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交通事故の過失割合に納得いかない・おかしい!変更方法とゴネ得への対処法

交通事故で加害者側から提示された過失割合に納得いかない場合や、おかしいと感じた場合は、過失割合の変更交渉が可能です。
しかし、加害者側の任意保険会社は示談交渉のプロであり、過失割合は示談金額にも影響してくるため、過失割合の変更は簡単ではありません。
過失割合を変更するためには、相手に過失割合の根拠を聞く、事故状況を示す証拠を提示する、似た事故の判例・専門書の記載を提示する、弁護士に交渉を任せるといった方法があげられます。
加害者側が「ゴネ得」を狙い、被害者の過失を大きくしようと頑なに主張を曲げないこともあります。
納得いかない過失割合を変更させ、ゴネ得を許さず適正な示談金額を受け取るためのコツを見ていきましょう。
なお、本記事は「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)に記載されている情報をベースにすることとします。
むちうちの増額事例
弁護士相談の段階で後遺障害等級が既に認定済だったものの、慰謝料などの金額に増額の余地があったケース。

弁護活動の成果
提示額の137万円から、最終的な受取金額が312万円まで増額された。
年齢、職業
20~30代、会社員
傷病名
むちうち
後遺障害等級
14級9号
目次

納得いかない過失割合の変更方法
加害者側から提示された過失割合に納得いかない、おかしいと感じたときには、過失割合の変更を求めることができます。
過失割合を変更する方法としては、以下の4つがあげられます。
過失割合の変更方法
- 相手に過失割合の根拠を聞く
- 事故状況を示す証拠を提示する
- 似た事故の判例・専門書の記載を提示する
- 弁護士を立てて示談交渉する
(1)相手に過失割合の根拠を聞く|具体的な確認事項3つ
相手に提示された過失割合に納得いかない場合は、まずなぜその過失割合になったのか、根拠を確認しましょう。
具体的には以下の3点を確認してみてください。
3つの確認ポイント
- 基本の過失割合にどの事故類型のものを用いたか
- どんな修正要素で、どれくらい過失割合を変動させたか
- どのような資料・証言から事故時の状況を確認したか
それぞれくわしく説明します。
1.基本の過失割合にどの事故類型のものを用いたか
交通事故の過失割合は、事故態様・類型ごとに決まった「基本の過失割合」を基準として、あとから説明する修正要素を加えていき、最終決定していきます。
よって、基準にする事故類型が不適切だと、適切な過失割合を求めることができません。
もし、相手方が根拠とする基本の過失割合よりも、もっと実際の事故に近い事故類型の基本の過失割合があるなら、基本の過失割合から変更を求めることが必要になります。
2.どんな修正要素で、どれくらい過失割合を変動させたか
基本の過失割合を決めたら、つづいて修正要素を検討します。
修正要素には当事者の車両の速度、道路状況、事故発生時の時間帯、当事者の年齢など様々にありますので、事故状況を正確に、もれなくチェックせねばなりません。
見落とされている修正要素がある場合や、修正要素による過失割合の増減幅が正しくない場合はその旨を主張していきましょう。
3.どのような資料・証言から事故時の状況を確認したか
加害者の証言のみから事故状況を確認していた場合は、加害者側がゴネ得を狙って、事実と異なる説明をしていることもあります。
より客観性のある書類や資料を提示しましょう。
(2)事故状況を示す証拠を提示する
正しい事故状況の把握は、正しい過失割合算定の基本です。
相手方が主張する事故状況が間違っている場合は、以下の証拠を示しながら正しい事故状況を主張しましょう。
- ドライブレコーダーの映像
- 事故現場の監視カメラの映像
- 事故現場の写真
- 事故車両の写真
- 実況見分調書、その他警察による刑事的な記録
- 信号機の有無やサイクルの記録
そのうえで、参考にすべき事故類型や反映させるべき修正要素を改めて検討し直します。
これらの証拠を被害者ご自身の力で集めるのは非常に大変ですが、弁護士なら職権により可能です。
お困りの場合はお気軽に弁護士にご相談ください。
(3)似た事故の判例・専門書の記載を提示する
事故状況についてはおおむね同意するものの、過失割合には納得いかないという場合は、過去の裁判例や専門書等の引用によって法的根拠を示したうえで、過失割合の変更を交渉します。
ただし、過去の判例や法的知識に関しては、加害者側の任意保険会社の方が詳しいことがほとんどです。
被害者側が判例や専門書を提示しても、加害者側がさらに有力な判例・専門書を出してくることは十分に考えられます。
知識量では任意保険会社の方が圧倒的に有利なので、法的根拠の揃え方については弁護士に相談しておくことをおすすめします。
(4)弁護士を立てて示談交渉する
納得いかない過失割合を変更させるための交渉のコツはさまざまありますが、現実的な話をすると、過失割合を変更できるかどうかは最終的には交渉力にかかっていると言わざるを得ません。
任意保険会社もプロなので、いくら証拠や根拠を揃えて過失割合変更を主張しても、簡単には聞き入れてくれないのです。
以下のような点で苦労することも十分に考えられます。
- 一見被害者側の主張が聞き入れられたように思えても、実は加害者側に都合良く話が進んでいる
- 「専門家ではない被害者が判例や専門書の内容を正しく解釈しているとは言えないため、被害者が提示する証拠・根拠には説得力がない」と反論され、なす術がなくなる
よって、より確実に適切な過失割合にしたい場合には、弁護士に示談交渉を任せることをおすすめします。
示談が成立した後にやはり過失割合がおかしいと思っても、示談交渉のやり直しや追加請求は難しいです。過失割合に納得がいかないときはまず弁護士に相談してください。

なぜおかしな過失割合になる?加害者がゴネる理由
なぜおかしな過失割合になってしまうのか、その理由のひとつが加害者のゴネ得です。
加害者の任意保険会社が提示する過失割合がおかしなものになってしまうメカニズムを説明します。
過失割合の決め方が加害者寄りになっている
過失割合は交通事故の当事者間で決められ、「基本の過失割合」に「修正要素」を反映させて算定します。
基本の過失割合
追突事故、交差点の出会いがしらでの事故など、事故類型別に定められている基本的な過失割合。
「別冊判例タイムズ38」(東京地裁民事交通訴訟研究会編)などの書籍に記載されている。
修正要素は、個々の事故特有の事故状況を、基本の過失割合に反映させるためのものです。飛び出し、速度違反などさまざまあり、それぞれに過失割合+5%、-10%などの目安が決められています。
「どの事故類型にあてはめて基本の過失割合を確認するか」「どの修正要素をどの程度適用するか」によって、事故の過失割合は変わってしまうのです。
加害者側は、過失相殺による損害賠償金の減額を大きくするため、加害者にとって都合のいい基本の過失割合や修正要素を採用することで、あえて被害者側の過失割合を多めに見積もることがあります。
過失相殺
被害者側についた過失割合分、被害者が受け取れる損害賠償金を減額すること。
よって、加害者側からいくら「これが正しい過失割合だ」と言われたとしても、納得いかないなら鵜呑みにせず、一度弁護士に正しい過失割合を確認しましょう。
電話やLINEで事故時の状況をお伝えください。過失割合の見通しを、交通事故にくわしい弁護士の目線でお伝えします。

過失割合の事例も紹介
例えば信号機の無い交差点での右折車と直進車の事故を例に挙げると、次の通りです。

この事故における基本の過失割合はA車20対B車80で、事故状況に応じて以下の修正要素が適用されます。
修正要素
修正要素 | 修正の程度 |
---|---|
B車が既右折*1 | A車に+20 |
A車が15km以上の速度違反 | A車に+10 |
A車が30km以上の速度違反 | A車に+20 |
その他A車に著しい過失 | A車に+10 |
その他A車に重大な過失 | A車に+20 |
B車が徐行をしなかった*2 | B車に+10 |
B車が直近右折*3 | B車に+10 |
B車が早回り右折*4 | B車に+5 |
B車が大回り右折*5 | B車に+5 |
B車が合図をしなかった | B車に+10 |
その他B車に著しい過失・重過失 | B車に+10 |
*1 既右折とは右折車が右折を完了している、もしくはそれに近い状態にあること
*2 徐行とは右折車としての通常の速度のこと
*3 直近右折とは直進車の至近距離で右折すること
*4 交差点の中心の直近の内側に寄らず右折すること
*5 あらかじめ道路の中央に寄らず右折すること
たとえば加害者であるB車が大回り右折をしていたとしても、加害者側の任意保険会社はそれを考慮せず過失割合を算定している可能性があります。
この場合、本来加害者側に5%の過失割合が加算されるべきところ、されないまま過失割合が出されてしまうのです。
加害者がゴネ得を狙う理由も過失相殺にある
「ゴネ得」とは、交渉において頑なに主張を通そうとしたり、相手の主張を聞き入れなかったりして、思い通りの結果を得ようとすることです。
過失割合は示談金額を大きく左右するポイントです。特に、重大な傷害事故や死亡事故では示談金が高額になりやすく、示談金額そのものを下げることは難しい傾向にあります。
よって、加害者は被害者の過失を大きくすることで、過失相殺により示談金を減らそうとゴネることがあるのです。
他にも以下の点で、加害者がゴネ得を狙ってくることがあります。
- ゴネ続ければ被害者側が折れると思っている
- 具体的にどこがおかしいかわからないが、過失割合に納得いかない
- 証拠や根拠が揃っていても、過失割合が単純に気に入らない
- 被害者の態度に不満があって、自分の過失を認めたくない
加害者側の保険会社は契約者である加害者に代わって示談を行っているので、たとえ明らかに過失割合がおかしくても、契約者の気持ちを無視して勝手に示談を進めることはできません。
こうした点も、ゴネ得の背景として考えられます。
加害者側がゴネ得を狙ってくると、示談交渉が長引き「示談金の受け取りが遅くなる」「精神的に疲れる」などのデメリットが生じます。
加害者側が根拠もなくゴネてきたら、速やかに弁護士にご相談ください。
電話・LINEで無料で専門家の見解を聞けます。無料相談だけのご利用ももちろんOKです。

関連記事
交通事故の示談にかかる期間の目安は?早く終わらせたいときの対処法
過失割合でゴネ得を狙う加害者への対処法
過失割合の変更を求めて交渉していると、加害者側が何かしら理由を付けてゴネて主張を通そうとしてくることがあります。
本来とは異なる過失割合と低い慰謝料での示談をねらう「ゴネ得」への対処法について、いくつかのパターンに分けて紹介します。
パターン(1)お互い様で過失割合5対5とゴネてくる
過失割合5対5とは、交通事故の責任を双方が50%ずつ持っているという状態です。
過失割合5対5の状態とは
過失割合が5対5となると損害賠償金を半分しかもらえず、おまけに相手の損害の半分を支払わねばならないことを意味します。
たとえば、被害者側の損害が200万円、相手の損害が300万円だとしましょう。過失割合が5対5のとき、被害者は100万円しか賠償してもらえないのに、150万円支払うことになるのです。
仮にどちらも走行中の事故では、「お互い様の事故だから、過失割合は5対5」とゴネてくる可能性があります。
しかし、交通事故では歩行者・自転車・バイク・車の順に「交通事故において弱い立場」とされ、弱い立場であるほど過失は小さくなる傾向にあります。
また、過失割合には道幅、スピード、信号の色など様々な要素が関連するので、仮に「お互い様」と思えるような事故だったとしても、過失割合5対5とは言い切れません。
たしかに双方に一定の過失があっても、5対5という過失割合の妥当性は専門家に聞いてみるべきです。一度弁護士への法律相談でアドバイスをもらいましょう。
なお、過失割合5対5の賠償金計算の流れや過失割合の交渉の要点は、関連記事『事故の過失割合が5対5とは?有効な賠償請求と過失割合の変更方法』を参考にしてみてください。
パターン(2)事故状況を示す十分な証拠がなくゴネてくる
事故状況を示す十分な証拠が用意できない場合は、相手方もゴネてきやすく、過失割合変更の交渉が難航しやすいです。
具体的には次のようなケースが挙げられます。
証拠が少なくなるケース
- 警察による実況見分調書が作成されていない
- 証拠があってもわからない部分がある
交通事故でケガをしているなら、人身事故として届け出ることが原則です。しかし、なかには警察に物損事故として届け出ていたり、警察に事故報告すらしなかったりといったケースもあります。
そうすると警察にて実況見分調書という書類が作成されません。実況見分調書は事故現場を詳細に確認した資料であり、示談交渉においては客観的な証拠の一つといえます。
実況見分調書がない場合、こうした証拠が一つ欠けた状態となるのです。
また、ドライブレコーダーの映像はあるが、重要な部分が死角になっていたり、事故の瞬間・直後で映像が切れたりしていると、証拠として不十分な恐れがあります。
ドライブレコーダーの例のように、証拠があると思っていても、よく見てみると証拠として不十分な場合もあります。
過失割合変更のための証拠をそろえる際は、証拠として十分に通用するかよく確認しておきましょう。
パターン(3)参考にできる判例が少なくゴネてくる
交通事故の過失割合は、過去の判例や事故類型ごとに定められる「基本の過失割合」に基づいて判断されます。
しかし、駐車場での事故や自転車同士の事故のように、判例が少なかったり、そもそも事故類型が設定されていなかったりして、過失割合の算定が難しいことがあります。
こうした場合、「ゴネた方が得」と判断した加害者側が頑なに自身の主張をしてくることが考えられます。
このように判例が少ない事故や事故類型が設定されていない事故の過失割合の算定は非常に難しく、専門知識が必要です。
速やかに交渉を進めるためにも、ぜひ弁護士にご相談ください。

駐車場での事故や自転車同士の事故の過失割合については、下記関連記事でも解説していますので参考にしてください。
パターン(4)動く車同士の事故で10対0はありえないとゴネてくる
加害者の中には、「被害者が停止していて加害者が一方的に衝突したならまだしも、被害者も動いていたのだから過失割10対0はありえない」と言ってくる人もいます。
確かに、例えば追突事故の過失割合は基本的に10対0ですが、追突された側も動いていた場合は追突された側にも過失がつくことが多いです。
しかし、特に根拠もないのに「被害者側も少し動いていた」「わざとブレーキを踏んだ」などとおかしな言いがかりをつけてきて、過失割合は95対5であると主張する加害者もいます。
また、過失割合の算定では様々な修正要素を反映させていくため、たとえ被害者側も動いていたとしても、過失割合10対0になる可能性はあります。
こうしたことから、「被害者も動いていたから被害者にも過失がある」という主張は鵜呑みにすべきではありません。
過失割合が95対5となって被害者に過失が5%でもつくと、受けとれる賠償金は5%減るだけでなく、相手方の損害分について5%支払うことになってしまいます。
納得いかない過失割合で妥協するリスク
納得いかない過失割合で妥協すると、次のリスクが生じます。
- 過失相殺で示談金も納得いかない金額になる
- 納得いかないまま加害者に示談金を支払うことになる
それぞれについて解説します。
過失相殺で示談金も納得いかない金額になる
交通事故では過失相殺により、被害者側についた過失割合分、受け取れる示談金が減額されます。
つまり、納得いかない過失割合のまま合意してしまうと、その分過失相殺による減額が大きくなり、受け取れる示談金までもが納得いかないものになってしまうのです。
反対に言えば、不当に多く見積もられた過失割合を減らせられれば、その分受け取れる示談金額が増えます。
必要以上に示談金が減額されることを防ぐためにも、納得いかない過失割合についてしっかりと訂正を求めることは重要です。
関連記事では、具体例とともに過失相殺の計算方法を解説しています。過失相殺になったら自分がもらえる金額はどうなるか、相手に支払わないといけない金額の計算方法などもわかるので、参考にしてください。
過失割合変更で示談金が増えた事例|アトム法律事務所の実例より
過失割合が変更されたことにより賠償金が増額されたという事例は数多くあります。
当事務所でとり扱ってきた事案の中で、実際に過失割合変更となり賠償金増額となった事例をご紹介します。
事例1 自動車同士の事故事例
- 事故の概要
信号のない交差点において被害者車両が直進中、左方から加害者車両が突っ込んできたという事故 - 保険会社の過失割合の主張
80対20 - 実際の過失割合
90対10 - 賠償金の金額
保険会社提示 33万4400円
最終回収金額 60万7800円
27万3400円の増額
事例2 自転車と自動車の事故
- 事故の概要
信号のある交差点で被害者自転車が直進中、右折してきた相手車両と衝突したという事故 - 保険会社の過失割合の主張
90対10 - 実際の過失割合
95対5 - 賠償金の金額
保険会社提示 60万円
最終回収金額 80万円
20万円の増額
こちらの事例は当初、保険会社は過失割合について95対5を主張していたところ、示談交渉が進むうちに90対10を主張するようになったという事例です。
弁護士が加入し再度交渉に臨んだところ、当初の提示通り95対5の過失割合に戻すことができました。
事例3 自転車同士の事故
- 事故の概要
細い路地の交差点において加害者自転車がノーブレーキで交差点に突っ込んできたところ被害者自転車に衝突したという事故 - 保険会社の過失割合の主張
80対20 - 実際の過失割合
90対10 - 賠償金の金額
保険会社提示 55万5030円
最終回収金額 105万円
49万4970円の増額
こちらの事故についても当初、保険会社は90対10の提示をしていたのに、交渉が進む中、突然80対20の主張をするようになりました。
弁護士が介入したところ当初の主張通り90対10の過失割合に戻すことができました。
納得いかないまま加害者に示談金を支払うことになる
交通事故では自身に過失割合がつくと、被害者でも加害者から請求されている賠償金のうち、自身の過失割合分を支払わなければなりません。
たとえば事故で加害者の車が損傷した場合、加害者は修理費を請求してきます。
30万円の修理費を請求されていた場合、自身の過失割合が1割なら3万円、2割なら6万円を支払わなければならないのです。
納得いかない過失割合で合意してしまうと、自身が受け取れる示談金が減るだけでなく、加害者に対する支払額も発生し、結果的に手元に入る金額が思っている以上に少なくなりがちです。
過失割合に納得いかないときにすべきこと
過失割合に納得いかない場合は、1人でなんとかしようと交渉を続けたり悩んだりするのではなく、ひとまず専門家である弁護士に相談することが重要です。
弁護士への相談の重要性と、弁護士費用の負担軽減の方法を解説します。
弁護士に見解を聞いてみる|無料で専門家の意見を聞ける
過失割合に納得いかない場合、なによりもまず専門家である弁護士に見解を聞くことが大切です。
過失割合は事故の個別的な事情(修正要素)まで細かく考慮しながら算定していくので、似たような事故であってもまったく違う過失割合になることがあります。
自分自身で「これくらいが正しいはずだ」と思っている過失割合も実際には少し違う可能性があるので、まずは弁護士に厳密な過失割合を確認してみましょう。
過失割合変更の主張をする際にも、被害者自身で算定した過失割合なのか弁護士に聞いた過失割合なのかによって、相手方の納得度も変わってきます。
示談交渉が平行線なら調停・裁判なども視野に入れる
提示された過失割合に納得いかない場合、まずは示談交渉で変更を試みることが一般的です。
示談交渉に費用はかかりませんが、示談成立のためには相手の合意が必要です。
よって、過失割合の変更を求める際は、相手を納得させられるだけの証拠・交渉力が必要になり、もめた場合には交渉が長引くこともあります。
しかし、示談交渉でも相手がゴネて意見を変えてこないときには、ADRや調停、裁判といった異なる手段も視野に入ってくるでしょう。
ADR
ADRとは裁判外紛争解決(Alternative Dispute Resolution)の略です。民間の第三者機関が紛争解決のお手伝いをしてくれます。
ADR機関として有名なのは、日弁連交通事故相談センターや交通事故紛争処理センターです。
基本的に無料で利用できますが、間に入るADR機関はあくまでも中立的な立場をとります。
必ずしも被害者側の味方をしてくれるわけではない点には留意しておきましょう。
調停
調停は、裁判所が第三者として介入する、裁判に拠らない紛争解決の手続きです。
裁判官1名と調停委員2名以上で組織された調停委員会が、被害者と加害者の双方から事情を聴取し、場合によっては調停委員会自らが職権で事実の調査をしたりします。
その後調停案が作成され、当事者双方が納得すれば紛争解決です。
調停が成立した場合、その内容は裁判の判決と同等の効力を持ちます。
この点はメリットと言えますが、調停の申し立てには費用がかかる点、示談交渉と同様に双方の合意が必要な点には要注意です。
示談ではなく調停で交通事故の解決を図るときは、『交通事故の民事調停|示談・裁判との違いは?』の記事をお役立てください。
裁判
裁判は、法廷で被害者と加害者の双方が自身の主張を述べたり証拠を提示したりして、最終的に裁判官が判決を言い渡すという手続きです。
過失割合について争う場合は、裁判所が被害を被ったと主張する人(原告)と被害を与えたとされている人(被告)をそれぞれ呼び出して事情を聴取し、過失割合を決定します。
相手方の合意なく過失割合が決められるため、相手との合意による過失割合決定が難しい場合には裁判となることが多いです。
ただし、裁判には費用と時間がかかること、被害者側にとって納得いかない過失割合になる可能性もあることには注意してください。
裁判についてくわしく知りたい方は『交通事故の裁判の起こし方や流れ|費用・期間や裁判になるケースを解説』をご覧ください。
アトムの無料電話・LINE相談のご案内
アトム法律事務所では、交通事故でケガをされた被害者を対象に、無料電話・LINE相談をおこなっています。

事故相手がおかしな過失割合を提示してくると、示談交渉は停滞します。
解決までに時間がかかるほど、被害者は示談金を受け取りが遅れますし、何より相手方との交渉というストレスに長くさらされてしまうことになるのです。
示談交渉に慣れた弁護士に相談・依頼することで、不当な過失割合での解決を避けましょう。
弁護士さんに相談することは初めてで、最初はとても勇気が要りましたが、優しい対応で安心できました。ありがとうございます。
今後深い話をさせていただく事になると思いますが、是非宜しくお願い致します。
過失割合以外にも以下のようなご依頼に関する疑問にもお答えいたします。
- 自力で過失割合変更の交渉はできる?コツは?
- 弁護士費用はどれくらいかかる?
- 慰謝料の相場は?
まずはお気軽にご相談ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了