追突事故の違反点数一覧|通知はいつ来る?罰金や処分の流れも解説

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追突事故の違反点数

追突事故で相手方にケガをさせてしまうと、最低でも基礎点数が2点、付加点数が2点の合計4点の違反点数が加算されます。

違反点数が付くと免許の停止・取消といった行政処分を受けることがあります。
どのような処分になるかは、今回の点数だけでなく、過去3年間の累積点数と前歴(過去に免停などの処分を受けた回数)で決まります。

追突事故の主な違反点数

この記事では、追突事故における違反点数や、違反点数が付いた後の流れを解説しています。罰金や拘禁刑などの刑事罰や損害賠償金についても触れているので、あわせて確認してみてください。

目次

追突事故の違反点数|人身事故なら4点以上

違反点数は基礎点数と付加点数で決まる

違反点数には、基礎点数と付加点数の2つがあります。

基礎点数道路交通法違反に対する点数
※安全運転義務違反や速度違反など。
付加点数事故の結果に応じて上乗せされる点数
※相手方の負傷具合や、過失割合が10対0かなどで決まる。

追突事故の点数は、「追突に至った違反行為そのものの点数(基礎点数)」と「事故の結果に応じて上乗せされる点数(付加点数)」の合算で決まります。

つまり、追突事故の違反点数は「どのような道路交通法違反を犯したのか」、「被害者のケガの程度」、「専ら自分の責任か、被害者にも過失割合が認められるか」等によって決まるということです。

追突事故を起こした場合、多くは安全運転義務違反(道路交通法70条)となり最低でも基礎点数は2点付きます。そして、被害者側にも過失があり、最も軽傷だった場合でも、付加点数は2点付きます。

追突事故(人身事故)の違反点数の計算例

追突事故の場合は基礎点数・付加点数がそれぞれ2点以上なので、違反点数は最低でも4点になります。

具体的な基礎点数・付加点数はこの後詳しく紹介しますが、ここでは追突事故における違反点数の例から、違反点数の仕組みを確認してみましょう。

  • 例(1):合計11点
    • 前方不注意により信号待ちをしていた前方車に追突:基礎点数2点
    • 相手は全治1か月のむちうちを負った:付加点数9点
  • 例(2):合計11点
    • 前方車の急停止により追突:基礎点数2点
    • 相手は治療期間3か月の骨折を負い、後遺障害が残った(相手にも急停止の過失あり):付加点数9点
  • 例(3):合計25点
    • 前方不注意と一般道での50km以上の速度違反により追突:基礎点数12点
    • 相手は治療期間5か月の骨折を負い、後遺障害が残った:付加点数13点

たとえば、人身事故を起こし、相手が全治1か月のむちうちを負った場合、基礎点数2点に付加点数9点が加算され、違反点数の合計は11点となります。

なお、複数の違反を同時にした場合は、最も点数の高い違反の点数が基礎点数になります。たとえば、無免許でわき見運転をしていて追突事故(人身事故)を起こした場合の基礎点数は、無免許運転の25点です。

追突事故の基礎点数は2点~

道路交通法違反のなかでも、より悪質・危険な違反行為を「特定違反行為」とし、それ以外は「一般違反行為」として定められています。

ここでは、類型ごとに整理しながら、具体的な基礎点数を確認していきましょう。

基礎点数は最低でも2点以上になる

追突事故を起こした場合、少なくとも安全運転義務違反が認められるため、最低でも基礎点数は2点となります。

下表は、主な一般違反行為の基礎点数について、一例をまとめたものです。

なお、速度超過については、超過速度ごとに点数が変わるので、後ほど別途まとめます。

一般違反行為の基礎点数(一例)

違反点数
安全運転義務違反
(道路交通法70条。わき見運転、よそ見運転、運転操作不適など)
2点
携帯電話使用等(交通の危険)
無車検運行
無保険運行
6点
大型自動車等無資格運転
仮免許運転違反
12点
酒気帯び運転(呼気1リットルにつき0.15mg以上0.25mg未満)13点
酒気帯び運転(0.25以上)
無免許運転
過労運転
妨害運転(交通の危険のおそれ)
25点

※ 道路交通法施行令別表第二「一 一般違反行為に付する基礎点数」

たとえば、追突事故を起こした際、携帯電話を使用していた場合は、基礎点数は6点となります。

なお、酒気帯び運転+速度違反の場合、基礎点数は13点以上となります。具体的な違反点数は、スピード違反の基礎点数で述べます。

スピード違反で追突した場合の点数

下表は、一般違反行為のうち「速度超過」に関する基礎点数をまとめたものです。

()内は、酒気帯び(0.25未満)を伴う基礎点数です。

なお、酒気帯び(0.25以上)を伴う速度超過の基礎点数は、一律25点となります。

一般違反行為(速度超過)の基礎点数

違反点数
20km未満の超過1点
(14点)
20km以上25km未満の超過2点
(14点)
一般道 :25km以上30km未満の超過
高速道路:25km以上40km未満の超過
3点
(15点)
一般道 :30km以上50km未満の超過
高速道路:40km以上50km未満の超過
6点
(16点)
50km以上の超過12点
(19点)

※道路交通法施行令別表第二「一 一般違反行為に付する基礎点数」

たとえば、追突事故を起こした際、50km以上の速度超過が認められる場合、基礎点数は12点となります。このとき、酒気帯び(0.25未満)の場合、基礎点数は19点となります。

酒酔い・ひき逃げなど悪質な追突事故の点数

追突事故を起こした際、被害者を救護せずにその場を立ち去ることは、救護義務違反(ひき逃げ)に該当します。ひき逃げの基礎点数は35点です。

ひき逃げをはじめとする悪質な特定違反行為には、重い点数が付きます。

特定違反行為の基礎点数(一例)

特定違反行為違反点数
酒酔い運転
麻薬等運転
妨害運転(著しい交通の危険)
救護義務違反(ひき逃げ)
35点
運転傷害等・危険運転致傷等45点~55点
運転殺人等・危険運転致死等62点

※ 道路交通法施行令別表第二「二 特定違反行為に付する基礎点数」

なお、故意に人を殺害・傷害しようとして事故を起こした場合は、違反点数は45点~62点となります。

基礎点数については、警視庁公式ホームページの「交通違反の点数一覧表」も参考になります。

また、交通事故の加害者がすべき事故後の対応については『交通事故加害者がすべき対応や責任は?裁判所の呼び出しはどうしたらいい?』の記事で確認可能です。交通事故の加害者が負うべき責任や、裁判所に呼び出された場合の流れもわかります。

追突事故の付加点数

追突事故の付加点数は2点~

付加点数は、事故の相手方の負傷具合や、事故を起こした責任が誰にあるのかによって決まります。

ケガの内容が重傷の場合、専ら追突した側の不注意で事故が起きた(過失100%)場合には、重い点数になります。

付加点数の一覧表は次の通りです。

付加点数の一覧表

相手の負傷具合追突した側の過失が100%左記以外
死亡20点13点
重傷(1)
治療期間3か月以上、又は後遺障害あり
どちらか一方に当たれば13点どちらか一方に当たれば9点
重傷(2)
治療期間30日以上、3か月未満
9点6点
軽傷(1)
治療期間15日以上、30日未満
6点4点
軽傷(2)
治療期間15日未満
3点2点

※道路交通法施行令別表第二「三 違反行為に付する付加点数(交通事故の場合)」

追突された側にも過失が認められる場合

追突事故は、基本的に追突した側のみに過失割合が付きます。
ただし、追突された側が以下のような状態にあった場合は、追突された側にも過失割合が付くことがあります。

  • 追突された側の急停止により追突事故が発生した
  • 追突された側が、駐車禁止場所に駐車していた
  • 後続車両から見えにくい場所に停車していた
  • 夜間にハザードランプを付けずに停車していた
  • ブレーキランプが故障していた

事故の過失割合は、示談交渉の際に話し合いで決めます。

過失割合の決まり方や具体的な事例については、『交通事故の過失割合とは?パターン別に何%か調べる方法と決め方の手順』の記事をご覧ください。

追突事故の違反点数と注意点

被害者でも点数が加算されることがある

追突事故の被害者、つまり追突された側の人であっても、過失割合が付けば違反点数が加算される可能性があります。

ただし、過失割合は示談金額にも影響するものであるため、加害者側は本来被害者にはないはずの過失を主張してくることもあります。

被害者に点数が加算される場合の不利益

追突事故で被害者側にも過失割合が付いたら生じることは、以下のとおりです。

  • 過失割合に応じて、示談金が減額される
  • 被害者側にも違反点数が付き、以下の罰則を受ける可能性がある
    • 免許停止・免許取消
    • ゴールド免許取消

※違反点数が付いた場合の罰則は、のちほど詳しく解説します。

加害者側が主張してくる過失割合に納得いかない場合は、一度弁護士にご相談ください。

細かい事故状況まで考慮した厳密な過失割合を算定いたします。

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追突事故でも物損事故なら違反点数は原則なし

違反点数は原則なしだが賠償責任は生じる

追突事故であっても、人の死傷がない「物損事故」であれば基本的に違反点数は付きません。

ただし、事故によって壊した物の修理費・買い替え費といった賠償金の支払い責任は生じるため、相手方との示談交渉は必要です。

物損事故の示談交渉については、『物損事故の示談の流れと示談金相場|交渉時の注意点』で詳しく解説しています。
追突された側向けの記事ではありますが、示談交渉や示談金の内容がわかるため読んでみてください。

また、ガードレールなどの公共物に接触し、壊してしまった場合には、道路を管理している国や市への連絡が必要となってきます。
詳しく知りたい方は『ガードレールにぶつかった!事故後の報告義務と点数|弁償はどうなる?』の記事をご覧ください。

物損事故でも違反点数が付く例外ケース

人の死傷がない追突事故でも、例外的に違反点数が付くことがあります。具体的には以下のようなケースに該当する場合です。

  • 当て逃げ事故(追突のあと事故現場を去った)
    • 基礎点数:2点(安全運転義務違反)
    • 加算:5点(危険防止等措置義務違反)*¹
    • 合計:7点(※前歴がなくても免停)
  • 重大な過失により発生した追突事故
    • 酒酔い運転(基礎点数:35点)
    • 薬物運転(基礎点数:35点)
    • 無免許運転(基礎点数:25点)
    • 過労による居眠り運転(基礎点数:25点)
    • 30km~50km未満の速度超過(基礎点数:6点)
  • 家やビルなどの建物に対する追突事故(例:建造物損壊を伴う場合)
    • 基礎点数:2点
    • 付加点数:3点(専ら追突した側に責任がある場合)*²

*¹ 措置義務違反(物損の当て逃げ)については、道路交通法施行令別表第二の備考一の2(ロ)「法第百十七条の五第一項第一号の罪に当たる行為をしたときは、(イ)による点数に、五点を加えた点数とする。」による。
*² 道路交通法施行令別表第二「三 違反行為に付する付加点数」

追突事故で違反点数が付くとどうなる?

追突事故によって違反点数が加算されると、以下のような罰則が生じます。

  • 反則金や罰金が科される
  • 免許停止や免許取消が生じる
  • ゴールド免許が取り消される

犯した交通違反の内容や累積違反点数によっても罰則の内容は変わってくるため、1つずつ解説していきます。

累積違反点数とは

  • 免停・免許取消の判断に使う点数は、最後に違反をした日から過去3年間の点数の合計。
  • 前の違反から次の違反までの間に、運転できる期間(免停期間や免許失効期間を除く)で1年以上無事故・無違反・無処分の期間があれば、それ以前の点数は累積に数えない。
    ただし、点数が消えるわけではなく、違反歴としては残る。
  • 免停処分を受けると、累積点数は0に戻り、「前歴1回」となる。
    前歴は過去3年間の処分回数だが、処分期間の終了後、1年間無事故・無違反で過ごせば、それ以前の前歴は数えない。
  • 前歴があると、より少ない点数で免停・取消になる(以下の表を参照)

反則金が発生する

違反点数が付くような交通違反を犯した場合、反則金が生じることがあります。

反則金とは?

違反点数6点未満の比較的軽微な交通違反について、刑事手続に代えて納付を求められるお金(交通反則通告制度)。

反則金を納めれば刑事処分が免除されるため、拘禁刑・罰金は生じず前科も付かない。

ただし、わき見運転などの反則行為が原因で交通事故を起こした場合、交通反則通告制度の対象から外れます(道路交通法125条2項3号)。

この「交通事故」には物損事故も含まれます。

追突事故で相手がケガをした人身事故では、反則金ではなく過失運転致傷罪として罰金などの刑事処分が問題になります。以下の反則金の表は、事故にならなかった交通違反単体の目安として参考にしてください。

違反点数加算に伴い生じる反則金は、次の通りです。

反則金
安全運転義務違反
(わき見運転、よそ見運転など)
大型車等:1万2,000円
普通自動車:9,000円
二輪車:7,000円
原付:6,000円
速度超過
一般道:30km未満の超過
高速道路:40km未満の超過
一般道:9,000~1万8,000円*
高速道:9,000~3万5,000円*

*普通車の場合。大型車・二輪車・小型特殊車・原付車は金額が異なる。

違反点数6点以上の交通違反については反則金がなく、刑事処分として罰金や拘禁刑が科されます。
詳しくはのちほど、本記事内「追突事故では刑事・民事処分も生じる」で解説するのでご覧ください。

違反点数が累積6~14点なら免停処分

前歴がない場合、追突事故によって加算された違反点数とこれまでの累積違反点数が合計6~14点に達すると、免停(免許停止)の処分となります。

免許停止の期間は累積点数が何点となるのかや、過去の免停歴(免停となった回数)により違い、具体的な免停期間は以下の通りです。

免停歴がない場合の免停期間

累積違反点数免停期間
6点以上30日
9点以上60日
12点以上90日

免停歴が1回ある場合の免停期間

累積違反点数免停期間
4点以上60日
6点以上90日
8点以上120日

免停歴が2回ある場合の免停期間

累積違反点数免停期間
2点90日
3点120日
4点150日

免停歴が3回ある場合の免停期間

累積違反点数免停期間
2点120日
3点150日

免停歴が4回以上ある場合の免停期間

累積違反点数免停期間
2点150日
3点180日

違反点数が累積15点以上なら免許取消

追突事故で加算された違反点数とこれまでの累積違反点数が合計15点以上の場合は、免許取消となります。
具体的な欠格期間は、過去の免停歴の有無と、一般違反行為による点数か、特定違反行為による点数かによって違います。

用語

  • 一般違反行為:信号無視や速度超過など、特定違反行為以外の比較的軽微な違反行為
  • 特定違反行為:危険運転致死傷や酒酔い運転、救護義務違反など、悪質性の高い違反行為

欠格期間|一般違反行為の場合
(縦:欠格期間、横:免停歴)

なし1回2回3回
1年15~24点10~19点5~14点4~9点
2年25~34点20~29点15~24点10~19点
3年35~39点30~34点25~29点20~24点
4年40~44点35~39点30~34点25~29点
5年45点~40点~35点~30点~

欠格期間|特定違反行為の場合
(縦:欠格期間、横:免停歴)

なし1回2回3回
3年35~39点–––
4年40~44点35~39点––
5年45~49点40~44点35~39点–
6年50~54点45~49点40~44点35~39点
7年55~59点50~54点45~49点40~44点
8年60~64点55~59点50~54点45~49点
9年65~69点60~64点55~59点50~54点
10年70点~65点~60点~55点~

累積点数に関係なくゴールド免許は取り消される

ゴールド免許は、5年間無事故無違反であった場合に取得できるものです。
そのため、追突事故で違反点数が加算されてしまうと、累積点数に関係なくゴールド免許ははく奪され、ブルー免許となります。

ただし、違反点数が加算されてすぐにブルー免許になるわけではありません。次回の免許更新時にブルー免許となるので、それまではゴールド免許のままなのです。

ゴールド免許をはく奪されると、以下のような影響が生じます。

  • 免許更新時の講習時間が長くなり、講習手数料も高くなる
  • 違反運転者となれば免許の有効期間が3年になる
    <違反運転者とは>
    • 過去5年間に軽微な違反(3点以下)を2回以上した人
    • 4点以上の違反、又は違反点数の付いた人身事故が1回でもある人
  • ゴールド免許を対象とした自動車保険料の割引プランが適用されなくなる

再びゴールド免許を取得するためには、今後5年間、無事故・無違反の状態を維持しなければなりません。

ただし、ゴールド免許に切り替わるのは免許更新時なので、更新のタイミングによってはゴールド免許の再取得まで、最短でも5年以上かかる可能性もあります。

違反点数の通知はいつ来る?その後の流れは?

通知は1~4週間後が多い|通知書は3種類

追突事故で違反点数が付いた場合、事故から1~4週間程度で違反者へ通知書が届くでしょう。通知書の種類は累積違反点数や処分の内容によって以下のように異なります。

  • 累積点数が免許停止や免許取消に近づいている場合:累積点数通知書
  • 60日以下の免許停止処分が予定される場合:行政処分出頭通知書
  • 90日以上の免許停止処分又は免許取消処分が予定される場合:意見の聴取通知書

なお、累積点数が少なく、免許停止・免許取消の点数まで余裕がある場合には通知書は届きません。

通知書が届かない場合でも、自動車安全運転センターにて「累積点数等証明書」を発行してもらえば累積点数を確認できます。

違反点数が付いた原因を知りたい場合は、「運転記録証明書」も発行してもらいましょう。

違反点数の通知と、検察からの呼び出し(刑事処分)は別の手続きです。通知が来ても検察から連絡がないことはありますし、不起訴になっても違反点数は消えません。

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追突事故を起こしてしまったら?解決に向けた対応事項や罰則について解説

違反点数の通知が来た後の流れ

通知書が来なかった場合や累積点数通知書が来た場合は、免許停止・取消処分はないためとくに何か対応する必要はありません。

交通違反で反則金を告知されている場合は、別途通知書が来るので、期日までに納付しましょう。

行政処分出頭通知書や意見の聴取通知書が来た場合は、以下の流れで対応します。

  1. 通知書に記載された日程を確認
  2. 出頭又は意見の聴取に出席|処分が執行される
  3. 講習を受ける

それぞれの過程について、詳しく解説します。

(1)通知書に記載された日程を確認

行政処分出頭通知書には出頭の日時が、意見の聴取通知書には意見の聴取が行われる日時が記載されているので確認しましょう。

指定された日時では都合が悪い場合、出頭であれば通知書に記載の連絡先に連絡を入れれば日程の変更が可能です。
意見の聴取については、特別な事情がある場合を除き日程変更ができないので、仕事や用事が入っている場合は調整をしておきましょう。

どうしても意見の聴取への出席が難しい場合は、以下のように対応してください。

  • 通知書に同封されているはがきに必要事項を記入し、返信
  • 欠席の場合は書面審査にて処分が決定される
  • 当日は代理人を立てることも可能

なお、意見の聴取では補佐人出頭許可申請書を提出すれば、弁護士などの補佐人の同伴も可能です。必要があれば検討してみてください。

(2)出頭又は意見の聴取に出席|処分が執行される

指定の日時が来たら、出頭又は意見の聴取に出席します。
出頭と意見の聴取がそれぞれどのようなものなのか、解説します。

出頭要請

出頭すると免許停止の手続きが取られ、その日から免許が停止されます。

出頭要請を無視して運転を続けていると拘禁刑や罰金刑が生じたり、逮捕されたりする可能性があるので、出頭要請には必ず応じましょう。

意見の聴取

意見の聴取とは、処分の内容が本当に適切かどうかを確認するために、処分の執行前に当事者から話を聞くことです。

質疑応答に答えるほか、違反を犯した背景などを述べることで、場合によっては処分が軽減される可能性もあります。意見の聴取に出席すると、その日から免許の停止又は取消処分が執行されます。

当日は通知書・印鑑・免許証を持参しましょう。

意見の聴取について詳しくは、「意見の聴取」(警視庁公式ホームページ)にて確認できます。

(3)講習を受ける

免許停止の場合は「免許停止処分者講習」を受けることで免停期間が短縮されます。免許取消の場合は欠格期間満了後に「取消処分者講習」を受け、試験を受けたり教習所に通ったりすることで免許の再取得が可能です。

免許停止処分者講習

  • 受講は任意
  • 講習は免停期間に応じて1日~2日行われる
  • 1万1,700円~2万3,400円の講習料金が必要
    • 短期講習:11,700円
    • 中期講習:19,500円
    • 長期講習:23,400円
  • 免停期間と講習の考査成績に応じて、免停期間が短縮される

※警視庁「停止処分者講習の概要」など

取消処分者講習

  • 原則として2日間にわたって合計13時間行われる
  • 講習手数料として3万1,200円(警視庁の場合)が必要
  • 免許を再取得するためには、受講後に学科・実技テストを受けるか、教習所に通うことが必要

※警視庁「取消処分者講習」

追突事故では刑事・民事処分も生じる

追突事故では、違反点数の加算といった行政処分の他に、刑事処分や民事処分が生じます。具体的な内容について見ていきましょう。

刑事処分|罰金や拘禁刑の一覧表

追突事故は人や物への接触が生じる接触事故の側面があり、事故によって相手が死傷することは珍しくありません。

刑事責任を問われる可能性もあります。

人身事故の刑罰

人身事故で成立しうる代表的な罪名は、過失運転致死傷罪です。

これは、自動車の運転上必要な注意を怠り、その結果、相手が死傷した場合に成立します(自動車運転死傷処罰法5条)。法定刑は、7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。

実際に裁判で下される刑罰の目安、および実際の裁判例は以下のとおりです。

ケガ/刑罰の目安裁判例の刑罰(判断要素)
死亡
/拘禁刑7年以下、又は罰金100万円以下
・拘禁刑2年
(死亡・ひき逃げ)*¹
治療期間が3か月以上、又は後遺障害あり
/拘禁刑7年以下、又は罰金50万円以下
・罰金40万円
(加療150日・脊髄損傷等の後遺障害あり)*²
治療期間が3か月未満
/罰金10万~50万円以下
・罰金30万円
(加療約3週間)*³
・罰金15万円
(加療約3週間・事故直後に救護あり)*⁴

※裁判例の事件番号
*¹ 長野地判令8・5・18 令和7年(わ)233号・令和8年(わ)21号
*² 広島高判令3・9・16 令和2年(う)145号
*³ 福岡高判令2・9・1 令和2年(う)55号
*⁴ 神戸地判平15・7・28 平成14年(わ)1475号(当時の罪名は業務上過失傷害)

ただし、実際の裁判では、相手方のケガの程度のほか、運転上の過失の程度、被害者側の事情、事故直後に救護したか、保険による賠償の見込み、前科の有無なども考慮されるので、ケースバイケースです。

物損事故の刑罰

物損事故で刑事責任が問われるのは、運転者が業務上必要な注意を怠ったことや重大な過失によって建造物を壊したような場合です。

この場合、6か月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金が科されることがあります(道路交通法116条)。

実際の判決で下される刑罰については、事故態様や被害者の過失の程度などを考慮して、裁判官が決めます。

刑事罰というと逮捕されるイメージが一般的ですが、追突事故では多くの場合、在宅捜査といって自宅で日常生活を送りながら捜査を受けることになります。

その後、起訴か不起訴かが判断されますが、交通事故であれば起訴されても通常の裁判は行われず、略式裁判で刑事罰が決定されるケースが多いです。

交通事故による罰金については、保険による補償の対象外となるため、加害者自身で支払う必要があります。

刑事処分の流れは『交通事故加害者がすべき対応や責任は?裁判所の呼び出しはどうしたらいい?』で詳しく解説しています。

民事処分|高額な賠償金が生じることも

追突事故では人身事故でも物損事故でも、民事責任が生じます。民事責任とは、追突事故の相手方に生じた損害を補償する責任のことを言います。

つまり、相手方に請求された損害賠償金を支払うのです。
損害賠償金として請求される費目は主に、以下のようなものとなります。

人身損害治療費
慰謝料(精神的苦痛に対する補償)
逸失利益(事故がなければ将来得られていたはずの収入)
休業損害 など
物的損害相手車両の修理費
相手の持ち物の修理費・弁償代
ペットの治療費 など

損害賠償額は相手方との示談交渉で決められますが、特に人身事故の場合は賠償金が高額になることも考えられます。

民事処分に関するその他のポイントは、以下の通りです。

  • 賠償金は基本的に、自身が加入する自賠責保険会社と任意保険会社が支払う
  • 任意保険に入っていない場合、任意保険の支払い分は自分自身で負担
  • 任意保険に入っていれば、示談代行サービスにより保険会社の担当者に交渉を代行してもらえる
  • 示談交渉で合意できない場合、民事裁判になることもある

追突事故の示談金

追突事故の被害者なら弁護士を立てるのがベスト

示談交渉は、加害者側と被害者側双方の参加によって行われます。
しかし、被害者の場合、過失が0であれば任意保険に入っていても、示談代行サービスは利用できません。

また、たとえ被害者側に過失が付いて示談代行サービスが使えたとしても、自分の保険会社の担当者が弁護士基準(裁判基準)の金額まで交渉してくれるとは限りません。

示談金の増額を目指すなら、弁護士を立てることをおすすめします。

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追突事故の違反点数に関するよくある質問

追突事故の違反点数はいつ消えますか?

免停・取消の判断に使う累積点数は過去3年間の合計ですが、1年間無事故・無違反で過ごせば、それ以前の点数は累積に数えられなくなります。運転記録証明書や累積点数等証明書を自動車安全運転センターで取れば、現在の点数を確認できます。

物損事故として処理されれば違反点数は付きませんか?

人の死傷がない物損事故なら、原則として違反点数は付きません。ただし、相手が後日ケガを申し出て人身事故に切り替わると、違反点数(基礎点数と付加点数)が付きます。
当て逃げ(危険防止等措置義務違反5点)や酒気帯び運転・無免許運転など、違反そのものに点数が付く場合は例外です。建物を壊した場合も、人身事故と同じく付加点数(3点又は2点)が付きます。

不起訴になれば違反点数も消えますか?

消えません。違反点数は警察・公安委員会による行政処分、起訴・不起訴は検察による刑事処分で、別々に判断されます。

追突された側にも点数が付くことはありますか?

追突された側の過失割合が0なら点数は付きません。急停止や駐車禁止場所での停車などで過失割合が付くと、付加点数が加算されることがあります。過失割合に納得できない場合は、示談前に弁護士へ相談してください。

追突されてケガをした方で、相手方の保険会社から過失割合を主張されて納得できない場合は、示談書にサインする前にアトム法律事務所の無料相談をご利用ください。

事故状況をうかがい、過失割合の見通しと、過失が付いた場合の示談金への影響をご説明します。電話・LINEで24時間受付しています。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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