肩や手首の後遺障害・可動域制限とは?後遺障害等級や慰謝料相場もわかる
交通事故で腕や手首の骨を骨折したり、鎖骨を骨折したりすると、肩・肘・手首の関節に後遺症が残ってしまうことがあります。
肩・肘・手首の関節が動かなくなったり、可動域に制限が残ったりしたとき、一定の条件を満たせば後遺障害認定を受けられます。後遺障害認定を受ければ、事故の相手方に後遺障害慰謝料や逸失利益といったお金を新たに請求できるようになるのです。
この記事では、肩・肘・手首の可動域制限といった上肢の機能障害について、後遺障害に認定される基準を詳しく解説します。
あわせて、後遺障害認定を受けるために肩・肘・手首の可動域を測定する際のポイントなども説明するので、ぜひ最後までご一読ください。
可動域制限ではなく腕の切断や変形についてお悩みの方は『交通事故による腕の切断・偽関節・変形癒合』の記事もお役立てください。
目次
肩や手首・肘の可動域制限とは?
まずは、肩や手首、肘の可動域制限とはどのようなものなのか解説します。
合わせて、可動域の測り方も紹介します。のちに解説する「後遺障害等級」は、どの程度関節の可動域が制限されているかによって決まるため、測り方を知っておくことも重要です。
可動域制限の症状と治療法
可動域制限とは、関節の動く範囲が従来よりも狭くなることです。
例えば肩の可動域制限は、肩鎖関節の脱臼、上腕骨近位部の骨折、肩腱板の断裂などにより発生することがあります。手首の可動域制限の原因として多いのは、橈骨遠位端骨折です。
他にも、神経の麻痺や人工関節の挿入により可動域制限が生じることもあります。
治療方法は可動域制限の原因によっても異なりますが、手術をすることも多いです。
なお、関節の可動域制限による後遺障害は「用を廃したもの」「著しい機能障害」「機能障害」に分類されます。それぞれの違いは以下の通りです。
可動域制限による後遺障害
- 用を廃したもの
関節が全く動かなくなった、あるいは可動域が10%以下になった状態
人工関節を挿入した場合は、可動域が2分の1以下になった状態 - 著しい機能障害
関節の可動域が2分の1以下になった状態
人工関節を挿入した場合は、可動域が2分の1までになった状態 - 機能障害
関節の可動域が2分の1以上4分の3以下になった状態
可動域制限の測り方
肩・肘・手首の可動域制限で後遺障害認定を受ける場合、可動域が通常と比べてどのくらい狭くなったかが重視されます。
次の章では肩・肘・手首の可動域制限における後遺障害等級と慰謝料相場を紹介しますが、その前に可動域の測り方を見ておきましょう。
可動域の測定方法の基本的な考え方は以下のとおりです。
- 障害のある腕と健康な腕の測定値を比較する
両腕に障害がある場合は、平均値と比較しする - 原則として医師が腕を動かすといった「他動運動」による測定値を用いる
- 原則として各関節の主要な動きについて測定する
主要な動きの測定値が認定基準にわずかに満たない場合、他の動きも参考にする
関節の可動域の測定方法は厳密に定められているので、肩・肘・手首にわけて見ていきましょう。
肩の可動域の測定方法
肩の可動域では、まず主要運動である屈曲と外転・内転を5度単位で測定します。
- 肩の屈曲とは?
手を下ろした状態から「前ならえ」をするように手をあげ、そのまま頭上まであげる動き - 肩の外転・内転とは?
手を下ろした状態から横に開き、腕が地面と平行になったら手のひらを上に向けてそのまま頭上まであげる動き
肩の屈曲と外転・内転の測定値が認定基準にわずかに届かない場合などでは、参考運動として伸展と外旋・内旋の動きも測定されます。
- 肩の伸展とは?
手を下ろした状態からまっすぐ後方にあげていく動き - 肩の外旋・内旋とは?
手を下ろした状態から肘を90度持ち上げ、肘は体に固定したまま腕を内向き・外向きにひねる動き
肘の可動域の測定方法
肘の可動域は、主要運動である屈曲・伸展の動きを5度単位で測定します。
- 肘の屈曲・伸展とは?
腕をまっすぐ横に開き、掌を上に向けて地面と平行にした状態で、掌を顔の横に近づけるように肘を折り曲げ、また伸ばす動き
肘については参考運動が想定されていないため、原則として屈曲・伸展の測定値のみが参考にされます。可動域が認定基準にわずかに届かない場合でも、他の動きを参考として測定することは基本的にありません。
手首の可動域の測定方法
手首の可動域は、まず主要運動である屈曲と進展の動きを5度単位で測定します。
- 手首の屈曲・伸展とは?
手首を掌側、手の甲側に曲げる動き
手首の屈曲・伸展の測定値が認定基準にわずかに届かない場合などでは、参考運動として橈屈・尺屈の動きも測定されます。
- 手首の橈屈・尺屈とは?
手首を親指側、小指側に曲げる動き
肩や手首・肘の可動域障害|後遺障害等級と慰謝料相場
肩や手首、肘に可動域制限の後遺障害が残った場合、後遺障害1級、5級、6級、8級、10級、12級に認定される可能性があります。
また、後遺障害等級の認定を受ければ、等級に応じた後遺障害慰謝料がもらえます。
可動域制限の程度別に、該当しうる等級と慰謝料相場を見ていきましょう。
なお、ここで紹介する慰謝料相場は過去の判例に沿ったものであり、加害者側はもっと低い金額を提示してくることがほとんどです。
肩・手首・肘の関節と指がすべて動かない場合
上肢の3大関節(肩関節・肘関節・手関節)がすべて動かなくなり、かつ手指もすべて動かなくなった場合、「上肢の用を全廃したもの」として後遺障害1級または5級に認定される可能性があります。
等級 慰謝料 | 認定基準 |
---|---|
1級4号 2,800万円 | 両上肢の用を全廃したもの |
5級6号 1,400万円 | 一上肢の用を全廃したもの |
上肢の用を全廃したものとは、肩、肘、手首の関節がすべて強直し、手指の全部の用を廃したものをいいます。
なお、強直とは「関節が完全に動かないか、動いても健康な関節と比べて可動域が10%以下に制限されているもの」のことです。
また、上腕の神経の損傷などによる完全麻痺も「上肢の用を全廃したもの」に含まれます。
後遺障害1級4号あるいは5級6号に認定されるためには、手指についても用を廃していると認められなければいけません。手指の後遺障害については『手指の後遺障害|指切断・欠損、可動域制限の認定基準。マレット指で曲がらない』の記事もご覧ください。
肩・手首・肘の関節のいずれかが動かない場合
上肢の3大関節(肩関節・肘関節・手関節)のいずれかが動かなくなった場合、「関節の用を廃したもの」として後遺障害6級または8級に認定されるでしょう。
等級 慰謝料 | 認定基準 |
---|---|
6級6号 1,180万円 | 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの |
8級6号 830万円 | 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの |
関節の用を廃したものとは、以下の3つのいずれかに該当することを言います。
- 関節が強直した(関節が完全に動かないか、動いても健康な関節と比べて可動域が10%以下に制限されている)
- 関節の完全弛緩性麻痺、または自分で関節を動かしたとき健康な方の腕の関節と比べて可動域角度が10%以下になった
- 人工関節、人工骨頭を挿入置換した関節について、健康な方の腕の関節と比べて可動域が半分以下になった
肩・手首・肘の関節の可動域が2分の1以下である場合
上肢の3大関節(肩関節・肘関節・手関節)のいずれかの可動域が半分以下に制限された場合、「関節の機能に著しい障害を残すもの」として後遺障害10級に認定されます。
等級 慰謝料 | 認定の基準 |
---|---|
10級10号 550万円 | 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの |
関節の機能に著しい障害を残すものとは、以下の2つのいずれかに該当することです。
- 関節の可動域が健康な方の腕の関節と比べて半分以下に制限されている
- 人工関節、人工骨頭を挿入置換したが、健康な方の腕の関節と比べて可動域が半分以下に制限されているわけではない
なお、3大関節中の2関節の機能に著しい障害が残った場合は、等級表に認定基準が記載されていないため、実務的には症状に応じてより上位の等級に繰り上げたり、下位の等級のままにしたりすることになるでしょう。
肩・手首・肘の関節の可動域が4分の3以下である場合
上肢の3大関節(肩関節・肘関節・手関節)のいずれかの可動域が4分の3以下に制限された場合、「関節の機能に障害を残すもの」として後遺障害12級に認定されるでしょう。
等級 慰謝料 | 認定の基準 |
---|---|
12級6号 290万円 | 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの |
関節の機能に障害を残すものとは、関節の可動域が健康な方の腕の関節と比べて4分の3以下に制限されているもののことです。
なお、3大関節中の2関節の機能に障害が残った場合は、著しい障害が残った場合と同じく、実務では症状によって上位の等級に繰り上げたり、下位の等級のままにしたりすることになります。
たとえば、3大関節中の1関節の機能に障害が残った場合(12級6号)と上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害が残った場合(10級10号)の中間等級だと解釈され、11級相当の認定をされる可能性があるでしょう。
可動域制限以外にも複数の後遺障害が残った場合の等級
交通事故の被害にあったとき、複数の後遺障害が残ることも考えられます。
たとえば、「鎖骨骨折で肩の可動域が半分以下になり、同時にTFCCも損傷して痛みが残った」といった状態です。
複数の後遺症が残った場合、それぞれ後遺障害等級の評価を行ったうえで、複数の後遺障害等級に認定された場合に等級を繰り上げる「併合」の処理をされることになるでしょう。
併合等級は、基本的に以下の考え方で決められます。
- 5級以上が2つ以上:最も重い等級を3級繰り上げる
- 8級以上が2つ以上:最も重い等級を2級繰り上げる
- 13級以上が2つ以上:最も重い等級を1級繰り上げる
- 14級が2つ以上:14級のまま
ただし、受傷内容から見て複数の後遺障害が派生関係にあると認められる場合は、症状をそれぞれ評価して併合するのではなく、症状を全体的に評価してより上位の等級に認定することもあります。
たとえば、「鎖骨骨折で可動域制限と神経症状の後遺症が残った」といった場合です。
併合ルールに関する詳しい解説記事『後遺障害等級の併合・相当・加重|複数の後遺症認定時のルールと慰謝料への影響』も参考にしてください。
肩や手首・肘の可動域制限で後遺障害認定を受ける方法
肩・肘・手首の可動域制限といった上肢の機能障害で適切な後遺障害等級に認定されるには、いくつかのポイントがあります。
そもそもどのように後遺障害認定を受けるのかも含め、詳しく見ていきましょう。
後遺障害認定を受ける手続きの流れ
後遺障害認定を受ける流れは、次のとおりです。
- 医師から症状固定の診断を受けたら、必要書類を集める
- 書類を加害者側の任意保険会社または自賠責保険会社に提出
- 書類が審査機関にわたり、審査がおこなわれる
- 結果が通知される
書類を加害者側の任意保険会社に提出する方法を「事前認定」、加害者側の自賠責保険会社に提出する方法を「被害者請求」といいます。
それぞれデメリット・デメリットが違うため、詳しくは『交通事故の後遺障害とは?認定されたらどうなる?認定の仕組みと認定率の上げ方』をご確認ください。
ポイント(1)画像検査の結果も添付する
肩や手首、肘の可動域制限で後遺障害認定の申請をする場合は、画像検査の結果も添付しましょう。
可動域制限の後遺障害認定では、可動域の測定結果が重視されます。しかし、可動域の測定が必ずしも正確であるとは限りません。
可動域を測るため医師が患部を動かした際に患者が痛みを訴えたり、患部を動かすことで症状の悪化が懸念されたりする場合は、測定が甘くなることがあるのです。
こうしたケースに備えて、画像検査からも肩・手首・肘に可動域制限が生じていることを裏付けることが重要です。
そもそも、肩・肘・手首の可動域制限で後遺障害認定を受けるには、骨折や軟部組織の損傷といった器質的な原因によって症状が起こっていることを証明する必要があります。
可動域の検査だけでは不十分であることに注意してください。
ポイント(2)症状固定まで6か月以上治療を受ける
症状固定とは、「これ以上治療しても症状が改善しない状態」のことです。
交通事故で後遺障害認定を受けたい場合、基本的に治療開始から症状固定まで6か月以上、定期的な治療を受ける必要があります。
治療が6ヶ月未満だったり、医師の指示もなく1ヶ月以上通院が途絶えたタイミングがあったりすると、「もう少しリハビリを続ければ手首の可動域制限が緩和していたのでは?」と判断される可能性があるからです。
後遺障害認定では、「十分な治療を受けたのに後遺症が残った」ことを示す必要があるので、原則として治療は6ヶ月以上うけましょう。
ただし、腕の欠損といった見た目にも明らかで治療を続けたとしても改善が見込めないような症状は除きます。
ポイント(3)後遺障害診断書の内容は医師に任せきりにしない
後遺障害認定は基本的に書類審査によって行われます。提出書類の中でも特に重要なのは、医師が作成する「後遺障害診断書」です。
しかし、医師は後遺障害認定の専門家ではないため、後遺障害認定対策を見据えた内容にしてもらえるとは限りません。
場合によっては認定審査で不利になるような記述をされてしまうこともあるので、医師に後遺障害診断書を作成してもらったら、内容をよく確認するようにしましょう。
たとえば、以下のような内容があると後遺障害認定に不利に働く可能性があります。
- 症状に一貫性や連続性がないように読み取れる記述
例:可動域制限の測定値にばらつきがあると記述されている - 既往症が後遺症に影響している可能性があると読み取れる記述
例:腕の痛みで通院歴ありなど既往症について曖昧に記述されている - 今後症状が治る可能性があるように読み取れる記述
例:予後不明、緩解といった記述がされている
後遺障害診断書の書き方については、『後遺障害診断書のもらい方と書き方は?自覚症状の伝え方と記載内容は要確認』の記事も参考にしてみてください。
後遺障害診断書の内容をチェックしようと思っても、どのような表現が望ましくないのか判断できないなら、無料相談を利用して弁護士のアドバイスを受けるとよいでしょう。
後遺障害認定を取り扱っている弁護士なら、過去に取り扱った事案や裁判例などをもとに、的確なアドバイスをしてくれます。
上肢の後遺障害認定を受けたら請求できる示談金
肩・肘・手首の可動域制限など、上肢の後遺障害認定を受けたら、相手方に新たに後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できるようになります。
ここからは、上肢の後遺障害認定を受けたとき請求できるお金を確認していきましょう。
(1)後遺障害慰謝料|精神的苦痛の補償
後遺障害慰謝料とは、後遺障害を負った精神的苦痛を金銭に換算したものです。
後遺障害慰謝料の相場は、後遺障害等級によって決まります。
また、慰謝料額は「自賠責保険が用いる基準」「任意保険が用いる基準」「弁護士や裁判所が用いる基準」のどれを用いるかによっても変わります。
任意保険が用いる基準は非公開なので、ここでは自賠責保険が用いる基準と弁護士や裁判所が用いる基準の相場を見ていきましょう。
等級 | 自賠責 | 弁護士 |
---|---|---|
1級・要介護 | 1,650(1,600) | 2,800 |
2級・要介護 | 1,203(1,163) | 2,370 |
1級 | 1,150(1,100) | 2,800 |
2級 | 998(958) | 2,370 |
3級 | 861(829) | 1,990 |
4級 | 737(712) | 1,670 |
5級 | 618(599) | 1,400 |
6級 | 512(498) | 1,180 |
7級 | 419(409) | 1,000 |
8級 | 331(324) | 830 |
9級 | 249(245) | 690 |
10級 | 190(187) | 550 |
11級 | 136(135) | 420 |
12級 | 94(93) | 290 |
13級 | 57(57) | 180 |
14級 | 32(32) | 110 |
※単位:万円
※()内は2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合
たとえば、両腕の用を全廃して後遺障害1級に認定された場合、自賠責基準の後遺障害慰謝料は1,150万円、弁護士基準の後遺障害慰謝料は2,800万円と大きな金額差が生じます。
相手方の任意保険会社が用いる任意保険の基準では、自賠責基準にやや上乗せした程度の金額になるでしょう。提示された金額にそのまま同意してしまうと、本来なら受け取れるはずの金額を受け取れなくなってしまいます。
しかし、被害者自身で弁護士の基準の後遺障害慰謝料を請求しても、相手方に認めてもらえることはほとんどありません。弁護士に依頼し、示談交渉を代理してもらうことで増額を目指すことをおすすめします。
(2)逸失利益|後遺障害で減った生涯収入の補償
逸失利益とは、後遺障害の影響で将来にわたって減ってしまう収入の補償です。
逸失利益は以下の式を用いて算出します。
逸失利益の計算式
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
- 基礎収入
事故前の年収のこと。
専業主婦や学生など実収入がない場合は平均賃金を用いる。 - 労働能力喪失率
後遺障害によって失われた労働能力を示す数値。
後遺障害等級ごとにおおよその目安が決まっている。 - 労働能力喪失期間
労働能力が失われた期間のこと。基本的に「症状固定時~67歳」となる。 - ライプニッツ係数
逸失利益を預金・運用して生じる利息を差し引くための係数。
ただし、被害者の年齢や属性によっては異なる計算式を用いる場合もあります。逸失利益の詳しい計算方法を知りたい方は、『【逸失利益の計算】職業別の計算方法を解説!早見表・計算機つき』の記事をご覧ください。
より手軽に逸失利益を求めたい方は、以下の計算機もご利用ください。
交通事故の慰謝料の自動計算機ですが、あわせて逸失利益も計算することが可能です。
(3)その他|治療関係費・休業損害など
上肢の後遺障害認定を受けた場合、以下のような費目も示談金として請求できるでしょう。
示談金として請求できる主な費目
- 治療関係費
診察費、手術費、器具・装具費、通院交通費、入院雑費、付添看護費など - 入通院慰謝料
交通事故によるケガで入院・通院する精神的苦痛に対する補償 - 休業損害
交通事故で仕事を休んだことによる減収の補償 - 将来的な器具・装具費
将来にわたって必要となる補装具などの購入・買い替え費用 - 家屋・自動車等改造費
後遺障害の影響で必要となる自宅や自動車のリフォーム費用 - 物損分の費目
車の修理費など
各費目の相場や計算方法については、『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事をご覧ください。
上肢の後遺障害認定では弁護士への相談・依頼もおすすめ
肩・肘・手首の可動域制限など、上肢の後遺障害を負ったときは、弁護士への相談・依頼もご検討ください。ここからは、上肢の後遺障害で弁護士に相談・依頼をおすすめする理由を紹介していきます。
想定より低い後遺障害等級になるリスクを減らせる
後遺障害何級を獲得するかは、交通事故の補償を受けるうえで以上に大切になります。
なぜなら、後遺障害等級によって後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が変わってくるからです。
しかし、後遺障害認定の申請をしても、納得できる等級に認定されないこともあります。
申請書類に、認定にあたって不利になるような記述があったり、可動域制限の測定値を疑問視されたりすると、想定より低い等級に認定されたり、非該当となる可能性もあるのです。
後遺障害認定を扱っている弁護士に相談すれば、申請書類の書き方は適切か、他にすべき検査はないかといったチェックをしてもらえます。
そのため、想定より低い後遺障害等級に認定されるリスクを減らせるでしょう。
また、弁護士に依頼すれば、申請書類を収集してもらったり、後遺障害診断書の書き方について医師と調整してもらったりといったサポートを受けることも可能です。
慰謝料を提示額の2倍~3倍にできる可能性がある
先述のとおり、交通事故の慰謝料にはいくつかの算定基準があります。
相手方の任意保険基準が使う算定基準で計算した慰謝料は、弁護士や裁判所が使う算定基準で計算しなおすと2倍~3倍に増額される可能性があるのです。
示談交渉で相手方の任意保険会社から慰謝料などを提示されたら、その金額を鵜呑みにせず、弁護士に増額の可能性はないか確認してみることをおすすめします。
なお、被害者自身で弁護士の算定基準で計算した慰謝料とするよう交渉しても、保険会社が認めることはほとんどありません。「裁判をしないと認めません」「弊社ではこの金額を上限としています」などと反論されてしまうのです。
このような場合は、弁護士に依頼して示談交渉してもらうことをおすすめします。
法律の専門家である弁護士の主張であれば、相手方の任意保険会社も無下にはできないため、慰謝料の大幅な増額が望めるでしょう。
弁護士費用はあまり心配しなくて大丈夫
もし弁護士に依頼することを検討する場合、弁護士費用がネックと思われる方も少なくないでしょう。しかし、後遺障害認定を受けている場合、弁護士費用についてはあまり心配する必要はないと言えます。
後遺障害認定を受けているなら、示談金が高額になりやすく、相手方の任意保険会社の提示額とのギャップが生まれやすいです。このケースでは弁護士に依頼することで大幅な増額が望めるでしょう。
よって、弁護士費用を支払ってでも弁護士に依頼した方が最終的に手元に入る金額が増える可能性が高いと言えるのです。
まずは無料相談で弁護士費用と増額見込みの見積もりをとってみて、依頼するかどうか検討するとよいでしょう。
弁護士費用特約を使うのもおすすめ
自動車保険や火災保険、クレジットカードなどに付帯されている弁護士費用特約を使えば、さらに弁護士費用の心配は少なくなります。
弁護士費用特約を使えば、弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社に負担してもらえます。「弁護士に依頼したためかえって損をした」といった状況になる可能性はほとんどなくなるのです。
弁護士費用特約は、被害者自身が加入している保険だけではなく、被害者の家族が加入している保険に付帯されているものも利用できる可能性があります。
まずは保険の契約状況を見てみて、弁護士費用特約を使ってお得に弁護士依頼ができないか確認することをおすすめします。
まずは自宅から相談してみよう!電話・LINE無料相談
肩・肘・手首の可動域制限といった上肢の後遺障害認定や、後遺障害認定後の示談交渉でお困りの方は、アトム法律事務所の無料弁護士相談の利用もご検討ください。
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肩・肘・手首の後遺障害については、「必要な治療・検査が行われているか」「相手方の提示する賠償金の金額が適正か」といった点について、交通事故の賠償問題のプロである弁護士の視点からチェックを受けることで、よりよい結果を得られる可能性があります。
後遺障害認定の申請をする前、相手方との示談に合意する前に、気軽に無料相談をご利用ください。
相談予約は24時間年中無休で受け付けています。お問い合わせをお待ちしております。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了