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交通事故の民事調停|示談・裁判との違いはどこにある?手続きの流れを弁護士が紹介

更新日:

交通事故の民事調停 示談・裁判との違い

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故には、示談だけでなく民事調停という解決方法もあります。

もっとも、民事調停と示談や裁判などの他の紛争解決方法の違いがどこにあるかや実際の手続きについてはよく知らないという被害者の方も多いかと思います。

この記事では、上記の内容について弁護士ができるだけわかりやすくご紹介していきます。

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民事調停の基礎知識|弁護士解説

交通事故における紛争解決方法の一つ

交通事故の当事者間(民事上)の問題は、加害者側からの被害者への損害賠償金の支払いによって解決します。

この加害者側が被害者に支払う損害賠償金額の決定という交通事故における紛争を解決するための方法にはさまざまなものがあります。

民事調停は、そのような交通事故におけるさまざまな紛争解決方法の一つです。

民事調停を含む交通事故における主な紛争解決方法は以下のとおりです。

  • 示談
  • 調停
  • 裁判上の和解
  • 裁判所の判決
  • ADR機関が提示したあっ旋案への合意
  • ADR機関の審査・裁定

裁判所を利用した当事者間の話し合い

さまざまな紛争解決方法の中で、民事調停の特徴を簡単に説明するならば、以下の2点が大切です。

  1. 裁判所を利用した解決方法である点
  2. 当事者間の話し合いによる解決方法である点

この2点が、次章で詳しく紹介する調停とさまざまな解決方法との違いについて説明する上で重要になるからです。

解決には被害者と加害者の合意が必要

そして、民事調停による解決には、被害者と加害者が損害賠償金の支払い内容について合意をする必要があります。

当事者がお互い納得した場合でなければ、調停は成立しないということです。

そのため、調停の申し立てをしたとしても、当事者の一方が納得していないのに一方的に調停が成立してしまうということはありません。

主に示談交渉が決裂したケースで利用

交通事故では、まずは示談による解決を目指し、被害者側と加害者側が示談交渉をするケースがほとんどです。

民事調停は、一定期間示談交渉をしたものの、双方の主張が折り合わず、交渉が決裂した段階で利用が検討されることが多いです。

具体的に民事調停の申し立てという方法を選択するかどうかは、他のさまざまな紛争解決方法のメリット・デメリットを考慮して検討する必要があります。

調停と様々な解決方法との違い

示談との違い:裁判所の利用の有無

示談とは、裁判外において、民事上の争いを当事者同士が話し合い、合意により問題を解決する手続きであり、法律上の和解契約(民法第695条)の一種です。

当事者間の話し合いによる解決方法である点は、調停(の特徴②)と同じです。

調停と示談との違いは、裁判所の利用があるかどうかという点です。

具体的には、第三者として裁判所に話し合いの仲介をしてもらうか、話し合いを当事者だけで行うかという違いがあります。

示談と比較した調停のメリット

示談と比較した調停の主なメリットは、以下の3つです。

  1. 話し合いが可能になるケースが増える
  2. 受け取れる慰謝料や損害賠償金が増額する可能性がある
  3. 合意した内容に強制力がある

詳しい内容は以下のとおりです。

①話し合いが可能になるケースが増える

感情的になり、当事者同士では話し合いが困難なケースでも、お互いの言い分を裁判所が第三者として聞くことによって話し合いが可能になることがあります。

②受け取れる慰謝料や損害賠償金が増額する可能性がある

その理由は、慰謝料や損害賠償金の計算基準に以下の3つがあるためです。

  • 自賠責基準:自賠責保険から支払われる保険金・損害賠償金額の計算基準
  • 任意保険基準:任意保険会社が示談交渉時に提示する金額の計算基準
  • 裁判基準:裁判で裁判所が認定する損害賠償金額の計算基準

自賠責保険は、被害者の損害を最低限補償することが目的の自動車保険のため、自賠責基準の慰謝料金額相場も最低限のものにとどまります。

任意保険は、自賠責保険の限度額を超えた部分の支払いを補償する自動車保険になりますが、任意保険基準は自賠責基準と比較して増額幅は小さいです。

一方、裁判基準の基礎となる裁判で裁判所が認定した損害賠償金額は、法律的に適切かつ妥当な金額ということができます。

3つの基準のうち、裁判基準で計算した金額は、他の2つの基準で計算した金額と比較して非常に高額になります。(関連記事:交通事故の慰謝料を正しく計算する方法

慰謝料金額相場の3基準比較

そして、裁判ではないものの、裁判所を利用する手続きである民事調停のケースでも、裁判基準で計算した金額に近い金額で解決できる可能性が高くなります。

なお、弁護士に代理人として示談交渉を依頼すれば、示談交渉の段階で裁判基準(弁護士基準)で計算した金額に近い金額まで増額が可能になります。

具体的にどの程度の金額まで増額する見込みがあるかは、以下の慰謝料計算機を利用すれば簡単に確認できます。

ケガに対する慰謝料(入通院慰謝料)だけでなく、後遺障害等級や年齢、収入を入力すれば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の金額も計算できます。

後遺障害慰謝料

ケガの後遺症を抱えての生活を強いられることへの精神的苦痛を補償する金銭

原則として、後遺障害等級が認定されたケースでのみ請求することができる

後遺障害逸失利益

後遺症の影響による将来の収入の減少を補償する金銭

原則として、後遺障害等級が認定されたケースでのみ請求することができる

死亡事故のケースでは、慰謝料計算機の「死亡」の所を押して、被害者の立場や収入など必要事項を入力すれば、死亡慰謝料や死亡逸失利益の金額を計算できます。

慰謝料計算機を利用して増額の可能性があるケースと判明したなら、交通事故の専門家である弁護士への相談をおすすめします。

アトム法律事務所弁護士法人では、人身事故の被害者の方を対象に、交通事故の知識と経験豊富な弁護士が無料法律相談の対応をしております。

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さらに、弁護士費用についても、被害者側が加入する弁護士費用特約を利用することができれば、保険会社が弁護士費用を原則300万円まで負担してくれます。

③合意した内容に強制力がある

当事者間の話し合いにより、損害賠償金の支払い内容について合意したものの、相手方が合意した内容の支払いを行わないケースがあります。

その場合の解決方法として、相手方の財産を差し押さえてお金に換え、強制的に支払いに充てさせる強制執行という手続きがあります。

強制執行を行うには、債務名義が必要なところ、債務名義には、確定判決と同一の効力を有するものが含まれます(民事執行法第22条7号)。

この点、通常の(公正証書を作成しない形の)示談では、確定判決と同一の効力は発生せず、強制力があるとはいえません。

一方、調停において当事者間で合意した内容を記載した調書の記載は、確定判決と同一の効力を有する裁判上の和解と同一の効力があります。

調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。

民事調停法第16条

そのため、調停により合意した内容には強制力があり、その点がメリットになるといえます。

示談と比較した調停のデメリット

一方、示談と比較した調停のデメリットは、解決のために費用と期間を要する点です。

示談交渉は、被害者自身が行うケースでは費用は発生しません(弁護士を代理人にしたケースでは弁護士費用が発生します。)。

一方、調停は申し立てをするのに、一定額の手数料の支払いが必要になります。

また、示談交渉は当事者同士の時間さえ合えば、いつでも行うことが可能です。

一方、調停では、月に1回程度開催される期日においてしか話し合いをすることができません。

そのため、示談と比較すると調停は解決までに期間を要するケースが多くなってしまうというデメリットがあります。

裁判との違い:当事者の合意の要否

民事裁判(訴訟)とは、当事者間の法的な紛争を、裁判官が法廷で双方の言い分を聞き、証拠を調べた後に、最終的に判決により紛争の解決を図る手続きです。

裁判所を利用した解決方法である点は、調停(の特徴①)と同じです。

調停と裁判との違いは、当事者の合意が必要かどうかという点です。

調停では、当事者の合意がなければ解決することはできません。

一方、裁判では、当事者の合意がなくとも、最終的には裁判所が判決という形で紛争に対する判断を下すことにより、決着を図ることができます。

ただし、裁判においても、当事者の話し合いにより解決する方法(裁判上の和解といいます。)もある点には注意が必要です。

交通事故の裁判の流れやポイントについて詳しく知りたい方は、関連記事『交通事故の裁判』をお読みください。

裁判と比較した調停のメリット

裁判と比較した調停の主なメリットは、以下の5つです。

  1. 費用が安く済む
  2. 手続きが比較的簡単で、被害者が自分で申し立てることも可能
  3. プライバシーが守られる
  4. 解決までの期間が短く済むケースが多い
  5. 一方的に不利な結果にはならない

詳しい内容は以下のとおりです。

①費用が安く済む

民事調停の申し立てに必要な手数料は、民事裁判(訴訟)の提起に必要な手数料の半額程度です。

具体的な手数料の金額は、請求額に応じて以下のような違いがあります。

請求額裁判調停
100万円1万円5千円
1000万円5万円2万5千円

ご自分の請求額の手数料が知りたい方は、裁判所の手数料額早見表から確認することができます。

②手続きが比較的簡単で、被害者が自分で申し立てることも可能

裁判では、訴状に記載が必要な事項や必要書類が多いなど、手続きが複雑です。

また、立証責任を原告が負わされている結果、勝訴判決を得るには、さまざまな証拠書類を被害者自身で準備する必要があります。

そのため、民事裁判(訴訟)を提起するには、法的知識が必要であり、被害者が自分で行うのは不可能ではありませんが非常に困難です。

一方、調停の申し立てをするのに特別の法律知識は必要なく、簡易裁判所の窓口に備え付けられた書面(ひな形)を利用して、申し立てをすることが可能です。

そのため、被害者が自分で申し立てをすることも、比較的容易に可能です。

③プライバシーが守られる

民事裁判(訴訟)の口頭弁論期日は、公開の法廷で第三者が自由に傍聴をできる状況で審理が行われます。

一方、民事調停は非公開の席で行われます。

紛争を解決するにあたり、事案によってはプライバシーに関わる事情を話す必要がありますが、調停なら第三者に知られる不安がないのがメリットといえます。

④解決までの期間が短く済むケースが多い

交通事故の民事裁判(訴訟)にかかる平均期間は12.4カ月です。

一方、調停では、争点に絞った話合いをするため、事案にもよりますが、多くは3か月以内に調停が成立するなどして紛争が解決し、終了します。

ただし、調停の申し立ては、話し合いによる解決の可能性があるかどうか見極めが大切になります。

調停が不調に終わり裁判への移行が必要となるケースでは、調停に費やした時間と手間が無駄になり、結果的に解決までの期間が長引いてしまうからです。

⑤一方的に不利な結果にはならない

裁判では、最終的に判決の形で結論を出すのは裁判所であり、その結論が被害者にとって有利なものであるとは限りません。

一方、調停では、当事者が話し合い、お互いが納得をした上で解決をするので、一方的に不利な結果になる可能性はないというメリットがあります。

裁判と比較した調停のデメリット

裁判と比較した調停の主なデメリットは、以下の5つです。

  1. 相手方が欠席するケースが多い
  2. 争点が複雑なケースは解決しにくい
  3. 遅延損害金や弁護士費用を請求できない

詳しい内容は以下のとおりです。

①相手方が欠席するケースが多い

調停でも裁判でも、申し立て(提起)をすると相手方(被告)に指定された期日に出頭するよう通知する呼出状が送付されます。

裁判では、当事者(被告)が口頭弁論の期日に出頭しないと、相手方(原告)の請求を認めたとみなされ(民事訴訟法159条3項)、請求どおりの判決が出ます。

そのため、裁判では被告が期日を欠席するケースは少ないです。

一方、調停では、期日を欠席しても調停不成立として手続きが終了するだけで、申立人の請求が認められるわけではありません。

また、民事調停法上は、不出頭に対する制裁として5万円以下の過料(行政罰)が定められていますが、実際に処分を受けるケースはほとんど存在しません。

そのため、裁判と比較すると、調停は相手方が欠席するケースが多く、申し立てをしても、解決のための話し合いができない可能性があるのがデメリットです。

②争点が複雑なケースは解決しにくい

民事調停は、短期間で解決できるように、争点を絞ってお互いの言い分を聞き、証拠調べも必要な範囲に限って行うことを前提とした手続きです。

そのため、争点が複雑で、医師など専門的な立場の方による判断が必要なケースや証拠調べが数多く必要なケースの解決には。調停よりも裁判が適しています。

具体的には

  • 後遺障害等級申請の認定結果に争いがあるようなケース
  • 事故発生状況の主張に食い違いが大きく、過失割合が争われているケース

などは、調停での解決は困難となるというデメリットがあります。

③遅延損害金や弁護士費用を請求できない

交通事故では、裁判をすることで、遅延損害金や弁護士費用の請求が実務上可能になります。

一方、調停では、遅延損害金や弁護士費用の請求が実務上認められていません。

遅延損害金は事故発生時から年率3%(2020年3月31日以前の事故なら5%)、弁護士費用は請求額の10%(請求額500万円なら50万円)程度の請求が可能です。

請求額や解決(支払い)までの期間によっては、裁判より調停で受け取れる金額がだいぶ少なくなってしまう可能性があるのがデメリットといえます。

ADRとの違い:裁判所が第三者か

ADRとは、裁判外紛争解決手続きのことであり、交通事故では交通事故紛争処理センター日弁連交通事故相談センターが代表的なADR機関です。

当事者間の話し合いによる解決方法である点は、調停(の特徴②)と同じです。

また、第三者に話し合いの仲介をしてもらうという点も調停と同じです。

調停とADRとの違いは、仲介する第三者機関が裁判所かどうかという点です。

ADRでは、裁判所以外の機関が第三者として当事者の話し合いを仲介します。

ADRと比較した調停のメリット

ADRと比較した調停の主なメリットは、以下の3つです。

  1. 損害賠償請求権の時効完成を阻止できる
  2. 利用の条件がない
  3. 合意した内容の強制力が強い

詳しい内容は以下のとおりです。

①損害賠償請求権の時効完成を阻止できる

交通事故の損害賠償請求権には時効(民法改正により人損は5年、物損は3年)があり、時効が完成してしまうと加害者側に損害賠償を請求できなくなります。

そのため、時効の完成が近づいているときには、時効の完成を阻止する手続きをとる必要があります。

この点、裁判所に民事調停を申し立てれば、調停の手続きが終了するまでの間、時効の完成を阻止することができます

次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

(略)

三 (略)民事調停法(略)による調停

(以下略)

民法第147条1項

一方、ADR機関へのあっ旋の申し立てには、時効の完成を阻止する効力が与えられていません。

②利用の条件がない

民事調停は、交通事故に関する当事者間の紛争であれば、特に制限なく利用することが可能です。

一方、ADR(交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センター)では、一定の条件を満たしていないケースでは利用することができません。

具体的には、加害者が自転車のケースでは、ADR機関を利用できません。

また、交通事故紛争処理センターは、加害者が任意保険に未加入のケースでは、原則として利用することができません。

日弁連交通事故相談センターでも、物損のみのケースでは、加害者が特定の任意保険会社に加入していないと利用することができません。

③合意した内容の強制力が強い

先ほどお伝えしたとおり、調停により合意した内容には強制力がある(強制執行ができる)一方、ADRを利用した示談内容には強制力がありません。

審査会の結論(裁定)に一定の拘束力が認められるケースもありますが、一定の条件(保険会社や特定の共済に加入しているなど)を満たす必要があります。

ADRと比較した調停のデメリット

一方、ADRと比較した調停のデメリットは、申し立てに費用が必要な点と第三者の交通事故に関する専門性が担保されていない点です。

先ほどお伝えしたとおり、民事調停の申し立てには、裁判よりは低額なものの、一定の手数料の支払いが必要になります。

一方、ADR機関への申し立てには費用が発生しません。

また、民事調停で主に仲介を担当する調停委員は、各分野の専門的な知識を持つ人(弁護士、医師、大学教授など)の中から選ばれることになっています。

そのため、交通事故の専門性を有する方が調停委員になるとは限りません。

一方、ADR機関では、交通事故に関する知識の研鑽を重ねた弁護士が担当弁護士として仲介を担当するため、交通事故に関する専門性が担保されています。

注意点としては、担当弁護士はあくまで中立の立場であるということです。

被害者が自分で依頼した弁護士とは違い、被害者に無条件で一方的に有利な判断をしてくれることは期待できないので注意しましょう。

調停やさまざまな紛争解決方法のメリット・デメリットを理解した上で、自身のケースならばどの方法が適しているかをよく判断して利用しましょう。

民事調停の手続き|申立から解決

最後に、民事調停の手続きの流れをご説明していきたいと思います。

簡易裁判所に申し立て書類一式提出

民事調停の申し立てには、管轄の裁判所に申し立て書類一式を提出し、手数料の支払いをする必要があります。

管轄の裁判所は、原則として相手方の住所などを管轄する簡易裁判所になります(民事調停法第3条1項)。

ただし、人身事故のケースでは、申立人の住所を管轄する簡易裁判所に申し立てを行うことも可能です(民事調停法33条の2)。

また、相手方の同意があるケースでは、同意を得た地方裁判所や簡易裁判所への申し立ても可能です(民事調停法第3条1項)。

調停申立書の書き方

調停申立書に決まった書式はありませんが最低限下記の事項の記載が必要です。

  • 管轄の裁判所名
  • 作成年月日
  • 申立人と相手方の住所・氏名
  • 申し立ての趣旨(請求金額など)
  • 紛争の要点(交通事故の発生日や発生場所、損害額など)

ご自分で申し立てをするケースでは、裁判所のホームページから書式や記載例をダウンロードして利用するのがおすすめです。

調停申立書以外の必要書類

申し立ての際には、調停申立書のほか、下記の書類を添付する必要があります。

  • 交通事故証明書(写し)
  • 診断書(写し)
  • 商業登記簿謄(抄)本または登記事項証明書(申立人または相手方が会社の場合)

また、予想される争点に応じて、下記の書類を申し立ての段階で提出しておくと、その後の手続きがスムーズにいく可能性が高いです。

争点提出書類
治療費診療報酬明細書
休業損害
逸失利益
源泉徴収票
確定申告書
過失割合実況見分調書

手数料の支払い方法

民事調停の手数料は、収入印紙を調停申立書に貼り、郵便切手を納付するという方法により支払います。

郵便切手は、裁判所から相手方への呼出状の送付などに利用されます。

手数料の金額は、請求額に応じて変わり、具体的な金額については「裁判と比較した調停のメリット」で紹介したとおりです。

郵便切手の金額や内訳は管轄の裁判所によって違いがあり、東京簡易裁判所では原則2600円です。

裁判所の仲介で合意に向け話し合い

裁判所が提出された申し立て書類を確認し、不備がなければ調停期日が指定され、相手方に期日への出頭を求める呼出状が送付されます。

調停期日では、裁判官1名、調停委員2名により構成される調停委員会が当事者の間に入り、合意に向けた話し合いが進行していきます。

具体的な進め方としては、原則として当事者が交互に調停室に入り、調停委員会(主に調停委員)に対して自分の主張を述べます。

お互いの言い分を聞いた調停委員会が、争点を整理し、必要な範囲で証拠調べを行います。

当事者の主張を踏まえて調停案提示

当事者双方の主張が出揃い、必要となる証拠調べが終了した段階で、調停委員会から調停案が提示されます。

調停委員から説得されるケースはありますが、この調停案に拘束力はなく、納得がいかなければ、調停案に同意する必要はありません。

当事者が合意できたら調停調書作成

調停案やそれを基にした解決内容について、当事者間で合意に至れば、調停成立となり、合意内容を記載した「調停調書」という書類が作成されます。

先ほどお伝えしたとおり、この調停調書は、裁判上の和解と同一の効力を有し、支払いを怠った場合、この書類により強制執行という手続きが可能になります。

合意の可能性がない場合調停不成立

一方、調停委員会が、話し合いの折り合いがどうしてもつかない、相手方が出頭しないなどの理由で合意が成立する見込みがないと判断するケースもあります。

その場合、裁判所は調停不成立として手続きを終了させます。

ただし、まれにですが、裁判所が調停委員の意見を聴き、当事者双方のために、職権で、事件の解決のために調停に代わる決定をするケースがあります。

この調停に代わる決定に対し、当事者が2週間以内に異議を申し立てなければ、調停が成立した場合と同じ効力が発生します。

調停不成立のケースや調停に代わる決定に対し異議が申し立てられたケースは、裁判手続きに移行して紛争の解決を図ることになります。

まとめ

この記事のポイント

  • 交通事故では、示談以外にも調停や裁判といった解決方法がある
  • 調停は、示談と違い、裁判所が第三者として話し合いの仲介をしてくれる
  • 調停は、裁判と違い、当事者同士が納得した上で円満に解決できる手続き

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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