交通事故で内臓損傷・内臓破裂|後遺障害等級の認定基準や慰謝料の相場を解説

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内臓損傷・内臓破裂

交通事故の被害にあった際、内臓が損傷したり破裂したりして、内臓機能に重大な後遺症が残ってしまうことがあります。

交通事故で内臓の後遺症が残ったら、後遺障害認定の申請をしましょう。後遺障害認定を受ければ、事故の相手方に後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになるため、被害回復の点で非常に有用です。

内臓の後遺症が後遺障害認定を受けられる基準は、臓器ごとに定められています。
そこでこの記事では、内臓損傷・破裂による後遺障害認定の基準を臓器ごとに具体的に解説します。

あわせて、後遺障害認定を受けたら請求できる慰謝料・賠償金の相場も知ることが可能です。

事故の相手方から適切な補償を受け、将来の不安を減らすためにも、ぜひこの記事をお役立てください。

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【部位別】内臓損傷・破裂の後遺障害認定基準

交通事故で内臓を損傷した場合、後遺症として内臓の機能障害が残ることがあります。
内臓の機能障害については、以下のように後遺障害の認定基準が定められているのです。

等級認定基準
要介護1級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
要介護2級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級4号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級3号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級5号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級13号両側の睾丸を失ったもの
9級11号胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当程度に制限されるもの
9級17号生殖器に著しい障害を残すもの
11級10号胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
13級11号胸腹部臓器の機能に障害を残すもの

ただ実務上は、臓器ごとにどのような症状が何級に該当するのかが具体的に定められています。詳しく見ていきましょう。

(1)呼吸器|肺など

交通事故によって肺などの呼吸器が損傷すると、呼吸困難が生じ、負荷のかかる運動が制限されるといった症状が残ることがあるでしょう。

呼吸器の後遺症が残ったら、原則として動脈血ガス分析を行い、動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の計測値をもとに後遺障害認定を受けることになります。

ただし、補助的にスパイロメトリー(肺機能検査)の結果および呼吸困難の程度、運動負荷試験の結果も評価に用いられることがあります。
動脈血ガス分析で該当する等級よりも、補助的な検査で該当する等級の方が上位の場合、後者が採用されるのです。

それでは、以下の3区分にわけて後遺障害認定基準を確認していきましょう。

  • 動脈血ガス分析による測定
  • スパイロメトリーの測定および呼吸困難の程度
  • 運動負荷試験による測定

補助的な測定を受ければより適切な後遺障害等級に認定されるチャンスが増えるので、ぜひすべての基準を確認してみてください。

動脈血ガス分析による測定

先述のとおり、呼吸器の後遺障害認定においては動脈血ガス分析による動脈血酸素分圧と動脈血炭酸ガス分圧の測定値が原則的な基準となります。

なお、動脈血ガス分析とは、動脈から血を採取し、酸素や二酸化炭素のガス濃度を測定して肺などの臓器の状態を知る検査のことです。
動脈血酸素分圧は酸素の濃度、動脈血炭酸ガス分圧は二酸化炭素の濃度を示します。

動脈血酸素分圧が50Torr以下、50Torr超~60Torr、60Torr超~70Torr、70Torr超の場合にわけて、後遺障害認定基準を見ていきましょう。

動脈血酸素分圧が50Torr以下

要介護1級2号呼吸機能の低下により常時介護が必要なもの
要介護2級2号呼吸機能の低下により随時介護が必要なもの
3級4号上記2つの基準に該当しないもの

動脈血酸素分圧が50Torr超~60Torr

要介護1級2号動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にないもので、かつ呼吸機能の低下により常時介護が必要なもの
要介護2級2号動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にないもので、かつ呼吸機能の低下により随時介護が必要なもの
3級4号動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にないもので、上記2つの基準に該当しないもの
5級3号上記3つの基準に該当しないもの

動脈血酸素分圧が60Torr超~70Torr

7級5号動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にないもの
9級11号上記の基準に該当しないもの

動脈血酸素分圧が70Torr超

11級9号動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にないもの

重要となるのは、「介護を必要とするか」「動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲にあるか」の2点です。

「常時介護を必要とする」とは、生活全般において介護が必要な状態のことを言います。
「随時介護を必要とする」とは、日常生活の一部の動作について介護や看視、声かけが必要な状態のことです。

また、動脈炭酸ガス分圧の限界値範囲とは、37Torr~43Torrの間のことを指します。
動脈血炭酸ガス分圧は年齢や体格によって若干の差異があることを考慮し、後遺障害認定においては上記の数値が設定されています。

スパイロメトリーの測定および呼吸困難の程度

呼吸器の後遺障害認定の補助的な指標として、スパイロメトリーの測定値と呼吸困難の程度を組み合わせた基準も定められています。

スパイロメトリーとは息を吸ったり吐いたりして肺活量などを調べる検査のことです。
後遺障害認定では、検査の最初の1秒間に吐き出した空気量を示す「%1秒量」、平均的な肺活量とくらべ患者の肺活量がどのくらいかを示す「%肺活量」が参考にされます。

%1秒量が35以下または%肺活量が40以下、%1秒量が35超~55または%肺活量が40超~60、%1秒量が55超~60または%肺活量が60超~80以下の場合にわけ、後遺障害認定基準を見ていきます。

%1秒量が35以下または%肺活量が40以下

要介護1級2号高度の呼吸困難が認められ、かつ呼吸機能の低下により常時介護が必要なもの
要介護2級2号高度の呼吸困難が認められ、かつ呼吸機能の低下により随時介護が必要なもの
3級4号高度の呼吸困難が認められ、上記2つの基準に該当しないもの
7級5号中等度の呼吸困難が認められるもの
11級9号軽度の呼吸困難が認められるもの

%1秒量が35超~55または%肺活量が40超~60

7級5号高度または中等度の呼吸困難が認められるもの
11級9号軽度の呼吸困難が認められるもの

%1秒量が55超~70または%肺活量が60超~80

11級9号高度、中等度または軽度の呼吸困難が認められるもの

各基準における高度・中等度・軽度の呼吸困難とは、以下の状態のことを指します。

  • 高度の呼吸困難
    • 呼吸困難のため、連続しておおむね100メートル以上歩けない
  • 中等度の呼吸困難
    • 呼吸困難のため、平地で健康な人と同じペースで歩けず、自分のペースでなら1キロ程度歩ける
  • 軽度の呼吸困難
    • 呼吸困難のため、健康な人と同じように階段の昇降ができない

運動負荷試験による測定

動脈血ガス分析やスパイロメトリーによる検査では後遺障害等級に該当しないものの、呼吸機能の低下による呼吸困難があり、運動負荷試験の結果で明らかに呼吸機能に障害があると認められる場合は、後遺障害11級9号に認定される可能性があるでしょう。

運動負荷試験とは、患者に実際に運動してもらって心肺機能を確認する検査のことです。例としては6分間・10分間の歩行試験、シャトルウォーキングテストなどがあげられます。

ただし、運動負荷試験による測定で後遺障害認定を目指す際は、医師に意見書を書いてもらい、運動負荷試験の内容や結果、試験が適正に行われたことを示す根拠、呼吸機能に障害があると考える根拠などを示す必要があります。

また、呼吸器専門医の意見も必要でしょう。

動脈血ガス分析やスパイロメトリーの測定値で認定を目指すよりもやや難易度が高いので、交通事故事案に精通した弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

(2)循環器|心臓など

交通事故によって心臓などの血液の循環器が損傷すると、心機能が低下し、負荷のかかる運動ができなくなるといった症状が残ることがあります。

また、除細動器やペースメーカーを埋め込んだり、心臓弁を置換したりする必要が生じる方もいらっしゃるでしょう。

交通事故で循環器に後遺症が残ったら、以下の症状の場合は後遺障害認定を受けられる可能性があります。

  • 心機能が低下した
  • 除細動器またはペースメーカーを植え込んだ
  • 房室弁または大動脈弁を置換した
  • 大動脈に解離が残った

それぞれの症状で認定されうる等級と基準を見ていきましょう。

心機能が低下したもの

心機能が低下した場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

9級11号心機能の低下による運動耐容能の低下が中程度であるもの
11級10号心機能の低下による運動耐容能の低下が軽度であるもの

運動耐容能とは「運動負荷に耐えられる能力」のことです。
後遺障害認定においては、運動強度の指標である「METs」という単位を用いて、どのくらいの運動に耐えられるかといった判断をします。

9級11号・11級10号に当てはまるのは、具体的には以下のような状態です。

  • 9級11号
    • 6METsを超える強度の身体活動が制限されるもの
    • 平地を急いで歩く、健康な人と同じような速度で階段を昇るなどができない状態
  • 11級10号
    • 8METsを超える紀要殿身体活動が制限されるもの
    • 平地を急いで歩くことには支障がないが、それ以上激しい身体活動ができない状態

除細動器またはペースメーカーを植え込んだもの

除細動器やペースメーカーを植え込んだ場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

7級5号除細動器を植え込んだもの
9級11号ペースメーカーを植え込んだもの

心臓に除細動器やペースメーカーを植え込んだ場合、一定の姿勢を避けなければならないため、運動や労働に制限がかかることが見込まれます。

また、電磁波の影響に気を付ける必要があるといった生活上の注意も生じるでしょう。
そのため、上記のような後遺障害等級に相当すると評価されるのです。

なお、除細動器やペースメーカーを植え込み、かつ心機能が低下した場合は、後述する「併合」の方法により上位の等級に認定される可能性もあります。

房室弁または大動脈弁を置換したもの

房室弁や大動脈弁に異常が生じ、人工弁に置換する手術を行った場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

7級5号房室弁または大動脈を置換し、継続的に抗凝血薬療法を行うもの
11級10号房室弁または大動脈を置換し、7級5号の基準に該当しないもの

大動脈に解離を残すもの

大動脈解離とは、大動脈が縦に裂けることをいいます。
交通事故により胸腹部への大きな衝撃があると生じる可能性があり、大量の出血が生じる恐れもある危険なケガです。

大動脈解離を発症した場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

11級10号偽腔開存型の解離を残すもの

大動脈解離により、本来血液が流れるべきではない偽腔部分が閉塞せず、血流が残っている場合に後遺障害等級が認定されます。

(3)腹部臓器|食道・胃・腸・肝臓・膵臓・脾臓など

交通事故の後遺障害認定においては、以下の腹部臓器についてそれぞれ認定基準が定められています。

  • 食道
  • 小腸
  • 大腸
  • 肝臓
  • 胆のう
  • 膵臓
  • 脾臓
  • 腹部臓器周辺のヘルニア

それぞれの臓器ごとに、認定基準を見ていきましょう。

食道

交通事故で食道を損傷した場合、食道が狭くなってうまく食べ物を胃に運べない通過障害が起こることがあります。

食道の損傷で通過障害になったら、後遺障害9級11号に認定される可能性があるでしょう。
ただし、認定にあたっては以下の条件のいずれにも当てはまっている必要があります。

  1. 通過障害の自覚がある
  2. 消化管造影検査により、食道の狭さくによる造影剤のうっ滞が認められる

交通事故で胃を損傷した場合、消化吸収がうまくできなくなる、食べ物が胃にとどまらずすぐに小腸に流れ込んでしまうダンピング症候群になるといった症状が起こることがあるでしょう。

胃の損傷で後遺症が残った場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

7級5号消化吸収障害、ダンピング症候群、胃切除術後逆流性食道炎のいずれもが認められる
9級11号消化吸収障害およびダンピング症候群が認められる
消化吸収障害および胃切除術後逆流性食道炎が認められる
11級10号消化吸収障害、ダンピング症候群、胃切除術後逆流性食道炎のいずれかが認められる
13級11号噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失した

なお、後遺障害認定における「消化吸収障害」「ダンピング症候群」「胃切除術後逆流性食道炎」の定義はそれぞれ以下のとおりです。

  • 消化吸収障害(次のいずれかに該当)
    • 胃の全部を亡失した
    • 噴門部または幽門部を含む胃の一部を亡失し、低体重(BMI20以下。事故前からBMI20以下なら体重が10%以上減った)
  • ダンピング症候群(次のいずれもに該当)
    • 胃の全部または幽門部を含む胃の一部を亡失した
    • 早期ダンピング症候群に起因する症状または晩期ダンピング症候群に起因する症状が認められる
  • 胃切除術後逆流性食道炎(次のいずれもに該当)
    • 胃の全部または噴門部を含む胃の一部を亡失した
    • 胸焼け、胸痛、嚥下困難などの胃切除術後逆流性食道炎に起因する自覚症状がある
    • 内視鏡検査により食道にびらんや潰瘍などの胃切除術後逆流性食道炎に起因する所見が認められる

小腸

交通事故で小腸を損傷した場合、以下の症状が残ることがあります。

  • 小腸を大量に切除する
  • 人工肛門を増設する
  • 小腸皮膚瘻を残す
  • 小腸の狭さくを残す

それぞれの症状ごとに、認められうる後遺障害等級を見ていきましょう。

小腸を大量に切除した場合

9級11号残存する空腸および回腸の長さが100センチメートル以下
11級10号残存する空腸および回腸の長さが100センチメートルを超え300センチメートル未満であり、消化吸収障害が認められる

なお、小腸を切除して人工肛門を増設した場合は、次の「人工肛門を増設した場合」の認定基準を適用してください。

人工肛門を増設した場合

5級3号小腸内容が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんが生じ、パウチなどの装着ができない
7級5号上記の基準に該当しない

小腸皮膚瘻を残した場合

5級3号瘻孔から小腸内容の全部または大部分が漏出し、小腸皮膚瘻周辺に著しいびらんが生じ、パウチなどの装着ができない
7級5号瘻孔から小腸内容の全部または大部分が漏出し、5級3号の基準に該当しない
瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上で、パウチなどによる維持管理が困難
9級11号瘻孔から漏出する小腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上で、7級5号の基準に該当しない
11級10号瘻孔から少量ではあるが明らかに小腸内容が漏出する

小腸の狭さくを残した場合

11級10号小腸に狭さくを残す

なお、小腸に狭さくを残すとは、次の2つの条件に該当することを言います。

  1. 月1回程度、腹痛・腹部膨満感・嘔気・嘔吐などの症状が認められる
  2. 単純X線像においてケルクリングひだ像が認められる

大腸

交通事故で小腸を損傷した場合、以下の症状が残ることがあるでしょう。

  • 大腸を大量に切除する
  • 人工肛門を増設する
  • 大腸皮膚瘻を残す
  • 大腸の狭さくを残す
  • 便秘を残す
  • 便失禁を残す

それぞれの症状ごとに、認められうる後遺障害等級を確認していきます。

大腸を大量に切除した場合

11級10号結腸のすべてを切除するなど大腸のほとんどを切除した

なお、大腸を切除して人工肛門を増設した場合は、次の「人工肛門を増設した場合」の認定基準を適用してください。

人工肛門を増設した場合

5級3号大腸内容が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんが生じ、パウチなどの装着ができない
7級5号上記の基準に該当しない

大腸皮膚瘻を残した場合

5級3号瘻孔から大腸内容の全部または大部分が漏出し、大腸皮膚瘻周辺に著しいびらんが生じ、パウチなどの装着ができない
7級5号瘻孔から大腸内容の全部または大部分が漏出し、5級3号の基準に該当しない
瘻孔から漏出する大腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上で、パウチなどによる維持管理が困難
9級11号瘻孔から漏出す大腸内容がおおむね1日100ミリリットル以上で、7級5号の基準に該当しない
11級10号瘻孔から少量ではあるが明らかに大腸内容が漏出する

大腸の狭さくを残した場合

11級10号大腸に狭さくを残す

大腸に狭さくを残すとは、次の2つの条件に該当することを言います。

  1. 月1回程度、腹痛・腹部膨満感などの症状が認められる
  2. 単純X線像において貯留した大量のガスにより結腸膨起像が相当区間認められる

便秘を残した場合

9級11号用手摘便を要すると認められる
11級10号上記の基準に該当しない

ここで言う便秘とは、次の2つの条件に該当することです。

  1. 排便反射を支配する神経の損傷がMRIやCTなどで確認できる
  2. 排便回数が週2回以下であり、恒常的に硬便であると認められる

便失禁を残した場合

7級5号完全便失禁を残す
9級11号常時おむつの装着が必要であり、7級5号の基準に該当しない
11級10号常時おむつの装着が必要ではないものの、明らかに便失禁があると認められる

肝臓

交通事故で肝臓を損傷すると、肝硬変や慢性肝炎といった症状が生じることがあります。

肝臓の損傷で後遺症が残った場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

9級11号肝硬変
11級10号慢性肝炎

なお、肝硬変・慢性肝炎が後遺障害認定を受けるには、いずれも「ウイルスの持続感染が認められる」「AST・ALTが持続的に低値である」という2つの条件を満たしていることが必要です。

胆のう

交通事故で胆のうを損傷すると、胆汁を貯蔵する機能が失われ、消化吸収や排便に支障が出ることがあるでしょう。

胆のうについては、完全に失ったなら後遺障害13級11号に認定される可能性があります。

膵臓

交通事故で膵臓を損傷すると、ホルモンを分泌する内分泌機能や食べ物を消化する膵液を作る外分泌機能が失われ、糖尿病や脂肪便になるといった症状が起こることがあります。

膵臓の損傷で後遺症が残った場合の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

9級11号外分泌機能の障害・内分泌機能の障害の両方が認められる
11級10号外分泌機能の障害・内分泌機能の障害のいずれかが認められる
12級13号
14級9号
軽微な膵液瘻を残したために皮膚に疼痛等が生じる(局部の神経症状として評価)

なお、後遺障害認定における「外分泌機能の障害」「内分泌機能の障害」の定義はそれぞれ以下のとおりです。

  • 外分泌機能の障害(次のいずれにも該当)
    • 上腹部痛、脂肪弁、頻回の下痢などの外分泌機能の低下による症状が認められる
    • 次のいずれかに該当する
      • 膵臓を一部切除した
      • BT-PABA(PFD)試験で異常低値(70%未満)を示した
      • ふん便中キモトリプシン活性で異常低値(24U/g未満)を示した
      • アミラーゼまたはエラスターゼの異常低値を認めた
  • 内分泌機能の障害
    • 異なる日に行った経口糖負荷試験で境界型または糖尿病型であることが2回以上確認された
    • 空腹時血漿中のC-ペプチド(CPR)が0.5ng/ml以下
    • Ⅱ型糖尿病に該当しない

脾臓

交通事故で脾臓を損傷すると、古くなった赤血球を除去する機能などが失われ、免疫機能に影響が出ることがあるでしょう。

脾臓については、脾臓破裂により出血が多い場合に摘出を行うことがあります。摘出により脾臓を完全に失ったのであれば後遺障害13級11号に認定される可能性が生じるのです。

腹部臓器周辺のヘルニア

交通事故で腹部臓器の周辺を損傷したり、腹部臓器の手術をしたりすると、内臓などが筋膜から飛び出してしまうヘルニアが生じてしまうことがあります。

交通事故で腹壁瘢痕ヘルニア・腹壁ヘルニア・鼠経ヘルニア(いわゆる脱腸)・内ヘルニアが残ったなら、以下の後遺障害等級に認定される可能性があるでしょう。

9級11号常時ヘルニア内容の脱出・膨隆が認められる
立位をしたとき常時ヘルニア内容の脱出・膨隆が認められる
11級10号重激な業務に従事した場合など、腹圧が強くかかるときにヘルニア内容の脱出・膨隆が認められる

(4)泌尿器|腎臓・膀胱など

交通事故により腎臓や膀胱といった泌尿器が損傷すると、腎不全や排尿障害といった症状が残ることがあるでしょう。

「腎臓の障害」「尿管・膀胱・尿道の障害」の2つの区分にわけ、泌尿器の機能障害の具体的な認定基準を見ていきます。

腎臓の障害

腎臓の障害については、「片側の腎臓を失ったか」「GFR値(ml/分)はいくつか」によって後遺障害等級が決まります。

なお、GFR値とは、1分間に腎臓にある糸球体が血液をろ過して尿を作った量を示す値のことであり、腎臓の働きを見る指標となるのです。

片側の腎臓を失った場合と失っていない場合にわけ、後遺障害認定基準を見ていきます。

片側の腎臓を失った場合

7級5号GFR値が30超~50
9級11号GFR値が50超~70
11級10号GFR値が70超~90
13級11号GFR値が90超

片側の腎臓を失っていない場合

9級11号GFR値が30超~50
11級10号GFR値が50超~70
13級11号GFR値が70超~90

尿管・膀胱・尿道の障害

尿管・膀胱・尿道の障害については、大きく「尿路変向術を行った」「排尿障害が残った」「蓄尿障害が残った」といった3つの区分にわけられます。

なお、尿路変向術とは、膀胱や尿管などを損傷することで通常は腎臓、尿管、膀胱、尿道の順で尿を排出する「尿路」の機能が損なわれたため、尿を排出するために新たな経路を作る外科手術のことです。

それぞれの区分ごとに、後遺障害認定基準を見ていきましょう。

尿路変向術を行った

5級3号非尿禁制型尿路変向術を行ったもので、尿が漏出することによりストマ周辺に著しい皮膚のびらんを生じ、パッド等の装着ができない
7級5号非尿禁制型尿路変向術を行ったもので5級3号の基準に該当しない
禁制型尿リザボアの術式を行った
9級11号尿禁制型尿路変向術(禁制型尿リザボアおよび外尿道口形成術を除く)を行った
11級10号外尿道口形成術を行った
尿道カテーテルを留置した

排尿障害が残った

9級11号残尿が100ミリリットル以上
11級10号残尿が50ミリリットル以上100ミリリットル未満
尿道狭さくのため、糸状ブジーを必要とする
14級相当尿道狭さくのため、「シャリエ式」尿道ブジー第20番が辛うじて通り、時々拡張術を行う必要がある

蓄尿障害が残った

7級5号持続性尿失禁を残す
切迫性尿失禁および腹圧性尿失禁のため、終日パッド等を装着し、かつパッドをしばしば交換しなければならない
9級11号切迫性尿失禁および腹圧性尿失禁のため、常時パッド等を装着しなければならないが、パッドの交換までは要しない
11級10号切迫性尿失禁および腹圧性尿失禁のため、常時パッド等の装着は要しないが、下着が少しぬれる
頻尿

11級10号の「頻尿」の目安は、多飲などの原因がなく日中8回以上の排尿が認められることです。頻尿で後遺障害認定を受けるためには、器質的な病変や支配神経の損傷を示す必要もあります。

(5)生殖器|睾丸など

交通事故により生殖器が損傷すると、生殖機能を喪失したり障害が残ったりする症状が残ることがあります。

生殖器の機能障害は、前出の表のとおり「生殖機能を完全に喪失したもの」が7級、「生殖機能に著しい障害を残すもの」が9級、「生殖機能に障害を残すもの」が11級、「生殖機能に軽微な障害を残すもの」が13級に認定されることになります。

男性と女性の場合にわけて、生殖器の機能障害の具体的な認定基準を見ていきましょう。

男性の場合

男性の生殖器の機能障害の後遺障害認定基準は、以下のとおりです。

7級13号両側の睾丸を失ったもの
7級相当常態として精液中に精子が存在しないもの
9級17号陰茎の大部分を欠損したもの
勃起障害を残すもの
射精障害を残すもの
13級相当一側の睾丸を失ったもの

9級17号に認定される各症状には具体的な基準があるので、確認していきます。

  • 陰茎の大部分を欠損した
    • 陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る
  • 勃起障害を残す(次のいずれかに該当)
    • 夜間睡眠時に十分な勃起が認められないことがリジスキャンによる夜間陰茎勃起検査により証明される
    • 神経系検査または血管系検査で支配神経の損傷といった勃起障害の原因となりうる所見が認められる
  • 射精障害を残す(次のいずれかに該当)
    • 尿道または射精管が断裂している
    • 両側の下腹神経の断裂により当該神経の機能が失われている
    • 膀胱頚部の機能が失われている

また、13級相当となる「一側の睾丸を失ったもの」には、一側の睾丸が失われたと準じられる程度に萎縮したものも含みます。

女性の場合

女性の生殖器の機能障害の後遺障害認定基準は、以下のとおりです。

7級相当両側の卵巣を失ったもの
常態として卵子が形成されないもの
9級17号膣口狭さくを残すもの
両側の卵管に閉塞もしくは癒着を残すもの
頸管に閉塞を残すもの
子宮を失ったもの
11級相当狭骨盤または比較的狭骨盤
13級相当一側の卵巣を失ったもの

9級17号に認定される各症状には具体的な基準があるので、確認していきましょう。

  • 膣口狭さくを残す
    • 陰茎を膣に挿入することができないと認められるものに限る
  • 両側の卵管に閉塞もしくは癒着を残す、頸管に閉塞を残す、子宮を失った
    • 画像所見により認められるものに限る

また、11級相当である「狭骨盤または比較的狭骨盤」とは、産科的真結合線が10.5センチメートル未満または入口部横径が11.5センチメートル未満のものを指します。

内臓損傷・破裂で後遺障害認定を受けるには?

次に、交通事故による内臓損傷・内臓破裂で後遺障害認定を受ける手続きを解説していきます。
あわせて、内臓損傷で後遺障害認定を受ける際の注意点もお伝えします。

後遺障害認定の手続きの流れ

後遺障害に認定されるまでの流れは、基本的に以下のようになります。

後遺障害認定の手続きの流れ

後遺障害認定の手続きの流れ
  1. 事故の発生後、入通院治療を行う
  2. 医師から「症状固定」と診断される
  3. 医師に「後遺障害診断書」を作成してもらう
  4. 保険会社を介し、審査機関に申請書類を提出する
  5. 審査機関で審査が行われ、保険会社を介して結果が通知される

症状固定とは、「これ以上治療しても症状が改善しないとみなされた状態」のことです。

後遺障害認定を受けるには、基本的に症状固定まで6か月以上の治療期間が必要とされています。

ただし、内臓の一部を切除しているなど、これ以上治療しても改善しないことが明らかである症状は除きます。

また、後遺障害認定の審査は基本的に書面で行われます。

よって、書面で後遺障害の認定基準を満たしていると示すことが非常に大切です。
医師の作成する「後遺障害診断書」に症状を測定値も含めてしっかりと記載してもらいましょう。提出前に後遺障害認定にくわしい弁護士に書類をチェックしてもらうことも有効です。

詳しい後遺障害の申請手続きは、『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』で紹介しています。あわせてご参考ください。

複数の内臓や内臓以外の部位に後遺症が残ったときは?

交通事故で内臓損傷・内臓破裂を負うような衝撃を受けたなら、複数の内臓が損傷したり、内臓以外の部位もケガをしていたりすることが考えられます。

複数の後遺症が残ったら、それぞれの症状について後遺障害認定を受け、複数の等級に認定されたら等級を繰り上げる「併合」という処理がされることになるでしょう。

併合による等級の繰り上げは、基本的に以下の考え方で行われます。

併合による等級の繰り上げ

  • 5級以上が2つ以上あるなら、重い方の等級を3級繰り上げる
  • 8級以上が2つ以上あるなら、重い方の等級を2級繰り上げる
  • 13級以上が2つ以上あるなら、重い方の等級を1級繰り上げる
  • 14級が2つ以上あるなら、14級のまま
  • その他の場合は、重い方の等級に従う

たとえば、腹部臓器の症状で後遺障害11級、神経症状で後遺障害12級に認定されたなら、重い方の後遺障害11級を1級繰り上げ、併合10級に認められるのです。

ただし、後遺障害等級の併合にあたっては以下のような注意点もあります。

  • 後遺障害認定では「系列」という区分が定められている。
    複数の系列で後遺障害等級に認定されたら、まず同一系列内で併合を行い、そのうえで他の系列との併合を行う。
    • 例:腹部臓器と泌尿器の併合をしたうえで、足の変形と併合する
  • 内臓と別系列の症状が派生関係にある場合、併合するのではなくいずれか上位の等級に認定する。
    • 例:肋骨の変形で後遺障害12級、それを原因とする呼吸器の障害で後遺障害11級に認定されたら、上位である後遺障害11級に認定する。

複数の後遺症が残ったら、どの後遺障害等級への認定を目指すかは個別具体的な事情を考慮して決めなければなりません。

ご自身の症状で後遺障害何級を目指すべきか知りたい方は、交通事故事案を取り扱っている弁護士に相談するとよいでしょう。

なお、後遺障害等級の併合ルールについては関連記事『後遺障害等級の併合・相当・加重|複数の後遺症認定時のルールと慰謝料への影響』でも詳しく解説しています。

内臓損傷・破裂が後遺障害認定されたときの損害賠償

交通事故で内臓を損傷し、後遺障害認定を受けたら、将来の生活のためにも事故の相手方にしっかりと賠償を求めていくことが大切です。

ここからは、内臓損傷が後遺障害認定を受けたら請求できる「後遺障害慰謝料」「逸失利益」を中心に、相手方に請求できる損害賠償金を解説していきます。

(1)後遺障害慰謝料|精神的な苦痛の補償

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残った精神的な苦痛への賠償金です。

後遺障害慰謝料の相場は、後遺障害等級によって異なります。
また、交通事故の慰謝料には3種類の「算定基準」があり、どの基準を用いるかによっても金額が変わってくるのです。

交通事故の慰謝料の算定基準とは?

  • 自賠責保険が用いる「自賠責基準」、任意保険が用いる「任意保険基準」、弁護士や裁判所が用いる「弁護士基準」の3種類がある。
  • 慰謝料額は、基本的に「自賠責基準≦任意保険基準<弁護士基準」となる。
慰謝料金額相場の3基準比較

上記を踏まえて、後遺障害慰謝料がもっとも低額になる自賠責基準と、もっとも高額になる弁護士基準の相場を比べてみましょう。

等級 自賠責弁護士
1級・要介護1,650(1,600)2,800
2級・要介護1,203(1,163)2,370
1級1,150(1,100)2,800
2級998(958)2,370
3級861(829)1,990
4級737(712)1,670
5級618(599)1,400
6級512(498)1,180
7級419(409)1,000
8級331(324)830
9級249(245)690
10級190(187)550
11級136(135)420
12級94(93)290
13級57(57)180
14級32(32)110

※単位:万円
※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合

自賠責基準と弁護士基準で、数十万円~千数百万円の金額差があることに注意しなければなりません。

相手方の任意保険会社は、自賠責基準とほぼ同額か、自賠責基準にやや上乗せした程度の金額を提示してくるでしょう。この金額には、大幅な増額の余地があるのです。

しかしながら、被害者自身で弁護士基準の金額を主張しても、相手方の任意保険会社に認めてもらえることはほとんどありません。

そのような場合は、法律の専門家である弁護士に示談交渉を代理してもらうことで、増額を叶えられるでしょう。

請求できる慰謝料は他にもある

交通事故で後遺障害を負った方は、後遺障害慰謝料の他に、入通院慰謝料も請求することが可能です。

入通院慰謝料とは、交通事故で入通院した精神的苦痛への賠償金であり、治療期間や治療日数をもとに計算されます。入通院慰謝料も、算定基準によって金額が大きく異なることに注意しなければなりません。

交通事故の慰謝料についてより詳しく知りたい方は、『交通事故の慰謝料|相場や計算方法など疑問の総まとめ』の記事をご参考ください。
各慰謝料の金額の目安や適切な金額を受け取るためのポイントを紹介しています。

(2)逸失利益|将来的な減収の補償

逸失利益は、後遺障害が残ったため将来にわたって減った収入の補償です。

交通事故で内臓の機能障害が残ると、仕事を辞めざるを得なくなったり就労できる範囲が限られてしまったりする可能性が生じます。

このように後遺障害の影響で減ってしまう将来的な収入は、逸失利益として相手方に賠償してもらえるのです。

逸失利益とは失われた将来的な収入の補償

逸失利益の計算方法は以下のとおりです。

逸失利益の計算式

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

  • 基礎収入
    事故前の年収のこと。
    専業主婦や学生などは平均賃金を用いることもある。
  • 労働能力喪失率
    後遺障害によって落ちた労働能力を示す数値。
    後遺障害等級ごとにおおよその目安が決まっている。
  • 労働能力喪失期間
    労働能力を失った期間のこと。
    基本的に「症状固定時~67歳」の期間となるが高齢者は異なる。
  • ライプニッツ係数
    逸失利益を預金・運用することで生じる利息を差し引くための数値。

逸失利益の計算式には専門用語も多く含まれており、どのくらいの金額になるかイメージしづらいかと思われます。
【逸失利益の計算】職業別の計算方法を解説!早見表・計算機つき』の記事ではわかりやすくかみ砕いて計算方法を紹介しているので、ぜひご一読ください。

また、以下の計算機で逸失利益の大まかな金額を見積もることも可能です。
慰謝料の計算式ですが、同時に逸失利益も自動計算できるようになっているため、よろしければご利用ください。

(3)その他|治療費・休業損害・将来介護費など

ここまで紹介してきた慰謝料や逸失利益の他に、以下のような費目も相手方に請求可能です。

損害賠償金の主な費目

  • 治療関連費
    診察費、手術費、入院雑費、通院交通費、付添看護費など
    関連記事:交通事故被害者の治療費は誰が支払う?
  • 休業損害
    交通事故の影響で働けなかった期間の減収の補償
    関連記事:交通事故の休業損害
  • 将来介護費
    将来的に介護が必要な場合の費用の補償
    基本的に要介護1級・2級に認定されたら請求可能
    関連記事:交通事故で介護費用が請求できる2ケース
  • 将来的な治療費や器具・装具費
    将来のリハビリや検査などで必要となる費用
    また、介護用品やストーマ用装具なども買替分を請求可能
  • その他、物損の修理・買い替え費用など

「他にもこんなお金も請求できる?」といった疑問をお持ちの方は、『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事をお役立てください。相手方に請求できる費目と計算方法を網羅的に紹介しています。

交通事故で内臓を損傷・破裂となったら弁護士に依頼を

交通事故で内臓損傷・内臓破裂を負い、後遺症が残りそうな方は、弁護士への相談・依頼をご検討ください。

ここからは、交通事故で内臓損傷した方が弁護士に依頼するメリットを紹介していきます。

適切な後遺障害等級への認定に向けたサポート

内臓の機能障害はわかりやすく目に見えるものではないことが多いため、後遺障害認定を受ける際は申請書類で症状を詳細かつ客観的に立証することが求められます。

また、内臓の機能障害が残ったときは、他にも後遺症が残っていることが多く、後遺障害何級が妥当かは専門家による総合的な判断が必要になります。

弁護士に依頼すれば、後遺障害認定に向けた包括的なサポートを受けられます
たとえば、以下のようなサポートが挙げられるでしょう。

  • 後遺障害何級が妥当かの検討
  • 後遺障害認定のために必要な検査の検討
  • 後遺障害認定に向けた医師との打ち合わせ
  • 申請書類の収集
  • 申請書類の内容の確認・改善 など

後遺障害認定にあたって必要な検査や書類の検討は医師に頼ればいいと考える方も少なくありませんが、医師は交通事故の賠償に関する実務的な知識・経験を持っていません

交通事故事案を手掛ける弁護士に依頼することで、「後遺症の立証が不足して適切な後遺障害等級に認定されなかった」といった事態を防ぐことができるでしょう。

将来のために慰謝料・賠償金の増額を目指します

交通事故で内臓の機能障害を負った方は、将来の生活を安定させるためにも、適切な慰謝料・賠償金を相手方に支払ってもらうべきでしょう。

ところが、相手方の任意保険会社は相場より大幅に低い慰謝料・賠償金を提示してくることがほとんどです。

被害者自身で妥当な慰謝料・賠償金を主張しても、「裁判をしなければ認められない金額です」「弊社ではこの金額が上限です」などと反論され、増額を認めてもらえないのが実情と言えます。

一方、法律の専門家である弁護士が示談交渉を代理すれば、相手方の任意保険会社が増額を認める可能性が高いでしょう。

なぜなら、弁護士が出てくることは「裁判への発展が現実的になった」ことを意味するからです。

裁判は保険会社にとってデメリットが大きいうえ、裁判になったらどのみち弁護士基準で計算した慰謝料の支払いを求められるので、「それならば示談交渉で増額を認めよう」と判断する保険会社が多いでしょう。

弁護士が増額交渉をすることで、慰謝料・賠償金が提示額の2倍~3倍になるケースも少なくありません。相手方から示談案の提示があったら、弁護士に妥当な金額か一度確認してみてください。

増額交渉(弁護士あり)

弁護士費用について不安がある方へ

弁護士への依頼を検討するとき、弁護士費用が不安な方も多いと思われます。

しかし、後遺障害認定を受けられるような状況なら、弁護士に依頼してかえって損することはほとんどないと言えるでしょう。

なぜなら、損害賠償金全体が高額になる分、相手方の任意保険会社の提示額と弁護士が依頼して増額できる金額に差が生じやすくなるからです。

無論、「そうは言われても、依頼して結局損したら困る…」と悩まれる方も多いことでしょう。
このようにお悩みの方には、以下の2つの方法をご提案します。

  • 弁護士費用特約を使う
  • 無料相談で弁護士費用と増額幅の見積もりをとる

それぞれの方法について、詳しく説明していきます。

弁護士費用特約を使う

弁護士費用特約とは、保険会社に弁護士費用を一部負担してもらえる保険の特約です。自動車保険や火災保険、クレジットカードなどに付帯されていることがあるでしょう。

弁護士費用特約を使えば、多くの場合は弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社に負担してもらえます。

被害者自身が負担する弁護士費用を大きく減らせるので、弁護士に依頼してかえって損する事態をほぼ防ぐことが可能です。

弁護士費用特約は、被害者自身の保険だけではなく、被害者の家族が加入している保険に付帯されているものも利用できることがあります。

「付帯していたつもりはなかったけどいつの間にか付帯されていた」といったケースもあるため、まずは保険の契約状況を確認してみてください。

弁護士費用特約とは弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約

無料相談で弁護士費用と増額幅の見積もりをとる

弁護士費用特約を使えない状況でも、弁護士への依頼を断念するのはやや早計と言えます。

なぜなら、先述のとおり後遺障害認定を受けられるような状況なら、弁護士費用を支払っても弁護士に依頼した方が最終的に手元に入る金額が増える傾向にあるからです。

たとえば、実際にアトム法律事務所に依頼された方からは以下のようなお声をいただいています。

この度は、親切・迅速な対応により予想よりも大幅な増額に大変驚きました。自分で交渉していたら満足する結果は得られなかったです。もし、またなにかあったら是非お願いしたいです。今回は本当にお世話になりました。ありがとうございます。

ご依頼者様からのお手紙

この度はありがとうございました。初めての交通事故で、保険会社とのやりとりがわからず、保険会社からの金額も妥当なものかわらなかったので相談しました。結果、4倍もの金額が出て、おどろきました。本当にありがとうございました。

ご依頼者様からのお手紙

交通事故で損害賠償を請求しているときは、相手方が提示してきた案に合意する前に、各法律事務所が実施している無料相談を利用して増額幅と弁護士費用の見積もりを取ってみてください

示談が一度成立してしまうと、あとから撤回・再交渉することはできません。
あとから「本当はもっと多くの金額をもらえていたのに…」と悔やむことを避けるためにも、合意前の弁護士への確認相談は大切です。

まずは無料の電話・LINE相談をお試しください

交通事故による内臓損傷・内臓破裂で弁護士への依頼を検討されている方には、まずは無料の電話・LINE相談を利用してみることをおすすめします。

アトム法律事務所の無料相談では、以下のような内容を弁護士にご質問いただけます。

  • 自身の症状は後遺障害何級が妥当?
  • 適切な後遺障害認定を受けるために何をすればいい?
  • 相手方から提示された慰謝料・賠償金は妥当? 増額できる?
  • 相手方にこんなお金も請求できる?
  • 提示された過失割合に変更の余地はある?
  • 弁護士費用はどのくらいになる? など

もちろん、無料相談のみのご利用でも問題ありません
弁護士依頼の検討材料としてだけではなく、交通事故の損害賠償問題に関するちょっとした疑問や不安を解消するためでのご利用でも大丈夫です。ぜひお気軽にご利用ください。

アトム法律事務所は、交通事故や刑事事件といった都市型トラブルの解決に取り組む弁護士法人として、これまで多くの交通事故案件を解決してまいりました。

お客様満足度90%を超える実績で、交通事故の被害者の方をサポートいたします。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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