後遺障害14級9号の認定基準と慰謝料｜逸失利益は5年？認定されないときは？
後遺障害14級9号とは、交通事故によるむちうちなどのケガで、痛みやしびれといった神経症状が残った場合に認定される等級です。
後遺障害14級9号に認定された場合、慰謝料の相場額は110万円となります。
ただし本来後遺障害14級であれば認められうる「労働能力を5%失ったことによる、症状固定～67歳までの減収額」の逸失利益請求は認められづらく、支払い自体の拒否や、5年分という限定的な期間しか認められないことも多いです。
本記事では、後遺障害14級9号の認定基準や認定を受けるための方法、認定された場合に請求できる慰謝料やそのほかの損害などについて解説を行っています。
目次
後遺障害14級9号の認定基準｜12級13号とはどう違う？
後遺障害14級9号の認定条件と症状
後遺障害14級9号の認定基準は、「局部に神経症状を残すもの」です。
後遺障害14級9号の認定基準
局部に神経症状を残すもの
後遺障害14級9号に認定されうる神経症状には次のようなものがあります。
具体的な神経症状
- 手足・指・顔の痺れ・ひきつり
- 首・腰・手足・肩などの痛み
- 握力低下
- 首が曲がらない
- 痛みを感じにくい（知覚鈍麻）
- 足関節の機能障害（上位の等級に至らないもの）
- 頭痛
- めまい・耳鳴り・吐き気
高次脳機能障害でも14級9号に認定される可能性
高次脳機能障害とは、頭部への外傷により記憶障害や言語障害などが生じることをいいます。
高次脳機能障害が生じているものの、就労に問題が生じるほどではないというケースでは、14級9号に認定される可能性があるのです。
高次脳機能障害の症状や、認定される可能性がある後遺障害等級について詳しく知りたい方は『高次脳機能障害で後遺障害等級認定される後遺症とは？記憶障害や性格の変化は？』の記事をご覧ください。
後遺障害14級9号認定につながる5つのポイント
後遺障害14級9号の認定につながる5つのポイントは以下のとおりです。
5つのポイント
- 提出書類にこだわる
- 十分な通院日数がある
- 交通事故と関連している
- 症状が一貫している
- 症状が常にある
それぞれのポイントについてみていきましょう。
1．提出書類にこだわる
むちうちによる後遺障害14級9号認定を受けるためには、審査対策として、提出書類にこだわりましょう。
特に重要な書類は検査結果と後遺障害診断書です。
病院で受けたレントゲンやMRIといった検査結果だけでなく、神経学的検査の結果も添付してください。
レントゲンやMRIといった画像検査で症状が確認できなくても、神経学的検査で陽性の場合は後遺障害14級9号認定の要件を満たすと考えられます。
また、後遺障害診断書は後遺障害認定の書類のなかでもとくに大切です。医学の専門家である医師のもと、どんな治療を続け、どんな症状が残っているのかを示さねばなりません。
関連記事『後遺障害診断書のもらい方と書き方は？自覚症状の伝え方と記載内容は要確認』でも説明の通り、後遺障害診断書の内容は等級認定に深くかかわりますので、医師に作成してもらった後には念のため内容の確認をしておきましょう。
2．十分な通院日数がある
むちうちで後遺障害14級9号認定を受けるには、通院日数は月に10日以上（週に3日～4日程度）、通勤期間は6ヶ月以上ないと認定は厳しいでしょう。
後遺障害14級9号認定に望ましい通院日数
| 目安 | |
|---|---|
| 通院日数 | 月：10日以上 週：3日～4日程度 |
| 通勤期間 | 6ヶ月以上 |
通院日数が少なかったり、通院頻度があいたりすると、「後遺症もなく完治したのではないか」「後遺障害認定されるほどの痛みではないのだろう」などと考えられてしまいます。
後遺障害とは、基本的に今後将来にわたって治ることが見込めない障害です。
通院日数や頻度が全てではありませんが、むちうちの症状が辛いなら通院するだろうという前提から、通院頻度は一定程度重視されます。
3．交通事故と関連している
まず、早期に医療機関を受診しましょう。交通事故発生日から通院開始まで日が空くと、神経症状と交通事故の因果関係を疑われかねません。
なお、交通事故の痛みは後から表れてくることもあるでしょう。とくに後方からの追突事故でなくても、身体に外力がかかって、むちうち状態になってしまうことがあります。
むちうちの症状には、頭痛、めまい、吐き気や痛みなどがあげられます。こうしたむちうちが疑わしい症状が出てきた際には、早めに整形外科で診察を受けてください。
4．症状が一貫している
後遺障害14級9号認定を受けるためには、症状が一貫していることも重要です。症状の一貫性を主張するためには、事故直後から症状固定まで、定期的な通院の必要があります。
なお、途中で勝手に病院への通院をとりやめ、整骨院にのみ通院していた場合には、「病院へ通院していた」とみなされないこともあるでしょう。
5．症状が常にある
断続的に感じる程度の症状であれば、後遺障害14級には該当しないと判断される可能性があります。
望ましくない例
- かがんだ時にのみ、痛みが発生する
- 雨が降るとだんだん痛んでくる
こうした望ましくない例では、痛みが常にあるわけではなく、何か特定の条件下でのみ生じるように受け取られてしまいます。
こうした記載が後遺障害診断書にあると、後遺障害認定を受ける上ではあまり好ましくないといえるでしょう。
生活や仕事に具体的に影響が出ていることをしっかりと書いてもらうようにしてください。
そのほか後遺障害14級9号認定を目指す方の疑問を解決するには、アトムの弁護士による無料相談が有効です。交通事故の被害者の方を対象に無料相談を実施しています。
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後遺障害14級9号と12級13号の違い
後遺障害14級9号と12級13号は、どちらもむちうちなどで痛みやしびれなどの神経症状が残った場合に認定される等級です。しかし、14級9号と12級13号では認定基準が異なります。
後遺障害14級9号と12級13号の違い
| 14級9号 | 12級13号 | |
|---|---|---|
| 基準 | 局部に神経症状を残すもの | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 治療期間 | およそ6ヶ月以上 | およそ6ヶ月以上 |
| 神経学的検査 | 示唆あり | 異常あり |
| 画像検査 | 異常なしも可 | 異常あり |
| 後遺障害慰謝料 | 110万円 | 290万円 |
| 労働能力喪失率 | 5%程度 | 14％程度 |
※後遺障害慰謝料は裁判や弁護士による交渉の基準額
12級13号の認定基準は14級9号よりも厳しいです。とくに神経学的検査や画像検査の結果で神経症状が客観的に明らかである必要があります。
より重い症状であることから、14級9号と比べて、12級13号の慰謝料の金額も高いです。
ここからは、14級9号と12級13号の違いについて以下のポイントをよりくわしく説明します。
14級9号と12級13号の違い
- 画像所見の有無
- 後遺障害慰謝料の相場
- 労働能力喪失の程度
画像所見の有無が違う
12級13号と14級9号の違いは、後遺症の症状・程度をどの程度証明できるかということです。
以下のような画像所見から後遺症の存在・程度を明確に示せれば12級13号に認定されます。
| 証明できること | |
|---|---|
| レントゲン | 脊柱管のずれ、首部分の骨の並び・曲がり方、骨棘などによる神経根の圧迫有無、骨傷の有無 |
| MRI検査 | 神経組織の圧迫有無、椎間板ヘルニアの有無 |
一方、画像検査では後遺症の存在・程度はわからないものの、神経学的検査の結果から後遺症が残っていると推定できる場合は14級9号に認定されるのです。
神経学的検査の例
神経学的検査とは、患部に刺激を与えて反射・反応を見る検査のこと。
神経学的検査の例
- 深部腱反射検査
- 徒手筋力テスト（MMT)
- 感覚検査
- スパーリングテスト・ジャクソンテスト
むちうちで後遺障害認定を受けるには、上記の検査結果を審査機関に提出するだけでなく、各種書類の書き方などに工夫が必要です。
後遺障害慰謝料の相場が違う
弁護士が示談交渉に入ることで、後遺障害慰謝料の相場は12級13号で290万円、後遺障害14級9号で110万円となります。
後遺障害慰謝料の相場（弁護士基準）
| 12級13号 | 14級9号 | |
|---|---|---|
| 相場 | 290万円 | 110万円 |
このように、後遺障害慰謝料に関しては2倍以上の差があります。
労働能力喪失の程度が違う
後遺障害認定を受けるということは、その後遺症によって労働能力が失われたと考えられています。そこで、労働能力の低下により本来得られる利益が損なわれたとして「逸失利益」を請求できるのです。
労働能力喪失率の違い
後遺障害12級では14％程度、労働能力が下がったと考えられます。しかし、後遺障害14級では5%にとどまります。そのため、後遺障害12級の方が逸失利益が高額になる可能性があります。
労働能力喪失率
| 12級13号 | 14級9号 | |
|---|---|---|
| 労働能力喪失率 | 14％ | 5% |
労働能力喪失期間の違い
原則として逸失利益は67歳までの年数分、請求できます。
しかし、むちうちなどによる神経症状はしだいに軽快していくと考えられているので、後遺障害12級13号では10年間、後遺障害14級9号では5年間の逸失利益になるという考え方が通常です。
そのため、後遺障害12級の方が逸失利益が高額になる可能性があります。
労働能力喪失期間
| 12級13号 | 14級9号 | |
|---|---|---|
| 喪失期間 | 10年間 | 5年間 |
後遺障害14級9号の慰謝料はいくらもらえる？
後遺障害慰謝料相場は110万円
後遺障害14級9号に認定された場合、裁判で認められる慰謝料相場は110万円となります。
後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことによって負った精神的苦痛を緩和するための金銭です。よって、後遺障害が残った場合にのみ認められることが原則になります。
相手の保険会社からの提示額は低い
自賠責保険から支払われる金額は、慰謝料として32万円（後遺障害への補償総額最大75万円）と低額です。
もっとも自賠責保険からの支払額は固定で定められているため、不足分を相手の任意保険会社に対して追加請求していく流れになります。
任意の自動車保険は、自賠責保険の支払額で足りない部分をカバーする役割です。
入通院慰謝料の相場｜慰謝料計算機も紹介
交通事故の入通院慰謝料とは、交通事故によるケガの治療のために入院や通院を行ったことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料です。
治療期間によって金額が決まる仕組みで、後遺障害慰謝料とは別に請求できる慰謝料になります。
弁護士や裁判所が入通院慰謝料を算定するとき、以下のような慰謝料算定表を用います。
慰謝料算定表（むちうち、打撲などの軽傷用）
この表の見方は、入院と通院の期間で交差する部分を慰謝料の相場とします。
たとえば、6ヶ月通院したときの慰謝料相場は89万円、さらに1ヶ月の入院期間があったときには113万円です。
あるいは、上表はあくまで比較的軽傷の場合に用いるものなので、骨折や内臓障害のような重傷を負ったときにはより多くの慰謝料相場が見込まれます。
慰謝料計算機を使うと、慰謝料のおおよその金額を把握できます。誰でも簡単に使える計算機なので、お気軽にご利用ください。
治療期間と後遺障害認定には関連がある？
後遺障害14級9号認定を受けるには一定の治療期間を要するともいわれており、ひとつの目安が6ヶ月の通院です。
交通事故によるむちうちで6ヶ月通院したとき、入通院慰謝料の相場は89万円になります。
もし入院をしていたり、骨折などの他のケガも負っていたりすると、89万円よりも高額になる可能性があるでしょう。
むちうちによる入通院慰謝料の相場や計算方法について知りたい方は、以下の関連記事もお役立てください。
後遺障害14級9号の示談金相場はいくら？
後遺障害14級9号の示談金相場は110万円以上といえるでしょう。
以下のイラストが示すように、示談金のなかには慰謝料（入通院慰謝料・後遺障害慰謝料）、休業損害、逸失利益などすべての損害が含まれます。
後遺障害慰謝料だけで相場は110万円ですので、示談金は110万円以上になるのが自然です。
交通事故の示談金は個々に異なるものですが、慰謝料や逸失利益が大部分を占めることも多いので、これらの費目について目安が分かれば、示談金の全体像も見えてきます。
治療が終了していれば、入通院慰謝料のおおよその金額も算定可能です。交通事故にくわしいアトムの弁護士に、慰謝料の見積もりを依頼してみませんか。
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示談金の対象となる費目ごとの計算方法については『交通事故の損害賠償請求とは？賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事をご覧ください。
後遺障害14級9号の逸失利益の計算方法｜5年以上もらえる？
逸失利益とは、後遺障害が残ったことで減ってしまう将来の収入という損害に対する補てんのことです。
後遺障害14級9号の逸失利益請求には、他の等級（症状）にはない注意点もありますので、逸失利益の請求をしたい方は続けてお読みください。
逸失利益の計算式と相場が分かる早見表
逸失利益は、基礎収入（事故前の年収）、労働能力喪失率、労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数という数値をもとに計算されます。
後遺障害14級であるとき、基本的に、労働能力喪失率は5％とされています。また、労働能力喪失期間は5年間となることが多いです。
以下に後遺障害14級9号の逸失利益の計算式を示します。
逸失利益の計算式
1年あたりの基礎収入×5%×4.5797
※被害者が18歳以上で、交通事故が2020年4月1日以降に発生した場合に適用
1年あたりの基礎収入をもとに、逸失利益の目安を下表にまとめています。
逸失利益の早見表（事故前年収ベース）
| 基礎収入（事故前年収） | 逸失利益の目安 |
|---|---|
| 300万円 | 約68万円 |
| 350万円 | 約80万円 |
| 400万円 | 約92万円 |
| 450万円 | 約103万円 |
| 500万円 | 約114万円 |
| 600万円 | 約137万円 |
| 700万円 | 約160万円 |
逸失利益は交通事故当時に仕事をしておらず収入のない専業主婦や学生であっても請求可能です。
このように、逸失利益の計算には様々な問題があるので、後遺障害14級9号に関する後遺障害の損害賠償金は、弁護士に見積もりをとってもらい、ご自身のケースに落とし込んで理解しておきましょう。
なお、金銭収入を得ていない主婦であっても逸失利益の請求が可能です。基礎収入をいくらに設定して請求すればいいのか、こまかい計算の仕組みを知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。
逸失利益は5年以上認められる？
むちうちで14級9号認定を受けた場合、いずれ症状は軽快するものとして、労働能力喪失期間は5年程度しか認められない可能性が高いです。よって、逸失利益も5年分にとどまる可能性があります。
もっとも、症状が仕事に悪影響をもたらしていることを説明することで、事故相手から5年以上の逸失利益が認められる可能性もゼロではありません。
ただし、後遺障害14級9号の逸失利益について67歳まで認めてもらうことはハードルが高いと言わざるを得ないでしょう。
ご自身の症状が仕事に与えている影響も踏まえて、弁護士に相談して交渉の方向性を検討していくことをおすすめします。
後遺障害14級9号認定申請の流れと方法｜むちうちは被害者請求
後遺障害14級9号認定までの流れ
後遺障害14級9号の認定までの流れは、以下のとおりです。
後遺障害診断書など申請書類を用意
医師に後遺障害診断書を作成してもらう
申請書類はまとめて提出
相手の保険会社に後遺障害の申請をする
第三者機関で審査
損害保険料率算出機構が後遺障害の等級を認定する
後遺障害認定、賠償金が振り込まれる
認定された後遺障害等級に応じた賠償金を受け取る
後遺障害14級9号の認定を受けるためには、これらの手順をすべて踏む必要があります。
後遺障害14級9号認定なら被害者請求
後遺障害診断書や必要書類を揃えて、相手方の自賠責保険会社に対して後遺障害等級認定の申請を行いましょう。このような方法を「被害者請求」といいます。
申請方法には、後遺障害診断書以外の書類を相手方の任意保険会社にそろえてもらう「事前認定」という方法もありますが、書類をそろえる手間を考慮しても、「被害者請求」による申請を行うべきです。
なぜなら、後遺障害14級9号のむちうちの症状が伝わるように書類を揃えるには、提出書類の精査や工夫が必須だからです。
「事前認定」では、審査を受けるために必要な申請書類は用意してもらえますが、認定を目指した工夫がなされているかという視点で書類を用意してくれるわけではありません。
よって、後遺障害14級9号認定を目指す場合は被害者請求にて申請手続きをおこないましょう。
後遺障害14級9号認定に向けて必要な書類
後遺障害14級9号の認定に必要な書類のうち、代表的なものは以下の通りです。
認定に必要な書類
- 印鑑証明書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書・診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
- 後遺障害診断書
このほかにも、休業損害を請求したいなら休業損害証明書が必要だったり、その他損害を立証する書類を添付したりできます。
全ての書類を過不足なく用意することは慣れていないと難しいでしょう。書類の収集については弁護士に任せることもできるので、一度ご検討ください。
関連記事では被害者請求のメリットの詳細や、被害者請求に必要な書類を解説しています。被害者請求についての知識を深めたい方は参考にしてください。
後遺障害14級9号に認定されないときの対処法
後遺障害14級9号に認定されない場合は、異議申し立てを行う、裁判を起こすなどの対応を考えましょう。
認定されないときの対処法
- 異議申し立てを行う
- 裁判で後遺障害の認定を求める
異議申し立てを行う
自賠責保険会社に異議申し立てを行う場合は、「後遺障害異議申立書」を提出します。注意点としては、非該当となった理由をよく検討して対策をとることが必要です。
追加で検査を受けたり、提出してなかった書類を集めたりといった対応があげられるでしょう。
異議申し立てには回数制限がありませんが、症状固定日から3年間という時効の範囲に限られます。
何度も異議申し立てをしたところで、同じことを繰り返していては認定は受けられません。弁護士に相談して後遺障害の異議申し立てに向けてサポートを受けましょう。
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裁判で後遺障害の認定を求める
損害保険料率算出機構で後遺障害14級9号認定を受けられなくても、裁判で認められれば相応の賠償金が認められます。
裁判所の判断は損害保険料率算出機構の見解を一定程度尊重はしますが、必ずしもその通りの判断を下すわけではないからです。
もっとも、裁判となれば解決までにかかる期間は長期化しますし、裁判を起こすにも弁護士の存在が欠かせません。
よって、弁護士に相談して最適な方法を検討していきましょう。
【コラム】後遺障害14級9号の認定は簡単ではない
後遺障害14級9号の認定率は厳密にわかりませんが、後遺障害14級の認定率は全交通事故のうち約2.53%ほどです。
比較的軽傷でも認定される等級とはいえ、一定程度の基準を満たす必要があり、誰でも認定されるわけではありません。
後遺障害14級9号認定なら弁護士に相談
交通事故の損害賠償請求は、弁護士が交渉の場に立つかどうかで大きく変わります。
ここからは弁護士を入れるメリットを改めて振り返り、最後に交通事故の被害者向けの無料相談窓口を紹介していきます。
後遺障害申請も示談交渉も弁護士が心強い
後遺障害認定をこれから受ける人には、その申請手続きから弁護士によるサポート可能です。
後遺障害認定は相手の任意保険会社に任せることもできますが、後遺障害14級9号認定のように神経症状で後遺障害認定が難しい場合には、ご自身が主体となって被害者請求することをおすすめします。
ただし、被害者一人でおこなうことは難しいので、弁護士という法律の専門家を味方につけてください。
また、後遺障害14級9号認定を受けたならば相手の保険会社との示談交渉となります。
相手の任意保険会社は相場よりも低い金額を提案してくるので、本当に適正な金額かどうかを見極め、必要に応じて増額交渉しなくてはなりません。
法的な根拠を用いた交渉力が必要になるため、交通事故の賠償請求に長けた弁護士に交渉を任せることをおすすめします。
弁護士に依頼する費用を減らすことができる
弁護士費用が心配な方は、自身の加入している保険で「弁護士費用特約」が使えるかどうかを検討してください。
弁護士費用特約とは、被害者自身の保険についている特約のことをいいます。
基本的に、法律相談料10万円、弁護士費用300万円を上限として、被害者の代わりに弁護士費用を支払ってくれるという特約です。
多くの交通事故の弁護士費用は、弁護士費用特約の上限額内ででカバーできます。
つまり、被害者はほとんどの場合で自己負担なく弁護士を立てることが出来るのです。
むちうちで後遺障害14級9号認定を目指す方は、もらい事故の被害者であることも多いです。
もらい事故のときには、被害者側に過失がつかないため、ご自身の任意保険会社があなたの示談を代行することができません。
また、過失がつかなくてもそもそも相手方の保険会社の基準で慰謝料を算定されている以上、まだ増額の余地はあるのです。
もらい事故こそ弁護士に依頼するメリットは大きいので、弁護士費用特約の利用も検討してみましょう。
後遺障害14級9号に関する慰謝料増額事例
アトム法律事務所の解決実績のうち、後遺障害14級9号の慰謝料増額事例を紹介します。
当初の提示額222万円から113万円増額
すでに後遺障害14級9号認定を受けていた被害者は、ご自身の提示された金額の妥当性を知るためにアトム法律事務所にご相談いただきました。弁護士が内容を確認したところ、その提示額には増額の余地があったのです。弁護士が適正な補償を求めて交渉した結果、後遺障害14級9号のまま変わらずとも、金額は100万円以上増額され、最終的に335万円で示談となりました。（頚椎捻挫の慰謝料増額事例）
後遺障害申請なしでの示談にストップをかけた事例
被害者の方は後遺障害等級認定を受けていない状態で、相手の保険会社より75万円という提示を受けておられました。ご自身の適正金額を知るためにアトム法律事務所へ相談いただいたのです。弁護士が事故後の治療の様子をお聞きしたところ、後遺障害等級認定の見込みがあることがわかりました。そこで、弁護士が後遺障害等級認定に向けたサポートをおこない、14級認定を受けることになったのです。当初の75万円から約3.5倍にあたる261万円で示談が成立しました。（むちうちの慰謝料増額事例）
慰謝料計算機が相談のきっかけになった事例
優先道路をバイクで走行していたところ、一旦停止を無視したバイクと衝突した事故でした。被害者はアトム法律事務所の慰謝料計算機を使って、ご自身の慰謝料の目安を調べ、適正な金額を受け取りたいと法律相談をいただいたのです。相手の保険会社の金額提示を待たずに請求をおこない、交渉期間は1.5ヶ月と極めて短期で示談が成立しました。（むちうちの慰謝料増額事例）
むちうちの解決実績を知りたい方は『交通事故の解決事例』をご覧ください。
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アトム法律事務所では交通事故でむちうちを負った方への無料相談を受け付けています。示談成立前であればどなたでも間に合いますので、気兼ねなくお問い合わせください。
無料の法律相談は電話やLINEといった非対面形式でおこなっているので、ご自宅にいながら弁護士に疑問について相談することが可能です。
むちうちは比較的軽傷ともいわれますが、その辛さはご本人にしか分からないものでもあります。適正な後遺障害認定を受けることと賠償金の獲得に向けて、弁護士への依頼も検討してみてください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験（旧61期）に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業：弁護士（第二東京弁護士会所属：登録番号37890）、税理士
学位：Master of Law（LL.M. Programs）修了