交通事故で入院した場合の慰謝料や入院費は?入院期間の目安や考え方

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交通事故で入院した

交通事故で入院した場合、被害者は「入院慰謝料(入通院慰謝料)」や、入院費用などの損害を加害者側に請求できます。

入院慰謝料は、事故で入院したことによる精神的苦痛を金銭に置き換えたものです。入院期間をもとに算出されます。適正な慰謝料相場は、入院1か月の場合53万円、2か月の場合101万円、3か月の場合145万円です(弁護士基準)。

入院費用は、治療費・検査費の実費、入院雑費(1日1,500円)、付添費(1日6,500円)など請求できます。

もっとも、最終的な入院慰謝料や入院費用の受け取り額は示談交渉しだいで変動するため、示談交渉がうまくいかなければ、もらえる金額も低額になってしまうこともあります。

この記事では、交通事故で入院した被害者の方が金銭的に損しないよう、入院にまつわる費用について徹底解説していきます。

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交通事故による入院で請求できる損害賠償金

まず、交通事故で入院した場合に請求できる慰謝料・賠償金全体を解説します。

入院した場合の慰謝料は「入通院慰謝料」

入院した場合に請求できる交通事故の慰謝料は「入通院慰謝料」です。

入通院慰謝料は、「交通事故による入院や通院で生じた精神的苦痛」を補償します。

入院や通院で生じた精神的苦痛とは?

  • 治療時に痛い思いや辛い思いをした
  • 入院や通院で時間的拘束が生じ、不便を感じた

入通院慰謝料は、治療期間の長さに応じて金額が決まります。治療期間のうち入院期間が占める日数が多いほど、慰謝料は高額になります。

例えば骨折で6ヶ月間治療を受けた場合、そのうち何ヶ月入院していたかによって、慰謝料相場が以下のように変わるのです。

治療期間6ヶ月の入通院慰謝料(重傷用)

入院/通院慰謝料*
1ヶ月/5ヶ月141万円
2ヶ月/4ヶ月165万円
3ヶ月/3ヶ月188万円
4ヶ月/2ヶ月210万円

*過去の判例に基づく基準

なお、上記は「弁護士基準」と呼ばれる過去の判例に沿った基準による慰謝料相場です。

交通事故の慰謝料計算には他に、最低限の相場を算出する「自賠責基準」や、任意保険会社独自の基準「任意保険基準」があります。

基本的に、交通事故被害者が受け取るべき正当な相場額は弁護士基準であると考えてください。

より詳しい慰謝料額を知りたい方は、本記事内「弁護士基準の計算方法|法的正当性の高い相場」で紹介する慰謝料相場表をご利用ください。

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交通事故慰謝料の弁護士基準(裁判基準)とは?相場や弁護士基準にするには?

入院した場合に請求できる損害賠償金一覧

交通事故で入院した場合は、慰謝料以外にも以下のような、さまざまな賠償金を請求できます。

交通事故で入院した場合に請求できる損害項目

  • 入院雑費
  • 個室料・特別室代
  • 治療費(手術費・検査費等)
  • 付き添い看護費
  • お見舞いに来た人の交通費・宿泊費
  • 装具費用
  • 休業損害
  • (入院後に死亡した場合)葬儀関係費

損害ごとに、請求できる要件や計算方法などを紹介していきます。

入院雑費

入院雑費とは、入院中の日用品購入費(寝具(パジャマ)や下着などの衣類、洗面用具、ティッシュなど)、通信費(電話代・切手代など)、文化費(テレビカード・新聞雑誌代など)のほか、被害者家族が見舞いに来た際の交通費などのことです。

入院雑費の内容

入院雑費の相場は、自賠責基準だと日額1100円、最も高額な弁護士基準だと日額1500円と定額化されています。そのため、雑費は、逐一かかった費用を領収書などで証明する必要は通常ありません。あまりに細かい費用を計上していると、賠償手続きが煩雑化するからです。

もっとも、日額を超えることが明らかな場合には、領収書などで証明することにより、必要の範囲内で実費を入院雑費として請求できる場合もあるでしょう。

実際の裁判例から、入院雑費の具体的な金額を確認してみましょう。

1日1500円×597日のほか,貸しおむつ代1日2000円×597日間を認めた

神戸地判平16.12.20 交民37・6・1683

※なお、以上の事例は「損害賠償額算定基準」に記載されたもので、弁護士が用いる基準になります。この書籍は「赤い本」ともいわれており、弁護士も参考にしています。

個室代・特別室代

入院中にかかった個室代や特別室代などのいわゆる差額ベッド代は、医師の指示がある場合や特別な事情が認められる場合のみ請求可能です。

具体的には、個室や特別室を利用した方が治療がスムーズに進むような場合、被害者の意向とは無関係で個室や特別室を使うような場合が該当します。

  • 重篤なため家族が付き添うスペースや、多くの医療機器を置く場所が必要なケース
  • 感染症予防の目的で隔離する必要があるケース
  • 入院した病院の大部屋が満床で個室しか空室がなかったケース

入院中に過ごす場所が大部屋でも個室でも、基本的に治療には差は出ないと考えられます。

被害者が個室を望んだからといって必ず個室代の請求が認められるとは限りません。

医師から認められていなかったり、特別な事情がないにも関わらず、被害者の意向で個室を利用した場合、個室と通常の部屋との差額は被害者負担となるので注意してください。

治療費(手術費・検査費等)

一般的に、交通事故によるケガで発生した治療費は、医学的に必要である場合には加害者側に全額請求できますが、過剰診療・高額診療と判断された場合には、その分の治療費は請求できません。

また、接骨院や整骨院で受けた施術については、原則として医師がその必要性を認めた場合に限り請求が可能になります。

なお、治療費は、基本的に加害者側の任意保険会社が病院(医療機関)に直接支払いをしてくれることが大半です。

しかし、なかには任意保険が治療費を先に支払ってくれない場合もあり、こうしたケースでは被害者が一旦治療費を自費で立て替え払いすることになるでしょう。

交通事故による負傷は健康保険も使えるので、被害側で治療費を立て替える必要がある場合には、健康保険の利用も検討してください。

ただし、交通事故における健康保険の利用方法は通常の場合と異なるので、『交通事故で健康保険は使える!切り替え手続きや医療保険の併用まで弁護士が解説』の記事をご覧ください。

なお、業務中・通勤中の交通事故の場合、労災保険から治療費相当額の給付を受けることができ、健康保険は利用できないので、その点には注意が必要です。

付き添い看護費

入院する被害者が小さな子供やお年寄りだったり、ケガの影響で入院中の生活に支障が出たりする場合は、家族などによる付き添い看護が必要になることがあるでしょう。

こうした場合は、付添人が近親者なら、弁護士基準で日額6500円、自賠責基準で日額4200円が付き添い看護費して認められる可能性があります。

付き添い看護費

ただし、付き添い看護費は必ずしも認められるとは限りません。詳しくは『交通事故の付添費|付き添いに認められる範囲と相場』にてご確認ください。

お見舞いに来た人の交通費・宿泊費

入院中にお見舞いに来た家族の交通費は入院雑費で補償されますが、場合によってはお見舞いに来てくれた人の交通費や宿泊費を別途加害者側に請求できることもあります。

詳細は『交通事故の通院交通費|請求できる条件や慰謝料との違い、他の交通費は?』の中で解説しているのでご確認ください。

装具・器具費用

交通事故によるケガにより、義手・義足・車椅子などが必要となった場合には、これらの装具・器具等の購入費用についても請求することが可能です。

基本的に、医師が身体の機能を補完するために必要であると認めた装具・器具が対象となります。

装具・器具費用

また、一定期間ごとに交換する必要がある装具・器具の場合は、将来発生する交換費用についても請求が可能です。

休業損害

入院中は多くの場合で仕事を休むことになるため、減収が生じます。こうした減収は、「休業損害」として加害者側に請求可能です。

休業損害の計算方法は基本的に、「事故前の収入から算出した基礎日額×休業日数」で計算されます。

休業損害の計算に関しては、以下の関連記事でより詳しく知ることが可能です。

休業損害の関連記事

葬儀関係費

入院後、万一、死亡してしまった場合は、葬儀関係費の請求が可能です。

葬儀関係費用として賠償請求できる相場金額は約150万円です。

詳しくは『交通事故の葬儀費用はいくら請求できる?葬儀費用の範囲と請求のポイント』の記事もご覧ください。

交通事故で入院した場合の慰謝料相場

交通事故の入通院慰謝料は、以下の3つの計算基準のいずれかを用いて算定されます。

  • 自賠責基準:国が定める最低限の基準
  • 任意保険基準:各保険会社が独自に定める基準で非公開だが、自賠責基準に近いことが多い
  • 弁護士基準(裁判基準):過去の判例に基づく相場額を算定する基準

上記の中で最も高額かつ法的正当性が高い金額になるのは、弁護士基準です。
しかし、加害者側は自賠責基準や任意保険基準に基づく低い金額を提示してくるので、鵜呑みにしないようにしましょう。

慰謝料金額相場の3基準比較

ここでは、弁護士基準と自賠責基準における計算方法を紹介します。

弁護士基準の計算方法|法的正当性の高い相場

相場の入通院慰謝料額の計算は、弁護士基準にもとづいて行われます。

弁護士基準では、以下に掲載する軽傷用または重傷用の表から入通院慰謝料を算定します。

むちうちや打撲、捻挫などなら軽傷用、それ以外(骨折等)なら重傷用の表をご覧ください。

軽傷用

軽症・むちうちの慰謝料算定表
軽症・むちうちの慰謝料算定表

重傷用

重傷の慰謝料算定表
重傷の慰謝料算定表

なお、入院期間や通院期間が「3ヶ月と10日」など端数がある場合は、上記表をもとに日割り計算が必要です。

以下の自動計算機を使用すれば、いくつかの項目を入力するだけで大まかな目安が簡単にわかるので、ぜひご活用ください。

自賠責基準の計算方法|最低限の相場

自賠責基準では、日額を4300円として、対象日数をかけて入通院慰謝料を算定します。
※2020年3月31日以前に起こった事故については、日額4200円

対象日数は以下のうち少ない方とされます。

  • 実治療日数の2倍
  • 治療期間

ただし、自賠責保険会社からケガによる損害に対して支払われる保険金は治療費なども含めた総額が120万円という上限額があり、限度額を超える場合には、上記の計算方法で算定した金額をもらえない点は注意が必要です。

たとえば、骨折で治療期間90日、うち入院期間30日、通院期間60日(実通院日数20日間)だった場合の自賠責基準と弁護士基準の入通院慰謝料相場を比較すると、以下のとおりです。

骨折の参考事例

基準慰謝料額
自賠責基準30万1000円
弁護士基準98万円

実際の示談交渉では、加害者側の任意保険会社は自賠責基準に近い金額を提示してくる傾向にあるため、増額交渉が必要です。

しかし、交渉のプロである加害者側の任意保険会社を相手に、被害者自身で十分な増額を実現することは非常に困難です。

ぜひ弁護士を立てての交渉をご検討ください。
弁護士費用はかかりますが、負担をほぼなくす方法もあります。

自力で交渉したい場合に押さえておくべきポイントや自力での交渉の難しさ、弁護士費用の負担を抑える方法は、『交通事故の示談テクニック7つ!自分でできる交渉術と慰謝料増額の近道』で詳しく解説しています。

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交通事故の慰謝料が1日4300円(4200円)なら増額の可能性あり

入通院慰謝料の計算で使う「入院期間」とは?

入通院慰謝料の計算方法を見ても分かる通り、入通院慰謝料の金額は入院期間や通院期間に応じて変わります。

では、入院期間はだいたいどれくらいになるのか、入院待機期間があった場合ややむを得ず早期退院した場合はどうなるのか解説します。

【症状別】交通事故による入院期間の目安

厚生労働省が実施した「令和5年患者調査」によると、自動車交通事故による平均入院期間(入院日数)は33.4日です。

もっとも、入院期間はケガの種類や程度など個々の事情により変わるため、人によりけりです。

捻挫など比較的軽症の場合数日から数週間の入院期間で済むことも多いですが、大腿骨骨折や頭部外傷など重症の場合は、入院期間が数ヶ月単位になることもあるでしょう。

上記「令和5年患者調査」における自動車事故による部位別の平均入院期間(入院日数)の具体例は下表のとおりです。

傷害平均入院期間
頭蓋骨及び顔面骨の骨折10.6日
頚部、胸部及び骨盤の骨折(脊椎を含む)27.1日
大腿骨の骨折40.0日
その他の四肢の骨折18.2日
多部位及び部位不明の骨折32.8日
脱臼、捻挫及びストレイン10.0日
頭蓋内損傷34.5日
その他の内臓損傷15.3日
挫滅損傷及び外傷性切断11.3日

入院待機期間や自宅療養期間も入院期間に含まれる

病院側の都合で入院待機中の期間が生じた場合やギプス固定中などで安静を指示された自宅療養期間が生じた場合、その期間も入院期間として入通院慰謝料が計算できることがあります。

しかし、加害者側は入院待機期間や自宅療養期間を「通院期間」として慰謝料を計算している可能性があります。

入院待機期間や自宅療養期間がある場合には、きちんと待機中の期間や自宅療養期間が入院期間としてカウントされたうえで慰謝料が算出されているか、確認してみてください。

やむを得ない早期退院は配慮される可能性あり

入院慰謝料は入院期間に応じて算定されるので、早期に退院してしまうとその分もらえる慰謝料が少なくなってしまいます。

しかし、以下のようなやむを得ない事由で早期に退院した場合には、交渉次第では慰謝料が少なくならないようにすることも可能です。

配慮される早期退院の例

  • 被害者が幼児をもつ親であったため早期に退院した
  • 仕事などの都合で早期に退院した
  • 病院側の都合で早期の退院をすすめられた

もっとも、上記のようなケースで入院慰謝料を適切に請求していくには、やむを得ない事由を立証説明していく必要があります。やむを得ない事由をお持ちの場合は、弁護士に相談しておくのがいいでしょう。

交通事故で入院する場合によくあるQ&A

続いて、交通事故の入院に関してよくある質問にお答えします。

  • 交通事故の入院費用はいつ誰が支払う?
  • 骨折で入院する場合の注意点は?
  • 入院中に手術をすると慰謝料は増額する?

Q.交通事故の入院費用はいつ誰が支払う?

加害者が任意保険に加入している場合には、入院費用を含む治療費は、加害者側の任意保険会社が病院に直接支払いをしてくれることが多いです。

この支払い方法を、「任意一括対応」と言います。任意一括対応の場合には、被害者が逐一病院の窓口で費用を支払う必要がありません。

治療費支払いの流れ(任意一括対応)

なお、任意一括対応を受ける場合は、事前に同意書にサインするなどの手続きが必要です。

任意一括対応について詳しくは『交通事故の一括対応とは?注意点や一括対応を拒否・打ち切られた場合の対処法』をご覧ください。

加害者側が任意一括対応してくれない場合は、治療費は一時的に被害者側で負担し、後日(示談交渉等)で支払った治療費を加害者側に請求する形になります。

一時的に被害者が自費で立て替える場合、健康保険を使うと自由診療よりも1点単価が安くなり、治療費の自己負担額も1割~3割に軽減できます。

また、健康保険を使うと、入院費用(自己負担額)が高額になった場合、高額療養費制度が適用されることにより、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される可能性もあります。

交通事故で健康保険を使う場合、求償のため「第三者行為による傷病届」を保険者(国や健康保険組合等)に提出する必要があるなど、手続きが通常時と異なる部分があります。

詳しく知りたい方は『交通事故で健康保険は使える!切り替え手続きや医療保険の併用まで弁護士が解説』の記事がおすすめです。

Q.骨折で入院する場合の注意点は?

骨折は折れた箇所がすぐに癒合するわけではなく、安静にして固定する期間が数週間必要になります。また、すぐに治療が終わるわけではなくリハビリで身体の機能を回復させねばなりません。

そのため、相手の保険会社から治療期間に対して通院日数が少ないと言われて、治療費の打ち切りを宣告されたり、慰謝料を減らされてしまう可能性があります。

あるいは被害者自身の自己判断でリハビリを怠ることも、治療費の打ち切りにつながったり、後遺症が残った場合に適切な補償を受けられなかったりする原因になります。

骨折の治療とリハビリに関しては、医師の指示を守り、医師が終了を判断するまで続けましょう。
そして、加害者側の保険会社が提案してくる慰謝料の金額や減額の理由をうのみにしてはいけません。

Q.入院中に手術をすると慰謝料は増額する?

入院中に手術を受けたとしても、それによって慰謝料が増額することは原則ありません。慰謝料は入通院した期間によって算定されるからです。

しかし、増額事由に当てはまる場合は例外的に、手術を受けたことが考慮されて、慰謝料が増額することがあります。

具体的には以下の事由に当てはまる場合、増額される可能性があります。

手術による慰謝料の増額事由

  • 緊急手術や大手術を受け、生死が危ぶまれる状態が継続した
  • 麻酔なしでの手術により極度の身体的・精神的苦痛を被った
  • 同じ部位に複数回の手術が必要になった
  • 妊婦が事故で流産・中絶手術を受けた

交通事故における手術と慰謝料の関係について詳しくは、『交通事故で手術したら慰謝料はどの位?慰謝料相場や増額事由を解説』の記事をお読みください。

Q.入院後の後遺症や死亡の慰謝料はどうなる?

入院後、後遺症が残った場合、後遺障害等級認定がされれば後遺症に関する慰謝料を請求できます。
死亡してしまった場合は、死亡慰謝料の請求ができます。

後遺障害の賠償金について詳しく知りたい方は『後遺障害慰謝料の相場はいくら?いつ支払い?後遺障害等級認定と賠償金額のすべて』をご覧ください。

死亡の賠償金について詳しく知りたい方は『死亡事故の慰謝料・賠償金の相場や平均は?示談の流れや保険金も解説』も併せてご覧ください。

ここでは、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の相場金額をご紹介しておきます。

後遺障害慰謝料の補償金額

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護1,650万円
(1,600万円)
2,800万円
2級・要介護1,203万円
(1,163万円)
2,370万円
1級1,150万円
(1,100万円)
2,800万円
2級998万円
(958万円)
2,370万円
3級861万円
(829万円)
1,990万円
4級737万円
(712万円)
1,670万円
5級618万円
(599万円)
1,400万円
6級512万円
(498万円)
1,180万円
7級419万円
(409万円)
1,000万円
8級331万円
(324万円)
830万円
9級249万円
(245万円)
690万円
10級190万円
(187万円)
550万円
11級136万円
(135万円)
420万円
12級94万円
(93万円)
290万円
13級57万円
(57万円)
180万円
14級32万円
(32万円)
110万円

*()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合

死亡慰謝料の補償金額

被害者自賠責弁護士
一家の支柱400
(350)
2,800
母親
配偶者
400
(350)
2,500
独身の男女400
(350)
2,000~2,500
子ども400
(350)
2,000~2,500
幼児400
(350)
2,000~2,500
遺族1名※+ 550
遺族2名※+ 650
遺族3名以上※+ 750
被扶養者有※+ 200

慰謝料の単位:万円
遺族:被害者の配偶者、子、両親(認知した子、義父母などを含む)
( )内の金額は2020年3月31日以前に発生した交通事故に適用
※該当する場合のみ

退院後、後遺症が残ったら後遺障害認定を受けよう

退院してから治療を続けてもケガが完治(治癒)せずに後遺症が残存した場合は、後遺障害等級の認定を受けましょう。

後遺障害等級の認定を受けることで、入院慰謝料や治療費とは別に「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」の請求が可能になります。

例えば後遺障害慰謝料は、弁護士基準なら等級別に110万円〜2800万円の請求が可能です。

後遺障害等級の認定を受けるには、医師に後遺障害診断書という書類を作成してもらうなどの手続きが必要になります。

より詳しい手続きを知りたい方は、関連記事『後遺障害等級が認定されるには?後遺症との違いや認定の仕組みを解説』をご確認ください。

なお、被害者に重篤な後遺障害が残り、将来にわたる介護が必要になった場合、将来の雑費が必要になることがあります。例えば紙おむつなどの雑費は、加害者側に請求可能です。

将来の雑費として支給される金額は以下の計算式で算出します。

将来の雑費=年額×生存可能期間に対応したライプニッツ係数(以下一例を挙げた表参照)

年齢平均余命年数係数
206127.840
305125.951
404123.412
503220.389
602316.444

※2020年4月以降に発生した事故に適用

たとえば、被害者の年齢が30歳だった場合、生涯入院雑費が発生すると考えたときの計算式は以下のとおりです。
日額1500円×365日×25.951=1420万8172円

将来の介護費用が認められた事案を、以下にいくつかご紹介します。

四肢麻痺(別表第1の1級1号)の被害者(男・固定時48歳)につき,マスク,紙おむつ,滅菌ガーゼ,ゴム手袋などの物品の購入は必要かつ相当であるとして,症状固定時から入院中の3年間は日額1500円を認め,自宅介護を開始した3年経過後から平均余命30年間は,現実に支出した月額4万7869円を基礎として,762万円を認めた

大阪地判平28.8.29 交民49・6・1570

遷延性意識障害,四肢麻痺等(1級3号)の被害者(男・固定時38歳)につき,おむつ・ティッシュ・気管切開チューブ等の将来雑費として,年額127万9134円の請求に対して,その中には健常人の生活費としても必要であるものを相当数含まれているとして,本件事故と因果関係のある将来雑費として約7割の年額90万円,合計1556万円余を認めた

千葉地佐倉支判平18.9.27 判時1967・108

入院した場合の慰謝料請求は弁護士に相談

交通事故で入院した場合、通院のみの場合よりも慰謝料が高額になります。

適切な金額を受け取るためにも、ぜひ弁護士への相談をご検討ください。ここからは、弁護士への相談のメリットや弁護士費用を抑える方法を解説します。

弁護士なら相場の慰謝料を請求できる

交通事故により入院したことで生じる慰謝料やそのほかの損害の金額については、基本的に示談交渉により決まることとなります。

相場の慰謝料を賠償請求するのであれば、弁護士に相談・依頼を行い示談交渉を任せましょう。

交通事故の示談交渉では、加害者側の保険担当者が出てくることが多いです。

加害者側の保険担当者は相場よりも低い金額で示談するよう提案してきますが、知識も交渉経験も豊富な相手に、被害者の方が自力で対応するのは難しいと言わざるを得ません。

一方、弁護士から示談交渉を行うと、根拠のある主張であることや、示談交渉が不調に終わると裁判となるおそれが高いことから、相場の近い金額で示談となりやすいのです。

増額交渉(弁護士あり)

バイク事故で入院の必要性が認められた裁判例

大阪地判令和4・3・1(令和1年(ワ)9522号)

原告(溶接工・45歳)が普通二輪車で走行中、前方のタクシーが減速し適切な合図なく左側車線に進路変更する挙動を示したため、急制動しハンドルを左に切って転倒。左脛骨腓骨開放骨折、左下腿コンパートメント症候群等の重傷を負い、44日入院後、別の病院にリハビリ目的で353日入院。被告はリハビリ入院の必要性を否定し入院慰謝料等を争った。


裁判所の判断

「入院リハビリが不必要かつ不相当であったなどということはできない」

大阪地判令和4・3・1(令和1年(ワ)9522号)
  • 入院396日全期間の必要性を認定
  • 入院慰謝料340万円を認容(入院396日に相応する金額)
  • 入院雑費59万4,000円(396日×1,500円)
認容額

約1,343万円

自動車事故で入院の必要性が認められた裁判例

神戸地判平29・9・8(平成27年(ワ)1495号)

ルアー製造販売業の被害者が停車中に追突され、頸椎捻挫・右肩鎖関節脱臼等を負い97日間入院した。入院期間中に11回の外出と6泊の外泊をした。医師から「いつでも退院可能」と告げられていたことから、被告は入院の必要性を争い、入院雑費の減額を主張。入通院慰謝料も争われた。


裁判所の判断

「上記外出・外泊から入院雑費を減額することを認めることはできない」

神戸地判平29・9・8(平成27年(ワ)1495号)
  • 外出・外泊は、医師の許可を得ており、その理由も他院の受診や仕事等の打ち合わせで、不相当とはいえない。
  • 入院雑費:14万5,500円(日額1,500円×入院日数97日)。
  • 入通院慰謝料:320万円(入院97日、通院413日)。
認容額

原告1(被害者):約282万円
原告2(被害者の人身傷害保険):約670万円

弁護士なら過失割合も適切に交渉してくれる

交通事故の慰謝料額は、過失割合によっても左右されます。

過失割合とは?

発生した交通事故について、どちらに非があって起こったのかという責任の割合のこと。自身についた過失割合分、受け取れる慰謝料や賠償金が減らされてしまう(過失相殺)。

過失割合は、事故発生時の状況をもとに示談交渉で決められます。この際、加害者側は過失相殺を狙って、被害者側の過失割合を実際よりも多く主張してくることがあります。

こうした中で適切な過失割合を導き出すには、交渉のプロである弁護士に任せることが得策です。

とくに、自動車とバイクの事故における基本の過失割合は、バイク側が小さくなる傾向にあります。
そのため自動車側は、色々な事情を持ち出してバイク側の過失が大きくするような主張をしてくるでしょう。先々の展開も先読みできる弁護士に相談しておくと安心です。

バイク事故で過失割合95:5とされた裁判例

名古屋地判令和4・4・27(令和2年(ワ)2331号)

原告(30歳・給与所得者)が普通二輪車で交差点を直進中、対向右折してきた被告車両と衝突し、右大腿骨骨幹部骨折等の重傷を負った。事故から約1年10か月後の平成30年6月2日、自宅付近で小走りした際に転倒し、右脛骨内側高原骨折を受傷。本件事故の過失割合、および転倒についても過失相殺すべきか問題となった。


裁判所の判断

「同骨折により拡大した損害(具体的には、同日以降の治療に係る損害)の5割を過失相殺するのが相当」

名古屋地判令和4・4・27(令和2年(ワ)2331号)
  • 本件事故の過失割合:原告5%、被告95%(直近右折により-10%修正)
  • 転倒による拡大損害の5割を過失相殺
  • 後遺障害慰謝料:420万円(併合11)
認容額

約1,563万円

バイク事故で過失割合9:1とされた裁判例

名古屋地判令4・10・11(令和2年(ワ)4431号)

普通乗用車が交差点内で合図なく左に進路変更し、普通自動二輪車に接触した事故。バイク運転者(50歳・個人事業主)は右足関節脱臼骨折で17日間入院し、後遺障害12級7号が残った。加害者からはアルコールが検出。事故態様と過失割合、入院期間を含む休業損害の算定が争点となった。


裁判所の判断

「どれほど小さく見積もっても、被告の過失は9割を下らない」

名古屋地判令4・10・11(令和2年(ワ)4431号)
  • 過失割合:加害者9割、被害者1割(適式な合図なし・アルコール検出等を考慮)
  • 入院期間(17日間)は100%の休業損害を認定、通院期間(160日)は50%を認定
  • 後遺障害慰謝料:290万円(12級)
認容額

約899万円

弁護士に相談・依頼することで慰謝料請求以外にもメリットあり

弁護士に相談をすれば、相場の慰謝料がわかるなど、不安や悩みを解消できるメリットがあります。

さらに、弁護士に依頼を行うと、示談交渉により相場の慰謝料や損害賠償金が得られやすい以外にも、以下のようなメリットがあります。

  • 弁護士が加害者と連絡を取ってくれるため、治療に専念できる
  • 後遺障害等級認定の申請手続きについてサポートを受けられる
  • 早期解決により速やかに慰謝料を受け取れる可能性がある

加害者と連絡を取ることにストレスを感じていたり、後遺症が残っており、後遺障害等級認定の申請を検討している方などは、一度弁護士への相談をおすすめします。

弁護士を立てるメリットについてより詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリット9選と必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』をご覧ください。

弁護士に相談・依頼する際の費用負担は軽減できる

以下の方法を使えば、弁護士を立てる際の費用を大幅に減らせます。納得のいく慰謝料を受け取るためにも、ぜひ弁護士への依頼をご検討ください。

弁護士費用の負担を減らす方法

交通事故で入院したらアトム法律事務所で無料相談

交通事故で入院した場合の慰謝料については、アトム法律事務所にご相談ください。

交通事故案件の経験豊富な弁護士に無料で電話相談・LINE相談・メール相談をすることが可能です。

交通事故で入院した場合に請求できる慰謝料や損害賠償金は高額になることも珍しくないので、一度は弁護士に相談することをおすすめします。

相談予約受付の窓口は24時間365日年中無休で対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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地元の弁護士が即座に対応することで
ご相談者と社会に安心と希望を提供したい。