もらい事故にあったらどうする?得する方法を知って泣き寝入りしない被害者に!
更新日:
もらい事故とは、被害者に一切の過失がない交通事故のことです。
もらい事故では過失による減額がないため、被害者は慰謝料や治療費などの損害賠償金を満額受け取れます。
しかし、過失による減額がないぶん加害者側がシビアな態度で示談交渉に臨んでくること、被害者は保険会社に示談交渉を代行してもらえないことから、被害者が泣き寝入りしてしまうこともあるのです。
本記事では、もらい事故にあったあとの対応から請求するべき損害賠償金、もらい事故の被害者が損せず得をするための方法を網羅的に解説しています。
目次
もらい事故とは?過失がないとはどういうこと?
もらい事故とは、被害者側には過失のない事故のことです。
過失のない事故とはどういうことなのか、もらい事故に当てはまる事故の例も挙げながら解説します。
もらい事故とは被害者に過失のない事故|例えば?
もらい事故とは、被害者に一切の過失がない交通事故のことです。例えば、赤信号で停車中に追突された事故や、適切に走行していたのに対向車がセンターラインを越えて突っ込んできた事故などが当てはまります。
もらい事故の例
- 交差点で信号待ち中、正面から車が突っ込んできた
- 路肩に適切に停車中、自転車にぶつけられた
- 青信号で横断歩道を渡っていた歩行者に、赤信号を無視したバイクが衝突した
被害者には非がなく、一方的に巻き込まれた事故を「もらい事故」というのです。
もらい事故では被害者側の過失割合は0%なので、被害者側の過失割合分、損害賠償金を減額する「過失相殺」は適用されません。
ただし、素因減額や損益相殺など別の理由によって損害賠償金が減額される可能性はあります。
- その他、もらい事故にあたる事故は?:交通事故で過失割合が10対0になる場合とは?過失割合を減らす方法も解説
- 素因減額とは?:素因減額とは?適用される疾患・ケースや計算方法を解説
もらい事故なのに加害者側が被害者の過失を主張することもある
もらい事故であるはずなのに、加害者が被害者側の過失を主張してくることがあります。
確かに、例えばもらい事故として代表的な追突事故であっても、被害者側が急停止していた場合などは被害者側にも過失割合がつくことがあります。
しかし、加害者側の主張が必ずしも正しいとは限りません。
もらい事故に該当する事故類型なのに「被害者側にも過失がある」などと言われた場合は、一度弁護士にご相談ください。
アトム法律事務所では、電話・LINEにて無料相談を実施しています。
もらい事故の被害者が泣き寝入りしてしまう理由は?
もらい事故では、被害者に非がなく過失相殺による減額もないにもかかわらず、十分な賠償金を得られず泣き寝入りしてしまうケースがあります。
その理由は以下のとおりです。
- 加害者がわからない当て逃げ・ひき逃げで、そもそも賠償請求できない
- 加害者が無保険で、損害賠償金の支払いを踏み倒される
- 自身の保険担当者に示談を任せられず、交渉で不利になる(加害者が任意保険加入済みの場合)
「自分には非がないから示談交渉はスムーズに進むはず」「車の修理費は全額加害者に請求できるはず」と安易に考えるのはリスキーです。
次の章で、各ケースの対策を詳しく確認していきましょう。
もらい事故で泣き寝入りしない方法をケース別に解説
もらい事故で泣き寝入りしてしまう原因や対策は、もらい事故のタイプによっても違います。
本記事内では以下のケースに分けて、泣き寝入りしない方法を解説していきます。
加害者がわからないもらい事故の場合
加害者がわからないもらい事故では、そもそも加害者に対して損害賠償請求ができません。
その結果、車の修理費や治療費などを自分で出すことになり、加害者がわからないまま泣き寝入りしてしまうケースもあります。
加害者がわからない場合は、警察にドライブレコーダー映像などの証拠を提出して加害者特定を待ちつつ、以下の方法でご自身の経済的負担を減らすことがおすすめです。
- 自身の保険を活用する
- 治療をする場合は健康保険を使う
- 政府の補償事業を活用する
もらい事故で使える保険は、後ほど本記事内「もらい事故で使える保険」で詳しく解説します。
もらい事故でケガをして治療する場合は、健康保険を使うと負担額が減ります。ただし、交通事故で健康保険を使う場合は通常とは違う手続きが必要です。
詳しくは『交通事故で健康保険は使える!使えないケースやデメリットも解説』をご覧ください。
政府の補償事業は、人身被害が生じた場合のみ利用可能です。
本来であれば加害者側の自賠責保険から支払われるはずの金額が支払われます。
最低限の金額ではありますが、活用することで負担を減らせるでしょう。
加害者が無保険のもらい事故の場合
加害者が任意保険に入っていないもらい事故では、十分な損害賠償金を受け取れず泣き寝入りしてしまう可能性があります。
加害者は基本的に、強制加入である自賠責保険には入っているはずです。しかし、自賠責保険からは最低限の損害賠償金しか受け取れません。
そこで、足りない分は加害者側の任意保険に請求することが多いのですが、加害者が任意保険未加入なら、その分は加害者自身に支払ってもらうことになります。
加害者によっては支払いを踏み倒す可能性があるのです。
支払いの踏み倒しを防ぐ対策としては、以下があります。
- 示談書を公正証書にする
- 保証人を立てる
- 労災保険や健康保険、自分の自動車保険を使う
また、加害者側の自賠責保険に対しても直接損害賠償請求の手続きをすることが必要です。
加害者が無保険の場合の対処法について詳しくは、『交通事故相手が無保険でお金がない!賠償請求時の対処法6つ』をご確認ください。
加害者が無保険の場合、示談交渉も基本的には加害者本人が相手となります。
後述するようにもらい事故では被害者側も保険担当者を立てられないため、当事者同士での話し合いとなりトラブルになることも考えられます。
踏み倒しを防ぐ対策についても含め、一度弁護士にご相談ください。
加害者が任意保険加入済みのもらい事故の場合
加害者が任意保険に入っている場合は、示談交渉で苦戦して、納得のいかない示談内容で泣き寝入りしてしまうリスクがあります。
その理由は次のとおりです。
- 自分の保険会社に示談代行してもらえない
- 加害者側が通常よりシビアな態度で交渉してくる
この2点について、詳しくみていきましょう。
もらい事故は保険会社に示談代行してもらえない
もらい事故では自身の保険の示談代行サービスが使えません。過失が0の被保険者に代わって保険会社が示談交渉することは、弁護士法72条で禁じられている「非弁行為」にあたるからです。
したがって被害者は自力で示談交渉することになります。しかし、多くの場合、加害者側は示談代行サービスを使います。
交渉のプロである保険担当者を相手にすることになるため、以下の点で不利な立場に追いやられやすいのです。
- 妥当な損害賠償金の金額がわからず、本来より低い金額で合意してしまいやすい
- 交渉経験も知識も加害者側の方が豊富であり、被害者側の主張は受け入れてもらいにくい
- 加害者側の保険担当者に高圧的な態度をとられ、疲弊してしまう
- 保険会社に専門用語を多用され、強引に交渉を進められてしまう
こうした事情から加害者側に有利な内容で示談が成立してしまうこともあります。
加害者側は通常よりシビアな態度で交渉してくることがある
もらい事故の場合、被害者側の過失は0なので過失相殺はありません。
しかし、加害者側の任意保険会社はなんとかして少しでも損害賠償金を低く抑えたいと考えています。
よって、通常よりも低めの損害賠償金を提示してきたり、増額交渉を拒むような態度を見せたりすることが多いのです。
示談代行サービスが使えないだけでも被害者側にとっては難しい状況なのに、さらに加害者側の保険担当者の態度が頑なだと、被害者は太刀打ちできずに泣き寝入りしてしまいかねません。
もらい事故で過失がないからこそ、弁護士を立てて示談交渉することをおすすめします。
もらい事故にあったときの対応|損せず得する方法とは?
もらい事故の被害者が損せず得するためには、事故後の対応をしっかりしておくことも非常に重要です。もらい事故の被害者が得をする具体的な方法は以下の通りです。
もらい事故の被害者が得をする方法
- 安全確保や証拠保全の後に警察に通報する
- 加入している保険会社に連絡する
- 痛みがなくても病院で診察を受ける
- ケガを負ったのであれば治療を行う
- 車を修理する
- 加害者側と示談交渉する
それぞれの対応について、具体的に見ていきましょう。
(1)安全確保や証拠保全を行い警察に通報する
もらい事故にあったら、まずは負傷者の救護と現場の安全確保を行ったうえで、必ず警察に通報しましょう。
上記の対応は、道路交通法で定められた義務です。もらい事故の被害者であっても、警察への通報を怠ると懲役3ヶ月または5万円以下の罰金刑が科せられる可能性があります。
また、警察に通報しなかった場合、事故の発生が証明できず、適切な損害賠償を受けられなかったり、自分の保険も使えなかったりします。
警察が到着するまでの間に、加害者の氏名や連絡先、加入している保険会社などの確認や、事故現場の写真を撮るなどの証拠保全を行ってください。
その後、警察が現場に到着したら、実況見分などの捜査に協力しましょう。
人身事故として届けるべき?
ケガをしている場合は、人身事故として届け出るようにしてください。人身事故の届け出には、病院で発行された診断書が必要です。
人身事故ではなく物損事故として届け出た場合、慰謝料や治療費を適切に受け取れない可能性があります。
ケガをしたにも関わらず物損事故として届け出ていた場合は、すみやかに人身事故に切り替えましょう。可能な限り、事故発生から10日以内に切り替えるのが望ましいです。
(2)加入している保険会社に連絡する
事故直後の一連の対応が終わった後は、自身が加入している保険会社に連絡を入れておきましょう。
もらい事故では、「自分の加入している保険会社に連絡した方がいいの?」と迷われる被害者の方も多いです。
もらい事故でも、契約内容によっては「人身傷害補償保険」「車両保険」「弁護士費用特約」といった被害者自身の保険を利用することになるため、保険会社に連絡し、使える保険を確認しておくことが大切です。
あわせて、加害者にも加害者が加入している保険会社に連絡してもらいましょう。
(3)痛みがなくても病院で診察を受ける
交通事故にあったら、痛みやしびれといった自覚症状がなくても、すみやかに病院で診察を受けましょう。
交通事故の直後は、興奮状態になっていて痛みに気づかないことも多いです。
また、むちうちを負った場合は、後日に症状が出てくることもあります。
事故からしばらく経ったあとに病院を受診すると、症状と事故の因果関係が疑われ、損害賠償金を適切に支払ってもらえないおそれがあります。
交通事故であとから痛みが出てきたときは、『事故で後から痛み…因果関係が疑われないためには?』の記事も参考に早めに対応をとってください。
最初の診察は病院へ
また、診察は整骨院ではなく、病院で受けましょう。
病院において医師による診断を受けなければ、診断書を発行してもらえず、交通事故によるケガであることを証明できなくなる恐れがあります。
整骨院でも診察や治療を受けたい方は『交通事故で整骨院に通院する際の注意点|整形外科との違いは?』の記事をご覧ください。
(4)ケガを負ったのであれば治療を行う
診察により何らかのケガを負ったと判断された場合は、医師の指示に従って治療を受けてください。
治療の結果、ケガが完治せず、症状固定と判断され後遺症が残ったら、後遺障害等級認定の審査を受けましょう。後遺障害等級が認定されれば、後遺障害残存に対する補償を受けられるからです。
症状固定と診断された後の対応については『症状固定とは?時期や症状固定と言われた後にする後遺障害認定』の記事をご覧ください。症状固定の判断時期や後遺障害認定の申請方法について要点をおさえることができます。
ワンポイントアドバイス
加害者側から見舞金は、「見舞金も損害賠償金の一部」とされ、損害賠償金から差し引かれる場合があります。また、見舞金を受け取ることで、相手を許したと受け取られることもあるでしょう。断るときには強引に押し返すのではなく、淡々と断ってください。
(5)車を修理する|修理費をきちんと回収するための注意点
もらい事故で車を修理する流れは、次のとおりです。
- 警察による事故状況の聴取が終われば、車を修理工場に移動させる
- 加害者側の任意保険会社に修理工場を連絡する
- 保険会社の調査員が損傷の状態・妥当な修理方法・費用などを調査する
- 保険会社と修理内容について合意できれば、修理を開始する
人身事故の場合、治療と並行しながら車の修理を行うことになります。
なお、修理する工場は被害者が決められます。
ただし、勝手に修理を始めた場合には適正な補償を支払ってもらえないため、必ず加害者側の任意保険会社に連絡を入れ、修理内容について協議するようにしましょう。
また、修理の見積もりだけ取り、実際には修理しないことも可能です。その場合も修理費を受け取れますが、その金銭をどのように使うかは被害者の自由です。
実際に修理しない場合、工場によっては見積もりの手数料を請求されることがあるので、その点はあらかじめ留意しておきましょう。
(6)加害者側と示談交渉する
交通事故による損害がすべて確定したら、加害者側と示談交渉を行い、損害賠償金の金額を決めることになります。
損害が確定するタイミングは以下のとおりです。
事故の種類 | 損害確定のタイミング |
---|---|
後遺障害なしの人身事故 | ケガが完治した |
後遺障害ありの人身事故 | 後遺障害等級認定の結果が出た |
死亡事故 | 四十九日などの法要が終わった |
物損事故 | 修理費用の見積もりが出た |
なお、人身事故の場合、物損部分の示談交渉を人身部分に先立って行うことも多いです。
交通事故の示談をくわしく解説した記事『交通事故の示談とは?交渉の進め方と注意点』では、示談の意味や示談交渉する時の注意点を紹介しています。あわせてお読みいただくことで、示談交渉について理解が深まるでしょう。
もらい事故で請求できる損害賠償金と使える保険
もらい事故で請求できる損害賠償金は、物損事故か人身事故かによって異なります。
なお、物損事故とは「人の身体には被害がなく、車や持ち物が壊れただけの事故」のことを言い、人身事故とは「人の身体に被害があった事故」のことを言います。
それぞれのケースにおける損害賠償金を詳しく見ていきましょう。
物損被害に関する賠償金|車の修理費など
物損事故で加害者側に請求できる主な損害賠償金は、次のとおりです。
物損事故の主な損害賠償金
- 車の修理費用
事故当時における車両価格の金額を上限として、基本的に全額請求できる。
また、以下のような場合は、修理費ではなく買い替え費用を請求できる。- 車の修理費が事故当時の車両価格を上回る場合(経済的全損)
- 車が物質的に修理不可能な場合(物理的全損)
- 評価損
車に事故歴・修理歴が残ったり、修復できない傷跡や欠陥が残ったりしたことで車の価値が下がった場合に請求できる。
修理費の10%~30%にあたる金額になることが多い。 - 代車料
車の修理中に代車を使った場合に請求できる。
ただし、公共交通機関で代用できると判断される場合などは請求できない。 - 休車損害
営業車の修理により休業せざるを得ない場合に請求できる。
ただし、他の営業車で代用できる場合などは請求できない。 - レッカー代
車を修理工場に運ぶ際にレッカーを使った場合に請求できる。 - 持ち物や積載物の修理費用や弁償代
ペットの治療費などもここに含まれる。
なお、物損事故では原則的に慰謝料を請求できません。
これは、慰謝料が「人の身体が被害を受けたことによる精神的苦痛を補償するお金」であるためです。物が壊れたことによる精神的苦痛は、修理費用や弁償代といったお金を受け取れば慰撫されると考えられています。
これまでの裁判では、墓石の倒壊やペットの死亡などで慰謝料が認められたケースもあります。
しかし、基本的には物損事故で慰謝料が認められる可能性は極めて低いと考えておいた方がよいでしょう。
物損事故で慰謝料がもらえる可能性については、『物損事故で慰謝料がもらえた事例|原則もらえない理由と獲得を目指す方法』の記事で詳しく解説しています。
よくある質問|新車が壊れたら新車で返してもらえる?
購入して間もない新車が事故で壊れてしまったら、新車で返してほしいという気持ちになるのは当然です。
しかし、新車そのもので返してもらうことは難しいでしょう。損害賠償の目的は被害の現状回復であるため、新車でも基本的には修理費用が支払われるだけとなるのです。
ただし、新車の場合は、「評価損」を加害者側に請求できる可能性があります。
判例では、事故車が登録から間もない新車であり、価格の高い外国産車や人気の国産車であると評価損が認められる傾向にあります。
全面的に加害者側に責任がある過失割合が10対0のもらい事故でも、新車で返ってくることはありません。その代わりに、修理費用と評価損に漏れがないよう、適切に算定することが重要です。
新車に買い替える費用を請求できる場合や代車費用・評価損については『過失割合10対0の事故で新車が損壊|買い替え費用は請求できる?代車費用や評価損も解説』の記事をご確認ください。
人身被害に関する賠償金|慰謝料、治療費など
人身事故で加害者側に請求できる主な損害賠償金は、次のとおりです。
人身事故の主な損害賠償金
- 治療関係費
治療費、通院交通費、付き添い費など - 慰謝料
- 入通院慰謝料
ケガの治療で入院・通院することによる精神的苦痛への補償 - 後遺障害慰謝料
後遺障害が残った精神的苦痛への補償 - 死亡慰謝料
死亡した被害者とその遺族の精神的苦痛への補償
- 入通院慰謝料
- 休業損害
交通事故による休業で生じた減収の補償。
専業主婦や一部の学生、一部の無職者でも請求できる。 - 逸失利益
- 後遺障害逸失利益
後遺障害により減ってしまう生涯収入の補償 - 死亡逸失利益
死亡したことで得られなくなった将来の収入に対する補償
- 後遺障害逸失利益
- 物損部分の費目 など
物損事故の損害賠償金の費目は実費に基づいて計算されることが多いのに対し、人身事故の費目は示談交渉で金額が左右されるものが多いです。
示談交渉で加害者側の任意保険会社が提示してくる金額は、被害者が本来もらえるはずの金額よりかなり低い可能性が高いです。
以下の計算機では、損害賠償金のうち、慰謝料と逸失利益の金額を計算できます。加害者側から提示された金額が妥当か知りたい場合は、ぜひお役立てください。
もらい事故で使える保険
もらい事故の被害にあったときには、自分の保険も利用可能です。
もらい事故の被害者が使える保険は、主に人身傷害保険や車両保険があげられます。
- 人身傷害保険(ケガをした場合に利用)
- 車両保険(車両の損害に利用)
車両保険を利用すると、車両無過失事故に関する特約がない限り、保険等級が下がることに注意が必要です。なお、人身傷害保険は利用しても基本的に保険等級は下がりません。
人身傷害保険と車両保険について、詳しく確認していきます。
なお、もらい事故で使える自分の保険は『もらい事故では自分の保険会社が示談交渉してくれない!対処法を紹介』の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください
人身傷害保険
人身傷害保険とは、保険加入者や搭乗者の治療費・慰謝料などを保険金として受け取れるものです。
以下のような場合では、人身傷害保険の利用を検討するとよいでしょう。
- 加害者が無保険(任意保険未加入)であり、分割払いや踏み倒しになりそう
- 示談交渉が長引き、損害賠償金の受け取りまで時間がかかっている
ただし、加害者から支払われる損害賠償金と人身傷害保険の保険金とは二重取りができません。重複部分は相殺されることには注意が必要です。
なお、人身傷害保険で受け取れる治療費や慰謝料などには過失相殺は適用されません。
もらい事故では基本的に被害者側の過失はゼロですが、もし過失が付いてしまったら、過失相殺による減額分をカバーするためにも役立ちます。
人身傷害保険の詳細や、加害者が無保険の場合の対応法については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
車両保険
車両保険は、交通事故で損傷した車両の修理費や買い替えの補助を受けられる保険です。
人身傷害保険と同様に、車両保険も加害者が任意保険未加入の場合に役立ちます。
車の修理費など、物損に関わる費目は加害者側の自賠責保険から支払われないので、加害者が任意保険未加入だと全額加害者本人からの支払いを待つことになるためです。
なお、車両保険には以下のような特約がついていることがあるので、利用の際にはあわせて確認してみるとよいでしょう。
- 全損時諸費用特約
車が全損した場合の買い替え費用の一部をカバーする特約 - 新車特約
車が全損した場合、新車を買った時の購入金額が全額補償される特約 - 車両無過失事故に関する特約
車両保険を使うことによる保険の等級低下を防ぐ特約
もらい事故で得する方法は弁護士への依頼!
もらい事故では被害者側の任意保険会社に示談代行してもらえず、加害者側もシビアな態度で交渉しくるケースが多くあります。また、加害者側の提示する低額な示談金を受け入れるべきではありません。
もらい事故で得する方法として、弁護士に依頼する、弁護士基準に慰謝料を増額させる、弁護士費用特約でお得に弁護士を立てるという3点が重要です。
弁護士に依頼すると慰謝料が増額する
加害者側が提示する慰謝料の金額は相場よりも低額
弁護士に依頼することで慰謝料の増額が生じるのは、加害者側が一般的に相場よりも低い金額の慰謝料を提示するためです。
慰謝料は精神的苦痛の大きさを金銭に換算したものなので、車の修理費のように「誰から見てもこの金額になる」というものではありません。
そこで、慰謝料は一定の算定基準に基づいて計算されます。
加害者の多くが任意保険に加入しているため、加害者側の任意保険会社が慰謝料を計算して、金額の提示を行います。
しかし、任意保険会社が用いる算定基準で計算すると、慰謝料は相場よりも低額になってしまうのです。
慰謝料の算定基準には、以下の3種類があります。
慰謝料の算定基準
- 自賠責基準
自賠責保険が用いる算定基準。
交通事故の被害者に補償される最低限の金額基準。 - 任意保険基準
任意保険が用いる算定基準。
各任意保険会社が独自に定めており、自賠責基準と同額~やや高額な程度。 - 弁護士基準(裁判基準)
弁護士は裁判所が用いる算定基準。
過去の判例に基づいた、最も高額な慰謝料の金額基準。
加害者側の任意保険会社は、任意保険基準で計算した慰謝料を提示してくるでしょう。この金額は、弁護士基準で計算し直せば、大幅に増額されることが多いのです。
そのため、弁護士基準で計算した金額に増額するよう交渉する必要がありますが、被害者自身が直接交渉を行っても加害者側の任意保険会社に認めてもらえることはほとんどありません。
弁護士に依頼することで相場の慰謝料まで増額する
もらい事故の示談交渉は、被害者自身で行うより弁護士に任せることをおすすめします。
弁護士なら任意保険会社と対等に交渉を進めることが可能です。
弁護士が介入することで、シビアな態度を取っている任意保険会社も、被害者側の主張を認める可能性が高いでしょう。その理由は以下のとおりです。
- 国家資格と専門知識を持つ弁護士の主張であれば、任意保険会社も無下にできない
- 弁護士が出てくると、任意保険会社は裁判への発展を警戒し、態度を軟化させる
- 任意保険会社の内部で「弁護士が出てくれば増額を認める」といった取り決めをしている場合がある
そのため、弁護士に依頼することで相場の慰謝料への増額し、被害者にとって得になる結果が生じます
また、弁護士基準の金額は以下の計算機から簡単に確認できます。ご自身が受け取るべき妥当な金額はいくらなのか、確認してみてください。
もらい事故による慰謝料の請求に関しては、関連記事『もらい事故の慰謝料はいくら?もらい事故特有の注意点』も参考になりますので、あわせてご覧ください。
アトム法律事務所の弁護士による慰謝料増額の実例については『交通事故の解決事例』のページにて一部を紹介しています。
慰謝料の増額以外にもメリットがある
交通事故で弁護士に相談・依頼するメリットは慰謝料の増額だけではありません。
他にも、煩雑な手続きを一任できる、治療中の保険会社とのトラブルに対処してもらえるといったサポートを得られます。
弁護士への相談・依頼を検討する際は、『交通事故を弁護士に依頼するメリット8選』の記事も参考にしてみてください。
弁護士費用特約でお得に弁護士へ依頼
弁護士に相談・依頼をする際には費用がかかりますが、加入する保険に付帯している「弁護士費用特約」をつかうと、基本的に弁護士費用300万円、法律相談料10万円を限度として、保険会社に支払ってもらえます。
すべての弁護士費用を弁護士費用特約でまかなえることは珍しくありません。そのため、多くのケースで金銭的な負担をすることなく弁護士に相談・依頼ができるのです。
弁護士費用特約を利用すれば、慰謝料の増額分について弁護士費用を差し引くことなく得られるので、非常にお得といえます。
もらい事故における弁護士費用特約のポイントは『もらい事故こそ弁護士特約を使って慰謝料増額!特約のメリットや使い方』の記事が参考になります。
なお、たとえ弁護士費用特約がなく、弁護士費用を自己負担することになったとしても、弁護士を立てなかった場合よりも多くの金額が手元に残ることは多いです。
弁護士への無料相談を利用し、損害賠償金の増額幅と弁護士費用の見積もりをとってみるとよいでしょう。
弁護士への相談は、病院での初診後~示談締結前であればいつでも可能です。早く相談した方が受けられるサポートの幅が広いので、まずは気軽に無料相談を利用してみてください。
参考になる記事
まずは電話・LINEで無料相談してみよう
弁護士への相談・依頼を検討されている方は、ぜひアトム法律事務所の無料相談もご利用ください。
アトム法律事務所の無料相談の特徴は、電話・LINEで気軽に相談できることです。無料相談にあたっては弁護士費用特約の有無は関係ありません。もらい事故でケガをされた方はお気軽に活用してください。
無料相談のポイント
- 自宅や職場などから、スキマ時間を活用できる
- 仕事や子育て、治療で忙しい人にも最適
- 依頼後の弁護士費用についても気兼ねなく聞ける
- 弁護士費用特約あり:保険会社が弁護士費用を負担してくれる
- 弁護士費用特約なし:着手金は基本ゼロ、報酬は後払制で安心
- セカンドオピニオンとしても利用いただけます
- 無料相談のみの利用でも全く問題なし
無料相談の予約は24時間365日受け付けています。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了