肋骨骨折・胸骨骨折の後遺症と慰謝料は?認定対策やシートベルト外傷も解説

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肋骨骨折の後遺症

交通事故では、シートベルトにより胸部に衝撃や圧が加わったり、エアバックやハンドル、地面に胸を打ち付けたりすることで肋骨や胸骨を骨折することがあります。

肋骨骨折や胸骨骨折では変形障害や神経症状が後遺症として残ることがあり、この場合は後遺障害等級に応じた慰謝料の請求が可能です。

肋骨骨折や胸骨骨折で後遺症が残った場合の後遺障害等級や慰謝料相場を確認していきましょう。

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目次

胸が痛いのは事故のせい?考えられる原因

交通事故後、胸に痛みを感じても、「たまたまかな」「気のせいかな」と思ってしまう場合があります。しかしその胸の痛みは、交通事故が原因である可能性があります。

交通事故後に胸の痛みを感じる原因として主なものは、以下の通りです。

  • 事故時、胸にシートベルトがくいこんだ
  • 胸をエアバッグやハンドル、地面に強打した

それぞれのケースについて解説します。

事故時、胸にシートベルトがくいこんだ

交通事故では、シートベルトが胸にくいこんでしまい、肋骨や胸骨、さらに内臓や背骨などを負傷することがあります。こういった外傷を「シートベルト外傷」と呼びます。

シートベルトが胸に食い込むことで胸に痛みが出る理由は、以下の通りです。

  • シートベルトが食い込んだ衝撃で、骨が折れる
  • シートベルトが食い込んだ反動で身体がしなり、筋肉が損傷する
  • シートベルトが食い込むことで内臓や血管が圧迫され、損傷する

シートベルトは本来、車が強い衝撃を受けると自動的にロックされる仕組みになっており、正しく装着していれば強く食い込みにくくなっています。

しかし、シートベルトがゆるんでいると、シートベルトと体の間に空白ができてしまいます。

すると、事故の衝撃で前に飛び出した体を、ロックがかかったシートベルトが強く押さえる形になり、シートベルト外傷につながるのです。

また、腰のシートベルトが骨盤ではなくお腹にかかっていると、内臓が圧迫されやすくなってしまうでしょう。

シートベルト装着は義務でもあるため、正しい装着方法や着用義務違反の罰則についても把握しておきましょう。

詳しくは『後部座席のシートベルトは一般道も着用義務あり|違反点数と事故のリスク』の記事をご確認ください。

胸をエアバッグやハンドル、地面に強打した

事故の衝撃で身体が前方に飛び出たとき、シートベルトを装着していなかったり、シートベルトがゆるんだりしている状態だと、胸をエアバックやハンドルで強打することがあります。

こういった外傷を「エアバック損傷」や「ハンドル外傷」などと呼びます。

エアバッグは柔らかいイメージを持たれがちですが、事故の衝撃で勢いよく前に倒れた体が、同じく勢いよく膨らむエアバッグにぶつかると、衝撃は大きなものとなるでしょう。

また、交通事故にあったのが歩行者だった場合、車体のボンネットやバンパーに胸を打ったり、はね飛ばされて地面にたたきつけられて胸を打ちつけたりすることがあります。

大した衝撃でなかったと思っても、医師には症状とあわせて事故の状況も伝え、あらゆる怪我の可能性を探ってもらってください。

胸の痛みで考えられるケガ|症状や治療法を解説

交通事故後に胸部に衝撃が加わった場合、以下のようなケガを負っている可能性があります。

  • 肋骨骨折
  • 胸骨骨折
  • その他のケガ
    • 椎間板ヘルニア
    • 胸部出口症候群
    • 内臓損傷
    • 外傷性大動脈解離

それぞれのケガについて解説します。

肋骨骨折

交通事故の衝撃で胸を強打したり、胸が強く圧迫されたりすると、肋骨骨折がおこることがあります。

肋骨は胸郭を構成する骨で、心臓や肺、肝臓、脾臓、腎臓といった臓器を守るとともに、呼吸を助ける重要な役割をもちます。

こうした肋骨が折れた場合の主な症状は、呼吸時や身体を動かしたときの痛みです。これにより、深呼吸がしにくくなったり、咳やくしゃみをすると痛みを感じたりすることがあります。

肋骨が臓器を傷つけている場合は、呼吸不全・出血性ショックなどを伴うこともあるでしょう。

後遺症として、骨の変形癒合痛みしびれが残る可能性もあります。

肋骨骨折の治療法

治療では、ギプスなどで固定して骨がくっつくのを待つ「保存療法」が選択されることが多いでしょう。

骨折の程度にもよりますが、3週間~1カ月程度は肋骨の負担を避けながらの生活が必要になります。

胸骨骨折

胸骨は胸部正中にあり、心臓や肺を保護する大切な骨です。バイク乗車中の事故で地面に投げ出された場合には骨折、車両などで挟まれた場合には圧迫骨折が生じる可能性があります。

胸骨骨折の症状は、深呼吸や咳をした際の痛みなどです。また、胸骨の奥にある「胸椎」までつぶれて変形してしまう「胸椎圧迫骨折」にいたると、激痛を感じるといわれています。

胸骨の骨折では、骨が変形癒合する、深呼吸や咳などで胸を動かすと痛む、骨折箇所が変色するなどの後遺症が残ることがあります。

胸骨骨折の治療法

胸骨骨折でも、基本的にはギプスなどで固定して骨を癒合させる「保存療法」が選択されます。

胸骨は血流がよく、癒合しやすいとされているためです。

その他、胸の痛みで考えられるケガ

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアとは、椎骨と椎骨の間にある椎間板が変形して飛び出すことで周りの神経を圧迫し、痛みなどを感じるケガです。

事故で胸に衝撃が加わった場合は、胸椎において椎間板ヘルニアが発生することがあります。

背中や脇腹に痛みを感じるなど胸以外の部分に症状を感じることも多いようです。

胸部出口症候群

胸部出口症候群とは、鎖骨と肋骨の間にある、神経や血管が通る「胸部出口」に衝撃がかかることで生じる症状です。

肩や腕、手などのしびれや痛みといった神経系の症状を感じることが一般的です。

外傷性大動脈解離

外傷性大動脈解離では、衝撃により大動脈の内膜が損傷し、中膜が裂けていきます。大動脈の内膜の中を流れるはずの血液が漏れ出して血流が止まったり、大動脈が破裂したりします。

胸や背中に強い痛みを感じることもありますが、吐き気などむちうちと類似する症状が見られることもあるでしょう。

首に衝撃を受けたならむちうち、胸部に衝撃を受けたなら外傷性大動脈解離の可能性があると考えられるでしょう。

【肋骨骨折の後遺症】後遺障害等級と慰謝料相場

肋骨骨折では、骨がずれてくっついてしまう「変形障害」や痛みやしびれといった「神経症状」が後遺症として残ることがあります。

肋骨骨折の後遺症で認定されうる後遺障害等級と慰謝料相場は、12級(290万円)、14級(110万円)です。

それぞれの後遺症に分けて、後遺障害等級の認定基準と慰謝料相場を見ていきましょう。

なお、ここで紹介する慰謝料相場は、過去の判例に基づくものです。加害者側は低い金額を提示してくると考えられますが、それには増額の余地があります。鵜呑みにしないようにしてください。

後遺障害等級の認定を受ける手続きについては、関連記事『後遺障害等級が認定されるには?後遺症との違いや認定の仕組みを解説』にて解説しています。

肋骨骨折で変形障害が残った場合

肋骨骨折では、折れた肋骨が元通りに癒合せず変形してしまう場合があります。この変形が「裸体になった場合に目視で変形が明らかにわかる」程度であれば、後遺障害12級5号に認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、290万円です。

等級認定要件
12級5号肋骨に著しい変形が認められる

後遺障害12級5号の認定で重要なのは、変形が「裸体になった時に目で見てわかる程度」のものであることです。

肋骨骨折で神経症状が残った場合

肋骨骨折では骨折部位に痛みを感じたり、呼吸や咳、くしゃみなどで肋骨が動いたりすると痛みを感じることがあります。

この痛みが治らず後遺症として残った場合には、神経症状として後遺障害12級13号または後遺障害14級9号に認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、12級13号で290万円、14級9号で110万円です。

等級認定要件
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

12級13号に該当する頑固な神経症状とは、「画像検査などで痛みや痺れの存在を証明できる」もののことです。

一方、14級9号に該当する神経症状とは、「画像検査ではわからずとも、治療の経過や状況から神経症状の存在が説明できる」ものを指します。

【胸骨骨折の後遺症】後遺障害等級と慰謝料相場

胸骨骨折では、骨折部の変形、深呼吸や咳などで胸を動かした際の痛み、骨折箇所の変色といった後遺症が残る可能性があります。

胸骨骨折の後遺症が該当しうる後遺障害等級と慰謝料相場は、6級(1,180万円)、8級(830万円)、11級(420万円)、12級(290万円)、14級(110万円)です。

後遺症別に、後遺障害等級とその認定基準、慰謝料相場を見ていきましょう。

なお、ここで紹介する慰謝料相場は、過去の判例に基づく法的正当性の高いものです。加害者側が提示してくる金額は低額であることが多いので、増額交渉が必要です。

後遺障害等級の認定を受ける方法は、関連記事『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』にてご確認ください。

胸骨骨折で変形障害が残った場合

胸骨骨折による変形障害は後遺障害12級5号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は、290万円です。

等級認定要件
12級5号胸骨に著しい変形が認められる

変形障害とは、レントゲンで確認できるだけではなく、衣服を着ない状態で目視で変形が明らかな場合に限られます。

骨折が胸椎にまで及ぶ場合は、さらに高い等級の可能性もある

骨折が胸骨だけでなく胸椎(背骨のうち、胸部にあたる部分)にまで及んでいる場合、特にそれが圧迫骨折だと変形障害が残る可能性が高いです。

胸椎圧迫骨折による変形障害では、胸骨骨折の変形障害よりも重い等級が認められる傾向にあり、以下の通りです。

等級認定要件
6級5号脊柱に著しい変形を残すもの
8級相当脊柱に中程度の変形を残すもの
11級7号脊柱に変形を残すもの

後遺障害慰謝料の相場は、6級5号で1,180万円、8級相当で830万円、11級7号で420万円です。

胸骨骨折で神経症状が残った場合

胸骨骨折後に神経症状が残ってしまった場合、後遺障害12級13号または14級9号に認定される可能性があります。

後遺障害慰謝料の相場は、12級13号で290万円、14級9号で110万円です。

等級認定要件
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

神経症状とは、痛みやしびれといった自覚症状のため、その症状があることを示す必要があります。

画像検査などで医学的・客観的に症状を証明できれば12級13号、それよりも証拠は乏しいものの症状が残っていると判断するのが妥当だと認められれば14級9号に認定されるでしょう。

肋骨骨折や胸骨骨折で後遺障害認定を受けるポイント

症状別の認定対策|変形障害・神経症状

肋骨骨折や胸骨骨折では、変形障害や神経症状が後遺症として残る可能性があります。

それぞれの後遺症における、認定のポイントを解説します。

変形障害が残った場合

変形障害で後遺障害12級5号に認定されるには、裸になった状態で目視で変形を確認できることが重要です。

そのため、後遺障害認定でレントゲン写真だけを提出しても、認定基準を満たしているとは判断されないでしょう。

目視で変形が分かるような写真を用意し、提出することがポイントです。

神経症状が残った場合

肋骨骨折や胸骨骨折で神経症状が残った場合は、症状の有無をいかに客観的・医学的に示せるかがポイントです。

特に効果的な証拠となるのは、患部の異常が分かる画像です。

画像検査にはMRI、CT、レントゲンがありますが、その中でもMRIなら、筋肉や神経といった組織の様子まで確認しやすく、神経症状の原因をとらえられる可能性があります。

ただし、神経症状は画像では示せないことも多いです。

そうした場合は、診断書に記載する自覚症状や医師の意見書・所見などがカギとなります。
また、患部に刺激を与えた時の反応を見る神経学的検査も、ポイントの1つとなるでしょう。

後遺障害認定の受け方のポイント

後遺症が変形障害でも神経症状でも、後遺障害認定を受ける際には以下の点がポイントとなります。

  • 症状固定まで定期的に通院する
  • 被害者請求を選び、提出書類対策をする

症状固定まで定期的に通院する

交通事故で後遺症が残った場合、「症状固定」の診断を以て、基本的には治療終了です。

しかし、症状固定前に勝手に治療をやめたり、通院を中断する期間があったり、通院頻度が著しく低かったりすると、以下の点から後遺障害認定されにくくなります。

  • 途中でケガは完治しているのではないか
  • それほどしっかり治療しなくてもよい程度の症状なら、後遺障害認定するほどではないのではないか

したがって、通院は医師の指示に従いながら、最後まで行いましょう。

被害者請求を選び、提出書類対策をする

後遺障害認定の申請方法には、被害者請求と事前認定がありますが、被害者請求を選ぶことがポイントです。

  • 被害者請求
    必要書類を被害者側ですべて用意し、加害者側の自賠責保険会社を仲介する申請方法
  • 事前認定
    後遺障害診断書のみを被害者が用意し、残りは加害者側の任意保険会社が用意し提出してくれる申請方法
被害者請求の流れ

被害者請求なら、すべての書類を被害者側が用意するので、提出書類のブラッシュアップや追加書類の添付が可能です。

後遺障害認定は基本的に書類審査なので、被害者請求でしっかり書類対策をしましょう。

どのように書類対策をすればよいかわからない場合は、弁護士にご相談ください。過去の類似事例や専門知識をもとにしたサポートが可能です。

被害者請求について詳しくは、関連記事『後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由を解説』をご覧ください。

肋骨骨折・胸骨骨折で適切な慰謝料・賠償金を得る方法

肋骨骨折や胸骨骨折で後遺障害が残った場合の慰謝料相場は、ここまで解説してきたとおりです。

しかし、実際にはここで紹介したより低い金額しか得られないこともあります。なぜ慰謝料が低額になることがあるのか、適切な金額を受け取るにはどうしたらよいのか確認していきましょう。

加害者側の提示額は基本的に低い|低くなっている仕組み

交通事故の慰謝料・賠償金額は、最終的には加害者側との示談交渉によって決まります。この時、加害者側が提示してくる金額は、相場より低いことがほとんどです。

加害者側は、自社独自の基準(任意保険基準)に基づいて慰謝料などを計算しているからです。

任意保険基準は保険会社ごとに異なり非公開ですが、国が定めた最低限の基準(自賠責基準)に近いことも多いです。

例えば、肋骨骨折や胸骨骨折で認定されうる後遺障害12級・14級の慰謝料額を、過去の判例に基づく相場(弁護士基準)と自賠責基準で比較してみましょう。

弁護士基準自賠責基準
12級290万円94万円
14級110万円32万円
慰謝料金額相場の3基準比較

つまり、加害者側が提示してくる金額には、倍以上の増額の余地がある可能性も考えられるのです。

適切な慰謝料・賠償金を得るポイント

低い金額を提示してくる加害者側から、適切な慰謝料・賠償金を得るには、弁護士を立てて交渉することがポイントです。

加害者側は基本的に、任意保険の担当者が交渉にあたります。交渉のプロを相手に、被害者が主張を通すのは簡単ではありません。

また、弁護士基準の金額は本来、裁判を起こして認められうるものです。専門家ではない被害者が、裁判も起こさず弁護士基準の金額を主張しても、聞き入れられないことがほとんどです。

なお、被害者側も自身の保険担当者を立てて交渉するという方法もあります。しかし、被害者側であっても、保険担当者が主張する金額は弁護士基準より低いことが多いです。

よって、弁護士基準の金額獲得を目指す際には、弁護士を立てることが重要となります。

弁護士費用は抑えられる

弁護士費用特約を使えば、自身の保険会社に弁護士費用を負担してもらえます。

負担してもらえる金額には上限がありますが、弁護士費用が上限額内に収まることも多く、自己負担なく弁護士に依頼ができる場合もあります。

肋骨骨折や胸骨骨折で後遺障害が残った場合は、後遺障害慰謝料だけでなく逸失利益などその他の費目についても加害者側ともめる可能性があるでしょう。

示談交渉、うまくできるだろうか」といった不安や、「弁護士に任せていれば、もっと増額できたのだろうか」といった後悔をなくすため、弁護士への依頼もご検討ください。

弁護士費用特約とは

肋骨骨折や胸骨骨折の後遺障害に関する疑問

ここでは、肋骨骨折や胸骨骨折に関する以下の疑問にお答えします。

  • 肋骨骨折や胸骨骨折は内臓損傷のリスクもある?
  • 肋骨骨折や胸骨骨折で仕事に復帰できる時期は?
  • 肋骨骨折や胸骨骨折で使える保険金は?
  • 心配蘇生で胸骨圧迫骨折したら訴訟や賠償請求は可能?

肋骨骨折や胸骨骨折は内臓損傷のリスクもある?

肋骨骨折や胸骨骨折は、内臓損傷も引き起こすリスクもあります。

たとえば、肋骨骨折では、折れた肋骨の数が多いと、肺をはじめその他の臓器を損傷する可能性が高まります。

また、胸骨骨折は心臓や肺などの重要な臓器に近いため、注意が必要です。

内臓損傷が起こった場合、重篤な症状を引き起こす可能性があるため、早急に医療機関を受診することが大切です。

肋骨骨折や胸骨骨折で仕事に復帰できる時期は?

肋骨骨折や胸骨骨折で仕事に復帰できる時期は、骨折の程度や個人の回復力によって異なります。

軽度の骨折であれば、数週間で仕事に復帰できる場合もあるでしょう。
しかし、重度の骨折や内臓損傷を伴った場合は、数か月間、仕事に復帰できないこともあります。

仕事に復帰する際には、医師の指示に従うことが大切です。

いずれにせよ、仕事を休むと収入が減少して不安を感じることでしょう。交通事故による怪我で仕事を休む場合は、収入の減少に対する補償を請求できます。

収入の減少を気にして無理に働き続けると、治るものも治りませんし、本来なら請求できたはずの補償も請求できなくなってしまいます。

こちらの関連記事『交通事故で仕事しながら通院するコツ!仕事を休んだ・働けなくなったときの補償』を読んで、仕事を休んだ時にもらえる補償や仕事をしながら治療を続けるポイントをおさえておきましょう。

肋骨骨折や胸骨骨折で使える保険金は?

交通事故で肋骨骨折や胸骨骨折を負った場合、被害者自身の自動車保険では人身障害補償保険や搭乗者傷害保険が使えます。

交通事故において被害者が使える保険については『交通事故被害者が使える保険の種類と請求の流れ|自分の保険もチェック』で解説しているのでご確認ください。

心配蘇生で胸骨圧迫骨折したら訴訟や賠償請求は可能?

一般人が交通事故でケガをした人に対して心配蘇生をし、結果的に肋骨骨折や胸骨骨折が発生しても、基本的には損害賠償の対象になったり、訴訟問題になったりはしません。

こうした一般人による応急措置は、原則として民法698条に定められた「緊急事務管理」に該当し、悪意や重大な過失がなければ損害賠償責任は生じないとされているからです。

(緊急事務管理)
第六百九十八条 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

民法698条

胸骨圧迫骨折や肋骨骨折の訴訟事例

ここでは、交通事故による衝撃で胸骨圧迫骨折や肋骨骨折を負い、訴訟になった事例を紹介します。

なお、交通事故では示談交渉で弁護士を立てることで、訴訟しなくても十分な慰謝料が得られることが多いです。訴訟には費用も労力も時間もかかるため、裁判に近い水準の慰謝料額を望む場合はまず弁護士にご相談ください。

弁護士への依頼については次の章で解説しています。

胸骨圧迫骨折の訴訟|変形障害の認定

大型貨物自動車と大型貨物自動車の追突事故で、被害者は胸部打撲傷、第3から第7胸椎圧迫骨折、外傷性頸部症候群、両膝打撲傷、疼痛性ショック、胸髄不全損傷を負いました。

自賠責保険は「せき柱に中程度の変形を残すもの」として後遺障害8級相当と認定するものの、脊髄への圧迫所見などが認められないことから歩行障害などは後遺障害に当たらないと判断したのです。

一方で、被害者はせき柱変形障害に加えて、日常の歩行に杖が必要であること、階段の昇降に手すりを要するなどをもとに、後遺障害3級に相当すると主張しました。

裁判所の判断は、医師の意見書を元に歩行障害は後遺障害にあたらないものとして8級認定にとどめたのです。そこで、後遺障害慰謝料830万円、逸失利益約432万円、休業損害約328万円などの損害を認めました。(東京地方裁判所 平成26年(ワ)第129号 損害賠償等請求事件 平成29年3月27日)

肋骨骨折の訴訟|肩部分のしびれの認定

被害者の乗車するバイクと、加害者の自動車との間で起こった交通事故でした。

被害者は、左鎖骨骨幹部骨折、左第2・4肋骨骨折を負い、左肩関節可動域制限、鈍い痛み、しびれ、仕事で必要な重量部を持てないなどの症状を訴えました。自賠責保険では14級9号認定にとどまりましたが、被害者はこの認定を不服とし、争点となったのです。

裁判所は意見書や画像鑑定報告書をもとに、12級13号相当の神経症状の残存を認め、後遺障害慰謝料280万円、逸失利益約390万円、休業損害約137万円を含む約1,030万円の損害を認めました。(京都地方裁判所 令和2年(ワ)第2346号 損害賠償請求事件 令和4年1月27日)

肋骨骨折するほどの衝撃を受けた場合、肩や腹部などにも何らかの影響が出る可能性があります。この訴訟事例では左鎖骨骨幹部骨折による神経症状を認めました。

肋骨骨折や胸骨骨折の後遺障害認定・慰謝料は弁護士に相談

肋骨骨折や胸骨骨折での後遺障害認定・慰謝料請求は、弁護士にご相談ください。

アトム法律事務所では、弁護士による無料相談を実施中です。無料相談をご希望の方には、下記のバナーより相談予約をお取りいただくところからお願いしています。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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