ガードレールにぶつかった!事故後の報告義務と点数|弁償はどうなる?

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

ガードレールにぶつかる事故を起こしてしまったら、さまざまな考えがめぐるでしょう。

「ガードレールの弁償はどうすればいい?
「ガードレールを少し擦っただけなら警察に報告しなくても大丈夫?
「ガードレールに突っ込んで怪我してしまったけど補償はどうなる?

本記事では、ガードレールにぶつかる事故を起こした後にとるべき対応や、違反点数・弁償などについて解説します。

ガードレールにぶつかった後の事故対応

(1)怪我人を救護し周りの安全を確保する

事故が起きたら怪我人を救護し、周りの安全を確保してください。

ご自身が怪我をしている場合は無理に動かないようにして救護を待ち、病院で適切な治療を受けましょう。

(2)警察に連絡する(報告義務あり)

事故の報告は、道路交通法で義務として定められています。事故が起きたら、怪我人の有無を問わず警察に連絡してください。

また、警察に報告しないと「交通事故証明書」が発行されません。交通事故証明書がないと、損害賠償金や保険金を請求する際に事故が起きた事実を証明できず、適切な補償が受けられなくなります。

ガードレールに軽く擦ったという程度であっても、必ず警察に連絡しましょう。

交通事故証明書がどのくらい重要なのかについては『交通事故証明書はなぜ必要?どうやって入手する?申請方法と記載内容』で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

(3)保険会社に連絡する

事故が発生したら、すみやかに加入する保険会社に連絡してください。

保険会社には、契約者の氏名・保険証券番号・事故車の登録番号などを伝えます。加えて、ガードレールや車両の損壊状況、怪我人の有無なども伝えてください。

(4)ガードレール所有者に連絡する

ガードレールにぶつけてしまったら、ガードレールの所有者に連絡してください。

ガードレールの所有者とは、ガードレールが接地されている道路の管理者のことをいいます。道路の管理者は、道路の種類によって以下の通り分けられます。

道路の種類管理者
国道国土交通省
都道府県
政令指定都市
県道都道府県
政令指定都市
市町村道市町村
高速道路国土交通省

所有者の連絡先は、インターネットなどで調べて連絡してください。
参考に国土交通省の地方整備局のページを一部紹介します。

参考

場合によっては、警察や保険会社が代わりに所有者に対して連絡をとってくれることもあるかもしれませんが、基本的にはガードレールにぶつけた本人が責任をもって連絡するほうがいいでしょう。

また、ガードレールの他にも、電柱にぶつけてしまった場合は別途、電力会社や電話会社に連絡する必要があります。

(5)ガードレールを弁償する

ガードレールの所有者に連絡してしばらくすると、修理費用や見積りに関する連絡が来るでしょう。

公共のものが壊れると税金でまかなわれると勘違いされることもありますが、壊れた原因を引き起こした当事者が負担しなければならないと法律で決まっています。

(原因者負担金)
道路管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。

道路法 第五十八条

自損事故の場合だと当事者は基本的に一人なので問題になりませんが、もらい事故や玉突き事故によって事故が発生した場合には当事者が複数人存在するので責任の所在が複雑になります。

当事者が複数人いる場合、まずはガードレールにぶつけた本人が全額負担したのちに、当事者間で過失割合に応じて負担し合う方法が取られることになるでしょう。

過失割合について詳しくは『交通事故の過失割合とは?決め方と示談のコツ!事故パターン別の過失割合』の記事をご確認ください。

ガードレールの弁償費用はどのくらい?

壊れたガードレールの規格や長さによって費用は変わってきます。

ガードレールは1メートルあたり大体5000円~10000円程度になるようです。もっとも、この金額はガードレールそのものの価格なので、加えて設置費用や作業員の人件費なども含めて弁償する必要があるでしょう。

任意保険の対物賠償保険に加入していれば、保険が弁償してくれることになるでしょう。ただし、対物賠償保険では自身の車両の修理費用まではカバーされません。車両保険に加入しているかも確認してみましょう。

ケース別に考える|ガードレール事故で怪我した時の補償

自損事故でガードレールにぶつかって怪我した

運転者の不注意でガードレールにぶつかってしまうような自損事故では、当事者が自分自身しかいません。

自損事故は相手が存在しない単独の事故になるので、ガードレールや車両が壊れるような物損事故に関する補償はもちろん、自分が怪我した場合の人身事故に関する補償は、基本的に自己負担する必要があるでしょう。

ただし、自損事故に対応している自動車保険に加入していれば、保険金が支払われる形となります。

保険の種類
物損事故対物賠償責任保険
車両保険
人身事故自損事故保険
人身傷害補償保険
搭乗者傷害保険

加入状況はそれぞれ異なりますので、保険の契約内容を確認しておきましょう。

もらい事故でガードレールにぶつかって怪我した

ガードレールにぶつかったのは自分の車であるものの、路肩に適切に停車している時に後ろから追突された衝撃でぶつかることになったというケースもあるでしょう。
このような被害者に過失が一切ない事故のことを、もらい事故と呼びます。

もらい事故でガードレールにぶつかって怪我したら、もらい事故の相手方に対して損害賠償請求できます。ガードレールの弁償も、相手方に請求できるでしょう。

もらい事故は過失割合が10対0になるケースなので、被害者が任意保険に加入していたとしても保険会社が代理で示談交渉をしてくれる示談交渉サービスが利用できません。被害者だけでの示談交渉に不安がある場合は、弁護士にご相談ください。

もらい事故や過失割合10対0になるケースについて詳しくは、以下の関連記事がおすすめです。

玉突き事故でガードレールにぶつかって怪我した

ガードレールにぶつかったのは自分の車であるものの、3台以上の車両が次々と追突された衝撃でぶつかることになったというケースもあるでしょう。
このような事故のことを玉突き事故と呼びます。

基本的に玉突き事故では前方で追突された車両に過失は認められないので、過失割合10対0となります。

たとえば、先頭からA車、B車、C車の順番で走行していた場合、C車がB車に追突し、その衝撃でB車がA車に追突し、A車がガードレールにぶつかったとしましょう。
この場合の基本の過失割合は、C車に100%の過失があったと考えられ、A車とB車の過失は0%となります。

玉突きでガードレールにぶつかって怪我したら、一番後方を走行していたC車に対して損害賠償請求できます。ガードレールの弁償も、C車に請求できるでしょう。

もっとも、前方を走行していたA車が不必要な急ブレーキを踏んだために玉突き事故が発生したというような場合では、過失割合が変わってきます。事故の状況によって過失割合はさまざまなので、関連記事をご確認いただき、弁護士への相談もおすすめします。

ガードレール事故でよくある疑問

ガードレール事故で違反点数はつく?

ガードレールだけが壊れるような物損事故において、原則的に違反点数はつきません
ただし、警察にきちんと事故の報告を行っていること、スピード違反やよそ見運転などの過失がなかったことが前提です。

ドライバーとしての責務を果たしていれば、違反点数が付くこともありませんし、反則金や罰則もありません。

ガードレール事故を警察に報告しないとどうなる?

ガードレールにぶつかる事故を起こしたにもかかわらず、警察への報告を怠ると「報告義務違反」となります。また、ガードレールを壊しているのに報告しないという、いわゆる当て逃げは「危険防止措置義務違反」にも該当します。

そのため、警察への報告を怠ると違反点数が合計7点(=安全運転義務違反2点+当て逃げの付加点数5点)となり、前歴の回数に応じて30~90日の運転免許停止や1年の運転免許取り消しの行政処分を受けることになります。

さらに、危険防止措置義務違反は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」、報告義務違反は「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金」の刑事処分を受ける可能性もあるでしょう。

警察に事故の報告さえしておけば、このような処分を受けることは通常ありません。

「誰も見ていないから報告しなくても大丈夫だろう」といった甘い考えは捨て、事故が起きたら必ず警察に報告してください。

自賠責保険さえあればガードレールの弁償はどうにかなる?

自賠責保険は、事故相手が怪我した場合に使える対人賠償保険です。自賠責保険はガードレールの弁償に充てることはできません

自動車には自賠責保険の加入が義務付けられているので、事故が起きても自賠責保険さえあればどうにかなると考える方も多いです。自賠責保険は物損事故に対応していないので、自己負担か加入する任意の自動車保険を使うことになるでしょう。

まとめ

ガードレールにぶつかる事故を起こしたら、警察や保険会社に連絡しましょう。

警察への報告を怠ると報告義務違反となりますので、事故を起こしたら必ず警察に連絡してください。

ガードレールを壊しても、対物賠償保険などの任意保険に加入していれば保険で対応可能です。

どの保険がどの損害に対応しているのか整理し、もしもの時のリスクに備えて適切な保険に加入しておきましょう。もっとも、保険があるからと慢心していては危険です。事故で生じるリスクを改めて考え、安全運転に努めましょう。

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