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車と自転車の事故|過失割合と慰謝料相場は?被害者が知るべき計算方法

更新日:

自転車と車事故の慰謝料相場

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

車と自転車の事故における慰謝料は、基本的にその他の交通事故と同じように計算されます。

一方、「過失割合でもめやすい」、「相手が自転車の場合は無保険の可能性が高く、損害賠償について問題が起こりやすい」など、車と自転車の事故特有の注意点もあります。

自転車は車道を走ることもできるので、自動車と接触する可能性も高く危険が多いです。
最近では料理の配送サービスの需要増加に伴って、配達員が事故にあうケースも増加傾向にあるようなので、本記事で「車と自転車の事故」についてしっかりと確認していきましょう。

なお、保険会社からすでに慰謝料の提示があるという方は、こちらの計算機を使って出た金額と比べてみることで「慰謝料が正しい金額か」を確認できます。

目次

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車と自転車の事故における慰謝料

車と自転車の事故において請求できる慰謝料は、その他の交通事故の場合と同じです。
具体的にどのような種類があるのか、慰謝料以外の損害賠償金も一緒に確認していきましょう。

車と自転車の事故でも慰謝料は3種類

車と自転車の事故で請求できる慰謝料は、その他の交通事故と同じで3種類あります。

慰謝料の種類

  1. 入通院慰謝料
  2. 後遺障害慰謝料
  3. 死亡慰謝料

上記のうちどの慰謝料を請求できるのかは、事故による怪我の治療にどのくらい期間がかかったか、事故のケガで後遺障害が残ったか、事故によって亡くなられたか、といった状況に応じて決まります。

詳しい計算方法や相場額についてはのちほど解説するので、確認してみてください。

車と自転車の事故でも慰謝料の他に請求できる損害賠償

車と自転車の事故でもらえる慰謝料は、被害者が請求できる損害賠償金の一部にすぎません。

慰謝料の他にも請求できる項目はさまざまで、ケガに対する損害賠償/後遺障害に対する損害賠償/死亡に対する損害賠償の3つに大きく分類できます。

交通事故で請求できる主な項目

損害費目
ケガ治療費
休業損害
入通院慰謝料
入院雑費
通院交通費
後遺障害後遺障害慰謝料
後遺障害逸失利益
死亡死亡慰謝料
死亡逸失利益
葬儀費用

これらはあくまで主な項目なので、個別の損害状況に応じてこの他にも様々な項目を請求することができます。

加害者側が提示してくる損害賠償金の項目に万が一漏れがあった場合は、被害者側から訂正を求めなければいけないので、しっかり確認しておきましょう。

交通事故で得られる損害賠償(示談金)の内訳については、こちらの記事『交通事故の慰謝料は示談金内訳のひとつ!示談金の内訳と慰謝料の増額方法』でも詳しく解説しています。

車と自転車の事故|過失割合で慰謝料が減ることも

交通事故の示談交渉では、慰謝料・損害賠償金の他、「過失割合」についても話し合われます。

過失割合

交通事故が起きた責任が、加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるのか、割合で示したもの。

被害者側にも過失割合が付くと、もらえる慰謝料・損害賠償金が減ってしまいます。
非常に重要な部分なので、車と自転車の事故における慰謝料計算を見ていく前に、過失割合についても理解しておきましょう。

なお、ここで紹介する過失割合はあくまで基本的なものであり、実際には細かい事故状況を反映し、調整がなされます。
厳密な過失割合については、弁護士にお尋ねください。

過失割合が付くとその割合分、慰謝料が減る

交通事故では、被害者側にも過失割合が付くことは珍しくありません。
被害者側にも過失割合が付くと、その割合分もらえる慰謝料・損害賠償金が減額されてしまいます。
これが「過失相殺」です。

たとえば被害者側に2割の過失割合が付いたとすると、もらえる慰謝料・損害賠償金は2割減額されてしまうのです。

過失割合は、事故発生時の状況に応じて決められます。
過失割合の決め方について詳しくは、『交通事故の過失割合は誰が決める?過失割合が決定するまでの流れは?』をご覧ください。

過失割合(1)交差点の出会い頭での、直進車同士の事故

信号のある交差点の場合

信号がある交差点の場合、車と自転車の過失割合は以下の通りです。

車の信号自転車の信号過失割合*
100:0
90:10
70:30
40:60
20:80

*車:自転車

信号がない交差点の場合

信号がない交差点では、道路の状況によって過失割合が以下のように変わります。
なお、過失割合は「車:自転車」で表します。

  • 道幅
    • 双方同程度の道幅=80:20
    • 車側の道幅が広い=70:30
    • 自転車側の道幅が広い=90:10
  • 一時停止規制
    • 車側にあり=90:10
    • 自転車側にあり=60:40
  • 一方が優先道路
    • 車側が優先道路=50:50
    • 自転車側が優先道路=90:10
  • 一方が一方通行違反
    • 車側が違反=90:10
    • 自転車側が違反=50:50

過失割合(2)交差点での、右折車と直進車の事故

信号のない、互いの道幅が同程度の交差点における右折車と直進車の事故では、過失割合は以下の通りです。

互いに対向車線から交差点に進入した場合

自転車過失割合*
右折直進90:10
直進右折50:50

*車:自転車

右折車と交差道路からの直進車が出合い頭で衝突した場合

自転車過失割合*
右折直進80:20
直進右折70:30

*車:自転車

過失割合(3)横断歩道での事故

横断歩道を渡っていた自転車と、横断歩道を通過する車とが衝突した場合、過失割合は以下の通りです。

車が直進で横断歩道に進入した場合

車の信号自転車の信号過失割合*
100:0
青点滅90:10
75:25
45:55
25:75

*車:自転車

車が右折で横断歩道に進入した場合

車の信号自転車の信号過失割合*
90:10
40:60

*車:自転車

過失割合(4)進路変更時の事故

進路変更しようとした前方車と後続車が衝突した場合、過失割合は以下の通りです。
過失割合は、車:自転車で表します。

  • 車側が進路変更=90:10
  • 自転車側が進路変更=80:20
  • 自転車側が進路変更(障害物をよけるため)=90:10

相手方が主張する過失割合が正しいとは限らない

過失割合は、示談交渉の際に相手方任意保険会社が算定して提示してくれます。
しかし、過失相殺による減額を大きくするため、あえて被害者側の過失割合を多めに見積もっていることもあるので、鵜呑みにするのはお勧めしません。

また、ここでは基本的な過失割合を紹介しましたが、実際には他にもさまざまな状況を考慮して、過失割合を修正していく必要があります。

本当に正しい過失割合の算定は、これまでの判例や過失割合に関する知識がなければ難しいので、一度弁護士に相談してみることが一番です。
アトム法律事務所では、無料で電話・LINE相談を行っております。

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車と自転車の事故|慰謝料相場・計算方法は?

車と自転車の事故における慰謝料の計算方法は、その他の交通事故と同じです。
慰謝料の算定では「自賠責基準・任意保険基準・弁護基準」のうちいずれかの算定基準が用いられ、基準ごとに割り出される金額が異なります。

ここからは、その3つの基準に基づいた、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の計算方法を紹介していきます。

慰謝料算定に用いられる3基準
  • 自賠責基準
    交通事故被害者に補償される最低限の金額がわかる
  • 任意保険基準
    相手方保険会社が示談交渉で提示してくる金額がわかる
  • 弁護士基準
    過去の判例に基づいた相場額がわかる
    3基準の中でもっとも高額
慰謝料金額相場の3基準比較

なお、本来なら裁判を起こさないと得られない弁護士基準に基づく慰謝料額は、弁護士を立てれば示談交渉段階で獲得が見込めます。弁護士へのご依頼をご検討の方は、アトム法律事務所の無料相談をまずはご利用ください。

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関連記事『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』では、慰謝料が相場以上に増額されるケースや実際の事例について紹介しています。あわせてご覧ください。

入通院慰謝料|ケガの入通院による慰謝料の計算

入通院慰謝料とは、交通事故で負ったケガの治療で受けた精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

自賠責基準では計算式を用いて入通院慰謝料を計算します。任意保険基準と弁護士基準はそれぞれが持つ算定表を用いて入通院慰謝料を計算します。

ここからは、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の順番で入通院慰謝料の計算方法を見ていきましょう。

自賠責基準の入通院慰謝料

自賠責基準の入通院慰謝料は、1日あたりの日額が決められています。したがって、入通院慰謝料の対象となる日数がどのくらいの期間になるかで金額が変わってきます。

計算式

4300円 × 対象日数

「対象日数」は次のうちいずれか短い方を採用します。

  • 治療期間
  • 実際の治療日数×2

※治療期間とは、一番最初に病院を受診した日~治療終了までの期間をさします。

※2020年3月31日以前発生の事故は4200円

では、実際の計算例を見てみましょう。

例|治療期間30日のうち実際の治療日数13日の場合

実際の治療日数の13日を2倍すると26日で、治療期間である30日より短くなります。よって、入通院慰謝料の対象となる26日に日額をかけると、自賠責基準の金額がわかります。

30日>26日(=13日×2)
4300円×26日=11万1800円

ただし、自賠責保険が負担する損害賠償は120万円が上限です。損害賠償額が120万円を超えてしまった場合は、相手方の任意保険会社に請求していくことになります。

自賠責保険の上限額については『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説』の記事で確認可能です。

任意保険基準の入通院慰謝料

任意保険基準の入通院慰謝料は、通院と入院の期間ごとに金額が決められています。算定表にまとめられているので、表を確認するだけで慰謝料の金額がわかります。

もっとも、任意保険基準は各保険会社ごとに設定されており、非公開です。ここでは、保険会社がかつて共通で使用していた旧任意保険支払基準を紹介します。金額の目安程度にご覧ください。

任意保険基準の入通院慰謝料算定表

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料
旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

表の見方

  • 通院期間がたて列、入院期間がよこ列
  • 通院と入院がある場合、それぞれの該当する月が交差する箇所
  • 月数は「ひと月30日」
  • ひと月30日に満たない端数日数がある場合、端数日数が属する月とその前月の差額を日額に換算する

例1|通院1ヶ月の場合
通院なので、たて列1月の12.6万円となります。

例2|通院3ヶ月、入院1ヶ月の場合
通院3ヶ月と入院1ヶ月なので、交差する箇所の60.5万円となります。

例3|通院35日、入院1ヶ月の場合
通院35日を月数に換算すると1月と5日です。5日が属する月は2月なので、前月の1月との差額を出して端数日数の5日で割ります。
(25.2万円-12.6万円)×5/30日=2.1万円
5日2.1万円と通院1月と入院1ヶ月の交差する箇所の37.8万円を合計します。
【合計】39.9万円=2.1万円+37.8万円

弁護士基準の入通院慰謝料

弁護士基準の入通院慰謝料は、通院と入院の期間ごとに金額が決められています。算定表にまとめられているので、表を確認するだけで慰謝料の金額がわかります。

もっとも、算定表は軽傷用と重傷用の2通りあり、ケガの状況に応じて使い分けられているので注意が必要です。

弁護士基準の入通院慰謝料算定表(軽傷)

こちらの軽傷用の表は、むちうち、打撲、すり傷などのケガで用います。

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

弁護士基準の入通院慰謝料算定表(重傷)

こちらの重傷用の表は、むちうち、打撲、すり傷など以外のケガで用います。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

表の見方

  • 通院期間がたて列、入院期間がよこ列
  • 通院と入院がある場合、それぞれの該当する月が交差する箇所
  • 月数は「ひと月30日」
  • 入院の待機期間、ギプス固定等による自宅での療養期間は入院期間となることがある
  • ひと月30日に満たない端数日数がある場合、端数日数が属する月とその前月の差額を日額に換算する

例1|通院1ヶ月(軽傷)の場合
軽傷の通院なので、軽傷用の算定表のたて列1月の19万円となります。

例2|通院3ヶ月、入院1ヶ月(重傷)の場合
重傷の通院3ヶ月と入院1ヶ月なので、重傷用の算定表の交差する箇所の115万円となります。

例3|通院35日、入院1ヶ月(重傷)の場合
通院35日を月数に換算すると1月と5日です。5日が属する月は2月なので、前月の1月との差額を出して端数日数の5日で割ります。
(98万円-77万円)×5/30日=3.5万円
5日3.5万円と通院1月と入院1ヶ月の交差する箇所の77万円を合計します。
【合計】80.5万円=3.5万円+77万円

なお、入通院慰謝料に関しては、通院が月15日未満だと日額が8600円になる、といった勘違いも多いですが、これは間違いです。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。

入通院慰謝料の早見表|通院1ヶ月~6ヶ月

通院1ヶ月~6ヶ月の場合における入通院慰謝料の早見表もご用意しています。3基準を比較してみることができるので、ご確認ください。

基準別|入通院慰謝料額(通院1ヶ月~6ヶ月)

通院期間自賠責任意保険弁護士
1ヶ月12.912.628
(19)
2ヶ月25.825.252
(36)
3ヶ月38.737.873
(53)
4ヶ月51.647.990
(67)
5ヶ月64.556.7105
(79)
6ヶ月77.464.3116
(89)

※慰謝料の単位:万円
※自賠責基準は2020年4月以降発生の事故とし、ひと月半分以上の通院を想定
※任意保険基準は旧任意保険支払基準から作成
※弁護士基準の(  )内はむちうち等の軽傷用

通院期間にもよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1.5~2.1倍程度高いことがわかります。

後遺障害慰謝料|後遺症が残ったことによる慰謝料の計算

後遺障害慰謝料とは、交通事故によって後遺障害が残ったことで受けた精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

後遺障害は障害の程度ごと1~14級の後遺障害等級に分けられ、等級に応じて以下のように後遺障害慰謝料が設定されています。

なお、任意保険基準における金額は各社で異なり非公開なので、下表では省略しています。

基準別|後遺障害慰謝料額

等級 自賠責弁護士
要介護
1級
1650
(1600)
2800
要介護
2級
1203
(1163)
2370
1級1150
(1100)
2800
2級998
(958)
2370
3級861
(829)
1990
4級737
(712)
1670
5級618
(599)
1400
6級512
(498)
1180
7級419
(409)
1000
8級331
(324)
830
9級249
(245)
690
10級190
(187)
550
11級136
(135)
420
12級94
(93)
290
13級57
(57)
180
14級32
(32)
110

※慰謝料の単位:万円
※( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

たとえば後遺障害12級に認定された場合、後遺障害慰謝料は自賠責基準では94万円(93万円)、弁護士基準では290万円です。

等級にもよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1.6~3.4倍程度高いことがわかります。

後遺障害慰謝料の金額については、こちらの記事『後遺障害慰謝料の適正相場は?逸失利益の計算、示談交渉の流れを解説』もあわせて確認することがおすすめです。
後遺障害が残った場合に後遺障害慰謝料とともに請求できる、逸失利益についても解説しています。

車と自転車の事故は重大な後遺障害のリスクがある

自転車は子どもから高齢者まで、幅広い年齢層にとって便利な移動手段です。そんな身近な自転車ですが、交通事故にあった時には、自動車と比べて事故の衝撃がそのまま身体に伝わる危険があります。

自動車であれば車体が一定の外圧から守ってくれますが、自転車では直接頭や全身を損傷する可能性が高いのです。

頭部を打ち付けることで脳挫傷を起こしたり、重要な神経が傷つく脊髄損傷が生じたりして、寝たきりや麻痺、高次脳機能障害といった重篤な後遺障害が身体に残る可能性があります。

こうした重度の後遺障害が残ると、以下の関連記事でも解説しているように請求金額が高額化し、相手方と争いにもなりやすいです。

交渉が長期化し、被害者本人やご家族に大きな負担となるでしょう。弁護士によるサポートを早急に検討してください。

弁護士に相談するタイミングは早ければ早いほどいいです。なぜなら、早期に相談することで弁護士が力になれることが増えますし、早く依頼したからといって基本的に弁護士費用は変わらないからです。弁護士に相談するタイミングや頼むべき理由について、詳しくは関連記事をご覧ください。

死亡慰謝料|亡くなったことによる慰謝料の計算

死亡慰謝料とは、交通事故によって亡くなられたことで受けた精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。
金額は、亡くなられた方が家族の中でどのような立場であったかによって異なります。

なお、死亡慰謝料には被害者本人に対する金額とご遺族に対する金額があります。
自賠責基準では本人分の金額に、ご遺族の人数に応じた金額を加算しますが、弁護士基準では初めから本人分とご遺族分を合わせた金額が決まっています。

基準別|死亡慰謝料額

被害者自賠責弁護士
一家の支柱400
(350)
2800
母親・配偶者400
(350)
2500
独身の男女400
(350)
2000

2500
子ども400
(350)
2000

2500
幼児400
(350)
2000

2500
以下は該当する場合のみ
+ 遺族1名550
+ 遺族2名650
+ 遺族3名以上750
+ 被扶養者あり200

※慰謝料の単位:万円
※遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)
※( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用

たとえば4人家族(夫婦・2児)で一家の支柱として家計を支えていた夫が亡くなった場合、死亡慰謝料は自賠責基準では1350万円、弁護士基準では2800万円です。

家族内での立場もよりますが、自賠責基準と弁護士基準を比べると、弁護士基準の方が1000万円程度高いことがわかります。

死亡事故における被害者本人分の損害賠償金は誰がどれくらい受け取るのか、事故後の流れはどうなるのかについては『死亡事故の慰謝料相場はいくら?遺族が請求すべき損害賠償金の解説』をご覧ください。

車と自転車の事故における特徴|裁判例2選も紹介

車と自転車の事故では、体がむき出している自転車の方がケガが重くなりがちなので、自転車の方が被害者とみられることが多いです。しかし、すでに本記事内でも紹介した通り、過失は車と自転車の双方にあるケースがほとんどです。

被害者側が自転車の場合と加害者側が自転車の場合、それぞれの視点から「車と自転車の事故」の特徴をつかんできたいと思います。また、裁判例を通して、他の自動車事故との違いはあるのか見ていきます。

被害者側が自転車の場合における特徴

被害者側が自転車の場合、自転車は軽車両として扱われますが、判例が少ないので過失割合が問題となって争いになりやすい特徴があります。

自転車も軽車両とみなされる

自転車は「軽車両」として扱われる乗り物です。運転者に運転免許は必要ありませんが、四輪自動車やバイク等と同様の規定が適用されます。

ただし、自転車の交通方法は法律上特例が定められているので、バイクといった単車よりは有利に扱われることになるでしょう。

バイクよりは有利に扱われるが、歩行者と同程度までに扱われるケースは少ない、と覚えておきましょう。

判例が少なく過失割合が問題になりやすい

車と自転車の事故は、自動車事故に比べて判例が少ないので過失割合が問題になりやすいです。

過失割合は通常、過去の判例を基に作られた事故類型別の「基本の過失割合」に、細かい事故状況を反映させていって決めます。

しかし、車と自転車の事故ではその判例数自体が少ないので、過失割合についてゼロベースから新たに話し合う必要が生じ、争いになるケースがみられるのです。

また、自転車が軽車両という意識が低い人も多く、自転車を利用するときの交通ルールの規範意識が低いために、想像よりも高い過失割合を相手から主張されることがあります。

自分が思っていたよりも過失が高いと相手から主張されても納得できないために、過失割合が争点となることも考えられるでしょう。

加害者側が自転車の場合における特徴

加害者側が自転車の場合、保険未加入のため示談交渉が進まなかったり、慰謝料等の損害賠償が支払われなかったり、後遺障害の認定に関して問題が起きたりするという特徴があります。

なお、自転車に乗った加害者が逃げて行った「当て逃げ事故」の場合については、『自転車の当て逃げ犯を特定できる確率は?警察に報告すべき理由3つも』で解説しています。

加害者(自転車)が保険未加入で示談交渉が進まない

自動車は自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の加入が法律で義務付けられています。さらに、加入を任意で決められる各保険会社が提供する自動車保険に任意で加入していることが多いです。

したがって、加害者側の保険会社に対して損害賠償請求していくことが多いので、示談交渉の相手は保険会社の担当者となります。

一方、自転車保険は一部の自治体においてのみ加入が義務付けられているに留まります。加入義務がある自治体で加入を怠ると条例違反にあたりますが、加入していないからといって罰則があるわけではありません。そのため、保険に未加入の方も多いのではないかと思われます。

加害者である自転車側が保険に未加入である場合、被害者と加害者が自ら示談交渉をおこなわなければなりません。

ただでさえ、適正額の慰謝料を算出するためには交通事故の専門知識が必要なのに、事故の当事者だけで示談交渉をすすめていくのはむずかしいと言わざるを得ません。

事故の当事者のみの示談交渉は進まず、解決までに時間がかかってしまうことが予想されます。

慰謝料が支払われないリスクがある

加害者が自転車保険に加入していないと、加害者本人に対して慰謝料等の損害賠償を請求していくことになります。

相手に資力があれば請求して支払われる可能性がありますが、そもそも資力があるような人は保険に加入していることが多いです。
保険に加入していない相手は支払い能力が見込めない可能性が高いので、相手に請求したところで慰謝料等の損害賠償が支払われないリスクがあります。

事故相手が無保険だった場合の対応については、こちらの記事『事故相手が無保険ならどうする?交通事故の慰謝料請求6つの対応』にて詳しく解説しています。

後遺障害の認定機関が存在しない

加害者側が車の場合は自賠責保険に加入しているので、損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)という専門機関が後遺障害の有無や等級を認定します。損害保険料率算出機構は、第三者的な立場から客観的に、後遺障害に関する判断を出す機関です。

一方、加害者側が自転車の場合は、後遺障害を認定する専門機関が存在していません。そのため、被害者は医療記録や資料をもとにして、自ら加害者に対して後遺障害の有無や障害の重さを主張していく必要があります。

専門機関によって後遺障害等級が認定されていれば、後遺障害の有無や程度といった根本的な部分を示談交渉で争うことは基本的にありません。
しかし、加害者が自転車の場合は被害者本人が後遺障害の有無・程度を主張するにすぎないので、加害者側がすんなりと後遺障害について認めてくれるとは限らず、争いになる可能性が高いです。

車と自転車の事故についての裁判例

車と自転車の事故について、裁判例を2つ紹介します。損害賠償の金額が億を超えるような高額ケースをピックアップしました。

損害額1億円超|東京地裁平成25年1月30日判決

事故の概要

信号のない丁字路で自動車が突き当たりを右折する際に右から走行してきた自転車と衝突した事故で、自転車に乗っていた被害者(主婦59歳)が脳挫傷の傷害を負い、後遺障害第1級1号(別表第一)に認定された事例

賠償額の内訳

【損害合計】1億2276万4616円
入通院慰謝料:538万円
後遺障害慰謝料:2400万円

損害額2億円超|千葉地裁松戸支部平成29年9月8日判決

事故の概要

自動車が中央線を逸脱して対向車線に進入し、対向車線を走行していた自転車と衝突した事故で、自転車に乗っていた被害者(社会人男性25歳)が脳震盪・顔面骨折・両側肺挫傷等の傷害を負い、後遺障害第1級1号(別表第一)に認定された事例

賠償額の内訳

【損害合計】2億4171万1528円
入通院慰謝料:318万9000円
後遺障害慰謝料:2800万円

自転車事故の賠償金については、こちらの記事『自転車事故の賠償金|最高額は?自転車保険の加入は必要?』で詳しく解説しています。

慰謝料受け取りまでの流れと増額させるポイント

車と自転車の事故における、慰謝料を受け取るまでの流れと増額ポイントを解説していきます。
損害賠償請求権には時効がある、相場よりも慰謝料が増額・減額されるケースがあるなど重要な内容を解説していくので、しっかり確認していきましょう。

慰謝料はいつ受け取れる?事故~示談成立の流れ

示談金の受け取りまでの流れ

慰謝料等の損害賠償金(示談金)を受け取ることができるようになるのは、示談交渉を行い、示談成立となった後のタイミングが基本です。

慰謝料受け取りまでの流れは、事故によるケガが完治した場合と完治しなかった場合に大きく分けられます。

ケガが完治した場合は治療が終了した時点で示談交渉に入ることができます。治療が終了すると、治療費や治療日数が確定するためです。

一方、ケガが完治しなかった場合は医師が症状固定と判断したあとで後遺障害の申請手続きに進みます。後遺障害の有無や等級で慰謝料等の金額が決まるので、後遺障害の結果が出た時点で示談交渉に入ることになります。

慰謝料請求の時効に注意

交通事故の慰謝料等を請求する権利には、一定期間の時効が存在します。2020年4月1日以降に発生した交通事故では、原則的に5年の時効が設けられています。

時効の起算点は慰謝料の種類によって異なり、以下の通りです。

時効|2020年4月1日以降発生の事故

入通院慰謝料事故日から5年
後遺障害慰謝料症状固定日から5年
死亡慰謝料死亡日から5年

ただし、保険会社への請求は「3年」なので注意が必要です。

慰謝料の増額実現|納得いく金額にするポイント

交通事故の慰謝料等の損害賠償は、一定の基準を用いて算定されています。しかし、基準はあくまで基準でしかないので、事故個別の内容や状況を踏まえて慰謝料を増減したり減額したりしていくことになります。

慰謝料の増額/減額されるケース

どのような場合に慰謝料が増額されたり、減額されたりするのかみていきます。

慰謝料増額ケース

  • 加害者側に故意・過失があった
  • 事故後、加害者側に著しく不誠実な対応があった
  • 被害者のケガの部位・程度が大きい
  • 被害者の遺族が精神疾患にかかった

慰謝料減額ケース

  • 素因減額
    事故前から持っていた素因(精神的傾向・既往歴等)が事故によって被害が拡大した場合に適用される
  • 損益相殺
    労災保険金や傷病手当金等をすでに受け取っている場合に適用される
  • 過失相殺
    被害者側にも過失がある場合に適用される

このような事情を考慮し、事故の内容・状況に応じた慰謝料が割り出されます。

車と自転車の事故は弁護士への依頼がおすすめ

自転車事故によるケガの治療を受けながら事故前と同じように仕事や家事を続けているという方は、お忙しい毎日を送られていることと思います。

多忙な中での示談交渉は、交渉に不慣れでストレスを感じるのはもちろんのこと、慰謝料の適正な金額がわからず不安になったり、なかなか話し合いが進まず焦りがでたりするものです。

このようなお悩みをお持ちなら、今すぐ弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。

弁護士をすすめする理由

  • 示談交渉を弁護士に任せることでストレスから解放される
  • 適切な後遺障害等級が認定される
  • 弁護士基準により慰謝料が増額される

弁護士をおすすめする理由を一つずつ見ていきます。

示談交渉を弁護士に任せてストレスから解放

車と自転車の事故では、加害者が保険未加入の場合、事故の当事者同士で示談交渉を進めなければならない可能性があります。

事故の専門知識を有さない者同士の話し合いは終着点が見えにくいです。なかなか示談交渉が進まず、解決までに時間がかかってしまう等も予想されます。

一方、相手が保険に加入していた場合でも、示談交渉にストレスはつきものです。
相手が保険に入っていると、示談の相手は相手方保険会社の担当者となります。

保険会社の担当者は事故の専門知識を有しているので、専門用語等を駆使して話をむずかしくして来るなどして、言われるがままに納得いかない金額で示談を締結してしまう可能性があります。

弁護士に依頼すれば、示談交渉に関わるすべてを一任することができます。進まない示談交渉のイライラからも、不安を抱えたまま示談交渉が進んでしまうストレスからも解放されます。

適切な後遺障害等級が認定される

加害者側が自転車だった場合、後遺障害を認定する専門機関がありません。専門機関がある自動車事故に比べると、自転車事故では後遺障害の認定がむずかしいと言われています。

弁護士に依頼すれば、後遺障害認定の専門機関がないような場合でも必要な書類を集めて後遺障害の存在を証明し、相当する後遺障害等級を主張することが可能です。

加害者側が車だった場合でも、後遺障害の等級認定を受けるためには十分な資料を集めたり、資料の記載内容をブラッシュアップさせたりすることが必要で、後遺障害に関する知識が求められます。

後遺障害に関する知識が豊富な弁護士に依頼することが重要です。

弁護士基準により慰謝料が増額

慰謝料は弁護士基準による算定が最も適切な金額となります。しかし、弁護士基準による算定を実現できるのは弁護士が示談交渉に介入した場合にかぎられると言えます。

保険会社の担当者が示談交渉相手となる場合、担当者は「このくらいの金額でみなさん納得されています。」「保険会社として支払える上限を提示しています。」等といって、適正な金額よりも相当低い金額を提示してきていることも多いです。

弁護士なしで「弁護士基準の金額まで上げてほしい」と交渉しても、保険会社が聞き入れてくれることはほぼありません。

しかし、弁護士が介入すれば、相手方保険会社は交渉の手間を考えたり、訴訟の可能性を懸念したりして、弁護士基準を認めてくれる可能性が高まります。

相手が保険未加入の場合はそもそも適正額がわからないことも

事故相手が保険に未加入で、事故の当事者同士で示談交渉をする場合は、弁護士基準どうこうの話の前に適正な金額、請求できる項目などわからないことだらけだと思います。

弁護士が介入することで、漏れのない適正な金額の損害賠償を請求することができます。

アトム法律事務所は無料で電話・LINE相談ができる

アトム法律事務所は交通事故の被害者の方を対象に無料相談を実施しています。相談の受け付けは24時間365日年中無休です。

相談料は無料なので、治療に関する不安なこと、慰謝料の金額のこと、過失割合のこと等なんでも弁護士に聞いてみてください。アトム法律事務所の弁護士は交通事故案件の経験が豊富です。気軽にお問い合わせください。

事故の当事者同士で話が進まない、保険会社の担当者とのやり取りに疲れた、という方はぜひご利用ください。お問い合わせお待ちしております。

アトム法律事務所の弁護士にご依頼いただいたことで保険会社との示談交渉のストレスから解放された実例や増額した事例などについては、こちらの関連記事『交通事故の体験談8選|示談交渉や後遺障害認定の様子』でも確認いただけます。ぜひあわせてご覧ください。

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まとめ

  • 自転車事故でも交通事故の場合と同じように慰謝料は計算される
  • 最も高い金額の慰謝料が得られるのは弁護士基準による算定が実現したとき
  • 自転車事故は判例が少ないので過失割合が争いになりやすい
  • 加害者側が自転車の場合、無保険であることが多いので示談交渉を事故の当事者同士で行わなければならないことがある
  • 加害者側が自転車の場合、後遺障害を認定する専門機関がないので後遺障害について争いになりやすい

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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