後遺障害で逸失利益を請求したい方へ|認定のポイントを判例付きで解説

交通事故によって後遺障害が残った場合、加害者や保険会社に対して「逸失利益(いっしつりえき)」を含む損害賠償を請求することができます。
しかし、保険会社から「逸失利益は発生しない」と言われたり、提示額があまりにも低かったりすることも少なくありません。
本記事では、後遺障害における「逸失利益」が実際にどのような基準で認められているのか、等級ごとの判断や典型的な争点、実際に逸失利益が認められた過去の事例などを、わかりやすく解説します。
収入がない専業主婦や学生でも逸失利益が認められるケースや、弁護士に相談するメリットも紹介していますので、ご自身の状況に当てはまるかどうか、ぜひ参考にしてください
目次
後遺障害による逸失利益の意味や発生原因
そもそも後遺障害の「逸失利益」とは?
逸失利益とは、本来なら将来得ることができたはずの収入が、事故によって得られなくなった分の損害を意味します。
交通事故の損害賠償では、以下の3つが主な項目とされています。
- 治療費など、実際に金銭的な負担をしたという「積極損害」
- 休業による減収など、事故がなければ得られたはずの利益が失われたという「消極損害」
- 事故により生じた精神的損害(苦痛)を補填する「慰謝料」
特に、交通事故で身体に後遺障害が残り、これまでのように働けなくなった場合、本来であれば得られていたはずの給与や報酬が減る、あるいは得られなくなることがあります。
このような将来の減収分については、「消極損害」の内の「逸失利益」として損害賠償請求が可能となるのです。
逸失利益が認められる背景には、「働く能力(労働能力)」が事故によって損なわれたことに対する補償という考え方があります。
実際の収入が今は変わっていないとしても、将来的に影響が予想される場合には請求の対象となるのです。

逸失利益と休業損害との違い
交通事故の損害賠償には「休業損害」という項目もありますが、逸失利益とは意味合いが異なります。
| 項目 | 説明 | 発生する期間 |
|---|---|---|
| 休業損害 | 治療のために仕事を休んだことで得られなかった収入の補填 | 事故から治療終了まで |
| 逸失利益 | 後遺障害により将来的に得られなくなった収入の補填 | 後遺障害が残るかぎり(原則67歳まで) |
休業損害は「一時的な損失」に対する補償であり、治療が終わって復職すれば基本的には発生しません。
一方、逸失利益は「労働能力の永続的な低下」に対する補償なので、後遺障害が残っている限り、将来的な減収リスクに対応する形で認められます。
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なぜ後遺障害で逸失利益が発生するのか
逸失利益は、「労働能力が低下したこと」への補償であるため、後遺障害が認定された際に発生する可能性があります。
たとえ現在の職場に復帰して収入が出ていたとしても、身体に障害が残れば、以下のような減収のリスクがあるためです。
- 将来、体力的な問題で仕事をやめざるを得ない可能性がある
- 転職や昇進の機会が減る、および業務内容の幅が制限される
- 仕事内容によっては継続が困難になる職種もある(たとえば建設作業員や看護師など)
このような将来的な収入の減少リスクに対して、法的には損害賠償によって補償を受けることができるとされています。
また、逸失利益は「完治せずに障害が残った場合」にのみ適用されるため、「後遺障害等級」の認定がされていることが前提となります。
等級によって労働能力喪失率が定められるため、その内容に基づいて逸失利益の金額も大きく変わってきます。
後遺障害による逸失利益の計算方法
基本の計算式|基礎収入 × 喪失率 × 就労可能年数
逸失利益の計算には、以下のような式が使われます。
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 就労可能年数に応じたライプニッツ係数(※)

※本来は将来得られる利益を早期に得られるために生じる、中間利息について調整するための係数です。
この式で重要になるのが、以下の3つです。
- 基礎収入:事故前の収入を基準としますが、無職や主婦、学生でも「想定収入」として基準が存在する。
- 労働能力喪失率:後遺障害の等級に応じた能力の低下度合い(例:1級なら100%、14級なら5%)。
- 就労可能年数:原則として67歳まで働けるものとし、症状固定時の年齢から逆算する。
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後遺障害等級ごとの労働能力喪失率の一覧表
事故後に残った障害の程度は、損害保険料率算出機構などから「後遺障害等級」として認定されます。この等級によって、一般的な労働能力喪失率は以下のように目安が定められています。
| 等級 | 労働能力喪失率 |
|---|---|
| 1 | 100% |
| 2 | 100% |
| 3 | 100% |
| 4 | 92% |
| 5 | 79% |
| 6 | 67% |
| 7 | 56% |
| 8 | 45% |
| 9 | 35% |
| 10 | 27% |
| 11 | 20% |
| 12 | 14% |
| 13 | 9% |
| 14 | 5% |
実際には、年齢や仕事内容、後遺症の影響の程度によって裁判所の判断が変わることも多いため、あくまで参考値と考えてください。
たとえば、交通事故により等級12級(頸椎捻挫等)が認定された人は、「労働能力が14%失われた」と見なされ、逸失利益もこの14%をベースにして計算されます。
後遺障害等級は逸失利益の算定に大きく影響する!
後遺障害の等級が少し変わるだけで、最終的に請求できる逸失利益には大きな差が生まれます。これは、労働能力喪失率が賠償額に直接反映されるからです。
逸失利益の計算例
基礎年収(400万円)、就労可能年数20年のケース
- 12級(喪失率14%):400万円 × 0.14 × 14.8775 = 約833万円
- 10級(喪失率27%):400万円 × 0.27 × 14.8775= 約1606万円
- 9級(喪失率35%):400万円 × 0.35 × 14.8775= 約2082万円
差額を見ても分かるように、等級が一段階上がるだけでも数百万円単位で賠償額が変わってくることがあります。
したがって、「後遺障害等級の適正な認定」を勝ち取ることが、実務上非常に重要になるのです。
適切な資料の提出や、納得のいかない認定結果に対して異議申立てを行うなど、慎重に進める必要があります。
ご自身のケースでどのくらいの逸失利益が見込めるのか、簡単に知りたい方は以下の計算機をお使いください。
後遺障害等級・年齢・年収などを入力するだけで、慰謝料とあわせて逸失利益の目安もわかります。
後遺障害の逸失利益でよくある争点と対処法
逸失利益は交通事故の後遺障害による重要な損害賠償項目ですが、実際の交渉や訴訟では、その認定をめぐってトラブルになることも少なくありません。
特に、実際の収入が減っていない人や、専業主婦・学生・無職など就労していない人の場合、「逸失利益は発生しない」と主張されることがあります。
一方で、これらの立場の被害者でも、労働能力の低下が証明できれば逸失利益の請求が認められるのです。
ここでは、実務でよくある争点と、争点に対応して逸失利益を請求する方法について、具体的に解説します。
収入が減っておらず「逸失利益」が認められない
保険会社がよく述べる主張のひとつに、「事故後も収入が減っていないから、逸失利益は発生していない」というものがあります。
しかし、「収入が変わっていないこと」だけを理由に、逸失利益が認められないということはできません。
具体的には、以下のような事情が認められる場合、逸失利益の請求が認められる可能性があるでしょう。
- 今は働けていても、将来仕事を辞めたり制限されたりするリスクがある場合
- 本来なら昇給やキャリアアップが見込めたのに、それが難しくなった場合
- 本人の努力により収入を維持している場合
- 薬で症状を抑えたり、労働時間を減らして何とか働いている場合
逸失利益は「収入の実損」ではなく、「労働能力の喪失」に基づいて算定されるものであり、事故直後の収入状況だけでは判断できません。
このようなケースでは、収入が現時点で変わっていなくても「労働能力が一部失われている」と評価され、逸失利益が認められることがあるのです。
就労していないので逸失利益が発生していない
専業主婦、学生、年金生活者、求職中の方など、就労していない人も「労働能力の低下」が認められれば逸失利益を請求できる可能性があります。
| 専業主婦 | 家庭内労働にも経済的価値があるとされ、賃金センサスに基づき逸失利益が算定されることが多い |
| 学生 | 高校または大学を卒業後に就職するとされ、賃金センサスを用いて就職後の収入を見積もって算出される |
| 年金生活者、無職 | 年齢や職歴、再就職の可能性、働く意思などを踏まえて個別に評価 |
現在の収入がない場合でも、将来収入を得られる可能性があるのであれば、労働能力の損失によって逸失利益が生じていると判断することができます。
後遺障害が認められるが「就労に影響していない」
保険会社は、「後遺障害があっても仕事には支障ない」として、逸失利益の発生を認めなかったり、労働能力喪失率を低く主張することがあります。
特に、体に傷跡が残ったという醜状障害が認められた場合には、このような主張をされることが多いでしょう。
逸失利益が認められるためには、被害者の職業から外貌が重視されるものであため(接客業・モデルなど)、後遺障害により以前のように仕事ができなくなったこと明らかにする必要があります。
また、被害者がまだ就労していない学生や子どもの場合は、将来の職業選択に不利益が生じることを明らかにすることとなるでしょう。
醜状障害により認められる後遺障害等級や請求できる損害の内容について詳しく知りたい方は『交通事故で傷跡(瘢痕)が残ったら?線状痕等による醜状の後遺障害等級と慰謝料』の記事をご覧ください。
診断書や書類の記載内容から逸失利益が認められない
診断書の記載内容は、逸失利益の認定に大きく影響します。
医師が後遺障害としての症状を正確に記載していなかった場合や、症状の程度が軽く記載されている場合、逸失利益の存在が認められない恐れがあるのです。
特に、以下の書類が適切なものであるかどうかが重要となるでしょう。
- 後遺障害診断書
- 画像診断(CTやMRI)の結果
- 各種検査の結果(痛みや麻痺の残存、可動域制限の有無等)
記載ミスや抜け漏れがある場合は、主治医に再度説明し、再発行をお願いすることも可能です。
また、弁護士を通すことで必要な項目を正確に提示でき、書類の整備がスムーズに進む場合もあります。
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むちうち等の軽微な後遺障害のため逸失利益が認められない
交通事故では、「むちうち(頸椎捻挫・腰椎捻挫)」のような見た目では分かりにくい症状が残ることも少なくありません。
こうしたケースでも、相応の後遺障害等級(多くは14級または12級)が認定されれば、逸失利益を請求することは可能です。
むちうちで後遺障害等級の認定を受けるためには、以下のような対応を取ると良いでしょう。
- なるべく事故発生直後にMRIやCTなどの画像検査を受ける
- 神経学的検査を受けて、検査結果を後遺障害診断書に記載してもらう
- 医師にむちうちにより日常生活や仕事に影響が出ていることをしっかりと伝える
むち打ちで逸失利益が認められるか不安な方は、弁護士に相談して適切な対処法を確認することをおすすめします。
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むちうちで後遺障害等級が認められた事例
アトム法律事務所において、むち打ちによる後遺障害等級が認められた事例を紹介します。
| 傷病名 | 頸椎捻挫、腰椎捻挫 |
| 後遺障害の内容 | 頭部と腰部の痛み、手足のしびれ |
| 後遺障害等級 | 14級9号 |
| 請求金額 | 約310万円 |
T字路における自動車同士の接触事故により、依頼者がむち打ち(頚椎捻挫・腰椎捻挫)の診断を受けました。
頭部や腰部の痛みに加え、手足のしびれもあり、仕事を続けることが困難な状態でした。
依頼を受け、後遺障害等級の認定申請を行ったところ、後遺障害等級14級9号の認定を受けることができたため、後遺障害慰謝料や逸失利益を含めて約310万円の損害賠償請求が認められたのです。
【判例で見る】後遺障害の逸失利益が争点になった事例
実際に逸失利益が認められた裁判例を紹介します。ご自身の状況に近いケースがあるか、参考にしてください。
事故後に減収がなかったが逸失利益が認められた判例
減収がないものの逸失利益を認めた裁判例
神戸地判尼崎支部令1・9・27(平成29年(ワ)473号)
信号待ち停車中の被害者の車に加害者の車が追突。事故により被害者は左肩の腱板を損傷し、後遺障害が残ったという事例。
裁判所の判断
「…原告の努力の成果であるということができるから、後遺障害による逸失利益は生じている…」
神戸地判尼崎支部令1・9・27(平成29年(ワ)473号)
- 事故後に減収がなくても逸失利益を認定。
- 労働能力喪失率14%、逸失期間10年間。
- 後遺障害逸失利益314万7780円。
損害賠償額
614万0,811円
信号待ちで停車中に追突され、頚椎捻挫や左肩半月板損傷などの怪我を負ったという事例です。
左肩腱板の損傷によって左肩の可動域制限や、痛みが残るといった後遺症が残存したため、裁判所は後遺障害等級12級に相当する障害があると判断しました。
加害者側は、事故後も会社員である被害者の収入が減収していないことから、後遺障害による逸失利益は生じていないと主張しました。
しかし、裁判所は「収入が減少していないのは、被害者の努力によるものであるから、労働能力喪失による逸失利益が認められる」と判断したのです。
専業主婦に逸失利益を認めた判例
専業主婦に逸失利益が認められた裁判例
大阪地判平23・12・13(平成21年(ワ)18900号)
自転車で交差点を右折しようとした際、歩道端で水たまりを飛び越そうとした男児が持っていた傘が前輪に挟まり転倒した事例。
裁判所の判断
「…家事従事者の家事労働が財産上の利益を生じうるものであり、金銭的評価が可能である…」
大阪地判平23・12・13(平成21年(ワ)18900号)
- 専業主婦に逸失利益が生じていることを認定。
- 後遺障害等級10級相当、労働能力喪失率27%(6年間)。
- 後遺障害逸失利益:333万5,648円。
損害賠償額
428万548円
自転車を運転中に、近くを歩いていた子供の傘が前輪に挟まったために転倒し、怪我を負ったという事例です。
被害者は怪我により後遺障害等級10級の認定を受けています。
被害者は専業主婦で収入はなかったものの、夫と同居して家事を担っていたことから家事労働により財産上の利益が生じさせていたと判断されました。
そのため、賃金センサスをもとに基礎収入が算出され、約333万円の後遺障害逸失利益が生じていると認められたのです。
学生に逸失利益を認めた判例
学生に逸失利益があるとした裁判例
大阪地判令和2・6・10(平成29年(ワ)9149号)
高校1年生の女子生徒(16歳)が自転車で走行中、後続の大型特殊自動車に衝突され右小指中節骨開放骨折などの重傷を負った事例。
裁判所の判断
「…治療の時間を確保するため、昼間部3年制を諦め、夜間部4年制に進学したことについて、本件事故との因果関係が認められる…」
大阪地裁令和2・6・10(平成29年(ワ)9149号)
- 後遺障害等級13級6号、労働能力喪失率9%を認定。
- 基礎収入は女性高専短大卒の平均賃金394万3,100円を採用。
- 逸失利益として548万1,283円を認容。
損害賠償額
1,166万6,084円
自転車で下校中に、トラックと接触して怪我を負ったという事例です。
被害者は怪我により右小指の可動域が制限され、後遺障害等級13級の認定を受けています。
被害者が事故当時は高校生であり、高校卒業後は専門学校に進学したため、専門学校卒業後から就労可能年齢である67歳までの期間の逸失利益として、約550万円の請求が認められたのです。
無職者に逸失利益を認めた判例
無職者であるか逸失利益が存在するとした裁判例
岡山地判平16・5・7(平成14年(ワ)299号)
定年退職後の無職男性(56歳)が深夜の国道を歩行中、軽四自動車に跳ねられ頸髄損傷等で四肢麻痺となった事例。
裁判所の判断
「…当然求職活動をしていたものと推認され…少なくとも本件事故当時から症状固定時である平成14年10月まで1年半の求職活動をすれば、前職と同程度の収入を得られた蓋然性は高かった…」
岡山地判平16・5・7(平成14年(ワ)299号)
- 前職の年収328万円を基礎収入として認定。
- 症状固定時58歳から67歳までの9年間の逸失利益を算定。
- 逸失利益約1,982万円。
損害賠償額
2,926万1,642円
深夜に車道を歩行していた被害者を自動車がはねたという事例です。
被害者は、怪我により両下肢の完全麻痺となったことから常時介護が必要となったため、後遺障害等級1級の認定を受けました。
被害者は事故当時は無職であったものの、高齢の母親や大学進学を控えた息子がいたことから、家族を扶養するために求職活動をしていたものと推認され、求職活動をすれば前職と同程度の収入が得られた蓋然性が高かったと判断されました。
そのため、退職する前年の収入を基礎収入として、約1980万円の逸失利益が認められたのです。
顔に傷跡が残ったという後遺障害に逸失利益を認めた判例
顔の傷跡に逸失利益を認めた裁判例
横浜地判平26・1・30(平成25年(ワ)1408号)
交差点で信号待ちをしていた女性(45歳・介護職)の車に、赤信号を無視したトラックが衝突した事例。
裁判所の判断
「…外貌醜状が原告の労働能力に影響をもたらすものと認められる…」
横浜地判平26・1・30(平成25年(ワ)1408号)
- 後遺障害等級:併合12級。
- 労働能力喪失率:10%(67歳まで22年間)。
- 逸失利益:466万9,179円。
損害賠償額
846万2,450円
深夜2時過ぎ、交差点で信号待ちをしていた女性(45歳・介護職)の車に、赤信号を無視したトラックが衝突したことで、頭部や顔面を打撲し、眉間に長さ3cm以上の傷痕が残ったという事例です。
裁判所は以下の点を重視して、顔の傷跡に対する逸失利益を認めました。
- 被害者が従事する介護職は「日常的に他人と接し、サービスを提供する職業」であり、円満な人間関係の形成と円滑な意思疎通が必要とされること
- 被害者の年齢等に照らし、今後転職する可能性も否定できないこと
- 現在の職場で働き続けても、昇給・昇格等に影響を及ぼす可能性があること
逸失利益の請求を弁護士に相談・依頼するメリット
交通事故の被害に遭い、後遺障害が残った場合には、弁護士への相談・依頼を行いましょう。
保険会社との示談交渉や損害賠償の請求を被害者一人で進めるには大きな負担となるものです。
また、保険会社から提示される賠償額が必ずしも適正とは限らず、知らずに不当に低い金額で示談してしまうケースも少なくありません。
そこで検討したいのが、「交通事故に強い弁護士へ相談・依頼すること」です。
ここでは、弁護士に相談・依頼することでどのようなメリットを得られるのかを、ポイントを整理して解説します。
適正な基礎収入の主張や等級認定のサポート
弁護士に依頼すると、正しい基礎収入の主張を行ってもらったり、適切な後遺障害等級の認定を受けるためのサポートをしてもらえます。
逸失利益の金額は、「基礎収入」や「後遺障害等級」によって大きく左右されるでしょう。
しかし実際には、以下のような問題がよく発生します。
- 保険会社が不利な方法で基礎収入を算定する(パート収入だけを採用する等)
- 複数年の平均収入が正しく反映されていない
- 後遺障害等級が本来よりも低く認定されている
これらを放置すれば、逸失利益の額が数百万円単位で減少することもあります。
弁護士であれば、収入資料(確定申告書・源泉徴収票・賃金センサスなど)をもとに、適切な金額を主張することが可能です。
また、等級認定に不満があれば、「後遺障害等級認定の異議申立て」を弁護士に行ってもらうこともできます。
適切な証拠を揃えてもらえる
弁護士に依頼することで、逸失利益の請求に必要となる証拠書類を適切にそろえることが可能となります。
後遺障害等級の認定を受けたり、保険会社に対して逸失利益を請求するには、適切な証拠書類の提出が欠かせません。
具体的には、以下のような書類が必要になります。
- 後遺障害診断書
- 医療記録(画像データや神経学的所見)
- 就業状況や家事労働の実態を示す証明
- 源泉徴収票・確定申告書などの収入資料
しかし、これらを被害者自身が一人で収集・整理し、不備がない状態で提出するのは難しいこともあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、書類の収集に関して、以下のようなサポートを受けられるでしょう。
- 医師と連携して必要な記載を促す
- 書類に記載漏れがある場合の補完
- 証拠としての有効性を念頭に置いた提出準備
準備不十分で逸失利益を否定されるリスクを下げるためにも、弁護士への依頼が効果的です。
保険会社との示談交渉で相場に近い示談金を得られる
弁護士に依頼することで、保険会社との示談交渉で相場に近い損害賠償金の請求を行える可能性が高まります。
保険会社は事故処理のプロです。そのため、一般の被害者が単独で交渉を行うと、以下のような理由から、不利な条件を受け入れてしまうことが少なくありません。
- 保険会社から「この金額が限界です」と言われて引き下がってしまう
- 法的根拠がわからずに反論できない
- 時間だけが過ぎて時効に近づく
こうしたリスクを避けるためにも、弁護士に代理交渉を依頼することは非常に有効です。
交渉経験が豊富な弁護士であれば、過去の判例や賠償相場と比較した適正な金額を提示しつつ、説得的な交渉を行ってくれるため、相場の近い金額で示談する可能性が高まります。
結果として、弁護士介入後に示談額が大幅に上がるケースも珍しくありません。

アトム法律事務所なら無料の法律相談が可能
アトム法律事務所では、交通事故被害者の方を対象とした無料の法律相談を行っています。
交通事故案件の経験が豊富な弁護士に、無料で相談をすることが可能です。
逸失利益は高額になりやすいため、加害者側が少しでも金額を下げようと被害者に不利益な主張を行ってくることが珍しくありません。
適切な金額の主張をするためには、交通事故案件を多く取り扱っている弁護士に相談することが大切であるといえるでしょう。
また、アトム法律事務所では依頼の際も、原則として着手金が無料となっています。
弁護士への報酬の支払いは、加害者から支払いを受けた後で大丈夫なため、依頼の際の費用に不安がある方でも安心して依頼することが可能です。
法律相談の予約受付は24時間体制で行っているので、いつでも気軽にご連絡ください。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

