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交通事故は警察への通報が義務!連絡しないとどうなるか、通報後の流れも解説

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故にあった場合、警察への報告は道路交通法上の義務です。
報告を怠ると罰金または懲役が科される可能性がありますし、保険金請求・損害賠償請求で必要な「交通事故証明書」も発行されません。

また、警察による捜査とその結果をまとめた書類が作成されず、示談交渉に悪影響が出ることもあるので、必ず110番通報して事故発生場所や事故状況を警察に伝えましょう。

この記事では、交通事故を警察に通報するべき理由と、通報時に伝える内容、通報後の流れを解説しているので、確認してみてください。

なお、警察への連絡後の流れを詳しく解説した記事は以下の通りです。合わせてご確認ください。

警察通報後の流れ

  1. 実況見分捜査・聞き取り捜査:実況見分の内容や流れ、かかる時間は?
  2. 治療に集中:交通事故の治療の流れ
  3. 後遺症が残れば後遺障害認定を受ける:交通事故の後遺障害等級認定
  4. 示談交渉:交通事故の示談手順
  5. 示談金受け取り

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交通事故を警察に通報しなければならない理由

交通事故が発生したら、人が死傷した人身事故の場合はもちろん、人の死傷のない物損事故や自損事故、軽い交通事故であっても警察に連絡しなければなりません。

交通事故を警察に報告することは義務ですし、警察に連絡しなかった場合、その後の損害賠償請求・示談交渉で不利益が生じる可能性もあるからです。

交通事故を警察に連絡するべき理由を3つ、詳しく解説していきます。

警察への交通事故連絡は道路交通法上の義務

車を運転して交通事故が発生した場合、警察に通報しなければならないという報告義務が道路交通法に規定されています。

事故について警察に報告しなかった場合は、報告義務違反として3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる可能性があるので、注意しましょう。

警察官が現場にいるときは警察官に報告してください。警察官が現場にいない場合は、最寄りの警察署、派出所、駐在所、などに通報しましょう。
基本的には110番をして、電話の相手の指示に従って受け答えをすれば大丈夫です。

警察へ連絡しないと保険金請求がスムーズに進まない

交通事故にあった場合、自身の自動車保険や加害者側の自動車保険から保険金を受け取ることになります。

この際、交通事故が発生したことを証明する「交通事故証明書」の提出を求められますが、交通事故を警察に報告していない場合、交通事故証明書は発行されません。

交通事故証明書

自動車安全運転センターという機関が発行する書類で、交通事故が発生したことを証明する。

よって、警察に交通事故を報告していなければ、保険金請求をしたくてもスムーズに手続きができず、最悪の場合保険金を受け取れない可能性が出てきます。

さらに、交通事故証明書が発行されないと、加害者側が交通事故の発生を否定してきたり、加害者側と示談したくても連絡が取れなくなったりするリスクがあるので、警察には必ず連絡しましょう。

なお、交通事故証明書の取得方法や、交通事故の際に使える保険については以下の関連記事で解説しているので、確認してみてください。

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警察に連絡しないと示談交渉で不利になる可能性も

警察に交通事故を連絡すると、人身事故の場合は現場検証がおこなわれ、その内容を記録した「実況見分調書」が作成されます。
この書類は事故状況を証明する書類として、示談交渉の際に重要です。

示談交渉では、慰謝料や損害賠償金の金額の他、慰謝料・損害賠償額に影響を及ぼす「過失割合」についても決められます。

過失割合

交通事故が起きた責任が、加害者側と被害者側それぞれにどれくらいあるかを割合で示したもの。
被害者側にも過失割合が付くと、その割合分、慰謝料や損害賠償金が減額される。

過失割合は事故時の状況をもとに決められますが、このとき、加害者側と被害者側で事故時の状況について言い分が食い違うことがあります。

たとえ被害者側が正しい事故状況を主張していても、実況見分調書がなければ主張の正当性を証明できず、被害者にとって不利な過失割合になってしまう可能性があるのです。

事故状況を示す証拠には、他にもドライブレコーダーの映像や目撃者の証言などがありますが、必ずしもこうした証拠が用意できるとは限りません。

そのため、きちんと交通事故を警察に報告し、捜査を行ってもらい、実況見分調書を作ってもらうことが重要です。

過失割合の事例や決め方については、以下の関連記事でも詳しく解説しているので確認してみてください。

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警察への通報で伝えるべき内容とポイント

交通事故後、警察に連絡をするといっても、ただ事故が起きたことだけを伝えれば良いわけではありません。
他にも伝えるべきことはありますし、よく知らない場所で交通事故にあった場合は、現在地を聞かれてもすぐに答えられないかもしれません。

そこでここでは、事故直後の警察への連絡において伝えるべきことと、現在地が良く分からない場合の伝え方のポイントについて紹介します。

交通事故後、警察への連絡で伝えるべき6項目

交通事故発生により道路交通法に規定されている報告しなければならない内容は、以下の通りです。

  • 交通事故の発生日時と場所
  • 交通事故による負傷者と死傷者の人数
  • 負傷者の負傷の程度
  • 損壊した物と、損壊の程度
  • 交通事故の車両等の積載物
  • 交通事故について講じた措置

警察に連絡すると、基本的には警察側から上記について質問してもらえるので、落ち着いて一つずつ答えていきましょう。

交通事故現場の住所がわからないときの伝え方

あまり詳しくない場所で交通事故にあった場合、住所を聞かれてもすぐには答えられない可能性があります。

そのような場合は、次のようなものを確認してみてください。

  • 自動販売機のステッカーに記載されている住所
  • 信号機や電柱の地名表示

交通事故を警察に連絡する際の注意点

つづいて、交通事故を警察に報告するにあたって気を付けるべきことについて解説します。

のちの損害賠償請求に影響しうる点もあるので、しっかり確認していきましょう。

軽い事故・駐車場での事故でも通報を

大きなケガのない軽い事故の場合、お互いに謝り合ってそのまま解散してしまうことがあります。
また、「駐車場での事故は警察への連絡義務がない」と思っている人も多いです。

しかし、軽い事故や駐車場での事故であっても、警察に通報しましょう。
すでに解説したように、交通事故を警察に通報することは道路交通法上の義務ですし、あとからむちうちなどの症状がひどくなり、結果として相手に対する損害賠償請求が必要になる可能性もあるからです。

また、駐車場に関しては、確かに私有地であれば警察への届出は義務ではありません。
しかし、スーパーやレジャー施設など、不特定多数の車が出入りする駐車場であれば、警察への届出義務があるので必ず通報しましょう。

なお、当て逃げの場合は私有地の駐車場であっても警察に連絡することをおすすめします。
加害者特定に向けた捜査をしてもらえる可能性があるからです。

駐車場で当て逃げされてお困りの場合は、『駐車場での当て逃げ事故の対処法』の記事も参考にしてみてください。

事故現場で示談に合意しない

警察に連絡した後、到着するまでの間に加害者側から示談を提案されることがありますが、合意してはいけません。

一度示談してしまうと、原則として追加の賠償請求や示談内容の撤回はできません。よって、その場で示談してしまうと、あとから新たな損害が発覚しても泣き寝入りせざるを得ないリスクがあります。

なお、示談は口頭でも成立してしまいます。
示談を求められてその場しのぎで合意することも絶対に避けましょう。

警察が到着するまで、他のところに電話しない

交通事故にあったら、警察だけではなく自身の加入する保険会社への連絡も必要です。場合によっては家族や勤務先への連絡も必要になるでしょう。

しかし、警察が到着するまでの間、他のところへの電話は避けてください。警察が事故現場に向かう途中で、折り返し連絡してくる可能性があるからです。

どうしても早く家族などに連絡したい場合は、メールなどを利用しましょう。
保険会社に対しても、インターネット上あるいは専用アプリから連絡を入れられる場合があります。

加害者から通報しないよう頼まれても、断る

交通事故にあうと、加害者側から警察に連絡しないよう頼まれることがあります。
警察に連絡されてしまうと、免許に違反点数が加点されたり、刑事責任に問われたりすることが考えられるからです。

相手に悪気がなく反省している様子が見受けられたり、仕事や子供の迎えに遅れてしまうと言われたりすると、警察への連絡を見逃したくなるかもしれません。

しかし、すでに解説した通り、警察に連絡することは法律上の義務ですし、警察への連絡を怠ると、保険金請求で必要な交通事故証明書が交付されません。

さらに、以下のような事態が発生する可能性もあるので、必ず警察に連絡を入れましょう。

  • 相手が逃亡して連絡が取れなくなる
  • 後日、交通事故が発生したこと自体を相手に否定される可能性がある

警察への連絡は事故直後が望ましいですが、あとからでも可能です。
もし警察に連絡しないままになってしまったら、後日でもいいので必ず届け出ましょう。

交通事故を警察に連絡した後の流れ

交通事故が起きた場合、まずすべきことは現場の安全確保とケガ人の救護、そして警察への連絡です。

しかし、事故処理はそれで終わりではありません。
警察へ交通事故を報告した後、どんなことをしなければならないのか解説していきます。

(1)警察の到着まで|加害者との情報交換

警察への連絡が終わったら、警察が到着するまでの間に、交通事故の相手方に氏名、住所、電話番号、勤務先、加入している保険などを確認してください。
口頭で確認するだけではなく、免許証や社員証、保険証書などを見せてもらい、写真を撮らせてもらっておくとなお良いです。

特に、相手が任意保険に入っているかどうかは今後の損害賠償請求にもかかわってくる重要な部分です。
任意保険に入っているか、入っているならどこの保険会社かなど、聞き出しておきましょう。

また、次のこともしておくと、のちに加害者側と事故状況をめぐって争いになった場合も安心です。

  • 事故の目撃者に連絡先を聞き、今後証言が必要になった際に協力してほしいと伝える
  • 自身や事故の相手方の車にドライブレコーダーがついていれば、録画が上書きされないよう設定しておく
  • 周りにドライブレコーダーの付いた車や防犯カメラはないか確認しておく

(2)警察到着後|実況見分・聞き取り捜査に協力する

警察が到着すると、実況見分捜査や聞き取り捜査が行われます。
捜査内容をまとめた書類はのちの示談交渉でも重要になってくるので、しっかり協力しましょう。

なお、大きなケガをしていて速やかに受診する必要がある場合は、後日捜査がおこなわれることもあります。

実況見分捜査とは

実況見分とは、警察が実際に事故現場を見ながら、事故発生時の状況や事故現場の様子、事故車両などを確認・捜査することです。
実況見分は人身事故の場合はおこなわれますが、物損事故の場合は基本的に行われません。

任意ではありますが、事故当事者の立会いも求められるので、基本的には協力しましょう。所要時間は一般的に、数十分~2時間程度です。

実況見分捜査が終わると、以下のような内容をまとめた「実況見分調書」が作成されます。

  • 実況見分を行った日時と場所
  • 事故車両の車両番号、損傷した部位、損傷の程度など
  • 路面の状態や交通規制の有無といった事故現場の道路状況
  • 事故を目視した時点、ブレーキを操作した地点などの立会人の説明
  • 現場の見取り図や写真など

実況見分調書は示談交渉の際、事故時の状況を証明する重要な書類となるので、警察から何か聞かれたときは、冷静かつ正確に答えるようにしましょう。

実況見分捜査の詳しい内容や流れ、注意点は『実況見分の内容や流れ、かかる時間は?過失割合への影響もわかる』で解説しています。

聞き取り捜査とは

聞き取り捜査とは、警察署にて警察官が事故当事者に、交通事故に関することを聞き取ることです。人身事故であっても物損事故であっても、聞き取り捜査はおこなわれます。

主に聞かれる内容としては、次のようなものがあります。

  • 事故状況の再確認
    • 事故時の現場の見通しはどうだったか
    • 自分や相手車両の走行速度はどれくらいだったか
    • 信号は何色だったか
    • 事故のどれくらい前に相手車両を認識し、危険を感じたか
    • 車両に何か問題はなかったか
  • 事故相手に対する処罰感情

聞き取り捜査では、当事者の主観的な認識についても聞かれ、その内容は「供述調書」という書類にまとめられます。
主張が二転三転すると信用を失ってしまうので、注意しましょう。

捜査協力時のポイント

交通事故について警察の捜査に協力する場合は、把握していることを正確かつ誠実に伝えることが大切です。

ただし、自分にとって不利益になる可能性がある情報まで積極的に供述する必要はありません。

示談交渉や裁判で不利になる可能性があるので、「自分にも非があったかもしれない」と思ったとしても、それを口に出す必要はないのです。

なお、実況見分調書や供述証書が作成されると、内容を確認したうえで署名を求められます。
自分の言ったことと食い違う内容が書かれている場合には、うやむやにせずにきちんと主張しましょう。

(3)受診・治療・示談交渉

警察への対応が終わったら、病院で診察してもらいましょう。
交通事故の場合、事故直後は異常を感じなかったのに、日が経つにつれて痛みやしびれが出てくることもあります。

事故から数日たって初めて病院へ行っても、事故とケガとの関連性がわかりにくくなってしまうので、ケガはないと思っても早いうちに病院で診てもらうことが大切です。

その後、治療をおこなった後は、加害者側との示談交渉が始まります。

事故発生後のより詳しい流れや示談交渉については、以下の関連記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

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初診を終えたら弁護士に無料相談することがおすすめ

治療や示談交渉の際には、加害者側の保険会社とのやり取りが必要になります。
その中で、治療費を打ち切られたり、被害者側の主張を聞き入れてもらえなかったりといったトラブルが生じることが非常に多いです。

また、治療期間中に慰謝料減額の原因となる行動をしてしまうと、いくら示談交渉を頑張っても、挽回は困難です。

よって、一度病院で診察を受け、ケガの状況がわかったら、弁護士に今後の流れや注意点について相談してみてください。

アトム法律事務所では、電話やLINEから無料で相談が可能です。
相談のみのご利用も可能ですし、「弁護士費用特約」を使えば弁護士費用が実質無料になるので、お気軽にご連絡ください。

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まとめ

交通事故を警察に通報しなかった場合、道路交通法上の報告義務違反になる、実況見分調書が作成されない、交通事故証明書が作成されないなどのデメリットがあります。
それによって、交通事故の相手に事故自体を否定される、相手と連絡が取れなくなる、保険金請求が難しくなるなどの不利益を受ける可能性があるのです。

そのため、通報しないように相手に依頼されたとしても、あるいは損害が軽微であっても、交通事故にあったら必ず警察に通報しましょう。

警察への通報後の対応については、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

アトム法律事務所は交通事故事件を多く取り扱っているので、交通事故事件の経験が豊富な弁護士に相談することが可能です。
無料法律相談の受付を24時間対応で行っているので、一度気軽にご連絡ください。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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