出会い頭事故とは?過失割合の決まり方と信号や一時停止違反などの影響
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異なる方向から進行してきた車両同士が交差した際に衝突する事故を「出会い頭事故」といい、主に交差点で起こることが多い事故類型です。
出会い頭事故は、片方の明らかな信号無視でもないかぎり、双方に一定程度事故の責任があると判断される傾向があります。
この責任の程度を「過失割合」といい、交通事故の賠償問題において極めて重要です。
しかし、たとえ被害者にもある程度過失がつくとはいえ、不当に高い過失がつくことは避けるべきでしょう。
被害者側がもらう損害賠償金は過失割合に応じて減額されてしまうため、不十分な金額になりかねません。
この記事では、出会い頭事故の過失割合や、出会い頭事故で適正な損害賠償金を請求する際のポイントなどを解説しています。出会い頭事故の被害にあった方は、ぜひご一読ください。
本記事で紹介する過失割合は、「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)に記載されている情報をベースにしています。
目次
出会い頭事故の意味は?発生原因や交渉の争点
出会い頭事故とは?
出会い頭事故とは、交差点や道路の交差部分などで、お互いの車両や歩行者が見えない状態で進行し、接触・衝突してしまう交通事故のことです。
交差点や見通しの悪い場所で発生しやすく、特に信号機がない場所や一時停止の標識が守られていない場合に多く見られます。
出会い頭事故といえる事故のパターンをいくつか示します。
出会い頭事故のパターン
- 信号のない交差点において車両の前方同士が衝突
- 不十分な停止や道路標識の無視により交差点で衝突
- 路上駐車で見えづらく確認が不足して交差点で衝突
- 路外のコンビニで用事を済ませ、道路に入ろうとして走行車両と接触
- 脇道や細い路地から出てきた車両と衝突
令和5年度交通安全白書(内閣府)によると、令和4年中の交通事故発生件数では追突事故が最多で、次に出会い頭事故が多くなっています。追突と出会い頭事故を合わせると事故全体の約6割を占めるほど頻発しているのです。
出会い頭事故が起こる原因
出会い頭事故の主な原因には、ドライバーの不注意、事故発生時の視界の悪さなどがあげられます。具体例をあげると次のとおりです。
具体例 | |
---|---|
不注意 | ・注意や判断力欠如 ・不適切な運転操作 ・安全意識の低さ |
視界の悪さ | ・道路脇の樹木 ・路上駐車 ・標識が見えづらい ・悪天候 |
事故を予防するためには、交差点では必ず徐行して左右の安全確認を徹底する、運転に集中して脇見運転は絶対にしない、制限速度を守る、周りの状況に左右されず予測運転を心がけるなどが重要です。
過失割合が争点になりやすい|道幅、一時停止、一方通行違反
交通事故のなかでも、出会い頭事故は双方に過失割合がつくことも多く、相手方と過失の有無についてもめやすいという特徴があります。
なぜなら、出会い頭事故の起こる場所では、道路の幅、一時停止規制の有無、速度など過失割合に影響する要素が多いためです。
相手方が提示する過失割合が必ず正しいとは限りません。不当な過失割合を受け入れてしまうと、受けとれる示談金額は少なくなってしまい、今後の生活に支障が出ることもあります。
過失割合の妥当性・見通しについては、専門家である弁護士に確認を取るべきでしょう。
アトム法律事務所では、交通事故の被害者の方向けに無料の法律相談を行っています。弁護士の数が限られているので、まずは無料相談のご予約をお取りください。
優先道路や一時停止無視の過失割合については、以下の関連記事にてくわしく解説しているので、あわせてお読みください。
車同士の出会い頭事故の過失割合
まずは、交差点における車同士の出会い頭事故について、信号機の有無などの状況別に基本の過失割合を確認していきましょう。
信号機のある交差点での出会い頭事故
信号機のある交差点における車同士の出会い頭事故の過失割合は、事故当時の信号機の色によって異なります。
たとえば、黄信号車と赤信号車で出会い頭事故が起こった場合には、黄信号車に20%の過失がつき、20:80の過失割合になるのです。
信号機のある交差点での過失割合については下表をご覧ください。
状況 | A | B |
---|---|---|
A:青 B:赤 | 0 | 100 |
A:黄 B:赤 | 20 | 80 |
A:赤 B:赤 | 50 | 50 |
なお、交差点侵入のタイミングは修正要素のひとつです。黄信号車が赤信号直前に交差点に進入していたら、黄信号車の過失割合が10%加算されて、過失割合は20:80ではなく30:70へ修正されます。
あるいは、出会い頭での衝突時に赤信号車側の信号が青になっていたら、黄信号車の過失割合が20%加算されるため、過失割合は20:80から40:60へ修正されます。
信号機のない交差点での出会い頭事故
信号機のない交差点における車同士の出会い頭事故の過失割合は、以下のような状況によってそれぞれ異なります。
- 交差する道の幅が同じくらいだった場合
- 片方が明らかに広い道路幅だった場合
- 片方に一方通行違反があった場合
- 片方に一時停止の規制があった場合
- 片方が優先道路だった場合
出会い頭事故では、基本的に優先道路や明らかに道幅が広い道路を走っていた優先車の過失割合が低くなります。
道幅が同じ道路を走っていた場合は、左方優先の原則に従い、同程度の速度なら左方車(左方から進行してくる車両)の過失割合が低くなるでしょう。
左方優先とは?
信号機がなかったり、優先関係が明確でなかったりする交差点では「左方優先」が原則です。
この左方優先の原則により、左方車の方が過失が少ないものと考えられます。
それぞれの過失割合を見ていきましょう。
交差する道の幅が同じくらいだった場合
状況 | A:左方車 | B:右方車 |
---|---|---|
AとBが同程度の速度 | 40 | 60 |
A:減速せず B:減速 | 60 | 40 |
A:減速 B:減速せず | 20 | 80 |
道幅が同じくらいで出会い頭に衝突した場合、速度が同程度であれば、左方車のほうが過失は低いものとされます。(左方車40:右方車60)
ただし、減速がなされていないと、減速していない方の過失は20%重くなる見込みです。
つまり、減速をしていない右方車が、減速した状態の左方車に突っ込んで衝突した場合、過失割合は左方車20:右方車80になる可能性もあります。
片方が明らかに広い道路だった場合の過失割合
状況 | A:広路車 | B:狭路車 |
---|---|---|
AとBが同程度の速度 | 30 | 70 |
A:減速せず B:減速 | 40 | 60 |
A:減速 B:減速せず | 20 | 80 |
一方の道路幅が広いとき、双方が同じ程度の速度であれば、広い道路幅を走行している車両の方が、過失割合は低いと判断されます。(広路車30:狭路車70)
なお、減速をしていない方の過失割合は10%重くなる見込みです。
つまり、広路車が十分に減速をしているところへ、減速をしないまま狭路車が衝突してきた場合には、広路車20:狭路車80になる可能性もあります。
片方に一方通行違反があった場合の過失割合
状況 | A:無違反車 | B:違反車 |
---|---|---|
- | 20 | 80 |
出会い頭事故で衝突した際に一方通行違反があれば、過失割合は20:80であり、違反車のほうに80%の過失がつきます。
片方に一時停止の規制があった場合の過失割合
状況 | A:規制なし | B:規制あり |
---|---|---|
AとBが同程度の速度 | 20 | 80 |
A:減速せず B:減速 | 30 | 70 |
A:減速 B:減速せず | 10 | 90 |
B:一時停止後進入 | 40 | 60 |
一時停止の規制がある道路で出会い頭に衝突事故が起こった場合、同じ程度の速度であれば、過失割合は20:80であり、一時停止の規制がある方に80%の過失割合がつきます。
一時停止後に侵入して衝突事故を起こした場合も、一時停止規制側の過失は大きく、60%の過失がつくでしょう。
また、減速していない方の過失割合は10%大きくなる見込みです。
片方が優先道路だった場合の過失割合
状況 | A:優先車 | B:非優先車 |
---|---|---|
- | 10 | 90 |
優先道路を走行していたときに出会い頭事故にあったり、加害者側の一時停止無視により出会い頭事故にあったりした場合も、被害者側にも一定の過失割合がつくことになります。
車とバイクの出会い頭事故の過失割合
交通事故の過失割合を算定するときは、交通弱者側の過失割合を低くする傾向があります。
バイクは車よりも車体が小さく、事故の被害が大きくなりやすいことが特徴です。
したがって、車とバイクによる出会い頭事故の場合、車同士の事故と比べてバイク側の過失割合がやや低めになります。
車とバイクの出会い頭事故について、信号機の有無や左方優先などケース別の過失割合を見ていきましょう。
信号機のある交差点での出会い頭事故
信号機のある交差点における車とバイクの出会い頭事故では、車同士の場合と同じく、事故当時の信号機の色によって過失割合が異なります。
信号機のある交差点で出会い頭に事故が起こった場合、赤信号を無視した車両に対して、青信号側には過失はつきません。
しかし、赤信号と黄信号同士の事故では双方に一定の過失がつきます。
状況 | A:バイク | B:自動車 |
---|---|---|
A:青 B:赤 | 0 | 100 |
A:赤 B:青 | 100 | 0 |
A:黄 B:赤 | 10 | 90 |
A:赤 B:黄 | 70 | 30 |
A:赤 B:赤 | 40 | 60 |
ただし、バイク側が青信号・車側が赤信号の場合も、安全確認をしなかった、回避措置を怠ったといった何らかの過失がある場合は、バイク側の過失割合が5%加算されます。
また、黄信号・赤信号の場合で、黄信号側が赤信号直前に交差点に進入した場合は、黄信号側の過失割合が10%加算されるでしょう。
信号機のない交差点での出会い頭事故
次に、信号機のない交差点における車とバイクの出会い頭事故の過失割合を見ていきましょう。
ここでは、代表的なケースとして交差する道の幅が同じくらいだった場合の過失割合を紹介します。
状況 | A:左方バイク | B:右方車 |
---|---|---|
AとBが同程度の速度 | 30 | 70 |
A:減速 B:減速せず | 15 | 85 |
A:減速せず B:減速 | 45 | 55 |
車が左方から侵入し、自動車が右方から侵入したときには、左方優先の原則もあいまって、自動車側に70%の過失がつく見込みです。
減速をしていないときには、減速をしていない車両側に、さらに15%の過失がつきます。
たとえば、左方からバイクが減速して走行しているところで、減速なしの右方車が出会い頭に衝突してきた場合、バイク側の過失は15%減り、過失ゼロになることもあるでしょう。
状況 | A:右方バイク | B:左方車 |
---|---|---|
AとBが同程度の速度 | 50 | 50 |
A:減速 B:減速せず | 35 | 65 |
A:減速せず B:減速 | 60 | 40 |
なお、車同士の出会い事故の場合と同じく、どちらかが優先道路だった、一時停止の規制があったといった事故の状況によって過失割合は変動します。
各状況の過失割合はここでは割愛しますが、車同士の事故と比べ、バイク側の過失割合は5%~20%ほど低くなると考えてください。
より詳細な過失割合を知りたい方は、交通事故の損害賠償にくわしい弁護士に問い合わせてみましょう。
車と自転車の出会い頭事故の過失割合
車と自転車の出会い頭事故では、車同士の事故・車とバイクの事故に比べ、自転車側の過失割合が低くなる傾向にあります。自転車はバイクよりもさらに交通弱者であるとみなされているからです。
以上を前提にして、車と自転車の出会い頭事故の過失割合を見ていきましょう。
信号機のある交差点での出会い頭事故
信号機のある交差点における、車と自転車の出会い頭事故の過失割合は以下のとおりです。
状況 | A:自転車 | B:自動車 |
---|---|---|
A:青 B:赤 | 0 | 100 |
A:赤 B:青 | 80 | 20 |
A:黄 B:赤 | 10 | 90 |
A:赤 B:黄 | 60 | 40 |
A:赤 B:赤 | 30 | 70 |
なお、黄信号側が赤信号直前に交差点に進入した場合、過失割合が変動します。黄信号側が自転車の場合は過失割合が5%加算され、自動車の場合は15%加算されるでしょう。
信号機のない交差点での出会い頭事故
信号機のない交差点における車と自転車の出会い頭事故の代表例として、交差する道の幅が同じくらいだった場合の過失割合を見ていきましょう。
状況 | A:自転車 | B:自動車 |
---|---|---|
- | 20 | 80 |
優先道路だった、一時停止規制があったといったその他のケースにおいては、車同士の事故と比べ、自転車側の過失割合が10%~30%ほど低くなると考えてください。
とくに、片方が明らかに広い道路だった場合は、広い道路を走っていたのが自動車だったとしても、過失割合は自転車側:自動車側=30:70と大幅に自転車側が保護されることになります。
車と自転車の事故の過失割合や注意点については、『車と自転車の事故|過失割合と慰謝料相場は?おかしいと思ったら要確認』の記事でまとめていますので、あわせてご一読ください。
出会い頭事故の過失割合を修正しうる要素
前章では、出会い頭事故のパターンに分けて、基本の過失割合を紹介してきました。
しかし、事故にはさまざまなパターンが想定されます。事故の個々の状況を反映するため、過失割合を算定するときは「基本の過失割合」に「修正要素」を加えて最終的な数値を決めるのです。
たとえば、自動車と自転車の出会い頭事故で、自転車を運転していたのが幼児だった場合は、修正要素を加えて自転車側の過失割合が低くなります。
過失割合の算定においては、修正要素も非常に重要です。ここからは、出会い頭事故の主な修正要素を見ていきましょう。
(1)先に交差点に進入していたか
信号機のない交差点において非優先車が先に進入していた場合、状況によっては優先車側の過失割合が10%高くなります。相手がバイクや自転車の場合は、20%高くなるでしょう。
非優先車が交差点に明らかに先入していたとき、優先車が気づいて回避行動をとれば事故が防げた可能性があります。
そのため、優先車側の過失割合が高く修正されるのです。
ただし、先に交差点に進入していたことにより過失割合を修正する際は、お互いの速度差が考慮されます。
優先車が制限速度以下で運転しており、非優先車が交差点に進入したことに気づいてすぐに回避行動をとれば事故が起きなかった状況ならば、過失割合が修正されるでしょう。
一方、非優先車のスピードが速く、回避行動をとっても事故が起きていた状況ならば、過失割合は修正されません。
(2)見とおしがきく交差点だったか
信号機のない交差点で発生した出会い頭事故の場合、見とおしがきく交差点だったと判断されると、右方車や道幅の狭い道路を走っていた車の過失割合が10%高くなります。
見とおしがきく交差点だった場合、左から進入してくる車を認識し、左方優先の原則にしたがって運転しやすい状況だったといえるでしょう。
そのため、道路交通法を守らなかった側の過失割合が通常よりも高くなるのです。
ただし、当事者のどちらかが自転車だった場合は、この修正要素は適用されません。
見とおしがきかない交差点とは?
交差点の見とおしは、交差点侵入直前の状況で判断されます。
- 沿道の建物
- 駐車車両
- 広告塔
- 看板
見とおしがきかない交差点とは、これらによって、左右両方あるいは左右いずれかの見とおしがきかないことです。こうした交差点では、車両には原則として徐行が義務付けられています。
見通しのいい交差点でも事故は起こる
見通しのいい交差点で相手の自動車の存在に気付かなかったり、停車しているように見えたけれど走行していたため衝突してしまったりという事故は、コリジョンコース現象が原因である可能性があります。
関連記事『コリジョンコース現象の原因は?事故の過失割合と見通しのいい交差点での注意点』では、事故発生後の流れや過失割合についてまとめているので参考にしてみてください。
(3)夜間に発生した事故だったか
日没から日の出までの夜間に出会い頭事故が発生した場合、過失割合が5%変動することがあります。
夜間は自動車のライトによって交差する道路から車が進入してくることを認識しやすい状況です。
そのため、認識できなかったり認識したのに回避行動を怠ったりした側の過失割合が増えてしまいます。
たとえば、同じくらいの道幅の信号機のない交差点で起きた車同士の事故の場合、左方車の過失割合が5%低くなるでしょう。一方通行違反があった事故の場合は、無違反車側の過失割合が5%高くなります。
また、車と自転車の事故では、ケースによっては自転車側の過失割合が5%高くなるでしょう。
なお、車とバイクの事故では、基本的に夜間であることが過失割合の修正要素にはなりません。
(4)その他|速度違反・ながら運転などの悪質性
出会い頭事故におけるその他の修正要素には、以下のようなものがあります。
著しい過失 | 行った側が+10% |
重過失 | 行った側が+20% |
著しい過失・重過失とは、以下のような状況のことです。
- 著しい過失
- 脇見運転など著しい前方不注視
- 著しいハンドル・ブレーキ操作の不適切
- 携帯電話などの使用・画像注視
- 時速15km以上30km未満の速度違反
- 酒気帯び運転 など
- 重過失
- 酒酔い運転
- 居眠り運転
- 無免許運転
- 時速30km以上の速度違反
- 過労運転
- 病気や薬物の影響で正常な運転ができない状態 など
また、当事者のどちらかが自転車の場合、状況によっては以下の要素も加味されることがあります。
事故の状況 | 過失割合の修正 |
---|---|
自転車側が右側通行・左方から進入 | 自転車側が+5% |
自転車の運転手が児童等・高齢者 | 自転車側が-5% |
自転車が自転車横断帯を通行 | 自転車側が-10% |
自転車が横断歩道を通行 | 自転車側が-5% |
過失割合の決め方や影響をより詳しく知りたい方は、『交通事故の過失割合とは?決め方の具体的な手順とパターン別の過失割合』の記事もご参考ください。
出会い頭事故における損害賠償請求のポイント
出会い頭事故で加害者側に損害賠償を請求する際のポイントをお伝えしていきます。
損害賠償請求の流れ
多くの場合、賠償金の金額や過失割合は加害者側の任意保険会社との話し合い(示談交渉)で決定されます。示談交渉はお互い譲歩しながら話し合いをすすめ、双方ともに納得できる解決内容を決めていく方法のことです。
損害賠償請求の方法には調停や訴訟もあるなかで示談交渉を選ぶ理由としては、最も被害者の出費が少なく、解決までの時間が短く済む可能性が高いからです。
なお、示談交渉では、交通事故の損害の全てについて話し合うことになります。よって、すべての損害が明らかになっている「治療が終わった後」または「後遺障害申請が終わった後」に始めてください。
示談とは何か、交渉を進める際の注意点の詳細は関連記事でくわしく解説しています。
賠償金の内訳と相場を知っておく
交通事故の賠償金の主な内訳には、治療中の損害、治療終了後の損害、物損などがあります。
加害者側の任意保険会社は、保険会社独自の基準で計算した相場よりも低い賠償金を提示してくるでしょう。
相手方の提案する金額が妥当なのかを見極めるためには、損害賠償請求すべき費目や相場についての理解を深めておくと安心です。
関連記事や下記バナーの慰謝料計算機を活用して、おおよその相場を知っておきましょう。
後遺症が残った場合は後遺障害申請をする
なお、後遺症が残った場合、後遺症に対する損害賠償が認められるケースは「後遺障害等級認定」を受けた場合が原則です。
後遺障害とは、交通事故による後遺症のうち、一定の水準を満たすと認められているものをさします。
後遺症が残った場合の対応を知りたい方は、関連記事『後遺障害等級は誰が決める?認定機関は?自賠責保険の後遺障害認定の流れも解説』もあわせてお読みください。
過失割合の交渉では証拠を用意する
示談交渉の中では過失割合についても決めていくことになります。
このとき、加害者側の任意保険会社は、被害者側の過失割合を不当に高く見積もって提示してくることがある点に注意が必要です。
先述のとおり、被害者側に過失割合がついたら過失相殺によって賠償金が減額されます。
そのため、加害者側の任意保険会社は支払う金額を減らすべく、あえて被害者側の過失割合を高めに見積もってくることがあるのです。
加害者側から不当に高い過失割合を提示されたときは、適切な過失割合へと交渉していく必要があります。
その際は、ただやみくもに「この過失割合はおかしい」と主張するのではなく、証拠を用意して論理だてた説明をしなくてはなりません。
過失割合の交渉をする際は、以下のような証拠を集めるとよいでしょう。
- 警察による刑事記録
- 実況見分調書
- 供述調書
- ドライブレコーダーなどの映像記録
- 目撃者の証言 など
ただし、過失割合を算定する際には過去の事例に精通していることや、適切な法律知識があることが必要になります。
そもそも加害者側から提示された過失割合が不当か判断がつかない方、どのような証拠が有効かわからない方は、無料相談を利用して弁護士にアドバイスを聞いてみることをおすすめします。
交通事故の過失割合でもめるパターンごとの対処法を紹介する記事『交通事故の過失割合でもめる4ケース&対処法|証拠が無い時どうする?』もあわせてご参考ください。
自身に過失割合がついたら保険でカバーする
被害者側にも過失割合がついた場合、その割合に応じて賠償金が減額されます。
そのため、治療費や休業損害、車の修理費などの一部が被害者側の自己負担となってしまうのです。
このように、賠償金の一部が自己負担になった場合は、被害者自身が加入している保険を利用してまかなうとよいでしょう。被害者自身が加入している保険は、基本的に過失割合とは関係なく支払いを受けられます。
ただし、被害者側の保険を利用することで保険料が上がる場合もある点はあらかじめ留意しておいてください。
出会い頭事故で使える被害者側の保険には、以下のようなものがあります。
- 自動車保険
- 人身傷害補償保険
(ケガや後遺障害、死亡など、人身の損害をカバーする保険) - 搭乗者傷害保険
(被害者自身や同乗者に対し見舞金のような保険金を受け取れる保険) - 車両保険
(車の損害をカバーする保険) - 無保険車傷害保険 など
- 人身傷害補償保険
- 健康保険
- 労災保険(通勤中・勤務中の事故のみ)
- その他、生命保険、傷害保険など
交通事故で使える被害者側の保険については、『交通事故で使える保険の種類と請求の流れ|被害者自身の保険も使える?』の記事でも網羅的に解説しています。あわせてご一読ください。
出会い頭事故は弁護士への相談・依頼もご検討ください
出会い頭事故にあったときは、弁護士への相談・依頼もご検討ください。ここからは、出会い頭事故について弁護士に相談・依頼するメリットを解説していきます。
出会い頭事故を弁護士に相談・依頼するメリット
出会い頭事故の被害にあった場合に、弁護士に相談することで主に以下のようなメリットを得ることができます。
- 適切な過失割合を主張してもらえる
- 相場の慰謝料額となるよう増額交渉をしてもらえる
適切な過失割合を主張してもらえる
出会い頭事故では、被害者側にも一定の過失割合がつくことが多いでしょう。
そのため、お互いの過失割合を決める際に、加害者側の任意保険会社が被害者側の過失割合をあえて高く見積もることがあります。
適切な過失割合へ変更するには、証拠をもとに、加害者側と粘り強く交渉していく必要があります。
しかし、どのような証拠が必要かわからなかったり、そもそも最終的にどのくらいの過失割合を目指すべきか判断できなかったりする方も多いのではないでしょうか。
弁護士であれば、過去の判例や法律知識をもとに、事故状況に応じた適切な過失割合を算定し、主張していくことが可能です。
また、証拠の検討や収集についても弁護士に対応を一任できます。
相場の慰謝料額になるよう増額交渉してもらえる
交通事故の被害者は基本的に慰謝料や治療費などの損害について請求することが可能です。
しかし、加害者側は少しでも支払う金額を少なくするため、相場よりも低額な慰謝料額を提示してくることが多いでしょう。
被害者自身で相場の金額を主張しても、加害者側の任意保険会社が認めることはほとんどありません。「弊社ではこの金額が上限です」「裁判をしないとその金額は認めません」などと反論されてしまうでしょう。
一方、弁護士が示談交渉を行えば、加害者側の任意保険会社は相場に近い金額を認める傾向にあります。
なぜなら、弁護士が出てくれば、裁判への発展が現実味を帯びるからです。
裁判は加害者側の任意保険会社にとってデメリットが大きいうえ、裁判になればどのみち相場に近い金額が認められます。
それならば、示談交渉の段階で相場に近い金額を認めようと判断されるのです。
弁護士が交渉すれば、慰謝料・賠償金の大幅な増額も見込めます。
加害者側の任意保険会社に提示された金額に不満がある方、増額の余地があるのか知りたい方は、まずは弁護士に相談してみましょう。
アトム法律事務所の解決事例をまとめた『交通事故の解決事例』のページもあわせてご確認ください。ご自身と似たような事例での増額事例がわかります。
弁護士に相談・依頼するメリットはほかにもある
出会い頭事故において弁護士に相談・依頼するメリットとしては、この他にも以下のようなものが考えられるでしょう。
- 加害者側とのやり取りを弁護士に任せることができる
- 適切な治療方法や通院頻度などについてアドバイスがもらえる
- 早期の解決により慰謝料を早めに得られる
具体的なメリットについては事故における個別の事情により異なるため、相談の際に確認すると良いでしょう。
一般的に考えられるメリットについて詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』の記事をご覧ください。
弁護士費用は意外と心配しなくていい
弁護士の依頼を検討するとき、弁護士費用が気になる方も多いと思われます。
しかし、弁護士費用特約を使えば弁護士費用の負担を大きく軽減することが可能です。
弁護士費用特約とは、保険会社に弁護士費用を負担してもらえるオプションです。
弁護士費用特約を使えば、基本的に弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社に負担してもらえます。
弁護士費用が300万円を超えるケースはまれであるため、多くのケースで、被害者は自己負担なしに弁護士に依頼することが可能です。
交通事故では、被害者自身の自動車保険についている弁護士費用特約ではなく、火災保険、クレジットカード、被害者の家族の保険についている弁護士費用特約も利用できる可能性があります。まずは保険の契約状況を確認してみましょう。
弁護士費用特約については、『交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介』の記事で詳しく説明しています。
弁護士費用特約が使えないときも安心
また、弁護士費用特約が使えない場合も、弁護士への無料相談を利用し、慰謝料・賠償金の増額見込みと弁護士費用の見積もりを取ることで費用倒れを避けることは可能です。
慰謝料・賠償金の増額見込みよりも弁護士費用の方が高くなるなら、無料相談だけで完結させて、他の法律事務所に見積もりを取ってもらうことも選択肢といえます。
もっとも、事故の規模やケガの状況によりますが、弁護士費用を支払っても、弁護士に依頼した方が最終的に手元に入る金額が増える可能性は十分ありえるでしょう。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了