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交通事故の後遺症で後遺障害慰謝料を請求!慰謝料の相場と等級認定

更新日:

交通事故の後遺症 慰謝料相場 等級認定

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の後遺症は、後遺障害の認定を受けることで補償を受けられます。後遺障害を負ったという精神的苦痛に対する補償は、後遺障害慰謝料として受けとることが可能です。
しかし、後遺症が残ったからといって、必ず後遺障害慰謝料がもらえるとは限りません。

後遺症に対して後遺障害等級が認定されて初めて、後遺症に関する慰謝料や賠償金をもらえるようになるのです。

後遺症に関する慰謝料や賠償金を得るために知っておくべき以下のことについて解説しています。

  • 後遺症に関する慰謝料や賠償金の種類、金額
  • 後遺障害等級が認定される後遺症の症状
  • 後遺障害等級を獲得するための方法・ポイント
  • 弁護士の力を借りるべき状況

この記事を読めば、交通事故の後遺症に対して慰謝料や賠償金を支払ってもらう方法がわかります。また、十分な金額を得るために必要なこともわかります。

交通事故により後遺症が残り、不安や悔しさを感じている方は、ぜひチェックしてください。

目次

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後遺症が残った場合の慰謝料相場額

後遺障害等級ごとの慰謝料額

後遺障害慰謝料とは、交通事故により後遺障害が残ったことで、今後も精神的苦痛を受け続ける補償として支払われる金銭です。

後遺障害が残ると、将来にわたって日常生活の中で不便を感じたり、後遺障害が残ったことへの悲しみや悔しさを感じることになります。

慰謝料は精神的苦痛に対して支払われるので、精神的苦痛が大きいほど高額です。後遺障害慰謝料額は、14段階ある後遺障害等級によって決まります。

等級 慰謝料額
1級・要介護2800万円
2級・要介護2370万円
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

適正な慰謝料を得るための注意点|慰謝料の相場に注目

後遺障害慰謝料には計算基準が3つある

交通事故の慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・裁判基準という3つの計算基準があります。

自賠責基準

自賠責保険に慰謝料の請求を行った際に被害者が受け取れる金額の計算基準

任意保険基準

示談交渉で加害者側の任意保険会社が提示してくる慰謝料額を計算するための保険会社独自の基準

裁判基準

訴訟において裁判所が慰謝料を計算する際に利用する計算基準
被害者側の弁護士が慰謝料の金額を主張する際にも利用するため、弁護士基準とも呼ばれる

慰謝料金額相場の3基準

後遺障害慰謝料の金額は、上記の3つの計算基準をもとに示談交渉で決められます。自賠責基準の金額を最低ラインとして、任意保険基準から裁判基準の間の金額になるというイメージです。

3つの基準の中で最も高額であり、最も妥当なのは、過去の判例をもとに定められた裁判基準の金額です。
そのため、被害者にとっては裁判基準に近い金額になるほど良いということになります。

それに対し加害者側の任意保険会社は、任意保険基準に近い金額で示談を成立させようとするため、注意が必要です。

では、実際に後遺障害慰謝料はいくらになるのかみていきましょう。

計算基準ごとの後遺障害慰謝料相場の違い

自賠責基準にもとづいて算出される後遺障害慰謝料の相場は、裁判基準の金額と比較すると、差額分だけ低額です。

等級 自賠責基準*差額
1級・要介護1650万円
(1600万円)
1150万円
(1200万円)
2級・要介護1203万円
(1163万円)
1167万円
(1207万円)
1級1150万円
(1100万円)
1650万円
(1700万円)
2級998万円
(958万円)
1372万円
(1412万円)
3級861万円
(829万円)
1129万円
(1161万円)
4級737万円
(712万円)
933万円
(958万円)
5級618万円
(599万円)
782万円
(801万円)
6級512万円
(498万円)
668万円
(682万円)
7級419万円
(409万円)
581万円
(591万円)
8級331万円
(324万円)
499万円
(506万円)
9級249万円
(245万円)
441万円
(445万円)
10級190万円
(187万円)
360万円
(363万円)
11級136万円
(135万円)
284万円
(285万円)
12級94万円
(93万円)
196万円
(197万円)
13級57万円
(57万円)
123万円
(123万円)
14級32万円
(32万円)
78万円
(78万円)

*()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合

任意保険基準の金額は各保険会社ごとに異なり非公開です。
目安としては、自賠責基準の金額と同じくらいか少し上乗せした程度といわれていますので、参考にしてください。

自賠責基準の最低水準や、弁護士基準に満たない金額での支払案を提示されたなら、弁護士基準に近づけるための増額交渉が必要です。

むち打ちの後遺障害慰謝料

外部からの衝撃・圧力は、身体に大きな影響を与えます。
急激に強い力が身体に加えられることで、頸や腰が無理やり振れてしまい、神経や周辺組織が傷むことで、むち打ち状態になってしまう被害者は少なくありません。

むち打ち症が治らずに、神経症状(しびれ・麻痺)が残ってしまう場合があります。むち打ちの後遺症は、後遺障害12級13号または後遺障害14級9号に認定される可能性があります。

後遺障害12級13号に認定された場合、裁判基準の適正な慰謝料相場は290万円です。後遺障害14級9号の認定となった場合には、裁判基準で110万円が相場となります。

自賠責基準で算定した結果は、裁判基準の3分の1程度です。
保険会社が提示する後遺障害慰謝料は、不十分な恐れがあります。

むち打ちの後遺障害慰謝料

慰謝料算定基準12級13号14級9号
裁判基準(弁護士基準)290万円110万円
自賠責基準94万円32万円

むち打ちの場合、後遺障害認定がなされたなら、慰謝料の増額が期待できます。関連記事にて、むち打ちの慰謝料に関する疑問や通院のポイントを解説中です。慰謝料の計算や相場について、もっと詳しく知りたい方は、関連記事を役立ててください。

後遺障害等級の認定を受ける方法

後遺障害等級認定の流れ

後遺障害等級の認定を受けるためには、加害者側の保険会社を介して必要書類を審査機関に提出し、審査を受けなければなりません。
具体的には次のような流れになります。

  1. 必要書類を集める
  2. 加害者側の自賠責保険会社または加害者側の任意保険会社に書類を提出する
  3. 保険会社から審査機関に書類が渡る
  4. 審査機関にて審査が行われる
  5. 被害者に審査結果が通知される

加害者側の自賠責保険会社に書類を提出する方法は「被害者請求」、加害者側の任意保険会社に書類を提出する方法は「事前認定」といいます。

どちらを選ぶかによって、経由する保険会社や被害者自身で集める書類が異なりますので、それぞれの特徴を考慮して決めましょう。

等級認定申請の方法は2つ

被害者請求とは何か

被害者請求の流れ

被害者請求は、加害者側の自賠責保険会社を介して、審査機関に必要書類を提出する方法です。
被害者請求の流れをみてみましょう。

  • 被害者は、後遺障害診断書・通常の診断書・診療報酬証明書・交通事故証明書などの必要資料全てを用意し、加害者側の自賠責保険会社に提出する。
  • 後遺障害等級が認定されると、結果通知とほぼ同時期に後遺障害慰謝料の一部が振り込まれる。残りの後遺障害慰謝料は、示談成立後に振り込まれる。

被害者請求はこんな人におすすめ

次のような方は、被害者請求で後遺障害等級認定の申請を行う方が良いでしょう。

  • 後遺障害等級に認定されるかどうかわからない
  • 望む等級に認定されるかわからない
  • 早く後遺障害慰謝料を受け取りたい

後遺障害等級認定の審査は、基本的に提出した書類のみで行われます。そのため、後遺症が残っていることを書類を通して確実に伝えなければなりません。
しかし中には、レントゲン写真やMRI画像には異常がはっきり写らないということもあります。

その場合には、必要最低限の書類だけではなく追加の書類も添付して、後遺症の存在を証明しなければなりません。

被害者請求では、どんな書類やデータを申請書類とするのか、被害者自身で選んで決めることができます。この点が、被害者請求のメリットです。

一方、事前認定では必要最低限以外の書類を添付することは難しいでしょう。理由は、このあと説明しますが、申請の主体が被害者ではないためです。

そのため、追加書類を添付して症状の証明・工夫が必要な場合は、被害者請求を選択するべきです。

また、被害者請求のメリットには、事前認定よりも早く慰謝料を受けとれることもあげられます。

被害者請求なら、後遺障害等級認定の結果通知とほぼ同時に後遺障害慰謝料の一部が振り込まれる流れです。
事前認定の場合、後遺障害慰謝料の振り込みは全額示談成立後となってしまいます。

早く慰謝料を受けとりたい場合も、被害者請求を選択する方が良いでしょう。

事前認定とは

事前認定の流れ

事前認定とは、加害者側の任意保険会社を介して審査機関に必要書類を提出する方法です。
事前認定の特徴をみていきましょう。

  • 被害者は後遺障害診断書のみ用意すればいい。
  • 後遺障害慰謝料以外の申請資料は加害者側の任意保険会社が用意し、審査機関に提出してくれる。
  • 後遺障害慰謝料は、全額示談交渉後に振り込まれる。

被害者請求と比較すると手間が省けますが、慰謝料が振り込まれるまでが遅くなるというデメリットがあります。

事前認定はこんな人におすすめ

次のような方は、事前認定で後遺障害等級認定の申請をしても良いでしょう。

  • 後遺障害の有無を示す証拠がレントゲン写真やMRI画像にはっきり写っている
  • 後遺障害等級認定の準備に手間をかけられない

後遺症の存在を示す証拠がレントゲン写真やMRIにはっきりと写っている場合は、必要最低限の書類を提出するだけで後遺症の存在を証明できるため、事前認定でも良いと考えられます。

また、被害者請求は提出書類を全て被害者がそろえなければなりませんが、事前認定の場合は、後遺障害診断書以外の書類は加害者側任意保険会社に用意してもらえます。
そのため、後遺症の具合や仕事・子育ての都合などで後遺障害等級認定の申請準備に手間をかけられない場合は、事前認定を選択すると良いでしょう。

レントゲン写真やMRI画像に異常が写っていないけれど、後遺障害等級認定の申請準備に手間をかけられないという事情があれば、一度弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼すれば、弁護士が正確な書類を要してくれるので、手間をかけずに被害者請求をすることができます。

むち打ちで後遺障害12級・14級認定を目指す人へ

交通事故のケガで多いむち打ちは、事故の規模や衝撃の程度によっては、麻痺・しびれといった神経症状、頭痛、めまいと様々な症状を引き起こすものです。

実は、むち打ちで後遺障害認定を受けることはやや難易度が高いのです。
その理由は、ケガで指を失ってしまったといった損害は、第三者から見ても明白ですが、むち打ちの症状は外見からは分からない点にあります。

むち打ちで後遺障害認定を受けるには、次のようなポイントを押さえておきましょう。

後遺障害認定のポイント

  • CT・MRIといった画像検査で症状の存在が証明できること(後遺障害12級13号認定)
  • 神経学的検査で症状の存在が説明できること(後遺障害14級9号認定)
  • 事故直後から適切な治療を続けていること
  • 事故直後から症状が続いていること
  • 事故の規模が一定程度であること
  • 治療期間が6ヶ月(半年)以上であること

むち打ちは、損害賠償請求の面ではシビアな部分も多いです。症状・治療の流れ・慰謝料相場など、全体像を把握しておきましょう。そして、不明点や疑問を持った時点で、早めに弁護士へ相談してください。

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後遺障害等級が認定される後遺症とは?

後遺障害が認定される後遺症の一覧

各後遺障害等級に認定される後遺症の症状は、自賠責法施行令によって決められています。後遺障害1~14級に該当する後遺症の一覧表をご紹介します。

後遺障害等級表(要介護)

等級症状の内容
第1級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1

後遺障害等級表(要介護でない)

等級症状の内容
第1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
第2級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  3. 両上肢を手関節以上で失つたもの
  4. 両下肢を足関節以上で失つたもの
第3級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失つたもの
第4級
  1. 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失つたもの
  4. 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
  5. 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
第5級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 一上肢を手関節以上で失つたもの
  5. 一下肢を足関節以上で失つたもの
  6. 一上肢の用を全廃したもの
  7. 一下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失つたもの
第6級
  1. 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
第7級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
  7. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
  8. 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  12. 外貌に著しい醜状を残すもの
  13. 両側の睾丸を失つたもの
第8級
  1. 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
  4. 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
  5. 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  8. 一上肢に偽関節を残すもの
  9. 一下肢に偽関節を残すもの
  10. 一足の足指の全部を失つたもの
第9級
  1. 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  9. 一耳の聴力を全く失つたもの
  10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
  13. 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
  14. 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
  15. 一足の足指の全部の用を廃したもの
  16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  17. 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
  1. 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
  4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  7. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
  8. 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
  10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
  9. 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級
  1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 一手のこ指を失つたもの
  10. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
  11. 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
  12. 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
  13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  14. 外貌に醜状を残すもの
第13級
  1. 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 一手のこ指の用を廃したもの
  7. 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
  8. 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
  10. 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用11.を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級
  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
  7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
  8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第2

むち打ち、椎間板ヘルニア、頭部外傷などのケガごとに、より詳しい後遺障害等級認定基準があります。関連記事『後遺障害等級の一覧表』を参考にしてください。

審査によって後遺症の症状が上記の表に記載されている条件を満たしていると判断されれば、後遺障害等級が認定されます。

一覧に該当しない症状でも後遺障害が認定される場合がある

自賠法施行令の別表に載っていない症状でも後遺障害等級が認定される場合があり、これを相当等級といい、以下のような症状で認められることがあります。

(1)眼の後遺症

眼に関する症状で相当等級に該当するものは次の通りです。

後遺症
(詳細)
等級
外傷性散瞳
(瞳孔が開きすぎて、まぶしさを感じるようになる)
片眼:12級または14級
両眼:11級または12級
片眼の流涙
(常に涙があふれる)
片眼:14級
両眼:12級

(2)鼻の後遺症

鼻に関する症状で相当等級に該当するものは次の通りです。

後遺症等級
嗅覚喪失14級
鼻呼吸困難12級
嗅覚減退12級

(3)耳の後遺症

耳に関する症状で相当等級に該当するものは次の通りです。

後遺症
(詳細)
等級
耳鳴り12級または14級
耳漏れ
(耳から体液が流れてしまう)
12級または14級

(4)口の後遺症

口に関する症状で相当等級に該当するものは次の通りです。

後遺症
(詳細)
等級
嚥下障害
(食べ物を飲み込みずらくなる)
3級または6級または10級
咀嚼時間が延びた12級
かすれ声12級
味覚脱失12級
味覚減退14級

複数の後遺障害は併合される

交通事故による後遺症は、1つだけとは限りません。後遺症が複数残り、後遺障害等級が複数認定される場合もあります。

そのような場合は、認定された等級を「併合」し、併合後の等級に応じた後遺障害慰謝料を請求しましょう。

後遺障害等級の併合ルールは、次の通りです。

  • 5級以上が2つ以上:重い方の等級を3級繰り上げ
  • 8級以上が2つ以上:重い方の等級を2級繰り上げ
  • 13級以上が2つ以上:重い方の等級を1級繰り上げ
  • 14級が複数:14級
  • その他:重い方の等級に従う

適切な後遺障害等級獲得の4ポイント

(1)症状固定まで定期的に通院しましょう

後遺症が残ったことを証明するにあたっては、審査機関から次のような疑いをもたれないことが大切です。

  • 本当は完治しているのではないか?
  • 治療に対する意欲がなかったから後遺症が残ったのではないか?

これらの疑いがもたれると、交通事故を理由として後遺症が残ったとはいえないとして、後遺障害等級が認定されない可能性があります。
例えば、通院回数があまりにも少ないと、疑われる危険性が高まるでしょう。
こうした疑いをもたれないためにも、症状固定までの間は必ず定期的に通院するようにしてください。

最低でも月に1回以上、できれば月に10日以上通院することが理想的です。

(2)必要な検査はすべて受けましょう

後遺障害等級認定の審査では、後遺症が残っていることを他覚的に証明することが非常に重要です。
そのひとつに、後遺障害診断書に神経学的検査の結果を記載する方法があります。

特に、レントゲン写真やMRI画像などに異常が写っていない場合は、検査結果で後遺症の存在を証明する必要があるでしょう。
また、検査結果と自分自身で感じている自覚症状が一致していなければなりません。

しかし、医学的な観点から必要な検査と、後遺症の存在を証明するために必要な検査は必ずしも同じではありません。

そのため、医師から指示のあった検査を受けるだけでは、後遺症の存在を証明するのに不十分な可能性があります。

後遺障害等級認定のために受けるべき検査がある場合は、その旨を医師に伝え、受けさせてもらいましょう。

例えば、事故により手にしびれが残るという神経症状があると自覚しているなら、神経系統に障害があるということを検査により明らかにしてください。
神経学的所見を得るために医師に依頼の上、神経学的検査を実施してもらい、手に神経障害があるという結果を得る必要があります。

(3)後遺障害診断書の内容を確認しましょう

後遺障害等級認定のために審査機関に提出する書類の中でも、後遺障害診断書は非常に重要です。
「診断書は医師が書いてくれるものだから、医師に任せておけば大丈夫」と思いがちですが、決してそうとは言い切れません。

もちろん医師は医療の専門家ですが、医学的に良い後遺障害診断書の書き方と、後遺障害等級認定に有利な後遺障害診断書の書き方は別です。

特に、今後の見通しを書く欄は必ずチェックしてください。
「症状固定」「後遺症あり」などと書かれていれば問題ありませんが、「治癒」「緩解」などと書かれていると、後遺症は残っていないということになってしまいます。

後遺症が残っているのに治癒、緩解などといった記載がある場合は、事情を説明したうえで、訂正してもらいましょう。

(4)適切な追加書類を添付しましょう

レントゲン写真やMRI画像などに異常が写っていない場合は、追加書類を添付できる「被害者請求」で後遺障害認定を申請してください。

具体的には、日常生活状況報告書医師の意見書などが効果的です。

慰謝料以外に請求できる内容を紹介

請求可能な内容一覧

交通事故で後遺症が残った場合に認められる可能性のある損害賠償請求の内容は、以下の通りになります。

  • 治療費
  • 入院、通院交通費
  • 入院、通院の付添費用
  • 入院、通院に対する慰謝料
  • 休業損害
  • 後遺障害逸失利益
  • 将来の介護費用
  • 近親者の慰謝料
  • 物的損害

近親者の慰謝料とは、被害者が死亡した場合と変わらない程度の精神的苦痛を受けたといえる場合に認められます。
等級の高い後遺障害が認定されると請求できる可能性が高く、金額も高額になりやすいでしょう。

物的損害については、自動車の修理費用や、代車が必要となった場合の代車費用などをいいます。

交通事故で損害賠償請求するべき内容を見逃したまま示談を結んでしまうと、後からの追加請求は困難です。損害賠償請求の原則を知っておくことで、示談交渉も円滑に進むでしょう。

逸失利益の計算方法

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことにより労働能力が低下して得られなくなった、将来の収入に対する補償のことです。

後遺障害が残ると、それまでしていた仕事に支障が生じて退職や異動を余儀なくされたり、出世が難しくなったりして、生涯年収が減ってしまう場合があります。

そうした損害に対する補償が、後遺障害逸失利益です。

逸失利益とは何か

逸失利益の計算には、被害者が就労者の場合と、年齢が原因で働けない未就労者の場合で異なる計算式を使います。

就労者

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の年数に対応するライプニッツ係数

未就労者

基礎収入×労働能力喪失率×(労働能力喪失期間終期までの年数に対応するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応するライプニッツ係数)

基礎収入の計算方法

被害者の職種ごとに基礎収入の計算方法が異なります。

職種基礎収入
給与所得者事故前の年収
自営業者事故前の申告所得額
主婦(主夫)症状固定の年の賃金センサス全女性の平均賃金
学生症状固定の年の賃金センサス全年齢の平均賃金
大学卒業予定といえる場合は、男女別の大卒全年齢平均賃金

賃金センサスとは、厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の結果です。
職業、年齢、性別、学歴などで場合分けを行い、それぞれの属性で平均賃金が算出されています。
賃金センサスによる全女性や全年齢の平均賃金は以下のようになります。

年度全女性平均賃金全年齢平均賃金
2017377万8200円491万1500円
2018382万6300円497万2000円
2019388万円500万6900円

労働能力喪失率の計算方法

労働能力喪失率は、認定された後遺障害の等級に応じて異なり、具体的には以下の通りとなります。

等級労働能力喪失率
1100%
2100%
3100%
492%
579%
667%
756%
845%
935%
1027%
1120%
1214%
139%
145%

ただし、体の一部に目立った傷跡が残った、歯の一部を失ったというような場合には、労働能力の喪失を伴わない肉体的損傷と判断されることがあります。
労働能力の喪失がない場合には、原則逸失利益が認められません。代わりに、後遺障害慰謝料の金額を増額することで調整が行われるでしょう。

労働能力喪失期間について

労働能力が喪失する年齢は原則として67歳です。
就労者は、これ以上は治療の効果が望めないという症状固定となった年齢から、67歳までの年数が労働能力喪失期間となります。

就労開始年齢については、原則として18歳、大学生については大学卒業が予定される年齢としてください。

ただし、むち打ち症の場合には、労働能力喪失期間を、14級に認定されたのであれば5年、12級に認定されたのであれば10年程度と認定されることがあります。
これは、むち打ちの場合には症状の改善があり、むち打ちの状態に対する慣れが考慮されるためです。

ライプニッツ係数について

逸失利益の請求が認められれば、被害者は将来得られるはずであった利益を得ることができます。
そうすると、本来よりも早い段階で利益を得ており、その利益から生じる預金利息などの利益も早期に得られることになるでしょう。

このような早期に得られる利益については控除して計算する必要があり、ライプニッツ係数は、利益の控除のために利用されます。

労働能力喪失期間と利率から判断してください。
利率については、2020年4月1日以降に発生した事故の場合は年3%、2020年3月31日以前に発生した事故の場合は年5%となります。

労働能力喪失期間ごとのライプニッツ係数

期間年利3%年利5%
10.970.95
21.911.85
32.822.72
43.713.54
54.574.32
65.415.07
76.235.78
87.016.46
97.787.10
108.537.72
119.258.30
129.958.86
1310.639.39
1411.299.89
1511.9310.37
1612.5610.83
1713.1611.27
1813.7511.68
1914.3212.08
2014.8712.46
2115.4112.82
2215.9313.16
2316.4413.48
2416.9313.79
2517.4114.09
2617.8714.37
2718.3214.64
2818.7614.89
2919.1815.14
3019.6015.37
3120.0015.59
3220.3815.80
3320.7616.00
3421.1316.19
3521.4816.37
3621.8316.54
3722.1616.71
3822.4916.86
3922.8017.01
4023.1117.15
4123.4117.29
4223.7017.42
4323.9817.54
4424.2517.66
4524.5117.77
4624.7717.88
4725.0217.98
4825.2618.07
4925.5018.16
5025.7218.25

入通院慰謝料の計算方法

交通事故により生じたケガの治療のために、入院や通院を行うことになった精神的苦痛に対して認められる慰謝料です。
入院や通院の期間により金額が異なります。

自賠責保険に請求した場合には、1日あたり4300円です。対象となる日数は、実際の治療日数を2倍にした数字と、治療開始から終了までの期間の日数を比べて、少ない方を採用してください。

裁判基準で算定した慰謝料の相場は、以下の表を使って求めることができます。

裁判基準の入通院慰謝料算定表(重傷)

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

1月を30日とし、端数については日割りで計算を行いましょう。
上記の算定表は民事交通事故訴訟損害賠償算定基準の別表に記載されています。

被害者が死亡した場合に請求できるもの

重篤な後遺障害が生じる場合には、事故のケガが原因で被害者が死亡してしまうケースがあります。
死亡事故となった場合には、死亡慰謝料の請求が可能です。

死亡慰謝料には、被害者本人が請求できるものと、被害者の近親者が固有に請求できるものがあります。
近親者とは配偶者、両親、子どもを原則としますが、これ以外の立場である遺族にも慰謝料の請求を認めた裁判例も存在します。

自賠責保険に請求した場合の死亡慰謝料相場は以下のとおりです。

死亡慰謝料の相場(自賠責基準)

被害者本人分400万円
(350万円)
近親者分(1人)550万円
近親者分(2人)650万円
近親者分(3人以上)750万円
被扶養者がいる場合近親者分200万円追加

※()内の金額は、2020年3月31日以前の事故の場合に適用

裁判基準にもとづく相場の金額は以下の通りとなります。

死亡慰謝料の相場(裁判基準)

被害者の立場金額
一家の支柱2800万円
母親・配偶者2500万円
その他の場合2000万円~2500万円

※被害者自身と近親者固有の慰謝料の合計額

自賠責基準の相場と比較すると、弁護士基準の死亡慰謝料は高額になる可能性が高いです。

死亡事故の慰謝料がいくらになるか、慰謝料受けとりまでの流れや手続きを知りたい方は『死亡事故で慰謝料はいくらもらえる?慰謝料相場と遺族がもらえる損害賠償金を解説』を参考にしてください。

また、加害者側に請求する項目ごとの詳しい相場額が知りたい方は、次の記事で理解を深めることができます。

慰謝料等の請求の際に気を付けるべきポイント

慰謝料請求を行うべき時期

慰謝料等の損害賠償請求は、全体の損害額が明らかになった時点で行うべきです。
一度請求した後に新たな損害が生じたとして請求を行うと、改めて金額を検討しなければならず、余計な手間がかかってしまうでしょう。

後遺症が残っている場合には、後遺障害の等級が認定されれば、請求可能な内容や金額が判明し、全体の損害額が明らかになります。
そのため、後遺障害の等級が認定された時点で損害額の計算を行い、請求を行ってください。

慰謝料が増額する事情

慰謝料の金額は、後遺障害の等級や入通院の期間だけではなく、事故ごとの個別の事情により増額される場合があるのです。
増額が認められたケースとして以下のような事情があります。

  • 飲酒運転や無免許など加害者の過失が悪質である
  • 加害者がひき逃げや救助活動を全くしないなど、本来行うべき対応を行わなかった
  • 加害者が反省の態度を示さない、事故を起こしたことを認めないなど不誠実な対応をしている

慰謝料が減額する場合

慰謝料の金額は増額するだけではなく、減額される場合があります。
必要以上の減額とならないよう、減額となる正当な理由を知っておきましょう。

過失相殺

交通事故の原因が被害者にもある場合には、被害者の過失の割合に応じて慰謝料が減額となります。

被害者の過失割合の程度については、赤い本と呼ばれている民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準などに記載されている基準表をもとに判断されます。
基準表には、典型的な事故のケースと、過失割合に影響する事実が記載されているので、自身の事故の内容に当てはめて計算してください。

交通事故の過失割合については、関連記事『交通事故の過失割合|決定の流れと事例集、保険会社との示談交渉で失敗しないコツ』をご覧ください。事故形態ごとの基本の過失割合や、過失割合決定の流れについて、わかりやすく解説しています。

損益相殺

事故によりケガを負ったことを原因として何らかの利益を得る場合があります。
その利益が事故による損害を補てんするためであるなら、利益の分について減額すべきです。
このような減額を損益相殺といいます。

すでに慰謝料の代わりになる利益を得ているため、その分は二重取りにならないために行う必要があるのです。
被害者が後遺障害を負った場合に損益相殺の対象となるのは、以下の給付になります。

  • 労災保険による休業補償、障害年金
  • 国民年金法や厚生年金保険法による障害基礎年金

一方、損益相殺の対象とならない給付もあります。

  • 労災保険による休業特別給付金、障害特別支給金、障害特別年金
  • 身体障害福祉法に基づく給付
  • 生活保護の扶助費

素因減額

被害者が事故前から有していた身体的または心理的な疾患や、身体的特徴が損害拡大の原因となっている場合には、慰謝料が減額される可能性があります。
このような減額を素因減額といい、一定程度は避けられない部分もあるのです。

素因減額が認められる事例は次のようなケースです。

  • 事故前から被害者の体に疾患が存在した
  • 負傷しないように慎重な行動が求められる身体的特徴を有していた
  • 軽微な事故であるにもかかわらずうつ病に陥り、一般的な治療期間よりも長期の治療期間を要した

時効に注意

慰謝料を請求する権利が時効となってしまうと、そもそも請求自体を行うことができなくなるので気を付けましょう。
損害賠償請求権の時効期間は、事故の発生日や損害の内容により異なります。

2020年4月1日以降2020年3月31日以前
人損部分5年3年
物損部分3年3年

後遺障害を負うようなケガは、治療期間が長期に渡ることが多いため、治療中に時効期間が迫ってくる恐れがあります。
そのため、治療がなかなか終わらずに事故から何年も経過したような場合には、治療が終了する前に示談交渉を始めてください。

金額でもめたならADR機関を利用

基本的に、交通事故により生じた損害賠償金額は、示談交渉により決定することがほとんどです。

しかし、金額について当事者間で合意が得られなければ、示談交渉は終了しません。
後遺障害が認められる場合は賠償金額が高額になりやすいので、合意が得られず交渉が決裂する可能性も高くなります。

示談交渉で解決しない場合には、ADR機関を利用するという手段も検討しましょう。
ADR機関とは、第三者である仲介人の紹介と話し合いの場を提供してくれる機関です。

仲介人が当事者の意見を聞いたうえで、妥当な解決案を提示してくれます。
無料で利用可能で、裁判よりも手続きは簡易のため気軽に行えるでしょう。
交通事故に関するADR機関としては、以下のような場所があります。

  • 日弁連交通事故相談センター
  • 交通事故紛争処理センター

ただし、あくまでも話し合いの場を提供してくれるだけのため、最終的には互いの合意がなければ解決とはならないことに注意してください。

日弁連交通事故相談センターの流れ

弁護士に相談すべき3つの状況

(1)被害者請求を効果的に行いたい

被害者請求で後遺障害等級認定の申請を行いたいけれど、次のような理由でためらっている方もいらっしゃるでしょう。

  • 仕事や子育て、後遺症などで書類を集められない
  • 後遺障害診断書を見ても記載内容の良し悪しがわからない
  • どのような追加書類を添付すればいいのかわからない
  • どのような検査を受ければ良いのかわからない

被害者請求は後遺障害等級を獲得するための工夫や対策をしやすい申請方法ですが、上記のような悩みを抱えたまま被害者請求をしても、被害者請求の良さを生かすことができません。

被害者請求をしたいけれど困っていることがある、わからないことがあるという場合には、弁護士にご相談ください。
弁護士に相談することで、資料集めを代わりにしてもらえたり、提出書類や検査に関するアドバイスをもらえたりします。

(2)後遺障害等級認定の結果に納得いかない

後遺障害等級認定の審査はすでに受けたけれど、納得のいく結果ではなかったという場合も、弁護士にご相談ください。
後遺障害等級認定の結果に満足できない場合、後遺障害の異議申立てを行って再度審査を受けることができます。

しかし、異議申立てをしたからといって必ずしも結果が変わるわけではありません。
また、異議申立てをする分示談交渉の開始時期が遅れ、慰謝料や賠償金の受け取り時期も遅くなってしまいます。

そのため、異議申立てをするのであれば以下の点について確認しておくことが重要です。

  • 異議申し立てをした場合、結果が変わる可能性はあるか
  • 何が審査機関にきちんと伝わっていなかったのか
  • 審査機関に伝わっていなかったことを確実に伝えるためにはどのような書類を送ればいいのか

上記の点について十分に把握したうえで異議申し立てを行わなければ、時間ばかりがかかり、望む結果が得られない可能性が高いです。

時間を無駄にしないためにも、適正な等級が認定されるという結果を得るためにも、異議申し立てをする際には事前に弁護士に相談し、上記の点についてアドバイスを受けることをおすすめします。

(3)加害者側の任意保険会社からの提示額が少ない

後遺障害等級認定の審査が終わったら、加害者側の任意保険会社から慰謝料や賠償金の提示額を記載した書類が届きます。書類が届いた時にはまず、金額が適切なものであるか確認してください。

目安となる相場金額は、下の計算機から確認できます。
※治療関係費は実費となりますのでこちらの計算機では計算できません。

「慰謝料計算機」で算出される金額よりも加害者側の任意保険会社の提示額が低い場合、その金額はまだ増額の余地があるといえますので、増額交渉が必要です。

任意保険会社は営利法人であるため、自らが支払うことになる保険金額を下げようとします。相場(裁判基準)よりも低い金額で提案を行ってくる可能性が高く、増額交渉が欠かせません。

増額交渉は、被害者が交渉するよりも弁護士が交渉した方が成功しやすいです。法律知識を十分に有さない被害者の主張は、根拠が乏しいと判断される傾向にあるからです。

また、任意保険会社内で「被害者が交渉人なら金額はここまでしか出さない、弁護士が交渉人ならこの金額まで増額可能」と設定している場合があります。

示談交渉は、十分な慰謝料額を獲得するための最後の段階です。示談が成立し、金額が確定すると、基本的にはもうそれ以上増額を求めたり、新たな賠償請求は行えません。

納得のいく示談結果を得るためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。

また、慰謝料増額以外にもメリットはあります。弁護士に依頼すれば示談交渉の窓口となってくれるため、任意保険会社から連絡が入ることはありません。被害者の精神的ストレスも軽減されるでしょう。

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アトム法律事務所への相談をおすすめする理由

その場で無料で相談できる

アトム法律事務所では、電話やLINEで無料相談を受け付けています。

  • まだ弁護士に依頼するか決めていないからお金をかけたくない
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交通事故に強い弁護士が多数在籍

アトム法律事務所の弁護士は、交通事故の解決実績が多数ありますので、ご安心ください。

  • 示談交渉や裁判の経験が豊富
  • 過去に加害者側任意保険会社の弁護士として示談交渉をした経験がある

アトム法律事務所の過去の実績をご紹介します。

むち打ち症(後遺障害14級)の増額事例

傷病名むち打ち症
後遺障害等級14級9号
増額金額171万円→309万円

左肩骨折(後遺障害12級)の増額事例

傷病名左肩骨折
後遺障害等級12級13号
増額金額645万円→1624万円

※加害者側からの金額提示後、弁護士のサポートを受け後遺障害等級認定を受けた事例

第一腰椎圧迫骨折(後遺障害8級)の増額事例

傷病名第一腰椎圧迫骨折(脊柱に中程度の変形が残るもの)
後遺障害等級8級2号
増額金額2397万円→2874万円

脳挫傷(後遺障害4級)の増額事例

傷病名脳挫傷、高次脳機能障害、頭蓋骨の陥没
後遺障害等級併合4級
増額金額3353万円→4400万円

アトム法律事務所への相談は、後遺障害等級認定の申請前でも、加害者側からの示談金額提示前でも、示談金額提示後でも可能です。
気になる点やお困りごとなどがある場合は、一人で悩まずお話をお聞かせください。

まとめ

後遺症が残ったら、まずは後遺障害等級認定の申請をして、その後、示談交渉にて後遺障害慰謝料などの慰謝料・賠償金を加害者側に請求します。
加害者側から十分な金額を得るためにも、ぜひ弁護士にご相談ください。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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