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交通事故で骨折したときの慰謝料はいくらもらえる?認定される後遺障害も解説

更新日:

骨折部位別症状と後遺障害等級

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故に遭うと、以下のような骨折を負うことがあります。

  • 頭蓋骨骨折
  • 頸椎・胸椎・腰椎骨折
  • 鎖骨骨折
  • 上腕骨骨折
  • 橈骨・尺骨骨折
  • 手指の骨折
  • 肋骨骨折
  • 骨盤骨折
  • 大腿骨骨折
  • 腓骨・脛骨骨折

これから各骨折の症状や残存しうる後遺障害、適切な慰謝料をもらうための方法などについて解説していくので、しっかりと知識を身に着け、交通事故の賠償問題で損をしないようにしましょう。

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適切な慰謝料をもらうための通院方法

事故直後は必ず病院で診断してもらう

交通事故で骨折した場合、すぐに整形外科へ行って診断してもらいましょう。

事故直後は興奮のせいであまり痛みを感じないこともあるため、必ず事故に遭った当日中に診断してもらうことをおすすめします。

骨折しておらず、ただのむちうちや捻挫だったとしても治療先は整形外科になるので、「事故後はまず整形外科へ行く」と覚えていても良いでしょう。

ただし、頭部を強く打って頭蓋骨を骨折してしまっている場合や、脊椎骨折で脊髄を損傷してしまっている場合などは脳神経外科でも診断してもらうことをおすすめします。

脳神経外科なら頭部のCT・MRIなどを撮影して脳内の異常を正確に把握することが可能なので、被害者の方にとって適切な治療を受けやすくなります。

痛むなら通院は続ける

ある程度通院して痛みが引いてきても、自分の判断で通院をやめることは好ましくありません。

少なくとも、医師から完治症状固定と判断されるまでは通院を続けることをおすすめします。

なぜ自分の判断で通院をやめないほうが良いのかというと、以下のような理由のためです。

自己判断しないほうが良い理由

  • 本来受けるはずだった治療を受けずに途中で通院をやめてしまうと後遺症が残るかもしれないため
  • 通院日数が少なくなると相手方に請求できる入通院慰謝料が減額される可能性があるため

十分な治療を受けてしっかりとケガを直し、適切な慰謝料を受け取るためにも、痛みが続くようなら通院をし続けるようにしましょう。

関連記事では、通院日数が少ない場合の慰謝料請求について解説しています。

通院費の打ち切りを打診されたときの対処法

通常、交通事故における治療費の支払いは被害者本人ではなく、相手方の任意保険会社が行います。これを一括対応といいます。

しかし、交通事故の入通院を始めてから3~6ヶ月ほど経ったとき、相手方の任意保険会社から治療費支払いの打ち切りを打診されることがあります。

「症状もだいぶ回復されたようですし、そろそろ治療を終えてもよろしいのではないでしょうか」
「このケガなら通常は6ヶ月もあれば回復するので、来月から治療費の支払いを打ち切りします」

打ち切りの通達がなされた場合でも、必ずしも素直に応じる必要はありません

打ち切りを宣告された場合の対応の流れと対処法

打ち切りの場合の流れ

相手方の任意保険会社から治療費の打ち切りを打診された際、いきなりのことで冷静な対応をしづらい場合もあるかと思います。

打ち切りを打診されたとき、まずは主治医に治療継続の必要性を確認しましょう。
症状固定時期まであと○ヶ月なので、それまでは通院を続けて治療を受ける必要がある、と主治医が判断すれば、治療費の支払いを継続してもらうよう相手方の任意保険会社に交渉することが可能です。

ただ、主治医が提示した症状固定時期を超えてもまだ痛みが残っていることもありえます。症状固定時期を超えても痛みがある場合、被害者の方は健康保険を利用しつつ、自費で通院を継続し、自分で立て替えた治療費を後で相手方の任意保険会社に請求することが可能です。

ご自身のみで相手方の任意保険会社に治療がまだ必要な旨を説明するといった打ち切り宣言に対する対応をとるのが不安だという場合は、交通事故案件の経験豊富な弁護士事務所に今後の対応について相談してみることをおすすめします。

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アトム法律事務所にご相談いただければ適切な慰謝料金額をもらうための方法などをアドバイスできる可能性があるため、お悩みの事故被害者の方はぜひお気軽にご相談ください。

また、交通事故の治療費打ち切りへの対応については、関連記事でも説明しています。あわせてお役立てください。

骨折の慰謝料の計算方法

入通院慰謝料と後遺障害慰謝料とは

交通事故で骨折などを負った場合、治療費などの実費はもちろんですが、慰謝料も請求することが可能です。

交通事故示談金の内訳

交通事故における慰謝料には大きく分けて入通院慰謝料後遺障害慰謝料の2つがあります。

入通院慰謝料

交通事故で負ったケガのせいで精神的損害を金銭的価値に置き換えたもの。

後遺障害慰謝料

自賠責保険から後遺障害等級が認定された際に支払われる慰謝料のこと。
等級は1~14級の14段階に分かれている。

交通事故に遭うと、本来は経験することはなかった苦痛を経験してしまうことになります。
この苦痛を金銭的に補償するために支払われるお金が「入通院慰謝料」です。

後遺障害慰謝料は後遺障害等級が認定された場合に支払われる慰謝料ですが、等級認定の申請方法は事前認定と被害者請求の2種類あり、おすすめなのは被害者側で入念に準備できる被害者請求です。

弁護士基準・任意保険基準・自賠責基準の3つの計算基準とは

交通事故の慰謝料を計算する際、計算に用いる基準は3つあります。

慰謝料金額相場の3基準比較

弁護士基準・任意保険基準・自賠責基準の3つで、金額の多寡は弁護士基準>任意保険基準>自賠責基準の順に高額です。

弁護士基準

過去の判例に基づいて定められた計算基準。
裁判基準ともいう。3つの基準の中では最も高額な慰謝料額になる。

任意保険基準

任意保険会社によって独自に定められた計算基準。
具体的な計算内容は各社次第だが、通常は自賠責基準と同程度~少し高額な慰謝料金額になる。

自賠責基準

車両の保有者に加入が義務づけられている自賠責保険で定められている計算基準。
人身事故に対して最低限の補償を行うことを目的としているため、自賠責基準で算出される慰謝料金額は他の基準と比べて低額になる。

上記3つの計算基準ですが、弁護士に交渉を依頼した場合は弁護士基準の慰謝料を支払ってもらえる可能性が高まります。

相手方の任意保険会社は「交渉相手が弁護士資格を持っているか否か」で態度を変えてくることが多いため、高額な慰謝料を受け取りたい場合は弁護士に依頼することをおすすめします。

被害者側の任意保険に弁護士費用特約が付いていれば費用負担なしで弁護士に依頼することも可能です。

また、弁護士費用特約が付いていない場合でも、弁護士に相談をすれば費用倒れが生じないかどうか確認することも可能です。

骨折で3ヶ月入通院した場合の慰謝料はいくら?

では、仮に交通事故の骨折で3ヶ月ほど入通院することになった場合、慰謝料はいくら請求することができるのでしょうか。

実際に弁護士基準と自賠責基準で入通院慰謝料を計算してみましょう。

骨折で3ヶ月入通院したときの入通院慰謝料(弁護士基準)

0123
0053101145
12877122162
25298139177
373115154188

※縦は通院月数、横は入院月数、慰謝料の単位は万円

上記の表より、たとえば1ヶ月入院して2ヶ月通院したような場合だと、98万円の入通院慰謝料を請求できることがわかります。
ったく入院せずに3ヶ月通院しただけなら73万円の入通院慰謝料を請求することが可能です。

交通事故の慰謝料を弁護士基準で計算した場合にいくらになるのかは、慰謝料計算機を使えばすぐにわかります。簡単に使える自動計算ツールで、慰謝料の目安を知っておきましょう。

慰謝料の計算方法について、詳しく知りたい方は、関連記事『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』を参照してください。慰謝料がどのように計算されるのか、計算の仕組みがわかります。

骨折で3ヶ月入通院したときの入通院慰謝料(自賠責基準)

自賠責基準で計算する場合、2020年4月1日以降に発生した交通事故では、1日あたり4,300円の入通院慰謝料が支払われます。

通常、自賠責基準の入通院慰謝料は1日あたり4,300円×実治療日数×2で算出されます。
しかし、総治療日数が実治療日数×2を下回る場合、総治療日数を限度として入通院慰謝料が算出されます。

実治療日数

実際に入通院した日数のこと

総治療日数

初めて受診した日から治療を終えるまでにかかった総日数のこと

よって、たとえば骨折の実治療日数が45日で、総治療日数が90日の場合だと、自賠責基準の入通院慰謝料は4,300円×90日=387,000円となります。

【まとめ】弁護士基準と自賠責基準の慰謝料の差

上で解説した骨折の慰謝料をまとめた表が以下です。

弁護士基準と自賠責基準の慰謝料

条件慰謝料
弁護士基準
1ヶ月入院、2ヶ月通院
98万円
弁護士基準
3ヶ月通院
73万円
自賠責基準
実治療日数45日、総治療日数90日
38.7万円

上記の表より、弁護士基準で入通院慰謝料を請求した場合、自賠責基準の2倍近くの金額を支払ってもらえる可能性があることがわかります。

また、骨折後の骨がゆがんだ状態で固定してしまった、痛みやしびれが身体に残った、などの症状が残存した場合、後遺障害等級が認定されれば等級ごとの後遺障害慰謝料も請求することが可能です。

後遺障害慰謝料にも弁護士基準・任意保険基準・自賠責基準の3つの計算基準があります。
こちらも入通院慰謝料と同様に、弁護士基準で最も高額な金額が算出されます。
そのため、適切な金額の補償を受けたい、相手から提示された金額から増額したい、などの要望をお持ちの方はぜひ弁護士への相談をご検討ください。

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後遺障害慰謝料の相場を解説

また、前述した通り、骨折後に後遺障害等級が認定された場合は入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料も相手方に請求することが可能です。

一般的な後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。

後遺障害慰謝料の相場(弁護士基準)

等級慰謝料
1級2,800万円
2級2,370万円
3級1,990万円
4級1,670万円
5級1,400万円
6級1,180万円
7級1,000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円

後遺障害慰謝料の相場(自賠責基準)

等級慰謝料
1級
(要介護)
1,650万円
(1,850万円)
2級
(要介護)
1,203万円
(1,373万円)
1級1,150万円
(1,350万円)
2級998万円
(1,168万円)
3級831万円
(1,005万円)
4級737万円
5級618万円
6級512万円
7級419万円
8級331万円
9級249万円
10級190万円
11級136万円
12級94万円
13級57万円
14級32万円

* ( )内は、被害者に被扶養者がいるときの金額
* 2020年4月1日よりも前に発生した交通事故の場合、自賠責基準の1級~12級の後遺障害慰謝料は上記表とは異なる点に注意

上記表からもわかる通り、後遺障害慰謝料についても弁護士基準のほうが高額です。
そのため、「相手方の任意保険会社から提示された慰謝料金額を増額したい」とお考えの方はぜひ弁護士までご相談ください。

後遺障害慰謝料については、関連記事でも解説しています。等級認定についても併せて知りたい方は、関連記事を役立ててください。

各骨折の症状・後遺障害を解説

各骨折でどのような症状が生じるのか、何等級の後遺障害が残存する可能性があるのかなどについてこれから解説していきます。

後遺障害等級の申請から認定までの流れを知りたい方は『交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状、14級認定のポイント』をお役立てください。

解説の前に、これから頻出する以下の4つの用語の意味をおさえておきましょう。

症状固定

医学上一般的に承認された治療方法をもってしても、その効果が期待しえない状態、つまりこれ以上治療をしても症状の改善が見込めない状態に達したこと。

骨幹部

骨の中央部分のこと。

近位端

心臓側に近いほうの骨の端のこと。

遠位端

心臓側から遠いほうの骨の端のこと。

ここからは、各骨折についての解説を始めます。

頭蓋骨骨折

頭蓋骨骨折は、主に頭蓋円蓋部と頭蓋底のどちらかで生じます。

頭蓋骨骨折の種類

名称箇所
頭蓋円蓋部頭蓋骨の上の球の部分
頭蓋底頭蓋骨の底部

頭蓋円蓋部で骨折が生じる場合、線状骨折か陥没骨折のどちらかを生じることになります。

線状骨折は頭蓋骨がひび割れる骨折のことで、陥没骨折は頭蓋骨がへこんでしまう骨折のことです。

危険なのは陥没骨折です。折れた頭蓋骨の断片が脳を傷つけてしまう可能性がある上に、脳が外気に晒されてしまうと、脳内に感染症や膿瘍が生じる危険性もあります。

また、ぶ厚い頭蓋底が折れてしまっている場合は、頭部に非常に強い衝撃が与えられた可能性があるため、脳損傷が生じている可能性が高まります。

脳が損傷した場合、遷延性意識障害(植物状態)・高次脳機能障害・びまん性軸索損傷といった脳機能に関する後遺障害が残存することがあります。

頭蓋骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

頭蓋骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
1級
(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級
(要介護)
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級2号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級4号神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級10号神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの

頭蓋骨骨折や脳挫傷のより具体的な等級認定基準を知りたい方は『交通事故で脳挫傷と診断された後の対応を解説』をご参考になさってください。

頸椎・胸椎・腰椎圧迫骨折

脊椎骨折が生じた際、脊椎のどの部分が折れたのかによって骨折の呼び方が変わります。

頸部の脊椎が折れた場合は頸椎骨折、胸部の脊椎が折れた場合は胸椎骨折、腰部の脊椎が折れた場合は腰椎骨折と称されます。

脊椎骨折の種類

名称箇所
頸椎脊椎の上から1~7番目の骨(頸部)
胸椎脊椎の上から8~19番目の骨(胸部)
腰椎脊椎の上から20~24番目の骨(腰部)

脊椎で骨折が生じる場合、圧迫骨折となるケースが多いです。

圧迫骨折とは、脊椎の椎体に圧力がかかって押しつぶされてしまう骨折のことです。

脊椎圧迫骨折が生じている図

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/17/Blausen_0250_CompressionFracture_Vertebrae.png

圧迫骨折は治療が終わっても変形障害や運動障害が残存する可能性があります。

変形障害とは症状固定後も脊椎が歪んだままになってしまう状態のことで、運動障害とは背中や腰を曲げ伸ばししにくくなるといった運動面での障害のことです。

また、交通事故で圧迫骨折を負った場合、脊髄損傷が生じるケースもあります。

脊髄損傷が生じていた場合、身体に麻痺やしびれが残存することもあるため、事故後に手足が動かしづらい・しびれがあるなどの症状を感じた際は、整形外科だけではなく、脳神経外科での受診も検討してみると良いでしょう。

脊椎骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

脊椎骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
6級5号脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
6級相当頸部及び腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの
8級2号脊柱に運動障害を残すもの
8級相当脊柱に中程度の変形を残すもの
頸部又は腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの
11級7号脊柱に変形を残すもの

脊椎骨折のより具体的な等級認定基準を知りたい方は『脊椎圧迫骨折の後遺症|腰椎・胸椎・頸椎圧迫骨折の慰謝料相場は?』をご参考になさってください。

鎖骨骨折

鎖骨は折れる部位によって鎖骨骨幹部骨折・鎖骨遠位端骨折・鎖骨近位端骨折の3種類に呼び分けられます。

鎖骨の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/8/82/Clavicle_-_anterior_view.png

交通事故で生じやすいのは鎖骨骨幹部骨折・鎖骨遠位端骨折です。

骨幹部が歪んだまま症状固定してしまうと変形障害に該当する可能性があり、遠位端骨折によって肩関節が動かしづらくなると機能障害に該当する可能性があります。

また、腕神経叢を鎖骨骨折の骨片が傷つけてしまった場合、上肢や指を動かしづらい・しびれるといった神経症状に関する後遺障害が残存するケースもあります。

腕神経叢

頸椎から腕に向かって伸びている神経の束のこと。

鎖骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

鎖骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
5級6号一上肢の用を全廃したもの
6級6号一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
7級7号一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
8級4号一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
8級6号一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
9級13号一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
10級7号一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
10級10号一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
12級6号一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級10号一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
13級6号一手のこ指の用を廃したもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

上腕骨骨折

上腕骨も折れる部位によって上腕骨骨幹部骨折・上腕骨遠位端骨折・上腕骨近位端骨折の3種類に呼び分けられます。

上腕骨の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fc/Humerus_-_anterior_view2.png

骨幹部の骨折

上腕骨骨幹部が骨折した場合、症状固定後も上腕骨が歪んだままになってしまう変形障害が残るケースや、偽関節が残り硬性補装具なしでは上肢を動かすことが困難となるような運動障害が残るケースがあります。

近位端の骨折

肩に近い上腕骨近位端が骨折した場合、肩関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。

遠位端の骨折

肘に近い上腕骨遠位端が骨折した場合、肘関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。

また、上腕骨骨折の骨片が肩~上腕の中を通っている腕神経叢を傷つけてしまった場合、上肢を動かしづらい・しびれるといった神経症状に関する後遺障害が残存するケースもあります。

上腕骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

上腕骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
7級9号一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級6号一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8級8号一上肢に偽関節を残すもの
10級10号一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級8号長管骨に変形を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

橈骨・尺骨骨折

前腕は橈骨尺骨という2本の長管骨で構成されています。

親指側から肘に向かって伸びている骨が橈骨で、小指側から肘に向かって伸びている骨が尺骨です。

骨幹部の骨折

橈骨・尺骨の骨幹部が骨折した場合、上腕骨骨折と同様に、症状固定後も橈骨・尺骨が歪んだままになってしまう変形障害が残るケースや、偽関節が残り硬性補装具なしでは上肢を動かすことが困難となるような運動障害が残るケースがあります。

近位端の骨折

肘に近い橈骨・尺骨近位端が骨折した場合、肘関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。

遠位端の骨折

手首に近い橈骨・尺骨遠位端が骨折した場合、手首関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。

橈骨・尺骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

橈骨・尺骨骨折の代表的な後遺障害

7級9号一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級6号一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8級8号一上肢に偽関節を残すもの
10級10号一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級8号長管骨に変形を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

手指の骨折

手指の骨基節骨・中節骨・末節骨で構成されています。

手指の骨の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f0/Scheme_human_hand_bones-ja.svg

自動車に跳ねられて地面に手をついた場合などで、指先に粉砕骨折や剥離骨折が生じることがあります。

粉砕骨折

骨が粉々に砕けてしまう骨折のこと。

剥離骨折

靭帯や筋肉、 腱が急激に収縮することに伴って、骨がはがれ落ちてしまう骨折のこと。

手指を骨折すると、骨折した指先が腫れて圧痛があります。爪の下に血液が溜まってしまうせいで爪が青黒くなり、爪の変形がそのまま残ることもあります。

また、手指骨折の症状固定後、手指を動かしにくくなったり、まったく動かなくなってしまうケースがあります。

このような可動域制限が残った場合、用廃した手指の種類や本数に応じて後遺障害等級が決められます。

手指の骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

手指の骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
4級6号両手の手指の全部の用を廃したもの
7級7号一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
8級4号一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
9級13号一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
10級7号一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
12級10号一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
13級6号一手のこ指の用を廃したもの
14級7号一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの

肋骨骨折

肋骨は胸部に存在する左右12対の骨で、肋硬骨と肋軟骨で構成されています。

肋骨の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/52/Ribs_frontal2.png

交通事故で胸に強い衝撃を受けた際、肋骨骨折を負うことがあります。

肋骨は一本一本が細いため折れやすく、肋骨骨折の骨片が肺を傷つけて肺挫傷や気胸の原因になることがあります。

また、下のほうの肋骨が折れた場合、肝臓や脾臓を損傷させてしまうこともあります。

肋骨骨折が歪んだまま症状固定してしまうと変形障害に該当する可能性があり、骨折箇所に痛みやしびれが残った場合は神経症状に関する後遺障害に該当する可能性があります。

肋骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

肋骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号肋骨に神経症状が残っている

骨盤骨折

骨盤は体幹の一番下にある部位で、左右一対の寛骨、仙骨、尾骨で構成されています。

骨盤の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f6/Pelvis_%28male%29_01_-_anterior_view.png

骨盤骨折が生じた場合、痛みのあまり歩行が困難になることが多いです。

また、骨盤は頑強な部位なので、骨盤骨折が生じるほどの衝撃を受けたのであれば、周辺の神経や、膀胱、生殖器、腸などの臓器が損傷してしまっている可能性があります。

骨盤骨折が歪んだまま症状固定してしまうと変形障害に該当する場合があります。
股関節の稼働範囲が狭くなったり、人口関節を入れる手術を受けた場合は、可動域制限があるとみなされ機能障害に該当する場合があります。
骨盤が歪んだままになって一方の足の長さが変わると、下肢の短縮障害に該当する場合があります。

なお、女性に限りますが、骨盤骨折の影響で正常分娩が困難になった場合も後遺障害とみなされる可能性があります。

肋骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

骨盤骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
8級5号一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
8級7号一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
9級17号生殖器に著しい障害を残すもの
10級8号一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
10級11号一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11級10号胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
(※骨盤骨折においては、女性の産道が狭まり、正常分娩が困難になった場合を指す)
12級5号鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
12級7号一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
13級8号一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

大腿骨骨折

大腿骨は太ももの中を通っている一本の太い骨で、股関節側から順に大腿骨頭部・大腿骨頸部・大腿転子部・大腿転子下・大腿骨幹部・大腿骨顆部で構成されています。

大腿骨の画像

出典:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cd/Femur_-_anterior_view4.png

交通事故などの衝撃を受けた際に起こりやすいのは大腿骨頸部のあたりの骨折です。

(大腿骨頸部…大腿骨頭部(上記画像の骨盤と接している球状の部分)を支えているくびれた部分のこと)

大腿骨頸部が折れた場合、骨折が重度でなければ金属製のピンやサイドプレートなどで大腿骨頭を固定し、股関節の修復を試みます。

股関節の修復が困難であれば、一部またはすべての股関節を人工関節に置換することになります。

人工関節の置換手術では、骨盤のくぼみにぴったり合うように作られた金属製または合成樹脂製の球状の部品を骨頭の位置に取り付けます。

人工関節に置換した場合は少なくとも10級の後遺障害が認められます。

また、大腿骨骨折が原因で下肢が短縮してしまった場合も後遺障害に該当する可能性がありますし、股関節の可動範囲が狭くなった場合も可動域制限の後遺障害に該当する可能性があります。

大腿骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

大腿骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
7級10号一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級5号一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
8級7号一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
(※大腿骨頭部に人工骨頭置換術を施した場合は10級11号か8級7号が認定される)
8級9号一下肢に偽関節を残すもの
10級8号一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
10級11号一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
(※大腿骨頭部に人工骨頭置換術を施した場合は10級11号か8級7号が認定される)
12級7号一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級8号長管骨に変形を残すもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
13級8号一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

脛骨・腓骨骨折

下腿は脛骨と腓骨という2本の長管骨で構成されています。

足指の親指側から膝に向かって伸びている太いほうの骨が脛骨で、足指の小指側から膝に向かって伸びている細いほうの骨が腓骨です。

骨幹部の骨折

脛骨・腓骨の骨幹部が骨折した場合、症状固定後も脛骨・腓骨が歪んだままになってしまう変形障害が残るケースや、偽関節が残り硬性補装具なしでは歩行することが困難となるような運動障害が残るケースがあります。

近位端の骨折

膝に近い脛骨・腓骨近位端が骨折した場合、膝関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。

遠位端の骨折

足首に近い脛骨・腓骨遠位端が骨折した場合、足首関節が動かしづらくなる機能障害が残るケースがあります。
その際、靭帯が損傷してしまっていたり、靭帯が骨から剥がれてしまっていることもあります。
靭帯が損傷した場合は、損傷の程度に応じて保存療法か靭帯を修復するための手術が行われます。

また、脛骨や腓骨が骨折した際に腓骨神経も損傷してしまうと、腓骨神経麻痺が残る場合もあります。
腓骨神経麻痺が残ると、足首の関節や足指の関節に機能障害が残る可能性があります。

腓骨・脛骨の骨折で骨の位置がズレることもあります。
ズレが小さいものはギプス固定による保存療法が行われます。
ズレが大きいものは、プレートやスクリューで骨を固定する手術が行われます。

脛骨・腓骨骨折後に認定される可能性がある主な後遺障害等級は以下の通りです。

脛骨・腓骨骨折の代表的な後遺障害

等級後遺障害
7級10号一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級5号一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
8級7号一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8級9号一下肢に偽関節を残すもの
9級15号一足の足指の全部の用を廃したもの
10級8号一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
10級11号一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
11級9号一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
12級7号一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
12級8号長管骨に変形を残すもの
12級12号一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
13級8号一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
13級10号一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
14級8号一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

交通事故における骨折の慰謝料は弁護士に相談しよう

最後に、このページで解説した内容を簡潔にまとめたものが以下です。

まとめ

  • 適切な慰謝料を受け取るためには通院を継続することが重要
  • 弁護士に示談交渉を依頼すれば慰謝料の増額が見込める
  • 骨折の症状固定後は後遺障害が残存する可能性がある

交通事故における骨折の慰謝料などに関するお悩みはぜひアトム法律事務所までご相談ください。

多くの交通事故案件の経験があるアトム法律事務所であれば、後遺障害等級を認定されやすくするためにはどうすればいいのか、慰謝料を増額するためにはどうすればいいのかなどについてアドバイスできる可能性があります。

また、アトム法律事務所はLINE・電話・メールでの無料相談にも対応しているため、とても気軽に相談することができます。

場合によっては一度も事務所訪問せずに示談成立まで至るケースもありますので、交通事故で骨折を負ってしまった被害者の方などはぜひお気軽にご連絡ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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