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後遺障害の異議申し立てを成功させる方法|納得する等級認定を得よう

更新日:

後遺障害の異議申し立て

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

後遺障害等級認定の異議申立てをすれば、非該当から等級認定されたり、今の等級よりも上位の等級へ変更されて、示談金を増額できる可能性があります。

これから、適切な後遺障害等級を認定してもらうための手段である異議申立てをする方法、自賠責保険・共済紛争処理機構へ紛争処理を申請する方法、裁判を提起する方法などを解説していきます。

納得のいく後遺障害等級の認定を目指している交通事故被害者の方はぜひご参考になさってください。

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後遺障害等級認定の異議申立て方法

後遺障害等級認定の異議申立てとは

後遺障害等級認定の申請をした結果、非該当になったり、思っていたよりも低い等級が認定されることがあります。

そのような納得のいかない結果に対して不服申立てを行いたい場合は、損害保険料率算出機構に書面で等級認定の再審査を求めることが可能です。
これを異議申立てといい、無料で利用することができます。

異議申立ての流れ|事前認定と被害者請求の違い

異議申立ての方法は事前認定被害者請求の2種類があります。

異議申立ての流れ

事前認定の流れ
被害者は加害者側の任意保険会社に異議申立書と添付書類を提出する。
異議申立てに関する手続きは加害者側の任意保険会社が代わりにやってくれる。
その後、等級認定再審査の結果が出るまで待つ。

被害者請求の流れ
被害者自身が加害者側の自賠責保険会社に異議申立書と添付書類を提出する。
その後、等級認定再審査の結果が出るまで待つ。

※最初の後遺障害等級認定の申請を事前認定で行った方でも、異議申立てを被害者請求で行うことが可能

事前認定・被害者請求どちらの場合でも異議申立ての手順はそれほど変わりません。異議申立書の提出先が加害者側の任意保険会社になるか、加害者側の自賠責保険会社になるか、という点くらいです。

後遺障害等級認定の申請方法などは、関連記事『交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状、14級認定のポイント』でより詳しく解説しています。

異議申立てにかかる期間はどの程度?

異議申立ての結果が出るのは申請後2~3ヶ月程度になることが多いですが、長い場合には6ヶ月程度かかることもあるでしょう。

もし再申立てをすることになった場合はさらに時間がかかってしまうことになる点にご注意ください。

異議申立てにおいて具体的に行うべきこと

異議申立てを成功させるポイント

ただ異議申立書を提出しただけでは、後遺障害等級の変更を認めてもらうことは困難です。

しかし、最初に後遺障害を申請する際に不足していた医学的資料などを添付資料として提出すれば、等級変更が認められる見込みがあります。

提出する医学的資料は、CTやMRIの検査結果などの画像所見・診断書・医師の意見書・カルテなどです。
場合によっては、被害者本人が日常生活を送る中での支障を記載した日常生活状況報告書なども作成することがあります。

必要書類必須/任意
異議申立書必須
医学的資料など任意

異議申立てで重要なことは「なぜ納得のいく等級が認定されなかったのか」を分析することです。
分析した後、目指している等級の認定に必要な医学的資料などを集めれば、ただ異議申立書だけを提出するよりかは等級変更の確率が高まります。

しかし、異議申立てを行うのはおそらく人生で初めてになる方が大半でしょう。
初めてのことで不安も多いと思いますので、異議申立てについては弁護士へ相談することをオススメします。

異議申立書の書き方

異議申立書に決まった書式はありません。
ただ、通常は異議申立人の住所・氏名・連絡先・作成日などに加えて、異議申立ての趣旨と理由を記載します。

異議申立書の書き方

異議申立ての趣旨
認定を求める等級を記載をします。
例:12級の等級認定を求める場合は「12級の後遺障害認定相当である。」など。

異議申立ての理由
自賠責保険の認定基準、認定要件を踏まえた上で、添付資料の内容をもとに異議申立ての理由を論理的に記載します。

異議申立書の中で「認定の理由がいかに不合理であるか」を具体的に指摘しつつ、被害者の症状が認定基準を満たしている旨を論理的に主張できていれば、適切な等級認定がなされる見込みがあります。

もしも一枚で収まらないようであれば、内容を分けて別紙に記載しても問題ありません。

「自分で異議申立書を仕上げてみたが、本当にこれで大丈夫なのかわからない」という場合は、異議申立書の記載内容を弁護士に相談してみると良いでしょう。

異議申立ての成功率は低い|弁護士に相談しよう

しかし、異議申立てをして等級変更が認められる確率はおよそ5%という狭き門です。

損害保険料率算出機構が公表している統計情報である「自動車保険の概況」によると、平成25年度は審査件数12,044件中588件しか等級変更が認められていません。

平成25年度の異議申立て審査結果

審査結果件数
等級変更あり588
等級変更なし11,193
再調査182
その他81

出典:「第30図 後遺障害(高次脳機能障害・非器質性精神障害を除く)の専門部会<平成25年度> 」自動車保険の概況 2014年度版(2015年2月発行) 30頁

そのため、等級変更が認められるには入念な準備が必要になります。
適切な準備を行うためにも、専門家である弁護士のサポートを受けるべきでしょう。

交通事故案件の経験豊富なアトム法律事務所であれば、異議申立てで等級変更される見込みがどの程度あるのか、確率を上げるためにはどのような準備をするべきなのかアドバイスできる場合があります。
後遺障害の異議申立てでお悩みの方のお力になれる可能性があるため、お困りの方はぜひアトム法律事務所までご相談ください。

【事例】異議申立てで等級変更されたケース

アトム法律事務所に依頼して後遺障害等級の異議申立てをした結果、無事に等級変更された解決事例の一部をご紹介します。

併合14級から併合12級に変更できたアトム法律事務所の事例

事故日年齢性別変更前後の等級
2016/11/1622歳併合14級から併合12級へ変更

上記の事例では、被害者の方は交通事故で頬骨骨折骨盤骨折などのケガを負い、初回の等級認定では併合14級が認定されていました。

異議申立てを行うにあたって、まず、他覚的所見に関する見解を医師に相談しました。
異議申立てのためには新たな検査内容や骨盤のCT画像などが必要とのことだったので、被害者の方にご協力いただき、新たに検査を受けていただきました。

その後、医師に医学意見書を作成してもらい、異議申立てをしてから約4か月後に併合12級の認定結果が通知されました。

5級から併合4級に変更できたアトム法律事務所の事例

事故日年齢性別変更前後の等級
2012/4/45級から併合4級へ変更

上記の事例では、被害者の方は交通事故で高次脳機能障害頭がい骨陥没などのケガを負い、初回の等級認定は5級が認定されていました。

しかし、弊所の弁護士が被害者の方と面談した際、頭がい骨のへこみが12級に該当しうることに気がつきました。
初回の等級認定申請のときは医師が撮影した小さな写真を送付していたのですが、異議申立てにあたって新たな写真を撮影し、調査事務所での面接も実施してもらって希望通り12級が認定されました。

結果、既に認定されていた5級と合わせて併合4級へと変更されることになりました。

自賠責保険・共済紛争処理機構への申請方法

紛争処理制度を利用しよう

後遺障害等級の認定結果に納得がいかない場合、異議申立てではなく、「自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、紛争処理機構)」紛争処理制度を利用することも可能です。

紛争処理申請書という書類を紛争処理機構に提出すれば、専門的知識を有している紛争処理委員による等級認定の審査が行われます。

紛争処理委員は、公正中立で専門的な知見を有する第三者である弁護士、医師及び学識経験者で構成されています。
詳しくは自賠責保険・共催紛争処理機構のホームページで確認可能です。(http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_02.html)

紛争処理制度も無料で利用することができるというメリットがあります。
しかし、紛争処理制度は1度しか利用することができない点にご注意ください。

紛争処理制度を利用する流れ

紛争処理制度は初回の等級認定結果が出た後、または異議申立ての等級認定結果が出た後に利用することができます。
異議申立てをしても紛争処理制度は利用できる」という特徴があるため、1度目は異議申立て、2度目は紛争処理制度、という使い方も可能です。

紛争処理制度を利用する流れ

  1. 初回の等級認定結果が出る
  2. 後遺障害等級の異議申立てを行う または 紛争処理制度を利用する
  3. 異議申立ての等級認定結果が出る
  4. 再度、異議申立てを行う または 紛争処理制度を利用する

ただ、前述したように紛争処理制度は1度しか利用することができません。
そのため、添付資料を入念に収集し、提出書類や資料に不備がないことしっかりと確認したうえで利用しましょう。

紛争処理にかかる期間はどの程度?

紛争処理ではおよそ4か月程度の審査期間を要します。
ただ、事案によって審査期間は前後するので、4か月というのはあくまで目安程度にとどめておきましょう。

紛争処理申請書類の書き方

異議申立てとは異なり、紛争処理申請書には決められた書式があります。
書式は紛争処理機構の公式HPでダウンロードすることが可能で、以下がその書式です。

紛争処理申請書(http://www.jibai-adr.or.jp/pdf/sinsei.pdf)

別紙(http://www.jibai-adr.or.jp/pdf/besshi.pdf)
紛争処理申請書・「紛争処理を求める事項」について具体的に記載します。

紛争処理も異議申立てと同様に、「認定の理由がいかに不合理であるか」「認定されるべき適切な等級と、認定基準を満たしている根拠」などを申請書に記載することになります。
自分の主張を補強するための医学的資料などを添付資料として同封しても問題ありません。

紛争処理機構のページでは記入例も解説されているので、ぜひご参考になさってください。(http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_05.html)

【事例】紛争処理の申請が認定されたケース

紛争処理機構の公式HPでは、一般的な紛争処理事例として以下4つの事例が紹介されています。

① 右肩関節の運動制限について、後遺障害に該当しないとした自賠責保険会社・共済組合(以下、自賠責保険・共済)の結論を、画像・医証等により可動域制限の原因は外傷性のものであることが判明したことから変更した。

② 下肢の知覚異常等の神経症状について、後遺障害には該当しないとした自賠責保険・共済の結論を、画像や治療経過等により認められるものとして変更した。

③ 頭部外傷による精神神経の症状について、局部の神経症状として認定した自賠責保険・共済の結論を、画像や各種検査の結果などより高次脳機能障害として認められることから変更した。

④ 両眼が見えにくいなどの症状について、受傷態様や検査結果等により本件事故との相当因果関係は認められないとの結論に変更はないとした。

* ①~③は等級認定の変更が認められた事例、④は変更が認められなかった事例
http://www.jibai-adr.or.jp/enterprise_03.html(一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構 2020/04/16閲覧)

裁判で後遺障害等級を認めてもらう方法

民事裁判とは何か

民事裁判は、紛争当事者同士の話し合いで解決しないとき、紛争当事者が紛争の解決を裁判所に求めた際に行われるものです。
交通事故においては、示談交渉により解決できない場合に、民事裁判で被害者の損害額などについて争うことになるでしょう。

裁判所は自賠責や紛争処理機構の審査結果に拘束されないため、独自に後遺障害等級を判断し、慰謝料金額に反映してくれる場合があります。

しかし、通常は自賠責や紛争処理機構の判断が重視されるため、審査結果を覆すような説得力のある証拠集め・論理的な主張による証明が裁判でも重要となります。

裁判を提起する流れ

裁判を提起する際は、まず裁判所に訴状を提出します。
それから1~2か月後、第一回口頭弁論期日が指定されるので、期日までに証拠集めをしたり、主張内容を整理してください。

その後、口頭弁論の場で被害者側は集めた証拠を提出したり、自分の主張や意見を相手方に述べることになります。

口頭弁論

争いの当事者または訴訟代理人が裁判官の面前でお互いの主張を述べ合うこと。

何度か口頭弁論が行われた後、裁判所から提案される和解協議に合意するか、判決が出るまで裁判は続きます。

しかし、法律知識が十分でない方が裁判の煩雑な手続きをすべてこなすのは非常に困難なので、裁判を提起する際は弁護士に依頼するのが一般的です。

交通事故の裁判の流れ

より具体的な裁判を提起する流れについては『交通事故の裁判|流れ、費用、期間、調停など知っておくべき6つのポイントと裁判例3選』をお役立てください。

裁判にかかる期間はどの程度?

訴状の提出から裁判が終結するまで、目安として1年~2年程度はかかります。

問題点が簡潔なものであり、裁判所からの和解案をすぐに受け入れる場合であれば期間を短縮できることもありますが、それでも半年程度はかかると思っていたほうが良いでしょう。

以下は裁判所が公開している民事裁判の審理期間をまとめた表です。
94%近くの事案は2年以内に終局していますが、残りの6%は2年を超える長期事案になっていることがわかります。

交通事故裁判の審理期間(第一審)

6月以内19.7%
6月超1年以内41.3%
1年超2年以内32.7%
2年超3年以内5.3%
3年超5年以内1.0%
5年を超える0.04%

出典:「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第8回)」(最高裁判所・令和元年7月19日)資料2-1-1

【事例】裁判でより高い等級が認められたケース

裁判の結果、認定されていた後遺障害等級よりも高い等級が認められ、損害額に反映された判例をご紹介します。

非該当から12級12号相当に該当するとみなされたむちうちの判例

以下はむちうちを負い、後遺障害等級が非該当だったものの、裁判を通して12級12号に該当するとみなされ、慰謝料を増額できた判例です。

(略)原告は、本件事故後、右手及び右足の知覚鈍麻、両上肢の巧緻性の軽度の障害などが残存したが、これらはいずれも本件事故と相当因果関係がある後遺障害と認められ、その等級は自賠法施行令二条別表後遺障害別等級表所定の後遺障害等級一二級一二号に該当し、労働能力の一四パーセントを喪失したものと認めるのが相当である。(略)

東京地判平成10年2月26日

併合2級から併合1級に該当するとみなされた高次脳機能障害の判例

以下は高次脳機能障害などを負い、後遺障害等級が併合2級と認定されていたものの、裁判を通して併合1級に該当するとみなされ、慰謝料を増額できた事例です。

原告は,原告に残存する後遺障害について,自動車保険料率算定会から,(略)併合第2級に該当するとの認定を受けた。(略)

「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの」として後遺障害等級第2級1号に,頭部外傷後の両眼の視野狭窄につき,「両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの」として第9級3号に,左足の第1指基節骨中央部からの離断につき,末節骨の2分の1以上を失い,「1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの」として第12級11号に,右下肢の醜状障害につき,「下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」として第14級5号に各該当する後遺障害が残存し,併合第1級に相当すると認めるのが相当である。

大阪地判平成15年1月27日

まとめ|異議申立て・紛争処理・裁判のメリットとデメリット

後遺障害等級の異議申立て紛争処理制度裁判の流れやメリットがおわかりになったでしょうか。

異議申立て・紛争処理・裁判のメリットとデメリット

メリットデメリット
異議申立て何度でも申請可能
無料
来所不要
成功率が低い
紛争処理無料
来所不要
1度しか利用できない
裁判自賠責や紛争処理機構の判断に拘束されない裁判費用がかかる
長期の期間を要する
弁護士でないと手続きが困難

3つの手段のうち、いずれも専門家である弁護士に相談すれば等級変更の可能性が高まる場合があります。

弁護士であれば、異議申立書や紛争処理申請書に書く内容を精査したり、どのような医学的資料を集めれば等級変更の確率が高まるのかアドバイスできることがあります。

また、後遺障害に関することだけではなく、適切な慰謝料や損害賠償金を得るための方法についても相談できるので、最終的に受け取ることのできる金額に大きな違いが出る可能性があるのです。
弁護士に依頼することで生じるメリットを詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリット8つ|デメリット・費用・慰謝料増額も解説』の記事をご覧ください。

アトム法律事務所では電話・LINE・メールでの無料相談を受け付けています。
そのため、外出せずに相談をすることが可能な上に、ケースによっては事務所への訪問無しで交渉の依頼から示談金振込まで完了する場合もあります。

相談だけなら費用もかからないので、後遺障害等級認定の異議申立てをご検討中の方はぜひアトム法律事務所へお気軽にご相談ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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