後遺障害等級の一覧表|症状別の等級と認定基準をわかりやすく解説

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認定基準と症状がわかる!後遺障害等級一覧表

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

後遺障害等級には1級~14級があり、各等級の認定基準も公開されています。しかし、あいまいな表現やむずかしい用語が多いため、結局自分の症状がどの等級に該当するのかわからないという方は多いです。

この記事では、後遺障害等級の認定基準一覧表を紹介した後、症状別に該当する等級と詳しい認定基準を解説しています。
わかりやすくかみ砕いて解説しているので、ご自身の症状がどの等級に該当するのか判断しやすくなるでしょう。

後遺障害等級は、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求可否のみならず、金額までも左右する重要なものです。
適切な審査対策を練るためにも、後遺障害等級の認定基準をしっかり理解していきましょう。

後遺障害等級の認定基準一覧表

交通事故の後遺障害等級には要介護1級・2級、1級~14級があり、それぞれの等級における認定基準は「交通事故損害賠償法施行令」によって規定されています。

まずは、各等級の認定基準一覧表を見てみましょう。
言葉が少々わかりにくいかと思いますので、のちほど交通事故でよくある後遺症ごとに、該当する後遺障害等級とその認定基準を紹介します。

要介護1級・要介護2級の後遺障害等級(別表第1)

後遺障害等級表(要介護)

等級症状の内容
第1級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1

1級~14級の後遺障害等級(別表第2)

後遺障害等級表(要介護でない)

等級症状の内容
第1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
第2級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  3. 両上肢を手関節以上で失つたもの
  4. 両下肢を足関節以上で失つたもの
第3級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失つたもの
第4級
  1. 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失つたもの
  4. 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
  5. 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
第5級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 一上肢を手関節以上で失つたもの
  5. 一下肢を足関節以上で失つたもの
  6. 一上肢の用を全廃したもの
  7. 一下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失つたもの
第6級
  1. 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
第7級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
  7. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
  8. 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  12. 外貌に著しい醜状を残すもの
  13. 両側の睾丸を失つたもの
第8級
  1. 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
  4. 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
  5. 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  8. 一上肢に偽関節を残すもの
  9. 一下肢に偽関節を残すもの
  10. 一足の足指の全部を失つたもの
第9級
  1. 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  9. 一耳の聴力を全く失つたもの
  10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
  13. 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
  14. 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
  15. 一足の足指の全部の用を廃したもの
  16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  17. 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
  1. 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
  4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  7. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
  8. 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
  10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
  9. 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級
  1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 一手のこ指を失つたもの
  10. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
  11. 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
  12. 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
  13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  14. 外貌に醜状を残すもの
第13級
  1. 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 一手のこ指の用を廃したもの
  7. 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
  8. 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
  10. 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用11.を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級
  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
  7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
  8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第2

症状別の等級と認定基準をわかりやすく解説

具体的にどんな症状が後遺障害の何級にあたるのかを見ていきましょう。

ここでは下記のような症状をピックアップして解説しています。

ご自身の思い当たる症状をクリックすれば、すぐに該当箇所をお読みいただけます。

介護が必要な障害|要介護1級・2級

介護が必要な後遺症が残った場合の後遺障害等級には、要介護1級・2級があります。
それぞれの認定基準は以下の通りです。

等級内容
1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
1級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1

介護を要する状態とは、意思疎通を図ることがむずかしく、食事・排泄といった生命維持活動に他者の介助が必要な状態をいいます。
常に介護が必要な場合と随時介護が必要な場合とは、以下のように区別します。

  • 常に介護が必要
    • 生活全般において介護が必要な状態
    • 四肢麻痺や遷延性意識障害(いわゆる植物状態)など、ほとんど寝たきりになった状態
  • 随時介護が必要
    • 日常生活の一部の動作について介護や看視、声掛けが必要な状態
    • 排せつや食事の場合のみ介護が必要、など
    • 判断力が低下し一人で外出できない、情緒が不安定で周りの看視や声掛けが必要、といった場合も含む

介護費用も請求できる

要介護の後遺障害等級に認定された場合は、将来にわたって介護が必要になると考えられます。
そのため、将来介護費も合わせて加害者側に請求しましょう。

なお、将来介護費は請求の可否や金額をめぐり、加害者側と争いになりやすいです。
請求のポイントや金額を左右する要素については、『交通事故で介護費用が請求できる2ケース』をご覧ください。

むちうち症(頸部捻挫、頚椎捻挫)|12級・14級

むちうち症(頸部捻挫、頚椎捻挫)で痛みや不快感、しびれ、眩暈、吐き気といった後遺症が残った場合は、後遺障害等級の12級または14級に該当する可能性があります。

むちうち症の後遺障害等級

等級等級認定の要件
12級13号障害の存在が他覚的にわかるもの。CTやMRIなどの画像診断でむちうち症の後遺症の存在が医学的に証明されたもの。
14級9号画像診断など、他覚的な後遺症の存在はないが、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的検査の結果、むちうち症の後遺症が発生していると説明可能なもの。

12級になるか14級になるかは、後遺症の存在が医学的に証明できるかどうかに左右されます。

  • 後遺障害等級12級13号
    • 後遺症の存在を、医学的に証明できる場合に認定される
    • レントゲン写真やMRI画像に異常が写っている場合など
  • 後遺障害等級14級9号
    • 後遺症の存在を医学的に証明できるとまでは言わないが、後遺症が残っていることを説明できる場合に認定される
    • 神経学的検査の結果から考えて、痛みやしびれがあると言える場合など

後遺症が残っていても、自覚症状があるのみで客観的に後遺症の存在を証明・説明できない場合は、後遺障害等級は認定されません。

むちうち症の後遺症で後遺障害等級の認定を受けるポイントは、以下の関連記事で詳しく解説しています。

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)の後遺障害等級は?

むちうちと同じように頭痛や頚部痛、めまい、耳鳴りなどの症状が残るものとして、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)があります。
しかし、低髄液圧症候群の後遺障害等級認定について、裁判実務では否定的な傾向にあります。

比較的新しく提唱された疾患であり、医師のあいだでも低髄液圧症候群を認めるかどうかは分かれているのです。
しかし、一切後遺障害等級が認定されないわけではありません。

治療歴や受傷の状況などを効果的に主張すれば、後遺障害等級が認定される可能性もあるので、まずは弁護士にご相談ください。

低髄液圧症候群とは

脳と脊髄は硬膜という膜に覆われており、硬膜の中は髄液で満たされています。
低髄液圧症候群は、事故の衝撃により髄液が硬膜の外に漏れだすことで、髄液が減少し内部の圧力が低下して、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴りなどの様々な症状を呈するという疾患です。

椎間板ヘルニア|12級・14級

椎間板ヘルニアは後遺障害等級12級13号または14級9号に認定される可能性があります。認定の基準は、むちうちと同じです。

椎間板ヘルニアの後遺障害等級

等級等級認定の要件
12級13号障害の存在が他覚的にわかるもの。
CTやMRIなど画像診断などによって椎間板ヘルニアの存在が医学的に証明されたもの。
14級9号画像診断など、他覚的な後遺症の存在はない。
しかし、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的なテストの結果、椎間板ヘルニアが発生していると説明可能なもの。

椎間板ヘルニアは事故との関連性が問題になりやすい

椎間板ヘルニアは、交通事故以外で発症することも多いので、「本当に交通事故が原因なのか?」と疑われやすいです。
とくに、中腰での作業、長期間の運転、物の持ち運びなどに従事している方は、交通事故の被害にあわずとも、椎間板ヘルニア発症のリスクがあります。

椎間板ヘルニアと交通事故の因果関係が認められないと、以下のようなことが生じえます。

  • たとえMRIやCTによって椎間板ヘルニアの後遺症が証明できても、非該当*となったり14級に認定されたりする(*後遺障害等級に認定されないこと)
  • たとえ後遺障害等級が認定されても、慰謝料や損害賠償金が減額される可能性がある

交通事故の前から腰痛持ちであったり、ヘルニアの既往歴があったりすると、そうした被害者側の事情も交通事故の被害拡大につながったとして、賠償金が減額される可能性があります。

これを素因減額といい、椎間板ヘルニアでは適用でされることが多いです。
しかし、本当に素因減額を適用すべきか、どの程度減額すべきかは交渉の余地があるところです。

適切な後遺障害等級に認定され、必要以上の素因減額を防ぐためにも、一度弁護士に相談することをおすすめします。

頭部外傷(高次脳機能障害)|1級・2級など

交通事故で頭部を強打し、脳挫傷、硬膜外血腫、くも膜下出血、びまん性軸索損傷などになると、後遺症として高次脳機能障害が残る可能性があります。
高次脳機能障害による後遺症の症状は多岐にわたるので、介護が必要な場合と介護が不要な場合とに分けて、後遺障害等級と認定基準を解説します。

介護が必要な後遺症が残った場合

記憶障害や失認症、人格の変化などにより、常に介護が必要になった場合や、状況に応じて介護や看視、声がけが必要になった場合は、要介護等級が認定されます。

要介護が必要な高次脳機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
1級1号*“常時”介護が必要なもの
2級1号*“随時”介護が必要なもの

*別表第一

常時介護と随時介護の違いは、「介護が必要な障害|要介護1級・2級」で解説したものと同様です。

介護の不要な後遺症が残った場合

介護は必要ないものの、高次脳機能障害によって以下の4つの能力に障害が生じることがあります。

  • 意思疎通能力
  • 問題解決能力
  • 作業負荷に対する持続力・持久力
  • 社会行動能力

この場合に認定されうる後遺障害等級は、次の通りです。

介護が不要な高次脳機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
3級3号労務に服すにあたり必要となる4つの能力について、 1つを完全に喪失したか2つ以上の能力の大部分が失われたもの。
5級2号4つの能力のうち、1つ以上の能力の大部分が失われたか2つ以上の能力の半分程度が失われたもの。
7級4号4つの能力のうち、1つ以上の能力の半分程度が失われたか2つ以上の能力の相当程度が失われたもの。
9級10号4つの能力のうち、1つ以上の能力の相当程度が失われたもの。
12級13号4つの能力について労務に影響するほど失われなかった。
しかしCTやMRIなど画像診断などによって高次脳機能障害の存在が医学的に証明されたもの。
14級9号4つの能力について労務に影響するほど失われず、画像診断などによっても他覚的な後遺症の存在はない。
しかし、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的なテストの結果、高次脳機能障害が残ったと説明可能なもの。

上記のうち3級3号~9級10号の認定基準について、もう少し具体的にわかりやすく解説すると、次の通りです。

  • 3級3号
    • 記憶力や集中力、学習能力、対人関係を築く能力などの問題で、一般的な就労が全くできない、または困難
  • 5級2号
    • 単純な作業の繰り返しなら就労できるが、学習能力や新しい環境での継続的な就労には問題があるため、就労の維持には職場の理解と援助が必要
  • 7級4号
    • 一般的な就労は維持できるが、手際の悪さや忘れっぽさ、ミスの多さなどから他の労働者と同等の作業はできない
  • 9級10号
    • 一般的な就労はできるが、問題解決能力などに支障が出ており、作業効率や作業持続力に問題がある

高次脳機能障害の後遺障害等級認定はむずかしい

高次脳機能障害による後遺障害等級の認定は、むずかしい場合もあります。

高次脳機能障害による症状には以下のようなものがありますが、医師でも見過ごしてしまうような、近しい人でないと気付かない程度の場合もあるからです。

  • 認知機能の低下
    記憶力・判断力・注意力などの低下
  • 行動の変化
    落ち着きがなくなる
    疲れやすくなる
    物事の段取りや優先順位付けができない
    金遣いが荒くなる
  • 人格の変化
    意欲減退
    攻撃性・幼稚性が高まる

高次脳機能障害で後遺障害等級認定を受けるためには、特有の対策や注意点があります。
以下の関連記事を参考にするとともに、弁護士にも協力を仰ぐことが大切です。

顔の傷・外貌醜状|7級・9級など

顔や頭部、頚部などの部分に傷あとが残った「外貌醜状」では、後遺障害等級7級、9級、12級に認定される可能性があります。
また、上肢や下肢の傷あとは後遺障害等級14級の認定が見込めます。

顔の傷に関する後遺障害等級

等級等級認定の要件
7級12号頭部に手の平大(指の部分は含まない)以上の瘢痕が残ったもの、もしくは頭蓋骨の手の平大以上の欠損があるもの。
顔面部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの、もしくは10円硬貨大以上の組織陥没が残ったもの。
頸部に手の平大以上の瘢痕が残ったもの。
9級16号顔面部に長さ5センチメートル以上の線状痕が残ったもの。
12級14号頭部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの、もしくは頭蓋骨に鶏卵大以上の欠損が残ったもの。
顔面部に10円硬貨以上の瘢痕が残ったもの、もしくは長さ3センチメートル以上の線状痕が残ったもの。
頸部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの。

上肢や下肢の傷あとの後遺障害等級

等級等級認定の要件
14級4号上肢の露出面(肘関節以下)に手の平の大きさの醜いあとを残すもの
14級5号下肢の露出面(膝関節以下)に手の平の大きさの醜いあとを残すもの

後遺障害等級表に記載の部位以外に関しても、痕の程度によっては、後遺障害12級か14級に該当される可能性があるので、詳しくは弁護士にお問い合わせてください。

上肢・下肢の機能障害|1級・5級など

上肢や下肢の機能障害とは、関節が強直して動かなくなったり、麻痺が残ったりすることを指します。
上肢と下肢それぞれの場合に分けて、後遺障害等級を紹介します。

なお、これから紹介する認定基準の中には可動域に関するものもありますが、可動域のはかり方については以下の点をおさえておいてください。

  • 可動域制限の程度は、制限が生じていない方の関節と比較する
  • 自力で動かせる範囲ではなく、他人が動かして動く範囲を可動域とする
  • 関節ごとに可動域のはかり方は異なるので、自己判断ではなく弁護士に確認することがおすすめ

では、上肢と下肢の機能障害における後遺障害等級・認定基準を見ていきましょう。

上肢の機能障害

上肢の機能障害に関する後遺障害等級は、肩関節、肘関節、手関節の3大関節の可動域が対象です。機能障害の程度によって、1級、5級、6級、8級、10級、12級のいずれかに認定される可能性があります。

上肢の機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
1級4号両腕の3大関節のすべてが強直し、かつ手指の全部の用を廃したもの
5級6号片腕の3大関節のすべてが強直し、かつ手指の全部の用を廃したもの
6級6号3大関節のうち2つの関節について、強直したか、完全弛緩性麻痺(自動運動で関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下となったものを含む)したか、人工関節・人工骨頭を挿入置換してその可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
8級6号 3大関節のうち1つの関節について6級6号と同じ要件を満たすもの
10級10号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されたか、人工関節・人工骨頭を挿入置換したもの*
12級6号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

*人工関節・人工骨頭を挿入置換し可動域が健側の1/2以下になったものは8級6号。

下肢の機能障害

下肢の機能障害は、股関節、膝関節、足関節の3大関節の可動域などが後遺障害等級認定の対象とされます。
それぞれ症状の程度によって、1級、5級、6級、8級、10級、12級と認定される後遺障害等級は異なるでしょう。

下肢の機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
1級6号両足の3大関節のすべてが強直(固まって動かなくなる)したもの
5級7号片足の3大関節のすべてが強直したもの
6級7号3大関節のうち2つの関節について、強直したか、完全弛緩性麻痺(自動運動で関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下となったものを含む)したか、人工関節・人工骨頭を挿入置換してその可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの*1
8級7号 3大関節のうち1つの関節について6級6号と同じ要件を満たすもの
10級11号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されたか、人工関節・人工骨頭を挿入置換したもの*2
12級7号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

*1 股関節においては、屈曲・伸展(体の前側や後ろ側に曲げる)、外転・内転(外側に開いたり内側に閉じたりする)のいずれかが1/2に制限されれば等級認定の要件を満たす
*2 人工関節・人工骨頭を挿入置換し可動域が健側の1/2以下になったものは8級7号

失明・視力低下|1級・2級など

顔面を強く打ちつけたり、視神経が傷いたりすると、失明につながる可能性があります。失明や視力低下に対する後遺障害等級は、失明した眼の数と、失明していない方の眼の視力によって決まります。

等級等級認定の要件
1級1号両眼が失明したもの
2級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
3級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
5級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
7級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
8級1号一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの

なお、失明は次のいずれかの状態と定義づけられています。

失明の定義

  • 眼球をなくしたもの
  • 明暗の区別がつけられないもの
  • なんとか明暗の区別が分かる程度のもの
  • 暗室で眼前の照明が点滅したときに明暗がわかる程度(光覚弁)
  • 眼前で上下左右に手を動かしたときに動きの方向がわかる程度(手動弁)

失明以外の眼の障害も後遺障害認定される

眼の後遺障害は、失明だけではありません。

視力低下による視力障害、眼球の調節機能障害、運動障害、視野障害のほか、まぶたの欠損障害や運動障害も、眼の後遺障害です。

また、著しく強い光を感じる外傷性散瞳、常に涙が流れてしまう流涙も、後遺障害に相当する症状と見なされます。症状の程度に応じて、後遺障害11級相当~後遺障害14級相当の範囲で認定されるので、眼の見え方や動かしづらさに違和感のある人は、弁護士にご相談ください。

咀嚼・言語機能低下|1級・3級など

咀嚼や言語機能に関する後遺障害等級は、以下の点から判断されます。

  • 咀嚼と言語機能の両方に障害が残ったか、一方のみに障害が残ったか
  • 障害の程度が「機能を廃したもの」か「著しい障害を残すもの」か、「障害を残すもの」か

まずは咀嚼と言語機能それぞれの障害の程度を確認してから、具体的な後遺障害等級を紹介します。

咀嚼機能における障害の程度

基準意味
咀嚼機能を廃したもの流動食以外は食べられない
咀嚼機能に著しい障害を残すもの粥食や粥食に準ずる程度のものしか食べられない
咀嚼機能に障害を残すもの十分に咀嚼できないものがある
(例:ご飯は食べられるが、たくあんは食べられない)

言語機能における障害の程度

基準意味
言語機能を廃したもの4種の語音のうち3種の語音が発音できない
言語機能に著しい障害を残すもの4種の語音のうち2種の語音が発音できない
綴音機能に障害がある
言語機能に障害を残すもの4種の語音のうち1種の語音が発音できない

4種の語音とは

  • 口唇音:ま・ば・ぱ・わ行の音、ふ
  • 歯舌音:さ・た・だ・な・ら・ざ行の音、し、しゅ、じゅ
  • 口蓋音:か・が・や行の音、ひ、ぎゅ、にゅ、ん
  • 喉頭音:は行の音

言語機能障害の認定については、言語聴覚士による検査も有効です。
では、上記をもとに、後遺障害等級と認定基準を見てみましょう。

後遺障害等級等級認定の要件
1級2号咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3級2号咀嚼又は言語の機能を廃したもの
4級2号咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
6級2号咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
9級6号咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
10級3号咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
12級相当開口障害等を原因として咀嚼に相当時間を要するもの

交通事故の後遺障害等級が重要な理由

後遺障害等級が重要な理由は、後遺障害慰謝料・逸失利益の請求可否や金額を左右するからです。

後遺障害慰謝料・逸失利益を請求できるようになる

後遺障害等級に認定されることで後遺障害慰謝料と逸失利益を請求できるようになるため、後遺障害等級は重要視されています。

後遺障害慰謝料後遺障害が残ったことで、今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
逸失利益後遺障害の影響で減ってしまうと考えられる、生涯収入に対する補償

後遺障害慰謝料や逸失利益は、原則として後遺障害等級が認定された「後遺障害」に対してしか支払われません。後遺症が残っていても、後遺障害等級が認定されていなければ請求できないのです。

後遺障害慰謝料・逸失利益の金額は等級によって変わる

後遺障害慰謝料の金額は後遺障害等級に応じて変わり、逸失利益の金額も後遺障害等級ごとに目安が決まっている「労働能力喪失率」を用いて計算します。

参考として、後遺障害慰謝料と逸失利益の相場を紹介します。後遺障害等級が異なることで、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が変わってくることがお分かりいただけるでしょう。

まずは、後遺障害慰謝料の相場です。

後遺障害慰謝料の相場(示談交渉で弁護士を立てた場合)

等級 慰謝料
要介護1級2,800
要介護2級2,370
1級2,800
2級2,370
3級1,990
4級1,670
5級1,400
6級1,180
7級1,000
8級830
9級690
10級550
11級420
12級290
13級180
14級110

単位:万円

たとえば、障害の程度が大きい後遺障害1級が2,800万円なのに比べて、障害の程度が小さい後遺障害14級は110万円です。このことから、等級の違いが慰謝料の金額の違いに結びつくことがわかります。

一方、逸失利益の金額は以下の計算式から算出されます。

1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

計算式のうち、労働能力喪失率が後遺障害等級の影響を受けることになります。労働能力喪失率の具体的な数値は、以下の通りです。

等級労働能力喪失率
1100%
2100%
3100%
492%
579%
667%
756%
845%
935%
1027%
1120%
1214%
139%
145%

たとえば、障害の程度が大きい後遺障害1級の労働能力喪失率が100%なのに比べて、障害の程度が小さい後遺障害14級の労働能力喪失率は5%です。このことから、等級の違いが逸失利益の金額の違いに結びつくことがわかります。

計算式に登場する基礎収入や労働能力喪失期間、ライプニッツ係数については、関連記事『逸失利益の計算方法|計算機や計算例つきでわかりやすく解説』で解説しています。被害者の職業や属性によって変わってくる部分もあるので、関連記事を確認してみてください。

交通事故では、他にも入通院慰謝料や休業損害などを請求できます。
詳しい計算方法や相場は『交通事故の示談金はいくらが妥当?示談の前に金額をチェック』で解説しているので、確認してみてください。

妥当な後遺障害等級を獲得する方法

障害の程度に見合った妥当な後遺障害等級の認定につなげるための方法を紹介していきます。

後遺障害等級は審査機関が認定することを認識する

通常、後遺障害等級の認定は「損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)」という審査機関が行います。

後遺障害等級の認定は医師が決めると誤解されていることも多いのですが、医師が認定に直接かかわることはありません

ただし、医師が作成する後遺障害診断書については、等級認定に大きな影響を与えることは知っておきましょう。後遺障害診断書が等級認定にどのように影響しているかについて詳しくは、関連記事『後遺障害診断書の書き方や記載内容は等級認定に影響する』をご確認ください。

後遺障害等級の獲得には書類審査が必要

後遺障害等級の認定を受けるためには、審査機関に書類を提出し、審査を受けることが必要です。
基本的な流れは以下の通りです。

  1. 症状固定の診断を受けたら、必要な書類を用意する
  2. 「加害者側の任意保険会社」または「加害者側の自賠責保険会社」に書類を提出する
  3. 審査機関に書類が渡り、審査が行われる
  4. 審査結果が通知される
  5. 結果に納得いかなければ異議申し立てにより再審査を受ける
    ※異議申し立てでは、一度目の審査よりもさらに入念な対策が必要です。詳しくは『後遺障害の異議申し立てを成功させる方法』をご覧ください。

加害者側の任意保険会社に書類を提出することを「事前認定」、加害者側の自賠責保険会社に書類を提出することを「被害者請求」といいます。

事前認定は後遺障害診断書だけ用意すれば後遺障害申請できるので簡単です。しかし、後遺障害診断書以外の書類には関与できないので、書類の質を高めたり追加書類を添付したりするなどの審査対策が行えません。

一方、被害者請求は書類を全て被害者自身で集めるので後遺障害申請に手間がかかります。しかし、全ての書類を被害者自身が用意するので、書類の質を高めたり追加書類を添付したりするなどの審査対策が行えるともいえます。

後遺障害等級の審査は基本的に書類審査のみで進められるので、後遺症の症状や程度を十分伝えられる書類を提出しなければ、非該当になったり低い等級にしか認定されなかったりします。

後遺障害等級を申請する場合は、多少手間がかかっても、被害者請求でしっかり対策するようにしましょう。

被害者請求のメリットを最大化して認定率を上げるには?

被害者請求にメリットがあることはわかっても、提出書類の質をどのように高めるのか、どのような追加書類を添付すべきかなど、具体的な行動がイメージし辛いと思います。

実際に被害者請求を行う場合には、後遺障害等級の認定基準や過去の事例に詳しくなければ判断がむずかしいでしょう。

被害者請求を行うなら、後遺障害等級認定に詳しい弁護士のサポートを受けることがもっともおすすめです。
弁護士であれば、被害者請求のメリットを最大限に活用して認定率を上げることができます。

弁護士のサポートのもとで被害者請求を行う重要性やメリットは、『後遺障害申請は被害者請求と弁護士依頼が正解』の記事で解説しています。後遺障害の申請で被害者請求を選ぼうとお考えの場合、あわせてご確認いただくことで被害者請求についてより深く理解することができるでしょう。

交通事故の慰謝料を多く貰うためにNGな行動22選』では、後遺障害等級の申請時にしてはいけないことも解説しています。あわせて参考にしてみてください。

後遺障害等級の審査機関に伝えるべきポイント4つ

交通事故の後遺症で後遺障害等級の認定を受けるには、審査機関に対して次の4点を伝える必要があります。

  1. 交通事故と後遺症との因果関係
    後遺症が事故後の日常生活の中で生じたものだと判断されると後遺障害等級は認定されない
  2. 後遺症の症状や程度
    自覚症状しかなく、後遺症の症状・程度を医学的に示す客観的証拠がない場合、後遺障害等級の認定がむずかしくなる
  3. 症状の一貫性・常時性
    途中で症状が変わっている場合、事故で生じた最初の症状は完治しており、変化後の症状は事故とは関係ないと判断されかねない
    症状が断続的に表れる場合、後遺障害等級に認定するほどの後遺症ではないと判断されかねない
  4. 後遺障害等級の認定基準を満たしていること

上記4つの条件を満たしていると審査機関にアピールするには、提出書類の書き方を工夫したり、適切な検査を受けたりしなければなりません。

検査を受けるときのポイントや書類を書く際のポイントについては『交通事故の後遺障害認定|認定の確率を上げるポイントと手続きを解説』で解説しています。参考にしてみてください。

後遺障害等級について弁護士に相談すべき理由

適切な後遺障害慰謝料・逸失利益を得るためには、後遺障害認定認定と妥当な金額になるように示談交渉することが重要です。

弁護士なら、後遺障害等級認定と示談交渉のどちらも成功させられる可能性が高いです。

後遺障害等級認定の可能性が上がる

後遺障害等級認定に詳しい弁護士に依頼することで、後遺障害等級認定の可能性が上がります。

  • 後遺障害認定に関する専門知識や過去の事例に精通している弁護士に、後遺障害認定の申請そのものを一任できる
  • 弁護士なら被害者ごとの後遺症に合った審査対策を考えられる(提出書類の質を高められる、症状を証明する医学的な検査結果の追加書類を添付できるなど)

被害者おひとりで後遺障害認定を成功させることは、むずかしいと言わざるをえません。

たとえば、後遺障害等級が認定された件数は交通事故全体*のうち5%程度と言われており、上位の等級になるほど認定数は少なくなっています。(*被害者に後遺症が残らなかった交通事故も含む)

後遺障害等級認定数(2020年)

こうした事情から、後遺障害認定の審査の厳しさが見えてくるでしょう。
後遺障害等級について弁護士に相談することは、非常に重要なのです。   

後遺障害慰謝料・逸失利益が妥当な金額までアップする

示談交渉では知識・経験の少ない被害者は不利になりやいです。たとえ、被害者が加害者側の保険会社と粘って交渉したとしても、獲得金額は低額になりがちです。

弁護士なしの増額交渉は増額の可能性が低い

弁護士であれば、後遺障害慰謝料や逸失利益が妥当な金額までアップするよう示談交渉が行えます。

  • 弁護士は専門知識も示談交渉経験も豊富なので、同じく経験や知識が豊富な保険会社とも対等に交渉できる
  • 示談交渉で弁護士が出てくると、保険会社は裁判への発展を恐れ、態度を軟化させることがある
  • 示談交渉に弁護士が出てきたら増額に応じるという方針をとっている保険会社もある
弁護士ありの増額交渉は増額の可能性が高い

被害者のみの交渉では獲得金額が低額になりがちだとお伝えしましたが、その理由としては、加害者側の任意保険会社は「自賠責基準」や「任意保険基準」で算定した金額しか提示してこないからです。

弁護士が示談交渉を行うことで「弁護士基準」で算定した金額を実現することが可能になります。

慰謝料金額相場の3基準比較

図の解説

  • 自賠責基準
    交通事故被害者に補償される、最低限の金額相場
  • 任意保険基準
    示談交渉時に加害者側の任意保険会社が提示してくる金額基準(保険会社ごとに異なり非公開だが、自賠責基準と同程度であることが多い)
  • 弁護士基準
    過去の判例に基づく法的正当性の高い金額相場

交通事故の慰謝料が3基準ごとにどのように計算されるのかは、『交通事故の慰謝料を正しく計算する方法』で詳しく解説しています。

加害者側の任意保険会社が提示してくる金額がいかに低額なのかわかる比較をお見せします。こちらの後遺障害慰謝料の金額比較表をご覧ください。

後遺障害慰謝料の金額比較

等級 自賠責基準弁護士基準
要介護1級1,650
(1,600)
2,800
要介護2級1,203
(1,163)
2,370
1級1,150
(1,100)
2,800
2級998 (958)2,370
3級861 (829)1,990
4級737 (712)1,670
5級618 (599)1,400
6級512 (498)1,180
7級419 (409)1,000
8級331 (324)830
9級249 (245)690
10級190 (187)550
11級136 (135)420
12級94 (93)290
13級57 (57)180
14級32 (32)110

単位:万円

たとえば、むちうちで後遺障害14級に認定された場合、適切な後遺障害慰謝料の相場は110万円ですが、保険会社が提示してくる相場は32万円程度とされています。

示談交渉を通して後遺障害慰謝料や逸失利益をはじめとする示談金の最終的な金額を決めるのですが、加害者側の任意保険会社は低い金額しか提示してきません。増額交渉を成功させなければ、妥当な金額は受け取れないのです。

保険会社の提示額を十分に増額させることは決して簡単ではないので、示談交渉をするにあたっては弁護士に十分な対策を練ってもらうことが重要です。

なお、逸失利益については以下の計算機から適切な金額を確認できます。保険会社から逸失利益の提示を受けたら、計算機の結果と比べてみてください。

ただし、実際の相場額はさまざまな事情を考慮して増減することもあるので、厳密な相場額は弁護士に問い合わせることをおすすめします。

参考になる記事

示談交渉でどのくらい増額が実現したのか知りたい:交通事故の慰謝料事例|いくらもらった?適正相場と増額の事例集

弁護士費用を差し引いても最終的な獲得金額が多くなることもある

後遺障害等級などについて弁護士に相談・依頼をするためには、費用がかかります。

費用体系は法律事務所によって違うものの、一般的には高額なイメージが強いため、費用の問題で弁護士への相談・依頼をためらう方も多いです。

しかし、弁護士費用を差し引いてもなお、弁護士に相談した方が最終的な獲得金額が多くなることは多いです。

弁護士に相談・依頼することでどれくらいの費用がかかり、獲得金額がどれくらいになるのかは弁護士相談の際に試算してもらえます。

費用が不安な場合でも、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士費用の詳しい解説

交通事故の弁護士費用相場はいくら?

弁護士費用の相場やアトム法律事務所の費用体系を解説しています。モデルケースにおける弁護士費用の計算例も紹介しています。

弁護士費用の負担は軽減できる

弁護士費用がかかることを考慮してもなお、弁護士に相談・依頼するメリットがあると解説しましたが、実は、弁護士費用の負担を軽減する方法もあります。

どの方でも、「弁護士費用特約を使う」または「相談料・着手金無料の事務所を選ぶ」という方法によって弁護士費用の負担を減らせるので、解説していきます。

(1)弁護士費用特約を使う

弁護士費用特約とは、弁護士費用を保険会社に負担してもらえるものです。
ご加入の自動車保険などに弁護士費用特約があれば利用できます。
ご家族の保険に付いている弁護士費用特約でも使えることがあるので、確認してみてください。

弁護士費用特約

関連記事

交通事故の弁護士費用特約|使い方とメリット&デメリット

(2)相談料・着手金無料の事務所を選ぶ|アトム法律事務所

弁護士に相談する際、基本的には相談料がかかります。
そして、その後に委任契約を結ぶと、着手金と成功報酬が必要です。

  • 相談料:法律相談で発生する費用
  • 着手金:委任契約を結んだ際に発生する費用
  • 成功報酬:事案解決後、獲得示談金額に応じて決まる費用

特に相談料と着手金は、慰謝料や損害賠償金を受け取っていない状態で支払わなければならないので、被害者の方の負担となりがちです。
しかし、アトム法律事務所では、相談料と着手金が無料です。

回収できた慰謝料や損害賠償金の中から成功報酬をお支払いいただけるので、すぐに大きなお金を用意できない方でも安心して利用いただけます。

もちろん弁護士費用特約の利用も可能ですし、無料の法律相談だけで利用を終えても問題ありません。

無料相談の予約受付は、24時間365日行っております。
まずは気軽にご連絡ください。

まとめ

後遺障害等級の認定基準を一覧表で紹介しました。症状ごとに詳しい認定基準も解説しましたが、どの等級に認定されるかで後遺障害慰謝料や逸失利益の金額が変わってくる点もおわかりいただけたと思います。

弁護士に後遺障害等級を相談すると、等級認定の可能性を上げる方法や保険会社が提示する金額から妥当な金額までアップする方法についてアドバイスがもらえます。

後遺障害等級に関するお悩みがあれば、アトム法律事務所の無料相談をご活用ください。お問い合わせお待ちしております。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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