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交通事故で相手方保険会社とのトラブルを解決する方法!状況別の対応策

更新日:

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の被害者と相手方の保険会社は、事故発生から示談までずっとかかわりを持つことになります。保険会社とのやりとりをご自身だけで対応することになり、トラブルやストレスを一人で抱え込んで悩んでいませんか?

本記事では、「保険会社から連絡が来ない」「保険会社の担当者の態度が悪い」「休業損害が認められない」「治療費が打ち切られてしまった」などの状況別に、被害者が相手方の保険会社にどのように対応すれば良いかの対応策をまとめています。

大まかな対応方法を知っておくことで、保険会社とのやり取りがスムーズに進み、ストレスを軽減できるでしょう。

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交通事故の被害者は保険会社とどう関わる?

相手の保険会社の大原則

加害者側の保険会社は被害者の味方ではなく、加害者側の立場を取ります。
そのため、加害者にとって不利になるようなことはしません。
また、いち企業としても、少しでも出費を減らすためにできるだけ示談金額を少なくおさめたいと思っています。

したがって、相手の保険会社は、被害者だけにメリットのあるような提案はしてきません
示談交渉などでは提案内容について、被害者にメリットがあるような説明をしてくることもあります。
しかし、どこかにデメリットもあると考えられるので、油断して鵜呑みにしないようにしましょう。

相手の保険会社による提案内容のメリット・デメリットを比べて正しい選択をするためには、被害者側の立場に立ってくれる弁護士のサポートを受けるべきです。

保険会社への事故発生通知は義務

交通事故にあったら、まずは負傷者の救護と警察への通報が欠かせません。
詳しく知りたい方は『交通事故にあったらまず警察に通報を!報告義務があることや重要性を解説』の記事をご覧ください。

警察に連絡を入れたら、警察が来るまでの間に相手方と連絡先の交換を行ってください。相手方が加入する保険会社(任意保険会社と自賠責保険会社の両方)を確認しておきましょう。

加害者が加害者加入の保険会社に事故発生の連絡を入れると、被害者に連絡が来るでしょう。今後の流れについて説明があると思いますので、よく話を聞いてください。
その際、被害者からは通院の予定を伝えておくと治療費の支払いがスムーズに進む可能性があります。

被害者加入の保険会社にも事故発生を報告する

被害者に対して加害者側の保険会社が対応するのと同様に、加害者に対しては被害者側の保険会社が対応しなくてはなりません。よって、被害者も自身の保険会社への連絡を入れる義務があります。

「明らかに被害者は悪くない」というような事故の場合、被害者の保険会社は関係ないから連絡をする必要はないと考える人もいます。
しかし、事故発生の責任が被害者と加害者それぞれにどれくらいあるのか(過失割合)は、事故現場では決まりません。
示談交渉時に過失割合を検討した結果、被害者にも過失があると判明することもあります。

そのため、まずは自身の加入する保険会社に事故の連絡を入れてください。

また、ご自身で加入している保険に「弁護士費用特約」がついているか、使える保険はないかといった確認もできます。ご自身の保険会社への連絡を忘れないようにしましょう。

保険会社に伝えるべき内容

  • 証券番号
  • 事故の状況
  • 事故当時者の情報(被害者・加害者)
  • ケガの状況
  • 車両の状況(物損の規模)

なお、被害者自身にも過失がある場合、ご加入の保険の担当者が示談交渉を引き受けてくれるサービスがあります。これは「示談代行サービス」といい、任意保険会社のサービスのひとつです。

示談代行サービスを使えば、被害者自身で示談交渉をする手間・負担はなくなりますが、弁護士を立てた方がより適切な示談金額が得られる可能性が高くなります。
保険会社と弁護士では慰謝料の計算方法そのものが異なり、弁護士が慰謝料を計算した方が金額が高くなるからです。
詳しく知りたい方は、本記事中「増額の余地を見逃さない」をご確認ください。

治療費の支払いから打ち切りまで関わる

治療中、加害者側の保険会社とは次のような場面でかかわります。

  • 治療費を加害者側の保険会社が病院に直接支払ってくれる
  • 通院交通費や休業損害を加害者側の保険会社に請求する

まず、加害者が任意保険に加入している場合、治療費は「任意一括払」という方法で支払われることが多いです。
任意一括対応なら、相手の保険会社が治療費を直接病院に支払ってくれます。よって、被害者が治療費を立て替え、あとから相手の保険会社に請求する必要はありません。

なお、治療をしていると、相手方の任意保険会社から「そろそろ治療は終わりですか」などと治療費の打ち切りを提案されることがあります。しかし、すぐに応じる必要はありません。
医師と話し合って治療をしているならば、その旨を伝えることで打ち切りを回避できる可能性があります。

治療費打ち切りへの対応は、後述の「一方的に治療費を打ち切ると言われた」を読んでください。

通院交通費や休業損害は、相手方の保険会社に書類を提出して請求しましょう。

症状固定時期は保険会社が決めるものではない

ケガの治療を続けても治らず、後遺症が残った場合は、「症状固定」という診断が下されて治療が終わります。

症状固定

治療を継続しても、良くも悪くもならない時期または状態のこと

症状固定の時期は医師の判断が尊重されますが、相手の保険会社から「そろそろ症状固定ですよね?」と催促を受けることもあります。
しかし、催促を受けて適切な時期よりも早く症状固定になってしまうと、次のようなリスクが生じます。

  • 後遺症に対して後遺障害等級が認定されにくくなる
  • 後遺障害等級が認定されなかった結果、後遺障害慰謝料や逸失利益がもらえなくなる

よって、たとえ相手の保険会社から症状固定を催促されても、むやみに従うのではなく医師の判断を仰いでください。

なお、後遺症が残った後に行う後遺障害認定の申請には、「事前認定」と「被害者請求」の2つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、より適切な後遺障害認定結果を得るためには、被害者請求がおすすめです。

示談交渉の相手は保険会社

加害者側の任意保険会社は、加害者に代わって示談交渉の場に立ってきます。
示談交渉は、最終的な損害賠償金を確定させる大事な工程です。

相手の任意保険会社から示談案の提示を受ても、すぐにサインをせずに、いったん保留にし、弁護士に内容の確認を依頼しましょう。

例えば「300万円」を提示されたら、被害者は「結構もらえるな」と感じるかもしれません。しかし、その300万円の損害賠償金は、弁護士を通して交渉することで1,000万円もらえるかもしれないのです。相手の保険会社を安易に信じてはいけません。

なお、被害者がもらうべき本来の慰謝料相場は、以下の計算機から確認できます。
あくまでも機械的な計算結果にすぎませんが、参考にしてみてください。

保険会社への対応、こんな時どうする?

保険会社から連絡が来ない・対応が遅い

保険会社から連絡が来ない、対応が遅い場合に被害者の方ができる対応は以下の通りです。

対応

  • 被害者側から連絡をとってみる
  • 返答の期限を設ける

被害者側からすると、相手方の保険会社から連絡が来なかったり、対応が遅いと、心配になってしまいます。

相手方の保険会社の担当者は、一度に複数の案件の対応をしており、連絡が滞ってしまっている可能性があります。

保険会社の担当者あてに連絡をしてみると良いでしょう。
そして、返答の時期を確認しておくと、被害者側もやきもきしなくて済みます。

担当者の態度がひどい・態度が悪い

保険会社の担当者の態度がひどい、態度が悪い場合に被害者の方ができる対応は以下の通りです。

対応

  • 保険会社のカスタマーセンター・お客様相談室に報告する
  • 担当者を変更してもらう

「担当者にひどい対応をされた」、「対応が悪い」と感じた時でも、担当者に直接不満を言えない人もいるかと思います。そのときは、保険会社のカスタマーサポート・お客様相談室などに連絡をしてください。

担当者の変更については、本人に伝えるだけではなく、担当者の上司に申し出ることが有効でしょう。

また、そんぽADRという第三者機関を通して、保険会社に苦情を申し立てることも可能です。そんぽADRでは「苦情解決手続」を受け付けています。

苦情解決手続きの方法

  1. 被害者が電話・文書などでそんぽADRに相談する(匿名不可)
  2. そんぽADRから保険会社に対応を求める
  3. 保険会社か連絡があるので話し合いで解決を目指す

注意点として、そんぽADRセンターで扱える交通事故は、社団法人日本損害保険協会と手続実施基本契約を結んでいる保険会社に関連する場合に限られていることです。

一方的に治療費を打ち切ると言われた

保険会社から一方的に治療費を打ち切ると言われた場合に被害者の方ができる対応は以下の通りです。

対応

  • 医師に治療の必要性を確認する
    必要と判断されたら、そのことを保険会社に言う
  • 治療費を立て替えて通院を継続する
  • 後遺障害等級認定の申請を検討する

保険会社から一方的な治療費の打ち切りを打診されても、すぐに応じる必要はありません。

まず主治医に治療の可否を確認し、主治医が治療の必要性を認めた場合は、その旨を保険会社に伝えてください。

一方で、主治医からも「治療しても治らない」とか「もう治っている」と言われた場合は、保険会社からの治療費の打ち切りを拒否することは難しいです。

治療費が打ち切られた時の対応

通院・治療を継続するなら、費用は自己負担となります。
領収書・診療明細などを保管しておき、あとから請求する準備をしておきましょう。

もっとも、治療費を打ち切られた後に立て替えた治療費は、請求してもすんなりとは認められない可能性があります。
治療費を立て替えて治療を継続する場合は、早めに弁護士に相談しておくことをおすすめします。

なお、医師から「これ以上治療をしても治らない」などといわれた場合は、残っている症状を「後遺症」として考え、後遺障害等級認定の申請を行うのも選択肢のひとつです。

交通事故の治療には健康保険が使える

交通事故の治療に健康保険を使えば、治療費の節減につながります。治療費の節減は、被害者にとってもメリットです。

健康保険の使い方

  1. 病院で健康保険を使う意思表示をする
  2. 「第三者行為による傷病届」を健康保険機関へ提出する

健康保険の使い方については、こちらの関連記事『交通事故で健康保険は使える!手続きを解説』でも詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

健康保険を使うと、被害者の加入する健康保険組合が、いったん治療費を負担してくれます。そして、健康保険組合が「求償」という形で、加害者側に請求を行います。

もっとも、相手方の自賠責保険会社から補償される金銭には上限があります。
治療費・交通費・慰謝料など傷害に関する補償は120万円が上限です。
治療費が高くなるほど、慰謝料など他に支払われるべき金銭を圧迫してしまいます。

120万円を超えたら、相手方の任意保険から支払いを受けることになります。
120万円を超えて高額になるほど、保険会社との交渉はスムーズに進まない可能性が高まります。

健康保険による治療(保険診療)の選択は、被害者がスムーズに損害賠償を受けるための方策でもあるのです。

また、治療費が打ち切られた後の被害者にとっても、健康保険は役立ちます。
治療費を打ち切られた後の通院は、被害者が治療費を立て替えて支払わなくてはいけません。

少しでも自己負担額を減らすためにも、治療には健康保険を使っておきましょう。

メリット

  • 治療費を自賠責保険からの支払い限度額(120万円)に抑えるため
  • 治療費の打ち切り後の被害者の立て替え額を抑えるため

    治療費をおさえることは、被害者のメリットとなる

限度額に関しては『交通事故慰謝料が120万を超えたらどうなる?|自賠責保険の限度額や慰謝料の仕組みを解説』の記事で詳しく知ることが可能です。

休業損害を認めてくれない

保険会社が休業損害を認めてくれない場合に被害者の方ができる対応は以下の通りです。

対応

  • 休業損害証明書など書類をきちんと提出しているかを確認
  • 自営業者、主婦の休業損害は特に相手方の保険会社が支払いを渋る可能性があるので、弁護士依頼を推奨

まず、休業損害を受けとるには、医師から休業の指示を受けた診断書が必要です。また、休業損害を請求するためには以下の書類の提出も必要です。

表:職業別 休業損害請求の必要書類

職業必要書類
給与所得者休業損害証明書(保険会社所定書式)
前年度分の源泉徴収票
自営業者確定申告書(控)
白色申告者:収支内訳書(控)
青色申告者:所得税青色申告決算書(控)

※自営業者については別途資料を求められる場合あり

上記の書類をきちんと提出したか、まずは確認してみましょう。

自営業や主夫の場合は…

自営業者や主婦の方は、給与所得者と比べて、適切な金額の休業損害が認められにくい可能性があります。その理由は以下の通りです。

  • 自営業者の場合は、会社員のように厳密に勤怠管理がされていないことも多く、「実際に休んでいた」ことを証明しにくい
  • 主婦の方は実際に金銭収入を得ていないため、いかで示す最低限の金額しか提示されない

法令で定められた休業損害

最低限の休業損害額
  • 2020年4月1日以降の交通事故:6,100円
  • 2020年3月31までの交通事故:5,700円

弁護士に依頼いただければ、主婦の休業損害を日額10,000円以上で請求します。一緒に適正な金額の受け取りを目指しましょう。

むちうちが嘘だと疑われている

保険会社からむちうちが嘘だと疑われている場合の対応は以下の通りです。

対応

  • 安易に治療費の打ち切りには応じず、まずは医師に治療状況を確かめる
  • 通院頻度や治療の進捗などを確認・相談できるように、医師と十分にコミュニケーションをとる
  • 弁護士に対応を相談・依頼する

むちうちは、外見からは分かりません。
むちうちの症状は、「痛み」「しびれ」といった自覚症状が中心のため、本当のところは第三者には分かりようがないのです。(関連記事『交通事故で多いむちうちの症状と慰謝料計算方法|治療や後遺症認定を解説』)

保険会社が「むちうちは嘘ではないか」と疑念を持つケースを3つ予測してみました。

  1. むちうちにしては通院期間が長い
  2. 通院頻度が低い
  3. 治療内容が漫然としている

3つの疑念について、それぞれ解説していきます。

1.通院期間が長い?

相手の保険会社は、「むちうちは3カ月程度で治る」など治療期間に一定の予測を立てている場合があります。

しかし、怪我の治り具合には個人差がありますし、交通事故の規模によっても、むちうちの程度は変わります。

通院期間が長いと言われても、慌てる必要はありません。
まずは医師に相談し、医師の見解とともに、適切な治療を行っていることを保険会社に伝えましょう。

2.通院頻度が低い?

病院への通院頻度が低いと、適切な損害賠償を受けられない可能性があるので要注意です。

通院頻度が低いと、保険会社は「もう治っているのではないか」「ちゃんと治療をしているのだろうか」と疑うわれてしまうのです。
疑われないためには、病院への通院は3日に1回程度で継続するのが望ましいです。

ちなみに、通院先も重要です。
たとえば、毎日整骨院にはかかっているけれど、整形外科には1ヶ月以上かかっていない場合、もう治療は終わっていると思われかねません。

3.治療内容は適切?

保険会社が病院に直接治療費を支払う場合、保険会社は医療照会により被害者の治療状況・内容を確認できます。

仮に、1ヶ月ずっと湿布をもらうだけ、電気治療を当てるだけ、ということが続いたなら、「治療はもう必要ないのでは?」という疑念につながってしまいます。

治療の効果は、検査で確認できます。
事故直後から、MRIなどの画像検査、スパーリング・ジャクソンテスト、神経学的検査を定期的に行うなど、治療の見通しを医師と共有できれば安心です。

もし治療方法について医師に相談しづらいということがあれば、できるだけ早めに弁護士にご相談下さい。

示談交渉が進まない、保険会社と意見が対立

示談交渉が進まない、保険会社と意見が対立しているなどの場合にできる対応は以下の通りです。

対応

  • 弁護士に示談交渉を依頼する
  • 第三者機関に介入してもらう
  • 民事裁判を起こす

弁護士に相談・依頼する

最もおすすめの方法は、弁護士に示談交渉を依頼することです。
依頼を受けた弁護士は、被害者の代わりに示談交渉を行いますので、被害者が交渉の矢面に立つ必要はありません。

また、保険会社から提示される金額には増額の余地があります。
弁護士が示談交渉を行うことで、弁護士基準への増額交渉が可能となるため、被害者にとっては大きなメリットとなるでしょう。

関連記事『交通事故で弁護士相談を悩んでいる方へ|被害者の疑問を総まとめ』では、弁護士相談を検討している方に向けた情報をまとめています。弁護士に相談・依頼することで被害者が得るメリットや、具体的な相談・依頼のイメージがつかめるので、「弁護士相談は敷居が高い」と感じている人も読んでみてください。

弁護士費用特約について

また、弁護士費用特約の活用もおすすめです。
被害者の弁護士費用を、被害者の保険会社が支払ってくれる特約です。
保険約款によりますが、およそ300万円程度までの弁護士費用・10万円程度までの法律相談料を、負担してもらえます。

弁護士費用特約を使っても、保険等級には影響がなく、保険料の上昇もありません。

弁護士基準への慰謝料増額を目指したい方は、この後の「対応③増額の余地を見逃さない」をお読みください。

第三者機関を交える

交通事故の解決には、ADRの活用も有効です。

ADRとは

裁判外で交通事故などの争いごとを解決する手段。
あっ旋、調停、仲裁などの手続きがあげられる。

代表的なADR機関は次の通りです。

  • 日弁連交通事故相談センター
  • 交通事故紛争処理センター
  • 自賠責保険・共済紛争処理機構

ADRは無料で利用できます。担当の弁護士が、当事者同士の示談がまとまるようにサポートしてくれます。

しかし、被害者の立場から加害者側に主張をするわけではありません。
あくまで第三者の中立の立場として、当事者(被害者・加害者)の話を聞いてくれます。

被害者だけの味方という立ち位置ではないことを、覚えておきましょう。

民事裁判・民事訴訟を起こす

示談交渉でまとまらなかった場合、ADRのほかに、加害者側を被告人として民事裁判・民事訴訟を起こす方法もあります。

民事裁判では、保険会社の提案額ではなく、裁判基準(弁護士基準)での損害賠償請求が認められる可能性があります。

民事裁判を起こすには、申立手数料がかかります。費用は、損害賠償請求額ごとに次の通りです。

民事裁判の費用(申立手数料)

損害賠償請求額申立手数料
~100万円10万円ごとに1000円
100万円~500万円20万円ごとに1000円
500万円~1,000万円50万円ごとに2000円
1,000万円~10億円100万円ごとに3000円
10億円~50億円500万円ごとに1万円
50億円~1000万円ごとに1万円

たとえば、相手方に3,000万円を請求する裁判では、申立手数料は110,000円がかかります。(100万円までに10,000円、500万円までに20,000円、1,000万円までに20,000円、3,000万円までに60,000円で合計110,000円となります)

このほか、郵便料、証人の日当、弁護士費用がかかります。
交通事故での民事裁判・民事訴訟についてもっと詳しく知りたい方は、関連記事『交通事故の裁判|流れ・費用・期間』をお役立てください。

保険会社への正しい対応|トラブルを防ぐための6つのポイント

(1)保険会社にはいつ連絡する?いつ連絡が来る?

被害者加入の保険会社なら被害者自身で事故直後に連絡

被害者自身で加入している保険会社に連絡を入れるタイミングは、事故発生直後が望ましいです。

被害者自身の加入保険に連絡を入れる目的には、次の3つがあります。

  1. 自分の加入する保険会社からも補償を受けられる可能性がある
  2. 交通事故の過失割合次第では相手方に損害賠償金を支払うことになる
  3. 相手方から十分に補償を受けられない場合に使える保険がある

ご自身の任意保険会社への連絡を入れる時には、弁護士費用特約の有無を併せて確認しておくと良いでしょう。
弁護士費用特約があれば、300万円までの弁護士費用を任意保険会社が支払ってくれる可能性があります。

詳細は加入している保険会社の特約次第ですので、金額面も含めて、弁護士費用特約の有無を確認しましょう。

加害者加入の保険会社なら保険会社から連絡が入るのを待つ

加害者側の保険会社には、通常、加害者が事故発生の報告を入れています。
早ければ当日中にも連絡が来るでしょう。

事故が発生した時間帯によっては、翌日以降に連絡が入る可能性があります。

もし相手方の保険会社からいつまで経っても連絡が来ない場合には、まず加害者本人に確認を取ってみてください。

示談までの具体的なフロー

示談金の受け取りまでの流れ
示談金の受け取りまでの流れ

交通事故は、事故発生から示談金の受け取りまで、次のようなステップで進みます。

  1. 交通事故が発生する
  2. 怪我の治療を開始する
  3. 完治または後遺障害等級認定申請をおこなう
  4. 示談交渉を開始する
  5. 示談で確定した示談金を受けとる

相手方の保険会社とは、5つの段階全てで関わることになります。
次の段階が分かっておけば、保険会社からの質問や問い合わせにも、落ち着いて答えられるでしょう。

交通事故の示談をスムーズに進めるには、いくつかの注意点に留意してください。関連記事『交通事故の示談前に読もう!知られざる示談成功のヒミツ』では、示談そのものについて詳しく解説するとともに、示談をスムーズに進めるための注意点も解説中です。

(2)保険会社に請求すべきお金とは?

示談は、相手方の保険会社から「示談案」の提案を受けてスタートするケースが多いです。

被害者は示談案の内容を確認して、金額が適切であるかを判断しなくてはいけません。しかし、示談金がどんなお金なのかを知らないと判断できません。

交通事故示談金の内訳
交通事故示談金の内訳

示談金とは、交通事故で生じた全損害に対する賠償金です。
治療費、交通費などの実費はもちろん、慰謝料、休業損害、逸失利益なども含まれます。

示談をするということは、これで争いをやめる約束することでもあります。
一度示談金として確定した金額以上のお金は、示談が成立した後に請求しても、ほぼ認められません。

「請求し忘れていた」や「払ってくれていると思っていた」などという主張は通りません。示談金の内訳をしっかり把握して、不足のないことを確かめてから、示談を終えるようにしてください。

(3)増額の余地を見逃さない

相手方の保険会社から提示される金額が正しいとは限りません。
むしろ、多くの費目で、増額の可能性があると考えられます。
提示される金額は、「保険会社基準」に沿って、あえて低くなるよう計算されたものだからです。

慰謝料の計算基準には、2つの保険会社基準と1つの弁護士基準があります。

慰謝料・示談金支払いの3基準

  1. 自賠責保険の基準
  2. 任意保険の基準
  3. 弁護士基準

示談交渉で相手方任意保険基準が提示してくるのは「任意保険の基準」に基づいたものですが、この金額は決して十分ではありません。
任意保険の基準は、最低限の金額となる「自賠責保険の基準」とほぼ同じか、少し高額な程度でしかないのです。

被害者は、最も相場の高くなる弁護士基準での示談金獲得を目指すべきです。参考に、後遺障害慰謝料の金額を比較してみましょう。

後遺障害慰謝料(弁護士基準)

等級 自賠責*弁護士
1級・要介護 1,650万円2,800万円
2級・要介護1,203万円2,370万円
1級1,150万円2,800万円
2級998万円2,370万円
3級861万円1,990万円
4級737万円1,670万円
5級618万円1,400万円
6級512万円1,180万円
7級419万円1,000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円

※自賠責保険の金額は2020年4月1日以降に発生の交通事故に適用

自賠責保険の基準と弁護士保険の基準を比較すると、後遺障害慰謝料の金額だけで2~3倍以上の金額差になる可能性があります。

保険会社からの提示案をうのみにせず、弁護士基準で算定した時の金額まで増額交渉することが望ましいです。

慰謝料はいくら増額を目指せるの?

実際どれくらい増額できるかを調べる2つの方法をご紹介します。

  1. 慰謝料計算機を使う
  2. 弁護士に見積もりを依頼する

慰謝料計算機とは、情報を入力するだけで、弁護士基準の金額がすぐに分かる自動計算ツールです。
あなたの慰謝料をシミュレーションするなら、手軽に使える慰謝料計算機をタップしてください。

アトム法律事務所の弁護士も、交通事故の慰謝料見積もりを行っております。
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(4)示談交渉は損害が確定してからスタート

示談金は、交通事故で発生した全損害への賠償金です。
全損害が確定してからでないと金額は算定できません。

もし事故現場で加害者から「示談しよう」と言われても、絶対に応じてはいけません。

損害の確定時期は、交通事故で生じた結果によってちがいます。
示談を開始できる時期を下表にまとめました。

表:事故の結果と示談開始時期

事故態様後遺障害の有無示談開始時期
傷害怪我が完治した時
傷害後遺障害等級認定の
審査結果通知後
死亡葬儀または
四十九日など法要後
物損いつでも始められる

示談金は相手の自賠責保険と任意保険から支払われますが、基本的には示談成立後、すべて一括して相手の任意保険会社から支払われます。

しかし、示談成立前でも自賠責保険の支払い分のみ、自賠責保険に直接請求することもできます。
これを、「被害者請求」といいます。

交通事故で出費が増え、生活費を圧迫しているという状況でも、示談金の早期獲得だけを目当てに示談を急ぐのではなく、被害者請求を活用しましょう。
一度結んだ示談内容は原則として取り消せないので、あくまでも示談交渉は慎重に行うべきなのです。

被害者請求は、書類の準備など、被害者の手間・負担が増える側面もあります。弁護士のサポートで、その負担を軽減できますので、お気軽にお問い合わせください。

怪我が完治した場合

傷害事故の場合、後遺障害等級認定の申請をするかで、示談を始める時期が違います。
怪我が完治して、後遺障害等級認定を申請しない場合は、治療終了しだい示談を始めることができます。

後遺症が残った場合

何らかの後遺症が残り、後遺障害等級認定を申請した場合は、申請結果が出てから示談をしてください。そうでないと、後遺障害等級に応じた交通事故の損害賠償を請求できません。後遺障害慰謝料・逸失利益・介護費用など、後遺障害等級や症状の程度に応じた賠償請求を忘れないようにしてください。

後遺障害等級認定の申請方法は、『交通事故の後遺障害等級認定|申請方法と認定される症状』で解説しています。

死亡事故の場合

死亡事故の場合は、示談金として葬儀費用も含まれますので、葬儀が終わった時点で示談は始められます。しかし、大事な方を亡くしたご遺族の苦痛は計り知れません。たとえば四十九日の法要後など、一定程度時間をあけて示談を始めれば充分です。

念のため、損害賠償請求の権利に時効があることにはご留意ください。人身部分の損害賠償請求は5年間、物損部分や被害者加入の保険会社への保険金請求は3年間となります。いずれも死亡日の翌日から起算されます。時効の詳細は、後述の対応(5)をお役立てください。

物損事故の場合

物損部分については、修理費用・買い替え費用の査定さえ済めば、示談を始められます。そのため、人身事故についても、物損の部分を先行して示談を済ませるということもあります。

(5)損害賠償請求の時効は2つある(2020年4月1日最新)

損害賠償請求は、民法に定められた被害者の権利です。
しかし、損害賠償請求する権利には3年または5年の時効が存在します。

表:損害賠償請求の時効

請求する損害請求先時効
人身損害加害者5年
物的損害加害者3年
保険金の請求保険会社3年

時効の起算日は、以下の通りです。

表:時効の起算日

事故時効起算日
傷害による損害事故発生日の翌日
後遺障害による損害症状固定日の翌日
死亡による損害被害者死亡日の翌日
物的損害事故発生日の翌日

※傷害による損害:治癒日または症状固定日の翌日を起算日とすることもある

2020年4月1日に民法が改正され、人の生命または身体の損害に関する損害賠償請求の時効は5年に延長されました。

2017年4月1日以降に発生した交通事故に対して適用されます。
また、2017年4月1日の少し前に発生した交通事故でも、犯人が見つかっていないなどの背景しだいで適用される可能性があります。

損害賠償請求の時効に関する注意点

注意点は2点あります。

  1. 物的損害については時効3年のまま
  2. 保険会社への保険金請求は3年のまま

ひとつの交通事故の中で、時効が2つ存在します。
交通事故の規模によっては、示談を始められるまでに時間がかかったり、示談がスムーズに進まない可能性もあります。物損部分の示談を先行して進めるなど、弁護士視点でのアドバイスも可能ですので、時効に関するご不安があれば、弁護士への問い合わせをおすすめします。

(6)過失割合への不満は根拠をもって対抗する

過失割合とは、交通事故にたいして加害者と被害者それぞれが負うべき責任の割合をいいます。
過失割合は責任割合ともいわれ、10:0(100:0)、8:2(80:20)などで表します。

過失割合は事故状況をもとに算定されるので、示談で加害者と意見が対立した場合は、事故状況を示す証拠が必要です。
交通事故の目撃者証言に加えて、警察が作成した実況見分調書・供述調書、ドライブレコーダーの記録、事故現場付近の防犯カメラの記録、信号サイクル表などの証拠を集めましょう。

過失割合の証明に使用したい資料・証拠

  • 目撃者の証言
  • 警察作成の実況見分調書・供述調書
  • ドライブレコーダーの記録
  • 防犯カメラの記録
  • 信号サイクル表

保険会社への対応が分からない・疲れてしまった方へ

弁護士相談・依頼の受付は年中無休です

保険会社の対応にお困りでしたら、アトム法律事務所の無料相談をご活用ください。

  • 保険会社の考えはお見通し

アトム法律事務所には、かつて保険会社側の弁護士として活動していた者が在籍しています。そのノウハウを弁護士内で共有していますので、相手方の保険会社の狙いや、保険会社の嫌がりそうなことも手に取るようにわかります。

  • 裁判を起こさずに増額を実現させる

民事裁判を起こさずとも、示談段階での増額交渉を行います。
弁護士基準という裁判所でも使われている同等の基準額まで引き上げるように、粘りづよく交渉します。

アトム法律事務所では、被害者の方専用の相談窓口を常設しています。
24時間・365日・年中無休で、法律相談の予約を受け付けています。

アトムが選ばれる理由2
いいね!の数4573人・SNSレビュー4.3点

ご相談窓口は、お電話・メール・LINEの3つ全てが無料でご利用いただけます。
実際にご利用いただいた方の口コミをご紹介します。

交通事故の被害とは大きな怪我を負うだけでなく示談における交渉に精神的な負担が大きいという二重の苦しみがあることを思い知らされました。精神的負担が大きく軽減され、無事に示談を迎えることが出来ました。

肩関節の怪我・後遺障害12級認定の被害者の方より(一部抜粋)

無料のLINE相談でも親切に対応していただき感謝しています。交通事故の保険の事など無知な私に強い味方になってもらい、1ヶ月半ほどで慰謝料も2倍になり本当にお願いしてよかったと思っています。

骨折・後遺障害等級14級認定の被害者の方より(一部抜粋)

全国主要都市のネットワークを強みに、弁護士同士でノウハウを共有しています。保険会社の対応にご苦労されている方ほど、アトム法律事務所へのご相談をご検討ください。

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まとめ

  • 保険会社とのトラブルを避けるためにも、また、起こってしまったトラブルについても、弁護士に相談することがおすすめ
  • 保険会社が示談案で提示する金額や過失割合をうのみにせず、弁護士に相談するなどの方法で、示談前に立ち止まることが大事

代表弁護士岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点