横から突っ込まれた側面衝突の過失割合を車線変更などケース別に解説!納得いかない時は?

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横から突っ込まれた

横から突っ込まれた側面衝突の事故では、信号待ちなどで完全に停車していたところをぶつけられたのであれば、「停車車:突っ込んだ車=0:100」になるのが基本です。

一方、走行中の事故では、突っ込まれた側にも過失がつくのが一般的です。たとえば、車線変更してきた車に真横から突っ込まれた事故の基本の過失割合は「突っ込まれた側:車線変更車=30:70」になります。

交差点での出会い頭の衝突では、突っ込まれた側の過失のほうが大きくなるケースもあります。

この記事では、側面衝突の過失割合をケース別に解説します。

なお、本記事は「別冊判例タイムズ39」(菊池憲久・堂薗幹一郎・伊東智和編)に記載されている情報をベースにしています。

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横から突っ込まれた!側面衝突の基本の過失割合は?

側面衝突とは、一般に、車両の側面に他の車両が衝突する事故を指します。車線変更やUターンをした車が並走車の側面にぶつかるケースのほか、交差点や駐車場の出入口で横から突っ込まれるケースも、側面衝突と呼ばれることが多いです。

横から突っ込まれた側面衝突の事故では、基本的に突っ込んだ側の過失割合が大きくなります。

ただし、ぶつけられたとき停車していたのか走行していたのか、走行中ならどのような場所・状況だったのかで、具体的な過失割合は変わります。

主なケースの基本の過失割合は以下のとおりです。

事故状況基本の過失割合
停車中に横から突っ込まれた停車車0:突っ込んだ車100
車線変更してきた車に真横から突っ込まれた直進車30:車線変更車70
ゼブラゾーン走行中、車線変更車と衝突直進車40:車線変更車60
または50:50
信号のない交差点(道幅が同程度)左方車40:右方車60
信号のない交差点(相手側に一時停止規制)規制なし20:規制あり80
信号のある交差点(自分が青・相手が赤)青信号車0:赤信号車100
駐車場などから道路に入ってきた車と衝突直進車10:進入車90

【ケース別】側面衝突の過失割合

ここでは、具体的なケースごとに、過失割合をご紹介します。

側面衝突の過失割合

  • 車線変更してきた車に横から突っ込まれた側面衝突
  • 信号のない交差点における側面衝突
  • 信号のある交差点における側面衝突
  • 駐車場などから道路に入った際の側面衝突

車線変更してきた車に横から突っ込まれた側面衝突

車線変更してきた車に横から突っ込まれた事故としては、以下のケースがあります。

例

  • 信号などで停止中に、車線変更してきた車に突っ込まれた
  • 走行中に、車線変更してきた車に突っ込まれた
  • 被害車両がゼブラゾーンを走行中に車線変更してきた車に突っ込まれた

それぞれに分けて解説します。

信号などで停止中に、車線変更してきた車に突っ込まれた

信号待ちや渋滞などで停車していたところ、車線変更してきた車などに横から突っ込まれた場合、基本の過失割合は「停車車:突っ込んだ車=0:100」です。停車している車には、事故を避ける手段がほとんどないためです。

信号待ちや渋滞による停止は、交差点付近であっても駐停車違反にはあたりません(道路交通法44条)。そのため、信号待ち中にぶつけられた事故で、停車していたこと自体を理由に過失がつくことは通常ありません。

ただし、自分の意思で駐停車が禁止されている場所に車を停めていた場合は、ぶつけられた側にも過失がつくことがあります。駐停車が禁止されている主な場所は以下のとおりです。

範囲駐停車が禁止されている場所
その場所自体駐停車禁止の標識・標示がある場所、交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル
5m以内交差点の側端・道路の曲がり角、横断歩道・自転車横断帯の前後の側端
10m以内安全地帯の左側の部分とその前後の側端、バス停の標示柱(運行時間中のみ)、踏切の前後の側端

走行中に、車線変更してきた車に突っ込まれた

走行中に、隣の車線の前方を走っていた車が車線変更してきて突っ込まれた場合、基本の過失割合は「車線変更車:直進車=70:30」です。

車線変更した側の過失が大きくなるのは、道路交通法26条の2で、みだりに進路を変えることや、後方から直進してくる車の進行を妨げるような進路変更が禁止されているためです。

一方、突っ込まれた側にも過失がつくのは、相手の合図や動きから車線変更を察知し、減速するなどして事故を防げた可能性があると考えられるためです。

この70:30を基本に、以下のような事情があれば車線変更車の過失が加算されます。

事情過失割合(車線変更車:直進車)
車線変更禁止の場所(黄色の車線境界線など)だった90:10
車線変更車がウインカーを出していなかった90:10

ウインカーを出さずに車線変更する行為は、合図義務を定めた道路交通法53条1項に違反します。また、同法施行令21条1項では、進路変更の合図を行う時期についても定められています。

相手が合図を出したのが車線変更と同時だった、並走状態から急に幅寄せされたなど、直進車側に回避の余地がなかった事情は、ドライブレコーダー映像などで示すことで過失割合の交渉材料になり得ます。

ゼブラゾーンを走行中に車線変更してきた車に突っ込まれた

後続直進車と進路変更車の事故(ゼブラゾーン)

ゼブラゾーン(導流帯)を走行していて車線変更してきた車に突っ込まれた場合、過失割合は「車線変更車:直進車=60:40」または「50:50」になります。

ゼブラゾーンの走行自体は禁止されていません。しかし、ゼブラゾーンは本来、車両の走行を誘導して事故を防ぐためのもので、みだりに走行する場所ではないため、直進車側の過失が通常より加算される傾向にあります。

合流地点など車線変更時に起こりやすい事故の過失割合は『車線変更事故の過失割合|合流地点の事故は?よくあるケースや判例を解説』の記事で詳しく解説しています。

信号のない交差点における側面衝突

信号のない交差点における側面衝突については、「双方の道幅が同程度の場合」と「一方の走行が優先される場合」とに分けて解説します。

道幅が同程度の場合

道路幅が同程度・信号のない交差点の事故の過失割合(左方車:右方車=40:60)

信号のない交差点を直進していたところ、交差する道路を走行してきた車両に横から突っ込まれた場合、それぞれの道路の幅が同程度で、双方とも同程度の速度だったなら「左方車:右方車=40:60」となります。

一方が明らかに先に交差点に進入していた場合を除き、どちらがどちらの側面に衝突したとしても、基本的に過失割合は変わりません。

道幅が同程度の道路では左方車の走行が優先されるため、左方車の過失割合のほうが小さくなるのです(道路交通法36条)。そのため、右方車が横から突っ込まれた側だった場合は、突っ込まれた側の過失のほうが大きくなります。

一方の走行が優先される場合

道幅が明らかに違ったり、どちらかに優先標識や規制などがあったりする場合は、一方の走行が優先されます。

そのため、道幅が同じ場合の過失割合よりも、優先される側の過失割合が小さくなります。

具体的には以下のとおりです。

道路状況基本の過失割合
一方の道幅が明らかに広い広路車30:狭路車70
一方が優先道路優先道路走行車10:相手車両90
一方に一時停止規制がある(規制側が一時停止せずに進入)規制なしの車20:規制ありの車80
一方に一時停止規制がある(規制側が一時停止後に進入)規制なしの車40:規制ありの車60

道幅が明らかに広い道路や優先表示のある道路を走行する車が優先されることは、道路交通法36条2項で定められています。

また、一時停止規制のある道路を走行する車が一時停止しなかった場合、道路交通法43条違反になります。

信号のある交差点における側面衝突

信号のある交差点を直進していたところ、交差する道路を走行してきた車両に横から突っ込まれた場合、過失割合は双方の信号の色によって変わります。

自動車同士の出会い頭事故の過失割合(青:赤=0:100)
  • 青信号車:赤信号車=0:100
  • 黄信号車:赤信号車=20:80
  • 赤信号車:赤信号車=50:50

右折車が直進車の真横に側面衝突した事故の過失割合

信号のある交差点において、直進車が、右折車に横から突っ込まれた場合、信号の色によって過失割合は以下のように変わります。

たとえば、青信号の車同士の右直事故の過失割合は、直進車:右折車=20:80です。

直進車・右折車ともに青信号で進入した場合の過失割合(直進四輪車20:右折四輪車80)
  • 青信号の車:青信号の右折車=20:80
  • 黄信号の車:黄信号の右折車=40:60
  • 赤信号の車:赤信号の右折車=50:50

駐車場などから道路に入った際の側面衝突

駐車場などから道路に入った車両と、道路を直進してきた車両の側面衝突では、過失割合は「道路に入った車両:道路を直進してきた車両=90:10」となります。

道路外から道路内への出入りは、他の歩行者や車両の妨げにならないようにしなければならないとされています。よって、道路に入った側の過失割合が大きくなるのです。

しかし、道路を直進してきた側も、道路に入ろうとする車両に気づいて事故を回避できたと考えられます。よって、直進してきた側にも10%の過失がつくのです。

『駐車場事故の過失割合の考え方!駐車場でぶつけられたら10対0?バック優先?』の記事では、駐車場内や駐車場から出る際の頭出し待機にまつわる事故の過失割合を紹介しています。

全ケース共通│過失割合の修正要素

これまで紹介した過失割合は、あくまで基本のものです。

実際の事故では、どちらかに以下のような著しい過失・重過失がある場合、そちら側の過失割合が10~20%程度加算される可能性があります。

  • 著しい過失(10%程度加算)
    • わき見運転など著しい前方不注意
    • ハンドル・ブレーキの著しく不適切な操作
    • 携帯電話を使いながら・見ながらの運転
    • ナビを操作しながら、画面を見ながらの運転
    • 一般道での15km以上 30km未満の速度違反
    • 酒気帯び運転
  • 重過失(20%程度加算)
    • 酒酔い運転
    • 居眠り運転
    • 薬物を使用しての運転
    • 無免許運転
    • 一般道での30km以上の速度違反
著しい過失・重過失の例

側面衝突の過失割合に納得いかない場合の対処法

事故類型や修正要素を確認してみる

加害者側から提示された過失割合に納得いかない場合は、過失割合の算定で適用された事故類型や修正要素を確認してみましょう。

過失割合の算定ではまず、事故類型に基づく「基本の過失割合」が確認されます。そのうえで事故の個別的な事情を反映させる「修正要素」を適用し、基本の過失割合を調整します。

過失割合の決め方

しかし、場合によっては、そもそも違う事故類型の「基本の過失割合」が採用されていたり、修正要素が正しく適用されていなかったりすることがあります。

事故類型や修正要素に問題がある場合は、事故時の状況を示す証拠を揃え、正しい事故類型や修正要素を主張することが重要です。

事故状況を示す証拠を集める

先述の通り、基本の過失割合や修正要素に問題がある場合は、事故状況を示す証拠をそろえてその旨を主張する必要があります。

具体的には、以下のような証拠を用意しましょう。

また、類似する判例や専門書の記載なども用意しておくと、主張の根拠が強くなります。

ただし、防犯カメラ映像や実況見分調書、過去の判例や専門書の記載などは、被害者自身では入手しにくいことも多いです。お困りの場合は弁護士にご相談ください。

弁護士に相談する

証拠を提示して過失割合の修正を主張しても、加害者側の任意保険会社がスムーズに聞き入れてくれるとは限りません。

加害者側の任意保険会社は示談交渉の経験が豊富で、過失割合に関する知識も被害者より多く持っています。

こうした相手に過失割合の修正を求めるためには、弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士は専門知識を持っているため正しい過失割合の算定ができますし、専門家として効果的に加害者側の任意保険会社に交渉ができます。

側面衝突の事故についてよくある質問

Q.側面衝突と出会い頭の衝突の違いは?

側面衝突は、車両の側面に衝突する事故を広く指す言葉です。一方、交差点で交差する方向から進入した車同士の事故は、過失割合の基準では『出会い頭の事故』として扱われます。

本記事では「交差点における右方車と左方車の側面衝突」に関する過失割合を紹介しましたが、厳密にはこの事故類型は「交差点での出会い頭の衝突事故」となります。

事故状況図

交差点において、たとえ車両の前方部同士の衝突ではなく、一方がもう一方の側面に衝突していたとしても、基本的には「出会い頭の事故」として扱われるのです。

過失割合も、基本的には出会い頭の衝突事故と同じです。

ただし、一方が明らかに先に交差点に進入していたにも関わらず、もう一方が交差点に進入して衝突した場合は、あとから進入した側の過失割合が加算されることがあります。

Q.自転車の側面衝突の過失割合は?

自転車と自動車の側面衝突の場合、自動車同士の場合よりも自動車側の過失割合が大きくなることが多いです。

自転車は自動車よりも弱い立場にあり、自動車側は一層気をつけて運転しなければならないとされるためです。

アトムの解決事例(横から突っ込まれた側面衝突の事故)

こちらでは、過去にアトム法律事務所が取り扱った交通事故のうち、横から突っ込まれた側面衝突の解決事例をご紹介します。

自転車で真横から車に突っ込まれ肋骨骨折・打撲│約81万円(約6.2倍)増額

横断歩道で自転車が左折車に追突され肋骨骨折などを負った事例

横断歩道を自転車で渡っていたところ、左折待ちで停車していた車が発進し、自転車の後輪あたりに真横から追突された事故。

肋骨骨折・打撲などを負い、治療期間173日・実通院日数16回。過失割合10:0。

仕事の都合で思うように通院できない状況で、痛みや動きにくさなどの苦痛に見合う慰謝料がもらえるのかご相談があったケース。


弁護活動の成果

通院頻度が少ないことを理由に保険会社から減額主張されたが、弁護士の粘り強い交渉により、保険会社の提示額約13万円から、最終的に約81万円まで増額された(約6.2倍増額)。

年齢、職業

20~30代、会社員

傷病名

肋骨骨折、打撲、捻挫、擦過傷

赤信号で停止しようとした矢先に側面衝突・むちうち│約165万円回収

信号停止中に店舗から飛び出した車に側面衝突された事故

家族とともに車で移動中、交差点で信号が赤になり停止しようとした際、道路沿いの店舗から確認せずに飛び出してきた車に、側面衝突された事故。

むちうちを負い通院することになったが、相手方からの謝罪はなく、保険会社からは過失割合7対3で提示され不当な扱いに悩んでいたケース。


弁護活動の成果

弁護士の交渉により、物損は過失割合85対0(片側賠償)で示談成立。

物損・人損あわせて約165万円の支払いを受けることができた。

年齢、職業

20~30代、その他

傷病名

むちうち

バイク走行中に横から突っ込まれ腰を骨折│1,000万円回収

バイク走行中に車が横から突っ込み腰骨折と顔面外傷を負った事例

10代の依頼者がバイクで走行中、相手方車両に横から突っ込まれ、腰の骨折と左頬の傷を負った。

症状固定後、後遺障害11級7号認定。依頼者の過失は1割。

腰痛による将来の手術可能性や顔の傷の影響を踏まえ、適正な賠償を求めて示談交渉を行ったケース。


弁護活動の成果

依頼者が事故時18歳であったため逸失利益が高額となる中、追加資料の提出や交渉を重ねた結果、最終的に1,000万円で示談成立となった。

年齢、職業

10代、会社員

傷病名

腰骨折、顔面外傷(左頬の傷)

後遺障害等級

11級7号

アトム法律事務所では、今回ご紹介した事例のほかにも多数の解決実績があります。

もっと多くの解決実績をご覧になりたい方は、「解決事例」のページをご確認ください。

側面衝突の過失割合は弁護士にご相談ください

側面衝突の事故では、事故状況によって、過失割合が大きく左右されます。

  • 車線変更で真横から突っ込まれた。過失割合は?
  • 交差点での側面衝突はどうなる?
  • 自分にも過失があると言われてしまった。どうすればいい?

過失割合に納得いかない場合は、ドライブレコーダーや実況見分調書など、客観的な証拠を精査することも大切です。

また、交通事故に詳しい弁護士に相談することで解決できるケースもあります。

まずは弁護士の無料相談から始めてみましょう。

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弁護士費用特約が使えない場合は、基本的に着手金が無料です。ご依頼まで進んだ場合でもご安心いただけます。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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