車と自転車の事故|過失割合と慰謝料相場は?被害者が知るべき計算方法

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自転車と車事故の慰謝料相場

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

車と自転車の事故は、「過失割合でもめやすい」「自転車は無保険の可能性が高く、損害賠償について問題が起こりやすい」など、特有の注意点があります。

この記事では、車と自転車の事故の過失割合、請求できる慰謝料の相場、注意すべきポイントを網羅的に解説しています。
慰謝料を最大限に受け取るためにも、車と自転車の事故にあった方は、ぜひ参考にしてみてください。

なお、加害者側からすでに慰謝料を提示されている方は、以下の計算機で「提示された慰謝料が正しい金額か」を確認できます。
ただし、慰謝料額は過失割合にも左右されるうえに、車と自転車の事故には特有の注意事項があるので、この記事の解説もあわせて確認していただくことをおすすめします。

目次

車と自転車の事故における過失割合

まずは、車と自転車における事故の過失割合を4つの事故状況に分けて紹介します。

過失割合とは、事故が起きた責任が、加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるのかを割合で示したものであり、事故の状況によって決められます。

なお、この記事で紹介する過失割合は、「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)に記載されている情報をベースにしています。

過失割合(1)交差点での直進車同士の事故

信号のある交差点の場合

信号がある交差点の場合、車と自転車の過失割合は以下の通りです。

車の信号自転車の信号過失割合*
100:0
90:10
70:30
40:60
20:80

*車:自転車

信号がない交差点の場合

信号がない交差点では、道路の状況によって過失割合が以下のように変わります。
なお、過失割合は「車:自転車」で表します。

  • 道幅
    • 双方同程度の道幅=80:20
    • 車側の道幅が広い=70:30
    • 自転車側の道幅が広い=90:10
  • 一時停止規制
    • 車側にあり=90:10
    • 自転車側にあり=60:40
  • 一方が優先道路
    • 車側が優先道路=50:50
    • 自転車側が優先道路=90:10
  • 一方が一方通行違反
    • 車側が違反=90:10
    • 自転車側が違反=50:50

過失割合(2)交差点での右折車と直進車の事故

信号のない、互いの道幅が同程度の交差点における右折車と直進車の事故では、過失割合は以下の通りです。

互いに対向車線から交差点に進入した場合

自転車過失割合*
右折直進90:10
直進右折50:50

*車:自転車

右折車と交差道路からの直進車が出合い頭で衝突した場合

自転車過失割合*
右折直進80:20
直進右折70:30

*車:自転車

過失割合(3)横断歩道での事故

横断歩道を渡っていた自転車と、横断歩道を通過する車とが衝突した場合、過失割合は以下の通りです。

車が直進で横断歩道に進入した場合

車の信号自転車の信号過失割合*
100:0
青点滅90:10
75:25
45:55
25:75

*車:自転車

車が右折で横断歩道に進入した場合

車の信号自転車の信号過失割合*
90:10
40:60

*車:自転車

過失割合(4)進路変更時の事故

進路変更しようとした前方車と後続車が衝突した場合、過失割合は以下の通りです。
過失割合は、車:自転車で表します。

  • 車側が進路変更=90:10
  • 自転車側が進路変更=80:20
  • 自転車側が進路変更(障害物をよけるため)=90:10

補足|過失割合は事故の状況によって調整される

全勝で紹介した過失割合は、あくまでも基本的なものです。
実際には、過失割合は事故の個別的な事情に応じて柔軟に調整されます。

過失割合の増減につながる事故の個別的な事情のことを「修正要素」といい、具体的には以下のようなものがあります。

  • 夜間の事故である
    自転車を見つけにくい状況だったことを考慮し、自転車側の過失が増やされる
  • 自転車側が児童(13歳未満)や高齢者
    判断能力が低いことなどを考慮し、自転車側の過失が減らされる
  • 車側の速度違反
    車側の過失割合が増やされる

他にも修正要素は多くあるので、加害者側から過失割合を提示された場合は、修正要素がもれなく適切に反映されているか、確認してみてください。

修正要素に該当しうる事情の心当たりがある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

過失割合を誰がどのように決めるかについては、『交通事故の過失割合は誰が決める?過失割合が決定するまでの流れは?』 で解説しています。

過失割合の注意点

車と自転車の事故の主な過失割合を確認したところで、過失割合についての注意点を解説します。

過失割合が付くと、慰謝料がその分減額される

交通事故の示談交渉では、慰謝料・損害賠償金とともに、過失割合についても話し合われます。

過失割合がついた場合、過失割合に応じて受け取れる慰謝料や損害賠償金が減ってしまうのです。これを「過失相殺」と言います。

過失相殺の例

  • 過失割合
    被害者20:加害者80
  • 被害が受けた損害
    200万円
  • 過失相殺の結果
    200万円×20%=40万円が過失相殺として損害賠償金から差し引かれる。
    被害者が受け取れるのは、200万円-40万円=160万円となる。

多くの交通事故では、被害者側にも過失割合がつき、過失相殺が行われることになります。

過失相殺の仕組みや、過失相殺による減額をおさえる方法については、『過失相殺とは?計算方法と適用範囲を解説!減額のおさえ方も紹介』の記事で詳しく解説しています。

加害者側が主張する過失割合が正しいとは限らない

過失割合は、示談交渉の際に加害者側の任意保険会社が算定して提示してくれます。

しかし、加害者側の任意保険会社は、過失相殺による減額を大きくするため、あえて被害者側の過失割合を多めに見積もっていることがあります。

加害者側の任意保険会社が提示した過失割合は鵜呑みにせず、正しく算定されているか確認するようにしましょう。

正しい過失割合の算定は、これまでの判例や過失割合に関する知識がなければ難しいので、1度弁護士に相談してみることをおすすめします。
アトム法律事務所では、無料で電話・LINE相談を行っております。

車と自転車の事故における慰謝料

車と自転車の事故でも、請求できる慰謝料はその他の交通事故と変わりません。
車と自転車の事故で請求できる慰謝料は、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類です。慰謝料の相場は、事故で負ったケガの程度や後遺障害の有無によって、十数万円から数億円までさまざまです。

まずは、車と自転車の事故における慰謝料の概要を確認していきましょう。

車と自転車の事故でも慰謝料は3種類

車と自転車の事故で請求できる慰謝料は、以下の3種類です。

慰謝料の種類

  1. 入通院慰謝料
    交通事故によるケガ・入通院で生じる精神的苦痛に対する補償。
    入院や通院をすると請求できる。
  2. 後遺障害慰謝料
    交通事故で残った後遺障害により生じる精神的苦痛に対する補償。
    後遺症に対して後遺障害等級が認定されると請求できる。
  3. 死亡慰謝料
    交通事故で死亡した被害者とその遺族の精神的苦痛に対する補償。

上記のうちどの慰謝料を請求できるのかは、事故による怪我の治療にどのくらい期間がかかったか、事故のケガで後遺障害が残ったか、事故によって亡くなられたか、といった状況に応じて決まります。

詳しい相場や計算方法については次章で解説するので、確認してみてください。

慰謝料の他に請求できる損害賠償金

車と自転車の事故でもらえる慰謝料は、被害者が請求できる損害賠償金の一部にすぎません。

慰謝料の他にも請求できる費目はさまざまで、「ケガに対する損害賠償」「後遺障害に対する損害賠償」「死亡に対する損害賠償」の3つに大きく分類できます。

交通事故で請求できる主な費目

損害費目
ケガ治療費
休業損害
入通院慰謝料
入院雑費
通院交通費
後遺障害後遺障害慰謝料
後遺障害逸失利益
死亡死亡慰謝料
死亡逸失利益
葬儀費用

これらはあくまで主な費目なので、個別の損害状況に応じてこの他にも様々な費目を請求することができます。

加害者側が提示してくる損害賠償金の費目に万が一漏れがあった場合は、被害者側から訂正を求めなければいけないので、しっかり確認しておきましょう。

交通事故で得られる損害賠償(示談金)の内訳については、こちらの記事『交通事故の慰謝料は示談金内訳のひとつ!示談金の内訳と慰謝料の増額方法』をご覧ください。

また、自転車事故の賠償金については、こちらの記事『自転車事故の賠償金|最高額は?自転車保険の加入は必要?』で詳しく解説しています。

慰謝料を受け取るまでの流れ

示談金の受け取りまでの流れ

慰謝料等の損害賠償金(示談金)を受け取ることができるようになるのは、示談交渉を行い、示談成立となった後のタイミングが基本です。

慰謝料受け取りまでの流れは、事故によるケガが完治した場合と完治しなかった場合に大きく分けられます。

ケガが完治した場合は治療が終了した時点で示談交渉に入ることができます。治療が終了すると、治療費や治療日数が確定するためです。

一方、ケガが完治しなかった場合は医師が症状固定と判断したあとで後遺障害の申請手続きに進みます。後遺障害の有無や等級で慰謝料等の金額が決まるので、後遺障害の結果が出た時点で示談交渉に入ることになります。

慰謝料の相場と計算方法

前章では、車と自転車の事故における慰謝料の概要を解説しました。
この章では、各慰謝料の相場と計算方法を紹介していきます。

前提|慰謝料は算定基準によって金額が変わる

車と自転車の事故における慰謝料の計算方法は、その他の交通事故と同じです。
慰謝料の算定では「自賠責基準・任意保険基準・弁護基準」のうちいずれかの算定基準が用いられ、基準ごとに割り出される金額が異なります。

慰謝料算定に用いられる3基準
  • 自賠責基準
    交通事故被害者に補償される最低限の金額がわかる
  • 任意保険基準
    加害者側の任意保険会社が示談交渉で提示してくる金額がわかる
  • 弁護士基準
    過去の判例に基づいた相場額がわかる
    3基準の中でもっとも高額。
慰謝料金額相場の3基準比較

なお、本来なら裁判を起こさないと得られない弁護士基準に基づく慰謝料額は、弁護士を立てれば示談交渉段階で獲得が見込めます。
まずは弁護士に相談し、慰謝料の増額が見込めるか、増額幅はどれくらいかを確認してみるとよいでしょう。アトム法律事務所では、電話・LINEで無料法律相談を実施しています。

関連記事『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』では、慰謝料が相場以上に増額されるケースや実例はもちろん、慰謝料の基本的な事柄について解説しています。あわせてご覧ください。

(1)入通院慰謝料の相場と計算方法

入通院慰謝料は、事故により入通院をした場合に請求できる慰謝料です。

通院1ヶ月~6ヶ月の場合における入通院慰謝料の相場は、以下の表のとおりになります。

入通院慰謝料の相場(通院1ヶ月~6ヶ月)

通院期間自賠責任意保険弁護士
1ヶ月12.912.628
(19)
2ヶ月25.825.252
(36)
3ヶ月38.737.873
(53)
4ヶ月51.647.990
(67)
5ヶ月64.556.7105
(79)
6ヶ月77.464.3116
(89)

※慰謝料の単位:万円
※自賠責基準は2020年4月以降発生の事故とし、月15日以上の通院を想定
※任意保険基準は旧任意保険支払基準をもとに計算
※弁護士基準の()内はむちうちなどの軽傷の

通院期間にもよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1.5~2.1倍程度高いことがわかります。

それでは、各基準ごとの入通院慰謝料の計算方法を確認していきましょう。

自賠責基準の入通院慰謝料

自賠責基準の入通院慰謝料は、1日あたりの日額が決められています。したがって、入通院慰謝料の対象となる日数がどのくらいの期間になるかで金額が変わってきます。

自賠責基準の計算式

4300円 × 対象日数

「対象日数」は次のうちいずれか短い方を採用します。

  • 治療期間
  • 実治療日数×2

※治療期間とは、一番最初に病院を受診した日~治療終了までの期間をさします。

※2020年3月31日以前発生の事故は4200円

では、実際の計算例を見てみましょう。

例|治療期間30日のうち、実治療日数が13日の場合
治療期間30日と実治療日数×2の26日を比較し、より短い26日を「対象日数」とします。
よって、慰謝料の金額は、4300円×26日=11万1800円となります。

ただし、自賠責保険が負担する損害賠償は120万円が上限です。損害賠償額が120万円を超えてしまった場合は、加害者側の任意保険会社に請求していくことになります。

自賠責保険の上限額については『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?自賠責保険の限度額や請求方法を解説』の記事で確認可能です。

任意保険基準の入通院慰謝料

任意保険基準の入通院慰謝料は、通院と入院の期間ごとに金額が決められています。算定表にまとめられているので、表を確認するだけで慰謝料の金額がわかります。

もっとも、任意保険基準は各保険会社ごとに設定されており、非公開です。ここでは、保険会社がかつて共通で使用していた旧任意保険支払基準を紹介します。金額の目安程度にご覧ください。

任意保険基準の入通院慰謝料算定表

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

表の見方

  • 通院期間がたて列、入院期間がよこ列
  • 通院期間と入院期間の該当する月が交差する箇所が慰謝料の相場
  • 「1月」は30日
  • 30日に満たない端数の日数がある場合、日割計算を行う

では、実際の計算例を見てみましょう。

計算例1|通院1月の場合
通院1月と入院0月の交差する箇所の12.6万円となります。

計算例2|通院3月、入院1月の場合
通院3月と入院1月の交差する箇所の60.5万円となります。

弁護士基準の入通院慰謝料

弁護士基準の入通院慰謝料は、通院と入院の期間ごとに金額が決められています。算定表にまとめられているので、表を確認するだけで慰謝料の金額がわかります。

もっとも、算定表は軽傷用と重傷用の2通りあり、ケガの状況に応じて使い分けられているので注意が必要です。

弁護士基準の入通院慰謝料算定表(軽傷)

こちらの軽傷用の表は、むちうち、打撲、すり傷などのケガで用います。

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

弁護士基準の入通院慰謝料算定表(重傷)

こちらの重傷用の表は、むちうち、打撲、すり傷など以外のケガで用います。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表の見方

  • 通院期間がたて列、入院期間がよこ列
  • 通院期間と入院期間の該当する月が交差する箇所が慰謝料の相場
  • 「1月」は30日
  • 30日に満たない端数の日数がある場合、日割計算を行う

では、実際の計算例を見てみましょう。

計算例1|通院1月、軽傷の場合
軽傷用の算定表の通院1月と入院0月の交差する箇所の19万円となります。

計算例2|通院3月、入院1月、重傷の場合
重傷用の算定表の通院3月と入院1月の交差する箇所の115万円となります。

なお、入通院慰謝料に関しては、通院が月15日未満だと日額が8600円になる、といった勘違いも多いですが、これは誤りです。
詳しくは、『交通事故の慰謝料は通院1日いくら?8600円の真実と通院6ヶ月の相場』の記事をご覧ください。

(2)後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料は、事故により後遺障害が残った場合に請求できる慰謝料です。

後遺障害は障害の程度ごとに1~14級の後遺障害等級に分けられ、等級に応じて以下のように後遺障害慰謝料が設定されています。

なお、任意保険基準における金額は各社で異なり非公開なので、下表では省略しています。

後遺障害慰謝料の相場

等級 自賠責弁護士
要介護
1級
1650
(1600)
2800
要介護
2級
1203
(1163)
2370
1級1150
(1100)
2800
2級998
(958)
2370
3級861
(829)
1990
4級737
(712)
1670
5級618
(599)
1400
6級512
(498)
1180
7級419
(409)
1000
8級331
(324)
830
9級249
(245)
690
10級190
(187)
550
11級136
(135)
420
12級94
(93)
290
13級57
(57)
180
14級32
(32)
110

※慰謝料の単位:万円
※()内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

たとえば後遺障害12級に認定された場合、後遺障害慰謝料は自賠責基準では94万円(93万円)、弁護士基準では290万円です。

等級にもよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1.6~3.4倍程度高いことがわかります。

後遺障害慰謝料の金額については、こちらの記事『後遺障害慰謝料の適正相場は?逸失利益の計算、示談交渉の流れを解説』もあわせて確認することがおすすめです。
後遺障害が残った場合に後遺障害慰謝料とともに請求できる、逸失利益についても解説しています。

(3)死亡慰謝料の相場

死亡慰謝料は、事故により被害者が亡くなった場合に請求できます。

死亡慰謝料の金額は、亡くなられた方が家族の中でどのような立場であったかによって異なります。

なお、死亡慰謝料には被害者本人に対する金額とご遺族に対する金額があります。
自賠責基準では本人分の金額に、ご遺族の人数に応じた金額を加算しますが、弁護士基準では初めから本人分とご遺族分を合わせた金額が決まっています。

死亡慰謝料の相場

被害者自賠責弁護士
一家の支柱400
(350)
2800
母親・配偶者400
(350)
2500
独身の男女400
(350)
2000

2500
子ども400
(350)
2000

2500
幼児400
(350)
2000

2500
以下は該当する場合のみ
+ 遺族1名550
+ 遺族2名650
+ 遺族3名以上750
+ 被扶養者あり200

※慰謝料の単位:万円
※遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)
※()内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

たとえば4人家族(夫婦・2児)で一家の支柱として家計を支えていた夫が亡くなった場合、死亡慰謝料は自賠責基準では1350万円、弁護士基準では2800万円です。

家族内での立場もよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1000万円程度高いことがわかります。

死亡事故における被害者本人分の損害賠償金は誰がどれくらい受け取るのか、事故後の流れはどうなるのかについては『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』をご覧ください。

慰謝料が高額になった判例を紹介

車と自転車の事故における慰謝料を、裁判例からも確認してみましょう。
損害賠償の金額が億を超えるような高額になったケースをピックアップしました。

損害額1億円超|東京地裁平成25年1月30日判決

事故の概要

信号のない丁字路で自動車が突き当たりを右折する際に右から走行してきた自転車と衝突した事故で、自転車に乗っていた被害者(主婦59歳)が脳挫傷の傷害を負い、後遺障害第1級1号(別表第一)に認定された事例

賠償額の内訳

【損害合計】1億2276万4616円
入通院慰謝料:538万円
後遺障害慰謝料:2400万円

損害額2億円超|千葉地裁松戸支部平成29年9月8日判決

事故の概要

自動車が中央線を逸脱して対向車線に進入し、対向車線を走行していた自転車と衝突した事故で、自転車に乗っていた被害者(社会人男性25歳)が脳震盪・顔面骨折・両側肺挫傷等の傷害を負い、後遺障害第1級1号(別表第一)に認定された事例

賠償額の内訳

【損害合計】2億4171万1528円
入通院慰謝料:318万9000円
後遺障害慰謝料:2800万円

あなたの慰謝料の相場がわかる!簡単計算機

ご自身のケースに即したさらにくわしい慰謝料の相場を確認したい場合は、下記の慰謝料計算機をご利用ください。
治療開始日・終了日や、後遺障害等級、年齢などを入力していただくだけで、簡単に慰謝料の相場を確認することができます。

もし、保険会社から提示されている慰謝料よりも計算された金額が高い場合は、慰謝料に増額の余地があるということです。弁護士に依頼し、慰謝料増額を目指すことをおすすめします。

被害者側が自転車の場合の注意点

車と自転車の事故には、特有の注意点があります。
この章では、自転車が被害者の場合と加害者の場合にわけて、車と自転車の事故で注意すべき点を解説していきます。

被害者側が自転車の場合の注意点としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 自転車も軽車両とみなされる
  2. 判例が少なく過失割合が問題になりやすい
  3. 慰謝料が高額化しやすく、示談交渉でもめやすい

順に詳しく解説していきましょう。

自転車も軽車両とみなされる

自転車は「軽車両」として扱われる乗り物です。運転者に運転免許は必要ありませんが、四輪自動車やバイク等と同様の規定が適用されます。

ただし、自転車の交通方法は法律上特例が定められているので、バイクといった単車よりは有利に扱われることになるでしょう。

バイクよりは有利に扱われるが、歩行者と同程度までに扱われるケースは少ない、と覚えておきましょう。

判例が少なく過失割合が問題になりやすい

車と自転車の事故は、自動車事故に比べて判例が少ないので過失割合が問題になりやすいです。

過失割合は通常、過去の判例を基に作られた事故類型別の「基本の過失割合」に、細かい事故状況を反映させていって決めます。

しかし、車と自転車の事故ではその判例数自体が少ないので、過失割合についてゼロベースから新たに話し合う必要が生じ、争いになるケースがみられるのです。

また、自転車が軽車両という意識が低い人も多く、自転車を利用するときの交通ルールの規範意識が低いために、想像よりも高い過失割合を相手から主張されることがあります。

自分が思っていたよりも過失が高いと相手から主張されても納得できないために、過失割合が争点となることも考えられるでしょう。

慰謝料が高額化しやすく、示談交渉でもめやすい

自転車は子どもから高齢者まで、幅広い年齢層にとって便利な移動手段です。そんな身近な自転車ですが、交通事故にあった時には、自動車と比べて事故の衝撃がそのまま身体に伝わる危険があります。

自動車であれば車体が一定の外圧から守ってくれますが、自転車では直接頭や全身を損傷する可能性が高いのです。

頭部を打ち付けることで脳挫傷を起こしたり、重要な神経が傷つく脊髄損傷が生じたりして、寝たきりや麻痺、高次脳機能障害といった重篤な後遺障害が残る可能性があります。

こうした重度の後遺障害が残ると、以下の関連記事でも解説しているように請求金額が高額化し、加害者側と争いになりやすいです。交渉が長期化すると、被害者本人やご家族に大きな負担となることが多いでしょう。

負担を軽減するため、後遺障害の状況に応じた適切な慰謝料を支払ってもらうために、弁護士に依頼することをおすすめします。

なお、弁護士に相談するタイミングは早ければ早いほどいいです。
なぜなら、早期に相談することで弁護士が力になれることが増えますし、早く依頼したからといって基本的に弁護士費用は変わらないからです。

弁護士に相談するタイミングや頼むべき理由について、詳しくは関連記事をご覧ください。

加害者側が自転車の場合の注意点

加害者側が自転車の場合の注意点としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 加害者(自転車)が保険未加入だと示談交渉が進まない
  2. 慰謝料が支払われないリスクがある
  3. 後遺障害の認定機関が存在しない

順に詳しく解説していきましょう。

加害者(自転車)が保険未加入だと示談交渉が進まない

自動車は自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の加入が法律で義務付けられています。さらに、加入を任意で決められる各保険会社が提供する自動車保険に任意で加入していることが多いです。

したがって、加害者側の任意保険会社に対して損害賠償請求していくことが多いので、示談交渉の相手は保険会社の担当者となります。

一方、自転車保険は一部の自治体においてのみ加入が義務付けられているに留まります。
加入義務がある自治体でも、加入を怠ると条例違反にはなりますが、罰則があるわけではありません。そのため、保険に未加入の方も多いのではないかと思われます。

加害者である自転車側が保険に未加入である場合、被害者と加害者が自ら示談交渉をおこなわなければなりません。

ただでさえ、適正額の慰謝料を算出するためには交通事故の専門知識が必要なのに、事故の当事者だけで示談交渉をすすめていくのはむずかしいと言わざるを得ません。

事故の当事者のみの示談交渉は進まず、解決までに時間がかかってしまうことが予想されます。

なお、当て逃げでそもそも加害者がわからないという場合については、『自転車の当て逃げ犯を特定できる確率は?警察に報告すべき理由3つも』 で解説しているので確認してみてください。

慰謝料が支払われないリスクがある

加害者が自転車保険に加入していないと、加害者本人に対して慰謝料等の損害賠償を請求していくことになります。

相手に資力があれば請求して支払われる可能性がありますが、そもそも資力があるような人は保険に加入していることが多いです。
保険に加入していない相手は支払い能力が見込めない可能性が高いので、相手に請求したところで慰謝料等の損害賠償が支払われないリスクがあります。

事故相手が無保険だった場合の対応については、こちらの記事『事故相手が無保険ならどうする?交通事故の慰謝料請求6つの対応』にて詳しく解説しています。

後遺障害の認定機関が存在しない

加害者側が車の場合は自賠責保険に加入しているので、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)という専門機関が後遺障害の有無や等級を認定します。損害保険料率算出機構は、第三者的な立場から客観的に、後遺障害に関する判断を出す機関です。

一方、加害者側が自転車の場合は、後遺障害を認定する専門機関が存在していません。そのため、被害者は医療記録や資料をもとにして、自ら加害者に対して後遺障害の有無や障害の重さを主張していく必要があります。

専門機関によって後遺障害等級が認定されていれば、後遺障害の有無や程度といった根本的な部分を示談交渉で争うことは基本的にありません。
しかし、加害者が自転車の場合は被害者本人が後遺障害の有無・程度を主張するにすぎないので、加害者側がすんなりと後遺障害について認めてくれるとは限らず、争いになる可能性が高いです。

慰謝料を増額させたいなら弁護士に依頼しよう

車と自転車の事故の慰謝料を増額させたいなら、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士が示談交渉を行えば、適正な過失割合や弁護士基準にもとづいたより高額な慰謝料を主張でき、加害者側に認めてもらえる可能性も高いためです。

この章では、まず慰謝料が増額されるケースと減額されるケースを確認し、なぜ弁護士であれば慰謝料の増額が見込めるかを解説します。

慰謝料が増額・減額されるケース

交通事故の慰謝料等の損害賠償は、一定の基準を用いて算定されています。ただし、基準はあくまで基準でしかないので、事故個別の事情を踏まえて慰謝料を増減したり減額したりしていくことになります。

しかし、たとえ増額につながる事情があっても、加害者側の方から積極的にそれを反映させてくれるとは限りません。
反対に、慰謝料減額につながる事情がある場合には、慰謝料が必要以上に少なくなってしまう可能性があります。

したがって、どのような場合に慰謝料が増額・減額されるのかを知ることは重要です。

慰謝料が増額されるケースと減額されるケースを、それぞれ確認してみましょう。

慰謝料が増額されるケース

  • 加害者側に故意・過失があった
  • 事故後、加害者側に著しく不誠実な対応があった
  • 被害者のケガの部位・程度が大きい
  • 被害者の遺族が精神疾患にかかった

慰謝料が減額されるケース

  • 素因減額
    事故前から持っていた素因(精神的傾向・既往歴等)が事故によって被害が拡大した場合に適用される
  • 損益相殺
    労災保険金や傷病手当金等をすでに受け取っている場合に適用される
  • 過失相殺
    被害者側にも過失がある場合に適用される

このような事情を考慮し、事故の内容・状況に応じた慰謝料が割り出されます。

弁護士を立てれば、適正な過失割合・慰謝料を主張できる

加害者側は任意保険基準の金額を提示してくることが多いです。
また、加害者側から提示される過失割合も、被害者にとって不利なものとなっている可能性があります。

慰謝料は弁護士基準で算定したときにもっとも高額かつ法的に適正な金額になります。
よって、被害者側は、弁護士基準で計算した金額を支払うよう、加害者側に主張していくことになるでしょう。

ところが、被害者自身で正しい慰謝料額や過失割合を提示しても、加害者側の任意保険会社は「このくらいでみなさん納得されています。」「保険会社として支払える上限を提示しています。」などといって、聞き入れてくれないことが多いです。

増額交渉(弁護士なし)

しかし、弁護士が介入すれば、加害者側の任意保険会社は交渉の手間を考えたり、訴訟の可能性を懸念したりして、弁護士基準で計算した金額を認めてくれる可能性が高まります。

また、過失割合についても、弁護士が根拠をもって提示すれば、加害者側が認めてくれる可能性は高くなるでしょう。

弁護士を立てるメリットは他にも多くあるので、ぜひ『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選』の記事もご一読ください。

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交通事故の体験談8選|示談交渉や後遺障害認定の様子、実際の慰謝料額は?』の記事もぜひあわせてご覧ください。

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