【後遺障害等級表】認定される後遺症の内容が一覧でわかる
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交通事故により後遺症が残った場合には、後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を受けることで、始めて後遺障害が発生したと認められます。
そのため、どのような症状があれば後遺障害が発生したといえるのかを知っておくことが重要となるのです。
本記事では、後遺障害に認定基準について、後遺障害等級ごとに一覧できる表を紹介しています。
その他にも、後遺障害が生じている際に知っておくべき知識もわかるようになっているので、後遺障害に該当する症状を知りたい方は一度ご覧ください。
目次
後遺障害等級表|各等級の症状・認定基準がわかる
後遺障害とは、治療をしても完治せず残った後遺症のうち以下の3つの条件を満たしたものをいいます。
- 交通事故との因果関係が明確である
- その症状が労働能力に支障をきたす
- 後遺障害等級の認定基準を満たしている
後遺症が後遺障害等級として認められると、後遺障害慰謝料や逸失利益といった損害が請求可能となります。
ここでは、「交通事故損害賠償法施行令」で規定されている1級~14級の後遺障害等級の症状・認定基準を確認していきましょう。
要介護1級・要介護2級の後遺障害等級(別表第1)
後遺障害等級表(要介護)
等級 | 症状の内容 |
---|---|
第1級 |
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第2級 |
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出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1
1級~14級の後遺障害等級(別表第2)
後遺障害等級表(要介護でない)
等級 | 症状の内容 |
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第1級 |
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第2級 |
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第3級 |
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第4級 |
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第5級 |
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第6級 |
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第7級 |
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第8級 |
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第9級 |
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第10級 |
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第11級 |
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第12級 |
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第13級 |
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第14級 |
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出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第2
後遺障害等級は、症状の内容や症状が残った場所等に応じて細分化されています。各等級のさらに詳しい解説については、下記の関連記事もご参考ください。
また、症状ごとに何級の後遺障害が認定されうるのかということを知りたい方は『症状ごとの後遺障害等級の認定基準や適切な等級を獲得する方法を解説』の記事で確認可能です。
後遺障害が複数ある場合や等級表にない症状の等級は?
後遺障害等級には、以下の3つのルールがあります。
- 併合ルール:後遺障害が複数残る場合に適用される
- 相当ルール:後遺障害等級表には記載されていないが、後遺障害と同等に扱われる症状に適用される
- 加重ルール:今回の事故より前から後遺障害があった場合に適用される
それぞれについて見ていきましょう。
障害が複数残る場合の「併合ルール」
併合は「複数ある系列の異なる後遺障害のなかで最も重い等級を繰り上げる」ことになるのが基本です。
障害は、眼・鼻・口・体幹・上肢・下肢など10の部位区分されたうえで、35の系列にわかれます。併合とは35にわけられた系列のうち、異なる障害が残った場合の認定方法です。
後遺障害等級の併合ルールは、原則以下の通りとなります。
- 5級以上が2つ以上:重い方の等級を3級繰り上げる
- 8級以上が2つ以上:重い方の等級を2級繰り上げる
- 13級以上が2つ以上:重い方の等級を1級繰り上げる
- 14級が2つ以上:14級のまま変わらない
- その他:重い方の等級に従う
たとえば、後遺障害10級と7級に認定された場合は、重い方の7級を1級繰り上げて併合6級となります。
もっとも、要介護1級と要介護2級の後遺障害には適用されません。
また、以下のようなケースは併合ルールの対象外となります。
- 組み合わせ等級が決まっているケース
- 併合により障害の序列を乱すケース
- 事故前から同一系列に障害があるケース
- みなし系列のケース
- 1つの後遺障害から他の後遺障害が派生しているケース
障害が等級表にない場合の「相当ルール」
後遺障害等級の一覧表に該当しない障害でも、労災保険で準用として扱っている症状については、「相当等級」として認められる場合があります。
相当等級に認定されると、その等級と同水準の補償請求が可能です。
障害 | 相当等級 |
---|---|
外傷性散瞳 | 11級相当、12級相当、14級相当 |
耳漏 | 12級相当、14級相当 |
耳鳴り | 12級相当、14級相当 |
嗅覚脱失 | 12級相当 |
鼻呼吸困難 | 12級相当 |
嗅覚減退 | 14級相当 |
味覚脱失 | 12級相当 |
味覚減退 | 14級相当 |
上肢の動揺関節 | 10級相当、12級相当 |
上肢の習慣性脱臼 | 12級相当 |
下肢の動揺関節 | 8級相当、10級相当、12級相当 |
下肢の習慣性脱臼・弾発ひざ | 12級相当 |
事故前から障害がある場合の「加重ルール」
事故前から障害があり、さらに交通事故で障害の程度が重くなるケースもあります。このような場合、事故前からある障害の部分に関する補償は支払われません。
加重ルールによると、「事故で残った障害等級への補償」から「事故前からの障害等級に対応した補償」を引き算するのです。
後遺障害認定の併合ルールとその例外、相当・加重といった細かなルールについて詳しく知りたい方は、関連記事『後遺障害等級の併合・相当・加重|複数の後遺症認定時のルールと慰謝料への影響』もお読みください。
後遺障害等級認定を受けることで請求できる損害
交通事故により生じた後遺症の症状が後遺障害等級に該当すると認定された場合には、後遺障害に関して以下のような損害を請求することができます。
- 後遺障害慰謝料:後遺障害が残ったことによる精神的苦痛への補償
- 逸失利益:後遺障害が労働能力に支障をきたすことで減ってしまう、生涯収入への補償
後遺障害慰謝料については、後遺障害等級に応じて相場の金額が決まっています。
等級 | 相場額 |
---|---|
1級・要介護 | 2,800 |
2級・要介護 | 2,370 |
1級 | 2,800 |
2級 | 2,370 |
3級 | 1,990 |
4級 | 1,670 |
5級 | 1,400 |
6級 | 1,180 |
7級 | 1,000 |
8級 | 830 |
9級 | 690 |
10級 | 550 |
11級 | 420 |
12級 | 290 |
13級 | 180 |
14級 | 110 |
*()内の金額は2020年3月31日以前の事故に適用
最低でも100万円を超える慰謝料の請求が可能であるため、後遺障害等級の認定を受けることが非常に大切といえるでしょう。
逸失利益は計算式によって算出されます。
詳しくは『【逸失利益の計算】職業別の計算方法を解説!早見表・計算機つき』で解説していますが、以下の計算機からも簡単に確認可能です。
交通事故の損害賠償における内訳や相場額の計算方法については『交通事故の損害賠償請求とは?賠償金の費目範囲や相場・計算方法を解説』の記事をご覧ください。
交通事故による後遺障害等級の認定を受ける流れ
審査機関による審査を受けることで、後遺障害等級の認定がなされます。
審査を受けるための流れは次の通りです。
- 医師から症状固定の診断を受ける
- 後遺障害診断書などの必要な書類を作成・収集する
- 「加害者側の任意保険会社」または「加害者側の自賠責保険会社」に書類を提出する
- 加害者側の保険会社から審査機関に書類が渡り、審査が行われる
- 審査結果が通知される
審査機関に書類を提出する際には加害者側の保険会社を介さなければなりません。
書類の提出については、以下の2つの方法があります。
- 事前認定
加害者側の任意保険会社に後遺障害診断書を提出し、その他の書類は任意保険に用意してもらう - 被害者請求
加害者側の自賠責保険会社に被害者自身で必要な書類を提出する
どちらも自由に選べますが、適切な等級に認定される可能性を高めたいのであれば被害者請求を行いましょう。
被害者請求であれば、申請書類を被害者自身でそろえる必要があるため手間がかかるものの、適切な書類を用意することができるためです。
詳しくは『後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由』にてご確認ください。
参考になる記事
交通事故の後遺障害等級に関して弁護士に相談・依頼を
後遺障害等級に関して弁護士に相談・依頼するメリット
交通事故により後遺症が生じた場合に弁護士へ相談・依頼すると、以下のようなメリットを受けることができます。
- 適切な後遺障害等級の認定を受けられるようサポートしてもらえる
- 加害者との交渉を代わりに行ってくれるため、治療に専念できる
- 相場の損害賠償金を得られやすくなる
依頼をすることで、専門家である弁護士が後遺障害等級の認定申請手続きや、示談交渉を代わりに行ってくれます。
そのため、適切な後遺障害等級の認定を受けつつ、相場の損害賠償金で示談する可能性が高くなるのです。
また、本来被害者自身で行う必要がある後遺障害等級の認定手続きや示談交渉を弁護士に任せることができるため、被害者は治療や仕事の復帰に専念することかできます。
弁護士への依頼のメリットについてより詳しく知りたい方は、『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』の記事をご覧ください。
アトム法律事務所で後遺障害等級に関する無料相談を
アトム法律事務所では、電話やLINEにて無料相談を行っています。
無料相談では、妥当な後遺障害等級の認定を受けるための対策や、加害者側の提案する損害賠償金が相場の金額かどうかなどについて知ることができます。
ご相談時に無理にご契約を勧めることはありません。安心してご相談ください。
依頼による費用の負担は減らすことができる
弁護士に依頼した場合、弁護士費用の負担が気になる方は多いでしょう。
弁護士費用の負担は、弁護士費用特約を利用することで大きく減らすことが可能です。
弁護士費用特約を利用すると、保険会社が相談料や依頼の際の費用を上限額まで負担してくれます。
相談料や依頼の費用が上限額以内に収まることは珍しくないので、多くのケースで金銭的な負担なく弁護士への依頼が可能となるのです。
弁護士費用特約について詳しく知りたい方は『交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方・使ってみた感想を紹介』の記事をご覧ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了