交通事故で入院した場合の慰謝料|手術で増額?入院期間の目安や考え方
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交通事故で入院した場合、被害者は「入院慰謝料(入通院慰謝料)」や入院費用などの損害を加害者側に請求できます。
入院慰謝料は、事故で入院したことによる精神的苦痛を金銭に置き換えたものです。
そのため、辛い思いをした期間が長いほど高額になり、さらに入院時の辛さや苦痛の程度が反映されることがあります。
もっとも、最終的な入院慰謝料の受け取り額は示談交渉しだいで変わるため、示談交渉がうまくいかなければもらえる金額も低額になる恐れがあるでしょう。
当記事では、交通事故で入院を強いられた被害者の方が金銭的に損しないよう、入院にまつわる費用について重点的に解説していきます。
目次
交通事故で入院した場合の慰謝料・賠償金一覧
まず、交通事故で入院した場合に請求できる慰謝料・賠償金全体を解説します。
入院した場合の慰謝料は「入通院慰謝料」
入院した場合に請求できる交通事故の慰謝料は、「入通院慰謝料」です。
入通院慰謝料は、「交通事故による入院や通院で生じた精神的苦痛」を補償します。
例えば以下のような精神的苦痛は、入通院慰謝料の補償対象となるのです。
- 治療時に痛い思いや辛い思いをした
- 入院や通院で時間的拘束が生じ、不便を感じた
入通院慰謝料は基本的に、治療期間の長さに応じて金額が決まります。ただし、治療期間のうち入院の占める日数が多いほど、金額は多くなります。
例えば骨折などの重傷で6ヶ月間治療を受けた場合でも、そのうち何ヶ月入院していたかによって、相場は以下のように変わるのです。
入院/通院 | 慰謝料* |
---|---|
1ヶ月/5ヶ月 | 141万円 |
2ヶ月/4ヶ月 | 165万円 |
3ヶ月/3ヶ月 | 188万円 |
4ヶ月/2ヶ月 | 210万円 |
*過去の判例に基づく基準
なお、上記は「弁護士基準」と呼ばれる過去の判例に沿った基準による相場です。
交通事故の慰謝料計算では、他に最低限の相場を算出する「自賠責基準」や、任意保険会社独自の基準「任意保険基準」があります。
基本的に、被害者が受け取るべき正当な相場額は弁護士基準であると考えてください。
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交通事故の慰謝料は弁護士基準で請求!慰謝料相場と増額成功のカギ
その他、入院した場合の賠償金一覧
交通事故で入院した場合は、慰謝料以外にも以下のような、さまざまな賠償金を請求できます。
- 入院雑費
- 個室料・特別室代
- 治療費(手術費・検査費等)
- 付き添い看護費
- お見舞いに来た人の交通費・宿泊費
- 装具費用
- 休業損害
損害ごとに請求できる要件や計算方法などを紹介していきます。
入院雑費
入院雑費とは、入院中に使用したテレビカードやティッシュなどの日用品費のほか、被害者家族が見舞に来た際の交通費や新聞代などのことです。
入院雑費の相場は、自賠責基準だと日額1100円、最も高額な弁護士基準だと日額1500円とされています。あくまで目安のため、日額を超えることが明らかな場合は、必要の範囲内で実費と判断される場合もあるでしょう。
雑費は、逐一かかった費用を領収書などで証明する必要はありません。あまりに細かい費用を計上していると、賠償手続きが煩雑化するからです。
実際の判例から、入院雑費の具体的な金額を確認してみましょう。
1日1500円×597日のほか,貸しおむつ代1日2000円×597日間を認めた
神戸地判平16.12.20 交民37・6・1683
※なお、以上の事例は「損害賠償額算定基準」に記載されたもので、弁護士が用いる基準になります。この書籍は「赤い本」ともいわれており、弁護士も参考にしています。
個室料・特別室代
入院中にかかった個室料や特別室代などのいわゆる差額ベッド代は、医師の指示がある場合や特別な事情が認められる場合のみ請求可能です。
具体的には、個室や特別室を利用した方が治療がスムーズに進むような場合、被害者の意向とは無関係で個室や特別室を使うような場合が該当します。
- 重篤なため家族が付き添うスペースや、多くの医療機器を置く場所が必要なケース
- 感染症予防の目的で隔離する必要があるケース
- 入院した病院の大部屋が満床で個室しか空きがなかったケース
入院中に過ごす場所が大部屋でも個室でも、基本的に治療には差は出ないと考えられます。
被害者が個室を望んだからといって必ず個室料の請求が認められるとは限りません。
医師から認められていなかったり、特別な事情がないにも関わらず、被害者の意向で個室を利用した場合、個室と通常の部屋との差額は被害者負担となるので注意してください。
治療費(手術費・検査費等)
一般的に、交通事故によるケガなどで発生した治療費は治療のために必要である場合には加害者側に全額請求できます。
たとえば、整骨院などで受けた施術については、原則として医師が必要であると認めた場合に限り請求が可能になります。
なお、治療費については、基本的に加害者側の任意保険会社が病院に直接支払ってくれることが大半です。
しかし、なかには任意保険が治療費を先に支払ってくれない場合もあり、こうしたケースでは被害者が一旦治療費を立て替えることになるでしょう。
交通事故による負傷は健康保険も使えるので、被害側で治療費を立て替える必要がある場合には、健康保険の利用も検討してください。
ただし、交通事故における健康保険の利用方法は通常の場合と異なるので、『交通事故で健康保険は使える!メリットや健保に切り替えてと言われた時の対処法』の記事をご覧ください。
付き添い看護費
入院する被害者が小さな子供やお年寄りだったり、ケガの影響で入院中の生活に支障が出たりする場合は、家族などによる付き添い看護が必要になることがあるでしょう。
こうした場合は、看護人が近親者なら、弁護士基準で日額6500円、自賠責基準で日額4200円が付き添い看護費して認められる可能性があります。
ただし、付き添い看護費は必ずしも認められるとは限りません。詳しくは『交通事故の付添費|付き添いに認められる範囲と相場』にてご確認ください。
お見舞いに来た人の交通費・宿泊費
入院中にお見舞いに来た家族の交通費は入院雑費で補償されますが、場合によってはお見舞いに来てくれた人の交通費や宿泊費を別途加害者側に請求できることもあります。
詳細は『交通事故の通院交通費|請求できる条件や慰謝料との違い、他の交通費は?』の中で解説しているのでご確認ください。
装具費用
交通事故によるケガにより、義手・義足・車椅子などが必要となった場合には、これらの装具の購入費用についても請求することが可能です。
基本的に、医師が身体の機能を補完するために必要であると認めた装具が対象となります。
また、一定期間ごとに交換する必要がある装具の場合は、将来発生する交換費用についても請求が可能です。
休業損害
入院中は多くの場合で仕事を休むことになるため、減収が生じます。こうした減収は、「休業損害」として加害者側に請求可能です。
休業損害の計算方法は基本的に、「事故前の収入から算出した基礎日額×休業日数」で計算されます。
休業損害の計算に関しては、以下の関連記事でより詳しく知ることが可能です。
休業損害の関連記事
- 職業別の計算方法について
『交通事故の休業損害|計算方法を職業別に網羅』 - 専業主婦の計算方法について
『専業・パート主婦(家事従事者)の休業損害!主婦手当の計算と請求方法』
交通事故で入院した場合の慰謝料相場額
入院慰謝料(入通院慰謝料)は、以下の3つの算定基準のいずれかを用いて計算されます。
- 自賠責基準:国が定める最低限の基準
- 任意保険基準:各保険会社が独自に定める基準で非公開だが、自賠責基準に近いことが多い
- 弁護士基準(裁判基準):過去の判例に基づく相場額を算定する基準
上記の中で最も高額かつ法的正当性が高い金額になるのは、弁護士基準です。
しかし、加害者側は自賠責基準や任意保険基準に基づく低い金額を提示してくるので、鵜呑みにしないようにしましょう。
ここでは、弁護士基準と自賠責基準における計算方法を紹介します。
弁護士基準での計算方法|法定正当性の高い相場
相場の入通院慰謝料額の計算は、弁護士基準にもとづいて行われます。
弁護士基準では、以下に掲載する軽傷用または重傷用の表から入通院慰謝料を算定します。
むちうちや打撲などなら軽傷用、それ以外なら重傷用の表をご覧ください。
なお、入院期間や通院期間が「3ヶ月と10日」など端数がある場合は、上記表をもとに日割り計算が必要です。
以下の計算機からも大まかな目安がわかるので、ぜひご活用ください。
自賠責基準での計算方法|最低限の相場
自賠責基準では、日額を4,300円として、対象日数をかけて入通院慰謝料を算定します。
※2020年3月31日以前に起こった事故については、日額4,200円
対象日数は以下のうち少ない方とされます。
- 実治療日数×2
- 治療期間
たとえば骨折で治療期間90日、うち入院期間30日、通院期間60日(実通院日数20日間)だった場合の入通院慰謝料相場は、以下のとおりです。
基準 | 慰謝料額 |
---|---|
自賠責基準 | 30万1000円 |
弁護士基準 | 98万円 |
実際の示談交渉では、加害者側の任意保険会社は自賠責基準に近い金額を提示してくる傾向にあるため、増額交渉が必要です。
しかし、交渉のプロである加害者側の任意保険会社を相手に、被害者自身で十分な増額を実現することは非常に困難です。
ぜひ弁護士を立てての交渉をご検討ください。
弁護士費用はかかりますが、負担をほぼなくす方法もあります。
自力で交渉したい場合に押さえておくべきポイントや自力での交渉の難しさ、弁護士費用の負担を抑える方法は、『交通事故の示談テクニック8つ!自分でできる交渉術と慰謝料増額の近道』で詳しく解説しています。
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交通事故の慰謝料|1日4300円(4200円)は増額の可能性あり
入通院慰謝料の計算で用いる入院期間の考え方
入通院慰謝料の計算方法を見ても分かる通り、入通院慰謝料の金額は入院期間や通院期間に応じて変わります。
では、入院期間はだいたいどれくらいになるのか、入院待機期間があった場合ややむを得ず早期退院した場合はどうなるのか解説します。
入院期間で金額が変わる!症状別・入院期間の目安
入院期間はケガの種類や程度などによって変わるため、人によりけりです。
参考として、厚生労働省が実施した「令和2年患者調査」を見ると、自動車事故によるケガ別の入院日数は次のとおりです。
傷害 | 入院日数 |
---|---|
頭蓋骨及び顔面骨の骨折 | 9.4 |
頚部,胸部及び骨盤の骨折(脊椎を含む) | 27.7 |
大腿骨の骨折 | 42.9 |
その他の四肢の骨折 | 21.0 |
多部位及び部位不明の骨折 | 38.6 |
頭蓋内損傷 | 80.2 |
その他の内臓の損傷 | 16.3 |
挫滅損傷及び外傷性切断 | 25.1 |
入院待機期間も入院期間に含まれる
病院側の都合で入院待機期間が生じた場合は、その期間も入院期間として入通院慰謝料が計算されることが多いです。
しかし、加害者側は入院待機期間を通院期間として慰謝料を計算する可能性があります。
入院待機期間がある場合は、きちんとその期間が入院期間としてカウントされたうえで慰謝料が算出されているか、確認してみてください。
やむを得ない早期退院は配慮される可能性あり
入院慰謝料は入院期間に応じて算定されるので、早期に退院してしまうとその分もらえる慰謝料が少なくなってしまいます。
しかし、以下のようなやむを得ない事由で早期に退院した場合には、交渉次第では慰謝料が少なくならないようにすることも可能です。
- 被害者が幼児をもつ親であったため早期に退院した
- 仕事などの都合で早期に退院した
- 病院側の都合で早期の退院をすすめられた
もっとも、上記のようなケースで入院慰謝料を適切に請求していくには、やむを得ない事由を立証説明していく必要があります。やむを得ない事由をお持ちの場合は、弁護士に相談しておくのがいいでしょう。
手術を伴う入院で慰謝料が増額するケース
たとえ手術を伴う入院でも、それを理由に入通院慰謝料が増額されることは基本的にありません。入院慰謝料は、あくまで入院期間に応じて算定されるからです。
ただし、「精神的苦痛を補償する」という慰謝料の性質上、手術による苦痛がことさらに大きい場合は慰謝料増額の可能性があります。
具体的なケースを見ていきましょう。
重要
ここから解説するケースに該当するとしても、実際に慰謝料が増額されるかは交渉次第です。
加害者側は増額を認めようとしない可能性が高いので、十分な増額を望む場合は弁護士への相談をおすすめします。
危険を伴う手術や苦痛の大きい手術をした
危険度の高い手術や通常よりも苦痛の大きい手術をした場合は、入通院慰謝料が増額される可能性があります。
具体的には以下のケースが該当する可能性があるでしょう。
- 手術中に生死をさまよった
- 麻酔ができない状態で手術をした
- 長時間の手術をした
繰り返しの手術が必要になった
入院中に繰り返し手術をした場合や、将来的にこれからも何度も手術が必要になると考えられる場合も、手術による精神的苦痛が通常より大きいと判断されます。
したがって、入通院慰謝料が増額される可能性があります。
流産・中絶手術をした
流産や中絶をした場合も、入通院慰謝料の増額対象になり得ます。
流産や中絶により、母親には精神的苦痛や身体的苦痛が加わるからです。
ただし、お腹の赤ちゃんに対しては慰謝料は原則として支払われません。出生前の人は原則として、慰謝料の対象外だからです。
また、中絶や流産によって父親も精神的苦痛を被ると考えられますが、父親に対する慰謝料が認められるかどうかは判断がわかれるところです。
交通事故で入院する場合によくあるQ&A
続いて、交通事故で入院する場合によくある以下の質問にお答えします。
- 入院費用はいつ誰が支払う?
- 骨折で入院する場合の注意点は?
入院費用はいつ誰が支払う?
加害者が任意保険に加入しているなら、入院費用を含む治療費は、加害者側の任意保険会社が直接病院に支払ってくれることが多いです。
これを、「任意一括対応」と言います。
任意一括対応を受ける場合は、事前に同意書にサインするなどの手続きが必要です。
詳しくは『交通事故の一括対応とは?注意点や拒否・打ち切りへの対処法も解説』をご覧ください。
任意一括対応を受けない場合は、治療費は一旦被害者側で負担します。その後、示談交渉にて支払った治療費を加害者側に請求しましょう。
この場合、健康保険を使うと治療費負担を軽減できます。
交通事故で健康保険を使う場合の手続きは、通常時と異なります。詳しくは『交通事故で健康保険は使える!メリットや健保に切り替えてと言われた時の対処法』がおすすめです。
骨折で入院する場合の注意点は?
骨折は折れた箇所がすぐに癒合するわけではなく、安静にして固定する期間が数週間必要になります。また、すぐに治療が終わるわけではなくリハビリで身体の機能を回復させねばなりません。
そのため、相手の保険会社から治療期間に対して通院日数が少ないと言われて、治療費の打ち切りを宣告されたり、慰謝料を減らされてしまう可能性があります。
あるいは被害者自身の自己判断でリハビリを怠ることも、治療費の打ち切りにつながったり、後遺症が残った場合に適切な補償を受けられなかったりする原因になります。
骨折の治療とリハビリに関しては、医師の指示を守り、医師が終了を判断するまで続けましょう。
そして、加害者側の保険会社が提案してくる慰謝料の金額や減額の理由をうのみにしてはいけません。
退院後、後遺症が残ったら後遺障害認定を受けよう
退院してから治療を続けてもケガが完治せず後遺症が残った場合は、後遺障害等級の認定を受けましょう。
後遺障害等級の認定を受けることで、入院慰謝料や治療費とは別に「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」の請求が可能になります。
例えば後遺障害慰謝料は、弁護士基準なら等級に応じて110万〜2,800万円です。
- 後遺障害慰謝料の相場:後遺障害慰謝料の相場はいくら?等級認定で支払われる金額と賠償金の種類
- 逸失利益の相場:【逸失利益の計算】職業別の計算方法を解説!早見表・計算機つき
後遺障害認定を受けるための手続きについて詳しくは、関連記事『交通事故の後遺障害とは?認定されたらどうなる?認定の仕組みと認定率の上げ方』をご確認ください。
なお、被害者に重篤な後遺障害が残り、将来にわたる介護が必要になった場合、将来の雑費が必要になることがあります。例えば紙おむつなどの雑費は、加害者側に請求可能です。
将来の雑費として支給される金額は以下の計算式で算出します。
将来の雑費=年額×生存可能期間に対応したライプニッツ係数(以下一例を挙げた表参照)
年齢 | 平均余命年数 | 係数 |
---|---|---|
20 | 61 | 27.840 |
30 | 51 | 25.951 |
40 | 41 | 23.412 |
50 | 32 | 20.389 |
60 | 23 | 16.444 |
※2020年4月以降に発生した事故に適用
たとえば、被害者の年齢が30歳だった場合、生涯入院雑費が発生すると考えたときの計算式は以下のとおりです。
日額1500円×365日×25.951=1420万8172円
将来の介護費用が認められた事例を、以下にいくつかご紹介します。
四肢麻痺(別表第1の1級1号)の被害者(男・固定時48歳)につき,マスク,紙おむつ,滅菌ガーゼ,ゴム手袋などの物品の購入は必要かつ相当であるとして,症状固定時から入院中の3年間は日額1500円を認め,自宅介護を開始した3年経過後から平均余命30年間は,現実に支出した月額4万7869円を基礎として,762万円を認めた
大阪地判平28.8.29 交民49・6・1570
遷延性意識障害,四肢麻痺等(1級3号)の被害者(男・固定時38歳)につき,おむつ・ティッシュ・気管切開チューブ等の将来雑費として,年額127万9134円の請求に対して,その中には健常人の生活費としても必要であるものを相当数含まれているとして,本件事故と因果関係のある将来雑費として約7割の年額90万円,合計1556万円余を認めた
千葉地佐倉支判平18.9.27 判時1967・108
入院した場合の慰謝料請求は弁護士に相談
交通事故で入院した場合、通院のみの場合よりも慰謝料が高額になります。
適切な金額を受け取るためにも、ぜひ弁護士への相談をご検討ください。ここからは、弁護士への相談のメリットや弁護士費用を抑える方法を解説します。
弁護士なら相場の慰謝料を請求できる
交通事故により入院したことで生じる慰謝料やそのほかの損害の金額については、基本的に示談交渉により決まることとなります。
相場の慰謝料を請求するのであれば、弁護士に相談・依頼を行い示談交渉を任せましょう。
交通事故の示談交渉では、加害者側の保険担当者が出てくることが多いです。
加害者側の保険担当者は相場よりも低い金額で示談するよう提案してきますが、知識も交渉経験も豊富な相手に、被害者の方が自力で対応するのは難しいと言わざるを得ません。
一方、弁護士から示談交渉を行うと、根拠のある主張であることや、示談交渉が不調に終わると裁判となるおそれが高いことから、相場の近い金額で示談となりやすいのです。
弁護士なら過失割合も適切に交渉してくれる
交通事故の慰謝料額は、過失割合によっても左右されます。
過失割合とは?
発生した交通事故について、どちらに非があって起こったのかという責任の割合のこと。自身についた過失割合分、受け取れる慰謝料や賠償金が減らされてしまう(過失相殺)。
過失割合は、事故発生時の状況をもとに示談交渉で決められます。この際、加害者側は過失相殺を狙って、被害者側の過失割合を実際よりも多く主張してくることがあります。
こうした中で適切な過失割合を導き出すには、交渉のプロである弁護士に任せることが得策です。
とくに、自動車とバイクの事故における基本の過失割合は、バイク側が小さくなる傾向にあります。
そのため自動車側は、色々な事情を持ち出してバイク側の過失が大きくするような主張をしてくるでしょう。先々の展開も先読みできる弁護士に相談しておくと安心です。
弁護士に相談することで慰謝料請求以外にもメリットあり
弁護士に相談・依頼を行うと、示談交渉により相場の慰謝料や損害賠償金が得られやすい以外にも、以下のようなメリットがあります。
- 弁護士が加害者と連絡を取ってくれるため、治療に専念できる
- 後遺障害等級認定の申請手続きについてサポートを受けられる
- 早期解決により速やかに慰謝料を受け取れる可能性がある
加害者と連絡を取ることにストレスを感じていたり、後遺症が残っており後遺障害等級認定の新申請を検討している方などは、一度弁護士への相談をおすすめします。
弁護士を立てるメリットについてより詳しく知りたい方は『交通事故を弁護士に依頼するメリットと必要な理由|弁護士は何をしてくれる?』をご覧ください。
弁護士に相談・依頼する際の費用負担は軽減できる
以下の方法を使えば、弁護士を立てる際の費用を大幅に減らせます。妥協した慰謝料にしないためにも、ぜひ弁護士への依頼をご検討ください。
弁護士費用の負担を減らす方法
- 自身の保険の弁護士費用特約を使う
保険会社に弁護士費用を負担してもらえる
詳細:交通事故の弁護士費用特約とは?メリット・使い方 - 相談料・着手金無料の事務所を探す
示談金獲得後の支払いになるため、支払いの負担が軽減される
事故で入院・手術したらアトム法律事務所で無料相談を
交通事故ので入院した場合の慰謝料については、アトム法律事務所にご相談ください。
交通事故案件の経験豊富な弁護士に無料で相談を受けることが可能です。
交通事故で入院した場合に請求できる慰謝料や損害賠償金は高額になることも珍しくないので、一度は弁護士に相談することをおすすめします。
相談予約の受付窓口は24時間365日対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了