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交通事故の示談にかかる期間の目安は?長くなる原因と対処法

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交通事故 示談期間を最短に

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の示談にかかる期間は、示談開始から2ヶ月~1年程度が目安となります。

物損事故や軽症の事故ならば、2ヶ月~半年程度で示談成立が期待できます。
一方、後遺障害が残った事故や死亡事故は、半年~1年半程度かかるケースが多いでしょう。
示談金や過失割合などで争う場合は、さらに長い期間となることが予想されます。

この記事では、交通事故の示談の期間や流れ、示談期間が長くなる原因とその対処法などについて解説しています。
示談金をより早く受け取りたい方、示談が長引いて困っている方は、ぜひご一読ください。

交通事故の示談にかかる期間の目安一覧

交通事故の種類ごとの示談期間の一覧

交通事故の示談にかかる期間は、事故の種類によって異なります。
示談交渉が開始できる状態になってから、2ヶ月~1年程度かかることが多いでしょう。

具体的には、以下の期間がおおよその目安になります。

交通事故の示談にかかる期間(目安)

交通事故の種類示談期間の目安
物損事故交通事故発生日から2ヶ月~3ヶ月
後遺障害なしの人身事故治療終了から半年程度
後遺障害ありの人身事故後遺障害等級認定から半年~1年程度
死亡事故四十九日などの法要から半年~1年程度

上記の期間はあくまで目安であり、事故や交渉の状況によって大きく変動することがあります。

なお、交通事故の示談でどのような内容を話し合うのかについては、『交通事故の示談とは?示談の内容と交渉の流れ』の記事で解説していますので、あわせてご参考ください。

交通事故の損害賠償が受け取れなくなる!時効期間の一覧

交通事故で損害賠償を請求する権利は、一定期間が経過すると時効により消滅してしまいます。

時効までの期間は、交通事故によって生じた損害の種類によって異なります。
2017年4月1日以降に発生した交通事故の場合、時効までの期間は以下の表のとおりです。

損害賠償請求権の消滅時効

損害の種類時効期間
物損に関する損害事故発生日の翌日から3年
人身に関する損害
(後遺障害による損害以外)
事故発生日の翌日から5年
人身に関する損害
(後遺障害による損害)
症状固定日の翌日から5年
人身に関する損害
(死亡による損害)
死亡した日の翌日から5年
加害者不明の損害※事故発生日の翌日から20年※※

※2017年3月31日以前に発生した事故にも適用される可能性がある。
※※途中で加害者が判明した場合は、判明した日の翌日を起算日とし、物損部分は3年、人身部分は5年で時効となる。

ただし、保険会社への保険金の請求は、上記の表に関わらず起算日から3年で時効となるので注意しましょう。

交通事故の被害者の方は、基本的に時効が完成する前に示談成立を目指すことになります。
なお、時効の更新をし、時効の完成を阻止することも可能です。

交通事故の示談の期限については、『交通事故示談は期限(時効)までに成立を!期限の長さや時効の延長方法を解説』の記事もあわせてご覧ください。

交通事故の示談にかかる期間の目安をくわしく解説

示談期間の目安(1)物損事故

ここからは、交通事故の示談にかかる期間の目安をくわしく解説していきます。
まず、物損事故の示談期間の目安を確認していきましょう。

物損事故とは、自動車など財産のみの損害が生じた交通事故のことです。

物損事故の場合、示談までの期間は約2ヶ月~3ヶ月程度が目安になります。
具体的には、修理費用の見積書などを入手するのに1ヶ月程度、示談交渉に1~2ヶ月程度を要することになるでしょう。

なぜ上記のような期間となるのかを知るために、まずは物損事故の流れを確認してみましょう。

物損事故の流れ

物損事故の示談までの流れは、以下のようになっています。

物損事故の流れ

  1. 交通事故発生
  2. 修理費用の見積書などを入手(1ヶ月程度)
  3. 示談交渉(1ヶ月~2ヶ月程度)
  4. 示談成立

物損事故の場合は、損害額を計算するために、車の修理費用や買替費用の見積もりを出す必要があります。

修理費用の見積書が入手でき次第、示談交渉に移ります。

修理費の見積もりが出るまでの期間は「1ヶ月程度」

修理費の見積もりは、修理を依頼した工場に出してもらうことになります。

見積もりが出るまでの期間は、損傷を受けた箇所が明らかであれば当日、より精査が必要な場合は数週間~最大1ヶ月としている工場が多いようです。

なお、物損事故では、修理をするよりも車を買い替えた方が安いケースもあるでしょう。
そのようなケースでも、修理費用と買替費用を比較するために、修理費用を見積もってもらう必要があります。

示談交渉の期間は「1ヶ月~2ヶ月程度」

物損事故の示談交渉は、比較的スムーズに進むことが多いです。
多くの場合で、1ヶ月以内に示談成立することになるでしょう。

ただし、以下の点で意見が対立した場合は、示談成立まで2ヶ月程度~それ以上かかる場合があります。

物損事故で争いやすい要素

  • 修理の必要性、妥当性
  • 車が全損となったか
  • 評価損の価格がいくらか※

※評価損とは、事故車となったことによる事故前・事故後の車両価格の差のこと

示談期間の目安(2)後遺障害なしの人身事故

次に、後遺障害が残らなかった人身事故の示談期間を確認していきましょう。

人身事故とは、身体・生命への損害が生じた交通事故のことを言います。

後遺障害なしの人身事故の場合、示談までの期間は治療終了から半年程度が目安となります。

後遺障害なしの人身事故の流れ

後遺障害なしの人身事故では、示談までに以下のような流れをたどります。

後遺障害なしの人身事故の流れ

  1. 交通事故発生
  2. 入院・通院治療
  3. 完治
  4. 示談交渉(半年程度)
  5. 示談成立

交通事故でケガをしたものの、後遺症が残らなかった場合、治療が終わった時点ですべての損害が確定します。

よって、治療が終われば示談交渉を開始することができるのです。

示談交渉の期間は「半年程度」

後遺障害なしの人身事故の場合、治療終了から半年程度で示談成立することが多いです。

後遺障害なしの人身事故の場合、後遺障害ありの人身事故と比べると、示談金に含まれる損害費目が少なく、示談金の総額も控えめになる傾向にあります。
よって、示談交渉において争う部分が比較的少なく、示談成立までの期間もやや短くなりやすいと言えるのです。

ただし、以下の点で争った場合は、示談交渉が難航し、示談期間が長くなるでしょう。

後遺障害なしの人身事故で争いやすい要素

  • 治療費は必要・相当な範囲内であるか
  • 整骨院など、病院以外の機関で受けた治療に対して補償を認めるか
  • 付添人などの交通費を認めるか
  • 入通院慰謝料の金額はいくらか

示談期間の目安(3)後遺障害ありの人身事故

次に、人身事故のうち、事故による後遺症が残ってしまい、その症状が後遺障害として認定されたケースを解説します。

後遺障害ありの人身事故の場合、示談期間の目安は後遺障害等級認定から半年~1年程度です。

後遺障害等級認定には、症状固定から約2ヶ月程度かかります。
また、症状固定までには少なくとも半年の治療が必要になります。
後遺障害ありの人身事故の場合、示談成立までに長い期間を要することになるでしょう。

なお、後遺障害の種類や症状などによっては、上記以上の期間を必要とする場合もあります。

後遺障害ありの人身事故の流れ

後遺障害ありの人身事故における示談までの流れは、以下のようになっています。

後遺障害ありの人身事故の流れ

  1. 交通事故発生
  2. 入通院治療(半年以上)
  3. 症状固定
  4. 後遺障害の申請(2ヶ月程度)
  5. 示談交渉(半年~1年程度)
  6. 示談成立

交通事故によってケガの治療を続けていると、「症状固定」と判断されることがあります。
症状固定とは、これ以上治療しても症状の改善が見込めないと判断された状態のことです。
症状固定に至るまでは、少なくとも半年以上の治療を要することになるでしょう。

症状固定と判断されたら、残った症状について「後遺障害等級認定」を受けることになります。
後遺障害等級に認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益といった損害が算定できるようになり、示談交渉を始められます。

なお、後遺障害等級認定の結果に不満がある場合、「異議申し立て」を行えば再審査を受けられます。
異議申し立てを行う場合は、示談成立までにさらに長くの時間を要することになるでしょう。

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後遺障害等級認定の審査期間は「2ヶ月程度」

後遺障害等級認定の審査にかかる期間は、2ヶ月以内であることが多いです。

ただし、高次脳機能障害のように、症状の状態の判断に時間がかかる場合は、結果通知までに数ヶ月~数年かかる場合もあります。

結果通知までに時間がかかる場合、損害賠償請求権の時効も危惧されます。
もし時効をむかえる可能性が生じた場合は、時効完成を阻止する措置を取るようにしましょう。

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示談交渉の期間は「半年~1年程度」

後遺障害ありの人身事故の場合、示談交渉には半年~1年程度かかることが予想されます。

後遺障害等級認定を受けた場合、「後遺障害慰謝料」や「後遺障害逸失利益」といった費目を新たに請求できるようになります。
これらの費目は高額になりやすく、計算方法においても意見が対立しやすいです。
そのため、示談期間が比較的長くなる傾向があると言えるのです。

とくに、以下の要素で交渉が難航すると、示談期間が長期におよぶことが想定されます。

後遺障害なしの人身事故で争いやすい要素

  • 後遺障害等級は適正か
  • 後遺障害慰謝料は適正か
  • 後遺障害逸失利益は適正か
    (労働能力喪失率、労働能力喪失期間が実態と見合っているか)
  • 将来介護費などは適正か
    (1日あたりの介護費の金額、家のバリアフリー化などが必要と言えるか)

後遺障害が残った場合、リハビリや生活環境の整備と並行して示談交渉を行うことが多いです。
示談期間の長期化は、被害者にとって大きな負担となることが予想されます。

後遺障害ありの人身事故で示談交渉を行う場合は、弁護士への依頼を1度検討してみましょう。

示談期間の目安(4)死亡事故

最後に、残念ながら被害者が亡くなってしまった事故の示談期間を解説します。

死亡事故の場合、示談成立までの期間は四十九日などの法要を終えてから半年~1年程度となることが多いです。

ただし、上記以上の期間を要することも決して珍しくありません。
死亡事故は示談金が高額になりやすく、示談交渉に時間がかかることが多いためです。

死亡事故の流れ

死亡事故における示談までの流れは、以下のようになっています。

死亡事故の流れ

  1. 交通事故発生
  2. 被害者の死亡
  3. 四十九日などの法要の終了
  4. 示談交渉(半年~1年程度)
  5. 示談成立

死亡事故の場合、葬儀を終えた段階ですべての損害が確定し、示談交渉に入ることができます。
ただし、実際には初七日や四十九日などの法要をある程度終えてから示談交渉を開始する場合が多いでしょう。

示談交渉の期間は「半年~1年程度」

死亡事故の場合、示談交渉には半年~1年程度かかることが多いです。

死亡事故の示談金には、死亡慰謝料や死亡逸失利益といった費目が含まれます。
これらの費目は高額になりやすく、時には示談金の総額が1億円を超えることもあります。
そのため、被害者側も加害者側も慎重に示談交渉にあたることが多く、示談期間が長くなりやすいのです。

とくに、以下の点で争った場合は、示談交渉が難航し、示談期間が長くなるでしょう。
お互い譲歩しない場合は、示談が決裂して裁判に発展することも想定されます。

死亡事故で争いやすい要素

  • 死亡慰謝料は適正か
  • 死亡逸失利益は適正か
  • 事故発生から死亡までに治療を受けた場合、その分の補償を認めるか

死亡事故は、示談交渉が始まるまでに誰が相続人となるのか、配分割合をどうするのかなど、示談交渉以外にもさまざまな手続き・対応が必要となります。

死亡事故後のさまざまな手続きを円滑に進めたい場合や、示談金を最大限受け取りたい場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。

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交通事故の示談期間が長くなる原因と対処法

交通事故の示談期間が長くなる原因の一覧

交通事故の示談期間が長くなる原因として、以下のような状況が考えられます。

交通事故の示談期間が長い原因

  • 治療が長期間になっている
  • 後遺障害等級認定に時間がかかっている
  • 過失割合に争いがある
  • 加害者側が示談に対応してくれない

それぞれ、具体的にどのような状況なのか、確認していきましょう。

なお、交通事故の示談が長引く原因と対処法については、『交通事故の示談が長引く原因5つ&対処法』の記事でも紹介しているので、あわせてご覧ください。

治療が長期間になっている

人身事故の場合、完治するか症状固定と判断されるまでは、損害額が確定せず、示談交渉が出来ません。
そのため、治療が長期化すると示談開始が遅れ、慰謝料や損害賠償金の受け取りも遅くなってしまいます。

しかし、だからと言って無理に早く治療を打ち切ることはおすすめしません。
まだ治療が必要なのに終わらせてしまうと、以下のようなデメリットが生じる可能性があるからです。

  • 治るはずのケガが治らない
  • 治療期間が短くなる分、入通院慰謝料が少なくなる
  • 後遺症が残っても後遺障害等級認定されず、後遺障害に対する補償が受けられない

交通事故の治療は半年、1年以上となることもよくあります。
適切な賠償請求のために必要な期間なので、焦らずに治療に専念しましょう。

後遺障害等級認定に時間がかかっている

後遺症が残った場合、示談交渉は後遺障害等級認定の結果が出てから始められます。
よって、審査が長引くと示談開始が遅れ、その分示談成立までの期間が延びてしまいます。

後遺障害等級認定の審査にかかる期間は、多くの場合は60日以内です。
しかし、以下のような場合、審査にかかる期間が長期化する可能性があります。

  • 診断書や各種資料による症状の証明が不十分である
  • 加害者側の保険会社での申請手続きが滞っている
  • 異議申し立てをして再審査を受ける
  • 高次脳機能障害など複雑な障害が残っている

後遺症が残った場合は、迅速に後遺障害等級認定の手続きをすること、1度で適正な後遺障害等級を得ることが重要です。

もっとも早期かつ適正に後遺障害等級の認定を受けたい場合は、弁護士に依頼したうえで「被害者請求」という方法で申請することをおすすめします。

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過失割合に争いがある

すでに解説したように、示談交渉で過失割合について争いとなることは多いです。

過失割合は、交通事故の状況、事故現場、事故時間などで決まります。
しかし、過失割合を決める要素について、被害者側と加害者側で意見が食い違うことは少なくありません。

過失割合でもめることを避けるには、以下の対策が有効です。

  • 交通事故状況を正確に警察に話す
  • 交通事故直後の状況などを写真で保存しておく
  • 事故現場の証人を得ておく
  • ドライブレコーダーの映像、防犯カメラの映像を確認する

なお、弁護士に依頼すれば、過失割合を決める証拠の収集や、法的根拠に基づいた説得力のある主張を行ってもらえます。
過失割合で争っている場合は、弁護士に依頼するのも1つの手段になるでしょう。

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加害者側が示談に対応してくれない

示談交渉の相手は、加害者が任意保険に入っているなら加害者側の任意保険会社、入っていないなら加害者本人になります。

示談交渉は、交通事故による損害が確定したら速やかに行うべきものです。
しかし、加害者側の任意保険会社が他の業務で手一杯である、加害者本人が示談に消極的であるなどの理由で、示談交渉に応じてもらえないといったトラブルが起こることもあります。

しかし、上記のようなトラブルが生じた場合、感情的になるのはあまり得策ではありません。
加害者側との関係性が必要以上に悪化し、示談交渉に支障が出る可能性があるからです。

加害者側が示談交渉に応じてくれない場合は、弁護士を立てることをおすすめします。
弁護士を立てれば、法的根拠にもとづいた適切な対応をしてもらえるためです。
とくに、加害者側の任意保険会社は、弁護士を立てることで態度を軟化させることが少なくありません。

【対処法】示談成立前に示談金の一部を受け取る方法

交通事故の示談が長くなり、なかなか示談金を受け取れない場合の対処法をお伝えします。

まず、示談成立前に示談金の一部を受け取る方法として、以下の手段が考えられます。

示談金の一部を先に受け取る方法

  • 加害者側の任意保険会社に「内払い金」を請求する
  • 加害者側の自賠責保険会社に「仮渡金」を請求する
  • 加害者側の自賠責保険会社に「被害者請求」を行う

それぞれどのような方法なのか、順に確認していきましょう。

加害者側の任意保険会社に「内払い金」を請求する

内払いとは、示談金に含まれる一部の費目を示談成立前に支払ってもらうことです。

内払いで支払ってもらえることが多いのは、示談金のうち、以下のような損害費目です。

内払いをしてもらいやすい費目

  • 治療費
    • 治療と並行して、病院に直接支払ってもらえることが多い
  • 休業損害
    • 月に1度「休業損害証明書」を提出すると、その月に休業した日数に応じた金額が支払われることが多い

上記の費目は、示談交渉をせずとも金額が明らかである場合が多いです。
よって、示談成立の前に支払ってもらえるケースが多いと言えるでしょう。

ただし、内払は、任意保険会社が任意で対応するものです。
よって、必ずしも内払いに対応してもらえるとは限らないので、注意しましょう。

なお、上記の費目の他にも、交通費や慰謝料の一部といった費目は、交渉すれば示談成立前に支払ってもらえる可能性があります。
ただし、慰謝料に関しては、「内払いする代わりに総額を減らす」といった条件がつけられることも少なくないので、その点には注意が必要です。

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仮渡金として一定の金額をもらう

仮渡金とは、加害者側の自賠責保険会社から損害賠償額の確定前に支払われるお金のことです。
仮渡金の請求は、自動車損害賠償法17条によって認められています。

仮渡金の金額は、被害者の状態に応じて、以下のとおり定められています。

仮渡金の金額

被害者の状態金額
死亡290万円
重傷※40万円
通常の受傷※※20万円
軽傷※※※5万円

※入院14日以上かつ治療30日以上が必要な場合・大腿骨の骨折・脊椎の骨折で脊髄を損傷した場合など
※※入院14日以上または入院を要し治療30日以上が必要な場合・腕の骨折・脊椎の骨折など
※※※治療11日以上が必要な場合

なお、仮渡金として受け取った金額は、示談成立後に支払われる示談金から差し引かれるので注意しましょう。

内払い金や仮渡金の請求について詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご参照ください。

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加害者側の自賠責保険会社に「被害者請求」を行う

加害者が任意保険に加入している場合、示談金のうち、自賠責保険の限度額までは自賠責保険会社から、自賠責保険の限度額を超えた部分は任意保険会社から支払われます。

通常は、自賠責保険会社が支払う分も一括して任意保険会社が被害者に支払い、あとから自賠責保険会社に請求するといった手続きが取られます。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

被害者が自賠責保険会社に対して「被害者請求」を行えば、示談金のうち自賠責保険会社が支払う分を、示談成立前に支払ってもらえます。

自賠責保険会社への被害者請求の方法や、どのくらいの金額を受け取れるかについては、関連記事をご参考ください。

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【対処法】示談成立までの期間を短くする方法

ここまでは、交通事故の示談金の一部を示談成立前に受け取る方法を紹介してきました。
しかし、示談金の一部を受け取るのではなく、そもそも示談成立を早めたいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

交通事故の示談成立を早めたいときは、弁護士に依頼することをおすすめします。

交通事故に精通した弁護士に依頼すれば、法的な根拠をもとにスムーズな示談交渉を行ってもらえます。
また、弁護士を立てれば加害者側の任意保険会社の態度が軟化しやすいことも、交通事故の示談期間が短くなる一因と言えるでしょう。

さらに、弁護士に依頼すれば専門知識をもとに効果的な交渉を行ってもらえるので、被害者側の主張を最大限通したうえで、早期の示談成立を目指せるのです。

弁護士に依頼すれば交通事故の示談期間が短くなる理由や、弁護士に依頼するその他のメリットについては、「交通事故の示談期間を短くしたいなら弁護士に相談しよう」の章でも詳しく解説します。

交通事故の示談期間に関する注意点3つ

(1)示談成立後の撤回・再交渉は原則的にできない

示談が成立し、示談書を交わすと、原則として再交渉・合意内容の撤回はできません。

示談書には、通常は以下のような一文が記載されています。
なお、示談書は「免責証書」というタイトルになっていることもありますが、生じる効力は同じです。

  • 被害者はその余の請求を放棄する
  • 和解条項以外に債権債務がないことを確認する
  • 本件示談書に定めるもののほかに、なんらの債権債務がないことを相互に確認する

これらの条項は、「清算条項」や「権利放棄条項」と呼ばれます。
清算条項と権利放棄条項はいずれも、「今後加害者側にそれ以上の損害賠償請求をしない」ことを約束するものです。

したがって、示談書を交わすと、その後新たな損害が発覚したとしても、原則として追加の賠償請求はできないのです。

そのことを踏まえ、示談交渉は納得がいくまでしっかり行う必要があります。

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(2)示談してはいけないタイミングがある

交通事故の示談は、事故によって生じたすべての損害が確定する前に行ってはいけません。
とくに、以下のようなタイミングでの示談は避けることをおすすめします。

示談を避けるべきタイミング

  • 交通事故が起きた直後
    (交通事故の現場で示談に応じるなど)
  • 交通事故によるケガの治療中
  • 後遺障害等級認定の申請をする前

上記のタイミングでは、事故によって生じたすべての損害が確定していません。
もし、上記のタイミングで示談してしまい、示談後に新たな損害が発覚しても、原則的に撤回や再交渉はできないのです。

とくに、交通事故が起きた直後は注意が必要です。
交通事故が起きた直後は痛みを感じていなくても、数日後に何らかの症状が出てくることは珍しくありません。その症状が、のちのち後遺障害まで発展することも考えられます。

そのような事態を避けるためにも、示談は必ず損害が確定してから始めるようにしましょう。

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(3)示談期間を必要以上に短くしようとすると結果的に損をする

「交通事故の示談を早く終わらせたい」と思い、示談成立を急ぐ方は少なくありません。
しかし、示談成立を急いだ結果、必要以上に示談期間を短くすると、結果的に損をしてしまうことがあります。

たとえば、示談交渉を始めるために治療を早期に打ち切ってしまうと、慰謝料の減額や後遺障害等級に認定されないといったリスクが生じます。

また、示談交渉を早く終わらせるために示談金額や過失割合を妥協してしまうと、本来もらえるはずの金額がもらえなくなってしまいます。

交通事故の示談においては、時間をかけるべき部分にはじっくりと時間をかけ、そうでない部分に必要以上の時間をかけないようにするというメリハリが重要です。

「交通事故の示談金を早く受け取りたいが、損はしたくない…」とお悩みの方は、弁護士に依頼することをおすすめします。

交通事故の解決実績が豊富な弁護士ならば、示談交渉や各種手続きのノウハウを持っています。
そのため、手際よく各種手続きを行いつつ、示談交渉は被害者側の主張を最大限通せるよう注力するといった、効率的かつ柔軟な対応ができるのです。

くわしくは後述しますが、「弁護士費用特約」を使えば弁護士費用を実質無料にすることも可能です。
また、弁護士費用特約を使えない場合も、各法律事務所の無料相談を利用すれば、示談金の増額見込みや弁護士費用の試算をしてもらうことで「弁護士に依頼したことでかえって損した」という事態を防ぐことができます。

示談を急ぎたい方は、弁護士への相談も検討してみることをおすすめします。

▼電話・LINEを使ってスキマ時間に弁護士からアドバイスを受けられます! アトム法律事務所の無料法律相談サービスもぜひご検討ください。

交通事故の示談期間を短くしたいなら弁護士に相談しよう

弁護士を立てれば示談期間が短くなる理由

弁護士に依頼した場合、被害者自身が対応するよりも示談にかかる期間は短くなると言えます。
その理由は以下のとおりです。

  • 弁護士は法律に関する専門知識を持っており、過去の事例にも詳しい。
    そのため、加害者側に法的根拠を示し、反論しづらい主張を行える
  • 弁護士は示談交渉の経験を積んでおり、示談交渉のポイントをおさえている。
    そのため、無駄な話をすることなく、効率的に交渉を行える。
  • 弁護士を立てると、加害者側の任意保険会社は裁判への発展を恐れることが多い。
    そのため、加害者側の態度が軟化し、被害者側の主張を受け入れてもらいやすくなる。

アトム法律事務所がこれまでお受けした事例には、ご相談から約2週間で示談成立となり、示談金の増額も実現できたケースもあります。

被害者側の主張を通しつつスピード解決を図るのであれば、弁護士に1度相談してみることをおすすめします。

弁護士を立てることで示談金の大幅な増額も見込める

弁護士に依頼するメリットは、示談期間の短縮だけではありません。
示談金の大幅な増額が見込めることも、弁護士に依頼するメリットの1つです。

そもそも、加害者側の任意保険会社が提示してくる示談金は、相場より大幅に低額であることが多いです。

実は、示談金にはいくつかの計算基準があります。
弁護士が用いる基準で計算すれば、加害者側の任意保険会社が用いる基準で計算したときよりも、示談金が2倍~3倍ほど高額になることは珍しくありません。

以下に、アトム法律事務所の実績から、示談金が大幅に増額された事例をご紹介します。
なお、増額事例は『交通事故の慰謝料事例|いくらもらった?適正相場と増額の事例集』の記事でも紹介しています。

むちうちで後遺障害等級非該当の事例

傷病名むちうち、腰捻挫
後遺障害等級非該当
加害者側が当初に提示した金額47万円
最終的に合意した金額157万円
(110万円の増額)

むちうちで後遺障害12級の事例

傷病名頸椎捻挫
後遺障害等級12級13号
加害者側が当初に提示した金額256万円
最終的に合意した金額670万円
(414万円の増額)

足首骨折などで後遺障害11級の事例

傷病名足首骨折、踵可動域制限など
後遺障害等級併合11級
加害者側が当初に提示した金額358万円
最終的に合意した金額1,649万円
(1,291万円の増額)

ご自身が受け取れる示談金の相場を知りたい方は、以下の慰謝料計算機をご利用ください。

もし、計算結果よりも加害者側の任意保険会社に提示された金額の方が低い場合は、示談金が増額できる可能性があります。弁護士への依頼を検討してみることをおすすめします。

計算方法が詳しくわかる記事

弁護士への依頼にはさらにメリットがある

交通事故で弁護士に依頼するメリットは、示談金の早期受け取りや増額だけではありません。

たとえば、示談の準備や示談交渉、その他の手続きを一任できるため、被害者の方は治療や日常生活への復帰に集中できることもメリットの1つです。

また、まだ示談交渉が始まっていないのならば、事故発生から示談交渉開始までに知らず知らずのうちに示談金を減らしてしまう行動をしないためのアドバイスも受けられるでしょう。

交通事故で弁護士に依頼するメリットや、実際に弁護士に依頼した体験談などがわかる記事をご紹介します。弁護士への依頼を迷っている方は、ぜひご一読ください。

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弁護士費用が実質無料になる「弁護士費用特約」とは?

弁護士への依頼をためらう理由の1つとして、「弁護士費用がかかるため、かえって損してしまうのではないか」という懸念が挙げられます。

しかし、弁護士費用特約を利用すれば、多くの場合で弁護士費用を支払わずにすむのです。

弁護士費用特約とは、保険会社が弁護士費用を負担してくれる特約のことです。
自動車保険や火災保険、クレジットカードなどに付帯されていることが多いでしょう。

弁護士費用特約を利用すれば、多くの場合、弁護士費用の合計300万円まで、相談料の合計10万円までを保険会社が負担してくれます。

最終的な示談金が数千万円にのぼらない限り、弁護士費用が300万円を超えることはほとんどありません。弁護士費用特約を使えば、実質無料で弁護士に依頼できると言えるのです。

弁護士費用特約の概要

弁護士費用特約は、被害者本人が加入している保険だけではなく、被害者の家族が加入している保険に付帯されているものも利用できるケースが多いです。

弁護士費用特約を使えば、ほぼデメリットなしで弁護士に依頼し、示談の期間を短くしたり、示談金を増額させたりすることが期待できます。
まずは1度、ご自身やご家族の保険契約状況を確認してみてください。

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弁護士費用特約が使えなくても諦めるのは早い

残念ながら弁護士費用特約を使えず、弁護士費用がかかる場合でも、弁護士に依頼したことで最終的に手元に残る金額が増えたケースは多いです。

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また、弁護士費用のうち「相談料」と「着手金」を無料にしている法律事務所であれば、依頼時に弁護士費用を支払う必要がありません。
この場合、弁護士費用を支払うのは、加害者側から示談金を受け取ったあとになります。

弁護士に依頼する段階で大きなお金を用意できない方は、相談料と着手金が無料の法律事務所に依頼することを検討してみるとよいでしょう。

先述のとおり、1度示談が成立すると、あとから撤回することはできません。
「本来ならもっと多くの示談金を受け取れるはずだったのに…」と後悔しないためにも、示談成立前に弁護士に相談してみることをおすすめします。

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もちろん、無料相談のみのご利用でも大丈夫です。

もしご依頼いただく場合は、弁護士費用特約をご利用いただけます。
弁護士費用特約をご利用できない場合も、基本的に相談料・着手金を無料としておりますので、ご依頼時に費用をお支払いいただく必要はございません。

怪我の治療中、加害者側から示談金の提示があったとき、示談交渉の最中など、いつでもお気軽にご連絡ください。
相談予約は24時間365日受け付けています。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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