交通事故による腰椎圧迫骨折が引き起こす後遺症は?慰謝料はいくらもらえる?

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腰椎圧迫骨折

交通事故で腰椎圧迫骨折を負った場合、後遺症を残すことがあります。腰椎圧迫骨折の後遺症には、神経症状、運動障害、変形障害、荷重機能障害などがあります。

腰椎圧迫骨折の後遺症が残り、後遺障害等級に認定されると、後遺障害慰謝料などの請求が可能です。

交通事故で腰椎圧迫骨折を負った場合、弁護士への相談を検討しましょう。弁護士は、交通事故被害者の悩みや希望を聞き取り、適切な慰謝料を請求するためのアドバイスやサポートが可能です。

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腰椎圧迫骨折の概要と症状|腰椎付近の骨折の後遺症も解説

腰椎圧迫骨折とは、腰椎の骨が圧迫されて骨折する怪我のことです。とくに、上下の方向に過度な圧迫を受けると圧迫骨折が生じてしまいます。

交通事故では、衝突のはずみで自動車が横転したり、自転車が転倒したりして、尻もちをついてしまったときに起こることが多いです。

腰椎のつくり

腰椎圧迫骨折の原因

腰椎圧迫骨折の原因は、交通事故以外にも、加齢、骨粗鬆症、転倒などがあります。交通事故による腰椎圧迫骨折は、車の衝撃で腰に強い力がかかることで起こります。

腰椎圧迫骨折の症状

腰椎圧迫骨折の症状には、骨折部位が痛んだり、腰や足がしびれたり、歩行困難になったりするなどがあります。腰椎圧迫骨折の症状は、骨折の程度によって様々です。

腰椎圧迫骨折の治療

腰椎圧迫骨折の治療は、安静、コルセット固定、理学療法などが行われます。下肢の感覚がなかったり、力が入らなかったりするような重症の場合は、手術が必要になることもあるでしょう。

腰椎圧迫骨折の症状が現れたら、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。

腰椎破裂骨折・腰椎横突起骨折・腰椎椎体骨折など関連する骨折

腰椎圧迫骨折と関連が深いその他の骨折についても簡単に紹介しておきます。

  • 腰椎破裂骨折
    腰椎破裂骨折は、腹部側の椎体が割れる骨折です。
  • 腰椎横突起骨折
    腰椎横突起骨折は、横突起と呼ばれる腰椎にある骨が突起した部分が折れる骨折です。
  • 第一腰椎圧迫骨折
    第一腰椎圧迫骨折は、腰椎の一番上の椎体が圧迫する骨折です。
  • 腰椎椎体骨折
    腰椎椎体骨折は、腰椎の骨が折れる骨折です。

腰椎破裂骨折

腰椎破裂骨折は、交通事故で後方から追突され、強い衝撃が腰椎に加えられることで発生してしまう可能性があります。そして、治療を続けても後遺症が残ってしまう可能性があるのです。

腰椎破裂骨折では、変形障害、麻痺、可動域制限、神経症状といった様々な後遺障害認定を受ける可能性があります。

腰椎横突起骨折

腰椎横突起骨折は、腰痛、押すと痛い、腰を動かすときに痛いといった症状がみられます。腰椎横突起骨折そのものは後遺障害が残りにくいとされていますが、腰椎横突起骨折により周囲の神経や筋肉が傷ついたり、骨の癒合がうまくいかずに痛むなど、後遺障害が残る可能性があるのです。

腰椎横突起骨折では、神経症状が後遺障害として残る可能性があります。

腰椎椎体骨折

腰椎は椎骨と呼ばれる骨が連結してできており、このうちの重さや圧力を支える円柱状の部分を椎体といいます。椎体の骨折とは、椎体にヒビが入ったり、前面や側面に圧力がかかって壊れたりした状態になってしまうのです。

椎体が重みでゆっくりと壊れていく場合や、事故の衝撃で一度に骨折してしまう場合があります。いずれにせよ、変形障害や運動障害などの後遺障害が残ってしまう可能性があるでしょう。

腰椎圧迫骨折の後遺症

腰椎圧迫骨折の後遺症は、骨折の程度や治療経過などによって様々です。

ここでは、腰椎圧迫骨折の後遺症で代表的な、神経症状、運動障害、変形障害、荷重機能障害について紹介します。

腰椎圧迫骨折の神経症状

腰椎圧迫骨折が神経を圧迫することで、足のしびれ、痛み、筋力低下などの神経症状が現れることがあります。

腰椎圧迫骨折の運動障害

腰椎圧迫骨折が背骨の変形を引き起こすことで、背中が曲がりにくくなるといった運動障害が現れることがあります。

腰椎圧迫骨折の変形障害

腰椎圧迫骨折が背骨の変形を引き起こすことで、見た目の変化が現れることがあります。

腰椎圧迫骨折の荷重機能障害

腰椎圧迫骨折によって腰を支える機能が失われ、硬性補装具が必要になることがあります。

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級表

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級は、骨折の程度や後遺症の程度によって認定されます。後遺障害等級が認定されると、慰謝料や損害賠償金を請求できます。

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級は、次の表の通りです。

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級表

等級
神経症状12級13号
14級9号
運動障害6級5号
8級2号
変形障害6級5号
8級相当
11級7号
荷重機能障害6級相当
8級相当

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級認定基準

腰椎圧迫骨折の後遺障害として神経症状が残った場合は、12級13号または14級9号に認定される可能性があります。後遺障害等級認定基準は、次のとおりです。

神経症状による後遺障害等級の認定基準

等級後遺障害
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号局部に神経症状を残すもの

神経症状は目には見えないもののため、痛みやしびれの存在を画像所見などで明らかにする必要があります。

画像検査でも神経症状の存在が確認でき、医学的に証明できると判断された場合は12級13号、画像所見は見られないものの、症状の一貫性や受傷状況から見て医学的に説明できると判断された場合は14級9号認定の可能性があります。

運動障害による後遺障害等級の認定基準

腰椎圧迫骨折によって運動障害が残った場合、後遺障害6級5号または8級2号に認定される可能性があります。

等級後遺障害
6級5号脊柱に著しい運動障害を残すもの
8級2号脊柱に運動障害を残すもの

後遺障害6級5号「脊柱に著しい運動障害」を残すものとは、以下のいずれかの条件で、頚部や胸腰部が動かなくなったものをさします。

  • 頚椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎圧迫骨折などが生じており、レントゲンで確認できるもの
  • 頚椎および胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術がおこなわれたもの
  • 項背腰部軟部組織に明らかかな器質的変化が認められるもの

後遺障害8級2号「脊柱に運動障害」を残すものとは、以下のいずれかに該当するものをいいます。

  • 頚椎または胸腰椎の可動域が、参考可動域角度の2分の1以下に制限されたもの
  • 頚椎または胸腰椎のどちらかに脊椎圧迫骨折などが生じており、レントゲンで確認できるもの
  • 頚椎または胸腰椎のそれぞれに脊椎固定術がおこなわれたもの
  • 項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの
  • 頭蓋・上位頚椎間に著しい異常可動性が生じたもの

後遺障害6級5号と8級2号の違いをまとめると、以下の表のとおりです。

運動障害の認定基準の比較

6級5号8級2号
レントゲンで確認可能な脊椎圧迫骨折頚椎および胸腰椎頚椎か胸腰椎
参考可動域角度の2分の1以下に制限頚椎か胸腰椎
脊椎固定術頚椎および胸腰椎頚椎か胸腰椎
項背腰部軟部組織の明らかな器質的変化ありあり
頭蓋・上位頚椎間に著しい異常可動性あり

変形障害による後遺障害等級の認定基準

腰椎圧迫骨折によって変形障害に認定された場合、後遺障害6級5号、8級相当、11級7号に認定される可能性があります。

等級後遺障害
6級5号脊柱に著しい変形を残すもの
8級相当脊柱に中程度の変形を残すもの
11級7号脊柱に変形を残すもの

腰椎は椎体が連なってできています。著しい変形とは、レントゲン・CT・MRI画像で脊椎圧迫骨折を確認できる、次のいずれかを満たすものです。

  • 2つ以上の前方椎体高が著しく減少し、後弯が発生しているもの
  • 1つ以上の椎体の前方椎体高が減少し、コブ法による側弯度が50度以上となっていて、後弯が発生しているもの

中程度の変形はレントゲンなどで脊椎圧迫骨折を確認できて、いずれかに該当するものです。

  • 1つ以上の前方椎体高が著しく減少し、後弯が発生しているもの
  • コブ法による側弯度が50度以上であるもの

あるいは、環椎または軸椎の変形・固定によって次のいずれかに該当するものも該当します。

  • 60度以上の回旋位となっているもの
  • 50度以上の屈曲位または60度以上の伸展位となっているもの
  • 側屈位となっており、レントゲンなどによって、矯正位の頭蓋底部両端を結んだ線と軸椎下面との平行線が交わる角度が30度以上斜位となっているもの

変形障害には細かい基準が設けられており、立証に必要な検査もあります。後遺障害申請をする場合には、こうした基準をよく理解しておき、自分が何級に認定されるのか見当をつけておきましょう。

アトム法律事務所には、後遺障害申請の実務に長けた弁護士が在籍しています。後遺障害申請に関する疑問点は、お気軽にお問い合わせください。

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荷重機能障害による後遺障害等級の認定基準

腰椎圧迫骨折による荷重機能障害が残った場合、後遺障害6級相当または8級相当に認定される可能性があります。

等級後遺障害
6級相当頸部及び腰部の両方の保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの
8級相当頸部又は腰部のいずれかの保持に困難があり、常に硬性補装具を必要とするもの

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級認定基準は、複雑でわかりにくいため、弁護士に相談することをお勧めします。

腰椎圧迫骨折の慰謝料相場と計算方法

腰椎圧迫骨折の慰謝料の相場

腰椎圧迫骨折の後遺障害慰謝料相場は110万円から1,180万円で、骨折の程度や後遺症の程度によって認定された等級に応じて異なります。

後遺障害慰謝料の相場(抜粋)

等級自賠責基準弁護士基準
6級512万円(498万円)1,180万円
8級331万円(324万円)830万円
11級136万円(135万円)420万円
12級94万円(93万円)290万円
14級32万円(32万円)110万円

*()内の金額は2020年3月31日以前の事故に適用

腰椎圧迫骨折の慰謝料の計算方法

後遺障害慰謝料の金額は、慰謝料の算定に用いる基準によっても金額が異なるので注意しましょう。

たとえば、腰椎圧迫骨折による変形障害で、後遺障害6級5号に認定された場合、後遺障害慰謝料を自賠責基準で計算すると512万円(498万円)になるところ、弁護士基準で計算すると1,180万円になります。

どの基準を用いて慰謝料を算定するかで、得られる慰謝料の金額が変わるのです。

入通院慰謝料の請求

また、後遺障害認定を受けられなくても、入通院慰謝料の請求が可能です。

入通院慰謝料とは?

被害者が交通事故の怪我の治療として、手術・治療・検査・リハビリなどのために入通院をしなければならなかった精神的苦痛を緩和するために支払われる金銭。傷害慰謝料と呼ばれることもある。

つまり、後遺障害認定を受けていない場合は入通院慰謝料が請求でき、後遺障害認定を受けた場合は入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料が請求できるとイメージしておいてください。

交通事故示談金の内訳

入通院慰謝料についても、相手の保険会社が提示してくる計算方法と、弁護士や裁判所が損害を算定する計算方法では、金額に違いが出てきます。相手の保険会社が提案してくる金額は低額なケースが多いので、示談における増額交渉は必須です。

また示談金の総額は過失割合の影響を受けます。過失割合とは、交通事故に対する当事者の責任度合いを割合で示したものです。もし被害者側にも10%の過失があるならば、相手から受けとる示談金は10%減額され、なおかつ相手の損害のうち10%を支払う必要があります。

こうした入通院慰謝料の計算方法や過失割合の仕組みを知りたい方は、関連記事を読むと理解が深まるので参考にしてみてください。

腰椎圧迫骨折の弁護士に相談するメリット

交通事故で腰椎圧迫骨折を負った場合、弁護士に相談することで、以下のメリットがあります。

  • 後遺障害等級の認定を有利に進めることができる
  • 慰謝料や損害賠償金の増額を図ることができる
  • 示談交渉や訴訟をスムーズに進めることができる

それぞれについて詳しくみていきましょう。

後遺障害等級の認定を有利に進めることができる

後遺障害等級は、交通事故で負った怪我の程度や後遺症の程度によって認定されます。後遺障害等級が認定されると、慰謝料や損害賠償金を請求することができます。

弁護士に相談することで、後遺障害等級の認定を有利に進めることができます。後遺障害等級の申請に慣れた弁護士は、後遺障害等級の認定基準を熟知しており、後遺障害等級の認定に有利な資料を集めることができます。

慰謝料や損害賠償金の増額を図ることができる

交通事故の慰謝料や損害賠償金は、怪我の程度や後遺症の程度、年齢、職業、生活状況などによって異なります。

弁護士に相談することで、慰謝料や損害賠償金の増額を図ることができます。

弁護士は、慰謝料や損害賠償金の相場を熟知しており、適切な慰謝料や損害賠償金を請求するために必要なアドバイスやサポートを提供することが可能です。また、弁護士は、保険会社との交渉において、慰謝料や損害賠償金の増額を図るために必要な資料を集めることができます。

示談交渉や訴訟をスムーズに進めることができる

交通事故の示談交渉や訴訟は、複雑で時間がかかることを覚悟せねばなりません。

ただし、弁護士に相談することで、示談交渉や訴訟をスムーズに進めることができるでしょう。弁護士は、交通事故の示談交渉や訴訟の経験が豊富であり、保険会社との交渉において、被害者の権利を守るために必要なアドバイスやサポートを提供することができます。

また、弁護士は、訴訟を起こす必要が生じた場合、裁判で被害者の権利を勝ち取るために必要な活動を行うことができます。

交通事故で腰椎圧迫骨折を負った場合、弁護士に相談することをお勧めします。被害者の権利を守り、適切な補償を得るために必要なアドバイスやサポートを弁護士から受けるために、無料相談からはじめてみましょう。

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アトム法律事務所では、交通事故でケガをした方に向けて無料の法律相談窓口を設けています。無料相談は電話もしくはLINEでおこなっており、ご自宅にいながら法律相談の利用が可能です。

POINT

  • 交通事故でケガをした人は無料で法律相談を受けられる
  • 無料相談の予約は年中無休で受付中
  • 慰謝料の増額見込みや後遺障害申請の疑問など幅広く質問できる
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アトム法律事務所による腰椎圧迫骨折の増額事例3選

アトム法律事務所は、これまで多くの交通事故の賠償請求にかかわってきました。そうした弁護活動の一部は交通事故の実績ぺージでも紹介していますが、腰椎圧迫骨折に関する一部の解決実績を抜粋して紹介します。

増額交渉(弁護士あり)

第一腰椎圧迫骨折などで示談金約2,000万円

第一腰椎圧迫骨折、左肩腱板損傷を負った被害者の事例です。ご自身が獲得できる示談金の見通しを知りたいとアトム法律事務所に相談いただいたことがきっかけでした。弁護士はお話をじっくりお伺いし、後遺障害認定を受けられる見込みが十分あると判断し、後遺障害等級認定の申請からサポートを行ったところ、併合9級認定を受けることになったのです。最終的な示談金は2,244万円となりました。

  • 無料法律相談で示談金の目安も聞ける
  • 弁護士は後遺障害認定の申請サポートも可能

腰椎圧迫骨折の示談金が約200万円増額

腰椎圧迫骨折を負った被害者の事例です。被害者は、アトム法律事務所へのご相談の段階で後遺障害11級認定を受けておられました。相手の保険会社からは512万円という金額提示を受けていましたが、弁護士が確認したところ、増額の余地があるものだったのです。弁護士が示談交渉に入ったところ、等級は11級のまま約半月で228万円の増額となり、最終的に740万円で示談が成立しました。

  • 後遺障害等級は同じでも増額できるケースがある
  • 弁護士を立てることでスピード解決になることも多い

腰椎圧迫骨折などで示談金1,212万円

腰椎破裂骨折や胸椎圧迫骨折のケガを負った被害者の事例です。被害者は、既に後遺障害11級に認定されて、示談金の提案も受けておられた状態でした。弁護士が内容を精査したところ、増額の余地があると判断できたのです。そこで弁護士が相手の保険会社との交渉を代理したところ、後遺障害11級のまま、示談金は518万円の増額となり、最終的な受取額は1,212万円の増額になりました。

  • 相手の保険会社の提案額は低いことも多い
  • 後遺障害認定を受けた段階でも示談成立前なら増額交渉が可能

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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