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後遺障害等級の一覧表|認定基準と認定の流れ、具体的な症状がわかる

更新日:

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で残存した後遺症のうち、特別な賠償の対象となる症状を後遺障害といいます。

後遺障害等級とは、後遺障害の内容・部位別の14段階に分けられた「後遺障害の程度」を表すものです。どのような症状が何級に該当するのかは、あらかじめ定められています。

後遺障害等級の認定を受ける人は、自身が何級に認定されうるかを知っておきましょう。なぜなら、後遺障害等級次第で補償額はずいぶん変わるからです。

この記事では、後遺障害等級表に加え、交通事故の代表的な後遺症がそれぞれ何級に該当しうるか、後遺障害認定の流れや仕組みを解説します。

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後遺障害等級の一覧表

交通事故の後遺障害等級は「交通事故損害賠償法施行令」にて規定されており、14段階の等級があります。

また、介護が必要な後遺障害については、別表の1級・2級として規定されているので、別表扱いであることを念頭においてください。

後遺障害等級表(要介護)

等級症状の内容
第1級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
第2級
  1. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  2. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1

後遺障害等級表(要介護でない)

等級症状の内容
第1級
  1. 両眼が失明したもの
  2. 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
  3. 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
  4. 両上肢の用を全廃したもの
  5. 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両下肢の用を全廃したもの
第2級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  3. 両上肢を手関節以上で失つたもの
  4. 両下肢を足関節以上で失つたもの
第3級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
  3. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  4. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  5. 両手の手指の全部を失つたもの
第4級
  1. 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  2. 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力を全く失つたもの
  4. 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
  5. 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
  6. 両手の手指の全部の用を廃したもの
  7. 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
第5級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  3. 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  4. 一上肢を手関節以上で失つたもの
  5. 一下肢を足関節以上で失つたもの
  6. 一上肢の用を全廃したもの
  7. 一下肢の用を全廃したもの
  8. 両足の足指の全部を失つたもの
第6級
  1. 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
  3. 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  4. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  5. 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
  8. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
第7級
  1. 一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  3. 一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  4. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  5. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  6. 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
  7. 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
  8. 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
  9. 一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  10. 一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
  11. 両足の足指の全部の用を廃したもの
  12. 外貌に著しい醜状を残すもの
  13. 両側の睾丸を失つたもの
第8級
  1. 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
  2. 脊柱に運動障害を残すもの
  3. 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
  4. 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
  5. 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
  8. 一上肢に偽関節を残すもの
  9. 一下肢に偽関節を残すもの
  10. 一足の足指の全部を失つたもの
第9級
  1. 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
  3. 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  5. 鼻を欠損し、その機能に著しい障害を残すもの
  6. 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
  7. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  8. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  9. 一耳の聴力を全く失つたもの
  10. 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  12. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
  13. 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
  14. 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
  15. 一足の足指の全部の用を廃したもの
  16. 外貌に相当程度の醜状を残すもの
  17. 生殖器に著しい障害を残すもの
第10級
  1. 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
  2. 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
  4. 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
  7. 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
  8. 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
  10. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
  11. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
第11級
  1. 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
  4. 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  5. 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  6. 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
  7. 脊柱に変形を残すもの
  8. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指を失つたもの
  9. 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
  10. 胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
第12級
  1. 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
  2. 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
  3. 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  4. 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
  5. 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
  6. 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  7. 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
  8. 長管骨に変形を残すもの
  9. 一手のこ指を失つたもの
  10. 一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
  11. 一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
  12. 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
  13. 局部に頑固な神経症状を残すもの
  14. 外貌に醜状を残すもの
第13級
  1. 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
  2. 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
  3. 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの
  4. 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  5. 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  6. 一手のこ指の用を廃したもの
  7. 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
  8. 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
  9. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
  10. 一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用11.を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
  11. 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
第14級
  1. 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
  2. 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
  3. 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
  4. 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  5. 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
  6. 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
  7. 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
  8. 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
  9. 局部に神経症状を残すもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第2

代表的な症状ごとの後遺障害等級の認定基準

介護を要する障害の認定基準

介護を要する状態とは、意思疎通を図ることが難しく、食事・排泄といった生命維持活動に他者の介助が必要な状態をいいます。

等級内容
1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
1級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2級2号胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
出典:自動車損害賠償保障法施行令 別表第1

ほとんど寝たきりの状態となってしまい、介護が必要な状態です。
介護にかかる費用についても、交通事故による損害として賠償請求しましょう。将来介護費として、介護する人にかかる費用、介護するための物にかかる費用の両面から請求するべきです。

なお、将来介護費の見積もりは、これまでの裁判例などをもとに慎重に行いましょう。交通事故の解決実績が豊富な弁護士であれば、これまでの実例を元に算定可能です。

むちうち症の認定基準

むちうち症による後遺症は、後遺障害の12級と14級に該当する可能性があります。

むちうち症の後遺障害等級

等級等級認定の要件
12級13号障害の存在が他覚的にわかるもの。CTやMRIなどの画像診断むちうち症の後遺症の存在が医学的に証明されたもの。
14級9号画像診断など、他覚的な後遺症の存在はないが、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的検査の結果、むちうち症の後遺症が発生していると説明可能なもの。

むちうちは事故の衝撃で首に急激な力が加わり鞭のようにしなることであらわれる、もろもろの症状の総称です。
医学的には頸部捻挫、頚椎捻挫などともいわれます。

むちうちの多くは完治しますが、痛みや不快感、しびれ、眩暈、吐き気といった症状が残っている場合には、後遺障害等級認定を目指しましょう。

要件を満たさない場合には、痺れや麻痺といったむちうちの後遺症自体が残ったとしても、後遺障害等級認定されることはありません。

低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)

脳と脊髄は硬膜という膜に覆われており、硬膜の中は髄液で満たされています。
低髄液圧症候群は、事故の衝撃により髄液が硬膜の外に漏れだすことで、髄液が減少し内部の圧力が低下して、頭痛、頚部痛、めまい、耳鳴りなどの様々な症状を呈するという疾患です。

比較的新しく提唱された疾患であり、医師のあいだでも低髄液圧症候群を認めるかどうかは分かれています。

裁判実務では、低髄液圧症候群について否定的な傾向ですが、一切後遺障害認定されないというものではありません。治療歴や受傷の状況などから、頚椎捻挫の範囲で後遺障害等級認定される可能性は残っています。

椎間板ヘルニアの認定基準

背骨は、椎骨という小さな骨が連結した構造をしており、椎骨と椎骨のあいだには、クッションの役割をもつ椎間板という軟骨組織が挟まっています。
椎間板ヘルニアは、事故の衝撃でこの椎間板が外部にはみ出し、神経を圧迫して痛みやしびれなどを生じさせるという疾患です。

椎間板ヘルニアは後遺障害12級13号または14級9号に認定される可能性があります。認定の基準は、むちうちと同じです。

椎間板ヘルニアの後遺障害等級

等級等級認定の要件
12級13号障害の存在が他覚的にわかるもの。
CTやMRIなど画像診断などによって椎間板ヘルニアの存在が医学的に証明されたもの。
14級9号画像診断など、他覚的な後遺症の存在はない。
しかし、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的なテストの結果、椎間板ヘルニアが発生していると説明可能なもの。

椎間板ヘルニアの後遺障害認定に関しては、交通事故との因果関係が争われる可能性があります。

なぜなら、交通事故以外で椎間板ヘルニアになる可能性があるからです。
中腰での作業、長期間の運転、物の持ち運びなどに従事している方は、交通事故の被害にあわずとも、椎間板ヘルニア発症のリスクがあります。

実務上、椎間板ヘルニアで後遺障害12級に認定されるケースはそう多くありません。
MRIやCTによって椎間板ヘルニアが認められたのだとしても、事故前からすでに発症していたのではないかと疑われ、非該当となったり14級に認定されたりするケースが多いのです。

また、損害賠償が認められたとしても、被害者自身が事故前からヘルニアを悪化させる要因(例:腰痛持ち、ヘルニアの既往歴あり)を持っていたとすれば、賠償金が減額される可能性があります。

このような減額を素因減額といい、一定程度の減額は避けられません。
しかし、保険会社の提案する金額がいつも正しいとはかぎりませんので、示談金の提案を受けたら、弁護士への相談をおすすめします。

頭部外傷(高次脳機能障害)の認定基準

交通事故で頭部を強打した結果、脳挫傷、硬膜外血腫、くも膜下出血、びまん性軸索損傷などになると、脳に影響を及ぼし、重篤な後遺症を残す可能性があります。

頭部外傷の後遺症のうち、特に高次脳機能障害は後遺障害等級認定について争いやすい疾患です。

高次脳機能障害は、記憶力、判断力、注意力など認知機能が低下したり、意欲減退、攻撃性・幼稚性の高まりなど社会行動に障害が生じます。

高次脳機能障害を負った際、認定され得る後遺障害は以下の通りです。

高次脳機能障害の後遺障害等級(要介護の場合)

等級等級認定の要件
1級1号*“常時”介護が必要なもの
2級1号*“随時”介護が必要なもの

*別表第一

高次脳機能障害の後遺障害等級(要介護でない場合)

等級等級認定の要件
3級3号労務に服すにあたり必要となる4つの能力*について、 1つを完全に喪失したか2つ以上の能力の大部分が失われたもの
5級2号4つの能力のうち、1つ以上の能力の大部分が失われたか2つ以上の能力の半分程度が失われたもの
7級4号4つの能力のうち、1つ以上の能力の半分程度が失われたか2つ以上の能力の相当程度が失われたもの
9級10号4つの能力のうち、1つ以上の能力の相当程度が失われたもの
12級13号4つの能力について労務に影響するほど失われなかった。
しかしCTやMRIなど画像診断などによって高次脳機能障害の存在が医学的に証明されたもの。
14級9号4つの能力について労務に影響するほど失われず、画像診断などによっても他覚的な後遺症の存在はない。
しかし、受傷の状況、症状、治療の経過、各種神経学的なテストの結果、高次脳機能障害が残ったと説明可能なもの。

*4つの能力とは、意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力・持久力、社会行動能力を指す。

高次脳機能障害については、被害者はもちろん、被害者を支える周囲の方の生活も一変する可能性があります。後遺障害等級の認定機関も長期化する恐れがありますので、早めに弁護士に相談してください。

顔の傷・外貌醜状の認定基準

顔や頭部、頚部などの部分に傷あとが残った場合、外貌醜状として後遺障害として認められうるものです。

外貌醜状は、残った痕の程度によって後遺障害7級、9級、12級に認定される可能性があります。
また、上肢や下肢の傷あとについても要件を満たせば後遺障害認定を受けられるでしょう。

顔の傷に関する後遺障害等級

等級等級認定の要件
7級12号頭部に手の平大(指の部分は含まない)以上の瘢痕が残ったもの、もしくは頭蓋骨の手の平大以上の欠損があるもの。
顔面部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの、もしくは10円硬貨大以上の組織陥没が残ったもの。
頸部に手の平大以上の瘢痕が残ったもの。
9級16号顔面部に長さ5センチメートル以上の線状痕が残ったもの。
12級14号頭部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの、もしくは頭蓋骨に鶏卵大以上の欠損が残ったもの。
顔面部に10円硬貨以上の瘢痕が残ったもの、もしくは長さ3センチメートル以上の線状痕が残ったもの。
頸部に鶏卵大以上の瘢痕が残ったもの。

上肢や下肢の傷あとの後遺障害等級

等級等級認定の要件
14級4号上肢の露出面(肘関節以下)にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号下肢の露出面(膝関節以下)にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

また、後遺障害等級表に記載の部位以外に関しても、痕の程度によっては、後遺障害12級か14級に該当される可能性があります。

上肢・下肢の機能障害の認定基準

交通事故の怪我では、上肢や下肢の関節に強直(固まって動かなくなること)や麻痺の症状が残ることがあります。

上肢の機能障害に関する後遺障害等級は、肩関節、肘関節、手関節の3大関節の可動域が対象です。機能障害の程度によって、1級、5級、6級、8級、10級、12級のいずれかに認定される可能性があります。

上肢の機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
1級4号両腕の3大関節のすべてが強直し、かつ手指の全部の用を廃したもの
5級6号片腕の3大関節のすべてが強直し、かつ手指の全部の用を廃したもの
6級6号3大関節のうち2つの関節について、強直したか、完全弛緩性麻痺(自動運動で関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下となったものを含む)したか、人工関節・人工骨頭を挿入置換してその可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの
8級6号 3大関節のうち1つの関節について6級6号と同じ要件を満たすもの
10級10号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されたか、人工関節・人工骨頭を挿入置換したもの*
12級6号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

*人工関節・人工骨頭を挿入置換し可動域が健側の1/2以下になったものは8級6号。

下肢の機能障害は、股関節、膝関節、足関節の3大関節の可動域などが後遺障害等級認定の対象とされます。
それぞれ症状の程度によって、1級、5級、6級、8級、10級、12級と認定される後遺障害等級は異なるでしょう。

下肢の機能障害の後遺障害等級

等級等級認定の要件
1級6号両足の3大関節のすべてが強直(固まって動かなくなる)したもの
5級7号片足の3大関節のすべてが強直したもの
6級7号3大関節のうち2つの関節について、強直したか、完全弛緩性麻痺(自動運動で関節の可動域が健側の可動域角度の10%程度以下となったものを含む)したか、人工関節・人工骨頭を挿入置換してその可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの*1
8級7号 3大関節のうち1つの関節について6級6号と同じ要件を満たすもの
10級11号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されたか、人工関節・人工骨頭を挿入置換したもの*2
12級7号3大関節のうち1つの関節について、関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの

*1 股関節においては、屈曲・伸展(体の前側や後ろ側に曲げる)、外転・内転(外側に開いたり内側に閉じたりする)のいずれかが1/2に制限されれば等級認定の要件を満たす
*2 人工関節・人工骨頭を挿入置換し可動域が健側の1/2以下になったものは8級7号

失明・視力低下の認定基準

顔面を強く打ちつけたり、視神経が傷つくと、失明につながる可能性があります。失明や視力低下は、後遺障害認定されうるものです。

後遺障害認定において、失明は次のいずれかの状態と定義づけられています。

失明の定義

  • 眼球をなくしたもの
  • 明暗の区別がつけられないもの
  • なんとか明暗の区別が分かる程度のもの
  • 暗室で眼前の照明が点滅したときに明暗がわかる程度(光覚弁)
  • 眼前で上下左右に手を動かしたときに動きの方向がわかる程度(手動弁)

失明による後遺障害等級認定の基準は、失明した眼の数と、失明していない方の眼の視力によって変わります。

等級等級認定の要件
1級1号両眼が失明したもの
2級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
3級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
5級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・一以下になつたもの
7級1号一眼が失明し、他眼の視力が〇・六以下になつたもの
8級1号一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの

失明以外の障害も後遺障害認定される

眼の後遺障害は、失明だけではありません。

視力障害(視力低下)、眼球の調節機能障害、運動障害、視野障害のほか、まぶたの欠損障害や運動障害も、眼の後遺障害です。

また、著しく強い光を感じる外傷性散瞳、常に涙が流れてしまう流涙も、後遺障害に相当する症状と見なされます。症状の程度に応じて、後遺障害11級相当~後遺障害14級相当の範囲で認定されるので、眼の見え方や動かしづらさに違和感のある人は、弁護士にご相談下さい。

咀嚼・言語機能低下の認定基準

口の機能が失われたり、低下すると、食べ物を噛んで飲み込むことや、発話することが難しくなります。後遺障害等級認定の基準では、「機能を廃する」や「著しい障害を残すもの」「障害を残すもの」といった表現がみられるので、区別していきましょう。

後遺障害等級等級認定の要件
1級2号咀嚼及び言語の機能を廃したもの
3級2号咀嚼又は言語の機能を廃したもの
4級2号咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
6級2号咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
9級6号咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
10級3号咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
12級相当開口障害等を原因として咀嚼に相当時間を要するもの

咀嚼機能障害と言語機能障害の両面から後遺障害等級認定がなされます。
両機能に後遺障害が残ったか、あるいはどちらか片方だけに後遺障害が残ったのかで等級が変わるのです。

咀嚼機能および言語機能について、詳しく確認していきましょう。

咀嚼機能の後遺障害等級認定基準

基準意味
咀嚼機能を廃したもの流動食以外は食べられない
咀嚼機能に著しい障害を残すもの粥食や粥食に準ずる程度のものしか食べられない
咀嚼機能に障害を残すもの十分に咀嚼できないものがある
(例:ご飯は食べられるが、たくあんは食べられない)

次に、言語機能の後遺障害等級認定基準は次の通りです。

言語機能の後遺障害等級認定基準

基準意味
言語機能を廃したもの4種の語音のうち3種の語音が発音できない
言語機能に著しい障害を残すもの4種の語音のうち2種の語音が発音できない
綴音機能に障害がある
言語機能に障害を残すもの4種の語音のうち1種の語音が発音できない

言語機能障害の認定については、言語聴覚士による検査も有効です。

後遺障害等級認定で賠償金は増額する

後遺障害等級にこだわるべき理由

後遺障害等級認定を受けることで、賠償金額はぐんと増えます。

後遺症と後遺障害は別物です。後遺症のうち、一定の要件を満たし賠償の対象となるような症状のことを、後遺障害といいます。

後遺障害等級認定を受けることで、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能です。後遺障害の認定によって、受け取れる賠償金の金額が倍以上になる可能性もあります。

後遺障害慰謝料とは何か

後遺障害慰謝料は後遺障害を負ったことによる精神的苦痛に対する賠償金です。後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級ごとにおおよその目安が設けられています。

後遺障害等級認定を適切に受けることが、正当な後遺障害慰謝料の獲得につながるため、各後遺障害等級の認定要件を押さえることが大切なのです。

後遺障害慰謝料の相場や計算方法を知りたい方は、関連記事を役立ててください。

逸失利益とは何か

逸失利益は、後遺障害による労働能力の低下によって将来にわたって得るはずだった給料・収入の減額分を補償する賠償金です。

逸失利益の計算には、後遺障害等級、被害者の事故前の収入、年齢などが使われます。

後遺障害等級の認定を申請する

まずは症状固定の診断を受ける

交通事故で負ったすべての怪我が完治するとかはぎりません。

これ以上は治療を継続しても症状の改善に至らないという状態になることもあり、この状態を症状固定といいます。

後遺障害等級認定を受ける最初の一歩は、身体に後遺症が残っているとに診断を医師から受けることです。

事前認定か被害者請求を選択する

後遺障害等級の認定認定は、損害保険料率算出機構という第三者機関が書面審査を基本として行います。

被害者は、まず後遺障害等級認定の申請をしましょう。
申請の方法には「事前認定」「被害者請求」の2種類があり、それぞれ認定の流れやメリット、デメリットが異なります。

事前認定の特徴

事前認定は、相手方の任意保険会社に申請の手続きを代行してもらうという方法です。
利用が手軽であるというのが最大のメリットとなりますが、等級認定に有利になるような特別な努力ができないというデメリットがあります。

被害者請求の特徴

被害者請求では、後遺障害等級が認められるように、提出資料の工夫や選別が可能です。認定要件を満たしていることを示す根拠を併せて提出することで、後遺障害等級の認定率向上を目指せるでしょう。

ただし、被害者自身で資料の収集・準備をしなくてはならないというデメリットがあります。被害者にとっては手間のかかる部分になりますが、弁護士に依頼することで負担は軽減可能です。

後遺障害等級認定を適切に、そして手間をできるだけ減らすならば、弁護士と一緒に被害者請求することをおすすめします。

後遺障害等級の認定結果には異議申立てできる

後遺障害等級認定の申請を行ったあと、残念ながら思ったような結果が得られないということもあるでしょう。
後遺障害等級の認定結果に納得がいかない場合には、後遺障害認定に対する異議申立てを行うことで、認定結果がくつがえる可能性があります。

ただし、初回申請の内容変更を認めてもらうことは簡単ではありません。後遺障害の申請異議申立てをするなら、医師の意見書を添えたり、新たな検査結果を添付するなどの工夫が必要です。

後遺障害等級のお悩みを弁護士に相談しませんか

後遺障害等級の認定に有利になるよう医師に働きかけられる

後遺障害等級の認定は、治療の経過などもみられるため、戦略的な事前準備が必要です。

本来、後遺障害等級の認定を受けるべき後遺症が残ったのに、治療方針の齟齬によって等級の認定が受けられなかったという事例は数多く存在します。
例えば、通院日数が少なかったり、検査があまり行われておらず医学的な証拠が乏しい場合、後遺障害等級認定の可能性は低くなるでしょう。

弁護士は、後遺障害等級認定の申請という側面から、医師の治療方針の正否について検討できます。
仮に後遺障害等級認定に不利な治療が行われている場合には、賠償という側面からの意見を伝えて、治療方針の修正をお願いすることも可能です。

また、弁護士に依頼すれば、より有効性の高い後遺障害診断書を作成することができます。
弁護士は過去の交通事故賠償の事例などから、より有効な後遺障害の診断書がどのようなものかを熟知しているのです。
後遺障害の審査は書面審査が基本ですから、後遺障害診断書の出来・不出来というのは非常に重要な要素といえます。

後遺障害等級認定時に被害者の手間を軽減できる

後遺障害の申請には2種類の方法がありますが、より適切な等級認定を目指す場合には被害者請求という申請方法を採用する必要があります。
被害者請求は手間がかかるのが最大の欠点であり、申請には専門的な知識が必要となる場面も多いです。

弁護士に依頼すれば、これら煩雑な手間を軽減できます。書類の作成や届け出などを代理することができ、書類の作成に間違いが生じる可能性も低くなるでしょう。

賠償金の増額が見込める

賠償金には自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準(裁判基準)の3つの基準があります。

相手方の任意保険会社は任意保険基準での示談案を提案してくるでしょう。
保険会社が提示する示談案は、被害者が本来もらうべき金額の基準「弁護士基準(裁判基準)」よりも低い金額となります。

弁護士は、過去の裁判例や交通事故実務の実例を提示し、根拠をもって増額交渉を行うため、弁護士基準への増額を実現しやすいのです。
また、保険会社は、示談がまとまらずに裁判を起こされることを避けたいと考えています。そのため、弁護士との増額交渉に応じざるを得なくなるのです。

なお、弁護士基準で慰謝料を計算した場合の相場が簡単にわかる「慰謝料計算機」が便利です。自動計算ツールなので、誰でも簡単に慰謝料の適正相場がわかります。

24時間365日予約受付!電話・LINE無料相談

後遺障害等級についてお悩みがあるなら、まずは弁護士に相談してみませんか。

アトム法律事務所では、24時間365日対応のLINE無料相談サービスを提供中です。
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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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