後遺障害3級の認定基準と症状は?慰謝料相場と逸失利益の計算方法も解説
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交通事故の後遺障害3級とは、常時または随時の介護までは必要ないものの、労働能力を100%失い、生涯にわたって働くことが難しいと判断された場合の認定等級です。
失明や視力障害、咀嚼機能・言語機能の喪失、神経系統や精神の著しい障害、胸腹部臓器の著しい障害、両手の手指の全部喪失の5類型があります。
頭部損傷や脊髄損傷、全身を強く打ち付けるなど、交通事故で重いケガを負った方は、3級に該当する可能性があります。
後遺障害3級の後遺障害慰謝料は、自賠責基準で861万円、弁護士基準では1,990万円が相場です(2020年4月1日以降の交通事故の場合)。

本記事では、後遺障害3級の認定基準や、後遺障害慰謝料で損をしないように弁護士基準で請求することの重要性を解説します。
被害者が受け取るべき妥当な金額を知り、適切な補償を得るためにも、この記事を参考にしてみてください。
目次
交通事故における後遺障害3級の認定基準
後遺障害3級の認定基準は、「自動車損害賠償保障法施行令(自賠法施行令)」の別表第二で定められています。
後遺障害3級の認定基準は、症状の内容によって次の3級1号から3級5号に区分されています。
後遺障害3級の認定基準
| 等級 | 認定基準 |
|---|---|
| 3級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの |
| 3級2号 | 咀嚼又は言語の機能を廃したもの |
| 3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
| 3級4号 | 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
| 3級5号 | 両手の手指の全部を失つたもの |
※国土交通省「後遺障害等級表」より抜粋
各号の認定基準を詳しく確認していきましょう。
後遺障害3級1号|片目の失明、他眼の視力が0.06以下
後遺障害3級1号に認定される症状は、「一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの」です。
以下の定義のいずれかに該当すれば、失明と判断されることになります。
失明の定義
- 眼球を亡失(摘出)した
- 光の明暗が完全にわからない
- 光の明暗が辛うじてわかる
暗室で光が点滅するとき明暗がわかる
目の前で手を上下左右に動かされたときに動きの方向がわかる
なお、視力については「万国式試視力表」を用いて測定された結果に基づきます。
片方の目を失明し、もう片方の目は眼鏡・コンタクトによる矯正視力でも0.06以下になった場合、後遺障害3級1号に認定されるのです。
交通事故による目の後遺症と障害等級は、視力障害が両目か片目かということ、失明なのか視力低下なのかで変わります。
『交通事故による目の後遺障害と慰謝料相場|失明・視力低下などの認定基準』で網羅的に解説していますのであわせてご覧ください。
なお、片方の目を失明し、もう一方の目の矯正視力が0.02以下になった場合や、両目ともに視力が0.02以下になった場合は、さらに重い後遺障害2級認定を受ける可能性があります。
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後遺障害2級の症状と認定基準|慰謝料相場・逸失利益・介護費用の計算
後遺障害3級2号|咀嚼機能か言語機能を失った
後遺障害3級2号に認定される症状は、「咀嚼又は言語の機能を廃したもの」です。咀嚼機能と言語機能のいずれかを失った場合、後遺障害3級2号に認定されます。
なお、「咀嚼機能を廃する」「言語機能を廃する」の定義は以下のとおりです。
定義
- 咀嚼機能を廃する
スープ状の流動食以外は食べられない - 言語機能を廃する
以下の4種の子音のうち、3種以上の発音が不能
口唇音(ま行、ぱ行、ば行、わ行、ふ)
歯舌音(な行、た行、だ行、ら行、さ行、しゅ、し、ざ行、じゅ)
口蓋音(か行、が行、や行、ひ、にゅ、ぎゅ、ん)
喉頭音(は行)
固形物を噛めないことや、適正に言葉の発音ができないことは、筋肉やあごの関節障害、歯の損傷、神経の麻痺など様々な原因が考えられます。
後遺障害認定を受けるためには、交通事故による損害でこうした障害が生じたことを、検査結果で示していくことが大切です。
なお、両方の機能を失った場合は、後遺障害1級に認定されることになります。
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後遺障害1級の症状・認定基準・慰謝料相場|支援制度や請求できる費用も解説
後遺障害3級3号|神経系統または精神の障害で一生働けない
後遺障害3級3号に認定される症状は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」です。
脳や神経に重い障害が残り、生命維持に欠かせない身の回りの処理はできるものの、働くことはできない場合、後遺障害3級3号に認定されることになります。
後遺障害3級3号に認められうる後遺症としては、高次脳機能障害、脳挫傷や脊髄損傷による身体性機能障害があげられます。それぞれの認定基準を見ていきましょう。
高次脳機能障害の場合
交通事故で高次脳機能障害を負ったことで、常に介護が必要な状態ではないものの、働くうえで必要な能力の大部分に障害があると判断された場合、後遺障害3級認定となる見通しです。
具体的には、次の4つの能力のいずれか1つ以上の能力がすべて失われているか、2つ以上の能力の大部分が失われていれば、後遺障害3級3号に認定されます。
働くうえで必要な能力の障害
- 意思疎通能力
例:職場で他の人と意思疎通ができない - 問題解決能力
例:作業を与えられても手順どおりに進めることが全くできない - 作業負荷に対する持続力・持久力
例:作業への集中が続かず、すぐに投げ出してしまう - 社会行動能力
例:大した理由もなく突然感情を爆発させる
高次脳機能障害で認定されうる後遺障害等級は症状に応じて異なります。
高次脳機能障害で後遺障害等級認定を受けるためのポイントや等級ごとの慰謝料相場、裁判で争われた事例などは、以下の関連記事も参考にしてください。
高次脳機能障害の関連記事
- 高次脳機能障害の症状別の後遺障害等級を知りたい:高次脳機能障害で後遺障害等級認定される後遺症とは?
- 等級ごとの高次脳機能障害の慰謝料相場を知りたい:高次脳機能障害の等級別慰謝料と逸失利益|保険金・賠償金請求の注意点も解説
身体性機能障害の場合
交通事故で身体性機能障害が残存し、生命維持に必要な身の回りのことは自分でできても、中等度の麻痺が残って働くことができない場合、後遺障害3級に認定されます。
中等度の麻痺の定義は以下のとおりです。
- 障害のある腕や足の運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限がある
- 障害のある片腕では500グラム程度のものを持ち上げられない
- 障害のある片腕では文字を書けない
- 障害のある片足があるため杖や硬性装具なしに階段を登れない
- 障害のある片足があるため杖や硬性装具なしでは歩くのが難しい
身体性機能障害は、脳の損傷による麻痺と考えられています。外力が加わったことによる脳挫傷については、『交通事故で脳挫傷を負ったら?後遺症や慰謝料の相場を解説 』でも詳しく解説しています。
脊髄損傷の場合
脊髄損傷により、生命維持に必要な身の回りのことは自分でできても、軽度の四肢麻痺もしくは中等度の対麻痺が残って働くことができない場合、後遺障害3級に認定されます。
四肢麻痺は両側の上肢と下肢の麻痺、対麻痺は両側の下肢の麻痺のことです。

脊髄の損傷部位によって麻痺の程度は様々です。脊髄損傷による麻痺が残り、どういった後遺障害等級になるのか気になる方は、『交通事故での脊髄損傷の後遺障害と等級は?慰謝料や認定基準も解説』もあわせてお読みください。
後遺障害3級4号|内臓機能の障害で一生働けない
後遺障害3級4号に認定される症状は、「胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの」です。
生命維持に欠かせない身の回りの処理はできるものの、内臓に重い障害が残り、働くことはできない場合、後遺障害3級4号に認定されることになるでしょう。
後遺障害3級4号に認定されうるのは、基本的に呼吸器の障害です。次のいずれかにあてはまり、かつ常時介護・随時介護を必要としないことが条件になります。
- 動脈血酸素分圧が50Torr以下
- 動脈血酸素分圧が50Torrを超え60Torr以下で、動脈血炭酸ガス分圧が限界値範囲(37Torr以上43Torr以下)にない
- スパイロメトリーの結果が%1秒量が35以下または%肺活量が40以下で、呼吸困難のため連続して100メートル以上歩けない
交通事故で内臓を損傷した場合の症状や後遺障害認定基準については『交通事故での内臓損傷・内臓破裂の後遺障害等級と認定ポイント、慰謝料相場を解説』を参考にしてください。
より詳細な認定基準や検査方法について解説しています。
後遺障害3級5号|両手の手指をすべて失った
後遺障害3級5号に認定される症状は、「両手の手指の全部を失つたもの」です。
「手指を失う」の定義は以下のとおりになります。
- 手指を中手骨または基節骨で切り離した
- 近位指節間関節(親指の場合は指節間関節)において基節骨と中手骨を切り離した
骨の名称や関節の位置については、以下の図をご覧ください。

つまり、両手の指すべてを第三関節以上(親指は第二関節以上)で切り離した場合、後遺障害3級5号に認定されることになります。
交通事故で手指を切断したり可動域制限が残ったりした場合の後遺障害認定は『指切断・欠損、指が曲がらない可動域制限、マレット指の後遺障害等級認定基準』の記事も参考になります。
後遺障害3級の後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料の相場は1,990万円
後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。
後遺障害認定を受ければ、等級に応じた後遺障害慰謝料が請求できるようになります。
後遺障害3級の慰謝料相場は1,990万円です。
ただし、これは弁護士基準による後遺障害慰謝料の相場です。
慰謝料の算定基準は3つ|最も高額なのは弁護士基準
慰謝料の算定基準は3つあり、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」のうち、いずれを用いるかで金額が異なるのです。
後遺障害3級の後遺障害慰謝料
| 等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 3級 | 861万円 (829万円) | 1,990万円 |
※()内の金額は2020年3月31日以前の事故に適用
自賠責基準と弁護士基準で、1,000万円以上の金額差があることがわかります。
後遺障害慰謝料が最も高額になるのは、弁護士基準を用いたときです。一方、自賠責基準は最も低額になり、任意保険基準は自賠責基準よりやや高額な程度の金額になります。

- 自賠責基準:自賠責保険金の支払い基準。
- 任意保険基準:任意保険会社の独自の支払い基準。非公開だが、目安としては自賠責基準と同等かやや上回る程度。
- 弁護士基準:裁判所が用いる算定基準。3つのうち最も高額になる。
示談交渉において、任意保険会社は自賠責基準・任意保険基準のいずれかで計算した金額を提示してきます。
後遺障害3級という重大な障害の賠償金であることから、金額が高額にみえて提示された条件で納得してしまうケースもありますが、本来ならもっと多くの金額を受け取れる可能性もあるのです。
弁護士が示談交渉を行えば、弁護士基準の金額まで引き上げる交渉をサポートできます。後遺障害3級で示談交渉をしている方は、弁護士への依頼もご検討ください。
後遺障害3級で請求できるその他の示談金
交通事故にあったときに請求できるのは後遺障害慰謝料だけではありません。
その他の示談金の費目についても、あわせて確認していきましょう。
後遺障害3級で請求できる費目一覧
後遺障害3級に認定されたとき請求できる示談金の費目は、後遺障害慰謝料以外にも多くあります。
| 概要 | |
|---|---|
| 治療関係費 | 治療費、入院費、手術費、付添看護費、リハビリ費用 |
| 入通院慰謝料 | ケガによる精神的苦痛に対する補償 |
| 休業損害 | 交通事故による休業で減った収入の補償 |
| 後遺障害慰謝料 | 後遺障害の残存による精神的苦痛に対する補償 |
| 後遺障害逸失利益 | 後遺障害の残存により将来的に減る収入の補償 |
| 介護費用※ | 後遺障害の内容に応じた補償 |
| 修理関係費用 | 修理費用、評価損など |
※後遺障害の内容しだいで請求可能
ここからは、この中から入通院慰謝料、後遺障害逸失利益、介護費用を取り上げます。
後遺障害3級の入通院慰謝料
入通院慰謝料は、交通事故で入院や通院を余儀なくされた苦痛に対する慰謝料のことです。
入通院慰謝料については、入院の有無や治療期間に応じて相場がおおよそ決まってきます。
適切な金額を請求するためには、入通院慰謝料についても弁護士基準で請求することが重要です。
弁護士基準の入通院慰謝料は、入院月数と通院月数を組み合わせた早見表をもとに計算します。
たとえば、入院1か月・通院6か月の入通院慰謝料相場は149万円です。入院や通院が長引くと、もっと金額は高額になります。

後遺障害3級認定された場合の入通院慰謝料を算定については、慰謝料計算機を使えば自動計算できます。簡単な情報入力のみでわかりますのでお気軽にご利用ください。
慰謝料相場の対比
こちらは、自賠責基準と弁護士基準、それぞれの入通院慰謝料について相場を対比した表です。
| 治療期間 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
|---|---|---|
| 入院1か月 通院6か月 | 77.4万円 | 149万円 |
| 入院2か月 通院8か月 | 120万円 | 194万円 |
| 入院3か月 通院12か月 | 120万円 | 236万円 |
※通院については、ひと月に10日通院したことを想定。
自賠責基準の場合、治療期間または治療日数の2倍のいずれか少ない方に、日額4300円をかけて入通院慰謝料を算定します。
ただし、自賠責基準の傷害部分には120万円の補償限度額があります。
入通院慰謝料のほかに、治療費や休業損害なども含めて120万円が上限となるため、治療が長期化すると、治療費だけで120万円に達してしまうこともあります。
一方、弁護士基準では、自賠責基準よりも高額な入通院慰謝料が認められる可能性があります。そのため、適切な慰謝料を受け取るためには、弁護士基準での慰謝料請求が重要です。
後遺障害3級の逸失利益
逸失利益は、後遺障害等級認定を受けた場合のみ請求できる賠償金です。
逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下してしまい、得られるはずだった生涯の収入が減ったことへの賠償金になります。
逸失利益の計算式は以下の通りで、被害者の立場や年齢によって使い分けられるものです。
逸失利益の計算式
- 有職者または就労可能者の場合
1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数 - 症状固定時に18歳未満の未就労者の場合
1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×(67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数 )

労働能力喪失率は、基本的に後遺障害等級ごとに目安が定められています。
後遺障害3級の労働能力喪失率は100%です。後遺障害によって完全に労働能力が失われた状態です。
労働能力喪失期間は、症状固定から67歳までの年数が原則になります。労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数は下表の通りです。
| 労働能力喪失期間 | ライプニッツ係数 |
|---|---|
| 1年 | 0.97 |
| 5年 | 4.58 |
| 10年 | 8.53 |
| 20年 | 14.88 |
| 30年 | 19.60 |
67歳までの年数を労働能力喪失期間とします。
たとえば、交通事故で症状固定となった年齢が37歳であれば労働能力喪失期間は30年で、ライプニッツ係数は19.60です。基礎収入を35〜39歳の平均賃金である約557万円とすると、逸失利益の計算は以下の通りとなります。
557万円×100%×19.60=約1億917万円
症状固定時の年齢が上がると労働能力喪失期間は短くなるため、逸失利益の目安は以下のように変わります。
| 症状固定時の年齢 | 基礎収入 | 労働能力喪失期間 (67歳まで) | 逸失利益 |
|---|---|---|---|
| 37歳 | 約557万円 | 30年 | 約1億917万円 |
| 47歳 | 約614万円 | 20年 | 約9,136万円 |
| 57歳 | 約641万円 | 10年 | 約5,468万円 |
※こちらの表の基礎収入は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(産業計・企業規模計10人以上・男女計・学歴計)の年齢階級別の平均賃金(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)を万円未満で四捨五入したものです。実際の基礎収入は、事故前の収入をもとに判断されるのが原則です。
逸失利益の計算についてもっと詳しく知りたい方は、『交通事故の逸失利益は?計算式や早見表・計算機で解説【職業別の計算も】』もお読みください。
こちらの慰謝料計算機では、逸失利益の目安もわかります。年収などを入力するだけで10秒程度で目安がわかります。ぜひご利用ください。
後遺障害3級で介護費用が認められるケース
介護費用は原則、要介護1級や2級認定の場合に請求が認められるものです。
ただし、後遺障害3級であっても、実際に介護や見守りが必要な状態であることを立証できれば、将来介護費や住宅改造費が認められる余地があります。
裁判例では、介護費用として四肢麻痺などで3級3号認定となった被害者の居宅リフォーム費用や、高次脳機能障害を負った主婦の台所のリフォーム費用なども認められています。
介護費用の請求、車椅子の費用についてさらに知りたい方は、以下の関連記事もあわせてお読みください。
後遺障害3級で利用できる公的支援|障害年金・障害者手帳
後遺障害3級では労働能力を100%失うため、示談金とは別に、公的な支援制度の利用も検討したいところです。
検討したい主な公的支援
| 制度 | 概要 |
|---|---|
| 障害年金 | 一定の障害状態にある方に支給される年金。初診日に加入していた年金制度によって障害基礎年金・障害厚生年金に分かれる |
| 身体障害者手帳 精神障害者保健福祉手帳 | 障害の程度に応じて交付。医療費助成、税の控除、公共料金の割引などが受けられる |
| 労災保険の障害補償給付 | 通勤中・業務中の事故であれば請求可能 |
交通事故の後遺障害等級と、障害年金や障害者手帳の等級は、それぞれ別の基準で判断されます。交通事故で後遺障害3級に認定されたからといって、障害年金や手帳も同じ等級になるわけではありません。
また、障害年金と交通事故の損害賠償には調整のルールがあり、受給の順序やタイミングによって最終的に手元に残る金額が変わることがあります。手続きを進める前に、弁護士に相談しておくと安心です。
関連記事
後遺障害等級1~14級の認定で「障害者手帳」ももらえる?交付の基準と申請方法
後遺障害3級認定までの流れ
次に、後遺障害3級に認定されるまでの流れを簡単に確認していきます。
(1)医師から症状固定と診断される
後遺障害の認定をするには、まず交通事故で負った諸症状について、医師から症状固定の診断を受ける必要があります。
症状固定とは、「これ以上治療を続けても、症状の改善が見込めない状態のこと」です。

症状固定と診断されたことは、交通事故による後遺症が残ったことを意味します。この後遺症について、後遺障害認定を申請することになるのです。
(2)後遺障害診断書を書いてもらう
症状固定の診断を受けたら、後遺障害認定の申請準備をはじめます。まずは、医師に「後遺障害診断書」を書いてもらいましょう。
後遺障害診断書とは、後遺障害認定の審査に必要な書類のひとつで、受傷日時や症状固定日、他覚症状および検査結果、障害内容の今後の見通しなどが記載されます。
後遺障害認定の審査では、後遺障害診断書の内容が重視されます。よって、後遺障害認定を専門的にあつかう弁護士にもどのような内容を記載すべきかあらかじめ相談しておくとよいでしょう。
医師は医療の専門家ではありますが、後遺障害認定の専門家ではありません。よって、「医師に任せていれば大丈夫だろう」と過信するのは禁物です。
後遺障害診断書について解説した記事『後遺障害診断書の書き方や書式のもらい方は?自覚症状の伝え方や認定のポイント』では、後遺障害診断書の記入例や依頼時のポイントを紹介しています。あわせてご一読ください。
(3)後遺障害申請をする
後遺障害診断書を準備できたら、いよいよ後遺障害認定の申請を行います。
後遺障害認定の申請には、以下の2通りの方法があります。
- 事前認定
- 被害者請求
事前認定とは、相手方の任意保険会社を介して申請する方法です。任意保険会社が後遺障害診断書以外の書類の収集を行ってくれるので、被害者にとって手間がかからないことがメリットです。
一方、症状についての追加書類を添付するといった、より適切な等級に認定されるための工夫を行ってもらえないことはデメリットとなるでしょう。
被害者請求は、相手方の自賠責保険会社を介して申請する方法です。

被害者自身で書類を集めなければいけないデメリットがありますが、検査結果や医師の意見書といった追加書類を添付し、より適切な等級に認定されるよう工夫できるのは明確なメリットになり得ます。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、症状によって異なります。判断に迷ったときは、後遺障害認定に詳しい弁護士に相談するとよいでしょう。
関連記事
- 事前認定による後遺障害申請:後遺障害の事前認定とは?
- 被害者請求による後遺障害申請:後遺障害申請の被害者請求|流れや弁護士に依頼すべき理由
アトム法律事務所では、これまで多くの後遺障害申請のサポートをおこなってきました。
どういったサポートを受けられるのか、認定された場合の賠償金の見込みなど、交通事故による後遺障害認定を目指す方からのご相談を随時受け付けております。
(4)後遺障害認定の通知結果を受ける
後遺障害認定の通知書にて、3級に該当すると通知を受けると、後遺障害3級に認定された状態といえます。
もし被害者請求をしているなら、通知とあわせて、指定の口座へ自賠責保険金が振り込まれている流れです。ただし自賠責保険だけではとうてい不十分なため、残りは相手の任意保険会社に示談交渉を通して請求していきましょう。
納得できる等級認定とならなかった場合
もし後遺障害3級認定を受けられず「非該当」だったり、想定より低い等級認定となったときには異議申し立ても可能になります。
ただし異議申し立てを成功させるためには、後遺障害等級認定の通知書を読んだり、提出した申請資料を再度確認したりして対策をとっていきましょう。
なお、後遺障害認定の結果通知は約2か月ほどで届くことが多いですが、後遺障害3級が想定されるほどの重い障害については慎重な審査により時間がかかっていることも考えられます。
後遺障害3級の解決事例
こちらでは、過去に、アトム法律事務所の弁護士が解決した交通事故のうち、後遺障害3級に認定された方の慰謝料の請求事例を紹介します。
後遺障害3級で慰謝料などの示談金を約1億4990万円回収した事例
歩行中に車にひかれ頭蓋骨骨折・脳挫傷・高次脳機能障害を負った事例
被害者は、歩行中に自動車にひかれ、頭蓋骨骨折・脳挫傷という重篤なケガを負い、転院を含め計28日間の入院治療を受けた。退院後も通院を続けるなかで、医師から高次脳機能障害の可能性を指摘されていた。
加害車両の運転者が心臓の疾患により事故時に意識を失っており、その後死亡していたケース。
弁護活動の成果
示談金の提示前の段階で受任。自宅への出張相談を実施し、後遺障害等級認定申請を行って高次脳機能障害で3級3号の認定を受けた。
その後の示談交渉により、将来介護費用を含む各損害項目すべてについて満額が認められる示談が成立し、149,909,861円の支払いを受けた。
年齢、職業
20~30代、その他
傷病名
頭蓋骨骨折・脳挫傷・高次脳機能障害
後遺障害等級
後遺障害3級3号
この事案では、示談金の提示を受ける前の早い段階で受任し、後遺障害申請から示談交渉まで一貫して対応したことで、将来介護費用を含む各損害項目のすべてが満額で認められました。
後遺障害3級で慰謝料などの示談金を約1798万円回収した事例
友人が運転する車で高速道路の中央分離帯に衝突した事例
被害者は、知人が運転する自動車に同乗していたところ、知人がハンドル操作を誤り、高速道路の中央分離帯に衝突し横転するという事故に遭い、前から患っていた右半身不随が悪化した。
既往症(右半身不随)の悪化と事故との因果関係の立証が問題になったケース。
弁護活動の成果
医学的所見や事故後の就労状況などをもとに、既往症の悪化と事故との因果関係を立証。保険会社の提示額がない状態から、弁護士基準での交渉を開始し、17,981,057円の支払いを受けた。
年齢、職業
40~50代、会社員
傷病名
脊髄損傷
後遺障害等級
後遺障害3級3号
この事案では、被害者にもともと後遺障害7級に相当する既存障害があったため、弁護士は事故による右半身不随の悪化を証明し、後遺障害慰謝料などの適切な請求を行いました。
後遺障害3級に認定されたら弁護士に相談しよう
交通事故の後遺症が後遺障害3級に認定されたら、相手方の任意保険会社との示談交渉を開始することになります。
示談交渉は、相手方の任意保険会社から示談金を提示されることから始まるのが一般的です。ただし、保険会社が提示する示談金は、被害者が本来受け取れる金額より低額であることが多いため、そのまま受け入れるのはおすすめできません。
弁護士に相談すべき理由
後遺障害3級という重い障害を負ったなら、被害者自身やご家族の今後の生活のためにも、十分な示談金を得ることが大切になります。
まずは弁護士に相談し、本来受け取れる金額はいくらか確認してみてください。弁護士が示談交渉をすれば、相手方の任意保険会社に増額を認めてもらえる可能性も高くなります。

また、弁護士に交渉を任せることで、相手方の任意保険会社と直接電話連絡を取る機会を大きく減らせます。
被害者やそのご家族が穏やかに日常生活を送れるよう、交渉事は弁護士に任せてしまうこともおすすめです。
アトム法律事務所の無料相談のご案内
アトム法律事務所では、電話・LINEを使った弁護士への無料相談を実施しています。
後遺障害3級のご相談は、次のようなタイミングでお寄せいただいています。
- 症状固定が近づき、後遺障害申請の準備を始めるとき
- 3級の認定通知を受け取り、等級が妥当か確認したいとき
- 相手方の保険会社から提示された慰謝料に疑問があるとき
どの段階でも、現時点で何を確認すべきかをお伝えできます。示談書に署名する前であれば、対応できる余地が残っています。
無料相談の予約は、24時間365日受け付けています。
後遺障害申請や、認定後の対応、後遺障害3級の慰謝料・示談金の金額についてお悩みがあれば、いつでもお気軽にお問い合わせください。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

