交通事故による腕の切断・偽関節・変形癒合|後遺障害等級や慰謝料は?

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交通事故で腕を切断

交通事故やバイク事故で腕を骨折し、切断や変形といった後遺症が残ってしまった方は、強いショックを受けると同時に、将来の生活について不安を抱えていることと思います。

事故で腕の切断・変形で後遺障害認定を受ければ、後遺障害等級に応じた「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」を事故の相手方に請求することが可能です。

この記事では、交通事故やバイク事故による腕の切断や変形についての後遺障害認定基準、後遺障害に認定されたら請求できる慰謝料の相場や、逸失利益の計算方法を詳しく解説します。ぜひお役立てください。

お悩みに合わせて、以下の記事もお役立てください。

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交通事故で腕を切断|後遺障害認定等級と慰謝料

交通事故やバイク事故で腕を切断(腕の欠損障害)したら、切断した腕の本数や位置によって後遺障害1級、2級、4級、5級のいずれかに認定される可能性があります。

後遺障害等級に認定されると、その等級に応じた「後遺障害慰謝料」を請求できます。

各等級の認定基準と後遺障害慰謝料の相場を見ていきましょう。

交通事故の慰謝料には、「弁護士基準」「任意保険基準」「自賠責基準」の3つの金額基準があります。ここでは、弁護士基準と自賠責基準における相場を紹介します。

  • 弁護士基準:過去の判例に沿った法的正当性の高い基準。
  • 任意保険基準:各任意保険会社が独自に定める基準。基本的には自賠責基準に近い。
  • 自賠責基準:国が定める最低限の基準。

加害者側は、任意保険基準や自賠責基準の金額を提示してきます。

両腕を肘関節以上で切断した|1級

交通事故やバイク事故で両腕を肘関節より上で切断した場合、後遺障害1級3号に認定される可能性があるでしょう。

後遺障害認定基準

等級認定基準
1級3号両上肢をひじ関節以上で失ったもの

上肢を肘関節以上で失ったとは、以下のいずれかに該当していることを言います。

  • 肩関節で、肩甲骨と上腕部を切断した
  • 肩関節と肘関節の間で、腕を切断した
  • 肘関節で、上腕骨と橈骨・尺骨を切断した

後遺障害1級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
2,800万円1,150万円(1,100万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合

両腕を手関節以上で切断した|2級

交通事故やバイク事故で両腕を手関節より上で切断した場合、後遺障害2級3号に認定される可能性があります。

後遺障害認定基準

等級認定基準
2級3号両上肢を手関節以上で失ったもの

上肢を手関節以上で失ったとは、以下のいずれかに該当していることです。

  • 肘関節と手関節の間で、腕を切断した
  • 手関節で、橈骨・尺骨と手根骨を切断した

後遺障害2級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
2,370万円998万円(958万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

片腕を肘関節以上で切断した|4級

交通事故やバイク事故でどちらか片方の腕を肘関節より上で切断した場合、後遺障害4級4号に認定される可能性があるでしょう。

後遺障害認定基準

等級認定基準
4級4号1上肢をひじ関節以上で失ったもの

上肢を肘関節以上で失ったとは、1級3号の認定基準と同じく、以下のいずれかに該当している状態を指します。

  • 肩関節で、肩甲骨と上腕部を切断した
  • 肩関節と肘関節の間で、腕を切断した
  • 肘関節で、上腕骨と橈骨・尺骨を切断した

後遺障害4級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
1,670万円737万円(712万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

片腕を手関節以上で切断した|5級

交通事故やバイク事故で両腕を手関節より上で切断した場合、後遺障害5級4号に認定される可能性があります。

後遺障害認定基準

等級認定基準
5級4号1上肢を手関節以上で失ったもの

上肢を手関節以上で失ったとは、2級3号の認定基準と同じく、以下のいずれかに該当している状態のことです。

  • 肘関節と手関節の間で、腕を切断した
  • 手関節で、橈骨・尺骨と手根骨を切断した

後遺障害5級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
1,400万円618万円(599万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

腕の偽関節・変形癒合|後遺障害等級と慰謝料

交通事故やバイク事故で腕に偽関節が残るなど変形してしまったら、変形の程度によって後遺障害7級、8級、12級のいずれかに認定される可能性があります。

事故による腕の変形障害の後遺障害認定基準を詳しく見ていきましょう。

偽関節が残った|7級・8級

偽関節とは、骨折した箇所の治癒が途中で止まり、本来関節ではない箇所が関節のように動いてしまう状態のことです。偽関節は骨の癒合不全の一種になります。

偽関節は骨折した箇所が安定しない場合や、骨の血流が悪い場合に発生する可能性があります。腕で偽関節が発生しうる部位は、上腕骨、前腕の橈骨、尺骨です。

腕の上腕骨、橈骨、尺骨に偽関節が残った場合、後遺障害7級9号または8級8号に認定される可能性があります。

後遺障害認定基準

等級認定基準
7級9号1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級8号1上肢に偽関節を残すもの

後遺障害7級、8級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
7級1,000万円419万円(409万円)
8級830万円331万円(324万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

各等級の認定基準を具体的に見ていきましょう。

なお、足に偽関節が残った場合は『交通事故による足の短縮・変形の後遺障害認定』の記事をご参考ください。

7級9号の具体的な認定基準

偽関節が後遺障害7級9号に認定されるためには、原則として常に硬性補装具を必要とする状態であることが求められます。なお、硬性補装具とは、布ではなく金属やプラスチックでできたサポーターなどのことです。

そのうえで、下記のいずれかに該当する場合には、7級9号に認定されるでしょう。

  • 上腕骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残す
  • 橈骨および尺骨の両方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残す

骨幹部とは骨の中央部分のことを指します。また、骨幹端部とは、骨の端にある太くなっている部分(骨端部)と骨幹部がつながる部分のことです。

骨端部に癒合不全が残った場合は、偽関節として後遺障害7級または8級に認定されるのではなく、腕の骨の変形として12級に認定されることになるでしょう。

8級8号の具体的な認定基準

偽関節が後遺障害8級8号に認定されるためには、下記のいずれかの条件に該当している必要があります。

  • 上腕骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残す
    (常に硬性補装具を必要とするわけではない)
  • 橈骨および尺骨の両方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残す
    (常に硬性補装具を必要とするわけではない)
  • 橈骨または尺骨のいずれか一方の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残し、時々硬性補装具を必要とする

腕の骨が変形した|12級

偽関節の後遺障害認定基準に該当しない変形障害については、「長管骨に変形を残すもの」に該当すれば後遺障害12級8号に認定されるでしょう。

後遺障害認定基準

等級認定基準
12級8号長管骨に変形を残すもの

後遺障害12級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
290万円94万円(93万円)

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

長管骨とは、手足を構成する骨のうち、とくに長い骨のことを言います。腕にある長管骨は上腕骨、橈骨、尺骨の3本です。

腕の骨折で後遺障害12級8号の認定を受ける条件は、下記のとおりです。

  • 上腕骨に外部から見てわかる変形を残した
    (15度以上曲がって不正癒合した)
  • 橈骨および尺骨の両方に外部からわかる変形を残した
    (15度以上曲がって不正癒合した)
  • 橈骨および尺骨の一方に変形を残し、その程度が著しい
  • 上腕骨、橈骨または尺骨の骨端部に癒合不全を残した
  • 橈骨または尺骨の骨幹部または骨幹端部に癒合不全を残し、硬性補装具を必要としない
  • 上腕骨、橈骨または尺骨の骨端部のほとんどを欠損した
  • 骨端部を除いた上腕骨の直径が3分の2以下に減少した
  • 骨端部を除いた橈骨または尺骨の直径が2分の1以下に減少した
  • 上腕骨が50度以上外旋または内旋変形癒合した
    (X線写真などで上腕骨骨幹部の骨折部に回旋変形癒合が明らかに認められるうえで、以下のいずれかに該当している必要がある)
    • 外旋変形癒合については、肩関節の内旋が50度を超えない
    • 内旋変形癒合については、肩関節の外旋が10度を超えない

なお、上記の症状が複数ある場合でも、原則として12級8号のみに認定され、より上位の等級認定は行われないとされています。

腕の切断などに付随する後遺障害の等級・慰謝料

腕の切断や偽関節、変形癒合では、それに付随して腕のしびれや傷跡といった後遺障害が残ることもあります。また、複数の後遺障害が残ることもあるでしょう。

そこでここでは、腕のしびれや傷跡の後遺障害等級・慰謝料や、後遺障害が複数残った場合の後遺障害等級について解説します。

腕のしびれや傷跡の後遺障害等級・慰謝料

まずは、腕のしびれや傷跡の後遺障害等級・慰謝料を紹介します。

腕のしびれの後遺障害等級・慰謝料

腕に偽関節が残ったとき、同時に痛みやしびれといった神経症状も残ることもあります。

腕の痛みやしびれといった神経症状は、後遺障害12級13号または14級9号に認められる可能性があるでしょう。

後遺障害認定基準

等級認定基準
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

後遺障害12級・14級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
12級290万円94万円(93万円)
14級110万円32万円

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

12級13号の認定を受けるためには、CTやMRIなどの画像検査で神経症状の原因となる器質的損傷を明確に示すことが必要です。

一方、14級9号の認定を受けるためには、ジャクソンテストやスパークリングテストなどの神経学的検査を受け、神経症状が生じていることを推認できるようにする必要があります。

後遺障害12級・14級のくわしい認定基準や後遺障害認定の申請方法、後遺障害慰謝料の相場などのくわしい解説は、以下の関連記事もご参考ください。

腕の傷跡の後遺障害等級・慰謝料

交通事故やバイク事故で腕をケガしたとき、傷跡が残ってしまうこともあるでしょう。

腕に傷跡が残った場合、大きさによって後遺障害12級相当または14級4号に認定される可能性があります。

後遺障害認定基準

等級認定基準
12級相当上肢の露出面に手のひらの大きさを相当程度超える瘢痕を残すもの
14級4号上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの

後遺障害12級・14級の後遺障害慰謝料相場は、以下のとおりです。

弁護士基準自賠責基準
12級290万円94万円(93万円)
14級110万円32万円

※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故

上肢の露出面とは、肩関節から指先までのことです。

手のひらの大きさの3倍程度以上の傷跡が残った場合は12級相当、手のひらの大きさ程度の傷跡が残った場合は14級4号に認定されるでしょう。なお、ここで言う手のひらの大きさとは指部分を除いた面積を指します。

交通事故による傷跡の後遺障害認定については、顔の傷を中心に醜状障害について解説した記事『交通事故による顔の傷跡(外貌醜状)の後遺障害認定』で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

複数の後遺障害が残った場合の後遺障害等級は?

交通事故やバイク事故で腕を切断する、偽関節が残るといった重い後遺症が残った場合、腕以外にも複数の後遺症が残る可能性があります。

事故で複数の後遺症が残ったら、症状ひとつひとつについて後遺障害認定を受けます。そのうえで、複数の後遺障害等級に認定されたら全体的な等級を繰り上げる「併合」という処理を受けることになるでしょう。

併合による後遺障害等級の繰り上げは、以下の考え方で行われます。

  • 5級が2つ以上:最も重い等級を3級繰り上げる
  • 8級が2つ以上:最も重い等級を2級繰り上げる
  • 13級が2つ以上:最も重い等級を1級繰り上げる
  • 14級が2つ以上:14級のまま

同じ腕に後遺障害を負った場合も、基本的には併合等級に認定されることになります。

ただし、それぞれの症状が派生関係と考えられる場合は、併合ではなく症状を全体的に評価してより上位の等級が認められることもあります。たとえば、交通事故によって骨を折り、偽関節としびれが残ったような場合などです。

後遺障害等級の併合ルールについては複雑なので、詳しい解説記事『後遺障害等級の併合・相当・加重|複数の後遺症認定時のルールと慰謝料への影響』も参考にしてください。

腕の切断や偽関節・変形統合のその他の慰謝料は?

交通事故やバイク事故で腕の切断や変形が生じた場合、入通院慰謝料や逸失利益、治療費なども請求できます。それぞれについても見ていきましょう。

(1)入通院慰謝料|入院・通院期間に応じて金額が決まる

入通院慰謝料とは、「交通事故によるケガで入院・通院することで生じる精神的苦痛」を補償するものです。

入通院慰謝料は、弁護士基準なら算定表から、自賠責基準なら計算式から算定します。

まず、弁護士基準で入通院慰謝料を算定するための表を見てみましょう。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

※上記は重傷用の表です。軽傷の場合は別の表を用います。

続いて、自賠責基準における入通院慰謝料の計算式は、次のとおりです。

4300円 × 対象日数
※次のうちどちらか短い方を「対象日数」として採用します。

  • 治療期間
    ※治療期間とは、一番最初に病院を受診した日~治療終了までの期間をさします。
  • 実際に治療した日数×2

(2)逸失利益|減ってしまう生涯収入の補償

逸失利益とは、後遺障害の影響で減ってしまう将来的な収入の補償です。後遺障害慰謝料と同様、後遺障害等級の認定を受けると請求できます。

逸失利益とは後遺障害などで失われた将来的な収入の補償

交通事故やバイク事故で腕の切断や変形といった後遺症が残ると、仕事に大きな影響が生じることが多いです。現職を辞めざるを得なくなったり、昇進・昇給できなくなったり、配置転換になったりすることがあるでしょう。

このように後遺障害の影響で将来的に減ってしまう収入については、逸失利益という形で事故の相手方に補償してもらえるのです。

逸失利益は、基本的に以下の式によって計算されます。

逸失利益の計算式

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

  • 基礎収入
    事故前の年収のこと。
    専業主婦や学生などは平均賃金を用いることもある。
  • 労働能力喪失率
    後遺障害によって落ちた労働能力を示す数値。
    後遺障害等級ごとにおおよその目安が決まっている。
  • 労働能力喪失期間
    労働能力を失った期間のこと。基本的に「症状固定時~67歳」となる。
  • ライプニッツ係数
    逸失利益を預金・運用することで生じる利息を差し引くための数値。

より詳しく逸失利益の計算について知りたい方は、『【逸失利益の計算】職業別の計算例や早見表・計算機つき|もらえない原因と対処法』の記事をご覧ください。

また、以下の慰謝料計算機を用いれば、逸失利益についても簡単に自動計算することが可能です。

逸失利益に関する注意点

労働能力喪失率は後遺障害等級ごとに目安が決まっていますが、偽関節などの変形障害では相手方から「後遺障害が労働にあまり影響していると考えられないため、労働能力喪失率を低く見積もるべきだ」などと主張されることがあります。

逸失利益は高額になりやすいため、事故の相手方と争いやすい費目です。

相手方の任意保険会社と逸失利益について争う場合、被害者自身では効果的な反論ができないことも多いです。逸失利益を適切に算出し、主張していくには法律の専門知識が必要なため、交通事故を取り扱っている弁護士にご相談ください。

(3)その他|治療費、将来的な義肢の購入費など

交通事故やバイク事故で腕の切断・変形といった後遺障害を負った場合、慰謝料や逸失利益の他にも以下のような費目を示談金として請求できます。

請求できる費目

  • 治療関係費
    診察費、手術費、入院雑費、通院交通費、付添看護費など
  • 休業損害
    交通事故で仕事を休んだことによる減収の補償
  • 将来的な器具・装具費
    将来的に必要となる義肢や補装具の買い替え費用
  • 家屋・自動車等改造費
    後遺障害の影響で必要となる自宅や自動車のリフォーム費用
  • 物損分の費目
    車の修理費など

各費目の詳しい計算方法や相場を知りたい場合は、『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』をご確認ください。

腕の切断や偽関節・変形統合で慰謝料を得るまでの流れ

腕の切断や偽関節、変形癒合で慰謝料を得るまでの流れは以下のとおりです。

  1. 後遺障害認定を受ける
  2. 加害者側から示談案が届く
  3. 示談交渉をする
  4. 示談成立後、示談金(慰謝料など)が振り込まれる

それぞれのフェーズについて解説します。

後遺障害認定を受ける|症状別の審査対策を紹介

腕の切断・偽関節・変形癒合などで後遺症が残ると、医師から「症状固定」の診断を受けます。

症状固定の診断を受けたら、後遺障害慰謝料・逸失利益を請求できるよう「後遺障害等級」の審査を受けましょう。審査の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 必要書類を集め、加害者側の自賠責保険会社または任意保険会社に提出
  2. 書類が審査機関に渡り、審査が実施される
  3. 審査結果が通知される

書類を加害者側の自賠責保険会社に提出する方法を「被害者請求」、加害者側の任意保険会社に提出する方法を「事前認定」といいます。

それぞれメリット・デメリットがあるので、どちらを選ぶかは『交通事故の後遺障害とは?認定されたらどうなる?認定の仕組みと認定率の上げ方』も参考にご検討ください。

ここでは、腕の切断や偽関節・変形癒合で後遺障害等級の審査を受ける際のポイントを解説します。

腕の切断で後遺障害認定を受ける際の注意点

腕の切断については、症状が見た目にも明らかであるため、後遺障害認定で想定より低い等級に認定されるようなケースはほとんどありません。

ただし、医師によっては後遺障害診断書の記入に慣れておらず、認定基準に該当していることを適切に書面で伝えられないケースもあります

こうした場合は、妥当な等級よりも低い等級に認定されてしまうおそれがあります。申請書類を準備したら、無料相談を利用して弁護士の確認を受けておくと安心です。

後遺障害診断書の書き方のポイントは、『後遺障害診断書のもらい方と書き方は?自覚症状の伝え方と記載内容は要確認』で詳しく解説しています。

偽関節・変形癒合で後遺障害認定を受ける際の注意点

偽関節や変形癒合における後遺障害認定については、過去に「手術を受けていれば偽関節が治っていたのではないか?」といった点が争われた判例があります。

後遺障害等級は、「これ以上治療をしても治らない症状」に対して認定されるため、手術で治った可能性のある症状は認定対象にはならないのです。

このケースでは被害者が一定の手術を拒否していたことが争点になりましたが、「手術による体への負担が強いため、手術をしなかったことは医学的に明らかに不合理であるとは言い難い」と判断され、医師の診断どおり症状固定とすることが認められています。

もし、手術により改善の可能性があるとして症状固定の時期で争っている場合は、弁護士にご相談ください。適切な後遺障害認定に向けてアドバイスをいたします。

加害者側から示談案が届く

後遺障害認定の結果が出たら、加害者側から示談案が届きます。慰謝料や賠償金の金額などが記載されているので、確認してみてください。

この時点で示談案に特に問題がなければ合意しても良いですが、基本的に示談案の内容は被害者側に不利なものとなっていることが多いです。

例えば慰謝料だと、本記事でも解説してきたとおり、加害者側は弁護士基準よりも低額な自賠責基準や任意保険基準に沿った金額を提示してきます。

慰謝料金額相場の3基準比較

ただし、厳密な慰謝料相場は事故の個別的な事情に応じて柔軟に変わります。

ご自身の場合の慰謝料相場はいくらなのか、加害者側の提示額とどれくらい差があるのか知りたい場合は、弁護士にお問い合わせください。

アトム法律事務所では、無料相談を実施しています。

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示談交渉をする

加害者側の示談内容に問題がある場合は、正しい内容になるよう交渉します。ただし、この際被害者側の主張がスムーズに通ることは少ないです。

加害者側の任意保険会社は交渉のプロなので、被害者自身での交渉には限界があります。

しかし、弁護士を立てれば慰謝料の大幅な増額を含め、さまざまなメリットが期待できます。

以下の関連記事も参考にして、弁護士を立てることもご検討ください。

関連記事

弁護士費用の負担を軽減する方法

示談交渉で弁護士を立てるには、費用がかかります。
しかし、自身の保険についている「弁護士費用特約」を使えば費用を保険会社に負担してもらえます。

弁護士費用特約

弁護士費用特約はご家族の保険や火災保険などについているものでも使えることがあるので、確認してみてください。

詳しくは『交通事故の弁護士費用特約を解説』で解説しています。

示談成立後、示談金(慰謝料など)が振り込まれる

示談が成立すると、基本的に加害者側の任意保険会社から示談書が送られてきます。

内容に問題なければ署名・捺印をして返送しましょう。その後、2週間ほどで示談金が振り込まれます。

なお、示談書に署名・捺印すると、原則として示談の撤回や追加の賠償請求はできません。

このまま示談を成立させて良いか不安な場合は、弁護士にご相談ください。

交通事故で腕の切断・偽関節・変形癒合が生じたら弁護士に相談しよう

交通事故で腕の切断・偽関節・変形癒合が生じたら、一度弁護士にご相談ください。

弁護士に相談・依頼することで適切な後遺障害認定対策ができたり、加害者側に対してしっかり慰謝料増額を主張できたりします。

アトム法律事務所は、交通事故事案について多くの解決実績があります。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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