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交通事故の後遺障害申請の認定期間|2ヶ月を過ぎたら遅いって本当?

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後遺障害申請|認定期間2ヶ月過ぎた!

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

後遺障害の認定のためにかかる期間は、90%以上の案件で1~2ヶ月以内となっています。

なお、これは等級認定の調査のためにかかる期間であるので、実際は保険会社での手続きなども含め、認定結果が出るまで2ヶ月程度とみるのがよいでしょう。

ただし、認定の難しい複雑な後遺障害や脳のはたらきに関する後遺障害などの調査に関しては、半年以上時間がかかってしまう例もあります。

この記事では、後遺障害が認定されるまでの期間を知りたい方認定期間を短くするための方法を知りたい方認定期間が延びる原因を知りたい方の疑問にお応えします。

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後遺障害認定までの期間の目安は?

交通事故の後遺障害事案の90%は60日以内に調査が完了する

自賠責保険事務所の統計によれば、後遺障害事案における損害の調査、すなわち後遺障害が何級にあたるかの調査の所要日数は以下のようになっています。

後遺障害事案における損害調査の所要日数(2019年度統計)

日数構成比
30日以内75.9%
31日~60日12.4%
61日~90日6.1%
91日以上5.6%

ここから、およそ9割の事案は2ヶ月以内に調査が完了することがわかります。

なお高次脳機能障害などの外観で判別が難しい複雑な障害、複数の後遺障害が残っているような場合には半年ほど調査に時間を要することもあるようです。
高次脳機能障害の具体的な症状については『高次脳機能障害の症状と等級認定基準|交通事故の慰謝料と後遺障害を解説』の記事で確認できます。

障害の内容次第ですが、たとえば交通事故によるむちうちに関連する首の痛みや手足のしびれなどの症状は、申請の受付から調査の完了まで、およそ2ヶ月を過ぎたら認定までの期間が遅れていると判断してもいいでしょう。

後遺障害等級の認定は12級や14級が多い

後遺障害は、身体に残った障害の程度によって14段階の後遺障害等級に区分されています。

また、同等級の中でも身体の部位や生理学的な観点から細分化され、「第〇級〇号」と表現されています。

それでは、後遺障害にはどのようなものが多いのでしょうか。

自賠責保険事務所の統計によれば、後遺障害等級の分布は以下のようになっています。

等級構成比
要介護第1級1.53%
要介護第2級0.86%
第1級0.07%
第2級0.15%
第3級0.53%
第4級0.28%
第5級0.69%
第6級0.94%
第7級1.75%
第8級3.45%
第9級3.45%
第10級3.26%
第11級7.39%
第12級16.28%
第13級0.94%
第14級58.38%

※データは2019年のもの

データを見ると、後遺障害等級の大半は7級以下、かつ12級14級が特に多く分布していることがわかります。

12級・14級に該当する後遺障害等級は以下のようになっています。

後遺障害等級表

第12級1.一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
2.一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
3.七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
4.一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
5.鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
6.一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
7.一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
8.長管骨に変形を残すもの
9.一手のこ指を失つたもの
10.一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
11.一足の第二の足指を失つたもの、第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
12.一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
13.局部に頑固な神経症状を残すもの
14.外貌に醜状を残すもの
第14級1.一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
2.三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
3.一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
4.上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
5.下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
6.一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
7.一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
8.一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
9.局部に神経症状を残すもの

また、同データからは後遺障害のなかの半分近くが精神・神経症状であることが示されていますので、12級13号または14級9号が後遺障害の多くを占めていることが推測されます。

12級13号と14級9号は、それぞれ以下のように定義されています。

  • 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級9号 局部に神経症状を残すもの

局部とは体の一部、神経症状とは神経の異常に由来する症状を指し、具体的には痛みや痺れなどが含まれます。

交通事故でむちうちになり、治療期間も十分とったのに首の痛みや手足の痺れが残っている、というような場合は後遺障害等級に認定される可能性があります。

たかが痛み、痺れと思わずに、後遺障害として認定してもらうための申請を考えましょう。

後遺障害認定までの期間を短くする方法とは?

それでは実際に申請してみて、後遺障害の認定が長引いている・または長引かせたくない場合に被害者が出来ることは何なのでしょうか。

それを知るために、まず後遺障害の認定には2つの方法があること、そして後遺障害申請の流れのうち、どこで滞っているのかを解説いたします。

事前認定と被害者請求|認定までの期間が短いのはどっち?

後遺障害は何もしなくとも認定されるという類のものではなく、申請をすることで調査され、その結果に応じて等級が認定されます。

その準備段階として、調査のために必要な書類を誰が用意するのかという点で、申請の方法は2通りに分かれます。

後遺障害申請の方法

  • 資料を自分で用意する「被害者請求
  • 資料を保険会社に用意してもらう「事前認定

どちらの方法も一長一短で、それぞれメリットとデメリットがあります。

もちろん後遺障害の内容や保険会社の対応にもよりますが、早さという点では被害者請求にしたうえで弁護士に依頼することで認定までの期間短縮が狙える可能性があります。

何故ならば、事前認定では申請の間に保険会社を挟んでいるため、そこで資料を集めたり、または申請そのものが遅れたりすることで処理が滞る可能性があります。

被害者請求であれば、直接後遺障害等級認定を申請できますので、そのぶん期間短縮になります。
しかし、被害者請求の場合、被害者自身で必要な書類や資料を集めなければならないというのが難点があり、そこで時間と手間がかかってしまう場合があります。

弁護士に依頼すれば資料作成と収集を任せることができ、よりスムーズに申請を行えるのです。

なお当事者間で争いがなく、症状が明確な後遺障害の場合などは、被害者請求でも事前認定でも結果が変わらないということもあります。

その点も含めて、等級認定の見込みやとるべき方法について弁護士に相談するとよいでしょう。

後遺障害等級認定の流れ|どこで遅れが生じるのか?

それでは、実際の後遺障害等級認定の流れを確認し、どの部分で遅れが生じているのかを確認しましょう。

先に述べたように資料提出を被害者か保険会社どちらがするのかという大きな違いはありますが、主な手順は以下のようになっています。

  1. 被害者は主治医に「後遺障害診断書」の作成を依頼する
  2. 「後遺障害診断書」を相手方の任意保険会社に提出する
  3. 相手方の任意保険会社は「後遺障害診断書」などの必要書類を損害保険料率算出機構に提出する
  4. 損害保険料率算出機構で審査された結果が相手方の任意保険会社に通知される
  5. 相手方の任意保険会社から被害者に結果が通知される

画像は事前認定の場合の流れですが、被害者請求の場合も「必要書類の準備」を被害者自身がするだけで大まかな流れは変わりません。

後遺障害等級認定の流れ:事前認定

被害者請求の場合は、書類提出・調査結果報告の際に任意保険会社ではなく、自賠責保険会社が間に入り、自賠責保険会社から調査の申請・結果の報告をしてもらうことになります。

この流れでは、「相手方保険会社」「損害保険料率算出機構」の中で遅れが生じている可能性があります。

後遺障害認定の遅れが生じる原因

  • 相手方保険会社の中で手続きが遅れている
  • 損害保険料率算出機構の調査が遅れている
  • 書類不備により再提出などが必要になる

主な原因はこのような要因が挙げられます。

それでは、これらを解決するためにはどうしたらよいのでしょうか。

被害者請求を選んで認定までの時間を短縮

保険会社での遅れを避けるための方法で最も効果的なのは、そもそも任意保険会社を挟まずに手続きを進めること、すなわち被害者請求で後遺障害認定の申請を行うことです。

ただし、被害者自身が資料を収集したりする手間があり、不備があって差戻になったような場合には余計に時間がかかってしまうこともありますので、後述する「弁護士に依頼する方法」を併用するとより効果的です。

後遺障害認定が遅いときはどうする?

後遺障害認定が遅いときの対処法を紹介します。

保険会社に連絡をする

すでに事前認定で手続きを進めている場合は、保険会社内での処理が滞って認定までの遅れが生じていることが考えられます。

保険会社の示談担当者は何十件もの事案を同時に抱えていることがよくあります。そのため忙しさや、事故の優先度が低いと思われているような場合、通常よりも認定に時間がかかります。

たとえば、書類を提出してから2ヶ月以上何ら連絡が来ないような場合は、保険会社の担当者に問い合わせをするのがよいでしょう。

傾向として週明けの月曜日は土日の間にたまった業務で担当者が多忙になっていることも多いので、より真剣に現状を理解してもらうためには水曜日以降などに連絡をするのが効果的かもしれません。

弁護士に依頼する

そもそも、後遺障害認定が遅くならないように、被害者請求を行う場合の資料収集や保険会社への連絡などを弁護士に一任してしまうのも、効果的な方法です。

経験豊富な弁護士であれば手続きを速やかに進めることができますし、また保険会社も弁護士からの問い合わせは重く受け止めますので、いっそう後遺障害等級の認定されるまでの期間短縮が期待できるでしょう。

また、損害保険料率算出機構での調査が遅れている場合ですが、これも弁護士が調査を見越し、事前に十分な資料を添付することで防げる場合があります。

すでに事前認定で申請を進めている場合であっても、期間や手続き面で不安があるのであれば、まずは弁護士に相談にのってもらうのがよいでしょう。

後遺障害等級が正しく認定される人・されない人の違いとは?

後遺障害等級の認定までの期間をいくら短くしたとしても、適正な等級認定がされなければ意味がありません。

後遺障害の等級申請の結果、「後遺障害に該当すると思っていたのに非該当だった」「事前の見込みよりも低い等級が認定された」ということは十分あり得ます。

そのような事態を避けるため、あるいは実際にそうなってしまったら、どのように対応すればよいのでしょうか。

後遺障害診断書は後遺障害等級に正しく認定されるために必要

最も必要なのは、後遺障害診断書の記載内容です。

後遺障害等級に該当するかを調査するのは、先にも出てきた通り「損害保険料率算出機構」です。

ここでは原則として提出された書面で審査を行うため、その書類に不備があったり、記載内容が不十分であったりすると、適正な等級認定が行われない可能性があるのです。

後遺障害診断書の作成の注意点は?

後遺障害診断書は症状固定以後に医師に作成してもらいますが、この時、医師に任せきりにしてはいけません。

症状固定とは

これ以上治療をしても良くも悪くもならない状態

診断書といえば医師に任せておけば適切なものを作ってくれるような気がしますが、交通事故の場合はそうではありません。

審査するのは保険会社と保険契約者の間に立つ機関であり、病院とは別の組織です、また、認定にあたっては独自の基準や求められる検査結果があります。

よって医師であっても、交通事故の後遺障害に関する記載が十分に出来るとは限りません。

どのような記述や検査結果が求められるのかを被害者自身で把握し、必要に応じて医師にそれを請求しなければなりません。

その記述や検査に関しては公表されているものではありませんので、通院しているうちに交通事故を専門とする弁護士に尋ねるのが効果的です。

等級認定につながる後遺障害診断書の書き方については、こちらの関連記事『後遺障害診断書の書き方は?等級認定される記入例と医師に作成を頼む時期』で詳しく解説しています。

後遺障害診断書で変わる|後遺障害等級12級と14級の差

それでは、例として後遺障害12級13号と14級9号の違いを見てみましょう。

  • 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級9号 局部に神経症状を残すもの

この2つですが、文章を見るとさほど違いは無いように思えます。

ですが実際は等級に認定された場合、支払われる可能性のある慰謝料が12級の場合は290万円・14級の場合は110万円と、180万円もの違いが生じます(いずれも弁護士に依頼した場合の基準)。

実際には、後遺障害等級は保険金のその他の内訳にも大きく影響してくるため、2級ぶんの違いが数百万円単位になることも珍しくありません。

この違いを作る「頑固な」の単語ですが、これは痛みや痺れといった症状の重さを示しているわけではありません。

これは「痛みや痺れが医学的に証明できているか」で決定されます。

具体的には、MRI画像で神経が圧迫されているのが確認できること、神経学的検査の結果がMRI画像と整合がとれていることなどが必要となります。

被害者が何も言わないままでは、そういった画像を添付してもらったり、検査を行ってもらえるとは限りません。また、このようなことは相手方保険会社からは教えてもらえないのが普通です。

適正な等級認定を受け、示談金の増額を増やすには弁護士の力を借り、正しい知識を身に着けることが必要となるのです。

後遺障害等級の認定に納得がいかない時の手段|異議申立てとは?

事前認定または被害者請求で申請を行ったが、返ってきた等級通知の結果に納得がいかないような場合はどのようにしたらいいのでしょう。

実は、後遺障害の等級に異議がある場合「異議申立て」の手続きが可能です。

後遺障害の認定結果に納得がいかない場合:異議申立

後遺障害の等級が認定されると、認定結果通知書が送付されます。

通知書には、認定に至らなかった理由が書いてあります。理由を把握して異議申立書と新たな資料などを添付し、再度調査するよう申立てすることができます。

異議申立てには外部の専門家も加わることがあり、通常の申請よりも長い数カ月程度の期間となることが多いです。

また、最初の後遺障害認定の申請を「事前認定」で行っていても、異議申立てについては「被害者請求」で任意保険会社を介さずに調査を求めることも可能です。

紛争処理申請の手続きや、事前認定から異議申立てに切り替える際に必要な書類など、関連記事もお役立てください。また、認定された後遺障害等級に不服があるまま示談を進めてはいけません。異議申立ての結果が出るまでは示談しないという選択も必要です。

後遺障害認定までの期間のお悩みは弁護士にご相談ください

後遺障害の申請は、納得のいく結果が得られるとは限りません。

ですが相手方保険会社に任せきりでは、資料の不備で適正な後遺障害等級が得られなかったり、あるいはそれで長く待たされることで相当な不本意さや手間が生じます。

知識をつけ、出来る限りの資料を集めたうえで申請すれば最終的にどのような結果に落ち着くにしろ、適正な等級が認定される可能性は高くなります。

治療が長引いているときや後遺障害が残ると思われるときは、是非弁護士に相談してください。

保険会社との手続きや後遺障害等級認定のための資料収集などを引き受け、迅速に適正な等級が得られるようお力になります。

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代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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