交通事故やバイク事故で足切断。慰謝料相場や後遺障害等級を解説

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事故で足切断...

交通事故やバイク事故で足を切断するような大けがを負った場合、身体的な負担はもちろん、仕事や生活にも深刻な影響が及びます。
精神的なショックも大きく、先の生活に不安を抱える方も少なくありません。

こうした状況で大切なのが、適切な損害賠償請求を行い、経済的な補償をしっかり受け取ることです。
後遺障害等級の認定や、慰謝料・逸失利益の算定、示談交渉など、対応すべきことは多岐にわたりますが、正しい知識があれば冷静に進められます。

この記事では、交通事故・バイク事故で足を切断した方やそのご家族に向けて、損害賠償請求に関する重要なポイントをわかりやすく解説します。

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足の切断とは|交通事故やバイク事故で生じるケース

足を切断するような大けがは、交通事故やバイク事故の中でも特に重篤なケースのひとつです。
歩行や生活への影響が大きいだけでなく、精神的・経済的なダメージも計り知れません。

具体的にどのようなケースで足を切断することになるのか、それによりどのような症状が生じるのかなどを見ていきましょう。

交通事故・バイク事故による足切断の主な原因

交通事故やバイク事故によって足を切断せざるを得なくなるケースは、次のような原因が考えられます。

  • 骨折による血流障害や感染症
    激しい骨折や粉砕骨折によって血管が損傷し、血流が回復しない場合、壊死を防ぐために切断が必要になります。
  • 筋肉や皮膚の壊死
    事故の衝撃によって広範囲の筋肉や皮膚が壊死した場合、感染症のリスクから切断を選択することがあります。
  • 車両に足が挟まれるなどの強い挟圧
    大型車やトラックに足を挟まれ、物理的に組織が破壊されてしまったケースもあります。

特にバイク事故では、体がむき出しの状態のため衝撃が直接足に伝わりやすく、自動車よりも切断に至るリスクが高いとされています。

こうした外傷の重さや受傷状況によって、事故後すぐに切断が必要になる場合と、治療の経過中に切断せざるを得なくなる場合があります。

切断後に生じやすい症状(幻肢痛・精神的影響など)

交通事故やバイク事故で足を切断した場合、幻肢痛や精神障害が発生することがあります。

幻肢痛とは、存在しないはずの足に痛みやしびれなどの疼痛を感じる症状のことです。

切断をした人の60~80%で生じるとされ、以前は心理的な問題だと考えられていましたが、現在では、切断面の神経損傷などが原因で生じていると認識されています。

また、足切断者の中には、交通事故時の生命の危機を感じた恐怖が原因でPTSDを発症する方や足切断の喪失感や社会復帰への不安などから、うつ病を発症される方も少なくありません。

手術・リハビリにかかる入院期間の目安

足を切断した場合、手術後すぐに退院できるわけではなく、その後のリハビリを含めると一定期間の入院が必要になるケースが多いです。

入院期間の目安は、以下のような要素によって異なります。

  • 切断した部位(太もも/膝下など)
  • 合併症や感染症の有無
  • 年齢や基礎疾患の有無
  • 義足を装着できるかどうか

切断部位が太ももに近いほど、リハビリが難しくなる傾向があります。
リハビリは、以下のようなことを目的に行われます。

  • 傷口の治癒と断端の形成
  • 義足装着に向けた調整と練習
  • 歩行訓練や日常動作のトレーニング
  • 精神的サポート(うつ・喪失感への対応)

なお、退院後もしばらくは通院しながらリハビリが続くのが一般的です。
医師や理学療法士、義肢装具士など多職種の連携のもとで、長期的な回復を目指していくことになります。

足切断による後遺障害等級の認定と慰謝料相場

交通事故やバイク事故で足を切断したとき、切断した足の本数(両足切断か片足切断か)や切断部位・位置に応じて後遺障害1級・2級・4級・5級・7級のいずれかが認定されることになるでしょう。

ちなみに、後遺障害認定の実務上、足の切断は「足の欠損障害」と呼ばれています。

それではここからは、各等級ごとの認定基準とその等級に応じた後遺障害慰謝料相場をみていきます。

後遺障害等級とは?認定されると何が変わる?

後遺障害等級とは、交通事故やバイク事故で負ったケガが完治せず、後遺症が残ってしまった場合に認定されうるものです。
足を切断した場合も、身体機能に重大な障害が残ることから、後遺障害等級が認定されるケースが多いです。

後遺障害等級が認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益などの損害賠償を請求できるようになります。

後遺障害等級の認定を受けるには、以下の手順で審査を受ける必要があります。

【後遺障害等級の認定手続き】

  1. 医師に後遺障害診断書を書いてもらう
  2. 必要な書類を保険会社または自賠責調査事務所へ提出
  3. 書面審査の結果が通知される

後遺障害等級は、1級違うだけでも慰謝料や逸失利益に大きな差が生じます。
適切な等級に認定されるよう、ご自身の症状や切断部位に応じた認定基準を正しく把握しておくことが大切です。

後遺障害認定手続きの詳しい流れや、準備すべき資料、後遺障害認定申請方法などの詳細を知りたい方は、下記の関連記事をご覧ください。

関連記事

切断部位ごとの後遺障害等級と慰謝料相場一覧

足切断による後遺障害等級は、切断された部位や本数によって異なります。
以下に、代表的な切断パターンと、それに該当する後遺障害等級、慰謝料相場を一覧でまとめました。

【切断部位と後遺障害等級・慰謝料相場】

切断部位の状態後遺障害等級慰謝料相場
両足を膝関節以上で切断1級2,800万円
両足を足関節以上で切断2級2,370万円
片足を膝関節以上で切断4級1,670万円
両足をリスフラン関節以上で切断4級1,670万円
片足を足関節以上で切断5級1,400万円
片足をリスフラン関節以上で切断7級1,000万円

なお、ここで紹介している慰謝料相場は、「弁護士基準」に沿ったものです。

弁護士基準とは過去の判例に基づく慰謝料の算定基準で、法的正当性が高く、裁判所や弁護士も用います。

ただし、加害者側の保険会社は、保険会社独自の基準に沿った低い金額を提示してきます。実際に受け取れる金額は示談交渉次第となる点には、ご注意ください。

等級ごとの認定基準と具体的な該当ケース

ここからは、足の切断で認定されうる各後遺障害等級の認定基準や、具体的な該当ケースを解説していきます。

両足を膝関節以上で切断|1級

交通事故やバイク事故で両足を膝関節より上で切断した場合、後遺障害1級5号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は、2,800万円です。

両足を膝関節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
1級5号両下肢をひざ関節以上で失ったもの

両下肢をひざ関節以上で失ったとは、両足が次のいずれかに該当しているものをさします。

  • 股関節で、寛骨と大腿骨を切断した
  • 股関節とひざ関節との間で、足を切断した
  • ひざ関節で、大腿骨と脛骨および腓骨を切断した

つまり、ひざ関節での切断も含め、ひざ関節より上の位置で足を切断した場合は「ひざ関節以上で失ったもの」といえるでしょう。

両足を足関節以上で切断|2級

交通事故やバイク事故で両足を足関節より上で切断した場合、後遺障害2級4号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は2,370万円です。

両足を足関節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
2級4号両下肢を足関節以上で失ったもの

両下肢を足関節以上で失ったとは、両足が次のいずれかに該当しているものをさします。

  • ひざ関節と足関節との間で、足を切断した
  • 足関節で、脛骨および腓骨と距骨を切断した

つまり、足関節での切断も含め、足関節より上の位置で足を切断した場合は「足関節以上で失ったもの」といえるでしょう。

なお、足首の足根骨には複数の骨で構成されていますが、「足関節以上で失ったもの」に該当するのは脛骨および腓骨と距骨を切断したものに限ります。

片足を膝関節以上で切断|4級

交通事故やバイク事故で片足を膝関節より上で切断した場合、後遺障害4級5号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は1,670万円です。

片足を膝関節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
4級5号一下肢をひざ関節以上で失ったもの

一下肢をひざ関節以上で失ったとは、1級5号の認定基準と同じく、片足が以下のいずれかに該当している状態を指します。

  • 股関節で、寛骨と大腿骨を切断した
  • 股関節とひざ関節との間で、足を切断した
  • ひざ関節で、大腿骨と脛骨および腓骨を切断した

両足をリスフラン関節以上で切断|4級

交通事故やバイク事故で両足をリスフラン関節より上で切断した場合、後遺障害4級7号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は1,670万円です。

両足をリスフラン節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
4級7号両足をリスフラン関節以上で失ったもの

両足をリスフラン関節以上で失ったとは、両足が次のいずれかに該当しているものをさします。

  • 足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、3個の楔状骨)において足を切断した
  • リスフラン関節において中足骨と足根骨を切断した

リスフラン関節は足の土踏まずの部分にある関節のことで、正確には足指に分類されます。足指の切断については関連記事『交通事故で足指を切断・曲がらなくなった』でも詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

片足を足関節以上で切断|5級

交通事故やバイク事故で片足を足関節より上で切断した場合、後遺障害5級5号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は1,400万円です。

片足を足関節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
5級5号一下肢を足関節以上で失ったもの

一下肢を足関節以上で失ったとは、2級4号の認定基準と同じく、片足が以下のいずれかに該当している状態のことです。

  • ひざ関節と足関節との間で、足を切断した
  • 足関節で、脛骨および腓骨と距骨を切断した

片足をリスフラン関節以上で切断|7級

交通事故やバイク事故で片足をリスフラン関節より上で切断した場合、後遺障害7級8号に認定される可能性があります。後遺障害慰謝料の相場は1,000万円です。

片足を足関節以上で切断した場合の認定基準

等級認定の基準
7級8号一足をリスフラン関節以上で失ったもの

一足をリスフラン関節以上で失ったとは、4級7号の認定基準と同じく、片足が以下のいずれかに該当している状態のことです。

  • 足根骨(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、3個の楔状骨)において足を切断した
  • リスフラン関節において中足骨と足根骨を切断した

足切断で請求できる損害賠償|費目と相場

事故で足を切断した場合、慰謝料や逸失利益、治療費、休業損害など請求できる損害項目は多岐にわたります。多くのケースで請求できる主な費目は、以下の通りです。

  1. 後遺障害慰謝料
  2. 入通院慰謝料
  3. 休業損害
  4. 逸失利益
  5. 義足に関する費用
  6. 車椅子・家屋改造に関する費用
  7. 将来の介護費用
  8. 治療費用

費目ごとにそれぞれ詳しくみていきます。

(1)後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害を負った精神的苦痛をやわらげるためのお金です。

足の切断で該当しうる等級の後遺障害慰謝料の相場は、以下のとおりです。

後遺障害慰謝料の相場

等級 慰謝料額自賠責基準*
1級2,800万円1,650万円
(1,600万円)
2級2,370万円998万円
(958万円)
4級1,670万円737万円
(712万円)
5級1,400万円618万円
(599万円)
7級1,000万円419万円
(409万円)

*()は2020年3月31日までに起きた交通事故における金額

交通事故やバイク事故で足を切断した場合、弁護士基準にもとづくと後遺障害慰謝料は1,000万円~2,800万円です。

一方、加害者側の任意保険会社は「自賠責基準」にもとづく419万円~1,650万円、あるいはそれに近い自社独自の基準に基づく金額を提示してきます。
自賠責基準とは国が定めた最低限の金額基準で、各保険会社独自の基準は「任意保険基準」と呼ばれます。

弁護士基準に近い金額を得るには、基本的には示談交渉内で増額を求めることが必要です。

(2)入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、怪我の治療のために入院や通院を行うことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料です。

具体的な金額は、入通院の期間(治療期間)に応じて決まります。
交通事故やバイク事故により足を切断した場合、弁護士基準であれば以下の計算表にもとづいて金額が算出されます。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

一方自賠責基準では、日額(4,300円)に「対象日数」か「対象日数の2倍」のうち少ない方をかけて入通院慰謝料を算定します。

例えば交通事故・バイク事故で足を切断し通院入院1ヶ月、通院6ヶ月となった場合、弁護士基準なら入通院慰謝料は149万円です。しかし、自賠責基準であれば最大でも90万3,000円にしかなりません。(1ヶ月を30日とした場合)

足切断で入院1ヶ月、通院6ヶ月の入通院慰謝料相場

弁護士基準自賠責基準
149万円最大90万3,000円

(3)休業損害

休業損害とは、事故によるケガを治療するために仕事を休んだことで生じる減収をいいます。基本的には以下の計算式で金額が確認されます。

休業損害の相場

日額(事故前の1日あたりの収入)×休業日数(原則として症状固定まで)

交通事故やバイク事故により足を切断した場合には、治療だけでなくリハビリのために休業した日も休業損害の対象になります。

なお、日額は、給与所得者(会社員)の場合、「事故前3ヶ月の収入を日割りしたもの」とするのが基本です。被害者が子供・学生だった場合や主婦だった場合、自営業や会社役員だった場合は賃金センサスなど別の方法で日額が算定されます。

詳しく知りたい方は『交通事故の休業損害|計算方法や休業日の数え方・いつもらえるか弁護士解説』の記事をご覧ください。

(4)逸失利益

逸失利益とは、後遺障害の影響で将来的に減ってしまう収入の補償です。
交通事故やバイク事故による足切断で労働能力が低下した結果、減ってしまう生涯収入を補償します。

逸失利益とは失われた生涯収入の補償

逸失利益の相場は基本的に、「足を切断し労働能力が◯%低下したことで減ってしまう、症状固定~67歳までの収入」です。

労働能力が何%低下したか(労働能力喪失率)は後遺障害等級ごとに目安が決まっており、足切断が該当しうる等級の労働能力喪失率は以下のとおりです。

等級労働能力喪失率
1100%
2100%
492%
579%
756%

大まかな目安は以下の計算機から分かります。どなたでも利用できる便利な計算ツールですので、お気軽にご活用ください。

逸失利益の計算式

逸失利益は以下の式を用いて算出されます。

逸失利益の計算式

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

  • 基礎収入
    事故前の年収のこと。
    専業主婦や学生などは平均賃金を用いることもある。
  • 労働能力喪失率
    後遺障害によって落ちた労働能力を示す数値。
    後遺障害等級ごと数値が決まっている。
  • 労働能力喪失期間
    労働能力を失った期間のこと。
    基本的に「症状固定時の年齢から67歳まで」の期間となる。
    67歳を超える場合は原則平均余命の2分の1の期間となる。
  • ライプニッツ係数
    逸失利益を預金・運用することで生じる利息を差し引くための数値。
    期間に応じた数値が定められている。

逸失利益の計算方法について詳しく知りたい方は『交通事故の逸失利益とは?計算方法を解説!早見表・計算機で相場も確認』の記事をご覧ください。

(5)義足に関する費用

交通事故やバイク事故で足を切断した場合、義足により歩行が可能になるケースがあります。このような場合、義足に関する費用(装具・器具購入費)も損害賠償金として請求可能です。

もっとも、義足は使用を続けているうちに形が変化して作り直さねばならなかったり、耐用年数があったりして、買い替える必要もあるでしょう。そのため、義足の購入費用だけでなく、買い替え費用など将来的に発生する費用も考慮して相手方に請求することが可能です。

(6)車椅子・家屋改造に関する費用

交通事故やバイクで足を切断した場合、義足ではなく車椅子が必要になるケースもあるでしょう。また、屋内の段差をなくしたり、手すりを付けるなど自宅をバリアフリーにリフォームする家屋改造費用も必要になります。

こういった車椅子や家屋改造に関する費用も損害賠償金として請求可能です。

義足と同じように、劣化による再購入費用やリフォーム後に生じる保守点検などが必要になってくるので、車いすや家屋改造費用も将来的に発生する費用も考慮して相手方に請求することが可能です。

交通事故によって車椅子が必要になった場合の相場や請求におけるポイントについては、関連記事でくわしく解説しています。

(7)将来介護費用

将来介護人は、将来にわたり家族や職業人が被害者を介護する場合に請求できる費目です。相場は、近親者による介護なら1日8,000円、職業人による介護なら実費全額です。

将来介護費が認められるのは、基本的に後遺障害等級が「要介護1級」「要介護2級」に該当する場合ですが、足切断はこれらの等級には該当しません。

しかし、現実問題として足を切断するとさまざまな場面で介護が必要になるため、そのことを証明できれば将来介護費の請求が可能です。

実際に、左右下肢の機能障害による歩行不能のために日常生活に付き添い介助した近親者の介護費用が認められた判例もあります。(神戸地判平16.8.18 交民37・4・1072)

しかし、加害者側は「要介護等級ではない」などの理由で将来介護費を認めようとしない可能性があります。お困りの場合は弁護士にご相談ください。

将来介護費としてどのような請求が可能となるのかについては『交通事故で介護費用が請求できる2ケース|計算方法と裁判例から金額もわかる』の記事で詳しく解説しています。

(8)治療関係費

交通事故やバイク事故による足の切断を治療するために生じた費用について請求が可能です。
具体的には、以下のような費用が該当するでしょう。

  • 投薬費
  • 手術費
  • 入院費用
  • 入院時の日用品や雑費代
  • 入通院のための交通費
  • 通院交通費
  • 付添看護費用

投薬費、手術費、入院費用などの治療に直接必要となる費用は、加害者側の任意保険会社が代わりに負担してくれることが多いです。

任意保険会社が代わりに負担してくれない場合は、被害者が負担したうえで、加害者に請求を行うこととなるでしょう。

詳しくは『交通事故の治療費は誰が支払う?過失割合がある場合や立て替えのポイントは?』の記事で確認可能です。

障害者手帳・障害年金の取得も検討を

交通事故やバイク事故で足を切断した場合、障害者手帳や障害年金、障害手当金の受給が可能です。
障害者手帳は、身体障害者手帳、知的障害者手帳、精神障害者手帳の3種類があり、それぞれに障害の程度に応じて等級が設定されています。

足を切断した場合、身体障害者手帳の交付を受けられるでしょう。どの等級が認定されるかは、切断した足の本数や場所によって下記のように異なります。

等級下肢切断の障害程度
1級両足を大腿部の2分の1より上で切断
2級両足を下腿部の2分の1より上で切断
3級片足を大腿部の2分の1より上で切断
両足をショパール関節より上で切断
4級片足を下腿部の2分の1より上で切断
6級片足をリスフラン関節より上で切断

障害者手帳を申請は、市区町村の窓口で行って下さい。
申請の際には、申請書や指定医師の作成した診断書などが必要となるので、事前に窓口へ連絡して確認しておくと良いでしょう。

障害者手帳を取得することで、さまざまな福祉サービスや優待を受けることができます。
たとえば、介護保険の利用、公共交通機関の割引、税金の減免などです。

交通事故やバイク事故で足を切断した場合、障害者手帳を申請することで、日常生活を送る上でのさまざまな支援を受けることができます。障害者手帳の申請を検討してみてください。

障害者手帳についてさらに詳しくは、関連記事『後遺障害等級が認定されたら障害者手帳ももらえる?』が参考になります。

障害年金・障害手当金について

障害年金を請求できるのは、通常初診日から1年6か月を経過してからですが、足切断の場合は、切断日(手術後)から請求することができます

ただし、障害手当金の場合は、創面が治癒した日からになるので注意が必要です。

また、障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は、等級などに応じて支給額が変わりますが、等級の認定基準は障害者手帳とは違いがある点や受給には一定の要件がある点も注意点となります。

関連記事

交通事故で障害年金はもらえる?損害賠償との支給調整や申請時の注意点

足切断で十分な慰謝料・賠償金を得る方法

先述の通り、交通事故で足を切断した場合に請求できる慰謝料の相場は弁護士基準に沿ったものが適正です。しかし、加害者側はより低額な自賠責基準や任意保険基準の金額を提示してくると考えられます。

また、その他の費目についても加害者側は低い金額を提示してくることがあるため、適正な金額を得る方法を確認していきましょうこ

示談交渉では過失割合の主張がカギ

慰謝料や賠償金を最大限に得るには、示談交渉での「過失割合の主張」が非常に重要です。

過失割合とは、事故の責任が被害者・加害者のどちらにどれだけあるかを数値化したもので、たとえば過失が2割あると、受け取れる賠償金は本来の8割(2割減)に減額されてしまいます。

同じ損害額でも、過失割合が1割違うだけで数十万円〜数百万円単位で賠償金に差が出ることも珍しくありません。

そのため、過失割合が不当に重くならないように、事故状況を正確に伝え、根拠のある主張を行うことが大切です。

同じような事故状況であっても、被害者や加害者が自動車だったのかバイクだったのか、歩行者だったのかによっても過失割合は変わってきます。

また、保険会社の提示は被害者に不利なケースも多いため、納得できない場合は弁護士に確認を依頼するのが安心です。

示談で不利にならないためのポイント

示談交渉では、保険会社が提示する条件が被害者にとって不利な内容になっているケースも多くあります。
一度示談が成立すると原則やり直しができないため、慎重に判断する必要があります。

示談交渉などについて弁護士に相談・依頼することで、以下のような点でサポートを受けることが可能です。

  • 過失割合の見直し交渉
    → 事故状況や過去の事例などをもとに、不当に高い過失を減らせる可能性があります
  • 後遺障害等級の申請サポート・異議申立て
    → 医師との連携や診断書のチェックを通じて、適正な等級認定につなげます
  • 慰謝料・逸失利益の増額交渉
    → 弁護士基準(裁判基準)に基づく金額の主張で、保険会社の提示額を大幅に増額できる可能性があります
  • 将来費用の請求漏れ防止(義足の交換費・介護費など)
    → 長期的に必要な支出まで見越した請求内容を主張できます

弁護士に依頼すれば、これらの対応をすべて任せられ、精神的な負担も大きく軽減されます。
保険会社の提示に少しでも不安がある場合は、示談前に一度、弁護士に相談することをおすすめします。

関連記事

足切断の賠償問題は弁護士に相談

交通事故やバイク事故で足を切断するという後遺障害が残ったら、納得できる補償を加害者側からもらい、将来に備えましょう。そのためにも、今後の方向性を弁護士に相談・依頼することが大切です。

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そのため、まずは弁護士の法律相談を受けて、自身に生じる具体的なメリットを知りましょう。

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また、依頼を受けた際にも原則として着手金は無料であり、加害者から損害賠償金を得た後に費用のお支払いとなります。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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