、後遺障害等級ごとの相場がある - 後遺障害逸失利益
後遺障害で労働能力が低下したことにより失った将来的な収入の補償。金額は、被害者の事故前の収入や年齢、後遺障害等級ごとの労働能力喪失率などで決まり、専業主婦や学生、子供、一部の無職者でも請求可能

たとえば、むちうちで後遺障害14級9号に認定された場合、過去の判例に基づく後遺障害慰謝料の相場は110万円になります。
後遺障害慰謝料や逸失利益の相場、計算方法については関連記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
以下の計算機は無料で誰でも利用できる慰謝料や逸失利益の計算ツールです。ご自身がいくらもらえるのか、慰謝料や逸失利益の目安を知りたい方はご利用ください。
後遺障害認定をするか悩んでいる方へ
後遺障害認定の目的は、後遺症に対する適切な賠償金を受け取ることといえます。後遺障害認定を受けること自体にデメリットはありませんので、認定申請を迷っている方は下記の記事も参考に、後遺障害認定を受けることを目指しましょう。
後遺障害認定されるには?認定に必要な3つの条件
交通事故で後遺症が残っても、そのすべてが後遺障害として認定されるわけではありません。後遺障害認定されるためには条件があります。主に挙げられるのは、以下の3つです。
後遺障害認定される条件
- 後遺障害等級の認定基準を満たしている
- 症状の有無・程度を医学的に証明できる
- 症状の発生を申請書類から確認できる
(1)後遺障害等級の認定基準を満たしている
1級~14級の後遺障害等級には、それぞれ認定基準が定められています。ご自身の症状が該当しうる等級の基準を確認し、その基準に沿った資料をそろえることが審査対策の出発点です。
なお、自賠責保険の等級認定は、原則として労災保険の障害等級認定基準に準じて行われています。
(2)症状の有無・程度を医学的に証明できる
後遺障害認定を受けるには、後遺症の存在と程度を客観的・医学的に証明しなければなりません。レントゲン・MRI・CTなどの画像で異常を示せれば、有力な裏付けになります。
ただし、むちうちによる痛みやしびれといった神経症状は、画像に異常が現れないことも多くあります。その場合は、ジャクソンテストやスパーリングテストなどの神経学的検査を実施し、結果を診断書に記載してもらうことが有効です。
この条件を満たす方法
- 基本的にはレントゲン写真・MRI画像・CT画像などの他覚的所見を提示する
- 他覚的所見を提示できない場合は神経学的検査の結果を提示する
(3)症状の発生を申請書類から確認できる
後遺障害認定の審査は、原則として提出書類のみで行われます。実際に症状があっても、書類の記載から審査側が読み取れなければ、認定は受けられません。
そのため、後遺障害診断書の記載内容や検査結果を、審査側に伝わる形で整えることが大切です。診断書の記載に不安がある方は『後遺障害診断書の書き方や書式のもらい方は?自覚症状の伝え方や認定のポイント』も確認しておくと安心です。
これらの条件は法令に明文化されているものではなく、どの資料をどこまで用意すべきかは症状によって異なります。
後遺障害認定の流れ|審査の仕組みと申請方法
後遺障害認定を受けるには、審査の仕組みと申請の流れを把握しておくことが大切です。申請方法は2通りあり、どちらを選ぶかで準備のしやすさが変わります。
後遺障害認定を行うのは損害保険料率算出機構
後遺障害認定の審査を行うのは、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所です。保険会社から独立した中立の機関で、提出書類をもとに後遺障害の有無や等級を判断します。
主治医から「後遺障害◯級に当たる」と言われることがあっても、それは医師の見解であり、等級を決めるものではありません。
また、判断が難しい事案や異議申し立てがあった事案は、弁護士や専門医など外部の専門家が参加する「自賠責保険(共済)審査会」で審査されます。
認定機関の役割や、保険会社・裁判所との関係は『後遺障害等級は誰が決める?認定機関・審査の流れ・等級を上げるコツを弁護士が解説』で詳しく解説しています。
後遺障害認定は原則書類審査|審査期間は?
後遺障害認定の審査は原則として書類で行われます。ただし、外貌醜状(顔などに残った傷あと)のように、面接で直接確認が行われる場合もあります。
審査期間の目安は、申請から30日以内が約7割です。損害保険料率算出機構の『2025年度 自動車保険の概況』によると、2024年度に自賠責損害調査事務所で30日以内に調査が完了した後遺障害事案の割合は71.2%でした。

ただし、高次脳機能障害のように経過観察が必要な症状や、判断が難しい事案では、結果が出るまで1年以上かかることもあります。
傷病ごとの期間の目安や認定が遅い場合の対処法については『後遺障害認定までの期間は?遅くなる原因は?遅い場合にとるべき対処法を解説』の記事で詳しく解説しています。
後遺障害認定の申請の流れ
後遺障害認定の審査の流れは以下のとおりです。
医師から症状固定の診断を受ける
症状固定とは、これ以上の治療は効果がなく症状が固定した状態をいいます。
医師から症状固定の診断を受けることで後遺症が残ったといえ、後遺障害等級認定の申請が可能となるのです。
後遺障害診断書などの必要書類を集める
後遺障害診断書や各種検査の結果といった、後遺障害等級認定に必要な書類を集めます。
申請のために加害者側の任意保険会社または自賠責保険会社に書類を提出する
書類の提出方法については、任意保険会社を経由する事前認定と、自賠責保険会社を経由する被害者請求の2種類があります。
どちらの方法が適切かどうかについては、本記事の下記において詳しく検討しているので、ご覧ください。
損害保険料率算出機構にて審査が行われ、結果が通知される
審査結果については郵送において通知されます。
審査結果に不服がある場合は異議申し立てが可能です。
必要書類や各段階の手続きは『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ』で詳しく解説しています。
申請方法は事前認定と被害者請求の2種類
事前認定と被害者請求のどちらを選ぶかは、被害者が自由に決められます。主な違いは次のとおりです。
事前認定と被害者請求の違い
| 事前認定 | 被害者請求 | |
|---|---|---|
| 提出先 | 加害者側の任意保険会社 | 加害者側の自賠責保険会社 |
| 被害者が用意する書類 | 後遺障害診断書のみ | 必要書類すべて |
| 手間 | 少ない | 多い |
| 審査対策のしやすさ | 提出書類に関与しにくい | 追加資料の添付や内容の精査ができる |

事前認定は、後遺障害診断書を任意保険会社に提出すれば、残りの書類を保険会社が用意してくれる方法です。
手間がかからない反面、後遺障害診断書以外の資料に関与できないため、症状が十分に伝わらず、想定より低い等級になったり非該当になったりするおそれがあります。

被害者請求は、必要書類を被害者側ですべてそろえる方法です。準備に手間はかかりますが、症状を伝えるための追加資料を添付したり、提出書類を精査したりできる点が大きなメリットです。
書類集めは弁護士に任せることもできるため、手間の負担を抑えながら被害者請求を選ぶこともできます。
後遺障害認定を受けるための4つのポイント
後遺障害認定は書類審査のため、必要書類を提出するだけでは症状が正確に伝わらない場合があります。
本来認定されるべき後遺症が、準備不足で非該当になることを防ぐために、次の4点を押さえておきましょう。
(1)事故直後から適切な通院と治療を続ける
交通事故と後遺症の因果関係は、主に事故直後の症状を記録した診断書や検査結果で証明されます。事故からしばらくたって初めて受診した場合や、通院が長期間途切れた場合は、因果関係の証明が難しくなるおそれがあります。
交通事故に遭ったら速やかに病院を受診しましょう。整骨院・接骨院では詳細な検査ができないため、どこへ行くべきか悩んだ場合は整形外科を受診してください。
通院頻度は、低すぎても高すぎても、後遺障害認定の妨げや慰謝料減額の要因になることがあります。基本的には医師の指示に従った頻度で通院してください。
また、むちうちなどの神経症状は、治療期間が短いと「もう少し治療すれば治るのでは」と判断され、認定されにくくなる傾向があります。通院期間の目安についても、自覚症状をきちんと伝えたうえで医師に確認しましょう。
通院頻度の目安は『交通事故の被害者は毎日通院した方がいい?通院頻度や期間と慰謝料の関係』の記事で詳しく解説しています。
(2)後遺障害を裏付ける検査結果を用意する
主治医は治療に必要な検査を行いますが、後遺障害認定で必要なのは「後遺障害の存在・程度を証明できる」検査結果です。治療上は不要と判断された検査でも、後遺障害認定のためには必要になることがあります。
また、画像に異常が写っていても、異常が小さい場合や見つけにくい位置にある場合は、審査で見過ごされる可能性があります。異常箇所がわかるよう印をつけるなど、伝わる工夫も効果的です。
(3)後遺障害診断書に必要な内容を記載してもらう
後遺障害診断書は、後遺障害認定で特に重視される書類です。
医学的に正確な書き方と、審査で症状が伝わる書き方は必ずしも一致しないため、提出前に内容を確認し、必要に応じて医師に修正を依頼しましょう。とくに自覚症状欄には、次の2点が記載されていることが重要です。
1.症状が一貫して継続していること
症状に一貫性がないと「事故によるケガは治っており、残った症状は事故と無関係ではないか」と疑われる可能性があります。
また、症状が断続的だと「後遺障害に該当するほどではない」と判断されることもあります。受傷時から同じ症状が続いていること、常に症状があることを明記してもらうことが重要です。
2.症状により仕事や日常生活に支障が出ていること
「痛みがある」「しびれがある」と書くだけでは、説得力が不十分と判断されるおそれがあります。たとえば次のように、症状による具体的な影響を記載してもらうとよいでしょう。
- 痛みがあるため、受傷前に持てていた重いものを持てなくなった
- しびれがあるため、長時間のデスクワークが難しくなった
後遺症の種類によっては、日常生活状況報告書などの書類を添付したほうがよいケースもあります。
関連記事
後遺障害診断書を医師が書いてくれない?その理由とトラブル対処法
(4)申請前に弁護士のアドバイスを受ける
後遺症の内容や程度は人それぞれで、一般的な対策だけでは不十分なこともあります。とくに「どの検査を受けておくべきか」「診断書や添付書類に何を盛り込むべきか」は、被害者ご自身や主治医だけでは判断が難しいケースもあります。
交通事故の後遺障害の実績が豊富な弁護士であれば、目指す等級の認定基準を踏まえて必要な検査や資料をご案内できます。状況によっては、弁護士から主治医に事情を説明し、追加の検査をお願いすることも可能です。
後遺障害に認定される割合の目安は3.66%|認定件数と非該当だった場合の対応
後遺障害認定の申請をしても、希望どおりの結果になるとは限りません。認定の実情と、納得できない結果だった場合の対応を確認しておきましょう。
後遺障害認定は年間約3.1万件|半数以上が14級
損害保険料率算出機構の統計によると、2024年度に後遺障害等級が認定された件数は3万1,672件でした。
同年度の自賠責保険の支払件数(死亡・後遺障害・傷害の合計)は86万6,495件で、これと比べると、後遺障害認定に至った確率は、3.66%です。
保険金が支払われた全体数の中には、ケガが完治した事故や死亡事故も含まれています。そのため、3.66%というのは正確な認定率とは言えませんが、目安として考えると良いでしょう。
統計
- 自賠責保険の支払件数:86万6,495件
※後遺症が残らなかった事案、死亡事案、後遺障害が非該当だった事案もすべて含む - 後遺障害等級の認定件数:3万1,672件
- 支払件数に対する認定件数の割合:3.66%(3万1,672件÷86万6,495×100=3.66…%)
- 等級別の内訳:14級が1万9,589件(55.63%)、12級が5,922件(16.82%)
※損害保険料率算出機構『2025年度 自動車保険の概況』P.22「支払件数の推移」、P.38「後遺障害等級別認定件数」を参照し、計算しました。等級別の内訳は損害調査完了ベースの集計のため、支払件数とは一致しません。
認定件数は軽い等級ほど多く、重い等級ほど少ない傾向にあります。認定されない主な理由や、認定率の考え方は『後遺障害認定されない理由と厳しい認定率…非該当から異議申し立てで逆転を目指す方法』の記事で解説しています。
後遺障害認定されなかったら異議申し立てができる
想定より低い等級に認定された場合や、非該当とされた場合は、異議申し立てをして再審査を受けられます。
異議申し立てでは、なぜ納得のいく結果にならなかったのかを分析し、提出書類を改善することが必要です。たとえば、次のような見直しが考えられます。
- 事前認定から被害者請求に切り替え、提出書類に関与する
- 治療経過がわかる検査結果や診断書が十分にそろっているか確かめる
もっとも、結果通知書に記載される理由は定型的な表現にとどまることが多く、何が足りなかったのかを被害者ご自身で読み解くのは簡単ではありません。
原因を特定し、どの資料を追加すべきかを判断するには、交通事故の後遺障害案件の経験が豊富な弁護士のアドバイスを受けることが有効です。
すでに弁護士に依頼している場合でも、見通しや対策について別の弁護士の意見を聞いてみることは選択肢の一つです。
関連記事
後遺障害の異議申し立てを成功させる方法と再申請の流れ!失敗や納得できない結果への対策
後遺障害認定されたらすべきこと
後遺障害認定されたら、後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できるようになります。
ただし、請求するだけでは十分な金額を受け取れないおそれがあります。後遺障害認定後におこなう後遺障害慰謝料・逸失利益の請求の流れと、適切な金額を得るためにすべきことを見ていきましょう。
後遺障害認定後から示談までの流れ
後遺障害認定後にすべきこと
- 認定された等級に納得できるか検討する(異議申し立てをするかどうか)
- 加害者側から届く示談案の内容(慰謝料額や過失割合など)を確認する
- 提示内容に問題がある場合は示談交渉をする
双方が合意すると示談成立となり、示談書に署名・押印してから1~2週間程度で示談金が振り込まれるのが一般的です。
一度成立した示談は原則としてやり直せないため、示談前に金額や過失割合が妥当かを確認することが大切です。
後遺障害の内容によっては介護費用も請求できる
後遺障害認定されたら、後遺障害慰謝料・逸失利益以外に介護費も請求できたり、事情に応じて相場以上の後遺障害慰謝料が認められたりすることがあります。
- 介護費用が認められるケース
重度の後遺障害が残り、将来にわたって介護が必要になったケースなど - 相場以上の後遺障害慰謝料が認められるケース
重度の後遺障害が残り、その程度が「死にも比肩する」と判断されたケースなど
しかし、加害者側の方から進んで十分な介護費用や相場以上の後遺障害慰謝料を提示してくれるとは限りません。
介護費用の請求や相場について詳しく知りたい方は、『交通事故で介護費用が請求できる2ケース|計算方法と裁判例から金額もわかる』の記事をご覧ください。
後遺障害等級とは別に、障害年金・障害者手帳の対象となる場合も
加害者側への損害賠償とは別に、公的年金の「障害年金」を受け取れる場合があります。障害年金は国民年金・厚生年金の制度で、障害の程度が年金制度上の障害等級に当てはまるなど、一定の要件を満たすと支給されます。
ただし、障害年金の障害等級は、自賠責保険の後遺障害等級とは別の基準で判断されます。後遺障害認定を受けても自動的に支給されるわけではなく、年金事務所などへの申請が必要です。
また、加害者側から損害賠償を受けた場合には、障害年金の支給が一定期間停止されるなど、両者の間で調整が行われることがあります。
交通事故で障害年金を受け取るための要件や手続きは、『交通事故で障害年金はもらえる?損害賠償との支給調整や申請時の注意点』で解説しています。
なお、障害者手帳も後遺障害等級とは別の基準で交付が判断されます。後遺障害認定を受けたからといって、障害者手帳が交付されるとは限りません。
後遺障害1~14級と障害者手帳の関係は『後遺障害等級1~14級の認定で「障害者手帳」ももらえる?交付の基準と申請方法』で解説しています。
適正な後遺障害慰謝料・逸失利益を受け取るには
加害者側から提示される後遺障害慰謝料・逸失利益は、法的に適正な相場より低い水準にとどまることが少なくありません。適正な金額を受け取るには、示談交渉を弁護士に依頼することが有効です。
交通事故の慰謝料や逸失利益の計算には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3つの基準があり、どれを採用するかで金額が大きく変わります。このうち、法的な正当性が高く、金額も高くなりやすいのが弁護士基準です。
3つの算定基準
- 自賠責基準
自賠責保険が慰謝料を算定する際に用いる基準。法律で定められた最低限の補償水準 - 任意保険基準
任意保険会社が慰謝料を算定する際に用いる基準。各社で異なり非公開だが、自賠責基準と同程度か、やや高い程度であることが多い - 弁護士基準(裁判基準)
弁護士や裁判所が慰謝料を算定する際に用いる基準。過去の裁判例に基づく、法的正当性の高い基準
後遺障害慰謝料の基準別の相場(例)
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 14級 | 32万円 | 110万円 |
| 12級 | 94万円 | 290万円 |
※2020年4月1日以降に発生した事故の場合。任意保険基準は各社非公開のため記載していません。

加害者側の任意保険会社が提示する後遺障害慰謝料・逸失利益は、弁護士基準より低くなっている傾向があります。その他の費目についても同様に、相場以下となりやすいです。
しかし、示談交渉の相手となるのは基本的に、交渉のプロである加害者側の任意保険会社です。被害者側が「相場はこれくらいだから増額してほしい」と求めても、次のような反論をされ、主張を通しにくくなることがあります。
- 相場はその金額だが、今回のケースは慰謝料の減額事由にあたるため、相場以下が妥当である
- その相場はあくまでも裁判を起こした場合のものであり、示談交渉では認められない
弁護士が対応する場合は、裁判例などを根拠にこうした反論に対応できます。また、弁護士が交渉に入ると、裁判に発展する可能性を踏まえて保険会社が提示額を見直すケースもあるため、示談交渉を弁護士に任せることが有効です。
関連記事
交通事故の示談とは?示談交渉の流れや示談をうまく進めるための注意点
後遺障害認定の不安は弁護士に相談
「自分の症状は後遺障害認定されるのか」「認定の見込みが低くても申請すべきか」「どうすれば審査で症状を理解してもらえるか」といった不安がある方は、一度弁護士に相談することをご検討ください。
弁護士に申請を任せれば後遺障害の認定確率が上がりやすい
「自分は後遺障害認定されるだろう」という方でも、弁護士への相談をご検討ください。
弁護士に後遺障害認定の手続きを依頼したほうが、審査に向けた準備を進めやすくなります。
後遺障害認定の難しいところは、「たとえ後遺障害に該当する症状でも、審査機関に認められなければ適切な認定は受けられない」という点です。
後遺障害に該当することをアピールするには、過去の認定事例や狙う等級の認定基準を踏まえて書類を作成・準備しなければなりません。
弁護士ならこうした知識や後遺障害認定のサポート経験があるため、個々の後遺症に合った対策を検討しやすくなります。
想定より低い後遺障害等級に認定されたり非該当となったりして後悔しないためにも、後遺障害認定を申請するときは交通事故の後遺障害を扱う弁護士に相談することをご検討ください。
また、弁護士に相談・依頼することで、適切な後遺障害等級の認定を受けやすくなる以外にも、以下のようなメリットがあります。
弁護士に相談・依頼するメリット
- 後遺障害等級認定の申請に必要な書類の収集を手伝ってもらえる
- 加害者側とのやり取りを弁護士に一任できる
- 相場に近い金額まで増額しつつ示談できる可能性が高まる
弁護士は、依頼者の代理人として加害者への損害賠償請求に必要な手続きを行ってくれます。
弁護士に手続きを行ってもらうことで、依頼者自身の負担を軽減することが可能となるのです。
また、弁護士は法的知識に基づいて適切な手続きや示談交渉を行ってくれるので、最終的に得られる金額も、相場に近い金額となりやすいでしょう。
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後遺障害の相談先に迷ったら|交通事故後に頼れる窓口と弁護士の強みを解説
弁護士への依頼費用は大幅に抑えることも可能
後遺障害認定のサポートは、法律相談ではなく委任契約締結後に可能となります。
そのため、アトム法律事務所のように相談料が無料の事務所でも、後遺障害認定のサポートからは弁護士費用が発生します。
しかし、弁護士費用特約を使えば保険会社に弁護士費用を負担してもらうことが可能です。
弁護士費用特約とは、弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを負担してもらえる特約です。
弁護士費用が300万円を超えることは少ないので、弁護士費用特約を使えば、多くのケースで自己負担なく依頼できます。

もし弁護士費用特約がない場合でも、法律相談を通して「弁護士に依頼するメリットが大きい」と判断できれば、安心して弁護士に依頼することができます。
弁護士費用についてのご相談も気兼ねなく、弁護士におたずねください。
後遺障害認定のお悩みはアトム法律事務所に相談【無料】
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

