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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
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玉突き事故とは、3台以上の車両が次々と追突する交通事故です。
たとえば、一番後ろの車が前方車両に追突し、その勢いで押された車がさらに前方の車両に追突する交通事故(3車の玉突き事故)を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
玉突き事故は、渋滞中など車間距離が狭くなっているケースで発生しやすい傾向があります。一般道路だけではなく高速道路上で玉突き事故が発生するケースも少なくありません。
当事者は3台とは限らず、4台以上になる可能性もあります。
玉突き事故の場合、基本の過失割合はどのくらいになるのでしょうか?
過失割合とは、交通事故の当事者それぞれの責任割合です。
多くの交通事故は、どちらかの当事者の一方的過失によるものではありません。双方に過失が認められるケースが多数です。そこで、どちらにどの程度の過失があるのかを明らかにする必要があります。そのための「割合」が過失割合です。
自分に過失割合があると、その分相手に請求できる損害賠償額が減額されます。これが「過失相殺」です。たとえば、損害額が1,000万円でも、自分の過失割合が30%なら過失相殺によって請求金額が30%減となり、相手には700万円しか請求できません。
交通事故に遭ったときには、自分の過失割合を過大にされないように注意すべきといえるでしょう。
交通事故の過失割合については、事故状況に応じて法的な基準が構築されています。
玉突き事故では、前方で追突された車両に過失は認められません。追突した車両の過失割合が100%となり、追突された車両の過失割合は0%となるのが基本です。
玉突き事故の過失割合は、基本的に「2車間の追突事故の過失割合」を用いて算定されます。
「追突事故」とは後ろの車両が前方車両へ一方的に追突した交通事故のことです。玉突き事故で3台以上の当事者がいても、原則、最初に追突した最後方の車両が100%の過失を負います。
追突事故の基本の過失割合は、以下の通りです。
追突事故の基本の過失割合
追突車:被追突車=100%:0%
被追突車は道路交通のルールを守って走行していたにもかかわらず、後方車両が車間距離をとっていなかったり前方不注視や不適切なハンドルブレーキ操作をしたりして追突しています。後ろの車両の過失割合は極めて高いといえるでしょう。
たとえば、A車が前方を走行しており、その後ろにB車、さらに後ろをC車が走行していたとしましょう。この状況下において、C車がB車へ追突し、B車がA車へ追突する玉突き事故が発生したとします。
この場合の基本の過失割合は、C車が100%となります。A車やB車に過失割合はありません。
ひと言で「玉突き事故」といっても、さまざまな状況が考えられます。
以下ではパターン別の玉突き事故の過失割合をみていきましょう。
追突事故が発生したとき、前方車両には基本的に過失が認められません。
しかし必要もないのに急ブレーキを踏んだ場合には、高い危険を発生させたといえます。そこで前方車両が急ブレーキを踏んだケースでは、前方車両にも過失割合が発生します。
具体的には前方車両(急ブレーキ車両):後方車両(追突車)=30%:70%となるとなります。
たとえば、A車が先頭を走行していて次にB車、最後尾をC車が走行していたところ、B車が急ブレーキを踏んでC車がB車へ追突したとしましょう。B車が衝撃で押し出されてA車に追突しました。
この場合、B車の過失割合が30%、C車の過失割合が70%、A車の過失割合は0%となります。
A車が急ブレーキを踏んだ場合には、A車に30%程度の過失割合が認められるでしょう。
道路を走行する場合には、適切にハンドルやブレーキの操作を行う必要があります。
たとえ急ブレーキを踏まなくても、不適切なハンドルブレーキ操作によって危険を生じさせたら過失があるといえるでしょう。
そこで前方車両が急ブレーキを踏まなくても、不適切なハンドル操作、ブレーキ操作を行って玉突き事故の原因を作ったら、前方車両に20%程度の過失割合が認められます。
A車、B車、C車がつらなっているときにB車が「ふらふら運転」などによって危険を発生させて玉突き事故が発生したとしましょう。
この場合、B車の過失割合が20%、C車の過失割合が80%、A車の過失割合が0%となります。
過失割合には「修正要素」という考え方があります。修正要素とは、事故の個別事情によって基本の過失割合を修正すべきという考え方です。
たとえば、一般道路での追突事故では、事故現場が住宅街や商店街であれば追突車の過失割合が10%程度上がります。
追突車に時速15キロメートル以上の速度違反があれば追突車に10%程度、追突車に時速30キロメートル以上の速度違反があれば追突車に20%程度の過失割合が加算されます。
反対に、事故現場が幹線道路で被追突車が道路上に停止していた場合、被追突車の過失割合が10%程度上がります。被追突車のブレーキ灯が故障していた場合には、被追突車の過失割合が10~20%程度加算されます。
上記の他、それぞれの車両に著しい過失や重過失があれば、過失割合が10~20%加算されます。
このように、玉突き事故であっても個別事情により過失割合は変わってくるので、正しい知識を持って慎重に過失割合を判断しましょう。
高速道路上で玉突き事故が発生した場合、一般道とは過失割合が異なります。
一般道路上では、駐停車している車両へ追突すると、追突車両の過失割合が100%となります。
しかし、高速道路上では、すべての車両が最低速度以上で走行しなければなりません。それにもかかわらず本線上で駐停車するのは極めて危険といえるでしょう。そこで駐停車していた前方車両に高い過失が認められます。
高速道路上で前方車両が駐停車していた場合に追突事故が発生すると、前方車両の過失割合が40%、後方車両の過失割合が60%となります。
玉突き事故のケースでも、基本的にはこの割合が適用されると考えましょう。
高速道路上で駐停車していたとしても、やむを得ない事情があったケースも考えられます。
たとえば、渋滞に巻き込まれた場合、自分に過失のない交通事故に巻き込まれた場合などです。
そういったケースでは、たとえ駐停車していたとしても前方車両に過失割合が認められない可能性があります。
また退避する場所がないのでやむを得ず本線上に駐停車しており、きちんと停止表示機材を置いている場合もあるでしょう。そういったケースでは、たとえ高速道路上で駐停車していたとしても、過失の程度が軽くなります。10~20%程度、過失割合が減算修正されると考えてください。
玉突き事故に巻き込まれた場合、誰に損害賠償請求すれば良いのでしょうか?
通常の2者間の交通事故の場合には、「事故の相手方」へ損害賠償請求を行います。しかし玉突き事故の場合には当事者が3人以上いるので、だれにどのくらいの請求ができるのか、わかりにくくなり、注意が必要です。
玉突き事故における損害賠償請求の相手は「過失」がある人です。
たとえば、A車が先頭を走行していて次にB車、最後尾をC車が走行しており、C車が玉突き事故を起こしたとしましょう。この場合、A車とB車の過失割合は0%、C車の過失割合が100%です。
そこでA車とB車のドライバーはC車のドライバーへと損害賠償請求を行います。C車が保険会社に加入していたら、C車の保険会社の担当者と示談交渉を進める必要があるでしょう。A車やB車のドライバーには過失がないので、これらのドライバーには損害賠償請求できません。
B車が急ブレーキを踏んだためにB車にも30%程度の過失割合が認められる場合には、B車のドライバーも損害賠償に応じなければなりません。A車やC車のドライバーはB車のドライバーや保険会社へと損害賠償請求できる可能性があります。
玉突き事故では、2人以上のドライバーに過失が認められるケースも少なくありません。
その場合、被害者は誰に損害賠償請求をしてもかまいません。
事故を発生させた過失のあるドライバーは全員「共同不法行為者」となるからです。
1つの交通事故によって発生した損害については、事故を発生させた人がまとめて責任をとらねばなりません。賠償金は、どちらに対しても全額請求できます。共同不法行為者は債務の全額を支払わねばならない、という「連帯債務」を負うためです。
たとえば、B車の過失割合が30%、C車の過失割合が70%のケースでA車が損害賠償請求をするとしましょう。
この場合、A車のドライバーは、B車のドライバーにもC車のドライバーにも全額(100%)の賠償金を請求できます。B車へ70%、C車へ30%などと分けて請求する必要はありません。どちらか支払能力の高そうな方へ請求するのが得策です。
玉突き事故の過失割合の考え方は非常に複雑です。基本的には追突事故の過失割合を適用するとはいえ、状況に応じた修正が不可欠となるでしょう。
適切な過失割合をあてはめないと、不利益が大きくなってしまいます。交通事故に遭って対応に迷われているなら、まずは一度弁護士へ相談してみましょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
英語:TOEIC925点
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