後遺障害の相談先に迷ったら|交通事故後に頼れる窓口と弁護士の強みを解説

この記事でわかること
交通事故によるケガがなかなか治らず、「このまま後遺症が残るかも…」と不安を抱えていませんか?
事故後に症状が残った場合は、「後遺障害等級」の認定を受けることで、慰謝料や逸失利益といった賠償金を請求できる可能性があります。
ただし、どこに相談すればいいのか分からない、という方も多いのではないでしょうか。
後遺障害については、医療機関や法テラスなどさまざまな窓口がありますが、相談内容やサポート範囲は窓口によって大きく異なります。
この記事では、後遺障害に関する相談窓口をお悩み内容に合わせて紹介するとともに、弁護士に相談するメリットも解説します。
目次

交通事故の後遺障害でよくある悩みと相談タイミング
交通事故でケガを負い、治療を続けているものの、なかなか症状が改善せず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
後遺障害に関する相談は、必ずしも事故直後に必要になるわけではありません。
むしろ、「症状が残るかもしれない」と思ったときが、相談の検討を始める大きなきっかけになります。
この章では、後遺障害に関してよくある悩みや不安、そして相談すべき適切なタイミングについて解説します。
相談が必要になる主なケースとは?
交通事故で負ったケガがなかなか治らず、後遺症のような症状が続いている場合、「このまま一生治らないのでは」「保険会社の対応に納得がいかない」といった不安を抱える方も多く見られます。
具体的には、以下のような悩みを持つ方は、専門家への相談を検討すべき状況にあると言えます。
- 病院で「後遺症が残る可能性がある」と言われた
- 保険会社から治療の打ち切りを打診された
- 後遺障害認定の制度や手続きがわからない
- 適切な慰謝料が受け取れるのか不安
- 保険会社との交渉に不信感がある
こうした状況を放置してしまうと、正しく後遺障害等級が認定されなかったり、本来受け取れるはずの賠償金が少なくなってしまうリスクもあります。
どのタイミングで相談すべき?
後遺障害に関する相談は、「症状固定」の診断を受けたタイミングで行うのが理想的です。
「症状固定」とは、医師によって「これ以上症状の改善が見込めない」と判断される状態のことです。
この段階になると、後遺障害診断書の作成を依頼できるようになります。
以下のようなタイミングも、相談の目安として適しています。
- 後遺障害認定の手続きに入る前
- 後遺障害認定を自分で受けてみて、結果に納得いかないとき
- まだ治療中だが、後遺症が残りそうだと感じるとき
これらの段階で弁護士に相談しておけば、適切な資料の収集や、後遺障害等級の獲得に向けたサポートを受けられるため、スムーズな解決につながりやすくなります。
相談内容別・後遺障害の相談窓口まとめ【比較表あり】
後遺障害に関する悩みは、内容によって適した相談先が異なります。
「どこに相談すればいいのか分からない」と迷ってしまう方も少なくありません。
ここでは、相談内容別に適した窓口をまとめました。
(1)治療や後遺症に関する相談先【医療機関】
ケガがなかなか治らない、不安な症状が続くなど、医学的な内容に関する相談は以下のような専門窓口が適しています。
- 医療安全支援センター
全国に設置されており、診療科の選び方や治療方針に関するアドバイスを受けられます。
→ 医療安全支援センター公式サイト - 高次脳機能障害支援拠点機関
高次脳機能障害の症状やリハビリに関する専門的な支援を受けられます。
→ 支援拠点機関の情報はこちら - 日弁連交通事故相談センター(高次脳特化窓口)
医学的な視点からも高次脳機能障害の相談に対応しています。
→ 公式サイトを見る
(2)保険会社対応に関する相談先【保険系の相談窓口】
加害者側や自分の加入する保険会社の対応に疑問や不満がある場合には、以下の窓口が利用できます。
- そんぽADRセンター(損害保険相談対応機関)
中立的な立場で保険会社に改善を促してくれる機関です。解決を強制するものではありませんが、保険会社にとって影響力があります。 - 保険会社のお客様相談窓口
自分の加入する保険会社にも直接相談できます。担当者を変えてもらうなど、対応の改善が見込める場合もあります。
(3)後遺障害認定・慰謝料請求に関する相談先【法律の専門家】
等級認定の申請手続きや、慰謝料・賠償金の金額に関する悩みは、法律の専門家に相談するのが最適です。
- 法テラス
一般的な制度や手続きについて案内を受けられます。収入などの条件を満たせば、無料で弁護士相談や費用立替の制度も利用可能です。 - 日弁連交通事故相談センター
電話や対面で無料の弁護士相談が可能です。中立的な立場で示談あっ旋に対応してくれることもあります。 - 法律事務所(例:アトム法律事務所)
後遺障害等級の認定や慰謝料増額交渉などを個別対応。弁護士に依頼すれば申請や交渉を一任でき、初回無料相談に対応している事務所も多数あります。
以下の表では、主な3つの窓口の違いをまとめています。
相談先 | 相談内容 | 相談料 | 示談交渉 |
---|---|---|---|
法テラス | 一般的な制度案内/申請相談など | 条件満たせば無料 | 助言まで(交渉不可) |
日弁連交通事故相談センター | 後遺障害・慰謝料等の無料弁護士相談 | 無料 | 示談あっ旋(中立) |
法律事務所(例:アトム) | 個別対応の相談、申請・交渉全般 | 無料 or 有料(※アトムは無料) | 弁護士が代理交渉・申請可 |
「複数の窓口を併用する」という選択肢もありますが、手間や時間を最小限にし、最大限の結果を得たい方には、法律事務所への相談が最もおすすめです。
後遺障害は弁護士に相談するのがベストな理由
後遺障害に関する相談先は複数ありますが、「確実に等級を取とりたい」「慰謝料をしっかり請求したい」と考えるなら、最もおすすめなのは弁護士への相談です。
ここでは、その理由を解説します。
(1)後遺障害に関する幅広いお悩み・状況の方に対応できる
法律事務所は他の相談窓口と比較しても、幅広い相談内容に対応できる点が特徴です。
法テラスや日弁連交通事故相談センターでは、以下のような制約があります。
- 法テラス
- 誰でも相談できるが、一般的な制度の案内にとどまる
- 慰謝料相場や等級認定の見込みといった個別的な相談は不可
- 弁護士への無料相談には収入要件などの制限がある
- 日弁連交通事故相談センター
- 自転車事故など一部事故類型は対象外
- 相談内容によっては対面でしかできない場合がある
- 示談あっ旋では弁護士は中立の立場となるため、被害者側の味方ではない
一方で、たとえばアトム法律事務所の無料相談は、以下のように、利便性と対応範囲の広さが特徴的です。
法律事務所の強み
- 収入制限などの要件はなく、誰でも利用可能
- 電話・LINEでの対応が中心で、時間や場所を問わず相談できる
- ご依頼後は弁護士が被害者の立場に立って申請・交渉を一括サポート
※ご相談内容やタイミングによっては、対応できないケースもあります。
これにより、迷ったときには弁護士、特に無料相談可能な法律事務所への相談がもっとも確実な一手となるでしょう。
(2)後遺障害認定の可能性が高まる
後遺障害の等級が認定されなければ、後遺障害慰謝料や逸失利益は請求できません。
つまり、後遺障害の認定=その後の賠償額を大きく左右する重要なポイントです。
しかし、後遺障害の認定は原則「書類審査」によって行われ、必要書類の不足や記載内容の不備があると、正当な等級が認められない可能性があります。
【後遺障害認定の主な要件】
- 交通事故に起因する後遺症であること
- 治る見込みがないこと(=症状固定)
- 労働能力の低下・喪失があること
- 症状の存在が医学的に証明されていること
- 後遺障害等級(1〜14級)に該当すること
これらを証明するためには、後遺障害診断書や医療記録、画像所見などの適切な収集・整理が必須です。
弁護士に相談・依頼すれば、以下の点についてアドバイスが受けられます。
- 必要な書類の具体的な内容
- 診断書に記載すべきポイント
- 過去の認定実績をもとにした等級見込み
申請手続きも一任できるため、スムーズかつ効果的な申請が可能になるのです。
また、申請が通らなかった場合の「異議申立て」も含めて、法律の専門知識と経験に基づく戦略的な対応ができるのが弁護士の強みです。
(3)認定後の慰謝料・賠償金の金額が増額しやすい
後遺障害等級が認定されれば、それに応じた慰謝料・逸失利益の請求が可能となります。
しかし、加害者側の任意保険会社は、独自の低い基準に基づいて金額を提示してくるのが一般的です。
【例:14級の慰謝料相場】
- 保険会社基準(自賠責基準):約32万円
- 弁護士基準(判例に沿った基準):約110万円
上記のように、判例に沿った法的正当性の高い金額と、保険会社の基準に沿った金額とでは約3倍以上の差が出ることも珍しくありません。
また、逸失利益についても、労働能力喪失率や喪失期間の算定をめぐって、保険会社は低めに見積もる傾向があります。
弁護士が交渉に入れば、以下のメリットがあり、本来受け取るべき正当な金額に近づけることが可能です。
- 判例に基づいた「弁護士基準」による金額で交渉できる
- 裁判リスクを示唆することで保険会社側の態度が変わる
- 実績ベースで「どのくらい増額できそうか」を相談時に試算してもらえる
(4)手続きや交渉を任せて負担を減らせる
後遺障害の申請や示談交渉には、専門知識だけでなく、書類の取り寄せ・交渉対応・期限管理などの煩雑な作業が伴います。
事故の被害に遭ったばかりの方にとって、これを1人でこなすのは非常に大きな負担です。
弁護士に以下のようなことを依頼すれば、手間を最小限に抑えながら、最大限の補償獲得を目指せます。
- 医師との面談調整や書類の補足
- 示談交渉の窓口の一本化
- 損害項目の漏れチェックや増額交渉
さらに、弁護士費用特約がある場合は自己負担なしで依頼可能なケースも多く、相談時点で見込み金額と費用のバランスを事前に確認できるのも安心材料です。
後遺障害について弁護士に相談すべきタイミングはいつ?
交通事故で後遺症が残った場合、どのタイミングで弁護士に相談すればよいのか悩む方も多くいます。
早すぎても意味がないのでは?と遠慮してしまう方も少なくありません。
しかし、実際には早めの相談が大きなメリットにつながるケースがほとんどです。
ベストなタイミングは「症状固定」の診断を受けたとき
弁護士に相談する最適なタイミングは、医師から「症状固定」と診断された時点です。
「症状固定」とは、これ以上の治療効果が見込めず、症状が一定の状態で残ってしまうことを意味します。
この診断を受けると、後遺障害の申請に必要な「後遺障害診断書」を医師に作成してもらえるようになります。
このタイミングで弁護士に相談すれば、以下のような形で、後遺障害等級の認定に向けた重要な土台を作れるのです。
- 診断書に記載すべきポイントのアドバイスが受けられる
- 他にどのような資料が必要かを事前に把握できる
- 認定対策・手続きを専門家に一任できる
お困りの内容によっては別のタイミングもおすすめ
「症状固定」以外にも、以下のような場合は疑問や不安を感じた時点で弁護士に相談することで、適切な対策を早めに講じられます。
- 治療を続けているが、症状が改善せず不安を感じているとき
- 医師から後遺症が残るかもしれないと告げられたとき
- 「後遺障害等級」や「申請方法」について自分で調べてもよく分からないとき
こうした段階で相談すれば、後遺障害診断書の準備や、必要な証拠の収集について早めに動きだせるだめ、スムーズな申請や賠償請求につながります。
この他にも、弁護士に相談や依頼するタイミング次第で様々なメリットを受けることが可能です。
詳しく知りたい方は『交通事故で弁護士に相談・依頼するベストタイミングは?相談内容別のおすすめも紹介』の記事をご覧ください。
弁護士に相談して解決した後遺障害の事例3選
「弁護士に相談することで本当に違いが出るのか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
この章では、実際にアトム法律事務所が受任した事例の中から、後遺障害等級の認定に成功し、示談金の獲得につながった3つのケースをご紹介します。
具体的な事例を知ることで、弁護士への相談がどのように役立つのか、イメージを持っていただけるはずです。
頚椎捻挫で14級獲得
事例の概要
傷病名 | 頚椎捻挫 |
後遺障害等級 | 14級 |
示談金 | 397万円 |
自動車同士の事故であり、停車中に追突されたことから頚椎捻挫のケガを負ったという事例です。
後遺障害が認められるケガであったため、弁護士が後遺障害認定の申請を行い、14級の認定を受けることに成功しました。
認定結果を踏まえて示談交渉を行ったところ、示談金として397万円を獲得することとなりました。
靱帯損傷で14級獲得
事例の概要
傷病名 | 後十字靱帯剥離骨折 |
後遺障害等級 | 14級 |
示談金 | 341万円 |
事故による転倒で後十字靱帯剥離骨折のケガを負ったために、依頼を受けました。
後遺障害の認定を受けることができるケガであると判断し、後遺障害認定の申請を行ったところ、14級の認定を受けたのです。
その結果、示談交渉により341万円の示談金を獲得できました。
粉砕骨折で9級
事例の概要
傷病名 | 左肘粉砕骨折,左肩骨折 |
後遺障害等級 | 9級 |
示談金 | 2387万円 |
弁護士が後遺障害診断書への追記依頼や、医師との面会といった後遺障害等級認定の申請についてサポートを行ったところ、併合9級の認定を受けることに成功しました。
その結果、2387万円の示談金を獲得することができたのです。
迷ったらまず無料相談を!アトム法律事務所の無料相談
アトム法律事務所では、電話・LINEでの無料相談を24時間受け付けています。
ご依頼いただかなくても、相談だけで完結してももちろん問題ありません。無理な勧誘なども一切行っておりませんので、ご安心ください。
相談できる主な内容
- 後遺障害等級の見込みや申請方法
- 慰謝料・逸失利益の相場
- 必要な資料や診断書の書き方
- 示談交渉の進め方や注意点
- 弁護士費用特約が使えるかどうか など
特にLINEでの相談は、相談内容を送って返信を待つだけ。
通話不要なので、空き時間や他の相談窓口との並行利用もしやすいのが特徴です。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了