交通事故による目の後遺障害と慰謝料相場|失明・視力低下の認定基準と眼科受診

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目の後遺障害

交通事故による目の後遺症には、視力障害(失明・視力低下)、調節機能障害、運動障害・複視、視野障害、まぶたの障害、流涙・外傷性散瞳などがあります。

目の後遺症は、後遺障害1級~14級の認定可能性があり、等級に応じた後遺障害慰謝料や将来の減収(逸失利益)を請求可能です。

失明の場合、後遺障害慰謝料は830万円〜2,800万円が弁護士基準の相場です。しかし、保険会社の提示額はこの相場を大きく下回るケースがほとんどです。

目の症状が出たら、整形外科と並行して早めに眼科を受診し、検査結果を残しておくことが後遺障害認定の準備になります。

本記事では、交通事故による目の後遺症の後遺障害認定基準と検査方法、失明した場合の等級・慰謝料・逸失利益、眼科を受診するタイミングなどをわかりやすく解説します。

慰謝料の相場や解決事例も紹介しますので、ぜひお役立てください。

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目次

交通事故による目の後遺症の後遺障害認定

交通事故による目の後遺症は、症状の種類ごとに認定される後遺障害等級の範囲が決まっています。

本記事内で紹介する目の後遺症は以下です。まず全体を確認し、ご自身の症状にあたる項目をお読みください。

後遺症の種類主な症状認定される等級
視力障害失明・視力低下1級〜13級
調節機能障害目がかすむ・ピントが合わない11級・12級
運動障害眼球を十分に動かせない・斜視11級・12級
複視ものが二重に見える10級・13級
視野障害視野が狭い・一部が欠ける9級・13級
まぶたの欠損障害まぶたを失った・まつげはげ9級〜14級
まぶたの運動障害まぶたが十分に開閉できない11級・12級
外傷性散瞳常にまぶしい11級〜14級相当
流涙涙が止まらない12級・14級相当

視力障害|失明した・視力が低下した

視力障害とは、失明や視力低下など、視力が失われたり著しく低くなったりしたことをいいます。

視力低下や失明が両眼か片目か、さらにどの程度まで視力低下したのかで等級が決まるのです。

視力障害の後遺障害認定基準を以下の表に示します。

視力障害の後遺障害認定基準

等級認定の基準
1級1号両眼が失明
2級1号1眼が失明、もう1眼は視力が0.02以下
2級2号両眼の視力が0.02以下
3級1号1眼が失明、もう1眼は視力が0.06以下
4級1号両眼の視力が0.06以下
5級1号1眼が失明、もう1眼は視力が0.1以下
6級1号両眼の視力が0.1以下
7級1号1眼が失明、もう1眼は視力が0.6以下
8級1号1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下
9級1号両眼の視力が0.6以下
9級2号1眼の視力が0.06以下
10級1号1眼の視力が0.1以下
13級1号1眼の視力が0.6以下

両眼ともに失明した場合は、後遺障害1級1号という非常に重い後遺障害等級認定を受ける見込みです。

片目失明の後遺障害等級は2級1号、3級1号、5級1号、7級1号、8級1号のいずれかに認定される可能性があります。具体的な後遺障害等級は、失明していない目の視力次第です。

視力低下で後遺障害が認定されるには、最低限片目の視力が0.6以下まで低下している必要があります。

視力とは?

後遺障害認定における視力とは、原則として眼鏡やコンタクトレンズ、眼内レンズなどを装用した矯正視力が対象となります(矯正が不能の場合には、例外として裸眼視力によって測定されます)。

なお、後遺障害認定においては原則的に「万国式試視力表」を用いて視力検査することとされています。万国式試視力表とは、ランドルト環やアラビア数字などが用いられた視力表のことです。

そして、必要に応じてオートレフで屈折異常度数(近視、遠視、乱視など)を測定します。

失明とは?

後遺障害認定における失明とは、以下のいずれかの状態に該当していることを言います。

  • 眼球を亡失(摘出)した
  • 光の明暗が完全に区別できない
  • 光の明暗がかろうじて区別(弁別)できる
    • 暗室で照明を点滅させられたときに明暗がわかる(光覚弁)
    • 目の前で手を上下左右に動かされたときに動きの方向がわかる(手動弁)

調節機能障害|目がかすむ・目のピントがあわない

調節機能障害とは、近くのものや遠くのものを見るときの目のピントの調節力が下がってしまうことを言います。

目のピントは毛様体筋という筋肉が距離に応じて水晶体を伸び縮みさせることで調節されます。

しかし、目のケガで調節力が下がると、目がかすむ・ピントがあわないといった後遺症が残ることがあるのです。

調節機能障害の認定基準は以下のとおりになります。

調節機能障害の認定基準

等級認定の基準
11級1号両眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの
12級1号1眼の眼球に著しい調節機能障害を残すもの

著しい調節機能障害とは?

認定基準における著しい調節機能障害とは、調節機能が通常の2分の1以下になった状態のことを言います。

調節機能の検査では、「アコモドポリレコーダー」といった測定装置が用いられることが多いです。

複数回にわたって検査を行った結果、検査結果がほぼ一定かつ調節機能が2分の1以下になっていることが認められれば、後遺障害に認定されることになります。

片目の調節機能が低下した場合は、健康な方の目と調節機能を比較することで評価します。

ただし、健康な方の調節力が1.5D(ジオプトリー)以下である場合は、もともと調節機能が失われていたと考えられるため、後遺障害認定を受けられません。

両目の調節機能が低下した場合は、年齢別の調節機能の標準値と比較して評価することになります。

ただし、目の調節機能は加齢(老眼)により失われていくため、交通事故被害者が55歳以上の場合は、調節機能障害で後遺障害認定を受けるのは困難と考えられています。

運動障害|眼球を十分に動かせない・斜視になった

運動障害とは、眼球運動を支配する視神経損傷や目の周りの筋肉に支障(眼筋に麻痺)が生じて眼球の運動機能が制限されたり、斜視になったりすることを言います。

運動障害の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

運動障害の後遺障害認定基準

等級認定の基準
11級1号両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの
12級1号1眼の眼球に著しい運動障害を残すもの

著しい運動障害とは?

認定基準における著しい運動障害とは、眼球の「注視野」の広さが2分の1以下になった状態のことを言います。

注視野とは、頭を固定した状態で眼球を動かして直視できる範囲のことです。一般的な注視野は片目(単眼視)だと各方面約50度となっており、この2分の1以下になると後遺障害認定を受けられることになります。

なお、「両眼の眼球に著しい運動障害を残すもの」とは片目だけで見たときの注視野が、左右とも2分の1以下になった状態のことを言います。

両目で見たときの注視野が2分の1以下になった状態ではないので注意してください。

注視野については「ゴールドマン視野計」などで測定されることになるでしょう。

複視|ものが二重に見える

複視とは、目の周りの筋肉の麻痺などが理由で、ものが二重に見えることを言います。

複視の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

複視の後遺障害認定基準

等級認定の基準
10級2号正面を見た場合に複視の症状を残すもの
13級2号正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの

複視の症状を残すものとは?

後遺障害認定における「複視の症状を残すもの」とは、以下のすべてに該当するものとされています。

  • 本人が複視のあることを自覚している
  • 目の周りの筋肉の麻痺など、複視の明らかな原因が認められる
  • ヘススクリーンテストにより、障害のある目の方の像が水平方向または垂直方向の目盛で5度以上離れた位置にあることが確認される

ヘススクリーンテストとは、片目に赤、片目に緑のガラスをつけてものの見え方のズレを確認する検査方法です。

ヘススクリーンテストにより正面視で複視が中心の位置にあることが確認されれば、「正面を見た場合に複視の症状を残すもの」として10級2号に該当し、それ以外の場合は13級2号に該当することになります。

なお、ここでいう複視は両眼性複視をいいます。単眼性複視は、視力障害として評価されます。

視野障害|視野が狭くなった

視野障害とは、眼前の1点を見つめているときに、同時に見ることができる外界の広さが減少することをいいます。

視野障害の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

視野障害の後遺障害認定基準

等級認定の基準
9級3号両眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの
13級3号1眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの

半盲症・視野狭窄・視野変状とは?

後遺障害認定における半盲症・視野狭窄・視野変状の定義は、それぞれ以下のとおりです。

  • 半盲症
    • 注視している点を境界として視野の右半分または左半分が欠けること
  • 視野狭窄
    • 視野が狭くなること
      視野の縁が全体的に狭くなる「同心性狭窄」と、視野の一部がランダムに狭くなる「不規則狭窄」の2種類がある
  • 視野変状
    • 半盲症、視野狭窄以外で視野が欠けること
      暗点(視野の中に強い光でも感知することができない島状の欠損がある)や視野欠損(視野が不規則に失われている)など

視野の測定は、基本的に「ゴールドマン視野計」によって行われます。

ゴールドマン視野計による測定では、「上、上外、外、外下、下、下内、内、内上」の8方向について視野の角度を調べます。8方向の視野角度の合計が正常の60%以下(336度以下)になっていれば、後遺障害認定を受けられるでしょう。

交通事故で失明した場合の後遺障害等級・慰謝料・逸失利益

交通事故で失明した場合、片目か両目か、残った目の視力がどの程度かによって、後遺障害1級〜8級のいずれかに認定される可能性があります。後遺障害慰謝料は830万円〜2,800万円が相場で、仕事への影響が大きいため逸失利益も高額になります。

ここでは、失明の原因、等級ごとの労働能力喪失率、逸失利益の計算例、治療と症状固定の時期を解説します。失明の定義は本記事内「視力障害|失明した・視力が低下した」を、慰謝料の相場表は本記事内「後遺障害慰謝料|目の後遺症に応じた慰謝料」をご覧ください。

交通事故で失明する主な原因

交通事故による失明は、眼球そのものの損傷だけでなく、顔面や頭部への衝撃による視神経の損傷でも起こります。主な原因は次のとおりです。

  • 眼球破裂・角膜や水晶体の損傷:ハンドルやガラス片などが直接目にあたった場合
  • 網膜剥離・硝子体出血:強い衝撃で眼球内部が損傷した場合
  • 視神経損傷・視神経管骨折:顔面や眉の外側を強く打ち、視神経が通る骨が折れた場合
  • 眼窩骨折による視神経の圧迫:目の周りの骨折や出血(眼窩血腫)で視神経が圧迫された場合
  • 頭部外傷:脳挫傷などで視覚をつかさどる脳の部位が損傷した場合
  • 外傷性緑内障:事故で眼圧の調節機能が損なわれ、数か月〜数年後に視野が欠けていく場合

事故直後は腫れや出血で正確に視力を測れないことがあり、「見えにくい」程度だった症状が後から悪化して失明に至ることもあります。

顔面や頭部を打った場合は、自覚症状が軽くても早めに眼科で検査を受けてください。

片目失明・両目失明の後遺障害等級と労働能力喪失率

失明の等級は、両目か片目か、片目の場合は残った目の視力で決まります。等級ごとに「労働能力喪失率」が目安として定められており、逸失利益の計算に使います。

等級失明した目もう一方の視力労働能力喪失率
1級1号両目ー100%
2級1号片目0.02以下100%
3級1号片目0.06以下100%
5級1号片目0.1以下79%
7級1号片目0.6以下56%
8級1号片目低下なし45%

※国土交通省「限度額と補償内容」

片目を失明し、もう一方の目の視力に問題がなければ8級1号です。もう一方の目の視力が事故の影響で低下していれば、その程度に応じて2級〜7級に上がります。もう一方の目の視力低下は、事故が原因である場合にだけ考慮されます。

なお、片目失明の逸失利益については、「残った目で仕事ができる」として、保険会社から労働能力喪失率を45%より低く主張されることがあります。職業への影響を具体的に示して反論する必要があるため、示談前に弁護士へご相談ください。

失明の逸失利益の計算例|片目失明(8級)の場合

逸失利益は「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で計算します。

後遺障害逸失利益の計算方法

片目失明(8級1号)の例を見てみましょう。

  • 被害者:40歳、年収500万円の会社員
  • 労働能力喪失率:45%(8級)
  • 労働能力喪失期間:症状固定時(40歳)から67歳までの27年
  • ライプニッツ係数(27年、年3%):18.327

500万円×45%×18.327=約4,124万円

この事例では、片目失明の後遺障害慰謝料830万円(弁護士基準)とあわせて、約5,000万円が後遺障害部分の示談金の目安となります。

両目失明(1級)の場合は労働能力喪失率が100%になるため、同じ条件でも逸失利益は約9,164万円です。

実際の金額は年収・年齢・職業で変わります。ご自身の条件での目安は、以下の計算機で確認できます。

失明の治療と症状固定の時期

失明の治療は原因によって異なります。網膜剥離や眼球内の出血は手術やレーザー治療、視神経管骨折は圧迫を取り除く手術やステロイド投与、眼球を摘出した場合は義眼の作成とリハビリが中心です。

治療を続けても視力が回復しないと医師が判断した時点が「症状固定」で、ここから後遺障害の申請に進みます。眼球を摘出した場合を除き、症状固定までは6か月以上の治療を続けることが目安です。詳しくは後述の本記事内「(1)6か月以上の定期的な治療」をご覧ください。

義眼の作成費やメガネ代は「装具作成費」として、治療費とは別に請求できます。

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交通事故によるまぶたの後遺症の後遺障害認定

交通事故に遭ったとき、まぶたを欠損した・うまく動かせなくなったといった後遺症を負うこともあります。まぶたの後遺症の後遺障害認定基準を見ていきましょう。

欠損障害|まぶたを失った・まつげがはげた

欠損障害とは、まぶたが欠けてしまった状態のことを言います。なお、まつげはげもまぶたの欠損障害に位置付けられます。

まぶたの欠損障害の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

まぶたの欠損障害の後遺障害認定基準

等級認定の基準
9級4号両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
11級3号1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
13級4号両目のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの
14級1号1眼のまぶたの一部に欠損を残し、又はまつげはげを残すもの

まぶたに著しい欠損を残すもの・一部に欠損を残すものとは?

認定基準における「まぶたに著しい欠損を残すもの」「まぶたの一部に欠損を残すもの」の定義は、それぞれ以下のとおりです。

  • まぶたに著しい欠損を残すもの
    • まぶたを閉じたときに角膜(黒目)を完全に覆うことができない状態
  • まぶたの一部に欠損を残すもの
    • まぶたを閉じたときに角膜(黒目)は覆えるものの、球結膜(白目)が露出している状態

まつげはげを残すものとは?

後遺障害認定におけるまつげはげとは、まつげが本来生えている周縁の半分以上にわたってはげてしまった状態のことです。

運動障害|まぶたが十分に開閉できない

まぶたの運動障害とは、まぶたの周辺の筋肉に支障が生じてまぶたを十分に開閉できなくなった状態のことを言います。

まぶたの運動障害の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

まぶたの運動障害の後遺障害認定基準

等級認定の基準
11級2号両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
12級2号1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

まぶたに著しい運動障害を残すものとは?

認定基準における「まぶたに著しい運動障害を残すもの」とは、以下のいずれかの状態に該当していることを言います。

  • 普通にまぶたを開けたときにまぶたが完全に瞳孔を覆ってしまう
  • まぶたを閉じたときに角膜(黒目)が完全に覆われない

こんな目の後遺症は後遺障害認定を受けられる?

ここまでは、交通事故による目やまぶたの後遺症が後遺障害認定を受けられる基準を紹介してきました。

交通事故では、他にも外傷性散瞳(常にまぶしく感じる)や流涙(涙が止まらない)といった目の後遺症が残る可能性があります。

後遺症によっては、「後遺障害〇級に相当する」といった相当等級が設定されているので、認定基準を見ていきましょう。

あわせて、複数の目の後遺症が残っている場合や、むちうちにより目の後遺症が残っている場合の後遺障害認定についても解説します。

外傷性散瞳|常にまぶしさを感じる

外傷性散瞳とは、ケガなどにより瞳孔が開いたままになってしまい、まぶしく感じる状態が続くことを言います。

交通事故で外傷性散瞳の後遺症が残った場合、労働に支障をきたす程度のものであれば後遺障害認定を受けられる可能性があります。

外傷性散瞳の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

外傷性散瞳の後遺障害認定基準

等級認定の基準
11級相当両眼の瞳孔の対光反射が著しく障害され、著明な羞明を訴え労働に著しく支障をきたすもの
12級相当1眼の瞳孔の対光反射が著しく障害され、著明な羞明を訴え労働に著しく支障をきたすもの
もしくは両眼の瞳孔の対光反射はあるが不十分であり、羞明を訴え労働に支障をきたすもの
14級相当1眼の瞳孔の対光反射はあるが不十分であり、羞明を訴え労働に支障をきたすもの

外傷性散瞳の認定基準は、既存の基準を準用する形で定められています。

個別具体的な事情によって等級に認定されるかどうかが異なるため、自身の症状が後遺障害認定されるか知りたい方は弁護士に相談することをおすすめします。

流涙|涙が止まらない

流涙とは、涙道が断裂したり狭くなったりしたため目の表面における涙の量が過剰に増加し、常に涙を流す状態になってしまったことを言います。

流涙の後遺障害認定基準は以下のとおりです。

流涙の後遺障害認定基準

等級認定の基準
12級相当両眼に常時流涙を残すもの
14級相当1眼に常時流涙を残すもの

外傷性散瞳と同じく、流涙も後遺障害認定を受けられるかは個々のケースによって異なります。流涙の後遺症が残った方は、交通事故事案を取り扱っている弁護士に一度相談してみるとよいでしょう。

複数の目やまぶたの障害が残った

目やまぶたに複数の後遺症が残った場合は、各症状について後遺障害認定を受け、複数の等級に認定された場合に等級を繰り上げる「併合」の扱いを受けることになるでしょう。

併合による等級の繰り上げは、基本的に以下のような考え方で行われます。

  • 5級が2つ以上:最も重い等級を3級繰り上げる
  • 8級が2つ以上:最も重い等級を2級繰り上げる
  • 13級が2つ以上:最も重い等級を1級繰り上げる
  • 14級が2つ以上:14級のまま

たとえば、片目の視力が0.1以下になり、かつ片目にまぶたの運動障害が残った場合は、10級と12級を併合して併合9級の扱いになるのです。

ただし、片目のみに後遺症が残る場合、片目を失明した場合のもっとも低い等級である8級を超えて7級相当以上に認められることはありません。

また、両目に視力が残っている場合、両目を失明した場合の等級である1級相当とみなされることもないでしょう。

後遺障害等級の併合ルールは複雑で、なかには例外的な取り扱いをするケースもあります。『後遺障害等級の認定ルール「併合・相当・加重」後遺症が複数残った時の慰謝料は?』もあわせてお読みください。

むちうちによる視力低下や目のかすみ

交通事故でむちうち(頸椎捻挫)を負った場合、首の痛みだけでなく、視力低下や目のかすみといった症状が残ることもあります。

むちうちに伴って自律神経(交感神経・副交感神経)の失調(異常)が生じる「バレ・リュー症候群」になったとき、特に目の症状を訴える方が多く、視力低下することがあることは医学的にも認められています。

しかしながら、むちうちによる目の後遺症は、後遺障害認定を受けられないことがほとんどです。

交通事故による目の後遺症が後遺障害認定を受けるには、基本的に器質的な原因(骨折や筋肉の損傷など)があることが必要です。

しかし、むちうちで目の後遺症が起こった場合、器質的な原因があるのではなく心因性のものであると判断され、後遺障害認定を受けられない可能性が非常に高いでしょう。

ただし、むちうちにより神経症状が残っているなら後遺障害12級または14級に認定される可能性があります。むちうちの後遺症が残った場合、神経症状として等級認定を目指すのが現実的と言えるでしょう。

後遺障害認定の基準や、むちうちの後遺障害認定に関しては以下の関連記事もご参照ください。

目をケガしたときの慰謝料などの賠償金額の計算方法

交通事故の被害者は、生じた損害について損害賠償請求を行うこととなります。

損害の内、慰謝料や逸失利益は、相手方と揉めやすかったり、適正相場がわかりづらく被害者が損をしやすい費目です。

そのため、目のケガにより請求できる慰謝料や逸失利益の相場額や、そのほかに請求できる損害をみていきましょう。

入通院慰謝料|ケガの治療期間に応じた慰謝料

入通院慰謝料は、ケガの治療期間に応じて請求できる金銭です。

入通院慰謝料の相場額を計算をするときは、以下の「慰謝料計算表」を用いましょう。

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

仮に、目のケガで入院1か月・通院3か月となった場合、弁護士基準の入通院慰謝料は115万円が相場です。もし入院がなかった場合には73万円が相場となります。

もっとも、相手の保険会社は相場よりも低額になる計算方法で算出した金額を支払うと提案してくることが多いでしょう。

相手の保険会社に慰謝料算定を任せず、弁護士基準の相場金額を弁護士に見積もってもらうべきです。

弁護士基準の慰謝料相場については、下記の計算機でもわかります。入通院期間など簡単な内容を入力して約10秒程度ですぐに分かります。

後遺障害慰謝料|目の後遺症に応じた慰謝料

後遺障害慰謝料とは、事故で後遺障害を負った精神的苦痛の補償のことです。

後遺障害慰謝料の金額は、認定された後遺障害等級によっておおよその相場が定められています。

以下は、後遺障害等級ごとの慰謝料相場について、自賠責基準と弁護士基準を比較したものです。

後遺障害慰謝料の相場

等級 自賠責基準弁護士基準
1級・要介護1,650万円2,800万円
2級・要介護1,203万円2,370万円
1級1,150万円2,800万円
2級998万円2,370万円
3級861万円1,990万円
4級737万円1,670万円
5級618万円1,400万円
6級512万円1,180万円
7級419万円1,000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

たとえば、片目を失明して後遺障害8級に認定された場合、弁護士基準の後遺障害慰謝料の相場は830万円になります。

交通事故慰謝料の算定基準は3種類

交通事故の賠償額は、どの算定基準を用いるかによって大きく変わります。

  • 弁護士基準:最も高額な基準。過去の裁判例にもとづく計算基準
  • 任意保険基準:各任意保険会社の独自に定める算定基準。自賠責基準と同程度かやや上回る金額
  • 自賠責基準:自賠責保険の支払基準。国が定めた最低限の補償額
慰謝料金額相場の3基準比較

後遺症について適切な賠償金を受け取りたいなら弁護士基準で交渉を

交通事故の被害者が本来受け取るべき金額は、弁護士基準による賠償額です。

しかし、通常、相手方の保険会社は任意保険基準や自賠責基準による低い賠償金を提示してきます。

そのため、提示された案にそのまま同意してしまうと、本来被害者が受け取れる金額より大幅に低い金額しか受け取れなくなってしまうおそれがあります。

被害者自身で相場の金額を主張しても、相手方の保険会社は認めないことも多いため、納得のいく解決のためには弁護士に示談交渉に介入してもらうとよいでしょう。

増額交渉(弁護士あり)

失明の後遺障害慰謝料の相場

失明した場合の後遺障害慰謝料相場は、830万円から2,800万円です(弁護士基準)。

失明による後遺障害慰謝料相場は以下のようになります。下表では、自賠責基準と弁護士基準の相場を対比してまとめました。

失明の後遺障害慰謝料相場

等級 失明もう一方自賠責基準弁護士基準
1級両眼ー1,150万円2,800万円
2級1眼0.02以下998万円2,370万円
3級1眼0.06以下861万円1,990万円
5級1眼0.1以下618万円1,400万円
7級1眼0.6以下419万円1,000万円
8級1眼ー331万円830万円

※国土交通省「限度額と補償内容」

自賠責基準は国の最低限の補償額で、保険会社の提示はこの金額に近いことが多く、弁護士基準との差は片目失明(8級)でも約500万円になります。

失明してしまうと、仕事はおろか私生活にも大きな影響をきたします。

適正な補償獲得のためにも、弁護士への依頼を検討しましょう。

逸失利益|後遺障害による将来の減収を補償

逸失利益とは、後遺障害が残ったため将来にわたって減ってしまう収入の補償です。

逸失利益とは

目の後遺症は仕事への影響も大きく、同じ職業を続けられなくなったり配置転換を余儀なくされたりするケースも多いでしょう。

後遺症の影響による将来の収入減も、後遺障害と認定されればきちんと賠償してもらえるのです。

逸失利益は以下の式を用いて計算します。

逸失利益の計算式

基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

  • 基礎収入
    事故に遭う前の年収のこと。
    専業主婦や学生などは実収入がない場合は平均賃金を用いる。
  • 労働能力喪失率
    後遺障害によって失われた労働能力を示す数値。
    後遺障害等級ごとにおおよその目安が決まっている。
  • 労働能力喪失期間
    労働能力が失われた期間のこと。基本的に「症状固定時~67歳」となる。
  • ライプニッツ係数
    逸失利益を預金・運用して生じる利息を差し引くための係数。

逸失利益の計算方法については、『交通事故の逸失利益は?計算式や早見表・計算機で解説【職業別の計算も】』の記事でわかりやすくかみ砕いて紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

また、以下の自動計算機を用いて、逸失利益・慰謝料のおおよその目安を確認することも可能です。治療期間や後遺障害等級、年齢や年収を入力するだけで簡単に計算できるので、ぜひご利用ください。

目のケガによりその他に請求できる損害

交通事故により目をケガした場合は、慰謝料や逸失利益の他に以下のような損害について請求が可能です。

  • 治療関係費
    投薬代・手術代・入院費用
  • 通院交通費
    原則として公共交通機関の利用料金
  • 休業損害
    治療のために仕事を休んだことで生じる減収
  • 装具作成費
    視力低下のため必要となるメガネや失明のため必要となる義眼などの作成費
  • 物的損害
    自動車や自転車の修理費用、代車費用など

損害額の具体的な計算方法を知りたい方は『交通事故の損害賠償とは?請求できるもの・相場・賠償金の仕組みを解説』の記事をご覧ください。

交通事故後に目の症状が出たら眼科を受診する|タイミング・検査・治療費

交通事故のあとに見えにくい、ものが二重に見える、まぶしい、涙が止まらないといった症状があるときは、整形外科とは別に眼科を受診してください。眼科の検査結果は、治療だけでなく、のちに後遺障害認定を受けるときの重要な証拠になります。

整形外科と並行して眼科を受診する|何科に行くか

交通事故後に目の症状があるときに受診する診療科は次のとおりです。

症状・状況受診する科主な役割
見えにくい・二重に見える・まぶしい・視野が欠ける・涙が止まらない・まぶたが動かない眼科視力・視野・眼球運動などの精密検査、目の治療
顔面や頭部を打った整形外科・脳神経外科CT・MRIで眼窩骨折や頭部外傷の有無を確認
首の痛みと一緒に目のかすみ・疲れがある整形外科+眼科むちうち(バレ・リュー症候群)の可能性。眼科でも検査を受けて記録を残す

整形外科の診断書だけでは目の機能障害を証明できないため、目の症状があるなら整形外科と眼科の両方に通い、それぞれの検査結果を後遺障害診断書に反映してもらうことが大切です。

総合病院であれば診療科の連携がしやすく、まとめて検査を受けられます。

眼科を受診するタイミング|事故当日〜数日以内、後から出る症状にも注意

目に違和感や見え方の変化があれば、事故当日から数日以内に眼科を受診してください。網膜剥離や眼球破裂、視神経の損傷のように、早く治療を始めるほど回復の見込みが高くなるケガがあるためです。

事故直後に症状がなくても、顔面や頭部を打った場合は検査を受けておきましょう。視神経の障害はゆっくり進むことがあり、事故後2週間ほどは見え方の変化に注意が必要です。外傷性緑内障のように、数か月〜数年後に眼圧が上がって視野が欠けていくものもあります。

受診が遅れると、後遺障害の審査で「事故と目の症状の因果関係がない」と判断されるおそれがあります。事故直後のCT・MRIに眼窩や頭部の損傷が記録されていれば、後から症状が出た場合でも因果関係を主張しやすくなります。

眼科で受ける検査と症状の伝え方

後遺障害の審査は書類で行われるため、症状に応じた検査を受け、結果を数値で残しておく必要があります。症状ごとの主な検査は次のとおりです。

症状主な検査
視力低下・失明万国式試視力表による矯正視力の測定、スリット検査、眼底検査、網膜電図(ERG)、視覚誘発電位(VEP)
目がかすむ・ピントが合わないアコモドポリレコーダーによる調節力の測定
眼球が動かない・二重に見えるヘススクリーンテスト、眼窩のCT
視野が狭い・欠けるゴールドマン視野計
顔面・頭部を打った頭部・眼窩のCT、MRI

受診のたびに、症状はできるだけ具体的に伝えてください。「なんとなく見えにくい」ではなく、「右目で本を読むとピントが合うまで時間がかかる」「左側のものにぶつかりやすくなった」のように伝えると、医師が必要な検査を選びやすく、カルテの記載も後遺障害認定の証拠になります。

また、目の症状は日によって波があるため、調子のよい日が続いても自己判断で通院をやめないでください。医師の指示なく通院の間隔が1か月以上空くと、後遺障害認定で不利になるだけでなく、それ以降の入通院慰謝料を請求できなくなるおそれもあります。

眼科の治療費・通院交通費は相手の保険会社に請求できる

交通事故が原因の眼科の治療費は、原則として加害者側の任意保険会社が負担します。事故後に保険会社の担当者へ通院先の眼科名を伝えておけば、保険会社が病院に直接支払う「一括対応」になり、窓口での自己負担なく治療を受けられます。

通院交通費、眼科で処方されたメガネや義眼などの装具費も請求の対象です。健康保険を使って通院する場合は、加入する健康保険に「第三者行為による傷病届」を出してください。業務中・通勤中の交通事故であれば、労災保険への申請も可能です。

保険会社から治療費の打ち切りを打診された場合や、眼科への通院を認めてもらえない場合は、通院を続けながら早めに弁護士へご相談ください。

交通事故で目の後遺症が残りそうならすべきこと

交通事故で目の後遺症が残りそうな場合、通院を続けたのちに後遺障害認定を受け、相手方と示談交渉をして損害賠償してもらうことになります。

それぞれの段階で気を付けるべきポイントを確認していきましょう。

(1)6か月以上の定期的な治療

交通事故で目の後遺症が残りそうなら、交通事故後から症状固定まで6か月以上の定期的な治療をするようにしましょう。

症状固定とは、「これ以上治療しても症状が改善しないと判断された状態」のことです。症状固定と診断されたことは、後遺症が残ったことを意味します。

眼球が亡失している状態など、見た目にも明らかで治療を続けても回復の見込みがない症状は別ですが、それ以外の症状で治療期間が短いと「もう少し治療を続けていれば症状が改善していたのでは?」と後遺障害認定の審査機関に疑われてしまいます。

そのため、後遺障害認定を受けられないおそれがあるのです。

また、医師の指示がなく通院期間が1か月以上空いてしまった場合も、「被害者が治療に消極的だったから後遺症が残ったのでは?」と疑われ、後遺障害認定を受けられない可能性が生じます。

交通事故で目の後遺症が残りそうな場合は、適切な後遺障害等級に認定され、適切な補償を受けるためにも、6か月以上の定期的な治療を行うようにしてください。

目に後遺症が残る可能性のあるケガとして、眼窩底骨折、眼球破裂について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご覧ください。

(2)必要な検査を受けて後遺障害申請

医師から症状固定の診断を受けたら、加害者側加入の自賠責保険へ後遺障害認定の申請を行います。

後遺障害認定の申請をするときは、交通事故による目の後遺症が後遺障害の認定基準に当てはまっていることを客観的に示す必要があります。

後遺障害等級基準の章で紹介した症状ごとの検査を受け、「後遺障害診断書」といった書類に検査結果の数値を明確に記載してもらうようにしてください。

また、視力低下で後遺障害認定を受けるには、視力低下の原因となる視神経損傷や脳挫傷など頭部外傷(交通事故と視力低下の因果関係)の立証が必要であり、具体的には下記のような検査を受ける必要があります。

  • スリット検査
    細隙灯顕微鏡(スリットランプ)を用いて、前眼部や中間透光体の組織(虹彩や硝子体など)を詳しく観察する検査方法
  • 直像鏡眼底検査
    眼底部を直像鏡を用いて直接観察する検査方法
  • 網膜電図検査(ERG)
    網膜の光に対する反応(脳に送る電気信号)を記録し、異常を発見する検査
  • 視覚誘発電位検査(VEP)
    光刺激への脳波の反応から、網膜から後頭葉に至る視覚伝達路の異常の有無を確認する検査
  • 頭部のCT検査やMRI検査

書類の書き方に不備がないか確認してほしい、他に受けるべき検査がないか知りたいといった場合は、無料相談を利用して弁護士に相談してみるとよいでしょう。

後遺障害の申請方法については、『交通事故で後遺障害を申請する|認定までの手続きの流れ、必要書類を解説』の記事で詳しく説明しています。

(3)相手と示談交渉|相場額の請求を

後遺障害認定の結果が出たら、相手方の任意保険会社と示談交渉を行います。

相手方の任意保険会社は、少しでも支払う金額を少なくするため、相場よりも低額な示談金の支払いを提案してくるでしょう。

そのため、示談交渉を行う際には、相場の金額を提示したうえで増額交渉を行うことが欠かせません。

後遺障害が生じている場合には、損害額が高額になりやすいため、増額交渉を行わないと相場よりかなり低い金額で示談することになってしまいます。

もっとも、任意保険会社は示談交渉の経験が豊富であるため、簡単には増額交渉に応じてはくれないでしょう。

相場額への増額交渉については専門家である弁護士に依頼して行ってもらうことが最も適切といえます。

交通事故の慰謝料請求事例(目の後遺症)

ここでは、過去にアトム法律事務所の弁護士が取り扱った交通事故のうち、失明や複視など目の後遺症の賠償が問題になった事例を紹介します。

右目失明等の後遺症(併合7級)で約4,138万円回収した事例

仕事中バイク事故で右目失明・高次脳機能障害を負った事例

仕事でバイクに乗車中、自動車に衝突された交通事故。

被害者は、この交通事故により、脳内出血、視神経損傷による右目失明、高次脳機能障害などの重い後遺症が残った(労災で4級、厚生年金で3級、自賠責で併合7級認定済み)。


弁護活動の成果

受任後は、弁護士基準で保険会社と交渉。請求額どおりの示談が成立し、最終的に約4,138万円の支払いを受けた。

年齢、職業

40~50代、その他

傷病名

視神経損傷による右目失明等

後遺障害等級

併合7級

複視等の後遺症(併合11級)で約1,000万円回収した事例

横断歩道を歩行中に車にひかれ外貌醜状等を負った事例

横断歩道を歩行中に車と接触する事故に遭い、入院8日、総治療日数385日の治療を受けた。

弁護士へ相談した時点で、外貌醜状、左右上下視の複視、局部の神経症状の後遺障害について後遺障害併合11級がすでに認定済みだった。

保険会社の提示額が妥当かどうかを確認したいと相談に至ったケース。


弁護活動の成果

依頼者は事故の直前に職場を退職しており、事故時は無職だったため、逸失利益の基礎収入が主な争点となった。

当初は家事従事者としての基礎収入を主張したが、最終的には事故前の仕事の収入をもとに算定した年収が基礎収入として認められた。

その結果、保険会社の当初の提示額約682万円から、最終的な受取金額は1,000万円まで増額した。

年齢、職業

20~30代、無職(事故時)

傷病名

外貌醜状(12級14号)、複視(13級2号)、局部の神経症状(14級9号)

後遺障害等級

併合11級

複視の後遺症(13級2号)で示談金が約1.6倍増額した事例

車道歩行中に車と衝突し肋骨骨折・複視を負った事例

車道を歩行中に自動車にはねられ、肋骨骨折や頭部出血、複視を負い77日間入院した交通事故。

複視について、後遺障害13級2号認定済み。事故の過失割合は、被害者20%、相手方80%だった。

相手方の保険会社から示談金の提示がきたため、妥当な金額かについてご相談があったケース。


弁護活動の成果

保険会社が提示した慰謝料金額は実通院日数が少ないことを理由に、いわゆる「3.5倍基準」による低額なものだった。

しかし、アトム法律事務所の弁護士が、ケガの性質や治療状況を丁寧に主張して交渉を行った結果、当初の提示額約212万円から、最終的な受取金額が330万円まで増額された(約1.6倍増額)。

年齢、職業

80代以上、無職

傷病名

複視、肋骨骨折等

後遺障害等級

13級2号

外傷性散瞳の後遺症(14級)で約442万円回収した事例

勤務中に同僚運転の車で出会い頭事故に遭い目を負傷した事故

勤務中に会社の同僚が運転する車に同乗していたところ、田んぼ道の交差点で出会い頭事故に遭い、外傷性散瞳のケガを負った。依頼者側の車が優先の事故。

弁護士へ相談した時点で、外傷性散瞳による後遺障害14級がすでに認定されていたケース。

相手方の運転手が妊婦だったため、勤務先の判断で、当初は会社が加入する保険の人身傷害保険で対応していた。


弁護活動の成果

受任後は、まず人身傷害保険への請求を優先。労働能力喪失期間について協議したところ、当初の提示額約220万円から、約357万円まで増額した。

その後、弁護士基準との差額を、相手方が加入する対人賠償保険に請求した。

粘り強い交渉の結果、最終的な受取金額は約442万円となった。

年齢、職業

20~30代、会社員

傷病名

外傷性散瞳

後遺障害等級

14級

示談金がいくらになるかは、残った後遺症の内容によります。ご自身のケースで交通事故慰謝料の目安を知りたい方は、弁護士による無料相談もご利用ください。

目の後遺症でよくある質問

Q.交通事故後、目の症状が出たら何科を受診すればいいですか?

眼科を受診してください。事故当日または翌日の受診をおすすめします。
受診が遅れると、後遺障害認定の審査で事故との因果関係を疑われるリスクが高まります。整形外科との並行受診や検査の内容は『整形外科と並行して眼科を受診する|何科に行くか』をご覧ください。

Q.交通事故で失明した場合、慰謝料はいくらになりますか?

片目失明の場合、後遺障害8級が認定され弁護士基準で830万円が相場です。失明していない目の視力によっては2〜7級となり、1,000万円〜2,370万円が相場になります。両眼失明の場合は1級で2,800万円が相場です。

ただし、保険会社が最初に提示してくる金額は相場を大きく下回るケースがほとんどです。示談前に弁護士に確認することをおすすめします。

Q.眼科の治療費は保険会社に請求できますか?

はい、請求できます。交通事故が原因の眼科通院費は、原則として加害者側の任意保険会社が負担します。事故後は保険会社の担当者に通院先の眼科を伝えれば、窓口での自己負担なしで治療を受けられるケースがほとんどです。

打ち切りや健康保険を使う場合の手続きは『眼科の治療費・通院交通費は相手の保険会社に請求できる』をご覧ください。

Q.むちうちで目の症状が出た場合も後遺障害認定を受けられますか?

難しいケースがほとんどです。むちうちによる視力低下や目のかすみは、器質的な原因(骨折・筋肉損傷など)がないと判断されることが多く、後遺障害認定を受けられない可能性が高いです。

ただし、むちうちにより神経症状が残っている場合は、12級または14級に認定される可能性があります。症状が残っている方は一度弁護士に相談することをおすすめします。

Q.事故から時間が経ってから目の症状が出た場合も後遺障害認定を受けられますか?

認定が難しくなるケースが多いものの、不可能ではありません。後遺障害認定では事故と症状の因果関係が重視されるため、事故から受診までの期間が空くほど因果関係の証明が難しくなります。

ただし、外傷性緑内障のように発症までに時間がかかるものもあります。事故直後のCT・MRIに眼窩や頭部の損傷が記録されていれば、後から出た症状でも因果関係を主張できる可能性があるので、医療記録を持って弁護士にご相談ください。

交通事故による目の後遺症は弁護士にも相談しよう

バイク事故などで転倒の際に顔面をケガすると、その衝撃により視神経損傷をしたり、眼球そのものに外傷(水晶体亜脱臼など)を負ってしまうことがあります。

上記のような受傷によって発症した失明や視力低下、目がかすむなどの見えづらさといった症状が完治せずに後遺症として残ってしまった場合、後遺障害認定を受けられる可能性があります。

早期に眼科を受診するとともに、必要があれば、脳神経外科や整形外科の医師にも診てもらいましょう。

また、交通事故によって目の後遺症を負った場合、賠償実務では弁護士に相談することが重要です。ここからは、目の後遺症について弁護士に相談するメリットなどを紹介していきます。

適切な後遺障害等級の認定を目指せる

後遺障害認定は、申請すれば必ず適切な等級に認定されるとは限りません。

申請書類で目の後遺症の程度を証明できないと、後遺障害等級に非該当となったり、想定より低い等級に認定されることもあるのです。

目の後遺症の程度を示すには医師の作成する書類が重要になりますが、医師は医療の専門家ではあるものの後遺障害認定の専門家ではありません。

場合によっては、後遺障害認定に不利になるような記載をされたり、症状が認定基準にあてはまることがわからないような記載をされる可能性があるのです。

後遺障害認定について専門的な知識を持っているのは弁護士です。

後遺障害認定の申請をする前にあらかじめ弁護士に相談しておけば、医師の作成した書類をチェックしてもらったり、「こんな検査を受けた方がいい」「こんな資料を添付した方がいい」といったアドバイスをもらったりすることができます。

その結果、適切な後遺障害等級に認定されない可能性を減らせるのです。

後遺障害等級が1級違うだけで、後遺障害慰謝料の金額は数十万~数百万円も異なります。適正な後遺障害等級に認定されるためにも、弁護士のアドバイスを受けることも検討してみてください。

目の後遺症で慰謝料の増額を目指せる

先述のとおり、相手方の任意保険会社は、交通事故の被害者が本来受け取れる金額よりも大幅に低い慰謝料額を提示してくることが多いです。

示談が成立すると、あとから撤回・再交渉することは基本的にできません。

よって、示談成立前に「本来自分が受け取れる金額はいくらか」「慰謝料をもっと増額できないか」といった点を弁護士に確認することをおすすめします。

相手方の任意保険会社から提示された慰謝料は、弁護士が計算し直すと2倍~3倍に増額されることも少なくありません。

なお、被害者自身で慰謝料の増額交渉をしても、相手方の任意保険会社が認めないことも多いです。「弊社ではこの金額が上限です」「裁判をしないとその金額は認められません」などと反論されてしまうのです。

この場合、弁護士に依頼して示談交渉に介入してもらえば、慰謝料の増額が認められる可能性が高くなります。

法律の専門家である弁護士の主張であれば、保険会社も無下にはできないからです。

増額交渉(弁護士あり)

眼科の治療に専念できる

弁護士に依頼すると、示談交渉や示談交渉に必要な証拠の収集を弁護士が行ってくれるため、被害者自身の手間を省くことができます。

被害者としては、相手方の任意保険会社からの連絡に対応するという負担がなくなり、ケガの治療や仕事の復帰に専念することができるというメリットがあるのです。

交通事故の弁護士費用を軽減する方法

交通事故の弁護士特約を利用する

弁護士への相談後、正式な依頼を検討される場合も、弁護士費用についてはあまり心配しなくても大丈夫です。

弁護士費用は、保険に付帯されている弁護士費用特約を使うことで大幅に軽減することができます。

弁護士費用特約を使えば、弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社に負担してもらえます。「弁護士に依頼したことでかえって損をした」といった状況にはほぼならないと言えるでしょう。

弁護士費用特約は、自動車保険だけではなく、火災保険やクレジットカードなどにも付帯されていることがあります。

また、被害者のご家族の保険に付帯されていても使える可能性があるでしょう。

弁護士費用特約とは弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約

弁護士費用特約について詳しく知りたい方は『交通事故の弁護士特約とは?使い方・使ってみた感想やデメリットはあるかを解説』の記事をご覧ください。

相談料・着手金無料の弁護士を選ぶ

弁護士費用特約を使えなくとも、後遺障害認定を受けている場合、弁護士費用を差し引いても弁護士に依頼した方が最終的に手元に入る金額が増えることは多いです。

まずは無料相談を利用し、弁護士費用と慰謝料などの増額幅の見積もりをとってみることをおすすめします。

なお、着手金無料の弁護士事務所に依頼すれば、弁護士費用は基本的に示談成立後に支払うことになります。依頼の段階で大きな金額を用意する必要がないので、安心して依頼できるでしょう。

アトム法律事務所は、交通事故の被害者の慰謝料問題については基本的に着手金無料の費用体系をとっています。

失明など目の後遺症の弁護士相談|24時間予約受付

交通事故による目の後遺症について以下のようなお悩みをお持ちの方は、アトム法律事務所の無料弁護士相談の利用をご検討ください。

  • 失明や視力低下で何級になるのか知りたい
  • 後遺障害申請に向けて何を準備すればいいか知りたい
  • 保険会社の提示額が相場どおりか知りたい

電話・LINE・メールなどで弁護士に相談できるのがアトムの無料相談の強みです。弁護士事務所に足を運んでいただかなくとも、自宅から気軽にご相談いただくことが可能です。

実際に無料相談を利用された方からは、以下のようなお声をいただいています。

迅速にわかりやすく、迷っている事にも最良の案を提案して頂きました。アドバイスを元に行動してみたいと思います。ありがとうございました。

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相談予約は年中無休で24時間受付対応しています。お悩みのある方はまずはお気軽にお問い合わせください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国16拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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