後遺障害認定されない理由と厳しい認定率…非該当から異議申し立てで逆転を目指す方法

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後遺障害認定されなかった

後遺障害が認定される割合は例年、全体の約4%です。後遺障害の審査は非常に厳しいのが実情です。

被害にあったご本人が「後遺症がある」と感じていても、思ったように後遺障害として認定されないケースも少なくありません。

後遺障害が認定されない理由として、医学的な証拠の不足、通院日数・通院期間の不足、症状の一貫性の欠如、後遺障害診断書の記載内容の不備などがあげられます。

後遺障害認定されなかった場合、対処法としては「異議申し立てをする」「紛争処理制度を利用する」「裁判で争う」の3つがあります。

なかでも、もっとも多く利用されているのが「異議申し立て」です。異議申し立てで結果を覆すには、後遺障害が非該当になった理由を正しく理解し、適切な対策をとることが大切です。

後遺障害認定されなかった時の対処法

本記事は、後遺障害認定の審査は厳しいということを前提に、後遺障害等級認定が非該当となってしまった方に対して、非該当となった理由、等級認定されない場合の対処法、慰謝料への影響などについて解説を行っています。

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目次

後遺障害認定されなかった!非該当になる7つの理由

後遺障害認定されず、非該当になる理由としては、以下の7つが考えられます。

非該当になる理由

  • 症状を裏付ける医学的な資料が不足
  • 画像検査の異常が見過ごされた
  • 後遺障害診断書の記載内容が不十分・不適切
  • 症状と事故の因果関係が曖昧
  • 適切な通院期間より少なかった
  • 後遺症の症状が認定基準に合わなかった
  • 事前認定で申請していた

非該当になった理由を知ることは、このあと異議申し立てなどで再び後遺障害認定を目指すためにも重要です。

それぞれについて確認していきましょう。

(1)症状を裏付ける医学的な資料が不足

後遺障害が生じていることを裏付ける医学的資料が不十分だった場合、症状の有無や程度が正しく評価されず、非該当となることがあります。

後遺障害認定で有効な医学的資料を紹介すると、次の通りです。

  • 画像検査の結果
    MRI・CT・レントゲンなど
  • 神経学的検査の結果
    患部に刺激を与えて痛みやしびれがあるかを確認する検査で、むちうちなど画像によって異常が確認しにくい後遺症の場合に有効
  • その他の検査結果

基本的には治療の過程で実施した検査の結果を、後遺障害認定で提出します。

ただし、医師はあくまでも治療経過を把握するために検査をするのであって、後遺障害の存在・程度を証明するために検査をするわけではありません。

そのため、患者側から提案しないと、認定のために必要な検査が実施されないことも少なくありません。

後遺障害認定のために必要な検査は、交通事故に詳しい弁護士なら把握しています。

異議申し立てなどで再審査を受ける場合も、受けておくべき検査はないか弁護士に確認することがおすすめです。

(2)画像検査の異常が見過ごされた

十分な医学的資料を提出していても、画像上の異常所見が審査で読み取られず、後遺障害認定を受けられない恐れがあります。

異常所見の見過ごしを防ぐには、高解像度のMRIで検査を受けるなどの工夫が必要です。

また、再審査のために異議申し立てなどをする際は、画像上の異常所見が確認できる部分に印をつけたりどのあたりに異常所見が写っているのか説明書きを添えたりするといいでしょう。

(3)後遺障害診断書の記載が不十分・不適切

後遺障害診断書の記載内容が不十分・不適切な場合も、後遺障害の等級が認定されない可能性があります。

後遺障害診断書の記載内容が不十分・不適切とは、たとえば次のような場合です。

  • 医師が今後の見通しを書く欄
    「完治」「緩解」などの記載がある
  • 患者の症状を書く欄
    症状による日常生活や仕事への影響が書かれていない

このような不十分・不適切な記載内容が原因で、「後遺障害等級に該当する症状ではない」「内容に説得力がない」と判断されている可能性があるのです。

後遺障害診断書の記載内容が不十分・不適切だった場合は、医師に訂正してもらったものを異議申し立てで提出すると、後遺障害認定されることがあります。

後遺障害診断書の書き方については『後遺障害診断書の書き方や書式のもらい方は?自覚症状の伝え方や認定のポイント』で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

(4)症状と事故の因果関係が曖昧だった

交通事故によるケガが原因で後遺障害が残ったという関係性(因果関係)が曖昧な場合、後遺障害が認定されません。

以下のようなケースでは因果関係が認められにくい傾向にあります。

  • 既往症
    交通事故に遭う前から、後遺症と同じようなケガや持病があった
  • 交通事故に遭った後、初診までに時間が空いていた
  • 症状に一貫性がない
    事故直後に痛みを訴えていない。痛みが消失したり再発したりする
  • 交通事故の規模が軽微、後遺障害を引き起こすような衝撃を受けたと考えにくい

交通事故によるケガの後遺障害が残ったという因果関係を示すには、以下のような書類が必要となるでしょう。

  • 医師の意見書
    なぜその症状が生じたのかについて、交通事故との因果関係を含めて医師に書いてもらう
  • 実況見分調書、供述調書、鑑定書
    事故形態や事故時の様子を示す書類を提出することで、症状がその事故によって生じうるものであることを証明する
  • 車両損害の修理費の見積もり・領収書
    車両の修理金額が高額にのぼるほど、事故で受けた衝撃が強かったことを示す事情となる

因果関係に問題がある場合は、後遺障害認定を受けにくいだけでなく、治療費や入通院慰謝料、休業損害など、後遺障害に関係ない費目も十分に受け取れない恐れがあります。

症状と交通事故との因果関係をどう証明するか検討する必要があるので、一度弁護士にご相談ください。

(5)通院日数・通院期間が少なかった

通院期間が6か月未満である場合、後遺障害等級の認定を受けることが難しくなります。
その理由は以下の通りです。

  • もう少し治療を続けていれば完治していたのではないかと疑われる
  • 6か月未満で治療が終わるような後遺症は、後遺障害等級に該当するほど重くないと判断される

また、通院期間が6か月以上でも、通院頻度が低く通院日数が少なすぎると、後遺障害認定されにくい傾向があります。「被害者の治療に対する意欲が低くて完治しなかった」と疑われるためです。

後遺障害認定を受けるには、あくまでケースバイケースですが、おおよその目安としては、月に10~12日程度の頻度で、事故から約6か月程度の通院が必要でしょう。

通院期間が短くても後遺障害認定が見込めるケース

ただし、以下の場合は通院期間が短くても後遺障害認定される可能性があります。

  • 指の切断や人工関節の挿入など、後遺障害が残っていることが客観的に明らかである場合
  • 医師からの指示など正当な理由があって通院期間や通院日数が少なくなった場合

このような場合は異議申し立てをし、後遺症の状態を伝える資料や通院期間や通院日数が少ない事情を説明する資料を提出しましょう。

通院日数が少ない場合は、示談交渉の際に相手方と揉める可能性があります。

示談交渉までに、『通院日数が少ないと交通事故の慰謝料は減額?減額を防いで適正額を獲得する方法』もおすすめします。

(6)後遺症の症状が認定基準に合わなかった

審査機関に後遺症の症状・程度がきちんと伝わっていても、それが後遺障害等級の認定基準を満たしていなければ、認定はされません。

たとえばむちうちは後遺障害12級または14級に認定される可能性がありますが、それぞれの認定基準は次のとおりです。

後遺障害等級認定基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

症状が基準に適合していないと判断されると、異議申し立てをしても結果が変わらない可能性が高いです。

ただし、基準を誤解しているケースもあるため、弁護士に相談し、自身の症状が適合するか確認するのが良いでしょう。

関連記事『【後遺障害等級表】認定される後遺症・症状の一覧と等級認定の仕組み』では等級表の一覧や後遺障害認定にまつわる疑問などを解説していますが、認定基準については弁護士に確認する方が確実です。

(7)事前認定で申請していた

後遺障害の申請方法には、相手方の任意保険会社にすべて任せる「事前認定」と、 被害者側が資料を揃えて自賠責保険会社に請求する「被害者請求」があります。

事前認定は手続きの負担が少ない一方、提出書類の内容を被害者側で確認・補強できません。後遺障害診断書だけが提出され、認定を後押しする検査結果や意見書が添えられないまま審査に進むこともあります。

異議申し立てでは、被害者請求に切り替えて資料を揃えることも検討しましょう。

後遺障害認定の申請方法

  • 事前認定:相手方の任意保険が、必要書類をそろえて申請する。被害者が準備するのは、基本的に後遺障害診断書のみ。
  • 被害者請求:被害者自身が、必要書類をそろえて申請する。後遺障害診断書のほか、認定に有利な資料も提出できる。

後遺障害認定の審査は厳しい?

後遺障害等級の認定率は3.66%(約4%)

2025年度自動車保険の概況」(損害保険料率算出機構)によると、2024年度に自賠責保険から保険金が支払われた全体数は86万6495件で、そのうち後遺障害認定されていた件数は3万1672件でした。

つまり、後遺障害の認定率は3.66%(約4%)ということになります。

保険金が支払われた全体数の中には、ケガが完治した事故や死亡事故も含まれています。そのため、約4%というのは正確な認定率とは言えませんが、目安として考えると良いでしょう。

年度後遺障害認定件数
(全体の件数)
後遺障害認定の割合
2024年31,672件
(866,495件)
3.66%
2023年32,671件
(880,352件)
3.71%
2022年33,933件
(842,035件)
4.03%

損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」より抜粋。

【重要】むちうちの後遺障害認定は特に厳しい

後遺症の中でも、むちうちの後遺障害認定は特に厳しいと言われています。

症状が自覚症状にとどまることが多く、症状の存在や程度を医学的他覚所見で示すことが難しいためです。

むちうちで後遺障害認定を受ける場合は、MRIなどの画像検査の結果や、神経学的検査の結果など、症状を裏付ける医学的な資料が重要になります。

症状を医学的に説明できる他覚所見(画像所見などの検査結果)があり、症状との整合性が認められる場合には、12級13号に認定される可能性があります。

一方、明確な画像所見がない場合でも、症状の一貫性や治療経過、神経学的検査の結果などから症状の残存が説明できる場合には、14級9号が認定される可能性があります。

より詳しいむちうちの後遺障害認定対策は、関連記事でご確認ください。

「非該当」通知が届いたら…後遺障害認定されなかったときの3つの対処法

まずは、送られてきた「後遺障害等級非該当の理由」と書かれた書類をよく読みましょう。ここには、なぜ非該当と判断されたのか、具体的な理由が記載されています。

  • 「自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しい」
  • 「症状の推移から、将来においても回復が困難とは捉えがたい」

難しい言葉で書かれているかもしれませんが、この理由こそが、次の一手を考えるための重要なヒントになります。

後遺障害等級の認定がなされなかった場合の対処法は、以下の3つです。

対処法

  • 異議申し立て
  • 紛争処理制度の利用
  • 裁判で争う

(1)異議申し立てをして再審査を受ける

異議申し立ては、最初に後遺障害等級の認定審査を行った「損害保険料率算出機構」に再審査を求める手続きです。

後遺障害の異議申し立て

異議申し立ては何度でもできます。回数制限はないので、「1度異議申し立てをしても非該当のままだった」という場合はさらに再審査を受けることも可能となります。

異議申し立ての概要をまとめると次のとおりです。

異議申し立て

審査機関損害保険料率算出機構
回数制限なし※1
費用基本不要
期間2か月~3か月程度※2

※1 損害賠償請求権の時効期限の範囲内
※2 症状によっては6か月程度

異議申し立てがおすすめな人

  • 提出書類をブラッシュアップしたり、追加書類を提出したりすることで後遺障害認定される見込みがある
  • 早く再審査の結果を出したい

異議申立ての流れ

異議申し立ての流れを簡単に説明すると、次のとおりです。

異議申立書の作成・必要書類を用意

異議申立書の作成や、前回の申請時において不備があった書類の訂正、不足していた検査結果の収集などを行いましょう。

書類を相手方の自賠責保険会社または任意保険会社に提出

前回の申請方法が被害者請求の場合は自賠責保険会社に提出してください。
事前認定の場合は任意保険会社になりますが、被害者請求により行うのであれば自賠責保険会社となります。

相手方保険会社から審査機関へ書類が渡る

提出した書類が損害保険料率算出機構に送付され、自賠責損害審査会において審査がなされます。

結果が通知される

書類を提出した保険会社を介して審査結果が通知されます。

提出すべき書類

異議申し立てでは、1度目の後遺障害認定と同様、基本的に書類審査がおこなわれます。

異議申し立ての概要を記載した「異議申立書」を提出しましょう。
あわせて、前回の審査結果の理由を踏まえて、以下のような書類を適宜提出します。

  • 新たに受けた検査の結果
    MRI・CT画像、神経学的検査の結果など
  • 初回に未提出だったレントゲン写真やMRI・CT画像
  • 医師の意見書
  • 日常生活報告書
  • 実況見分調書、供述調書、鑑定書

どのような書類を提出すべきかは、前回の後遺障害認定で非該当となった理由を分析したうえで決めることが重要です。

必要書類や書類の提出先、医療照会など異議申し立ての方法について詳しくは『後遺障害の異議申し立てを成功させる方法と流れ』にて解説しているので、ご覧ください。

異議申し立てで非該当から後遺障害認定される確率

損害保険料率算出機構が公開している「自動車保険の概況(2025年度版)」などによると、異議申し立ての結果、等級変更が認められる割合は例年、約10%程度です。

年度等級変更あり
(審査件数全体)
割合
2024年1,063件
(10,601件)
10.0%
2023年1,024件
(10,727件)
9.55%
2022年1,111件
(10,353件)
10.7%

※後遺障害(高次脳機能障害・非器質性精神障害を除く)の専門部会で審査を行った件数より抜粋

最初の審査で後遺障害認定されなかった理由をしっかり分析し、それを踏まえた対策を立てなければ、異議申し立てをしても再び非該当となる可能性は十分にあります。

最初の審査結果の理由は結果通知書に記載されていますが、十分な情報量ではないことが多いです。場合によっては、事案整理票をとりよせて、損害保険料率算出機構が審査の際に着目した事情を把握したうえで、異議申し立ての対策を立てる必要があるでしょう。

異議申し立ての対策を立てる際は、過去に後遺障害が認定された事例に精通している弁護士にアドバイスを聞くと準備がしやすいです。

【注意!】異議申し立てには期限があります

異議申し立ての権利は永久ではありません。時効があり、一般的には症状固定日から3年です。

証拠集めや書類作成には時間がかかるため、「非該当」の通知を受け取ったら、できるだけ早く行動を開始することをおすすめします。

(2)紛争処理制度の利用

紛争処理制度では、自賠責保険・共済紛争処理機構の「紛争処理委員会」が最初の後遺障害認定の結果の妥当性を審査してくれます。

紛争処理委員会は、国が認可した専門知識をもつ弁護士・医師・学識経験者といった、公正で中立な第三者から構成された組織です。

紛争処理制度

審査機関自賠責保険・共済紛争処理機構
回数制限1回のみ
費用基本不要
期間3か月以上

ただし、紛争処理制度では、利用するにあたって新たな書類の提出はできません。これまでの審査ですでに提出した書類をもとに、今までの審査結果が正しかったかどうかが検討されるからです。

そのため、「この書類を新しく提出すれば等級が認定されるだろう」というような状況には適しません。
また、紛争処理制度は1回しか利用できないデメリットもあります。

紛争処理制度がおすすめな人

  • 前回の後遺障害認定で提出した書類に特に問題はなく、非該当の判断の妥当性に疑問がある
  • 1回目とは違う機関の判断を仰ぎたい

紛争処理制度利用の流れと必要書類

紛争処理制度を利用する場合の流れは次の通りです。

必要書類を揃えて提出する

作成・収集した書類を「自賠責保険・共済紛争処理機構」に送付することで申請手続き開始となります。

申請が受理されれば、受理通知が届く

「自賠責保険・共済紛争処理機構」において申請を受理すべきと判断した場合は、受理通知が届きます。

審査が行われ、結果が通知される

紛争処理委員会による審査や調査が行われ、等級認定の妥当性が判断されます。
結果については書面で通知となるでしょう。

紛争処理制度利用のための書類

紛争処理制度の利用で必要な書類は、次の通りです。

  • 紛争処理申請書
  • 申請書別紙
  • 同意書
  • 交通事故証明書
  • これまで受けた審査の結果通知書
  • これまでの審査で提出した診断書や画像所見など
  • 第三者に申請を任せる場合は以下の書類も必要
    • 委任状
    • 委任者の印鑑証明書

申請書・申請書別紙・同意書の書式は、自賠責保険・共済紛争処理機構の公式ホームページからダウンロード可能です。

送付資料チェックリストも上記ページに載っているので、確認してみてください。

(3)裁判で後遺障害を主張

異議申し立てや紛争処理制度を利用しても等級変更が認められなかった場合は、裁判において後遺障害を主張する方法があります。

通常、後遺障害等級は審査機関である損害保険料率算出機構が決定しますが、裁判になれば裁判所が独自に後遺障害等級を判断することができます。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

ただし、裁判所は独自に後遺障害認定の判断ができるといっても、基本的には審査機関が出した認定結果を尊重する傾向にあります。

裁判官を納得させられるだけの証拠が必要です。

裁判を通して等級変更が認められれば、被害者は変更後の等級に準じた後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。

裁判

審査機関裁判所
回数制限なし※
費用必要
期間平均1年以上

※ 損害賠償請求権の時効期限の範囲内

裁判がおすすめな人

異議申し立てでも紛争処理制度の利用でも、納得いく結果を得られなかった

裁判の流れと必要書類

裁判を利用する場合の流れは次の通りです。

  1. 訴えの提起
  2. 口頭弁論
  3. 和解の勧告
  4. 証人尋問・本人尋問
  5. 弁論終結と判決
  6. 場合によっては控訴・上告

裁判を起こす場合は、交通事故で被害者が損害を証明するために、以下のような書類を提出します。

  • 訴状
  • 証拠書類
    • 交通事故証明書
    • 実況見分調書
    • 病院の診断書 など

裁判費用は、訴額に応じて決められた金額の収入印紙を訴状に貼り付けて提出します。

裁判は、専門的な知識を持たないと手続きや準備が煩雑で、被害者お一人での対応はむずかしいでしょう。
また、判決がでるまで約1年以上かかる覚悟を持たねばなりませんし、敗訴する可能性についても理解しておく必要があります。

裁判の提起を検討している場合は、まず『交通事故裁判の起こし方や流れ|民事裁判になるケースは?出廷は必要?』をご一読ください。

どのようにして裁判を起こすのかや、どのような流れで裁判が進められていくのか、裁判にはどのくらいの費用や期間がかかるのかも確認しておきましょう。

裁判で後遺障害が認められる確率は?

裁判所は通常、後遺障害認定の審査をおこなっている「損害保険料率算出機構」の出した結果を尊重します。
そのため、審査結果をくつがえすような説得力のある証拠集めと論理的な主張が必要です。

また、裁判では加害者側が「被害者の後遺症が後遺障害等級に該当しない理由」を主張してくるので、その理由に対する反論を提示して、裁判官を納得させる必要があります。

このような事情から、裁判で後遺障害が認められる確率は高いとはいえません。

加えて、裁判を起こしたり、適切に進行するためには専門知識が必要となってくるため、通常は弁護士を立てることになります。

【ポイント】時効に注意して対処法は早く決めよう

対処法について悩んでいる間にも、「損害賠償請求権の消滅時効」は進行しています

そのため、後遺障害認定されなかった場合にどのような対処法をとるのかは、なるべく早く決めることが望ましいです。

損害賠償請求権の消滅時効とは

  • 加害者に対して損害賠償請求できる権利が消滅する時効
    • 傷害分に関する費目(治療費、入通院慰謝料、休業損害など)の時効は事故翌日から5年
    • 後遺障害分に関する費目(後遺障害慰謝料、逸失利益)の時効は症状固定翌日から5年
    • 物損に関する費目の時効は事故翌日から3年
  • 時効はいずれも後遺障害認定を受ける時点ですでに進行している

損害賠償請求権の消滅時効については、『交通事故の示談に期限はある?時効期間と時効の延長方法』で詳しく解説しています。

時効の成立を延長させる方法や、示談交渉自体にかかる時間などもわかるので、参考にしてみてください。

どの対処法が向いているかは、非該当となった理由によって変わります。
通知書に書かれた理由を弁護士に見せていただければ、異議申し立てで結果が変わる見込みがあるかどうかの見通しをお伝えできます。相談は無料です。

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後遺障害認定されなかった場合|非該当のままでも示談金はもらえる?

後遺障害認定されなかった場合、たとえ後遺症が残っていても後遺障害関連の賠償金は請求できません。

ただし、例外ケースもあります。詳しく解説します。

原則、後遺障害関連の賠償金は請求できない

後遺障害が残った場合の賠償金としては、後遺障害慰謝料逸失利益があります。しかし、後遺障害認定されない場合、こうした賠償金は請求できません。

これらの賠償項目は、後遺障害等級が認定されてはじめて金額が算定されるため、認定されない場合には基本的に対象外となります。

14級が認定された場合と非該当の場合で示談金はいくら違う?

後遺障害等級の中で最も軽い14級であっても、弁護士基準の慰謝料の相場はおよそ110万円です。これに逸失利益が加算されれば、最終的な示談金総額は大きく異なります。

例えば、非該当と認定された場合と比べて、100万円以上示談金に差が出ることもあります。

たとえ軽い後遺症でも、自己判断で再審査をあきらめるのではなく、専門家に意見を聞いてみてください。

非該当のままでも後遺障害の慰謝料がもらえる例外ケース

原則として非該当であれば後遺障害慰謝料はもらえませんが、例外的に慰謝料が認められるケースも存在します。

  1. 目・耳・鼻・口に関する症状が残り、その症状・程度が後遺障害等級に相当する場合
  2. 仕事柄、明らかに後遺症の影響を受けると考えられる場合

上記2つのどちらかに該当しそうな場合は、たとえ後遺障害等級が認定されなくても、後遺障害慰謝料の請求をあきらめるのは早いです。

保険会社は請求を認めてくれない可能性が高いため、一度弁護士に相談してみてください。

交通事故の解決事例(異議申し立て、非該当)

ここでは、アトム法律事務所の弁護士による交通事故の解決事例をご紹介します。

大腿骨転子部骨折で併合11級が認定され、約2041万円を回収した事例

横断歩道横断中に車にひかれ右大腿骨転子部骨折を負った事例

被害者は、通勤時に青信号で横断歩道を歩行中、曲がってきた車両にひかれる事故に遭った。過失割合は10対0で、被害者に過失はなかった。

被害者は、事故により右大腿骨転子部骨折を負い、足の長さに1.5センチの差が出てしまい、太ももに線状痕が残ったり、可動域制限も残存してしまった。


弁護活動の成果

初回の後遺障害の申請では短縮障害(13級)のみ認定。労災認定時の調査復命書を取り寄せ、異議申し立てを行った結果、股関節の可動域制限(12級)も認められ、結果として併合11級の認定を獲得。

その後、相手方の保険会社と交渉を行い、最終的に約2041万円での示談となった。

年齢、職業

40~50代、会社員

傷病名

右大腿骨転子部骨折

後遺障害等級

併合11級

後遺障害の認定は、最初の申請時に提出した書類だけでは、実際の症状が十分に反映されないケースも少なくありません。今回は、諦めずに労災の調査復命書を取り寄せて異議申立てを行うことで、正当な評価を勝ち取ることができました。「一度の結果で終わらせない」粘り強いサポートが、11級・約2041万円という結果につながった事例です。

非該当から後遺障害14級9号が認定された事例

信号待ち中の追突で頚椎捻挫や右手しびれを負った事例

頚椎捻挫や右手のしびれなどの症状が残り、整形外科に94回通院。事前認定にて後遺障害申請を行ったところ、非該当となったケース。

保険会社からの提示額が来た段階で、ご相談いただいた。


弁護活動の成果

弁護士の介入後は、弁護士が主導してあらためて後遺障害の申請にチャレンジ。異議申立てを行った結果、14級9号の認定を獲得した。

保険会社の提示額は83万円だったところ、弁護士の交渉により約318万円まで増額した(最終的に約3.8倍増額)。

年齢、職業

40~50代、主婦・主夫

傷病名

むちうち

後遺障害等級

14級9号

こちらの解決事例は、後遺障害の認定では、審査に必要な医証の整理や意見書の作成など専門的な観点が結果を左右することを示しています。

保険会社の事前認定は、基本的に、後遺障害診断書を相手方保険会社に渡せばよいだけなので、手続きの手間は省けますが、保険会社は被害者の代理人ではないため、認定の可能性を高めるアドバイスをしてくれません。

非該当から後遺障害が認定され示談金が約41倍増額した事例

自転車で走行中に車と衝突し醜状傷害を負った事例

16歳男性が自転車乗車中に自動車との交通事故に遭い醜状傷害を負った。

後遺障害等級認定申請では非該当となったため、異議申し立てや今後の流れについてご相談いただいたケース。


弁護活動の成果

弁護士の介入後、被害者請求にて異議申し立てを行った結果、非該当から12級14号の認定を獲得。

保険会社の事前提示額約9万円から、最終的な受取金額が約371万円まで増額された(約41倍増額)。

年齢、職業

10代、学生

傷病名

醜状障害

後遺障害等級

12級14号

こちらの解決事例も、非該当だった後遺障害が異議申立てにより認定されたことで、示談金が約41倍という大幅な増額につながった事例です。

ご自身に類似のケースがあるか知りたい方は、以下の解決事例のページをご確認ください。

後遺障害認定されるために弁護士へご相談ください

「異議申立書の書き方が分からない」
「医師に意見書を頼みにくい」
「そもそも、自分のケースで逆転の可能性はあるのか?」

このような不安を感じたら、それは弁護士に相談する最適なタイミングです。特に、交通事故と後遺障害に詳しい弁護士は、あなたの強力な味方になります。

審査が厳しいからこそ弁護士への相談が重要です。

弁護士に相談することで「適切な対策」が可能に

後遺障害等級の「非該当」という結果が出た場合、再度認定を目指すには、初回の申請よりも緻密な準備と資料が求められます。

とはいえ、必要な対策は個別状況によってさまざまであり、簡単ではありません。

  • 審査で非該当と判断された理由
  • 残っている後遺症の内容や症状の度合い
  • 診断書の記載内容や検査結果との整合性

これらを踏まえた上での対応には、専門知識が欠かせません。
後遺障害に精通した弁護士へ相談することで、個別の状況に応じた的確な判断とアドバイスを受けることができます。

「再審査すればよかった…」と後悔しないために

非該当の結果が出て、「認定されなかったし、もう仕方ない」と示談交渉に進もうとしていませんか?

後遺障害認定されないままだと、原則として後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益は請求できず、その分示談金は低額になります。

後遺症そのものは残り続ける中で、「あのとき異議申立てをしていれば…」と、あとになって後悔する方も少なくありません。

納得して示談交渉に進むためにも、認定結果について一度弁護士に確認してみてください。

後遺障害認定されなかった場合でも、弁護士に相談するメリットは大きい

後遺障害が認められなかった場合でも、弁護士に相談することで得られるメリットは多くあります。
なかでも最も大きなメリットの1つが、「示談金の増額を見込める」という点です。

たとえ後遺障害等級が認められなかったとしても、治療費・休業損害など他の部分で増額が見込める場合もあります。

保険会社は、相場よりもはるかに低い金額を提示してくるため、示談金の増額交渉が欠かせません。

しかし、示談交渉で被害者側は不利になりがちです。

  • 示談交渉経験も損害賠償金に関する知識も、相手方保険会社の方が豊富
  • 仕事や家事の合間に交渉の電話がかかってきたり、相手方が高圧的な言動をとったりして、ストレスがたまりやすい

弁護士が介入することで、知識・経験豊富な保険会社でもしっかりと交渉ができるため、示談金額の増額を期待できます。

後遺障害が認められても、認められなくても、示談交渉において適切な示談金を得るためには弁護士によるサポートが必要です。

納得のいく解決を図るために、示談金の交渉については弁護士への相談・依頼をおすすめします。

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無料相談のみのご利用も可能なので、今後のことについて少し聞いてみたい、どんな弁護士がいるのか少し話してみたい、相談してから依頼するかどうか決めたいという方も、お気軽にご連絡ください。

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  • 交通事故でケガをした方への無料相談を実施
    ご依頼後の着手金も原則無料
  • 交通事故の取扱実績・ノウハウが多くある
    後遺障害等級認定のサポート経験も多数
  • 全国の交通事故に対応
    法律相談は電話またはLINEだから来所不要

また、弁護士費用特約が利用できるなら、弁護士に依頼する場合の費用負担もほとんどありません。

弁護士費用特約とは?

自身の保険会社に弁護士費用を負担してもらえる特約のこと。多くの保険会社にて、弁護士費用300万円、相談料10万円まで補償されます。

弁護士費用特約とは

交通事故の損害の程度によっては、弁護士費用の全てを特約でカバーできる場合もあるので、被害者の方は加入の保険を確認してみてください。

なお、弁護士費用特約は一定範囲の家族の分も利用できる場合があります。

まずは電話またはLINEにて、アトム法律事務所の無料相談をご利用ください。無料相談の受付は、24時間365日全国対応で行っています。

ご依頼者様からのお手紙

LINEの無料相談時から本当に親身にアドバイスをいただき、心強かったです。仕事をしているため、本当にLINEでのやり取りの出来ることがありがたかったです。

アトム法律事務所のご依頼者様のお手紙|右手首TFCC損傷の増額事例(異議申し立てで12級6号認定)

弁護士様には、こんなことお聞きしても良いのかと思うことでも、丁寧にそして素早く教えてくださり、安心してお願いできました。相手側との話し合いが進むとどのように進めていけばよいのか、メリットとデメリットを包み隠すことなく教えてくださり、何も心配すること全てお願いすることができました。私一人では到底進めていくことができなかった示談についても、当初より十倍近くまで増額してくださり、感謝のしようがありません。何から何まで本当にありがとうございました。

アトム法律事務所のご依頼者様のお手紙|十字路で原付直進中に衝突し肩鎖関節脱臼等を負った事例(事前認定で非該当・異議申し立てで12級5号認定)
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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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ご相談者と社会に安心と希望を提供したい。