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居眠り運転の事故を起こしたらどうなる?防止のポイントも解説します

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居眠り運転事故を起こしたらどうなる

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

睡眠不足や長時間のドライブなどが原因で、車を運転中についうとうとしてしまった、という経験は多くの方にあるでしょう。

眠くても運転できていればまだ良いのですが、自分でも気が付かないうちに眠ってしまっていたような場合は、思わぬ事故につながる危険性があります。

そこで今回は、居眠り運転が法律上どのような違反になるかや、居眠り運転による事故を防止するためのポイントなどを解説します。

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居眠り運転は安全運転義務違反にあたる

法律上は居眠り運転の明確な定義はありませんが、一般に運転中に眠りに落ちるだけでなく、一瞬だけ眠ってしまったり、眠気によってうとうとしたりなどの状態を指します。

道路交通法上は、居眠り運転という形態を個別に規定して処罰する規定はありません。居眠り運転は一般に、道路交通法70条が規定する安全運転義務に違反する行為として処理されます。

道路交通法70条は、車両の運転者が守らなければならない安全運転義務として、以下の内容を規定しています。

  • 車両のハンドル、ブレーキ、その他の装置を確実に操作しなければならない
  • 道路、交通、車両などの状況に応じて、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない

居眠り運転をすることで上記の行為を怠った場合は、安全運転義務違反と見なされる可能性があります。たとえば、車を運転しながらつい居眠りをした結果、ハンドルの操作を誤って車に衝突してしまうなどです。

安全運転義務違反の罰則

居眠り運転などで道路交通法70条の安全運転義務に違反した場合、運転免許証の違反点数が2点加えられます。

また、運転していた車両の大きさに応じて、以下の反則金を納めなければなりません。

  • 大型車:1万2000円 
  • 普通自動車:9000円
  • 二輪車:7000円
  • 原付:6000円

反則金を納めなかった場合は、3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金の対象になるので注意しましょう(厳密にいえば、本来は懲役または罰金が科されるところ、反則金を納めることで罰則の適用が免除されます)。

居眠り運転は過労運転と見なされる場合がある

居眠り運転は安全運転義務違反だけでなく、より責任の重い過労運転と見なされる可能性があります。

過労運転とは

居眠り運転よりも責任の重い過労運転とは、どのような行為なのでしょうか?

過労運転は道路交通法66条に規定されており、概要は以下のとおりです。

  • 何人も過労、病気、薬物の影響その他の理由によって、正常な運転ができないおそれがある状態で、車両等を運転してはならない

要約すると、過労などが原因で正常な運転ができないおそれがある状態では、車を運転してはいけないということです。

道路交通法66条の過労運転の禁止に違反した場合、違反点数として25点が加算されます。これは一発で免許が取り消しになる点数であり、過労運転が責任の重い行為と見なされていることが伺えます。

過労運転は罰則として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。懲役の刑期も罰金の金額も、安全運転義務違反の約10倍です。

また、安全運転義務違反とは異なり、反則金を納めることで処罰が免除されることはありません。

居眠り運転が過労運転と見なされるケース

一般的な目安としては、居眠り運転の多くは過労運転とは見なされません。罰則の内容から見ると、過労運転は居眠り運転よりもはるかに責任が重い行為だと捉えられています。

それでは、どのような居眠り運転が過労運転と見なされるのでしょうか?

この点について明確な基準はありませんが、居眠りをするに至った原因が極度の疲労や薬物の使用などにある場合は、単なる居眠り運転ではなく、過労運転に該当すると見なされる可能性があります。

居眠り運転は過失割合に影響する場合がある

居眠り運転で事故を起こした場合、過失割合が加算される可能性があります。

過失割合の基本

交通事故の損害賠償についての重要な概念として、過失割合があります。

過失割合とは交通事故の当事者の責任の割合を示したもので、加害者の過失割合が大きい場合、被害者に対して支払う賠償金も多くなります。

たとえば、被害者が事故によって被った被害の総額が100万円だとして、加害者の過失割合が6割であれば、加害者が支払わなければならない賠償金は、100万円の6割の60万円です。

一方、加害者の過失割合が8割の場合は、事故に対する加害者の責任がより重くなり、支払わなければならない賠償金の金額は、100万円の8割の80万円になります。

このように、被害者が受けた損害の程度が同一でも、加害者の過失割合が大きいと、支払わなければならない賠償金が多くなります。

過失割合の修正要素

居眠り運転は、過失割合の修正要素として影響する場合があります。

過失割合の修正要素とは、基本となる過失割合を加算したり減算したりする要素のことです。過失割合の修正要素が適用されると、基本とは異なる過失割合になります。

たとえば、ある事故の原則の過失割合が加害者6:被害者4だとして、過失割合の修正要素によって加害者の過失が2割加算されると、過失割合は加害者8:被害者2になります。

それでは、居眠り運転の場合は過失割合がどの程度修正されるのでしょうか?

居眠り運転をすると必ず過失割合が修正されるとは限りませんが、過失割合の修正要素として考慮された場合、交通事故の加害者の過失が1〜2割程度加算されます。

居眠り運転を防ぐには

運転中についうっかり眠ってしまうのが居眠り運転の特徴ですが、どうすれば居眠り運転を防止できるのでしょうか?

居眠り運転を防止するために心がけるべきポイントをご紹介します。

運転前に十分な睡眠を取る

居眠り運転を防ぐには、車を運転する前に十分な睡眠を取っておくことが重要です。

一見すると当たり前のようですが、そもそも居眠り運転をしてしまう大きな原因の一つは、睡眠時間が足りていないことです。

睡眠不足と運転による疲労が重なってしまうと、強い眠気に耐えきれなくなって気が付かないうちについうとうとしてしまい、気付いたら居眠りをしていたという場合も少なくありません。

十分な睡眠を取ることで、運転中に強い眠気に襲われる可能性を低くすることにつながります。

食事や薬のタイミングに注意する

車を運転する前は、食事や薬の服用に注意しましょう。

昼食後に仕事や勉強をするとよく眠くなりますが、その理由の1つは、食事によって体内の血糖値が上昇するからです。

特に炭水化物を取ると血糖値が急激に上昇しやすいことから、長時間の運転の前は炭水化物を取りすぎないように、野菜中心の食事にするなどの工夫をすると効果的です。

また、長時間の運転をする前は、眠気を催す副作用のある薬に注意しましょう。たとえば、風邪薬や花粉症の薬などに用いられる抗ヒスタミン薬は、一般に副作用として眠気を催します。

眠くなったら無理をせずに休む

運転中に強い眠気に襲われたり、短時間でも居眠りをしてしまったりした場合は、無理をせずに運転を一旦中止することが事故の防止につながります。

眠気を無視して運転をするから事故につながるのであって、眠くなったらそもそも運転をしなければ、居眠り運転になることもありません。

眠気を感じたら無理をせずに休憩する、仮眠を取る、体を動かすなどの工夫をしましょう。

まとめ

居眠り運転をした場合、道路交通法の安全運転義務違反として反則金を納めなければならない場合があります。

また、居眠り運転で事故を起こしてしまった場合は、居眠りをしたことが過失の修正要素として考慮され、加害者の過失割合が高くなる可能性があります。

十分な睡眠を取る、食事や薬に注意する、眠くなったら無理せず休むなどのポイント押さえて、居眠り運転を防ぎましょう。

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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