高速道路で事故にあった時の対処法|料金所付近の事故の過失割合は?
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高速道路で事故の被害にあったとき、まずすべきことは以下のとおりです。
- ゆっくり減速して路肩に駐車のうえ、現場の安全確保
- 負傷者の救護を行う
- ガードレールの外など安全な場所に退避し、通報する
車内に留まり続けたり、路上を歩き回ったりすると、後続車に追突されて命を落とす危険性があります。必ず車外へ出て事故の危険のない場所に退避し、身の安全を確保してください。
この記事では、高速道路で事故にあってから解決するまでにすべき対応を詳しく解説しています。高速道路で事故の被害にあったときに知っておくべきことが一通りわかるので、ぜひご一読ください。
高速道路で事故にあったときの対応
(1)路肩に停車して安全確保をする
まずは、二次災害を発生させないよう車を路肩に寄せ、後続車に事故の発生を知らせましょう。
路肩に寄せる際の注意点
- ハザードランプを点灯させ、ゆっくり減速して路肩に停車する
- 急ブレーキは追突事故につながるおそれがあるため避ける
- 路肩が狭い場合は、可能であれば安全な場所まで自走する
後続車への注意喚起
- 発炎筒や停止表示器材(三角表示板)を車から50メートル以上後ろ(※)に置き、後続車に事故を知らせる(※夜間や悪天候時など、見通しが悪い場合はさらに後方に設置)
- 燃料漏れの可能性がある場合は、発炎筒の使用を避ける
発煙筒の使い方は以下のとおりです。
発炎筒の使い方
- 発炎筒の本体とケースを握り、ひねりながらケースを取り外す。
- 本体をケースに差し込む。
- 本体についている白いキャップを取り外す。
- 本体の先端を人がいない方に向け、白いキャップのすり薬でこすり、点火する。
- すばやく道路上に置き、安全な場所に退避する。
(2)負傷者の救護
現場の安全確保と前後して、負傷者の救護を行います。救護の際は二次災害に巻き込まれないよう、十分注意してください。
まずは、負傷者の意識の有無を確認します。頭を打っている可能性もあるため、体を揺さぶらず、声掛けや体を軽くたたくことで確認してください。
その後の対応は以下のとおりです。
- 負傷者に意識があり、動ける:安全な場所に移動してもらう
- 意識があっても頭や首に何らかの症状がある:無理に移動させずその場を安全に保つ
その後、警察に通報をしたら、救急車が到着するまで応急処置を行います。警察への連絡については次で解説します。
(3)安全な場所に避難して警察に通報
現場の安全確保と負傷者の救護が終われば、ガードレールの外側などの安全な場所に避難します。事故車が追突されたときに巻き込まれないよう、車の後方で待機しましょう。
このとき、動いてはならない負傷者以外は、運転者も同乗者も車内に残らないようにしてください。車内に残ってしまうと、後続車に追突されるおそれがあり、非常に危険です。
その後、非常電話か携帯電話で通報を行います。
- 非常電話を使う場合
本線上では1キロおき、トンネル内では200メートルおきに設置されています。受話器を取るだけで道路管制センターにつながり、通報者の位置情報も把握してもらえます。 - 携帯電話を使う場合
110番通報をします。事故の発生場所を伝えるために、路肩に設置されている距離標(キロポスト)をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
なお、警察や救急車が事故現場に到着する前に、位置情報の確認などのために折り返しの電話がかかってくることがあります。
警察や救急車が現場に到着するまでは、携帯電話で家族や職場に連絡することは控えましょう。
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【重要】高速道路上を歩き回ると命の危険がある
高速道路で事故が起こったあと、路上を歩き回り、後続車にはねられて命を落としてしまうケースが増加しています。
実際に、以下のような状況で後続車にひかれて亡くなってしまった事例があります。
- 事故で慌ててしまい、安全を確認しないまま降車した
- 路上に出て電話をしていた
- 路上で事故の相手方と話し合っていた
「後続車は事故に気付いてくれるだろう」と思っていても、高速道路上では車のスピードが出ているため、減速が間に合わない可能性があります。
高速道路で事故が起こったら、必ず車外に出てガードレールの外などの安全な場所で待機しましょう。
先述のとおり、車内に残ることも避けなければいけません。
高速道路の料金所付近で事故した場合の過失割合
ここからは、高速道路の料金所付近で発生する交通事故の過失割合を解説します。
料金所・ETCレーン手前で事故にあった場合
通常の追突事故の過失割合は、基本的に「被追突車:追突車=0:100」です。
しかし、料金所やETCレーン手前で進路に迷っていて追突された場合には、被追突者にも過失がつく可能性があるでしょう。
また、被追突車の急停止で追突事故が起きた場合、通常なら被追突車側にも過失割合がつきますが、高速道路の料金所・ETCレーン手前であれば、被追突車側に過失がつかないこともあります。
料金所やETCレーン手前では、交通の流れから急停車など不規則な動きを行う恐れがあるので、被追突者側の不規則な動きに過失がないと判断されることがあるためです。
ここで、「高速道路の料金所・ETCレーン手前で起きた接触事故」の過失割合の判例を紹介します。
- 事故様態
高速道路の料金所手前にて、一般用レーンに入るため車線変更した加害車両が、ETCレーンに入るため直進していた被害車両の右側後方リアバンパー部分に衝突。 - 過失割合
被害者:加害者=0:100 - 過失割合の理由
加害車両は事故時、料金所で支払うお金の用意に気を取られるなど前方をよく確認せず車線変更をしていた。一方の被害車両には過失は認められない。
千葉地方裁判所松戸支部平成25年(ワ)第350号
料金所・ETCレーン内で事故にあった場合
料金所・ETCレーン内で追突事故が起きた場合は、基本的には「被追突車:追突車=0:100」となります。
ただし、ETCレーンで被追突車がETCカードを入れ忘れていたといった事情がある場合は、被追突者側に過失が認められる可能性があるでしょう。
料金所・ETCレーン内の事故の判例としては、以下のようなものもあります。
- 事故様態
一般・ETC共用の料金所において、被害者が料金を支払うためバイクを停車させていたところ、左側をETCで通過しようとしたタクシーが衝突した。 - 過失割合
バイク:タクシー=0:100 - 過失割合の理由
タクシーはETC車線内での追い抜き禁止(ETC利用規定8条1項7号)に違反していたこと、追い抜き時にバイクとの間隔を十分に取らなかったことから、過失があるとされる。
平成25年(ワ)第21280号 債務不存在確認等請求事件(本訴)、平成25年(ワ)第31230号 損害賠償請求事件(反訴)
料金所・ETCレーン通過後に事故にあった場合
料金所やETCレーンを通過したあとの合流地点では、基本的に合流する側もされる側も注意を払うべきとされているため、当事者双方に過失が認められることが多いでしょう。
しかし、合流する側のほうがより安全に気を払うべきと判断され、過失割合が大きくなりやすい傾向にあります。実際の判例を見てみましょう。
- 事故様態
高速道路の料金所通過後、複数のブースから車両が合流する部分で発生した事故。料金所通過後、すでに合流し進行していたA車と、合流のためA車の前に入ろうとしたB車とが衝突した。 - 過失割合
A:B=35:65 - 過失割合の理由
A車は事故当時、ハンズフリー式の電話をしながら運転していた点で過失があるとされる。
B車は前の車がA車の前に入ったのに続き、一旦停止することなく進行した。安全確認を怠り、進路変更先の車の進行を妨げた点で過失があるとされる。
東京地方裁判所平成28年(レ)第447号、平成28年(レ)第585号
具体的な過失割合を知りたい場合は弁護士に相談を
高速道路の料金所付近における事故の過失割合は、参考となる判例や資料が少なく、判断が難しいことが多いでしょう。
そのため、個別の事故における具体的な過失割合を知りたい場合には、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
アトム法事務所なら、無料で弁護士への相談が可能なため、高速道路における交通事故の過失割合が気になる方は、一度ご利用ください。
高速道路での事故でよくある質問
高速道路のトンネル内で火災が発生したときの対応は?
トンネル内で火災が発生したら、以下のように対応しましょう。
- 車から離れる
車を左側に停め、サイドブレーキをしてエンジンを切る。キーは付けたままにして、ドアの鍵はしめない。 - トンネル内の押しボタン式通報装置または非常電話で火事を通報する
- トンネル内の消火器で消火を試みる
高速道路を走行中に地震が発生したときの対応は?
高速道路を走行中に地震が発生したら、急停車せずゆっくり左路肩に移動し、車を停めましょう。
斜面の下やトンネルの出入り口付近などは崩落のリスクがあり危険なので、できるだけ避けてください。
高速道路で事故にあい損害賠償請求するときの流れ・注意点は?
高速道路で事故にあい、損害賠償請求する流れは次のとおりです。
- 治療を受ける
(関連記事:『交通事故の被害者は毎日通院した方がいい?通院頻度や期間と慰謝料の関係』 - 後遺症が残れば、後遺障害認定の審査を受ける
(関連記事:『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』 - 加害者側から示談金や過失割合を提示され、示談交渉開始
- 示談成立後、示談金が支払われる
示談交渉では、加害者側から提示される示談金・過失割合を鵜呑みにしないよう注意してください。
加害者側から提示された金額や過失割合は加害者側に有利なものであることが多いです。
そのため、加害者側の提案を安易に受け入れて示談してしまうと、あとから「もっと高額な示談金を受け取れるはずだったのに…」と悔やむことになりかねません。
示談する前に損害賠償金の相場額や、過失割合の計算方法を確認しておくことをおすすめします。
損害賠償金として請求できる費目の内、慰謝料と逸失利益の相場額については、以下の計算機で確かめられます。
提示された金額が計算結果よりも低い場合は、増額の余地がある可能性が高いです。
過失割合については、交通事故の状況ごとに細かな違いが生じ、高速道路と一般道では計算方法が異なってくるので、専門家である弁護士に確認してもらうことをおすすめします。
高速道路での事故は弁護士にご相談ください
過失割合・損害賠金が適正になるようサポートします
示談交渉において加害者側が提示する金額は相場よりも低いことが多いため、相場の金額を支払うよう増額の交渉を行う必要があります。
しかし、やみくもに増額を主張しても加害者側に受け入れられることは難しいです。
相場の金額まで増額したいのであれば、交通事故に精通した弁護士に相談・依頼するべきでしょう。
弁護士であれば、過去の判例に照らして、どの程度の金額が妥当であるか計算し、根拠をもって交渉できます。
また、弁護士が出てきた場合、加害者側の任意保険会社は裁判に発展することを恐れて被害者側の主張を受け入れることが多くなります。
弁護士への依頼を迷っている場合は、まずは弁護士への無料相談を利用してみてください。増額の余地や弁護士を立てるメリットを確認できます。
弁護士依頼の検討に役立つ記事
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詳しくは『交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介』の記事をご覧ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了